JP2005166604A - コネクタのロック構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロック強度の増大とロック解除力の低減とを併せて実現し、加えてロックフィーリングを安定させる。
【解決手段】 雄ハウジング10の上面には被係止部14が突出形成される。雌ハウジング20には、被係止部14に係止可能な係止部35を先端に設けたロックアーム33が基端部36を中心に弾性的な傾動可能に設けられるとともに、支点部42を中心にシーソー状に弾性傾動可能な解除アーム40がロックアーム33とは別に設けられる。解除アーム40の前端側がロックアーム33の先端側を囲む枠状に形成され、係止部35の左右両面に突片48が形成されるのに対して、解除アーム40の左右の枠41の内面には、解除片49が形成されて突片48の裏側に臨んでいる。操作部44を押して解除アーム40を傾動させることで、ロックアーム33の係止部35が持ち上げられ、ロックが解除される。
【選択図】 図11
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ロック強度の増大とロック解除力の低減とを併せて実現し、加えてロックフィーリングを安定させるところにある。
両ハウジングを嵌合させると、解除アームを元位置に残したまま、ロックアームのみが基端側を中心に弾性的に傾動しつつ係止部が被係止部を乗り越し、正規嵌合されると、係止部が被係止部を通過するため、ロックアームが元姿勢に復元しつつ係止部が被係止部の後面に係止することで、両ハウジングが正規の嵌合状態にロックされる。
両ハウジングの嵌合を解除する場合は、解除アームの他端の操作部を押し込むと、解除アームの一端が持ち上げられるように傾動変位し、これにより解除部がロックアームの先端側を押し上げることで、係止部が被係止部の後面から外れてロックが解除される。
すなわち、ロック強度の増大とロック解除力の低減とを併せて実現することができる。
仮に、ロックアームの先端側と解除アームの一端側とが一体に連結されていると、両ハウジングが正規嵌合されてロックアームが復動しようとした場合に、解除アームがむしろロックアームを引っ張るように機能して、係止部が相手のコネクタハウジングにおける被係止部の直後部分を打つ勢いが殺がれ、打圧音が小さかったり、かちっと嵌まらないといった、すなわちロックフィーリングが悪くなることが懸念される。
また、ロックアームはいわゆる片持ち状であるから、シーソー状の場合のように、係止部とは反対側の端部に指や他の外装部品が触れることに起因して、ロックアームの復動の勢いが殺がれることが回避され、これによっても安定したロックフィーリングを得ることができる。
両ハウジングのロックを解除する場合、解除アームの他端の操作部を押し込むと、一端側の左右の枠に設けられた解除部が、ロックアームの先端側の左右の側縁を裏面から押し上げることで、係止部が被係止部の後面から外される。
特に、解除アームの一端側を、ロックアームの先端側を囲む枠状に形成したから、ロックアームの先端に極力寄った位置を押し上げることが可能となり、ロック解除動作をより小さい力で行うことができる。
ロックアームの先端側を、解除アームの一端側を囲む枠状に形成したから、ロックアームに対して幅広の係止部を設定することができ、相手のコネクタハウジングの被係止部と併せて、大きな係止面積が確保でき、ロック強度をより高めることができる。
<請求項4の発明>
ロックアームが、嵌合方向の後方に延出して設けられているから、両ハウジングを嵌合した際、ロックアームは、相手の被係止部に対して基端側から先端側に向けて順次に乗り上げる。そのため、ロックアームからの反力は嵌合が進むに従って次第に小さくなり、抵抗感が少なくてスムーズに嵌合操作することが可能となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。この実施形態では、図1及び図2に示すように、互いに嵌合可能な雄側のコネクタハウジング10(以下、雄ハウジングという)と、雌側のコネクタハウジング20(以下、雌ハウジングという)とから構成されている。なお以下では、各ハウジング10,20ついて嵌合面側を前方として説明する。
また、雄端子12と嵌合接続される雌端子25が、電線26の端末に防水ゴム栓27ともども固着されている。
雄ハウジング10の上面における被係止部14の両側には、ガイド壁15が全長にわたって形成されている。
この窓孔31内には、ロックアーム33が設けられている。ロックアーム33は、一対のアーム34の先端同士が係止部35で連結された構造であって、各アーム34は、奥行方向の寸法が大きく、すなわち太くされた基端部36が、端子収容部21の上面におけるフード部22のほぼ後面の位置から一体的に立ち上げられ、さらに前方に向けて屈曲されて延出されている。両アーム34は、上記した雄ハウジング10の被係止部14の幅よりやや広い間隔を開けた平行姿勢を取って、窓孔31の前縁の所定寸法手前の位置まで延出され、両アーム34の延出端の間には、既述したように係止部35がわたされて連結されている。係止部35の前面下部の角は、丸みが付けられてガイド面35Aとされている。
端的には解除アーム40は、操作部44を押圧することにより、支点部42を中心として前枠45が持ち上げられるように弾性的な傾動変位可能となっている。
一方、解除アーム40の左右の枠41における突片48と対応した内面には、逆に厚さ方向における裏面側のほぼ半分の領域から、解除片49が張り出し形成され、各突片48の裏側に潜り込むように設けられている。
雌ハウジング20に対して雌端子25を装着したのち、この雌ハウジング20が、図8の矢線に示すように、雄ハウジング10に向けて嵌合される。雌ハウジング20は、解除アーム40を両ガイド壁15の内側に沿わせるようにして嵌合され、嵌合が進むと、被係止部14が解除アーム40の逃がし溝46を通って進入し、ガイド面14Aがロックアーム33の係止部35のガイド面35Aに当たることで、図9に示すように、ロックアーム33が基端部36を支点として弾性的に傾動しつつ係止部35が被係止部14に乗り上げる。ロックアーム33が傾動するときは、突片48が解除片49から上方に逃げるだけであるから、解除アーム40が元位置に残されたままロックアーム33のみが傾動する。
雌ハウジング20が正規位置まで嵌合されると、係止部35が被係止部14を通過するため、図10に示すように、ロックアーム33が元姿勢に復元しつつ被係止部14が係止溝38に嵌まり、係止面35Bに被係止部14の被係止面14Bが係止することで、両ハウジング10,20が正規の嵌合状態にロックされる。
これにより、被係止部14に対する係止が解除されるから、その状態で雌ハウジング20を後方に引くと、図12に示すように、係止部35を被係止部14の上方を通過させつつ、雌ハウジング20を雄ハウジング10から引き抜くことができる(図8参照)。
ここで仮に、ロックアーム33の係止部35側と解除アーム40の前枠45側とが一体に連結されていると、両ハウジング10,20が正規嵌合されてロックアーム33が復動しようとした場合に、解除アーム40がむしろロックアーム33を引っ張るように機能して、係止部35が相手の雄ハウジング10の上面を打つ勢いが殺がれ、打圧音が小さかったり、かちっと嵌まらない、すなわちロックフィーリングが悪くなることが懸念される。
またこの実施形態では、解除アーム40の解除片49が、ロックアーム33の先端により近い位置に設けられた突片48を持ち上げるようにしたから、てこ作用がより有効に活かされて、さらに小さな操作力で解除動作を行うことができる。
次に、本発明の実施形態2を図13ないし図24によって説明する。この実施形態2では、実施形態1と比べて、ロック並びにその解除部分の構造に変更が加えられており、以下には主にその変更部分について説明する。なお、雄ハウジング10A、雌ハウジング20Aとも、実施形態1と同一機能を有する部位については、同一符号を付すことで、説明を簡略化または省略する。
そして、図19、図20に示すように、ロックアーム53の係止溝58の左右両側面における解除アーム60の前端と対応する領域では、厚さ方向における表面側のほぼ半分の領域から、突片68が張り出し形成されている。
一方、解除アーム60の前端における左右の側面には、逆に厚さ方向における裏面側のほぼ半分の領域から、解除片69が張り出し形成され、各突片68の裏側に潜り込むように設けられている。
雌端子25が装着された雌ハウジング20Aが、図14の矢線に示すように、雄ハウジング10Aに向けて嵌合される。雌ハウジング20Aは、ロックアーム53を両ガイド壁17の内側に沿わせるようにして嵌合され、嵌合が進むと被係止部16が進入し、ガイド面16Aがロックアーム53の係止部55のガイド面55Aに当たることで、図21に示すように、ロックアーム53が基端部56を支点として弾性的に傾動しつつ係止部55が被係止部16に乗り上げる。ロックアーム53が傾動するときは、突片68が解除片69の上方へ逃げるだけであるから、解除アーム60が元位置に残されたままロックアーム53のみが傾動する。
雌ハウジング20Aが正規位置まで挿入されると、係止部55が被係止部16を通過するため、図22に示すように、ロックアーム53が元姿勢に復元しつつ被係止部16が係止溝58に嵌まり、係止面55Bに被係止部16の被係止面16Bが係止することで、両ハウジング10A,20Aが正規の嵌合状態にロックされる。
これにより、被係止部16に対する係止が解除されるから、その状態で雌ハウジング20Aを後方に引くと、図24に示すように、係止部55を被係止部16の上方を通過させつつ、雌ハウジング20Aを雄ハウジング10Aから引き抜くことができる(図14参照)。
なおこの実施形態2では、ロックアーム53の先端側が、言わば解除アーム60の前端側を囲む枠状に形成されているから、ロックアーム53に対して幅広の係止部55を設定することができ、幅広に形成された相手の雄ハウジング10Aの被係止部16と併せて、大きな係止面積が確保でき、ロック強度をより高めることができる。
図25ないし図35は本発明の実施形態3を示す。この実施形態3では、ロック並びにその解除部分の構造にさらに変更が加えられており、以下には主にその変更部分について説明する。なお、雄ハウジング10B、雌ハウジング20Bとも、実施形態1及び実施形態2と同一機能を有する部位については、同一符号を付すことで、説明を簡略化または省略する。
改めるとロックアーム73は、アーチ部30の窓孔31Bの前縁から後方の斜めを下を向いた姿勢で、比較的短寸の片持ち状に形成され、基端部76を支点として先端側が上下方向に弾性的な傾動変位可能に設けられている。
解除アーム80の前端は、上記したロックアーム73の先端と突き合うように延出されているとともに、後端は端子収容部21の後面付近まで延出し、その後端の上面には、幅広の板状をなす操作部84が横向きに形成されている。
したがって解除アーム80は、操作部84を押圧することで、支点部82を中心として前端が持ち上げられるように弾性的な傾動変位可能となっている。
一方、解除アーム80の前端には、ロックアーム73おける突片88を含む両突部77を内側に嵌めて逃がす凹部90が形成されており、この凹部90の左右の側壁の下端部には、解除片89が張り出し形成され、各突片88の裏側に潜り込むように設けられている。
雌端子25が装着された雌ハウジング20Bが、図26の矢線に示すように、雄ハウジング10Bに向けて嵌合される。雌ハウジング20Bは、アーチ部30の左右の側壁を両ガイド壁19の外側に沿わせるようにして嵌合され、嵌合が進むと被係止部18がロックアーム73の逃がし溝78に進入し、ガイド面18Aがロックアーム73の係止部75のガイド面75Aに当たることで、図32に示すように、ロックアーム73が基端部76を支点として弾性的に傾動しつつ係止部75が被係止部18に乗り上げる。ロックアーム73が傾動するときは、突片88が解除片89の上方へ逃げるだけであるから、解除アーム80が元位置に残されたままロックアーム73のみが傾動する。
雌ハウジング20Bが正規位置まで挿入されると、係止部75が被係止部18を通過するため、図33に示すように、ロックアーム73が元姿勢に復元しつつ係止部75が被係止部18の後面に嵌まり、係止面75Bに被係止部18の被係止面18Bが係止することで、両ハウジング10B,20Bが正規の嵌合状態にロックされる。
これにより、被係止部18に対する係止が解除されるから、その状態で雌ハウジング20Bを後方に引くと、図35に示すように、係止部75を被係止部18の上方を通過させつつ、雌ハウジング20Bを雄ハウジング10Bから引き抜くことができる(図26参照)。
なおこの実施形態3では、ロックアーム73が、嵌合方向の後方に延出して設けられているため、両ハウジング10B,20Bを嵌合した際、ロックアーム73は、相手の被係止部18に対して基端側から先端側に向けて順次に乗り上げる。そのため、ロックアーム73からの反力は嵌合が進むに従って次第に小さくなり、抵抗感が少なくスムーズに嵌合操作することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、ロックアーム並びに解除アームが雌ハウジング側に設けられた場合を例示したが、両アームが雄ハウジング側に設けられていてもよい。
(2)本発明は、機器直接型のコネクタに限らず、ワイヤ−ワイヤの型式のコネクタにも同様に適用することができる。
(3)また、非防水のコネクタにも同様に適用可能である。
14,16,18…被係止部
20,20A,20B…雌ハウジング
33,53,73…ロックアーム
35,55,75…係止部
36,56,76…(ロックアームの)基端部
40,60,80…解除アーム
41…(解除アーム40の左右の)枠
42,62,82…(解除アームの)支点部
44,64,84…操作部
48,68,88…突片
49,69,89…解除片(解除部)
54…アーム(ロックアーム53の左右の枠)
Claims (4)
- 互いに嵌合される雌雄一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングには、他方のコネクタハウジングの被係止部に係止可能な係止部を先端側に設けたロックアームが基端側を中心として弾性的な傾動可能に設けられるとともに、この一方のコネクタハウジングには、シーソー状をなして弾性的に傾動可能な解除アームが前記ロックアームとは別に設けられ、この解除アームの一端側に設けられた解除部が前記ロックアームの先端側の裏側に臨んでおり、前記解除アームの他端側に設けられた操作部を押圧することによる傾動に伴って前記ロックアームの先端側が弾性的に持ち上げられることで、前記係止部の前記被係止部に対する係止の解除が可能とされていることを特徴とするコネクタのロック構造。
- 前記ロックアームの先端と前記解除アームの一端とが、揃って相手のコネクタハウジングとの嵌合方向の前方に延出して設けられるとともに、前記解除アームの一端側が前記ロックアームの先端側を囲むような枠状に形成され、前記解除アームの左右の枠には、前記解除部が、前記ロックアームの先端側における左右の側縁の裏面と係合可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタのロック構造。
- 前記ロックアームの先端と前記解除アームの一端とが、揃って相手のコネクタハウジングとの嵌合方向の前方に延出して設けられるとともに、前記ロックアームの先端側が前記解除アームの一端側を囲むような枠状に形成され、前記解除アームの一端側の左右の側縁には、前記解除部が、前記ロックアームの先端側における左右の枠の裏面と係合可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタのロック構造。
- 前記ロックアームは、その先端が相手のコネクタハウジングとの嵌合方向の後方に延出して設けられる一方、前記解除アームは、その一端が前記相手のコネクタハウジングとの嵌合方向の前方に延出して前記ロックアームの先端側と突き合うように設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタのロック構造。
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