JP2005109263A - 磁性体素子及磁気メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電流直接駆動による磁化反転の際の反転電流を低減させることができる磁性体素子及びこれを用いた磁気メモリを提供することを目的とする。
【解決手段】 磁性層と非磁性層とが交互に積層され前記磁性層のうち少なくとも1層の磁化が第1の方向に実質的に固定され且つ前記磁性層の2層以上の層が前記非磁性層を介して強磁性結合してなる第1の強磁性層と、磁化が第2の方向に実質的に固定された第2の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられ、磁化の方向が可変の第3の強磁性層と、前記第1乃至第第3の強磁性層間に設けられた第1及び第2の中間層と、を備え、前記第1及び第2の強磁性層の間で書き込み電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第3の強磁性層に作用させて前記第3の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁性体素子を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性体素子及び磁気メモリに関し、より詳細には、記録再生機能を有する磁性体素子及びこれを用いた磁気メモリに関する。
従来より、磁性体の磁化方向を制御するためには、外部磁界を印加する方法が採られてきた。例えば、ハードディスクドライブにおいては、記録ヘッドから発生する磁場により、磁気記録媒体の磁化方向を反転させ、書き込みを行なっている。また、固体磁気メモリでは、磁気抵抗効果素子の近傍に設けられた配線に電流を発生させることで生じる電流磁界をセルに印加することで、セルの磁化方向の制御を行なう。これらの外部磁場による磁化方向制御は古い歴史をもち、確立された技術といえる。
一方、昨今のナノテクノロジーの進歩により、磁性材料も急激に微細化し、磁化制御もナノスケールで局所的に行なう必要が出てきた。しかしながら、磁場は根本的に空間に広がる性質をもつので局所化が難しい。微小サイズのビットやセルを選択してその磁化方向を制御させようとした場合、隣のビットやセルを選択してしまう「クロストーク」の問題、あるいは磁場発生源を小さくすると十分な発生磁場を得られないという大きな問題が生ずる。
最近、磁性体に直接電流を流すことで磁化反転を起こす「電流直接駆動型磁化反転」が見出された(例えば、非特許文献1参照)。この現象は、電流が磁性層を通過することによりスピン偏極され、この電流が流れることによりスピン偏極した電子の角運動量が、磁化反転させたい磁性体の角運動量に伝達・作用することで磁化の反転を起こす現象である。この現象を用いれば、ナノスケールの磁性体に対してより直接的に作用させることが可能であるため、クロストークを生ずることなく、より微小な磁性体に記録が可能になると期待されている。
F. J. Albert, et al., Appl. Phy. Lett. 77, p3809 (2000)
しかしながら、「電流直接駆動型磁化反転」によると、現在のところ、磁化を反転させるための反転電流は10mA〜数mAと極めて大きいという問題がある。電流による素子破壊を防止するため、発熱を防止するため、低消費電力化のため、さらには磁気トンネル効果等の信号再生のための磁気抵抗効果検出用高抵抗層との無理のない組合せのためには、できるだけ小さな電流で磁化反転する素子構造が望まれる。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、電流直接駆動による磁化反転の際の反転電流を低減させることができる磁性体素子及びこれを用いた磁気メモリを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、磁性層と非磁性層とが交互に積層され前記磁性層のうち少なくとも1層の磁化が第1の方向に実質的に固定され且つ前記磁性層の2層以上の層が前記非磁性層を介して強磁性結合している第1の強磁性層と、磁化が第2の方向に実質的に固定された第2の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられ、磁化の方向が可変の第3の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第1の中間層と、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第2の中間層と、を備え、
前記第1及び第2の強磁性層の間で書き込み電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第3の強磁性層に作用させて前記第3の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁性体素子が提供される。
ここで、前記強磁性結合は、前記書き込み電流を流した時に前記磁性層の少なくともいずれかの磁化が反転しない強度を有するものとすることができる。
また、前記強磁性結合の強度Jは、前記書き込み電流の電流密度をIw/A、前記磁性層の厚さをt、前記磁性層の磁化をMs、プランク定数をh、電流のスピン非対称性をP、電荷をe、ギルバートダンピング定数をαとすると、次式
J>(hP/2eα)×(Iw/A)−tπMs
を満たすものとすることができる。
また、前記非磁性層は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)及びこれらを含む合金よりなる群から選択されたいずれかにより形成され、厚みが2ナノメータ以下であるものとすることができる。
また、前記第3の強磁性層は、磁性層と非磁性層とが交互に積層されそれら磁性層は前記非磁性層を介して強磁性結合してなるものとすることができる。
一方、本発明によれば、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性層と、磁化が第2の方向に実質的に固定された第2の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられ、磁性層と非磁性層とが交互に積層されそれら磁性層は前記非磁性層を介して強磁性結合しており前記磁性層の磁化の方向が可変の第3の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第1の中間層と、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第2の中間層と、を備え、
前記第1及び第2の強磁性層の間で書き込み電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第3の強磁性層に作用させて前記第3の強磁性層の前記磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁性体素子が提供される。
ここで、前記強磁性結合は、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間の磁気抵抗効果を検出するセンス電流を流した時に前記磁性層の少なくともいずれかの磁化が反転しない強度を有するものとすることができる。
また、前記第3の強磁性層における前記強磁性結合の強度Jは、前記センス電流の電流密度をIs/A、前記磁性層の厚さをt、前記磁性層の磁化をMs、プランク定数をh、電流のスピン非対称性をP、電荷をe、ギルバートダンピング定数をαとすると、次式
J>(hP/2eα)×(Is/A)−tπMs
を満たすものとすることができる。
一方、本発明によれば、上記のいずれかの複数の磁性体素子を絶縁体を間に介しつつマトリクス状に設けたメモリセルを備えたことを特徴とする磁気メモリが提供される。
ここで、前記メモリセル上の前記磁性体素子のそれぞれに対して、プローブによりアクセス可能とすることができる。
また、前記メモリセル上の前記磁性体素子のそれぞれにワード線とビット線とが接続され、前記ワード線とビット線とを選択することにより、特定の磁性体素子に対して情報の記録または読み出しを可能とすることができる。
本発明によれば、微小サイズの磁性体に低電流密度すなわち低電流で直接書き込み可能な磁性体素子を提供することが可能となり、素子破壊の問題、発熱問題、消費電力、再生との組合せなどの問題を解決できる。
すなわち、微小サイズの磁性体に局所的に低消費電力で磁化を書き込むことができる磁性体素子を提供でき、さらには、磁気抵抗効果を用いてその書き込み磁化を読み出すことが可能な磁性体素子を提供できる。これらの磁性体素子は極めて微小であるために、磁気素子の高密度化、高機能化、さらには磁気素子を含むデバイスの全体サイズ縮小化へ効果大であり産業上のメリットは多大である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。この磁性体素子10は、2つの電極100、900の間に、第1ピン層200/第1中間層300/フリー層400/第2中間層500/第2ピン層600が積層された構造を有する。
第1ピン層200は、多層膜中の少なくとも2層以上の磁性層が互いに強磁性結合した(磁性層210/非磁性層220)×N/磁性層2100(N=1あるいはそれ以上)からなる多層膜を有する。つまり、第1ピン層200は、磁性層210と非磁性層220とが交互に積層され、非磁性層220を介して少なくとも2層以上の磁性層210同士が強磁性結合した構造を有する。そして、これら少なくとも2層以上の磁性層210の磁化M1は、所定の方向に固着されている。
まず、本実施形態の磁性体素子10における記録メカニズムについて説明する。
本実施形態においては、電極100、900の間に電流I1またはI2を流すことにより第1ピン層200の磁化Mをフリー層400の磁化M2に作用させて、フリー層400の磁化M2の方向を制御する。具体的には、フリー層400の磁化M2を反転させるために必要な反転電流Ic以上の書き込み電流Iwを流し、その流れる向き(極性)を変えることでフリー層400の磁化M2の向きを変える。記録の場合には、フリー層400の磁化M2の向きに応じて、例えば「0」と「1」とを割り当てることができる。
図2は、図1に表した磁性体素子における記録のメカニズムを説明するための模式断面図である。
図2(a)に表したように、第1ピン層200からフリー層400に向けて電子が流れる場合には、フリー層400の磁化Mの方向は、第1中間層300に接した第1ピン層表面の磁化方向と同一方向となる。すなわち、磁化M1を有する磁性層210を通過した電子は、磁化M1の方向のスピンをもつようになり、これがフリー層400へ流れると、このスピンのもつ角運動量がフリー層400Aへ伝達され、磁化M2に作用する。その結果として、フリー層400の磁化M2が、第1ピン層200の磁化M1と同一方向となる。
一方、図2(b)に表したように、フリー層400から第1ピン層200に向けて電子電流を流すとフリー層の磁化M2の方向は、第1中間層300に接した第1ピン層200の磁化M1の方向と反平行となる。これは、フリー層400を通過するスピン電子のうちで、第1ピン層の磁化M1と同方向のものは第1ピン層200を通過するが、磁化M1と反平行のスピンを有する電子は、第1ピン層200と中間層300との界面において反射されて、もう一度フリー層400の磁化M2に作用するからである。
そして、本発明によれば、ピン層200を強磁性結合した多層膜で構成することにより、小さな電流でフリー層400の磁化M2を反転させることが可能となる。
すなわち、図2(a)に表したように、第1ピン層200からフリー層400に向けて電子を流した場合、ピン層200を構成する複数の磁性層210を透過するごとに電子電流のスピン偏極度が上がるため、フリー層400への作用が大きくなる。その結果として、ピン層を単一の磁性層により形成した場合と比べて反転電流を小さくできる。
また逆に、図2(b)に表したように、フリー層400から第1ピン層200に向けて電子を流した場合(極性が逆の場合)、磁化M1と逆向きのスピンを有する電子は、第1ピン層内の多層膜の一層目、二層目、…の磁性層200でスピン依存反射され、その結果、フリー層400に対してより高効率で作用することとなり、反転電流を低減できる。
一方、本発明においては、第2ピン層600の磁化M3を第1ピン層の磁化M1とは逆向きにすることにより、さらに効率的な書き込みが可能となる。
図3は、第2ピン層600の磁化の作用を説明するための模式図である。同図については、図1及び図2に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図3(a)に表したように、第2ピン層の磁化M3が第1ピン層の磁化M1と反対向きに固着されている場合、第1ピン層200からフリー層400に向けて電子電流を流すと、磁化M1の方向にスピン偏極した電子が中間層500と第2ピン層600との界面で反射され、再びフリー層400に作用する。従って、スピン偏極電子によるフリー層400への作用が倍増し、書き込み効率をさらに上げることができる。
一方、図3(b)に表したように、第2ピン層600からフリー層400に向けて電子電流を流した場合には、第2ピン層の磁化M3によって電子のスピン偏極が促進され、フリー層400に作用する。このため、やはり書き込み効率を上げることができる。
以上、図2及び図3を参照しつつ説明したフリー層400への「書き込み」のメカニズムは、磁化M1、M2が膜面に対して垂直な方向に制御された磁性体素子においても同様である。
図4は、本実施形態の磁性体素子における「書き込み」のメカニズムを説明するための模式断面図である。同図については、図1乃至図3に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図4(a)及び(b)に表したように、磁化M1、M2の方向が膜面に対して垂直とされた場合にも、電流の向きに応じて、それぞれスピン偏極させた電子をフリー層400に作用させ、その磁化M2を所定の方向に反転させることができる。そして、この場合も、第1ピン層200に複数の磁性層210を設けることにより、書き込み電流にスピン偏極度を高めて、より小さい電流でフリー層の磁化M2を反転させることが可能となる。
またさらに、このように膜面に対して垂直方向に磁化されている場合も、第2フリー層600の磁化を利用してさらに効率的な書き込みが可能となる。
図5は、第2ピン層600の磁化の作用を説明するための模式図である。同図については、図1乃至図4に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5(a)に表したように、第2ピン層の磁化M3が第1ピン層の磁化M1と反対向きに固着されている場合、第1ピン層200からフリー層400に向けて電子電流を流すと、磁化M1の方向にスピン偏極した電子が中間層500と第2ピン層600との界面で反射され、再びフリー層400に作用する。従って、スピン偏極電子によるフリー層400への作用が倍増し、書き込み効率をさらに上げることができる。
一方、図5(b)に表したように、第2ピン層600からフリー層400に向けて電子電流を流した場合には、第2ピン層の磁化M3によって電子のスピン偏極が促進され、フリー層400に作用する。このため、やはり書き込み効率を上げることができる。
次に、本実施形態の磁性体素子10における再生メカニズムについて説明する。本実施形態の磁性体素子において、フリー層400の磁化M2の方向の検出は、各層の磁化の相対的な向きにより電気抵抗が変わる「磁気抵抗効果」を利用して行うことができる。
図6は、本実施形態の磁性体素子の読み出し方法を説明するための概念図である。すなわち、磁気抵抗効果を利用する場合、第1ピン層200及び第2ピン層600のいずれかとフリー層400との間でセンス電流Iを流し、磁気抵抗を測定すればよい。図6においては、第2ピン層600とフリー層400との間で磁気抵抗を測定する場合を例示したが、これとは逆に、第1ピン層200とフリー層400との間で磁気抵抗を測定してもよい。
図7は、磁化の相対的な向きによる磁気抵抗の変化を説明するための概念図である。すなわち、同図(a)に表したように、フリー層400の磁化M2と、第2ピン層600(第1ピン層200でもよい)の磁化M3とが同一の方向の場合、これらにセンス電流Iを流して検出される磁気抵抗は、相対的に小さな値となる。
一方、図7(b)に表したように、フリー層400の磁化M2と、第2ピン層600の磁化M3とが反平行の場合、これらにセンス電流Iを流して検出される磁気抵抗は、相対的に大きな値となる。これら抵抗が互いに異なる状態に、それぞれ「0」と「1」を対応づけることにより、2値データの記録読み出しが可能となる。
一方、磁性体素子10の両端の電極100、900を介してセンス電流を流すことにより磁気抵抗を検出する方法もある。すなわち、第1ピン層200と第2ピン層600との間でセンス電流を流すことにより磁気抵抗を検出する。しかし、本発明においては、図3及び図5に関して前述したように、これらピン層200、600の磁化M1、M3は、反平行とすることが望ましい。このため、「対称構造」すなわち第1ピン層200、第2ピン層600のスピン依存散乱の大きさが同一であると、あるいは、第1ピン層200、第2ピン層600からフリー層400に作用する電子のスピン偏極度が同一であると、フリー層400の磁化M2がどちらの方向にある場合も、検出される磁気抵抗は、同一になってしまう。そこで、「非対称構造」を採用する必要がある。
これに対して、本実施形態においては、第1ピン層200を磁性層210と非磁性層220との積層構造とし、一方、第2ピン層は、これとは異なる構造とすることにより「非対称構造」を容易に実現できる。例えば、第2ピン層600を単一の磁性体層としたり、または、第1ピン層200とは異なる構造の多層膜とすればよい。
図8は、第1ピン層と第2ピン層の構造を異なるものとした具体例を表す模式断面図である。
第1ピン層200と第2ピン層600の厚みや材料などを互いに異ならせることにより、磁化M1、M3の大きさを変えることができる。図8に模式的に表したように、第2ピン層600を第1ピン層200の実効的な厚みよりも厚く形成することにより、第2ピン層600によるスピン依存バルク散乱の寄与を第1ピン層200のそれよりも大きくすることができる。このようにすれば、電極100、900を介してセンス電流Iを流して「読み出し」を行う場合に、フリー層400の磁化M2の方向に応じて、検出される磁気抵抗が異なる。
なお、図8に表したように第1ピン層200と第2ピン層600の厚みを変える代わりに、それらの材料を変えることにより、これらピン層200、600によるスピン依存散乱の大きさを変えてもよい。
図9は、非対称構造の第2の具体例を表す模式断面図である。
すなわち、本具体例の場合、第1及び第2中間層300、500の厚みが異なる。例えば、中間層500は磁気抵抗効果が検出されやすい厚さにし、もう一方の中間層300は磁気抵抗効果が検出されにくい厚さにする。この場合、中間層500の厚みの範囲としては0.2nmから10nmの範囲、中間層300の厚みの範囲としては3nmから50nmの範囲とするとよい。
このようにすれば、中間層500を挟んだ第2ピン層600とフリー層400との間の磁気抵抗効果を主に検出することができ、フリー層400の磁化M2を検出することが容易となる。
また、中間層300、500の電気抵抗を異なるものとしてもよい。このためには中間層300、500の材料や組成を互いに異なるものとしたり、いずれか一方の中間層に添加元素を加えるなどの方法が有効である。この場合、抵抗が高い中間層を介した磁気抵抗効果のほうが明瞭に観測される。
また一方、例えば、中間層500を絶縁性の材料からなるトンネルバリア層とすれば、いわゆるTMR(tunneling magnetoresistance effect)による大きな磁気抵抗効果が得られる。つまり、この場合には、フリー層400と第2ピン層600との間でのTMR効果によりフリー層400の磁化M2を検出することが容易となる。
図10は、非対称構造の第3の具体例を表す模式断面図である。
すなわち、本具体例の場合、500に中間物質層IEが挿入されている。この中間物質層IEは、磁気抵抗効果の増大を起こすためのものである。中間物質層IEとしては、例えば、不連続な絶縁性の薄膜を挙げることができる。すなわち、ピンホールなどを有する絶縁性の薄膜を中間層に挿入することにより、磁気抵抗効果を増大させることが可能となる。
このような不連続な絶縁性の薄膜としては、例えば、ニッケル(Ni)と銅(Cu)の合金の酸化物または窒化物、ニッケル(Ni)と金(Au)の合金の酸化物または窒化物、アルミニウム(Al)と銅(Cu)の合金の酸化物または窒化物などを挙げることができる。
これら合金の酸化物や窒化物などの化合物は、加熱等によって平衡状態へ近づけることで相分離し、AuやCu等の化合物化(酸化や窒化など)されにくく従って低電気抵抗の相と、NiやAl等の酸化等がされやすく電気抵抗が高い化合物相とに分離する。このため、組成および温度あるいは印加エネルギーを制御することにより、ピンホールが存在する不連続な絶縁性薄膜を形成することができる。このように非磁性体が充填されたピンホールを形成すると、電流が流れる経路を狭窄することができ、スピン依存界面散乱とバルク散乱の寄与を制御することができ、大きな磁気抵抗効果が得られる。
このような中間物質層IEを中間層300、500のいずれかに挿入することにより、その両側のピン層とフリー層400との間の磁気抵抗効果が増大されて検出が容易となる。
図11は、非対称構造の第4の具体例を表す模式断面図である。
すなわち、本具体例の場合、中間層500は、ピンホールPHを有する絶縁層とされている。ピンホールPHは、その両側のピン層600およびフリー層400の少なくともいずれかの材料により埋め込まれている。
このように、第2ピン層600とフリー層400とがピンホールPHを介して接続されていると、いわゆる「磁性ポイントコンタクト」による「BMR効果(ballistic magnetoresistance effect)」が発現し、極めて大きい磁気抵抗効果が得られる。従って、このピンホールPHを介した両側の磁性層の間での磁気抵抗効果を検出することにより、フリー層400の磁化M2の方向を容易に判定することができる。
ここで、ピンホールPHの開口径は、概ね20nm以下であることが望ましい。また、ピンホールPHの形状は、円錐状、円柱状、球状、多角錘状、多角柱状などの各種の形状を取りうる。また、ピンホールPHの数は、1個でも複数でもよい。但し、少ない方が望ましい。
以上、図8乃至図11を参照しつつ、磁気抵抗効果によりフリー層400の磁化M2の方向を容易に読み出すための非対称構造の具体例について説明した。これらの非対称構造は、図3及び図5に例示した垂直磁化型の磁性体素子についても同様に適用して同様の作用が得られる。
また、図1乃至図11には、第1ピン層200を構成する磁性層210が2層である場合を例示したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、図12に例示した如く、第1ピン層200が3層の磁性層210を有するものとしてもよいし、または4層以上の磁性層210を有するものとしてもよい。
ただし、いずれの場合も、複数の磁性層210のうちの少なくとも2層以上は、強磁性結合していることが望ましい。つまり、本実施形態においては、第1ピン200を構成する複数の磁性層210の間の強磁性結合の強さは、書き込み電流Iに対しても強磁性結合を維持できるだけ強いことが望ましい。強磁性結合が弱い場合には、第1ピン層200の多層膜内部でのスピン依存反射により、一部の磁性層210の磁化M1が反転したり、あるいは磁化の分布の乱れが生ずるおそれがある。従って、書き込み電流Iが流れた場合にも、それぞれの磁性層210の磁化M1が反転しないように、これら磁性層210が強磁性結合していることが望ましい。
このような磁性結合を実現するためには、第1ピン層200の多層膜内の非磁性層220が、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、あるいはそれらを含む合金のいずれかからなり、その非磁性層220の厚さが2nm以下であることが望ましい。このようにすると、多層膜を構成する磁性層210は、層間で交換結合し、あるいは非磁性層220のピンホール等を通して直接的に交換結合し、強く結合した強磁性結合が実現できる。
図13は、磁性層210の層間の交換相互作用と、非磁性層220の膜厚との関係を表すグラフ図である。第1ピン層200を構成する多層膜の界面がシャープ(急峻)な場合には、隣接する磁性層210の間に働く層間交換相互作用は、非磁性層220の厚さに対して正負に振動しながら減衰する。このため、強磁性結合に好適な膜厚領域は振動型に現れるが、前述した非磁性層の場合にはそれらの膜厚はおおむね2nm以下の範囲にある。
一方、成膜時のスパッタイオンエネルギーが大きいなどの理由から、界面のミキシング(合金化)が大きい場合には、図13に例示したような顕著な振動はみられず、おおむね2nm以下で強く強磁性結合する。この場合の結合の強さは、非磁性層が薄いほど大きく好ましい。ピンホール等を通して直接的に交換結合した磁性層は、交換相互作用の強さは局所的に磁性体内部と同様となり、十分な強さを供する。
発明者のモデル計算によれば、面積Aの磁性体素子に流す書き込み電流をIwとした場合、磁性層210の層間の強磁性結合の強さJは、電流密度Iw/A、多層膜内の構成磁性層単層の厚さと磁化をそれぞれtとMsとし、プランク定数をh、電流のスピン非対称性をP、電荷をe、ギルバートダンピング定数をαとすると、次式を満たすことが好ましいことが判明した。

J>(hP/2eα)×(Iw/A)−tπMs

このような場合に、書き込み電流Iwでも良好な強磁性結合を維持できる。
なお、図1乃至図12に例示した磁性体素子の構造において、第1ピン層200は、磁性層210の磁化M1の固着のために、図示しない反強磁性層を有するものとしてもよい。また、図1乃至図12においては、一対の電極100、900間の各層の横方向のサイズは同一に表されているが、これらは必ずしも一致している必要はない。特に、第2ピン層600が単一の磁性層からなる場合には、その層の横方向のサイズを素子サイズよりも相当に大きくしてフリー層400へのピン層600の磁極の影響が無いようにすることで、漏れ磁場の影響を小さくでき、フリー層400の磁化反転の動作を妨げないようにすることができる。
図14は、反強磁性結合により磁化を固着させた具体例を表す模式図である。すなわち、第1ピン層200において、反強磁性層230が設けられ、これに隣接して設けられた強磁性体からなる磁性層240の磁化が固着される。そして、この磁性層240と積層膜とを、Ru(ルテニウム)等の非磁性層250を介して反強磁性結合させる。このような構造にすると、磁化方向がキャンセルされるので、第1ピン層600からの漏れ磁場を低減でき、フリー層400への磁界の影響を低減させることができ、フリー層400への書込み制御性を向上させることができる。また、第2ピン層600において、反強磁性層620が設けられ、これに隣接して設けられた強磁性体からなる磁性層6100の磁化が固着される。
図15は、第1ピン層の磁性層を強磁性結合させて、さらにこの多層膜に接するように反強磁性層を設け、第2ピン層600にも反強磁性結合させた構造を設けた具体例を表す模式図である。
すなわち、第2ピン層600において、反強磁性層630を設け、これに隣接して設けられた強磁性体からなる磁性層640の磁化を固着する。そして、この磁性層640と磁性層610とを、Ru(ルテニウム)等の非磁性層650を介して反強磁性結合させる。この場合も、図14の具体例と同様に、第2ピン層600の磁化がキャンセルされるので第2ピン層600からの漏れ磁場を低減でき、やはりフリー層400への磁界の影響を低減させることができ、フリー層400への書込み制御性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として、フリー層400を多層化した磁性体素子について説明する。
図16は、本発明の第2の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。同図については、図1乃至図15に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、フリー層400は、強磁性結合した(磁性層410/非磁性層420)×N/磁性層410(N=1あるいはそれ以上)からなる多層膜で構成された構造を有する。つまり、フリー層400は、磁性層410と非磁性層420とが交互に積層され、非磁性層420を介して磁性層410同士が強磁性結合した構造を有する。
第1の実施の形態と同様に、電流を電極100、900間に流すことで第1ピン層200の磁化M1の影響をフリー層400の磁化M2に作用させ、フリー層400の磁化M2の方向を制御することができる。
本実施形態によれば、フリー層400を強磁性結合した多層膜で構成することによって、スピン偏極電流による書き込みをより効率的に実施することができる。すなわち、第1ピン層200からフリー層400に向けて電子を流した場合には、ピン層200からのスピン偏極電子の作用面を複数にすることができ、スピン偏極電子の作用を増強できフリー層400の磁化M2の反転効率を上げることができる。このため、書き込み電流の低電流化が可能となる。
一方、フリー層400から第1ピン層200に向けて電子を流した場合(極性が逆の場合)には、フリー層400からの電子のスピン偏極度はフィルター効果により増加するので、やはり高効率に反転でき、磁化反転電流を低減できる。
第2の実施の形態の場合には、フリー層400を構成する磁性層410同士の磁気結合の強さは、再生の際に流すセンス電流によっても強磁性結合を維持できるだけ十分に強いことか望ましい。磁気結合が弱い場合には、フリー層400内部でのスピン依存反射により、再生時に、一部の磁性層410の磁化M2が反転したり、あるいは磁化M2の乱れが生じるおそれがある。
磁気結合を維持させるためには、非磁性層420が、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、あるいはそれらを含む合金のいずれかからなることが望ましい。また、面積Aの磁性体素子に流すセンス電流をIsとした場合、磁性層410の層間の強磁性結合の強さJは、電流密度Is/A、多層膜内の構成磁性層410の単層の厚さと磁化をそれぞれtとMsとすると、次式を満たすことが好ましい。

J>(hP/2eα)×(Is/A)−tπMs

ここでhはプランク定数、Pは電流のスピン非対称性、eは電荷、αはギルバートダンピング定数とする。
このような場合に、センスIsを流しても良好なフリー層400における強磁性結合を維持できる。
また、本実施形態においても、図14及び図15に表したように、第1ピン層200、第2ピン層600において、Ru(ルテニウム)等の非磁性層を介して反強磁性結合した磁性層を反強磁性層と多層膜との間に設けてもよい。その効果は、図14及び図15に関して前述したとおりである。また、第1ピン層200あるいは第2ピン層600は、磁性層210の磁化の固着あるいは、磁性層610の磁化の固着のため、反強磁性層を有するものとしてよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態として、第1ピン層200とフリー層400とをそれぞれ多層化した磁性体素子について説明する。
図17は、本発明の第3の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。同図についても、図1乃至図16に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、第1ピン層200とフリー層400が、それぞれ、強磁性結合した(磁性層/非磁性層)×N/磁性層(N=1あるいはそれ以上)からなる多層膜で構成された構造を有する。つまり、第1ピン層200は、磁性層210と非磁性層220とが交互に積層され、非磁性層220を介して、複数の磁性層210のうちの少なくとも2層以上が強磁性結合した構造を有する。同様に、フリー層400も、磁性層410と非磁性層420とが交互に積層され、非磁性層420を介して磁性層410同士が強磁性結合した構造を有する。
本実施形態の磁性体素子は、第1および第2の実施の形態の特徴を組み合わせたものであり、各実施形態に関して前述した作用効果が併せ得られる。
また、本実施形態においても、図14及び図15に表したように、第1ピン層200、第2ピン層600において、Ru(ルテニウム)等の非磁性層を介して反強磁性結合した磁性層を反強磁性層と多層膜との間に設けてもよい。その効果は、図14及び図15に関して前述したとおりである。
以上、本発明の第1乃至第3の実施の形態として説明したように、本発明によれば、小さな電流でフリー層400の磁化M2の反転が可能となり、消費電力の低減や素子の破壊防止などの効果が得られる。このため、以下に実施例として説明するように、本発明の記録再生素子は、固体磁気メモリ、プローブストレージ用セルなどに適応して好適である。
次に、以上第1乃至第3の実施の形態として説明した本発明の磁性体素子を構成する各要素について詳述する。
まず、第1及び第2ピン層200、600やフリー層400の単層材料、あるいは多層化のための磁性層(210、410など)の材料としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金、「パーマロイ」と呼ばれるNiFe系合金、あるいはCoNbZr系合金、FeTaC系合金、CoTaZr系合金、FeAlSi系合金、FeB系合金、CoFeB系合金などの軟磁性材料、ホイスラー合金、磁性半導体、CrO、Fe、La1―XSrMnOなどのハーフメタル磁性体酸化物(あるいはハーフメタル磁性体窒化物)のいずれかを用いることができる。
ここで「磁性半導体」としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)の少なくともいずれかの磁性元素と、化合物半導体または酸化物半導体とからなるものを用いることができ、具体的には、例えば、(Ga、Cr)N、(Ga、Mn)N、MnAs、CrAs、(Ga、Cr)As、ZnO:Fe、(Mg、Fe)Oなどを挙げることができる。
本発明においては、ピン層200、600、フリー層400の材料としては、これらのうちから用途に応じた磁気特性を有するものを適宜選択して用いればよい。
また、これら磁性層に用いる材料としては、連続的な磁性体でもよく、あるいは非磁性マトリクス中に磁性体からなる微粒子が析出あるいは形成されてなる複合体構造を用いることもできる。
またさらに、フリー層400の材料として、[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)]からなる2層構造、あるいは[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)/(CoあるいはCoFe合金)]からなる3層構造を用いると、界面のスピン偏極度を低下させずに実効的な磁化を低減できるので、系の磁気エネルギーを低減でき、より小さな電流で磁化反転することができる。これらの磁性多層構造からなる磁性層の場合、外側のCoあるいはCoFe合金の厚さは0.2nmから1nmの範囲であることが好ましい。この構造によれば、より小さな電流で磁化反転を得ることができる。
ピン層200、600を構成する磁性層のトータル厚さは0.4nm〜60nmの範囲内とすることが好ましく、フリー層400を構成する磁性層のトータル厚さは、0.4nm〜60nmの範囲内とすることが好ましい。それらの多層膜を構成する磁性層の厚さは0.2nmから10nmの範囲であることが好ましい。
ピン層200あるいはフリー層400を強磁性結合した多層膜化する際の、代表的な、非磁性層と磁性層材料の組み合わせとしては、fcc(face centered cubic)構造を有するCoFeとCuとの組合せである、CoFe/Cu/CoFe,CoFe/Cu/CoFe/Cu/CoFe、あるいはbcc(body centered cubic)構造を有するCoFe(Co0.5Fe0.5等)とCuとの組合せ、bcc−Fe/fcc−Au,bcc−Fe/fcc−Ag等が挙げられる。
第1中間層300および第2中間層500の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、フッ化物からなる絶縁体や、これら絶縁体にピンホールが形成され、そこに磁性層が進入したバリスティックMR用材料を用いることができる。
特に、反転効率を上げるためには、第1中間層300の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金などの導電性金属が好ましい。第1中間層300の厚さは1nmから60nmであれば、磁化反転の効果を得ることができる。
また特に、第2中間層500の材料として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、フッ化物からなる絶縁体や、これら絶縁体にピンホールが形成され、そこに磁性層が進入したバリスティックMR用材料を用いると、大きな再生出力を得ることができる。この点については、図10及び図11に関して前述した通りである。前者のトンネル磁気抵抗効果(TMR)用絶縁体の場合、その厚さは0.4nmから2nmが信号再生の上で好ましい。後者のバリスティックMR用材料の場合、中間層500の厚さは0.4nmから40nmの範囲とすることが好ましい。
一方、ピン層200、600の磁化M1、M3を固着するための反強磁性材料としては、鉄マンガン(FeMn)、白金マンガン(PtMn)、パラジウム・マンガン(PdMn)、パラジウム白金マンガン(PdPtMn)などを用いることができる。
一方、本発明の磁性体素子の平面形状としては、フリー層400の平面形状が、たて横比で1:1から1:5の範囲にあるような長方形、縦長(横長)6角形、楕円形、菱型、平行四辺形があることが好ましく、いわゆる「エッジドメイン」が形成されにくく、一軸性の形状磁気異方性を生じやすい形状であることが望ましい。また、そのようなフリー層400の寸法は、長手方向の一辺が5nmから1000nm程度の範囲内とすることが望ましい。
なお、図1乃至図17においては、2つの電極100、900の間のピン層200、600、フリー層400、中間層300、500の横方向サイズを同一として表しているが、これらは必ずしも一致している必要はない。すなわち、配線の接続のため、あるいは磁化方向の制御のために、あるいは素子作製を容易とするために、磁性体素子の各層の幅が互いに異なるように、あるいは傾斜を持つように形成してもよい。特に、ピン層600が単一の磁性層からなる場合、その磁性層の横方向サイズを素子サイズよりも相当に大きくすることで、フリー層400へのピン層600からの漏れ磁場の影響を小さくすることができ、フリー層400の反転挙動を妨げない利点が得られる。
なお本発明の磁性体素子においては、フリー層400の磁化容易軸方向は、ピン層200、600における磁気異方性(一方向異方性を含む)の向きに対して略平行あるいは略反平行であることが望ましい。
なお、図1から図17に表されている磁性体素子の積層順序は図示したものには限定されず、上下反転した構造でも良い。
以下、実施例を参照しつつ、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施例として、界面ミキシングが少なくシャープな界面が得られる成膜装置を用いて、第1中間層300をCu、第2中間層500をアルミナとした積層構造を作製して、素子化し、第1中間層300を介した電流注入による書込みと、第2中間層500を介したトンネル磁気抵抗(TMR)による再生を行った例について説明する。
まず最初に、磁性層210間の強磁性結合が得られるように非磁性層220の厚さを決定するために、CoFe/Cu/CoFeなる3層のサンドイッチ構造の膜を作製し、CoFe層間の交換相互作用のCu層の層厚に対する依存を調べた。
図18は、CoFe層の間の交換相互作用とCu層の厚みとの関係を表すグラフ図である。この結果は、ヒステリシス曲線の飽和磁場から反強磁性結合のカップリング強さを求め、強磁性結合のカップリングはCu層の厚みに対する振動型曲線にフィッティングすることで求めた。図18に表したように、Cu層の膜厚として使用できる範囲は、測定した範囲では≦0.5nmあるいは1.3−1.7nmであることが明らかとなった。そこで、本実施例においては、Cu層の厚みとして0.4nmを選定した。
本実施例の素子作製のプロセスは以下の如くである。すなわち、超高真空スパッタ装置を用いて、ウェーハ上にTaとCuからなる下電極膜を形成したのち、以下の積層構造の膜を作製した。

(サンプル1)
[PtMn20nm/CoFe5nm/Ru1nm/CoFe2nm]/Al2O31nm/[CoFe1nm/Cu0.4nm/CoFe1nm]/Cu6nm/[CoFe3nm/Cu0.4nm/CoFe3nm/Ru1nm/CoFe3nm/PtMn20nm]

(サンプル2)
[PtMn20nm/CoFe5nm/Ru1nm/CoFe2nm]/Al2O31nm/[CoFe2.4nm]/Cu6nm/[CoFe7.8nm/Ru1nm/CoFe3nm/PtMn20nm]

(サンプル3)
[PtMn20nm/CoFe5nm/Ru1nm/CoFe2nm]/Al2O31nm/[CoFe1nm/Cu1.8nm/CoFe1nm]/Cu6nm/[CoFe3nm/Cu1.8nm/CoFe3nm/Ru1nm/CoFe3nm/PtMn20nm]

ここでサンプル1は、本実施例の素子であり、サンプル2は、比較のための強磁性結合した層を含まないものであり、サンプル3は、同様に比較のための強磁性結合が弱いサンプルである。これらの膜の上には、さらにCuとTaからなる膜を形成した。このウェーハを磁場中真空炉にて、270℃で10時間磁場中アニールして、一方向異方性を付与した。この膜に対し、EB(electron beam)レジストを塗布してEB露光したのち、所望の形状のマスク(ここでは、サイズ60nm×120nmで、長手方向が一方向異方性と平行方向のものとした)を形成した。
次に、イオンミリング装置によりマスクに被覆されない領域をアルミナ(Al)層までエッチングした。ここで、エッチング量のモニタは、スパッタされた粒子を作動排気による四重極分析器に導入して質量分析することで、正確にモニタすることができる。エッチング後、マスクを剥離し、さらにSiOを成膜し、表面をイオンミリングにより平滑化し、Ta面の頭だしを行なった。このTa面に対し、上部電極を形成した。
図19は、サンプル1の断面構造を表す模式図である。
また、図20は、サンプル1についての磁気抵抗効果の測定結果および抵抗の電流依存性を表すグラフ図である。
ここで観察される抵抗変化は、高抵抗層であるアルミナを介したトンネル磁気抵抗(TMR)である。電流スキャン時の抵抗変化(図20(b))は磁気抵抗効果時の抵抗変化(図20(a))と同じであり、臨界電流Ic以上でフリー層400の磁化反転が起こり、記録ができていることが分かる。サンプル1の臨界電流Icは、プラスマイナス0.16mAであり、従って、電流密度としては2.2×10 A/cmで磁化反転した。
一方、サンプル2については、中間層500のトンネル接合部分がブレークダウンするまでの電流範囲では磁化反転が見られなかった。また、サンプル3については、ブレークダウンする約半分の電流にて抵抗の若干の変化が見られ、アルミナ層500に接した多層膜の一部分が反転していることが示唆されたが、ブレークダウンするまでの電流範囲で良好なヒステリシスは得られなかった。
以上の結果から、第1ピン層200およびフリー層400を強く結合した強磁性結合とすることで、低い反転電流が得られていることがわかる。
次に、本発明の第2の実施例として、ミキシングの強い成膜装置を用いて薄膜の作製を行った実施例について説明する。
すなわち、実施例1と同様のサンドイッチ膜を作製し、非磁性層220の厚依存性を求めた。ただし、磁性層210の一層には、PtMn層により一方向異方性を印加し、プラスの層間結合を求めやすく配慮した。
図21は、CoFe層の間の交換相互作用とCu層の厚みとの関係を表すグラフ図である。この結果から、非磁性層220の膜厚として1.9nmを選定し、磁性層210と非磁性層220との多層膜を形成したものを第1ピン層600として、図1に表したものと同様の層構造を有する素子を実施例1と同様のプロセスにより作製した。得られた磁性体素子について、電流スキャン時の抵抗変化を調べた。その結果、電流スキャンにおいて臨界反転電流にてシャープな抵抗変化を示し、磁性層210の多層膜は協同的に働いていることが確認できた。
次に、本発明の第3の実施例として、前述した実施例1のサンプル1と同様の構造を有し、ただしフリー層400としては、膜厚2nmのbcc組成のCo0.5Fe0.5 の層内に膜厚0.1nmのCu層を挿入したものを作製した。この素子の臨界反転電流は、プラスマイナス0.14mAとなり、サンプル1よりもさらに低電流密度での反転が実現した。これは、ミキシングCu層の存在によるbcc−CoFe内のバルク散乱効果の寄与と考えられる。
次に、本発明の第4の実施例として、前述した実施例1と同様のプロセスを用いて以下の積層構造を有する磁性体素子を作成した。

[PtMn20nm/CoFe5nm]/Al2O31nm/[CoFe1nm/Cu0.2nm/CoFe1nm]/Cu6nm/ [CoFe3nm/Cu0.4nm/CoFe3nm/Ru1nm/CoFe3nm/PtMn20nm]

ただし、図22に模式的に表したように、微細素子を切り出すためのミリングの深さをアルミナの途中までで止めた断面形状を持つサンプルaと、PtMnまで完全に切り落としたサンプルbと、を作製した。
まず、磁気抵抗効果を調べたところ、サンプルaは図20(a)に表した磁場スキャンと類似したヒステリシスを示したが、サンプルbには強い静磁結合が現れ、アルミナ層500を介した上下の磁性層が反平行に強くカップリングした。サンプルbの電流スキャンの結果は、この静磁結合が強過ぎるため、ブレークダウンするまでの電流では完全な反転が見られず、良好な反転挙動が妨げられることが分かった。一方、サンプルaの場合、第2ピン層600の磁極が無視できて静磁結合が表れず、プラスマイナス0.2mAでフリー層400の磁化の反転が起こった。
なお、図22では素子側面がアルミナの途中まで垂直となっているが、実際に断面試料について透過電子顕微鏡観察を行ったところ、30°〜60°程度の傾斜がついていた。
次に、本発明の第5の実施例として、以上説明してきた本発明の磁性体素子を、磁気メモリに適応した具体例について説明する。
図23及び図24は、本発明の磁性体素子を用いた磁気メモリを例示する模式図である。
また、図25は、本実施例の磁気メモリの等価回路図である。
ここでは磁性体素子(磁気セル)10として、実施例1のサンプル1と同様のものを使用した。1素子に対して1トランジスタを配したアーキテクチャを有する。本素子は、直交するワード線WLとビット線BLとの間に形成することで、磁気メモリとして使用できる。並列配置された複数の磁性体素子のそれぞれは、ビット線BLとワード線WLとを指定することで選択が可能である。
磁性体素子10への記録は、図23に表したように、臨界反転電流Ic以上の書込み電流Iwを流すことでなされる。フリー層400に記録される磁化M2の方向は、電子が最初に第1ピン層200を通過する場合(図23(b)「信号1書込み」に対応)には、第1ピン層200の磁化M1と同じ方向である。
一方、電子の流れが逆の場合(図23(a)「信号0書込み」に対応)には、第1ピン層200の磁化M1と逆向きの磁化M2がフリー層400に記録される。従って、電流の極性を反転させることで、「0」または「1」の書き込みを適宜行なうことができる。
再生は、図24に表したように、臨界反転電流Icよりも小さな再生電流(センス電流)Isを流し、第2中間層500を介した磁気抵抗効果を検出することにより行う。例えば、図24(a)に表したように、信号「0」が書きこまれた場合には抵抗は低抵抗となり、同図24(b)に表したように、信号「1」が書きこまれた場合には抵抗は高抵抗となる。これを検出する(すなわち、抵抗を直接読み取る、あるいは電圧を読み取る、あるいは電流を読み取る)ことで、フリー層400の磁化M2の状態を検知し、信号再生を行うことができる。トランジスタTrとの整合性を考慮すると、第2中間層500にはアルミナなどの絶縁性の高い材料を用いることが望ましく、この場合にはトンネル磁気抵抗効果(TMR)を検出することとなる。
なお、図24においては、再生信号が低抵抗時に信号「0」を、高抵抗時に信号「1」をアサインした場合を表したが、その逆でもよいことは言うまでもない。
次に、本発明の第6の実施例として第6の実施例として、本発明の磁性体素子をクロスポイント型の磁気メモリに適応させた実施例について説明する。
図26は、本実施例の磁気メモリの構造を例示する模式斜視図である。
すなわち、マトリクス状に配線されたワード線WLとビット線BLとの間に磁性体素子10が設けられている。磁性体素子10への書込みは、実施例5と同様に磁性体素子10へ書込み電流Iwを流し、その極性に応じて「0」,「1」信号を割り当てることにより実施できる。また、再生は、再生電流Isを流して、磁気抵抗効果を検出することで行うことができる。クロスポイント型磁気メモリは、最も高集積化が可能な構造のひとつである。
次に、本発明の第7の実施例として、プローブストレージ型の磁気メモリについて説明する。
図27は、本発明の磁性体素子を用いた磁気メモリを表す模式図である。すなわち、本具体例は、本発明の磁性体素子を、いわゆる「パターンド(patterned)媒体」に適用し、これにプローブでアクセスする、プローブストレージである。
記録媒体は、導電性基板1100の上において、高抵抗の絶縁体1000の面内に、本発明の磁性体素子10がマトリクス状に配置された構造を有する。これら磁性体素子の選択のために、媒体表面上にプローブ2000が設けられ、プローブ2000と媒体表面との相対的位置関係を制御するための駆動機構2100、磁性体素子10にプローブ2000から電流または電圧を印加するための電源2200、磁性体素子の内部磁化状態を電気抵抗の変化として検出するための検出回路2300が設けられている。
図27に表した具体例においては、駆動機構2100はプローブ2000に接続されているが、媒体とプローブとの相対位置が変化すればよいので、媒体側に設けてもよい。同図に表したように、本発明の磁性体素子10を複数個、導電性基板1100の上に配列させてパターンド媒体とし、導電性プローブ2000と基板1100との間に磁性体素子10を介して電流を流すことによって、記録再生を行なう。
磁性体素子10の選択は、導電性プローブ2000とバターンド媒体との相対的位置関係を変えることで行なう。導電性プローブ2000は、磁性体素子10に対して電気的に接続されればよく、接触していても、非接触であってもよい。非接触の場合には、磁性体素子10とプローブ2000との間に流れるトンネル電流あるいは電界放射による電流を用いて記録再生を行なうことができる。
磁性体素子10への記録は、磁性体素子にアクセスしたプローブ2000から磁性体素子10へ流れる電流、あるいは磁性体素子10からプローブ2000へ流れる電流により行われる。磁性体素子10のサイズ、構造、組成等により決定されるフリー層400の磁化M2の反転電流をIcとすると、Icよりも大きな書き込み電流Iwを磁性体素子に流すことで記録が可能となる。その記録される磁化の方向は、図2乃至図5に関して前述したとおりである。このようにしてスピン偏極した電子電流をフリー層400に流すことで、「0」または「1」の書き込みを適宜行なうことができる。
再生は、記録と同じく磁性体素子10へアクセスしたプローブ2000から流れる、あるいはプローブへ流れる電流によりなされる。ただし、再生時には、磁化反転電流Icよりも小さな再生電流Isを流す。そして、電圧あるいは抵抗を検出することで、磁性記録層Aの記録状態を判定する。よって、本具体例の磁気メモリにおいては、Iw>Isなる関係をもつ電流を流すことで記録再生が可能となる。
次に、本発明の第8の実施例として、実施例7のプローブをマルチ化したプローブのアレイ構造を有する磁気メモリについて説明する。
図28は、本実施例の磁気メモリの構成を例示する模式図である。
すなわち、本発明の磁性体素子を実施例7の如く基板上に並べ、32×32のマトリックスを形成した。このマトリックスをさらに32×32個並べ、合計で1M(メガ)ビットの記録再生媒体を形成した。そして、この記録再生媒体に対して、32個×32個からなるプローブ2000で記録再生を行う磁気メモリを製作した。すなわち、本実施例の磁気メモリにおいては、マトリックス1セットに対してプローブ1個を対応させた。
プロービングは、図28に表した如くである。それぞれのプローブ2000に対するセルの選択は、媒体に設けられたXY駆動機構により行なった。ただし、位置関係が相対的に変化するならばプローブ2000に設けられた駆動機構2100でセル選択を行なってもよい。また、プローブ2000がマルチ化されているため、各プローブはワード線WLとビット線BLに繋ぎ、ワード線WLとビット線BLを指定することで、プローブ2000の選択を可能とした。
磁性体素子10への記録再生は、磁性体素子にアクセスしたプローブ2000から注入される電流により行った。再生時には、磁化反転電流Icよりも小さな再生電流Isを流す。そして、電圧あるいは抵抗を検出することで、フリー層400の記録状態を判定し、それを「0」、「1」にアサインした。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁性体素子を構成する各要素の具体的な寸法関係や材料、数、その他、電極、パッシベーション、絶縁構造などの形状や材質に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、磁性体素子における反強磁性層、強磁性層、中間層、絶縁層などの構成要素は、それぞれ単層として形成してもよく、あるいは2以上の層を積層した構造としてもよい。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁性体素子及び磁気メモリを基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁性体素子及び磁気メモリも同様に本発明の範囲に属する。
本発明の第1の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。 図1に表した磁性体素子における記録のメカニズムを説明するための模式断面図である。 第2ピン層600の磁化の作用を説明するための模式図である。 本発明の実施形態の磁性体素子における「書き込み」のメカニズムを説明するための模式断面図である。 第2ピン層600の磁化の作用を説明するための模式図である。 本発明の実施形態の磁性体素子の読み出し方法を説明するための概念図である。 磁化の相対的な向きによる磁気抵抗の変化を説明するための概念図である。 第1ピン層と第2ピン層の構造を異なるものとした具体例を表す模式断面図である。 非対称構造の第2の具体例を表す模式断面図である。 非対称構造の第3の具体例を表す模式断面図である。 非対称構造の第4の具体例を表す模式断面図である。 第1ピン層200が3層の磁性層210を有する具体例を表す模式図である。 磁性層210の層間の交換相互作用と、非磁性層220の膜厚との関係を表すグラフ図である。 反強磁性結合により磁化を固着させた具体例を表す模式図である。 第2ピン層600にも反強磁性結合させた構造を設けた具体例を表す模式図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性体素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。 CoFe層の間の交換相互作用とCu層の厚みとの関係を表すグラフ図である。 サンプル1の断面構造を表す模式図である。 サンプル1についての磁気抵抗効果の測定結果および抵抗の電流依存性を表すグラフ図である。 CoFe層の間の交換相互作用とCu層の厚みとの関係を表すグラフ図である。 本発明の第4の実施例としてのサンプルaを表す模式図である。 本発明の磁性体素子を用いた磁気メモリを例示する模式図である。 本発明の磁性体素子を用いた磁気メモリを例示する模式図である。 本発明の実施例の磁気メモリの等価回路図である。 本発明の実施例の磁気メモリの構造を例示する模式斜視図である。 本発明の磁性体素子を用いた磁気メモリを表す模式図である。 本発明の実施例の磁気メモリの構成を例示する模式図である。
符号の説明
10 磁性体素子
100 電極
200 ピン層
210 磁性層
220 磁性層
220 非磁性層
230 反強磁性層
240 磁性層
250 非磁性層
300 中間層
400 フリー層
410 磁性層
420 非磁性層
500 中間層
600 ピン層
610 磁性層
630 反強磁性層
640 磁性層
650 非磁性層
1000 絶縁体
1100 基板
1100 導電性基板
2000 プローブ
2100 駆動機構
2200 電源
2300 検出回路
PH ピンホール
Tr トランジスタ
WL ワード線
BL ビット線
Is 再生電流(読み出し電流)
Ic 磁化反転電流
Iw 記録電流(書き込み電流)
M、M1、M2 磁化

Claims (11)

  1. 磁性層と非磁性層とが交互に積層され前記磁性層のうち少なくとも1層の磁化が第1の方向に実質的に固定され且つ前記磁性層の2層以上の層が前記非磁性層を介して強磁性結合している第1の強磁性層と、
    磁化が第2の方向に実質的に固定された第2の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられ、磁化の方向が可変の第3の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第1の中間層と、
    前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第2の中間層と、
    を備え、
    前記第1及び第2の強磁性層の間で書き込み電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第3の強磁性層に作用させて前記第3の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁性体素子。
  2. 前記強磁性結合は、前記書き込み電流を流した時に前記磁性層の少なくともいずれかの磁化が反転しない強度を有することを特徴とする請求項1記載の磁性体素子。
  3. 前記強磁性結合の強度Jは、前記書き込み電流の電流密度をIw/A、前記磁性層の厚さをt、前記磁性層の磁化をMs、プランク定数をh、電流のスピン非対称性をP、電荷をe、ギルバートダンピング定数をαとすると、次式
    J>(hP/2eα)×(Iw/A)−tπMs
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の磁性体素子。
  4. 前記非磁性層は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)及びこれらを含む合金よりなる群から選択されたいずれかにより形成され、厚みが2ナノメータ以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁性体素子。
  5. 前記第3の強磁性層は、磁性層と非磁性層とが交互に積層されそれら磁性層は前記非磁性層を介して強磁性結合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁性体素子。
  6. 磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性層と、
    磁化が第2の方向に実質的に固定された第2の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられ、磁性層と非磁性層とが交互に積層されそれら磁性層は前記非磁性層を介して強磁性結合しており前記磁性層の磁化の方向が可変の第3の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第1の中間層と、
    前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間に設けられた第2の中間層と、
    を備え、
    前記第1及び第2の強磁性層の間で書き込み電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第3の強磁性層に作用させて前記第3の強磁性層の前記磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁性体素子。
  7. 前記強磁性結合は、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層との間の磁気抵抗効果を検出するセンス電流を流した時に前記磁性層の少なくともいずれかの磁化が反転しない強度を有することを特徴とする請求項5または6に記載の磁性体素子。
  8. 前記第3の強磁性層における前記強磁性結合の強度Jは、前記センス電流の電流密度をIs/A、前記磁性層の厚さをt、前記磁性層の磁化をMs、プランク定数をh、電流のスピン非対称性をP、電荷をe、ギルバートダンピング定数をαとすると、次式
    J>(hP/2eα)×(Is/A)−tπMs
    を満たすことを特徴とする請求項7記載の磁性体素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の複数の磁性体素子を絶縁体を間に介しつつマトリクス状に設けたメモリセルを備えたことを特徴とする磁気メモリ。
  10. 前記メモリセル上の前記磁性体素子のそれぞれに対して、プローブによりアクセス可能としたことを特徴とする請求項9記載の磁気メモリ。
  11. 前記メモリセル上の前記磁性体素子のそれぞれにワード線とビット線とが接続され、
    前記ワード線とビット線とを選択することにより、特定の磁性体素子に対して情報の記録または読み出しを可能とした請求項9記載の磁気メモリ。


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