JP2002280642A - 磁気抵抗効果素子、磁気記憶装置、携帯端末装置、磁気抵抗効果ヘッド、磁気再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気記憶装置、携帯端末装置、磁気抵抗効果ヘッド、磁気再生装置

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JP2002280642A
JP2002280642A JP2001082107A JP2001082107A JP2002280642A JP 2002280642 A JP2002280642 A JP 2002280642A JP 2001082107 A JP2001082107 A JP 2001082107A JP 2001082107 A JP2001082107 A JP 2001082107A JP 2002280642 A JP2002280642 A JP 2002280642A
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ferromagnetic layer
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magnetization
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Tatsuya Kishi
達也 岸
Yoshiaki Saito
好昭 斉藤
Minoru Amano
実 天野
Masayuki Sunai
正之 砂井
Kentaro Nakajima
健太郎 中島
Shigeki Takahashi
茂樹 高橋
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Toshiba Corp
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
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    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低保磁力が小さく、低スイッチング磁場の磁
気抵抗効果素子等の提供。 【解決手段】 外部磁場によって磁化方向が変化する第
1の強磁性層3、第1の強磁性層3に積層された非磁性
結合層5、非磁性結合層5を介して第1の強磁性層3と
積層され、外部磁場によって磁化方向が変化する第2の
強磁性層7、第2の強磁性層7と積層された第1の非磁
性スペーサ層11、及び第1の非磁性スペーサ層11を
介して第2の強磁性層7と積層され、外部磁場下におい
て所定方向の磁化を実質的に保持する第3の強磁性層1
3を備え、第1の強磁性層3と第2の強磁性層5とが大
きさJで磁気結合し、大きさJが−3000[Oe]≦
J<0[Oe]、0[Oe]<Jを満たす。また、第1
の強磁性層3または第2の強磁性層7と非磁性結合層5
との界面の表面粗さを2オングストローム以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁場下におい
て磁化が変化する第一及び第二の強磁性層と、これらの
間に挿入された非磁性結合層を備える磁気抵抗効果素子
と、この磁気抵抗効果素子を備える磁気記憶装置、携帯
端末装置、磁気抵抗効果ヘッド、及び磁気再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、巨大磁気抵抗効果を示す強磁性ト
ンネル接合素子を用いた磁気記憶装置に注目が集まって
いる。
【0003】強磁性トンネル接合素子は、主に第1の強
磁性層/絶縁層/第2の強磁性層の3層膜で構成され、
絶縁層を介して第1及び第2の強磁性層間にトンネル接
合が形成され、第1及び第2の強磁性層間には両者への
電圧印加に伴うトンネル電流が流れる。この場合、接合
抵抗値は第1及び第2の強磁性層の磁化の相対角の余弦
に比例して変化する。従って、抵抗値は第1及び第2の
強磁性層の磁化が平行のときに極小値、反平行のときに
極大値をとる。このような抵抗変化はトンネル磁気抵抗
(TMR)効果と呼ばれている。
【0004】例えば、最近の文献(Appl. Phys. Lett. 7
7, 283 (2000))では、TMR効果による抵抗値変化は室
温において49.7%にもなることが報告されている。
【0005】記憶装置に用いる強磁性トンネル接合素子
では、第1または第2の強磁性層のうち、外部磁界が加
わっても所定方向の磁化を略保持する強磁性層を基準層
とし、外部磁界が加わると磁化方向が回転する他の強磁
性層(磁化自由層)を記憶層とすることができる。そし
て、この基準層と記憶層の磁化の方向が平行または反平
行の状態を夫々2進情報 の“0”または“1”に対応
づけることで、強磁性トンネル接合素子を、磁気情報の
記憶セルとして用いることが可能となる。
【0006】磁気情報の書き込みは、この記憶セルの近
傍に設けられた書き込み配線に電流を流し、発生する電
流磁場によって記憶層の磁化を反転させることで達成で
きる。
【0007】また、書き込まれた磁気情報の読み出し
は、強磁性トンネル接合素子にトンネル電流(センス電
流)を流し、TMR効果による抵抗変化を検出すること
で行われる。このようなメモリセルを多数配置すること
で集積化された磁気記憶装置が構成される。
【0008】集積化された磁気記憶装置は、多数並置さ
れた任意のセルを選択できるように、例えばDRAM等
と同様に、各記憶セルに強磁性トンネル接合素子と直列
接続するスイッチングトランジスタを配置し、この記憶
セルに接続する行方向に伸びるビット線、列方向に伸び
るワード線等を配線し、さらにこれらの配線の電流/印
加電圧等を制御する周辺回路を記憶セル領域の行列方向
端に組み込んで構成される。
【0009】また、スイッチングトランジスタに替えて
ダイオードと強磁性トンネル接合素子を用いて記憶セル
とする例も提案されている(米国特許第5,640,3
43号、第5,650,958号)。
【0010】さて、磁気記憶装置の高集積化を考える
と、強磁性トンネル接合素子の面積を小さくする必要が
ある。従って、素子を構成する強磁性層の平面積も必然
的に小さくなるが、一般に、強磁性体層の面積を小さく
するとその保磁力は大きくなる。この保磁力の大きさ
は、記憶層の磁化を反転するために必要なスイッチング
磁場の大きさに比例し、従って、平面積の減少はスイッ
チング磁場の増大を意味する。
【0011】よって、情報を書き込む際にはより大きな
電流を書き込み配線に流さなければならなくなり、消費
電力の増加という好ましくない結果をもたらす。従っ
て、強磁性記憶層の保磁力を低減することは高集積化磁
気記憶装置の実用化において重要な課題である。
【0012】この課題を解決するために、強磁性記憶層
として、二つの強磁性層と、これらの間に介在する非磁
性層を備える多層膜であって、二つの強磁性層が反強磁
性結合している多層膜を用いる構造が提案されている
(特開平9−251621、米国特許第5,953,2
48)。
【0013】この多層膜の二つの強磁性層は、その磁気
モーメントまたは厚さが異なっており、反強磁性的結合
により磁化が逆方向をむいている。このため、互いの磁
化が実効的に相殺され、記憶層全体としては磁化容易軸
方向に小さな磁化を持った強磁性体と同等と考えること
ができる。
【0014】この記憶層のもつ小さな磁化の向きと逆向
きの外部磁場が印加されると、各強磁性層の磁化は、反
強磁性結合を保ったまま反転する。この際、磁力線が閉
じていることから反磁場の影響が小さく、記録層のスイ
ッチング磁場は各強磁性層の保磁力により決まるため、
小さなスイッチング磁場での磁化反転が可能になる。
【0015】上述の通り、記録層のスイッチング磁場の
低減は、磁気記憶装置において必要不可欠な要素であ
り、反強磁性結合を含む多層膜を用いることが提案され
ている。
【0016】しかしながら、このような多層膜を高集積
化された磁気記憶装置に用いるために微小なサイズに加
工した場合、”エッジドメイン”の効果が大きくなるこ
とから磁化反転における磁気構造パターンの変化が複雑
になり、結果的に保磁力およびスイッチング磁場が増大
する.ここで、”エッジドメイン”とは、小さな磁気メ
モリセル内におかれる微小な強磁性層単層膜が例えば、
短軸の幅が数ミクロンからサブミクロン程度になると反
磁場の影響によって磁性体の中央部分とは異なる端部に
生じる磁気構造のことである(例えばJ.App.Phys. 81,5
471 (1997)参照)。
【0017】このような複雑な磁気的構造の変化が生じ
ることをできるだけ防ぐ方法として、強磁性体単層膜に
おいて,エッジドメインを固定することが考えられてい
る(米国特許第5,748,524、特開2000−1
00153)。
【0018】これにより、磁化反転の際の挙動が制御で
きるが、スイッチング磁場の低減は困難となる。また、
エッジドメインを固定するために、別の構造を付加する
必要があり、高密度化には適さない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡略な構造
による磁化自由層層の安定な磁気的構造を実現し、スイ
ッチング磁場の低い磁気抵抗効果素子等を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第一及び第二
は、外部磁場によって磁化方向が変化する第一の強磁性
層と、第一の強磁性層に積層された非磁性結合層と、非
磁性結合層を介して第一の強磁性層と積層され、外部磁
場によって磁化方向が変化する第二の強磁性層と、第二
の強磁性層と積層された第一の非磁性スペーサ層と、第
一の非磁性スペーサ層を介して第二の強磁性層と積層さ
れ、外部磁場下において所定方向の磁化を実質的に保持
する第三の強磁性層とを備え、第一及び第二の強磁性層
とが大きさJで磁気結合し、反強磁性結合した磁気結合
の大きさJが−3000[Oe]≦J<0、または第一
及び第二の強磁性層が強磁性結合した磁気抵抗効果素子
を提供する。強磁性結合の大きさJは、0[Oe]<J
≦1000[Oe]とすることができる。
【0021】また、本発明の第三は、第一磁化を備える
中央領域と、第一磁化と異なる方向の第二磁化を備える
端部領域とを備え、外部磁場によって第一及び第二磁化
の方向が変化する第一の強磁性層と、第一の強磁性層に
積層された非磁性結合層と、非磁性結合層を介して第一
の強磁性層と積層され、第一磁化と平行な第三磁化を備
える中央領域と、第三磁化と異なる方向の第四磁化を備
える端部領域を備え、前記外部磁場によって第三及び第
四磁化の方向が変化する第二の強磁性層と、第二の強磁
性層と積層された第一の非磁性スペーサ層と、第一の非
磁性スペーサ層を介して第二の強磁性層と積層され、外
部磁場下において所定方向の磁化を実質的に保持する第
三の強磁性層とを備えることを特徴とする磁気抵抗効果
素子を提供する。
【0022】尚、第一及び第三の強磁性層の磁気構造
は、第一及び第二の強磁性層を露出しMFM(磁気力顕
微鏡)、スピン分解SEM(走査電子顕微鏡)等により
検出できる。
【0023】また、上記本発明の第三において、第一及
び第二の強磁性層が磁気結合しており、磁気結合の大き
さJはー3000[Oe]≦J≦1000[Oe]を満
たすものとすることができる。
【0024】尚、磁気結合の大きさJは、層間結合磁界
と同義であり、この値は次式(1)より算出できる。
【0025】 ここで、Hsは磁化自由層の飽和磁場を、Msは磁化自
由層の飽和磁化を、tは磁化自由層の厚さを示す。ま
た、飽和磁場Hsは磁気抵抗効果素子の磁化測定により
ヒステリシスを得ることから求めることができる。これ
らの各因子の値は、第一及び第二の強磁性層と非磁性結
合層の材料、組成を素子断面から測定することで得られ
る。
【0026】尚、磁気結合の大きさJや磁気構造の特定
はこれらの方法に限定されず、他の方法によっても特定
可能である。
【0027】本発明の第四は、外部磁場によって磁化方
向が変化する第一の強磁性層と、第一の強磁性層に積層
された非磁性結合層と、非磁性結合層を介して第一の強
磁性層と積層され、外部磁場によって磁化方向が変化す
る第二の強磁性層と、第二の強磁性層と積層された第一
の非磁性スペーサ層と、第一の非磁性スペーサ層を介し
て第二の強磁性層と積層され、外部磁場下において所定
方向の磁化を実質的に保持する第三の強磁性層とを備
え、第一の強磁性層または第二の強磁性層と非磁性結合
層との界面の表面粗さが2オングストローム以上である
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子を提供する。
【0028】上記本発明の第一乃至第四によれば、微小
な強磁性体に特有の磁気的構造を利用し、この磁気的構
造を制御することにより、新たに構造を付加することな
くスイッチング磁場の低減を図ることが可能である。
【0029】このような磁気抵抗効果素子において、外
部磁場によって磁化方向が変化する磁化自由層(第一及
び第二の強磁性層)の磁化容易軸方向に反転磁場を印加
すると、第一及び第二の強磁性層間の磁気結合エネルギ
ーが下がった状態で磁化反転がおこるため、スイッチン
グ磁場が小さくなる。
【0030】また、非磁性結合層を介した第一及び第二
の強磁性層の磁化状態は、磁気軸に対して磁気的に実質
的に対称とすることができる。この磁気構造は、特開平
11−273337等に開示された磁気的構造の非対称
性を特徴とする素子とは異なる。このような対称性の高
い構造状態を保つ結果、磁化反転に伴う磁気抵抗の低下
は小さく、磁気抵抗効果素子として好適である。
【0031】尚、上記本発明の第一乃至第四において、
第一の強磁性層が非磁性結合層と接する面と反対の面に
形成された第二の非磁性スペーサ層と、第二の非磁性ス
ペーサ層を介して第一の強磁性層と積層され、外部磁場
下において所定方向の磁化を実質的に保持する第四の強
磁性層とを備えてもよい。
【0032】また、上記本発明の第一乃至第四におい
て、第一及び第二の非磁性スペーサ層を誘電体層とし
て、これらの非磁性誘電体スペーサ層とこれに隣接する
2つの強磁性層とで強磁性トンネル接合を構成してもよ
い。
【0033】また、上記本発明の第一乃至第四におい
て、第一乃至第四の強磁性層のいずれかの平均厚さを
0.1ナノメートル以上100ナノメートル以下とする
ことができる。
【0034】また、本発明の第一乃至第四において、第
1の強磁性層、非磁性結合層、第2の強磁性層に加え
て、これらに積層された別の非磁性結合層及び強磁性層
をさらに含んでもよい。さらに、非磁性結合層及び強磁
性層を交互に複数回積層して得られる積層体によって磁
化自由層としてもよい。
【0035】また、上記本発明の第一乃至第四におい
て、非磁性結合層の平均厚さを0.1ナノメートル以上
100ナノメートル以下とすることができる。
【0036】ここで、平均厚さとは断面透過電子顕微鏡
等により観察できる素子断面構造において、幅約10ナ
ノメートルに亘って任意の点10箇所の厚さを測定して
平均することで得ることができる。あるいは、スパッタ
装置による成膜においてスパッタレートから見積もられ
る設計膜厚としてもよい。
【0037】尚、本発明において、第三及び第四の強磁
性層は所定の外部磁場下において磁化の方向が実質的に
かわらない磁化固着層である。ここで、所定の外部磁場
とは、第一及び第二の強磁性層の磁化が変化する程度の
外部磁場をさす。この第三及び第四の強磁性層の磁化固
着は、例えば、第一及び第二の強磁性層よりも保磁力の
強い強磁性材料を用いることができる。あるいは、第三
または第四の強磁性層に隣接する反強磁性層からの交換
結合を利用して、あるいは、隣接する硬質磁性層からの
漏れ磁界を利用しても第三及び第四の強磁性層の磁化固
着が可能である。
【0038】また、上記本発明の第一乃至第四の磁気抵
抗効果素子を複数備えることで集積化した磁気記憶装置
を実現可能である。このような磁気記憶装置によれば、
スイッチング磁場の低い集積化メモリが実現でき、ラン
ダムアクセス、不揮発性、及び低消費電力を満足するこ
とができる。尚、この磁気記憶装置を搭載する携帯電話
等の携帯端末装置等も有用である。
【0039】また、上記本発明の第一乃至第四の磁気抵
抗抗効果素子を磁気ヘッドに用いることも可能である。
さらに、この磁気ヘッドを搭載した磁気再生装置も有用
である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る磁気抵抗効果素子の断面図である。
【0041】この磁気抵抗効果素子は、図示せぬ基板の
表面にやはり図示せぬ層間絶縁膜を介して形成された下
部電極1を備える。基板材料は、この磁気抵抗効果素子
をトランジスタやダイオード等の半導体素子と混載して
磁気記憶装置に用いる場合は、単結晶シリコン等の半導
体基板材料を用いることが出来る。また、磁気抵抗効果
素子を磁気ヘッド等に用いる場合は、基板材料にアルチ
ック基板等の非磁性絶縁性基板を用いることができる。
また、下部電極1の下地は、この上層に形成される強磁
性層等の結晶配向性を高めるために、周知の材料層を用
いることができる。
【0042】下部電極1上には、図1に示すように、第
1の強磁性層3、非磁性結合層5、及び第2の強磁性層
7が順次積層された磁化自由層9が形成されている。こ
の磁化自由層9は、磁気記憶装置の記憶セルでは記憶
層、磁気ヘッドではフリー層等と称される。
【0043】この磁化自由層9上には、第1の非磁性誘
電体スペーサ層11、第3の強磁性層13が順次積層さ
れ、磁化自由層9、第1の非磁性誘電体スペーサ層1
1、及び外部磁場下において磁化を実質的に保持する第
3の強磁性層13からなる強磁性トンネル接合が形成さ
れている。
【0044】つまり、第1の非磁性誘電体スペーサ層1
1を介して磁化自由層9と第3の強磁性層13間にトン
ネル電流が流れる。このトンネル電流の値は、磁化自由
層9と第3の強磁性層の磁化の相対角の余弦に比例し、
相対角が反平行の状態でトンネル抵抗が最小値を、平行
の状態でトンネル抵抗が最大値をとる。
【0045】従って、この強磁性トンネル接合を含む磁
気抵抗効果素子に一定電圧を印加した時のトンネル電流
量の変動、もしくは、一定電流を付与した時の電位変動
を読むことでこの磁気抵抗効果素子の抵抗変化を読み出
すことができる。
【0046】また、第1の非磁性誘電体スペーサ層11
にCu,Ag,Au等の導電性材料を用いれば、磁化自
由層9、第1の非磁性誘電体スペーサ層11、第3の強
磁性層13の積層膜を用いた磁気抵抗効果素子は、界面
におけるスピン依存散乱を用いた巨大磁気抵抗効果(G
MR)素子として用いることができる。
【0047】このGMR素子における抵抗変化は、磁化
自由層9と第3の強磁性層13の磁化の相対角の余弦に
比例する。相対角が反平行の状態で抵抗が最小値を、平
行の状態で抵抗が最大値をとることから、このGMR素
子の一定電圧印加時の電流量の変動、もしくは、一定電
流付与時の電位変動を読むことでこの磁気抵抗効果素子
の抵抗変化を読み出すことができる。
【0048】尚、第3の強磁性層13上には、下部電極
1に相対する上部電極15が形成されている。磁気記憶
装置に用いる際には、上部電極15と下部電極1は互い
に交差する様に、長手を有する。図1に示す構造では、
下部電極1が紙面左右方向に長手を有し、上部電極15
が紙面垂直方向に長手を備える例を示している。また、
17は隣接する素子間及び上層の配線等との電気的な絶
縁を図る層間絶縁膜を示している。
【0049】尚、第1乃至第3の強磁性層3,7には、
例えばFe、Co、Niのいずれか一つ、及びこれら層
を含む積層膜、これらを含む合金からなる層等の他、周
知の強磁性材料を用いることができる。
【0050】また、非磁性結合層5には、Ru,Au,
Ag,Cu等の非磁性金属材料を用いることができる。
【0051】また、第1の非磁性誘電体スペーサ層11
は、例えばAl23,SiO2等の周知の非磁性誘電体
材料を用いることができる。
【0052】また、磁気抵抗効果素子の平面形状は、長
方形の他に平行四辺形、ひし形、あるいは5角形以上の
多角形であってもよい。さらに、楕円端を備えてもよ
い。これらのうち、平行四辺形及びひし形は他の形状に
比較して製造上簡便であり、かつスイッチング磁場の低
減に有効である。 (実施例1)次に、第1の実施形態において説明した磁
化自由層について、第1及び第2の強磁性層間の結合磁
界J[Oe]とスイッチング磁場[Oe]との関係を、
図2を参照して説明する。
【0053】まず、本実施例の磁化自由層は、熱酸化シ
リコン基板上に、第1及び第2の強磁性層3,7 にC
9Fe1ターゲットを、非磁性結合層5にRuターゲッ
トを用いてスパッタリングによって成膜した。
【0054】また、本実施例の磁化自由層9は、幅が約
0.1ミクロン、アスペクト比が約1:4の長方形であ
る。また、第1及び第2の強磁性層の平均厚さは等し
く、平均厚さが約2.0ナノメートルである。
【0055】図2に実線で示すように、本実施例では第
1及び第2の強磁性層3,7の磁気結合が、−3000
[Oe]以上1000[Oe]以下において、第1及び
第2の強磁性層3,7の磁化反転に必要なスイッチング
磁場が極端に減少することがわかる。特に、層間結合磁
界Jが−3000[Oe]以上100[Oe]以下が好
適である。この様な磁化自由層9を備える磁気抵抗効果
素子ではスイッチング磁場の低減が可能となる。
【0056】尚、層間結合磁界J[Oe]がない状態
(J=0)は、第1及び第2の強磁性層3,7間に層間
結合が略存在せず静磁結合のみが存在する。尚、図2中
に比較例として従来の強磁性層からなる記録層の結合磁
界とスイッチング磁場との関係を破線で示す。この比較
例は、強磁性体Co9Fe1の単層幕であり、厚さ約
2.0ナノメートル、幅約0.1ミクロン,アスペクト
比約1:4である。 (実施例2)次に、第1の実施の形態に係る磁化自由層
の層間結合磁界J[Oe]とスイッチング磁場[Oe]
との関係を図3に示す。
【0057】この実施例2では、第1及び第2の強磁性
層3,7の平均厚さtを夫々1.0ナノメートル、1.
5ナノメートル、3.0ナノメートルとかえている。
【0058】第1及び第2の強磁性層3,7、非磁性結
合層5に用いる材料及びアスペクト比は実施例1と同様
にした。
【0059】図3から、第1及び第2の強磁性層3,7
の厚さが約2.0ナノメートル、約3.0ナノメートル
の場合に、層間結合磁界Jがゼロ近傍にてスイッチング
磁場の最小値があり、約―200[Oe]まではスイッ
チング磁場が十分小さいことがわかる。
【0060】また、二つの強磁性層の平均厚さが約1.
0ナノメートルの場合には、−100[Oe]から −
300[Oe]を越えるところまで、保磁力が十分小さ
な値をもっていることがわかる。従って、スイッチング
磁場の低減を図るには、層間結合の大きさJとして −
300[Oe]以上 100[Oe]以下の範囲にある
ことが好ましい。
【0061】さらに、スイッチング磁場の値は、二つの
強磁性層の平均厚さが2.0ナノメートル、3.0ナノ
メートルの場合より1.0ナノメートルの場合が小さく
なっていることから、第1及び第2の強磁性層の平均厚
さは薄いことが好ましいことがわかる。
【0062】次に、実施例2の磁化自由層において、第
1及び第2の強磁性層3,7が互いに反強磁性結合した
場合(J<0)の、第1及び第2の強磁性層3,7の面
内の磁気構造(磁区パターン)について図4(a),
(b)を用いて説明する。
【0063】図4(a)は第1及び第2の強磁性層3,
7の一方の磁気構造を、図4(b)は他の強磁性層の磁
気構造を模式的に示す。
【0064】図4(a),(b)からわかるように、第
1及び第2の強磁性層3,7の各中央領域の磁化方向は
略等しく、これは磁化自由層9の磁気軸と平行である。
他方、第1及び第2の強磁性層の端部領域の磁化方向
は、中央領域の磁化方向と異なり、非磁性結合層を介し
た近隣の端部領域の磁化は互いに所定角度(ゼロ度以
上、180度未満)をなしていることがわかる。
【0065】このような磁気構造は、層間結合,静磁結
合,磁気異方性の競合の結果生じるものであり、安定し
た構造を構成している。これによりスイッチング磁場が
低減でき、記憶磁化の反転に必要な電流を少なくするこ
とができる。
【0066】尚、図4(a),(b)からわかるよう
に、第1及び第2の強磁性層の磁化は、アルファベット
の “C”に似た構造となるため、C型磁気構造と呼ぶ
ことができる。尚、C型配置の他に、強磁性層の両端部
の磁化が反平行に近い向きを備える場合は、アルファベ
ットの“S”に似た構造となるため、これはS型磁気構
造と呼ぶことができる。
【0067】また、素子サイズは限定されるものではな
く、幅は1ミクロン程度より小さいものが好ましく、ア
スペクト比も約1:1.5〜10が好ましい。また、強
磁性層の平均厚さは10ナノメートル以下、さらには5
ナノメートル以下がより好ましい。 (実施例3)次に、第1の実施の形態に係る磁化自由層
9の他の例として、第1の強磁性層3の平均厚さを約
3.0ナノメートルとし、第2の強磁性層7の平均厚さ
を約2.0ナノメートルとしたときの層間結合磁界Jと
保磁力の関係を図5に示す。図5中の各線は、磁化自由
層9のアスペクト比を1:2、1:3、1:4とした例
を示す。
【0068】尚、この実施例の第1及び第2の強磁性層
3,7、及び非磁性結合層5に用いる材料、組成、幅等
は実施例1と同様とした。
【0069】図5からわかるように、磁化自由層9のア
スペクト比が1:2より大きい場合、強磁性的結合(J
>0)において保磁力が最小となる。特にアスペクト比
が1:3より大きい場合には、層間結合の大きさが10
0[Oe]近辺で急激に保磁力が小さくなることがわか
る。
【0070】また、第1及び第2の強磁性層間の結合の
大きさは、−500[Oe]以上300[Oe]の範囲
にあることが好ましいことがわかる。
【0071】上記のように層間結合磁界Jが約100
[Oe]程度の第1及び第2の強磁性層3,7の磁気構
造は図6の平面図に示すようになる。図6(a)は第1
及び第2の強磁性層の一方における面内の磁気構造を示
し、図6(b)は他方における面内の磁気構造を示す。
【0072】図6(a),(b)からわかるように、こ
の場合には、第1及び第2の強磁性層の中央領域の磁化
は平行で同じ向きを向いているが、端部領域の磁化の向
きは、第1及び第2の強磁性層3,7で同じ向きを向い
ている。この場合にも、各強磁性層における磁気的構造
はC型配置となっているが、上述のS型配置であっても
よい。 (実施例4)次に、第1の実施の形態において説明した
磁化自由層9中の第1及び第2の強磁性層3,7、非磁
性結合層5の層材料、平均厚さ等を中心に説明する。
【0073】表1は、反強磁性層間結合が得られる非磁
性結合層5の平均厚さの範囲を示す。いずれの層も示す
材料をターゲットとして用いてスパッタ法により成膜し
た。
【0074】
【表1】 尚、表1では、非磁性結合層5の平均厚さが極端に薄
く、例えば0.5ナノメートル以下になれば平均厚さの
測定が困難なため空欄とした。また、非磁性結合層5の
平均厚さが5ナノメートル以上であれば第1及び第2の
強磁性層間の結合が弱くなるため空欄とした。 (実施例5)次に、第1の実施の形態において説明した
磁化自由層9の形成方法について説明する。
【0075】まず、第1及び第2の強磁性層3,7の成
膜用スパッタターゲットにCo9Fe1を用いて、または
Co9Fe1、NiFe、及びCo9Fe1を順に用いて
第1の強磁性層3を形成し、この第1の強磁性層3上に
Ruターゲットを用いて非磁性結合層5となるRu層を
形成し、さらに、第1の強磁性と同じ材料・組成のター
ゲットを用いて第1の強磁性層3と同じ厚さの第3の強
磁性層7をスパッタ法により形成した。
【0076】尚、非磁性結合層5の厚さを変えること
で、第1及び第2の強磁性層3,7間に働く層間結合の
種類(強磁性的か反強磁性的か)と大きさを制御すること
ができる。
【0077】尚、非磁性結合層の材料にCu,Au,A
g等を用いてもよい。非磁性結合層の平均厚さは、上述
の通り、層間結合の大きさが−3000[Oe]以上1
000[Oe]以下の範囲に入るように設定することが
好ましい。具体的な平均厚さとしては、例えば、0.1
ナノメートルから10ナノメートルであることが好まし
い。
【0078】この磁化自由層9の上に、非磁性スペーサ
層11としてAl23、SiO2等の非磁性誘電体層、
あるいはCu、Au、Ag等の非磁性導電体層を形成す
る。これは、スパッタ法等やCVD(Chemical
Vapor Deposition)法、あるいはそ
の他の周知の方法により成膜できる。さらに、その後、
Co、Fe、Niのいずれかを含む強磁性体をターゲッ
トして用いたスパッタ法等により第3の強磁性層13を
形成する。
【0079】これらの層が形成された磁気抵抗効果素子
を、フォトリソグラフィーまたは電子ビーム描画により
微細加工し、その形状を幅約0.5マイクロメートル、
アスペクト比約1:4とした。
【0080】このように作製した磁気抵抗効果素子の磁
化曲線を測定したところ、図7(a),(b)に示すよ
うな結果が得られた。
【0081】図7(a)は、第1及び第2の強磁性層の
厚さが夫々1.5ナノメートルで、弱く反強磁性結合し
ており、保磁力は約5[Oe]、スイッチング磁場は
35[Oe]であることを示している。この磁性積層膜
は、反強磁性的結合を含んでいるにもかかわらず強磁性
的な振る舞いを示しており、角型比も1に近い値を示し
ている。これは、前述のように、第1及び第2の強磁性
層3,7の磁気的構造が制御されて図4(a),(b)
に示されたものと同種のものになっているためである。
【0082】また、図7(b)は、二つの強磁性層の平
均厚さがそれぞれ約1.5ナノメートルで、弱く強磁性
結合し、保磁力が26.5[Oe]、スイッチング磁場
が約36.5[Oe]であることを示している。層間結
合が強磁性的であるので角型比は略1である。
【0083】この場合は強磁性結合を含んでいるにもか
かわらず、スイッチング磁場は小さいままである。これ
は、第1及び第2の強磁性層の磁気的構造が制御され、
図6(a),(b)に示す磁気構造をもつためである。
【0084】一方、比較例として、二つの強磁性層が強
く反強磁性結合している場合の磁化曲線を測定したとこ
ろ、本実施例の弱い層間結合がある場合に比べて保磁力
は大変大きくなり、また飽和する磁場が3000[O
e]以上となり角型比が小さくなった。 (実施例6)第1の実施の形態において説明した磁気抵
抗効果素子のスイッチング磁場についてスケーリングし
た結果を図8に示す。これは、微細加工により強磁性層
の幅を 0.2ミクロン、0.5ミクロン、0.8ミク
ロン、1.2ミクロン として保磁力を測定した結果を
幅の逆数に対してプロットしたものである。
【0085】図8は、第1及び第2の強磁性層3,7間
に膜厚差がなく、磁性層間に弱い反強磁性結合(約−3
000[Oe])がある磁化自由層(▽)、層間結合がな
く静磁結合だけがある磁化自由層(△)、弱い強磁性的結
合(約100[Oe])がある磁化自由層(○)、第1及び
第2の強磁性層間の膜厚差があり、弱く反強磁性結合し
た磁化自由層(□)、単層の強磁性層(材料はCo9Fe、
厚さ3.0ナノメートルからなる)従来の磁化自由層
(◇)、さらに非磁性結合層によって第1及び第2の強
磁性層が強く反強磁性結合した従来の磁化自由層(+)
について示す。
【0086】図8から、どの幅においても第1及び第2
の磁性層3,7間に弱い反強磁性結合がある場合にスイ
ッチング磁場が最も小さいことがわかる。さらにこの結
果を幅 0.1ミクロン に外挿すると、弱い反強磁性結
合がある場合に最小のスイッチング磁場である約51
[Oe]が得られることがわかる。
【0087】ここで、MRAMを構成する場合に,ビッ
ト線49またはワード線41による磁場の大きさを計算
機シミュレーションにより求めた結果を説明する。ビッ
ト線49及びワード線41には、断面が長方形で幅
0.1ミクロン、アスペクト比を1:2とし、Cuまた
はWを材料に用いる。電極の周囲の全部または一部にN
iFe合金等の高透磁率材料によりシールド層を配置す
る。
【0088】この電極に、5×106A/cm2の電流を
流した場合、電極から約50ナノメートル離れた位置に
おける磁場の大きさは約76[Oe]となる。
【0089】従って、幅が0.1ミクロンの場合には、
磁性層間に弱い反強磁性結合がある場合、または層間結
合がなく静磁結合のみがある場合、磁化反転が可能とな
ることがわかる。
【0090】尚、第1及び第2の強磁性層の間に層間結
合がない場合 (J=0)には、磁性層からの洩れ磁場に
よる静磁結合による相互作用が存在するが、この場合に
ついては、上記の結合がある場合と同様にスイッチング
磁場が低減することが知られている(第24回日本応用磁
気学会学術講演会12aB-3、12aB-7、第24回日本応用磁気
学会学術講演概要集p.26、27)。
【0091】しかし、磁性層間の層間結合がなく静磁結
合のみが存在する場合には、磁気構造が不安定であり、
また、ヒステリシス曲線または磁気抵抗曲線における角
型比が小さく、大きな磁気抵抗比を得ることが困難とな
る。
【0092】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子について説明す
る。
【0093】本実施の形態では、第1の実施の形態で説
明した層構造において、第1または第2の強磁性層3,
7と非磁性結合層5との界面の表面粗さを中心に説明す
る。
【0094】尚、本実施の形態以降の説明では、第1の
実施の形態について説明した構成と同等の構成について
は符号を同じくし、その詳細な説明は第1の実施の形態
を参照することにより、以降、詳細な説明は省略する。
【0095】まず、本実施例の磁気抵抗効果素子の製造
方法について説明する。
【0096】スパッタ装置によりSi(100)基板上
にCu等からなるバッファ層を形成し、アニールするこ
とにより表面を平坦化する。その上にCo,Fe,Ni
Fe,CoFe等の強磁性層、Cu,Au,Ru等の非
磁性金属、Co,Fe,NiFe,CoFe等の強磁性
層を順に積層する。この際に、10-7〜10-8Torr
程度の真空チャンバー内にAr等の不活性ガスを導入す
る。導入ガス圧は、マグネトロンスパッタ装置で例えば
10-3〜10-2 Torrとした。
【0097】この際に、第1及び第2の強磁性層3,7
と非磁性結合層5の界面のいずれかの表面粗さを2オン
グストローム以上とするには、例えば次の方法を採用す
ることができる。
【0098】即ち、バッファ層の厚さを例えば約5ナノ
メートル以上にする。あるいは、バッファ層の材料Cu
を例えばTa,Al,Co等に変更する。あるいはバッ
ファ層を用いずにArガス圧をあげる、基板にバイアス
電圧をかける等の方法がある。
【0099】上記の界面の表面粗さは、X線反射率法に
より測定することができる。あるいは、透過型電子顕微
鏡により断面を直接見ることで評価することができる。
さらに、試料を破壊してオージェ電子分光法、2次イオ
ン質量分析法等も用いて測定することがきる。
【0100】ここでは、非破壊で界面の表面粗さを測定
できるX線反射率法を述べる。X線反射率法は、低角入
射X線の反射プロファイルを解析することにより膜厚や
表面粗さを測定する。X線源にはCuターゲットを用
い、Ge(111)結晶分光器によりCu−K線を取り
出すようにし、X線は全反射するように試料表面すれす
れに入射するように設定し、検出器としてNaIのシン
チレーションカウンタを使用する。
【0101】いくつかの試料に対し低角でX線を入射し
たときの反射率の一例を図9に示す。このデータに対
し、各層厚と界面の表面粗さをパラメータとして最小二
乗法により最適パラメータを決定することができる。
【0102】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態に係る2重トンネル接合を用いた磁気抵抗
効果素子について、図10の断面図を用いて説明する。
【0103】本実施の形態の磁気抵抗効果素子は、下部
電極1上に磁化が略固着された第4の強磁性層19とこ
の第4の強磁性層19に積層された第2の非磁性誘電体
層21を備える。第4の強磁性層19の材料組成や膜厚
等は、第3の強磁性層13を参考に適宜決定できる。ま
た、第2の非磁性誘電体層21の材料組成や膜厚等は、
第1の非磁性誘電体層11を参考に適宜決定できる。
【0104】本実施の形態の磁気抵抗効果素子は、第1
の実施の形態で説明した構造・特性を備える磁化自由層
9を用いることでスイッチング磁場の低い良好な磁気2
重トンネル接合素子が得られる。
【0105】以上説明した第1乃至第3の実施の形態に
係る磁気抵抗効果素子を、周知の半導体配線技術等と融
合することで磁気記憶装置の記憶セルに用いることがで
きる。この磁気記憶装置は不揮発性でランダムアクセス
機能を備え、かつ書き換え可能な集積化メモリである。
【0106】また、第1乃至第3の実施の形態に係る磁
気抵抗効果素子は、シールド型構造、ヨーク型構造、フ
ラックスガイド型構造等の周知のヘッド構造に適用する
ことで再生用の磁気抵抗効果ヘッドとできる。また、こ
の磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ディスク装置(ハードデ
ィスクドライブ)等の磁気再生装置に搭載できる。この
様に、本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気抵抗効果
ヘッドや磁気ディスク装置は、信号応答速度が速く、優
れた特性を備える。
【0107】(第4の実施の形態)第1乃至第3の実施
の形態に係る磁気抵抗効果素子を用いた磁気記憶装置に
ついて、図11のセル断面図を用いて説明する。
【0108】第1乃至第3の実施形態において説明した
様に、本発明の磁気抵抗効果素子はスイッチング磁場が
十分小さくなっているために、磁気記憶装置の記憶セル
として好適である。各記憶セルは、図11に示すよう
に、この磁気抵抗効果素子47とスイッチングトランジ
スタを備える。スイッチングトランジスタには、例え
ば、半導体技術で周知のMISトランジスタ等を用いる
ことができる。
【0109】MISトランジスタは、図11に示すよう
に、第1導電型の単結晶シリコン基板表面に形成された
第2導電型の不純物領域からなるソース電極33、ドレ
イン電極35と、これらの挟まれたチャネル領域上にゲ
ート絶縁膜を介して形成されたポリシリコン等からなる
ゲート電極37を備える。
【0110】このMISトランジスタのドレイン電極3
5と磁気抵抗効果素子47は、図11に示すように、コ
ンタクト配線43,45等により接続されている。ま
た、磁気抵抗効果素子47は、コンタクト配線45と接
する下面と反対側の上面でビット線49と接続されてい
る。このビット線49は紙面左右方向に伸びており、磁
気抵抗効果素子47が形成された位置で紙面垂直方向に
伸びる書き込み用ワード線41と互いに交差している。
【0111】この磁気抵抗効果素子47の磁化自由層
(記憶層)の書き込み動作は、書き込み用ワード線41
とビット線49に電流を流すことで発生する電流磁界に
よって実現可能である。つまり、複数の記憶セルが平面
にアレイ状に配置された集積化記憶装置では、選択され
たワード線とビット線の交差位置にある記憶セルへ選択
的に磁気情報の書き込みを行うことができる。
【0112】また、磁気情報の読出しは、MISトラン
ジスタのチャネル領域を導通状態にして、ビット線49
の端部においてセンス電流値、あるいは電圧値の変動を
検知して、磁気抵抗効果素子47の抵抗変化を測定する
ことにより行うことができる。
【0113】尚、MISトランジスタのかわりに、ダイ
オードをスイッチング素子として用いてもよい。即ち、
ワード線上にダイオードと磁気抵抗効果素子47、ビッ
ト線49を積層形成することができる。この際に、ワー
ド線とビット線49は互いに交差し、この交差領域に磁
気抵抗効果素子47を形成することができる。
【0114】尚、以上述べた、記憶セルの回路構成や装
置構造は一例であり、その他の様々な回路構成や装置構
造を採用可能である。
【0115】また、本発明は上述の各実施の形態に関ら
ず、特許請求の範囲に含まれる限りにおいて適宜変更可
能である。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、保磁力が小さく、また
スイッチング磁場が小さい磁気抵抗効果素子を提供する
ことができる。また、本発明の磁気抵抗効果素子を用い
た磁気記憶装置は、高集積化と低消費電力、及び高速化
を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効
果素子を示す断面図。
【図2】 第1の実施の形態の実施例1に係る磁気抵抗
効果素子の特性を示す断面図。
【図3】 第1の実施の形態の実施例2に係る磁気抵抗
効果素子の特性図。
【図4】 実施例2に係る第1及び第2の強磁性層の磁
気構造を示す平面図。
【図5】 第1の実施の形態の実施例3に係る磁気抵抗
効果素子の特性図。
【図6】 実施例3に係る第1及び第2の強磁性層の磁
気構造を示す平面図。
【図7】 第1の実施の形態の実施例5に係る磁気抵抗
効果素子の磁化曲線を示す図。
【図8】 第1の実施の形態の実施例6に係る磁気抵抗
効果素子の特性図。
【図9】 本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効
果素子のX線反射率の角度依存性を示す図。
【図10】 本発明の第3の実施の形態に係る磁気抵抗
効果素子の断面図。
【図11】 本発明の第4の実施の形態に係る磁気記憶
装置の記憶セル断面図。
【符号の説明】
1…下部電極 3…第1の強磁性層 5…非磁性結合層 7…第2の強磁性層 9…磁化自由層 11…第1の非磁性誘電体スペーサ層 13…第3の強磁性層 15…上部電極 17…層間絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/30 G01R 33/06 R H01L 27/105 H01L 27/10 447 (72)発明者 天野 実 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 砂井 正之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中島 健太郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 高橋 茂樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2G017 AA10 AD55 5D034 BA03 BA05 CA00 CA08 5E049 AC00 AC05 BA12 CB02 5F083 FZ10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁場によって磁化方向が変化する第
    一の強磁性層と、 前記第一の強磁性層に積層された第一の非磁性結合層
    と、 前記第一の非磁性結合層を介して前記第一の強磁性層と
    積層され、前記外部磁場によって磁化方向が変化する第
    二の強磁性層と、 前記第二の強磁性層と積層された第一の非磁性スペーサ
    層と、 前記第一の非磁性スペーサ層を介して前記第二の強磁性
    層と積層され、前記外部磁場下において所定方向の磁化
    を実質的に保持する第三の強磁性層とを備え、 前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性層とが反強磁性
    磁気結合してなり、前記磁気結合の大きさJが−300
    0[Oe]≦J<0を満たすことを特徴とする磁気抵抗
    効果素子。
  2. 【請求項2】 外部磁場によって磁化方向が変化する第
    一の強磁性層と、 前記第一の強磁性層に積層された第一の非磁性結合層
    と、 前記第一の非磁性結合層を介して前記第一の強磁性層と
    積層され、前記第一の強磁性層と強磁性磁気結合してな
    り、前記外部磁場によって磁化方向が変化する第二の強
    磁性層と、 前記第二の強磁性層と積層された第一の非磁性スペーサ
    層と、 前記第一の非磁性スペーサ層を介して前記第二の強磁性
    層と積層され、前記外部磁場下において所定方向の磁化
    を実質的に保持する第三の強磁性層とを備えることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記第一及び第二の強磁性層の磁気結合
    の大きさJが、0[Oe]<J≦1000[Oe]以上
    であることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果
    素子。
  4. 【請求項4】 第一磁化を備える中央領域と、前記第一
    磁化と異なる方向の第二磁化を備える端部領域とを備
    え、外部磁場によって前記第一及び第二磁化の方向が変
    化する第一の強磁性層と、 前記第一の強磁性層に積層された第一の非磁性結合層
    と、 前記第一の非磁性結合層を介して前記第一の強磁性層と
    積層され、前記第一磁化と平行な第三磁化を備える中央
    領域と、前記第三磁化と異なる方向の第四磁化を備える
    端部領域を備え、前記外部磁場によって第三及び第四磁
    化の方向が変化する第二の強磁性層と、 前記第二の強磁性層と積層された第一の非磁性スペーサ
    層と、 前記第一の非磁性スペーサ層を介して前記第二の強磁性
    層と積層され、前記外部磁場下において所定方向の磁化
    を実質的に保持する第三の強磁性層とを備えることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記第一及び第二の強磁性層が磁気結合
    しており、前記磁気結合の大きさJは−3000[O
    e]≦J≦1000[Oe]を満たすことを特徴とする
    請求項4記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 外部磁場によって磁化方向が変化する第
    一の強磁性層と、 前記第一の強磁性層に積層された第一の非磁性結合層
    と、 前記第一の非磁性結合層を介して前記第一の強磁性層と
    積層され、前記外部磁場によって磁化方向が変化する第
    二の強磁性層と、 前記第二の強磁性層と積層された第一の非磁性スペーサ
    層と、 前記第一の非磁性スペーサ層を介して前記第二の強磁性
    層と積層され、前記外部磁場下において所定方向の磁化
    を実質的に保持する第三の強磁性層とを備え、 前記第一の強磁性層または前記第二の強磁性層と前記非
    磁性結合層との界面の表面粗さが2オングストローム以
    上であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】 前記第一の強磁性層の前記第一の非磁性
    結合層と接する面と反対の面に形成された第二の非磁性
    スペーサ層と、 前記第二の非磁性スペーサ層を介して前記第一の強磁性
    層と積層され、前記外部磁場下において所定方向の磁化
    を実質的に保持する第四の強磁性層とを備えることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気抵
    抗効果素子。
  8. 【請求項8】 前記第一及び第二の非磁性スペーサ層が
    誘電体層であることを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】 前記第一乃至第四の強磁性層のいずれか
    の平均厚さが0.1ナノメートル以上100ナノメート
    ル以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    か一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 【請求項10】 前記第一及び第二の強磁性層のいずれ
    かに第ニの非磁性結合層を介して積層された第五の強磁
    性層を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれ
    か一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 【請求項11】 前記第一または第二の非磁性結合層の
    平均厚さが0.1ナノメートル以上100ナノメートル
    以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
    か一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか一項に記
    載の磁気抵抗効果素子を複数備えることを特徴とする磁
    気記憶装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の磁気記憶装置を搭
    載したことを特徴とする携帯端末装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
    項に記載の磁気抵抗効果素子を備えることを特徴とする
    磁気抵抗効果ヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の磁気ヘッドを搭載
    したことを特徴とする磁気再生装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004153268A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Hewlett-Packard Development Co Lp 磁気メモリデバイスおよびそれを形成するための方法
JP2010093277A (ja) * 2002-06-25 2010-04-22 Renesas Technology Corp 半導体集積回路装置
JP2016090243A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 三菱電機株式会社 磁気式位置検出装置

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