JP3977576B2 - 磁気メモリ装置 - Google Patents

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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3254Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気メモリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気抵抗効果は、磁性体に磁界を加えることによって電気抵抗が変化する現象であり、磁界センサや磁気ヘッドなどに利用されている。たとえば、強磁性体を用いた磁気抵抗効果素子は、温度安定性に優れ、かつ使用範囲が広いという特徴を有している。従来、このような磁気抵抗効果素子には、FeNi合金などのパーマロイ薄膜が使用されてきた。これをハードディスクなどの再生ヘッドに使用することで、高密度磁気記録が達成されている。しかし、パーマロイ薄膜の磁気抵抗変化率は2〜3%程度と小さいため、更なる高密度記録を達成しようとすると、十分な感度が得られないという問題があった。
【0003】
近年、新しいメカニズムに基づく非常に大きな磁気抵抗効果を示す、いわゆる巨大磁気抵抗効果(GMR)材料として、磁性層と非磁性層とを数nmの周期で交互に積層し、非磁性層を介して相対する磁性層の磁気モーメントを反平行状態で磁気的に結合させた積層膜、いわゆる人工格子膜が注目されている。たとえば、Fe/Crの人工格子膜(Phys.Rev.Lett.,61、2472(1988)参照)や、Co/Cuの人工格子膜(J.Mag.Mag.Mater.,94,L1(1991);Phys.Rev.Lett.,66,2152(1991)参照)などが見出されている。
【0004】
また、非磁性金属層を介して強磁性層を積層した強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる金属サンドイッチ膜において、強磁性層間の交換結合がなくなる程度に非磁性金属層の膜厚を厚くし、かつ一方の強磁性層に接してFeMnなどの反強磁性層を配置して交換結合させることにより、その強磁性層の磁気モーメントを固定し、他方の強磁性層のスピンのみを外部磁場で容易にスイッチできるようにした、いわゆるスピンバルブ膜が知られている。この場合、2つの強磁性層間に交換結合がないため、小さな磁場でスピンをスイッチできるので、上記交換結合膜に比べて感度の高い磁気抵抗効果素子を提供でき、高密度磁気記録用再生ヘッドとして、現在実用化されている。
【0005】
以上は膜面内に電流を流した場合の磁気抵抗効果であるが、膜面に垂直方向に電流を流す、いわゆる垂直磁気抵抗効果を利用すると、さらに大きな磁気抵抗効果が得られることも知られている(Phys.Rev.Lett.,66,3060(1991)参照)。さらには、強磁性層/絶縁体層/強磁性層からなる3層膜において、外部磁場によって2つの強磁性層のスピンを互いに平行または反平行にすることにより、膜面垂直方向のトンネル電流の大きさが互いに異なることを利用した、強磁性トンネル接合による巨大磁気抵抗効果(TMR)も知られている。また、絶縁層を2つ備えた強磁性層/絶縁層/強磁性層/絶縁層/強磁性層の5層からなる強磁性二重トンネル接合素子も知られている。さらに、本発明者らは、中央の強磁性体を微粒子状にした強磁性二重トンネル接合素子を提案している。これらの強磁性二重トンネル接合素子は、バイアスに依存したMR比の低下が小さいという特長がある。
【0006】
最近では、巨大磁気抵抗効果素子を磁気メモリ素子に利用することも研究されている(Jpn.J.Appl.Phys.,34,L415(1995))。この場合、交換結合のない、スピンバルブ構造や強磁性トンネル効果素子が利用されている。これらの素子を磁気メモリ装置に利用する場合には、これらの素子をマトリックス状に配置し、別に設けた配線に電流を流して磁界を印加し、各素子を構成する2つの磁性層を互いに平行または反平行に制御することにより、“1”、“0”を記録させる。読み出しはGMR効果またはTMR効果を利用して行う。
【0007】
しかし、このような磁気メモリ装置においては、高密度記録化のために素子サイズを小さくすると反磁界が大きくなる。このため、反磁界に打ち勝って記録状態を安定化するためには、記録層の磁気異方性を大きくする必要がある。この場合、記録に要する電流磁界が大きくなり、配線に大きな電流を流す必要性が生じる。その結果、パワーの大きい電源を要するうえに、電流密度が大きくなりエレクトロマイグレーションが生じて配線が破断するなどの問題があった。また、素子サイズを小さくすると、絶縁層を介した磁性層間の静磁気結合が大きくなることに起因して、磁気ヒステリシスが非対称になり、記録に要する電流磁界が大きくなるという問題もあった。これらの問題を緩和するために、メモリ素子のアスペクト比(平面的な長さと幅の比)を大きくすることが考えられる。しかし、このような対策では素子サイズが大きくなるため高密度メモリを得ることが困難になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、素子サイズを小さくしても、記録に要するパワーを軽減でき、かつ材料選択の幅が広い磁気メモリ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気メモリ装置は、第1の反強磁性層/第1の強磁性層/第1のトンネル絶縁層/第2の強磁性層/第1の非磁性層/第3の強磁性層/第2の非磁性層/第4の強磁性層/第2のトンネル絶縁層/第5の強磁性層/第2の反強磁性層が積層された強磁性二重トンネル接合を有、第2および第3の強磁性層が第1の非磁性層を介して反強磁性結合しており、第3および第4の強磁性層が第2の非磁性層を介して反強磁性結合している磁気抵抗効果素子と、トランジスタまたはダイオードと、を含むメモリセルを備え、当該メモリセルをアレイ状に配置したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図1に示す磁気抵抗効果素子は、第1の反強磁性層1、第1の強磁性層2、第1のトンネル絶縁層3、第2の強磁性層4、第1の非磁性層5、第3の強磁性層6、第2の非磁性層7、第4の強磁性層8、第2のトンネル絶縁層9、第5の強磁性層10、第2の反強磁性層11が積層された強磁性二重トンネル接合素子である。
【0012】
第1のトンネル絶縁層3と第2のトンネル絶縁層9との間に挟まれた、第2の強磁性層4、第1の非磁性層5、第3の強磁性層6、第2の非磁性層7、および第4の強磁性層8は磁気記録層12を構成している。第2および第3の強磁性層4、6は第1の非磁性層5を介して反強磁性結合しており、互いの磁化が反平行状態に保たれている。同様に、第3および第4の強磁性層6、8は第2の非磁性層7を介して反強磁性結合しており、互いの磁化が反平行状態に保たれている。
【0013】
第1の強磁性層2は、第1の反強磁性層1と交換結合して図中の矢印に示す方向に磁化が固着されている。同様に、第5の強磁性層10は、第2の反強磁性層11と交換結合して図中の矢印に示すように第1の強磁性層2の磁化の方向と同一方向に磁化が固着されている。
【0014】
この磁気抵抗効果素子では所定方向に外部磁場が印加されると、第2ないし第4の強磁性層4、6、8は反強磁性結合を保ったまま、外部磁場の方向に磁化回転する。一方、第1の強磁性層2および第5の強磁性層10はそれぞれ第1および第2の反強磁性層1、11との交換結合によって、第2ないし第4の強磁性層4、6、8の磁化が回転する程度の外部磁場では、磁化回転が生じないように固着されている。こうして、第2ないし第4の強磁性層4、6、8に“1”または“0”の情報を記録することができる。
【0015】
このとき、第1の非磁性層5を介して反強磁性結合した第2および第3の強磁性層4、6間で磁束が閉じ、かつ第2の非磁性層7を介して反強磁性結合した第3および第4の強磁性層6、8間で磁束が閉じているため、素子を微細化しても反磁界が増大することはない。このため、磁化反転に要する反転磁場Hswはメモリセルの大きさにはほとんど依存せず、第2ないし第4の強磁性層4、6、8の保磁力Hcで決まる。したがって、Hcを小さくすれば、Hswを小さくすることができるので、省エネルギー効果が大きい。保磁力は一軸異方性をKu、磁化の大きさをMとすれば、理想的にはHc=2Ku/Mで与えられる。すなわち、一軸異方性Kuの小さい材料を用いることにより目的を達成できる。また、反強磁性結合した第2ないし第4の強磁性層4、6、8で磁束が閉じているため、記録ビットが擾乱磁場に対して安定であるというメリットも得られる。
【0016】
また、図1の磁気抵抗効果素子では、磁気記録層12に3層の強磁性層が含まれるので、磁気記録層12の両端の第2および第4の強磁性層4、8の磁化の方向が同一になっている。この場合、第1のトンネル絶縁層3を挟んで第2の強磁性層4と対向する第1の強磁性層(磁化固着層)2と、第2のトンネル絶縁層9を挟んで第4の強磁性層8と対向する第5の強磁性層(磁化固着層)10についても、磁化の方向が同一になる。このように第1の強磁性層2と第5の強磁性層10の磁化の方向を同一にするには、第1および第2の反強磁性層1、11として同一の材料を用いるだけでよいので、反強磁性材料の選択の幅が広がる。
【0017】
ここで、第2ないし第4の強磁性層4、6、8において磁束を有効に閉じるには、第3の強磁性層6の磁化の値M3が、第2および第4の強磁性層4、8の磁化を加えた値M(2+4)と等しいことが好ましい。しかし、M3とM(2+4)の値が同一である場合には記録層の磁化回転が困難になるため、これらの磁化の値が若干異なるようにすることが好ましい。
【0018】
例えば、第2ないし第4の強磁性層を同じ材料で形成する場合には、第3の強磁性層6の厚さT3と、第2および第4の強磁性層4,8の合計の厚さT(2+4)とが異なるようにする。この場合、T3とT(2+4)との差の絶対値は0.5nm以上5nm以下の範囲であることが好ましい。
【0019】
また、第2ないし第4の強磁性層4、6、8に異なる材料を用いることにより、M3とM(2+4)の値が異なるようにしてもよい。
【0020】
さらに、反強磁性的に交換結合した第2ないし第4の強磁性層4、6、8に接して他の強磁性層を設けることにより、M3とM(2+4)の値が異なるようにしてもよい。図2の磁気抵抗効果素子は、図1の構造に加えて、第1および第2の非磁性層4、7を介して反強磁性的に交換結合している第2ないし第4の強磁性層4、6、8のうち、第4の強磁性層8に接して強磁性層8bを設けた構造を有する。この場合、強磁性層8bとしてソフト磁性を示す材料たとえばパーマロイ、Fe、Co−Fe合金、Co−Fe−Ni合金などを用いれば、より低磁場で磁化反転できるので望ましい。
【0021】
本発明においては、図3に示すように、第1の強磁性層(磁化固着層)2として非磁性層2bを介して2つの強磁性層2a、2cが反強磁性的に交換結合した磁気積層膜を用い、第5の強磁性層(磁化固着層)10として非磁性層10bを介して2つの強磁性層10a、10cが反強磁性的に交換結合した磁気積層膜を用いてもよい。このように構成では、第1および第5の強磁性層2、10の磁化がさらに安定かつ強固に固着される。また、第1および第5の強磁性層2、10からの漏れ磁界が小さくなるので、磁気記録層12への磁気的影響が抑えられ、記録の安定性が増す。
【0022】
次に、本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子に用いられる材料について説明する。本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子では、読み出しはトンネル磁気抵抗効果を利用して磁場を印加することなく行うことができる。読み出し感度を大きくするためには、トンネル磁気抵抗効果の大きい材料を用いることが望ましく、第2ないし第4の強磁性層4、6、8の材料として、Co、Fe、Co−Fe合金、Co−Ni合金、Co−Fe−Ni合金などを用いることが望ましい。また、第2ないし第4の強磁性層4、6、8の材料としては、上述したFe、Co、Niおよびその合金のほかに、NiMnSb、Co2MnGeなどのハーフメタルなどを用いることもできる。ハーフメタルは一方のスピンバンドにエネルギーギャップが存在するので、これを用いるとより大きな磁気抵抗効果を得ることができ、結果としてより大きな再生出力が得られる。
【0023】
また、第2ないし第4の強磁性層4、6、8は膜面内に弱い一軸磁気異方性を有することが望ましい。一軸磁気異方性が強すぎると各強磁性層の保磁力が大きくなり、スイッチング磁場が大きくなるため好ましくない。一軸磁気異方性の大きさは、106erg/cm3以下、好ましくは105erg/cm3以下である。各強磁性層の好ましい膜厚は1〜10nmである。
【0024】
第2ないし第4の強磁性層4、6、8の間に介在して反強磁性結合をもたらす第1および第2の非磁性層5、7の材料としては、Cu、Au、Ag、Cr、Ru、Ir、Al、またはこれらの合金など、多くの金属を用いることができる。特に、Cu、Ru、Irは、薄い膜厚で大きな反強磁性結合が得られるので好ましい。非磁性層の膜厚の好ましい範囲は、0.5〜2nmである。
【0025】
トンネル絶縁層の材料としては、Al23、NiO、酸化シリコン、MgOなどを用いることができる。トンネル絶縁層の膜厚の好ましい範囲は、0.5〜3nmである。
【0026】
反強磁性層の材料としては、FeMn、IrMn、PtMnなどを用いることができる。
【0027】
本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子を構成する種々の薄膜は、分子線エピタキシー(MBE)法、各種スパッタ法、蒸着法など通常の薄膜形成方法により形成することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】
実施例1
図2に示すような磁気抵抗効果素子を作製した例について説明する。マグネトロンスパッタ装置を用いて、熱酸化Si基板上に、10nmのTa/10nmのNiFeからなる下地層、50nmのIrMnからなる反強磁性層1、1.5nmのCo9Feからなる第1の強磁性層2、1.5nmのAl23からなる第1のトンネル絶縁層3、1.5nmのCo9Feからなる第2の強磁性層4、0.8nmのRuからなる第1の非磁性層5、1.5nmのCo9Feからなる第3の強磁性層6、0.8nmのRuからなる第2の非磁性層7、2.0nmのNiFeからなる強磁性層8b、1.5nmのCo9Feからなる第4の強磁性層8、1.5nmのAl23からなるトンネル絶縁層9、1.5nmのCo9Feからなる第5の強磁性層10、50nmのIrMnからなる反強磁性層11を順次積層した。
【0030】
この素子では、第2の強磁性層4、第1の非磁性層5、第3の強磁性層6、第2の非磁性層7、強磁性層8b、第4の強磁性層8で磁気記録層12が構成されている。この磁気記録層12においては、第1の非磁性層5を介して第2および第3の強磁性層4、6が反強磁性結合しており、第2の非磁性層7を介して第3および第4の強磁性層6、8が反強磁性結合している。NiFe強磁性層8bは、第3の強磁性層6の磁化の値M3と、第2および第4の強磁性層4、8の磁化を加えた値M(2+4)を互いに異ならせるために設けている。
【0031】
全ての膜は真空を破ることなく形成した。第1および第2のトンネル絶縁層3、9を構成するAl23は、Al金属をスパッタした後、プラズマ酸化することにより形成した。なお、下地層、第1の反強磁性層1および第1の強磁性層2は100μm幅の下部配線形状の開口を有するマスクを通して成膜した。第1のトンネル絶縁層3に変換されるAlは接合部形状の開口を有するマスクを通して成膜した。第1のトンネル絶縁層3より上部の各層は下部配線に直交する方向に延びる100μm幅の上部配線形状の開口を有するマスクを通して成膜した。これらの工程中において、真空チャンバー内でこれらのマスクを交換した。こうして接合面積を100×100μm2とした。また、成膜時に100Oeの磁界を印加して、膜面内に一軸異方性を導入した。
【0032】
この磁気抵抗効果素子について、4端子法を用いて磁気抵抗を測定したところ、それぞれ約10Oeの小さなスイッチング磁界で22%の磁気抵抗変化が観測された。
【0033】
実施例2
フォトリソグラフィを用いた微細加工により、実施例1と同様の積層構造を有するが、実施例1よりも接合面積が小さい磁気抵抗効果素子を作製した。トンネル接合の面積は、5×5μm2、1×1μm2または0.4×0.4μm2とした。これらの磁気抵抗効果素子について、4端子法を用いて磁気抵抗を測定したところ、それぞれ12Oe、25Oe、35Oeという小さな磁界で磁気抵抗変化が観測された。このように、接合面積が小さくなっても、スイッチング磁界はそれほど顕著に増加していない。これは、磁気記録層として反強磁性結合した積層磁性膜を用いているため、発生する反磁界が素子サイズにあまり依存しないためであると考えられる。
【0034】
次に、図4および図5を参照して、MOSトランジスタ上に本発明の強磁性トンネル接合素子を積層した構造を有するMRAMを説明する。図4は1セルのMRAMの断面図、図5は3×3セルのMRAMの等価回路図を示す。
【0035】
図4に示すように、シリコン基板21、ゲート電極22、ソース、ドレイン領域23、24からなるトランジスタ20が形成されている。ゲート電極22は読み出し用のワードライン(WL1)を構成している。ゲート電極22上には絶縁層を介して書き込み用のワードライン(WL2)31が形成されている。トランジスタ20のドレイン領域24にはコンタクトメタル32が接続され、さらにコンタクトメタル32には下地層33が接続されている。この下地層33上の書き込み用のワードライン(WL2)31の上方に対応する位置に、本発明に係る強磁性トンネル接合素子(TMR)100が形成されている。TMR100は、図1〜図3に示した構造のいずれを有していてもよい。このTMR100上にビットライン(BL)34が形成されている。
【0036】
図5の等価回路図に示すように、トランジスタ20と本発明の強磁性トンネル接合素子(TMR)100とからなる複数のメモリセルはアレイ状に配列されている。トランジスタ20のゲート電極からなる読み出し用のワードライン(WL1)22と、書き込み用のワードライン(WL2)31とは平行に配置されている。また、TMR10の上部に接続されたビットライン(BL)34は、ワードライン(WL1)22およびワードライン(WL2)31と直交して配置されている。
【0037】
なお、MRAMはダイオードと本発明に係る強磁性トンネル接合素子(TMR)とを積層して構成してもよい。具体的には、ワードライン上にダイオードと本発明に係るTMRとの積層体からなるメモリセルを形成し、TMR上にワードラインと直交して配置されたビットラインを形成して、多数のメモリセルをアレイ状に配置した構造が考えられる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、素子サイズを小さくしても、反磁界の影響なしに小さな磁界で磁気抵抗効果が得られ、記録に要するパワーを軽減できる磁気メモリ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子の断面図。
【図2】 本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子の断面図。
【図3】 本発明の磁気メモリ装置の磁気抵抗効果素子の断面図。
【図4】 本発明に係る磁気抵抗効果素子とトランジスタとからなるMRAMの断面図。
【図5】 本発明に係る磁気抵抗効果素子とトランジスタとからなるMRAMの等価回路図。
【符号の説明】
1…第1の反強磁性層
2…第1の強磁性層
3…第1のトンネル絶縁層
4…第2の強磁性層
5…第1の非磁性層
6…第3の強磁性層
7…第2の非磁性層
8…第4の強磁性層
9…第2のトンネル絶縁層
10…第5の強磁性層
11…第2の反強磁性層
12…磁気記録層
20…トランジスタ
21…シリコン基板
22…ゲート電極(読み出し用ワードライン)
23、24…ソース、ドレイン領域
31…書き込み用ワードライン
32…コンタクトメタル
33…下地層
34…ビットライン
100…強磁性トンネル接合素子(TMR)

Claims (1)

  1. 第1の反強磁性層/第1の強磁性層/第1のトンネル絶縁層/第2の強磁性層/第1の非磁性層/第3の強磁性層/第2の非磁性層/第4の強磁性層/第2のトンネル絶縁層/第5の強磁性層/第2の反強磁性層が積層された強磁性二重トンネル接合を有、第2および第3の強磁性層が第1の非磁性層を介して反強磁性結合しており、第3および第4の強磁性層が第2の非磁性層を介して反強磁性結合してい磁気抵抗効果素子と、トランジスタまたはダイオードと、を含むメモリセルを備え、当該メモリセルをアレイ状に配置したことを特徴とする磁気メモリ装置
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