JP3524486B2 - 磁気抵抗素子及び該素子を用いたメモリ素子 - Google Patents
磁気抵抗素子及び該素子を用いたメモリ素子Info
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Description
用した磁気抵抗素子および該素子を用いたメモリ素子に
関するものである。特に、磁性層が垂直磁化膜で構成さ
れた磁気抵抗素子およびメモリ素子に関するものであ
る。
ドライブの再生ヘッドに用いられ、高い記録密度をもつ
ハードディスクに必要不可欠なものとなっている。磁気
抵抗効果膜の基本構成は、非磁性層を介して磁性層が隣
接して形成されたサンドイッチ構造である。再生ヘッド
に用いられる磁気抵抗効果膜では、一方の磁性層の磁化
方向が固定されている。このため一般的には磁化方向を
固定する磁性層に反強磁性層を交換結合させ、その磁性
層の磁化方向を反強磁性層の一方向異方性の方向に固定
させている。このような膜構成の磁気抵抗効果膜をスピ
ンバルブ膜と呼んでいる。また、他方の磁性層の磁化方
向は、ハードディスクからの浮遊磁界の方向にならって
反転させ、このときの磁気抵抗効果膜の電気抵抗の変化
によりハードディスクに記録されている情報を検出す
る。
リへの応用が検討されている。
報機器に多く用いられ、DRAM、FeRAM、フラッシュEEPRO
M等その種類も様々である。これら半導体メモリの特性
は一長一短であり、現在の情報機器において要求される
スペックのすべてを満たすメモリが存在しない。例え
ば、DRAMは記録密度が高く書き換え可能回数も多いが、
揮発性であり電源を切ると情報は消えてしまう。また、
フラッシュEEPROMは不揮発であるが消去の時間が長く、
情報の高速処理には不向きである。
て、磁気抵抗効果を用いたメモリ(MRAM)は、記録時
間、読み出し時間、記録密度、書き換え可能回数、消費
電力等において多くの情報機器から求められるスペック
をすべて満たすメモリとして有望である。特にスピン依
存トンネル磁気抵抗(TMR)効果を利用したMRAMは、大
きな読み出し信号が得られることから、高記録密度化あ
るいは高速読み出しに有利であり、近年の研究報告にお
いてMRAMとしての実現性が実証されている。
られる材料にはCuやAl2O3が挙げられる。磁気抵抗効果
膜において非磁性層にCu等のような導体を用いたものを
巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)といい、Al2O3などの絶縁
体を用いたものをスピン依存トンネル効果膜(TMR膜)
という。TMR膜はGMR膜に比べて大きな磁気抵抗効果を示
すので次世代の磁気抵抗素子として期待されている。
化方向が平行であると磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比較
的小さく、図1(b)に示すように磁化方向が反平行で
あると電気抵抗は比較的大きくなる。
材料は、大きなスピン分極率を得るためにFe、Coあ
るいはCoFeが好ましい。また、前記第1の磁性層お
よび前記第4の磁性層としては、垂直磁気異方性を示す
希土類金属と遷移金属の合金膜が好ましく、具体的に
は、Gd、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種類の
希土類金属とFe、Coから選ばれる少なくとも1種類
の遷移金属の合金膜が好ましい。また、前記非磁性層を
絶縁膜、特に、酸化物とすることにより、構成をより大
きな磁気抵抗効果を得られるスピン依存トンネル効果膜
とすることが好ましい。また、前記第2磁性層、第3磁
性層がCoFeから構成される場合は、最適な磁気抵抗
変化率を得るためにCo組成が20at.%以上70a
t.%以下であることが好ましい。また、前記第2磁性
層、第3磁性層がCoFeから構成される場合は、最適
な磁気抵抗変化率を得るためにCo組成が30at.%
以上50at.%以下であることが好ましい。更に、上
記目的は、少なくとも第1の磁性層、第2の磁性層、非
磁性層、第3の磁性層、第4の磁性層が順に積層され、
前記第1の磁性層および第4の磁性層がそれぞれ膜面垂
直方向に磁化容易軸を有し、かつ該第2の磁性層と該第
3の磁性層が前記第1の磁性層および前記第4の磁性層
よりも大きなスピン分極率を有し、前記第2の磁性層及
び第3の磁性層は、少なくともCoを含有する磁性層で
あり且つ、該Co含有率が20at%以上で70at%
以下である磁気抵抗素子においても達成される。以上の
いずれかの構成により、磁性膜は垂直磁化膜を維持でき
るため素子サイズの微細化が可能となり、また、高い磁
気抵抗効果を得られる磁気抵抗素子およびメモリ素子を
提供できる。
ての磁化方向と電気抵抗の関係は、面内磁化膜を用いた
それと同様で、図2(a)に示すように2つの磁性層の
磁化方向が平行であると磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比
較的小さく、図2(b)に示すように磁化方向が反平行
であると電気抵抗は比較的大きくなる。
膜を用いた磁気抵抗効果膜は、その素子サイズを微細化
できる点で優れている。垂直磁化膜にはPtとCoの人工格
子多層膜やCoCr合金あるいは希土類−遷移金属合金等が
あるが、再生ヘッドやMRAMに用いられる磁気抵抗効果膜
としては、その磁化曲線の角型比が1に近いものが好ま
しく、そのような磁気特性をもつ磁性材料は希土類−遷
移金属合金が挙げられる。しかし、この材料においては
希土類金属が非磁性層界面に存在するために高い磁気抵
抗効果が得られないという問題があった。さらに希土類
元素は著しく酸化し易く、特に2つの磁性層の間に配す
る非磁性層に酸化物を用いた場合、その界面に存在する
希土類元素が酸化してしまい、磁性層の磁気特性が劣化
したり、非磁性層中に存在していた酸素が拡散し、磁気
抵抗効果が低下するという問題があった。
なされたものであり、素子サイズを微細化可能で、且つ
高い磁気抵抗効果が得られる磁気抵抗素子を提供するこ
とである。そして、上記目的は、少なくとも第1の磁性
層、膜厚が2nm以下である第2の磁性層、非磁性層、
膜厚が2nm以下である第3の磁性層、第4の磁性層が
順に積層され、該第1の磁性層と該第2の磁性層および
該第3の磁性層と該第4の磁性層がそれぞれ交換結合し
ており、該第1の磁性層および該第4の磁性層がそれぞ
れ膜面垂直方向に磁気異方性を有し、かつ該第2の磁性
層と該第3の磁性層が該第1の磁性層および該第4の磁
性層よりも大きなスピン分極率を持ち、該第1の磁性層
と該第4の磁性層からの交換結合力により、該第2の磁
性層の磁化と該第3の磁性層の磁化が膜面垂直方向に配
向しており、前記第2の磁性層および第3の磁性層がF
e、CoあるいはCoFeからなることを特徴とする磁
気抵抗素子および該素子を用いたメモリ素子により達成
される。また、前記第2の磁性層および第3の磁性層の
膜厚は、磁気抵抗効果膜としての機能を果たすために
0.2nm以上、つまり1原子層以上積層されているこ
とが好ましい。更に、前記第2磁性層および第3磁性層
の膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下が、最適な磁
気抵抗変化率を得る上でより好ましい。
磁性層としては、垂直磁気異方性を示す希土類金属と遷
移金属の合金膜が好ましく、具体的には、Gd、Dy、
Tbから選ばれる少なくとも1種類の希土類金属とF
e、Coから選ばれる少なくとも1種類の遷移金属の合
金膜が好ましい。また、前記非磁性層を絶縁膜、特に、
酸化物とすることにより、構成をより大きな磁気抵抗効
果を得られるスピン依存トンネル効果膜とすることが好
ましい。また、前記第2磁性層、第3磁性層がCoFe
から構成される場合は、最適な磁気抵抗変化率を得るた
めにCo組成が20at.%以上70at.%以下であ
ることが好ましい。また、前記第2磁性層、第3磁性層
がCoFeから構成される場合は、最適な磁気抵抗変化
率を得るためにCo組成が30at.%以上50at.
%以下であることが好ましい。以上の構成により、磁性
膜は垂直磁化膜を維持できるため素子サイズの微細化が
可能となり、また、高い磁気抵抗効果を得られる磁気抵
抗素子およびメモリ素子を提供できる。
は、非磁性層の界面付近にスピン分極率の大きな材料を
配する必要がある。そのような材料にはFe、Coあるいは
CoFe合金が挙げられ、特にCoFe合金は大きなスピン分極
率を有する。しかし、これらの材料は単層膜の状態では
膜面内方向に磁気異方性を持つため、膜面垂直方向に磁
化は安定しない。そこで例えば、垂直磁気異方性を有す
る磁性層と交換結合させることによってCoFe合金膜の磁
化方向を膜面垂直方向に向けることが可能である。
例を示す。10は基板、21は第1の磁性層、22は第
2の磁性層、23は非磁性層、24は第3の磁性層、2
5は第4の磁性層、26は保護層である。
れる。
直磁気異方性を示す磁性体が用いられ、第1の磁性層は
第2の磁性層と、第4の磁性層は第3の磁性層とそれぞ
れ交換結合している。第2の磁性層と第3の磁性層の磁
化はそれぞれ第1の磁性層と第4の磁性層からの交換結
合力により膜面垂直方向に向けられる。第1の磁性層お
よび第4の磁性層に用いられる磁性材料は、磁気特性か
ら希土類−遷移金属合金が好ましく、特に希土類金属と
してGd、DyあるいはTbを用いることが好ましい。
ントンネル効果を用いた磁気抵抗素子とするのが,抵抗
変化率が高いため好ましい。この絶縁膜としては,酸化
アルミニウムのような酸化物を用いるのが良い。
21Fe79を用い、これに膜厚の異なるCo50Fe50合金膜を交
換結合させた多層膜の磁化曲線を示す。基板には表面を
酸化処理したシリコンウエハーを用い、上部保護膜とし
て2nmの膜厚のPt膜を配している。印加した磁界はすべ
て±0.16 MA/mの大きさで、膜面内方向と膜面垂直方向
に磁界を印加した場合について、V.S.Mを用いて測定し
ている。図4はGd21Fe79単層膜の磁化曲線で、膜面垂直
方向に磁界を印加した場合には角型の磁化曲線になって
いる。また、膜面内方向では磁化の変化は確認されなか
った。図5は膜厚1nmのCo50Fe50とGd21Fe79の交換結合膜
の磁化曲線で、図6は膜厚2nmのCo50Fe50とGd21Fe79の交
換結合膜の磁化曲線である。どちらの磁化曲線において
も膜面内方向で磁化の変化が確認されている。また、膜
面垂直方向では角型の磁化曲線が得られている。図7は
膜厚3nmのCo50Fe50とGd21Fe79の交換結合膜の磁化曲線
である。この場合、膜面内方向では比較的小さな磁界で
磁化の大きさが飽和しているが、膜面垂直方向において
は小さな磁界範囲内では磁化は飽和していない。つまり
Co50Fe50合金膜を3nmの厚さにするとCo50Fe50合金膜の
磁化は面内方向に向きやすくなり、垂直磁化膜と交換結
合させることによってCo50Fe50合金膜の磁化を垂直方向
に安定させることは不可能であることが分かる。
b20Fe80を用い、これに膜厚の異なるCo膜を交換結合さ
せた多層膜の磁化曲線を示す。図8はTb20Fe80単層膜の
磁化曲線で、膜面垂直方向に磁界を印加した場合には角
型に近い磁化曲線が得られている。また、膜面内方向で
は磁化の変化は確認されなかった。図9は膜厚1nmのCoと
Tb20Fe80の交換結合膜の磁化曲線で、図10は膜厚2nmのC
oとTb20Fe80の交換結合膜の磁化曲線である。どちらの
磁化曲線においても膜面内方向で磁化の変化が確認され
ている。また、膜面垂直方向ではTb20Fe80単層膜の場合
よりも保磁力の大きさが小さくなっているが、零磁界に
おいて磁化の大きさは飽和していて、磁化はどちらか一
方の方向に揃っていることが分かる。図11は膜厚3nmのC
oとTb20Fe80の交換結合膜の磁化曲線である。この場
合、膜面垂直方向において零磁界で磁化の大きさが減少
しており、磁化は部分的に反転しているか、あるいは傾
いていることが分かる。つまりCo膜を3nmの厚さにする
とCoの磁化は面内方向に向きやすくなり、垂直磁化膜と
交換結合させてもCo膜の磁化を垂直方向に安定させるこ
とは困難であることが分かる。
直磁気異方性を持つTbFe合金膜を用いた場合でも,3nm
以上の膜厚を持つ遷移金属膜の磁化方向を膜面垂直方向
に向けることは容易ではない。
層の界面に配する第2の磁性層および第3の磁性層の膜
厚は2nm以下にすることが好ましい。また、第2の磁性
層および第3の磁性層の膜厚は少なくとも1原子層以
上、つまり0.2nm以上ある必要がある。
ネル磁気抵抗効果膜の磁気抵抗変化率を面内磁化膜の膜
厚に対してプロットしたグラフである。抵抗値は直流四
端子法を用いて測定している。シリコンウエハー上に形
成した膜厚25nmのAlCu合金膜は磁気抵抗効果膜に電流を
流すための下部電極31であり、最上部に形成した膜厚
50nmのAl膜は上部電極32である。AlCu合金膜の上には
磁気抵抗効果膜として膜厚50nmのGdFe合金膜(第1の磁
性層21)、第2の磁性層22、2.2nmのAl2O3膜(非磁
性層23)、第3の磁性層24、30nmのTbFe合金膜(第
4の磁性層25)が順次形成されている。ただし、第2
の磁性層と第3の磁性層の膜厚は同じとした。Al2O3膜
界面に面内磁化膜が無い場合、磁気抵抗変化率が3%であ
るのに対し、Co膜をAl2O3膜界面に配した場合では、そ
の膜厚を0.5nmにすると最も大きな磁気抵抗変化率が得
られ、その値は27%まで増加する。また、第2の磁性層
および第3の磁性層にCo50Fe50合金を用いた場合では、
その膜厚を1nmにすると最も大きな磁気抵抗変化率が得
られ、その値は46%である。さらに、Feを用いた場合、
磁気抵抗変化率が最大になる膜厚は1.5nmである。つま
り、第2の磁性層および第3の磁性層の最適な膜厚はそ
の組成によって異なるが、その膜厚が0.5nm〜1.5nmの範
囲内で磁気抵抗変化率が最大となる。したがって、第2
の磁性層および第3の磁性層の膜厚は0.5nm〜1.5nmとす
ることがさらに好ましい。
変化率をプロットしたグラフである。Co組成が0at.%あ
るいは100at.%に近いところでは磁気抵抗変化率が急激
に減少するが、20at.%〜70at.%の範囲では40%以上の高
い磁気抵抗変化率が得られている。さらに30at.%〜50a
t.%の範囲で磁気抵抗変化率は最大値の46%を示してい
る。したがって、第2の磁性層および第3の磁性層に用
いるCoFe合金膜はCo組成を20at.%以上70at.%以下とする
ことが好ましく、30at.%以上50at.%以下とすることがさ
らに好ましい。
して用いた場合の動作について説明する。
には、大別して絶対検出法と相対検出法の2種類が挙げ
られる。図16〜図19は本発明の磁気抵抗素子をメモリ素
子として用いたときの磁界印加方向と磁化方向の様子を
示した図であり、図16と図17は相対検出法を説明するも
のであり、図18と図19は絶対検出法を説明するものであ
る。
磁性層21と第2の磁性層22からなる交換結合膜をメモリ
層、第3の磁性層24と第4の磁性層25からなる交換結合膜
を検出層とし、メモリ層の保磁力を検出層の保磁力より
大きくする。
加したとき磁気抵抗素子に「1」が記録され、図17(a)のよ
うに下向きに記録磁界-Hwを印加したとき「0」が記録され
る。ただし、記録磁界の大きさはメモリ層の保磁力より
も大きい。記録された情報を検出するときには、例えば
まず下向きに検出磁界-Haを印加し、次いで上向きに検
出磁界+Haを印加する。ただし、検出磁界の大きさはメ
モリ層の保磁力よりも小さく、検出層の保磁力よりも大
きい。「1」が記録されている場合、検出時に各層の磁化
方向は、まず図16の(b)のようになり、次いで(c)のよう
になる。図16(b)においてはメモリ層の磁化方向と検出
層の磁化方向が反平行に向いているので、磁気抵抗素子
の抵抗は大きな値を示す。また、図16(c)においてはメ
モリ層の磁化方向と検出層の磁化方向が平行に向いてい
るので、抵抗は小さな値を示す。したがって、「1」が記
録されている場合、検出動作によって抵抗が高い値から
低い値に変化する。「0」が記録されている場合、図17(b)
および(c)に示しているように、検出時に磁気抵抗素子
の磁化方向は、平行から反平行に変わる。したがって、
磁気抵抗素子の抵抗は小さな値から大きな値に変化す
る。
記録されている場合は、検出時に抵抗値の変化の仕方が
異なるので、これを検出することによって記録されてい
る情報を知ることが可能である。
合、第1の磁性層21と第2の磁性層22からなる交換結合膜
の磁化反転磁界は非常に大きく、記録磁界ではその磁化
方向が反転しない磁化固定層である。図18および図19に
おいては磁化固定層の磁化方向は上向きとしている。第
3の磁性層24と第4の磁性層25からなる交換結合膜の磁化
反転磁界は記録磁界よりも小さく、以下この交換結合膜
をフリー層と呼ぶことにする。記録は、記録磁界を上向
きに印加した場合「1」が記録され、下向きに印加された
場合「0」が記録される。検出時には上記の相対検出法の
ように検出磁界は印加せず、磁化方向はそのままで磁気
抵抗素子の抵抗値を検出する。磁気抵抗素子に「1」が記
録されている場合、図18に示すようにフリー層と磁化固
定層の磁化方向は平行であり、抵抗値は低い値を示す。
また、「0」が記録されている場合、図19に示すようにフ
リー層と磁化固定層の磁化方向は反平行であり、抵抗値
は高い値を示す。このことから分かるように絶対検出法
においては、多数配置された素子の抵抗値に大きなばら
つきがあったり、磁気抵抗変化率が小さいと、記録され
た情報を誤って検出する可能性が高い。
以下まで真空にした後、シリコンウエハー上にマグネト
ロンDCスパッタリングによって下部電極31としてAl50
Cu50合金膜を25nmの膜厚で成膜した。第1の磁性層21
としてGd21Fe79合金膜を50nm、第2の磁性層22として
Co30Fe70合金膜を1nm、非磁性層23としてAl2O3を2.2n
m成膜した。次いで酸素ガス中で逆スパッタリングし、A
l2O3膜をプラズマ酸化した。さらに、第3の磁性層24
としてCo30Fe70合金膜を1nm、第4の磁性層25としてT
b2 0Fe80合金膜を30nm、保護層26としてPtを2nm順次成
膜した。
にスピンナーにより膜厚約1μmのレジストを塗布し、ア
ライナーを用いて50μm×50μmの正方形のレジストパタ
ーンを形成した。その後、ミリング装置によりAl50Cu50
合金膜表面まで膜を除去し、連続して絶縁膜50として
90nmのAl2O3を成膜し、アセトン中で超音波洗浄するこ
とによってレジストとその上部に成膜されたAl2O3を除
去した。このようにして得られた50μm×50μmの大きさ
の素子の周りのAl2O3にフォーカスイオンビームを用い
て2つのコンタクトホールを空け、再びアライナーによ
ってパターニングしたレジストを上部に形成し、その上
にスパッタリングによって50nmの膜厚のAl膜を成膜し
た。次いでアセトン中で超音波洗浄することによってレ
ジストおよびその上部に成膜されたAl膜を除去し上部電
極32を形成した。図15はこのようにして作成した素子
の断面図である。
直流四端子法で測定したところ、磁気抵抗変化率は46%
であった。
磁性層としてCoを0.5nmとしたこと以外は、実施例−1と
同様に素子を作成した。この素子の抵抗値を直流四端子
法で測定したところ、磁気抵抗変化率は27%であった。
磁性層としてFeを1.5nmとしたこと以外は、実施例−1と
同様に素子を作成した。この素子の抵抗値を直流四端子
法で測定したところ、磁気抵抗変化率は9%であった。
空にした後、シリコンウエハー上にマグネトロンDCスパ
ッタリングによって下部電極31としてAl50Cu50合金膜
を25nmの膜厚で成膜した。第1の磁性層21としてGd21
Fe79合金膜を50nm、非磁性層23としてAl2O3を2.2nm成
膜した。次いで酸素ガス中で逆スパッタリングし、Al2O
3膜をプラズマ酸化した。さらに、第4の磁性層25と
してTb20Fe80合金膜を30nm、保護層26としてPtを2nm
順次成膜した。第2の磁性層22および第3の磁性層24は
形成していない。
にスピンナーにより膜厚約1μmのレジストを塗布し、ア
ライナーを用いて50μm×50μmの正方形のレジストパタ
ーンを形成した。その後、ミリング装置によりAl50Cu50
膜表面まで膜を除去し、連続して絶縁膜50として90nm
のAl2O3を成膜し、アセトン中で超音波洗浄することに
よってレジストとその上部に成膜されたAl2O3を除去し
た。このようにして得られた50μm×50μmの大きさの素
子の周りのAl2O3にフォーカスイオンビームを用いて2
つのコンタクトホールを空け、再びアライナーによって
パターニングしたレジストを上部に形成し、その上にス
パッタリングによって50nmの膜厚のAl膜を成膜した。次
いでアセトン中で超音波洗浄することによってレジスト
およびその上部に成膜されたAl膜を除去し上部電極32
を形成した。
直流四端子法で測定したところ、磁気抵抗変化率は3%で
あった。
磁性層としてCo30Fe70合金膜を3nmとしたこと以外は、
実施例−1と同様に素子を作成した。この素子の抵抗値
を直流四端子法で測定したところ、磁気抵抗変化率は2%
であった。
びメモリ素子は、以下の効果を有する。 1.磁化方向を安定に膜面法線方向に配向できるため素
子の微細化が可能である。 2.非磁性層と接する第2磁性層および第3磁性層に、
希土類金属より酸化されにくく、磁気抵抗変化率の大き
な材料を用いることにより、非磁性層に酸素を含有して
いる場合にも磁性層の劣化がなく、比較的大きな磁気抵
抗変化率が得られる。
化方向と抵抗値の関係を説明する図である。
化方向と抵抗値の関係を説明する図である。
である。
る。
換結合膜の磁化曲線を示す図である。
換結合膜の磁化曲線を示す図である。
換結合膜の磁化曲線を示す図である。
る。
膜の磁化曲線を示す図である。
合膜の磁化曲線を示す図である。
合膜の磁化曲線を示す図である。
示すグラフである。
ある。
である。
ある。
場合の再生原理を説明する図である。
場合の再生原理を説明する図である。
場合の他の再生原理を説明する図である。
場合の他の再生原理を説明する図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 少なくとも第1の磁性層、膜厚が2nm
以下である第2の磁性層、非磁性層、膜厚が2nm以下
である第3の磁性層、第4の磁性層が順に積層され、該
第1の磁性層と該第2の磁性層および該第3の磁性層と
該第4の磁性層がそれぞれ交換結合しており、該第1の
磁性層および該第4の磁性層がそれぞれ膜面垂直方向に
磁気異方性を有し、かつ該第2の磁性層と該第3の磁性
層が該第1の磁性層および該第4の磁性層よりも大きな
スピン分極率を持ち、該第1の磁性層と該第4の磁性層
からの交換結合力により、該第2の磁性層の磁化と該第
3の磁性層の磁化が膜面垂直方向に配向しており、前記
第2の磁性層および第3の磁性層がFe、Coあるいは
CoFeからなることを特徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項2】 前記第2の磁性層および第3の磁性層の
膜厚は0.2nm以上である請求項1に記載の磁気抵抗
素子。 - 【請求項3】 前記第2の磁性層および第3の磁性層の
膜厚は、0.5nm以上1.5nm以下である請求項2
に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項4】 前記第1の磁性層および前記第4の磁性
層が希土類金属と遷移金属の合金膜である請求項1に記
載の磁気抵抗素子。 - 【請求項5】 前記第1の磁性層および第4の磁性層
が、Gd、Dy、Tbから選ばれる少なくとも1種類の
希土類金属とFe、Coから選ばれる少なくとも1種類
の遷移金属の合金膜である請求項4に記載の磁気抵抗素
子。 - 【請求項6】 前記非磁性層が絶縁膜から成る請求項1
に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項7】 前記非磁性層が酸化物から成る請求項6
に記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項8】 CoFeからなる磁性層のCo組成が2
0at.%以上70at.%以下である請求項1〜7の
いずれかひとつに記載の磁気抵抗素子。 - 【請求項9】 CoFeからなる磁性層のCo組成が3
0at.%以上50at.%以下である請求項8に記載
の磁気抵抗素子。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかひとつに記載
の磁気抵抗素子を備えたメモリ素子。 - 【請求項11】 請求項10に記載のメモリ素子を基板
上に複数有するMRAM。 - 【請求項12】 少なくとも第1の磁性層、第2の磁性
層、非磁性層、第3の磁性層、第4の磁性層が順に積層
され、前記第1の磁性層および第4の磁性層がそれぞれ
膜面垂直方向に磁化容易軸を有し、かつ該第2の磁性層
と該第3の磁性層が前記第1の磁性層および前記第4の
磁性層よりも大きなスピン分極率を有し、前記第1の磁
性層は第2の磁性層と、第4の磁性層は第3の磁性層と
それぞれ交換結合しており、前記第2の磁性層及び第3
の磁性層は、少なくともCoを含有する磁性層であり且
つ、該Co含有率が20at%以上で70at%以下で
ある磁気抵抗素子。 - 【請求項13】 請求項12に記載の磁気抵抗素子を備
えたメモリ素子。 - 【請求項14】 請求項13に記載のメモリ素子を基板
上に複数有するMRAM。
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