JP2002270922A - 磁気抵抗素子 - Google Patents

磁気抵抗素子

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JP2002270922A
JP2002270922A JP2001069949A JP2001069949A JP2002270922A JP 2002270922 A JP2002270922 A JP 2002270922A JP 2001069949 A JP2001069949 A JP 2001069949A JP 2001069949 A JP2001069949 A JP 2001069949A JP 2002270922 A JP2002270922 A JP 2002270922A
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JP2001069949A
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Masayoshi Hiramoto
雅祥 平本
Nozomi Matsukawa
望 松川
Yoshio Kawashima
良男 川島
Hideaki Adachi
秀明 足立
Akihiro Odakawa
明弘 小田川
Yasunari Sugita
康成 杉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/14Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗素子を構成する、磁性体/非磁性体
界面の物性が、素子特性を劣化させている。例えば、T
MR素子では、スピン分極率が100%近いと予想され
ているハ−フメタルを磁性体として用いた場合でも、室
温で、高々10数%程度のMRしか報告されていない。 【解決手段】 少なくとも1種からなる磁性体中に、磁
化方向が略揃った磁化領域Aと磁化方向が略揃った磁化
領域Bと、前記磁化領域Aと前記磁化領域Bに挟まれた
磁化接合領域Mがあり、前記磁化領域Aの少なくとも一
部、または前記磁化領域Bの少なくとも一部のうち少な
くとも一方が、外部から導入された磁気的エネルギ−に
対し、磁気的に略固定され、前記磁化接合領域Mまたは
前記磁化領域Aまたは前記磁化領域Bの磁化状態の変化
を、電気抵抗の変化として検知する磁気抵抗素子であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報通信端末など
に使用される光磁気ディスク、ハ−ドディスク、デジタ
ルデ−タストリ−マ(DDS)、デジタルVTR等の磁気
記録装置の再生ヘッド、またシリンダ−や、自動車など
の回転速度検出用の磁気センサ−、磁気ランダム・アク
セス・メモリ(MRAM)、応力変化、加速度変化など
を検知する応力または加速度センサ−あるいは熱センサ
−や化学反応センサ−等に広く使用される磁気抵抗素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強磁性体/中間層/強磁性体を基本構成
とする多層膜に中間層を横切るように電流を流した場
合、中間層が絶縁層であるときスピントンネル効果、ま
た中間層がCuなどの導電性金属であるときCPP(Curr
ent perpendicular to the plane) GMR効果による
磁気抵抗効果が生じることが知られており、磁気ヘッド
などへの応用研究が活発に行われている(日本応用磁気
学会 第112回研究会資料)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の磁気抵抗素子を構成する、磁性体/非磁性体界面の物
性が、素子特性を劣化させている可能性があり、例え
ば、TMR素子では、スピン分極率が100%近いと予
想されているハ−フメタルを磁性体として用いた場合で
も、室温で、高々10数%程度のMRしか報告されてい
ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、少なくとも1種からなる磁性体中に、磁
化方向が略揃った磁化領域Aと磁化方向が略揃った磁化
領域Bと、前記磁化領域Aと前記磁化領域Bに挟まれた
磁化接合領域Mがあり、前記磁化領域Aの少なくとも一
部、または前記磁化領域Bの少なくとも一部のうち少な
くとも一方が、外部から導入された磁気的エネルギ−に
対し、磁気的に略固定され、前記磁化接合領域Mまたは
前記磁化領域Aまたは前記磁化領域Bの磁化状態の変化
を、電気抵抗の変化として検知する磁気抵抗素子であ
る。ここで、磁化接合領域Mとは、磁化領域Aと磁化領
域Bの磁化領域にいたる状態の中間領域を指し、両領域
の磁化の交換結合による磁化結合領域あるいは(量子的
な)伝導スピンによる磁化の結合領域等を意味する。ま
た、外部からの磁気的エネルギ−により、磁化領域Aと
磁化領域Bが完全に平行である場合等、実質的に磁化結
合領域の厚みが0である場合も含む。さらに磁化領域、
磁化接合領域の領域の大きさあるいはスピンの伝導状態
は、外部から与えられた磁気的エネルギ−の大きさによ
って変化し、固定されたものとは限らない。また、外部
から与えられた磁気的エネルギ−とは、磁界、スピン注
入あるいは磁気誘電体や、磁性半導体、反強磁性体、積
層フェリ構造などを用いた、交換結合を介した磁気バイ
アスなどの磁気エネルギ−および光、圧力、加速度、熱
などにより素子の磁化状態に影響を与えるものを総称す
る。
【0005】一般に、磁性体は単磁区でない場合、外部
から磁気的エネルギ−が与えられると、磁性体内部の磁
気的エネルギ−を最小にするために、磁区構造が変化す
る。この磁区構造の変化は、磁性体の抵抗値を変化させ
るが、これらの変化は、外部からの磁界などの変化に対
して、安定した履歴を持たない。本発明は、最小単位と
して、磁化領域A、磁化領域B、磁化接合領域Mがあ
り、磁化領域の内、少なくとも何れかが、少なくともそ
の一部を磁気的に固定することで、外部からの磁気的エ
ネルギ−に対する応答の可逆性を高めることができる。
この磁化領域A、磁化接合領域M、磁化領域Bの一対の
組は、例えば、磁化領域1/磁化接合領域2/磁化領域
3/磁化接合領域4/磁化領域5のように2組の対ある
いはそれ以上の組で構成されていてもよい。
【0006】また本発明は、磁化領域Aおよび磁化領域
Bの各平均磁化方向が互いに略反平行または略平行で、
電気抵抗の変化が、主として磁化接合領域Mの厚み変化
による磁気抵抗素子である。これは、外部からの磁気エ
ネルギ−に対して、磁化領域Aと磁化領域Bが、それぞ
れの領域の大きさを変化させるものの、これらの磁化の
方向を反転するような大きな磁化変化がない場合に観察
される。電気抵抗を支配する伝導スピンと磁化方向は、
伝導スピンがマジョリティかマイノリティかで反対とな
るために、伝導スピンの向きとして表しこの現象を考察
する。
【0007】例えば磁化領域Aと磁化領域Bの伝導スピ
ンが互いに反平行の場合、磁化接合領域Mが無視できる
ほど薄いあるいは実質的に厚みが0であれば、伝導スピ
ンは、両領域の界面で直接的伝導し、主にそれぞれの分
極率に応じた散乱(あるいはスピン伝導の禁止)を受け
高抵抗となるであろう。一方、磁化接合領域が磁化領域
Aと磁化領域Bの伝導スピンが直接それぞれの領域で散
乱しない程度の厚みであり、特に磁化領域Aから領域B
への変化が、遷移的であれば、抵抗値が上記場合に比較
し低下するものと思われる。また一つには、例えば、磁
化領域Aおよび磁化領域Bの伝導スピンが互いに平行の
時、磁化接合領域Mの厚みが無視できる程度に薄い、あ
るいは実質的厚みが0であれば、低抵抗となり、一方、
磁化接合領域が十分厚い場合には磁化接合領域でのスピ
ン散乱により、上記状態よりも高抵抗となるだろう。以
上のように外部からの磁気的エネルギ−が、磁化接合領
域Mの幅を変化させることで抵抗値が変化するものと思
われるが、実際には複数の要因が混在する場合もある。
【0008】また本発明は、外部からの磁気的エネルギ
−がないとき、磁化接合領域Mの厚みdが0nm≦d≦
200nmなる範囲である磁気抵抗素子である。磁化接
合領域Mの値が上記範囲である場合、高抵抗あるいは低
抵抗を実現しやすく、この結果、高い抵抗変化を得るこ
とができる。これは、上記範囲では磁化領域Aと磁化領
域Bを磁化接合領域の磁化の影響をほとんど受けず直接
的に伝導するスピンを少なくとも一部持つためであると
思われる。特に、磁化接合領域の厚みが0でない場合に
おいても、磁化接合領域をバリステックに伝導する、あ
るいはトンネル的に伝導する、あるいはフェルミ波長等
の量子波長の規制のみを受けて伝導するなど、様々な直
接的な伝導状態が実現するもの思われるが詳細なメカニ
ズムは不明である。dの値は、磁性体種類の組み合わ
せ、形状、伝導のメカニズムにより異なるが、同じ種類
の磁性体の組み合わせである場合、より薄い場合に大き
な抵抗変化が得られる傾向がある。
【0009】また本発明は、電気抵抗の変化が、主とし
て磁化領域Aおよび磁化領域Bの磁化相対角の変化によ
る磁気抵抗素子である。
【0010】この現象は、磁化領域AとBが外部からの
磁気エネルギ−に対して大きな変化を受ける場合に観察
される。これは、磁化接合領域Mの厚みが、磁化領域A
と磁化領域Bの間の直接的なスピン伝導を行う電子があ
る程度存在できる程度に薄く、且つ外部からの磁気的エ
ネルギ−により、磁化接合領域Mの厚みが大きな変化を
伴わない場合、磁化領域Aと磁化領域Bの磁化相対角の
変化によるスピン依存散乱などの確率が変化するために
おこるものと思われる。
【0011】また本発明は、磁化領域Aと磁化領域Bの
磁化方向が略反平行あるとき磁化接合領域Mの厚みをd
apとすると0≦dap≦200nmなる関係を持つ磁
気抵抗素子である。
【0012】これは、外部磁気エネルギ−に対して、磁
化領域Aおよび、磁化領域Bが大きく変化する素子にお
いて観察されるものであり、磁化領域と伝導スピンの向
きが同じである場合をマジョリティ、磁化領域と伝導ス
ピンの向きが反対であるときをマイノリティとすると以
下のように大別するメカニズムが働いているものと思わ
れる。
【0013】まず、磁化領域Aと磁化領域Bの伝導スピ
ンが何れもマジョリティあるいはマイノリティである場
合での抵抗変化のメカニズムは以下のようであると思わ
れる。
【0014】2つの磁化領域の磁化の向きと伝導スピン
の向きが何れも平行である、また何れも反平行であると
き、外部からの磁気エネルギ−により、2つの磁化領域
の磁化の向きが互いに平行(伝導スピン同士のスピンの
向きも互いに平行)であると、スピン依存散乱等が無い
ために低抵抗値をとり、一方、2つの磁化領域の磁化の
向きが互いに反平行(即ち、伝導スピンの向きが互いに
反平行)であると高抵抗となる。特にdapが上記範囲
であれば、直接的なスピン散乱(あるいはスピンの伝導
禁止)が行われる伝導電子数が増え、結果として高い抵
抗変化を得るものと思われる。ここでdapが、200
nmより大きくなると、伝導電子の直接的な散乱が弱く
なるために、伝導スピンが互いに反平行時の抵抗が低く
なるため、抵抗変化そのものは小さくなると思われる。
【0015】次に、磁化領域Aと磁化領域Bの伝導スピ
ンの何れか一方がマジョリティで残りがマイノリティで
ある場合の抵抗変化のメカニズムは、以下のようである
と思われる。
【0016】磁化領域Aと磁化領域Bの磁化方向が平行
である場合(即ち、伝導スピンの向きが互いに反平行で
あるとき)、スピン散乱などにより高抵抗となり、ま
た、2つの磁化領域の磁化方向が反平行(即ち、伝導ス
ピンの向きが互いに平行)であるとき、前記状態よりも
低抵抗となる。特にdapが上記範囲であれば、直接的
な伝導を行う電子数が増え、低抵抗となり、結果として
高い抵抗変化を得るものと思われる。ここでdapが、
200nmより大きくなると、伝導電子の直接的な伝導
数が少なくなるために、伝導スピンが互いに平行時の抵
抗が高くなるため、抵抗変化そのものは小さくなると思
われる。
【0017】尚、以上のdapの値は、実際には、磁性
体種類の組み合わせ、形状、伝導のメカニズムにより異
なるが、同じ種類の磁性体の組み合わせである場合、よ
り薄い場合に大きな抵抗変化が得られる傾向がある。
【0018】また本発明は、磁化領域A及び磁化領域B
が互いに略反平行であるとき、磁化接合領域Mの実効磁
化をMm、体積をVm、また前記磁化領域Aの実効磁化
をMa、体積をVa、また前記磁化領域Bの実効磁化をM
b、体積をVbとすると、 Mm×Vm<Ma×Va、Mb×Vb なる関係を持つ磁気抵抗素子である。ここで、磁化領域
とは、磁化接合領域Mと接しない強磁性体であっても、
磁気的に結合することで、磁化方向を決定する磁性体で
あれば、この領域を含む。磁化領域Aと磁化領域Bが略
反平行であるとき、磁化接合領域Mの実効磁化×体積
が、磁化領域A、磁化領域Bよりも小さいことで、抵抗
変化を大きくするのに必要な薄い磁化接合領域が形成し
やすい。特に、磁化領域Aと磁化領域Bの相対磁化の変
化が主とする磁気抵抗素子においては、外部からの磁気
エネルギ−に対する抵抗変化の応答性が高くなる傾向が
ある。
【0019】また本発明は、磁化領域Aの少なくとも一
部、または磁化領域Bの少なくとも一部のうち少なくと
も一方が、反強磁性体、第2の強磁性体を介した反強磁
性体、積層フェリ磁性体、積層フェリ磁性体を介した反
強磁性体、または高保持力磁性体から選ばれた磁化固定
体と磁気的に結合すること、または形状異方性エネルギ
−を用いることで、外部から導入された磁気的エネルギ
−に対し、磁気的に略固定されることを特徴とする磁気
抵抗素子である。磁化領域Aの少なくとも一部、または
磁化領域Bの少なくとも一部のうち少なくとも一方が、
外部から導入された磁気的エネルギ−に対し、磁気的に
略固定された領域は、磁化領域Aまたは、磁化領域Bを
構成する磁性体の保持力を大きく選ぶことでも実現でき
る。しかしながら、本発明のように磁化領域Aまたは、
磁化領域Bの、少なくとも一方を、反強磁性体、第2の
強磁性体を介した反強磁性体、積層フェリ磁性体、積層
フェリ磁性体を介した反強磁性体、または高保持力磁性
体、あるいはこれらの組み合わせたものと磁気的結合す
ること、また形状異方性を用いることで、磁化領域を構
成する材料自身の保持力にとらわれず、容易に実現でき
る。ここで、磁気的結合とは、磁化領域を構成する磁性
体と直接接することで行われる交換結合、あるいは、非
磁性体、非磁性空隙などを挟んで行われる静磁結合、ま
たはこれらの組み合わせ等を意味する。ここで、反強磁
性体としては、室温以上のネ−ル温度を持つものであれ
ば、何れでも良く、例えば、金属合金であるPtMn、PtPd
Mn、FeMn、IrMn、NiMnや酸化物反強磁性体等でもよ
い。また磁化領域AまたはB/第2の強磁性体/反強磁
性体の構造で用いられる第2の強磁性体とは、Coまたは
Coを含んだFeCo, CoFeNi, CoNi, CoZrTa, CoZrB CoZrNb
などの強磁性金属が好ましい。また、強磁性体と非磁性
体の積層構造を持つ、積層フェリ構造に用いられる好ま
しい非磁性体としては、導電性を持つ金属、あるいは金
属化合物であれば何れでも良いが、特にCu, Ag, Au, R
u, Rh, Ir, Re, Osがよい。またはこれらの金属の合
金、酸化物が良い。また積層フェリの用いられる磁性体
としてはCoを含有する、例えばCo、FeCo、FeCoNi、CoN
i、FeCoNi, CoZrTa, CoZrNb, CoZrBなどの強磁性体が好
ましい。また、高保持力磁性体としては、特に限定は無
いが、保持力が100 Oe以上であるCoPt, FePt, CoCrPt,
CoTaPt, FeTaPt, FeCrPtなどが望ましい。
【0020】また本発明は、磁化接合領域Mの少なくと
も一部、磁化領域Aの少なくとも一部、または磁化領域
Bの少なくとも一部から選ばれた少なくとも一つの領域
が、軟磁性体と磁気的に結合した磁気抵抗素子である。
それぞれの領域が軟磁性体と磁気的に結合することで、
磁化接合領域、磁化領域を形成する材料の保持力にとら
われず低保持力化が可能なため、外部磁気エネルギ−に
対する応答性を高めることができる。
【0021】また本発明は、磁化領域Aまたは磁化領域
Bを形成する磁性材料のうち少なくとも一方が、高スピ
ン分極材料である磁気抵抗素子である。高スピン分極材
料とは、スピン分極率が40%以上のものを指し、前記
本発明ではスピン分極率が高いものであるほど、磁気抵
抗変化が大きくなる傾向が見られる。スピン分極率の大
きさは、フェルミ面近傍で高いことが望ましいが、伝導
電子が、バリステック的である場合、伝導電子のポテン
シャルの高さ近傍での分極率が高くてもよい。
【0022】また本発明は、少なくとも一組の磁化領域
A、磁化領域Bおよび磁化接合領域Mが同一の強磁性体
よりなり、且つ前記強磁性体が高スピン分極材料である
ことを特徴とする磁気抵抗素子である。磁化領域、磁化
接合領域の磁性体が異なる場合、これらの界面での磁気
構造の変化、界面ポテンシャル等により、好ましい抵抗
変化を得られない場合がある。従って、それぞれの磁化
領域が同一の磁性体であることで、スピン分極率を反映
した好ましい抵抗変化を得られる。
【0023】また本発明は、磁性体2が、磁性体1と磁
性体3に挟まれた一対の構成を少なくとも一組持ち、前
記磁性体2が、磁性体1および磁性体3に対して、形状
的または磁気的に、くびれ部を形成し、前記磁性体1の
少なくとも一部、または前記磁性体3の少なくとも一部
のうち少なくとも一方が、外部から導入された磁気的エ
ネルギ−に対し、磁気的に略固定され、前記磁性体1と
前記磁性体2および前記磁性体3の磁化状態の変化を、
電気抵抗の変化として検知する磁気抵抗素子である。こ
こで、磁性体2が形状的または磁気的くびれを持つと
は、磁性体1から磁性体2または磁性体3から磁性体2
へ移るに従い、形状的に狭くなる、あるいは、例えば、
磁気モ−メントなどが小さくなることを意味する。外部
からの磁気的エネルギ−を受けた場合、磁気的に固定さ
れていない磁性体内部において磁化変化が行われ、この
変化が、素子の抵抗値を変化させる。例えばくびれ部を
形成する磁性体2の内部、あるいはその近傍に、磁性体
2の形状あるいは磁気的な特徴から、比較的、幅が薄い
磁化接合領域が生じる。この磁化接合領域の幅の変化あ
るいは磁性体2から磁性体1あるいは磁性体3への磁化
接合領域の移動による幅の増大は大きな抵抗変化を生じ
る。また磁気的に固定された磁性体は、外部の磁気的エ
ネルギ−に対する抵抗変化の可逆性を高める働きを持
つ。また、この磁性体1、磁性体2、磁性体3の一対の
組は、例えば、磁性体1/磁性体2/磁性体3(磁性体
1‘)/磁性体2’/磁性体3‘のように2組の対ある
いはそれ以上の組で構成されていてもよい。
【0024】また本発明は、磁性体1と磁性体3が、く
びれ部を構成する磁性体2および絶縁体を介して接し、
前記絶縁体が前記磁性体2の側面部を被覆する構造を持
つ磁気抵抗素子である。素子体積が小さくなるにつれ、
くびれ部を持つ磁性体2では、磁性体2の体積に対する
表面積が大きくなり、磁性体1から磁性体3へ電流を流
したときに、表面電流の影響が無視できなくなる。磁性
体1および磁性体3と接するくびれ部の側面部を絶縁体
で覆うことで、このリ−ク電流を抑制することができ、
本来の抵抗変化を得ることができる。また、本構成のよ
うにくびれ部に絶縁体を設けることで、例えば、通常の
薄膜プロセスとリソグラフィ技術を用いて、磁性体1/
磁性体2/磁性体3の多層構造を容易に形成できる。
【0025】また本発明は、磁性体2の長さが0.5n
m以上2000nm以下、また磁性体2の幅の最短長が
1nm以上100nm以下である磁気抵抗素子である。
磁性体2の長さ、即ち、くびれ部の長さとは、磁性体1
から磁性体3に至る方向での長さを表し、また磁性体2
の幅、即ちくびれ部の幅とは、前記長さ方向と直交する
方向の幅を表す。くびれ部の長さが2000nmより大
きい、あるいはくびれ部の幅の最短長が100nmより
大きいと抵抗変化が小さくなる。また、くびれ部の長さ
が0.5nmより小さい、あるいはくびれ部の幅の最短
長が1nmより小さいと、検出用の電流値が小さくなり
すぎ、検出電流回路形成費が高くなる。
【0026】また本発明は、磁性体1の磁化をM1、体
積をV1、また磁性体2の磁化をM2、体積をV2、ま
た磁性体3の磁化をM3、体積をV3とすると、M2×
V2<M1×V1、M3×V3なる関係を持つ磁気抵抗
素子である。ここで、磁性体1または磁性体2が別の強
磁性体Aと直接結合している場合、この磁性体Aの磁化
Maと体積Vaを合わせ持つものとする。この領域を含
む。磁性体1と磁性体3の実効磁化×体積が、磁性体2
の実効磁化×体積よりも大きいことで、磁性体2の内部
あるいはその近傍に、抵抗変化を大きくするのに必要な
十分に薄い磁化接合領域が形成できる。
【0027】また本発明は、磁性体1の少なくとも一
部、または磁性体3の少なくとも一部のうち少なくとも
一方が、反強磁性体、第2の強磁性体を介した反強磁性
体、積層フェリ磁性体、積層フェリ磁性体を介した反強
磁性体、または高保持力磁性体から選ばれた磁化固定体
と磁気的に結合すること、または形状異方性エネルギ−
を用いることで、外部から導入された磁気的エネルギ−
に対し、磁気的に略固定されることを特徴とする磁気抵
抗素子である。
【0028】本発明のように磁性体1または、磁性体3
の、少なくとも一方を、反強磁性体、第2の強磁性体を
介した反強磁性体。積層フェリ磁性体、積層フェリ磁性
体を介した反強磁性体、または高保持力磁性体、あるい
はこれらの組み合わせたものと磁気的結合すること、ま
た形状異方性を用いることで、磁化領域を構成する材料
自身の保持力にとらわれず、磁性体の磁気的な固定を容
易に実現できる。
【0029】また本発明は、磁性体1の少なくとも一
部、磁性体2の少なくとも一部、または磁性体3の少な
くとも一部から選ばれた少なくとも一つの磁性体が、軟
磁性体と磁気的に結合した磁気抵抗素子である。それぞ
れの磁性体が軟磁性体と磁気的に結合することで、磁性
体の保持力にとらわれず低保持力化が可能なため、外部
磁気エネルギ−に対する応答性を高めることができる。
【0030】また本発明は、磁性体1または磁性体3を
形成する磁性材料のうち少なくとも一方が、高スピン分
極材料である磁気抵抗素子である。スピン分極率が高い
ものであるほど、磁気抵抗変化が大きくなる傾向が見ら
れる。スピン分極率の大きさは、フェルミ面近傍で高い
ことが望ましいが、伝導電子が、バリステック的である
場合、伝導電子のポテンシャルの高さ近傍での分極率高
くてもよい。
【0031】また本発明は、磁性体1、磁性体2及び磁
性体3が同一の強磁性体よりなり、且つ前記強磁性体が
高スピン分極材料であることを特徴とする磁気抵抗素子
である。磁性体1、磁性体2、磁性体3のそれぞれの材
料が異なる場合、これらの界面での磁気構造の変化、界
面ポテンシャル等により、好ましい抵抗変化を得られな
い場合がある。従って、それぞれが同一の磁性体である
ことで、スピン分極率を反映した好ましい抵抗変化を得
られる。
【0032】また本発明は、磁性体の少なくとも一部
が、マグネタイトである磁気抵抗素子である。磁気抵抗
素子に用いられる高スピン分極材料としては、FeCo合
金, NiFe合金、NiFeCo合金、その他、FeCr、FeSiAl, Fe
Si,FeAl, FeCoSi, FeCoAl, FeCoSiAl, FeCoTi, Fe(Ni)C
o)Pt, Fe(Ni)(Co)Pd, Fe(Ni)(Co)Rh, Fe(Ni)(Co)Ir, Fe
(Ni)(Co)Ru, FePt, (Fe,Co,Ni)L (Lは,La, Ce, Pr, N
d, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu) 等
の強磁性、あるいは希薄磁性合金,またFeN, FeTiN, FeA
lN, FeSiN, FeTaN, FeCoN,FeCoTiN, FeCo(Al,Si)N, FeC
oTaN 等の窒化物、Fe3O4あるいは水マンガン鉱、X2MnY
(Xは、Co, Ni, Cu, Pt, Pdから選ばれた少なくとも一つ
Yは、Al, Sn, In, Sb)、LaSrMnO, LaCaSrMnO等のLa
1-xDxMnO(Dはアルカリ土類金属), CrO2、,ZnDO(Dは、
V、Cr、Fe、Co、Niから選ばれた少なくとも一つ) NiEO
(Eは、V、Cr、Fe、Coから選ばれた少なくとも一つ),GaM
nN, AlMnN, GaAlMnN, AlBMnN,等、あるいは、ペロブス
カイト型酸化物、フェライト等のスピネル型酸化物、ガ
−ネット型酸化物があり、それぞれ優れた特性を得る
が、中でもFe3O4 (マグネタイト)が安価に作製でき、ま
た高抵抗変化を示す。
【0033】また本発明は、磁性体1が磁化領域Aの少
なくとも一部、または磁性体3が磁化領域Bの少なくと
も一部であることを特徴とする磁気抵抗素子である。前
述の好ましい磁化領域Aと磁化領域Bの関係が、磁性体
1と磁性体3内で実現することで、好ましい磁化接合領
域を実現しうる磁性体2との組み合わせで、高い抵抗変
化が容易に実現できる。
【0034】また本発明は、外部磁界の変化を、前記本
発明の磁気抵抗素子の抵抗変化として検出する磁気セン
サ−である。素子に電流を流し、その際の電圧の変化を
検知することで、外部磁界の変化による磁化状態を検出
する。
【0035】また本発明は、前記本発明の磁気抵抗素子
に加わる応力の変化を抵抗変化として検出する応力セン
サ−である。磁性体に応力を加えることで、磁歪に基づ
く磁化状態の変化を検出する。
【0036】また本発明は、磁気情報の変化を、前記本
発明の磁気抵抗素子に含まれる磁化変化が容易な磁性体
に記録し、この記録情報を磁気抵抗素子の抵抗値変化と
して検出する磁気メモリである。磁化変化が容易な磁性
体に形状異方性、あるいは保持力により磁気情報を記憶
させ、この記録情報を検知するメモリ素子である。ここ
で磁気情報は、電圧駆動された強磁性誘電体、磁性半導
体、スピン注入、あるいは信号電流磁界などから供給さ
れる。
【0037】
【発明の実施の形態】各磁性層、反強磁性層、層間絶縁
層、電極等の形成には、パルスレ−ザデポジション(PL
D)、イオンビ−ムデポジション(IBD)、クラスタ−
イオンビ−ムまたはRF、DC、ECR、ヘリコン、I
CPまたは対向タ−ゲットなどのスパッタリング法、M
BE、イオンプレ−ティング法等、通常薄膜形成に用い
られるPVD法や、CVD、メッキ法あるいはゾルゲル
法で作製することができる。また特に作製する対象が、
化合物である場合には、化学ビ−ムエピタキシや、ガス
ソ−スMBE、反応性蒸着、反応性スパッタを用いて作
製してもよく、またPVDで形成後、反応元素の原子、
分子、イオン(プラズマ)、ラジカル等を、適当な分
圧、反応温度、時間を制御することで反応させて作製し
てもよい。ここで、プラズマや、ラジカル作製には、E
CR放電、グロ−放電、RF放電、ヘリコンあるいはI
CP等により発生できる。また素子の微細加工や、セン
サ−や、メモリ等のデバイス化のためのプロセスは通
常、半導体プロセスや、GMRヘッド作製プロセス等で
用いられるイオンミリング、RIE、FIB等の物理的
あるいは化学的エッチング法、また微細パタ−ン形成の
ためにステッパ−、EB法等を用いたフォトリソグラフィ
−技術を用いて達成できる。また多層配線時の電極の平
坦化のために、CMP法や、クラスタ−イオンビ−ムエ
ッチングを用いることもMR向上に効果的である。
【0038】図1に基本的な素子構成例を示す。磁性体
1、磁性体2、磁性体3は直列に接続され、磁性体2は
磁性体1および磁性体3に対してくびれた構造を持つ。
磁性体1には磁化固定体、また磁性体3には軟磁性体あ
るいは磁化固定体が磁気的に結合している。磁性体1と
磁性体3の間には電流が流され、その電圧変化を読みと
る素子が接続されている。電圧変化は、差動増幅器等を
用いて、素子の最小抵抗、あるいは最大抵抗とほぼ同じ
抵抗値を有する参照抵抗に対する変化分として検出する
場合もある。図1(a)は、磁性体2が三角形状の頂点、
あるいはこれに類する構造となっており、また図1(b)
では細線形状の例を示している。
【0039】また磁性体2の形状は、図2(a)で示すよ
うに、一方向のみにくびれを持つ形状でもよく、さらに
図2(b)に示すように、2組以上の素子が直列に接続さ
れた構成でもよい。
【0040】図3に、磁性体1、磁性体2、磁性体3の
直列形状の作成方法例について示す。磁性体1〜磁性体
3は同一の結晶配向性を持つ同一材料で、それぞれ厚み
が異なる場合、あるいは3種とも異なる材料である場
合、例えば図(1−1)〜(1−5)に示す手順で作製
できる。ここで、図3(1−1)は、基板上に薄膜形成
法により作製した磁性体1を示す。薄膜形成法として
は、パルスレ−ザデポジション(PLD)、イオンビ−ムデ
ポジション(IBD)、クラスタ−イオンビ−ムまたは
RF、DC、ECR、ヘリコン、ICPまたは対向タ−
ゲットなどのスパッタリング法、MBE、イオンプレ−
ティング法等の気相法、あるいはメッキ法あるいはゾル
ゲル法などで作製することができる。(1−2)は、こ
の磁性体1をイオンミリングやRIEを用いた通常のフ
ォトリソグラフィで加工し、磁性体2を成膜した後、リ
フトオフし、(1−3)の形状を作製し、続いて、(1
−4)のように磁性体2を加工したのち、磁性体3を成
膜し、リフトオフにより(1−5)のような形状にす
る。また特殊な場合として、磁性体1〜磁性体3が全て
同じで、且つ磁性体2と、磁性体3、磁性体1の結晶配
向性が異なるような場合では、(2−1)〜(2−3)
あるいは(3−1)〜(3−3)に示すような作成方法
を用いる。図中、下地とは結晶配向性制御層を指し、基
板とは異なる結晶配向をしやすい材料から選択される。
(2−1)〜(2−3)は、まず下地の形状を規制し、
その上に磁性体を形成する方法である。また(3−1)
〜(3−3)は、下地の上に磁性体2を形成し、その
後、微細加工によりくびれた磁性体を形成後、磁性体1
と磁性体3を形成する方法である。
【0041】以上のように形成された磁性体1〜磁性体
3は、さらにその上に図4に示す(1−1)〜(1−
4)、(2−1)〜(2−4)または(3−1)〜(3
−4)の手順を用いて、磁化固定体あるいは軟磁性体の
形成、さらにはくびれ形状の加工を行う。
【0042】図5は、面に垂直方向に電流を流す素子で
ある。図5の素子は、基板上に電極などを形成後(図中
基板と電極は略している)引き続き、磁化固定体、磁性
体1、磁性体2を形成し、微細加工技術を用い、磁性体
2の素子形状を規制する。磁性体2の周辺に絶縁体を形
成後、磁性体2上に、磁性体3と磁化固定体または軟磁
性体を形成することで作製する。
【0043】磁性体3に軟磁性体が磁気的に結合される
場合、軟磁性体および磁性体3からの漏れ磁界が、磁性
体1からの漏れ磁界と相互作用を起こす。図6は、磁性
体1が磁性体1または磁性体4と非磁性体を介して静磁
結合的、あるいは反強磁性的に結合することで、磁性体
1からの漏れ磁界を抑制する構成である。また、図7
は、さらに磁性体3および軟磁性体からの漏れ磁界を抑
制する構成をしめす。また、図7の構成では、漏れ磁界
が抑制されることで、素子が微細化された場合、磁性体
3の磁化回転に要するエネルギ−が小さくなる。
【0044】次に、磁性体3が磁化固定体と結合される
場合、磁性体1と磁性体3は互いの磁化の向きにより異
なる静磁的な相互作用を行う。図8は、磁性体2を挟む
磁性体1と磁性体3の磁化方向が異なる場合で、特に、
磁性体1と磁性体3の磁気モ−メントの大きさが同程度
で、互いに磁化をうち消しあう構成を示す。また図9は
磁性体2を挟む磁性体1と磁性体3の磁化方向が互いに
平行の場合、あるいは反平行の場合で、漏れ磁界が十分
キャンセルできない場合の構成で、磁性体1と磁性体3
がそれぞれ、非磁性体1または非磁性体2を挟んで別の
磁性体1または磁性体4、あるいは磁性体3または5と
静磁結合的、あるいは反強磁性的な磁気結合を行うこと
で、磁性体1と磁性体3の磁気的干渉を減少させてい
る。尚、これらの非磁性体を挟んだ磁化干渉の減少は、
図1または図2で示した素子において、膜面垂直方向に
非磁性体を挟んだ磁性体の多層化を行うことで同様に効
果がある。
【0045】図10は、例えば単結晶基板に異方性エッ
チング等を施した、特定の形状規制をもつ基板上に、斜
め成膜などの技術により、同一磁性体でくびれ形状を持
つ磁気抵抗素子について示したものである。図10で
は、磁化固定は形状異方性により施された場合について
示しているが、磁化固定体との磁気的結合や、磁性体の
結晶配向性の選択などによっても実現できる。
【0046】図11〜図13に、基本素子についての基
本的な動作原理を示す。図11では、磁性体1と磁性体
3にそれぞれ磁化固定体と軟磁性体が磁気的に結合され
ている。また、外部の磁気的エネルギ−に対し、磁化固
定体と結合した磁性体1は磁化が固定された状態にあ
り、軟磁性体と結合した磁性体3は磁化回転が可能であ
る。磁性体3は、図11(a)に示すように、初期状態で
は形状異方性などにより、所定の方向に磁化が向いてい
るものとする。磁化領域がともに平行である場合、磁化
結合領域Mは、図11(a)のように狭くなり、また反平
行である場合、図11(b)のように広くなる。今、磁性
体1と磁性体3の伝導スピンの向きと磁化の向きの関係
が、何れの磁性体においても平行、あるいは反平行ある
とすると、図11(a)での電気抵抗は低くなり、図11
(b)での電気抵抗は高くなる傾向がある。また、磁性体
1、磁性体3で、一方の伝導スピンの向きが磁化と平行
で、他方の伝導スピンの向きが磁化と反平行である場
合、図11(a)の伝導スピンは互いに反平行となるため
に、電気抵抗は高くなり、図11(b)での電気抵抗はそ
れより低下する傾向がある。電気抵抗の変化の大きさ
は、磁化結合領域の厚みや、磁化結合領域内での磁化の
遷移状態に依存する。
【0047】図12では磁性体1と磁性体3にそれぞれ
磁化固定体が磁気的に結合されており、磁化方向が互い
に平行に固定された状態にある。
【0048】磁化領域がともに平行であるために、初期
状態の磁化結合領域Mは、図7(a)のように狭く、外部
から磁気的エネルギ−を与えることで、図7(b)のよう
に広くなる。
【0049】磁性体1と磁性体3の伝導スピンの向き
と、磁化の向きが平行、あるいは反平行あるとすると、
図12(a)での電気抵抗は低くなり、図12(b)での電気
抵抗は高くなる傾向がある。また、磁性体1、磁性体3
で、一方の伝導スピンの向きが磁化と平行で、他方の伝
導スピンの向きが磁化と反平行である場合、図12(a)
での、電気抵抗は高くなり、図7(b)での電気抵抗はそ
れより低下する傾向がある。電気抵抗の変化の大きさ
は、磁化結合領域の厚みや、磁化結合領域内での磁化の
遷移状態に依存する。
【0050】図13では磁性体1と磁性体3にそれぞれ
磁化固定体が磁気的に結合されており、磁化方向が互い
に反平行に固定された状態にある。互いに反平行な磁化
の固定は、例えば磁性体1を反強磁性体とのカップリン
グ、磁性体3を積層フェリを介した反強磁性体とのカッ
プリングなどにより行う。磁化領域が互いに反平行であ
るために、初期状態の磁化結合領域Mは、比較的広く、
これに外部から磁気的エネルギ−を与えることで、図1
3(b)のように、磁化結合領域がくびれから移動する。
磁性体1と磁性体3の伝導スピンの向きと、磁化の向き
が平行、あるいは反平行あるとすると、図13(a)での
電気抵抗は高くなり、図12(b)での電気抵抗は低くな
る傾向がある。また、磁性体1、磁性体3で、一方の伝
導スピンの向きが磁化と平行で、他方の伝導スピンの向
きが磁化と反平行である場合、図13(a)での、電気抵
抗は低くなり、図7(b)での電気抵抗はそれより高くな
る傾向がある。電気抵抗の変化の大きさは、磁化結合領
域の厚みや、磁化結合領域内での磁化の遷移状態に依存
する。
【0051】図14に、これらの素子を用いたランダム
アクセスメモリ例を示す。メモリとして使用される磁気
抵抗素子としては、特に、磁性体1もしくは磁性体2が
磁化反転可能な構造を持つ、図1、2、5、6、7、1
0等で代表される素子をメモリセルとして用いるのがよ
い。素子は例えば図14、A1に代表されるように、Cuや
Alをベ−スに作られたビット線とワ−ド線の交点に配置
され、それぞれのラインに信号電流を流した時に発生す
る合成磁界を用いた2電流一致方式により信号情報が記
録される。図15(a)は、交点に配置された面内抵抗変
化を行う素子の上面図である。また図15(b)は、面垂
直方向の抵抗変化を行う素子の断面図を示している。図
16及び図17に、面垂直方向の素子の電流による書き
込み動作と、読み込み動作について例示する。図16で
は、素子の磁化状態を個別に読みとるためには、素子毎
にFETに代表されるスイッチ素子を設けた構成を示して
いる。また図17では、素子毎に非線形素子、あるいは
整流素子を用いた構成を示している。ここで、非線形素
子は、バリスタや、トンネル素子などでも良い。図16
及び図17では、それぞれ、ビット線は素子に電流を流
して抵抗変化を読みとるセンス線と併用する場合につい
て示しているが、センス線を別途設ける場合、ビット線
は、素子と電気的に絶縁されていても良い。また、電流
書き込みの場合、ワ−ド線、ビット線とメモリセル間の
距離は消費電力の点から500nm程度以下である。
【0052】図18に、多値メモリとしてのセル構造例
を示す。図のメモリセルは、2組の磁気抵抗素子を組み
合わせたもので、且つ、組み合わせた素子内に、磁化回
転可能な磁性体を、2つ持ち、これらが異なる反転磁
界、もしくは保持力を持つ構成となっている。組み合わ
せる磁気抵抗素子数は2組以上でも良いが、記録に電流
磁界を用いる場合、素子全体の厚みは、500nm以下で
あることが良い。このとき多値記録は、信号電流値の振
幅を変え、記録磁界の強度を変えることで行う。また、
記録可能な多値信号は、図18で、2組の磁気抵抗素子
の最小素子抵抗と抵抗変化の大きさが同じである場合は
3値、また、最小抵抗値あるいは抵抗変化の大きさが異
なる同じ場合は4値となる。また、2つの磁化回転可能
な磁性体の反転磁界、あるいは保持力が等しく、さらに
2組の磁気抵抗素子の最小抵抗と抵抗変化の大きさが同
じである場合、多値化は行えないが、メモリセル自体の
抵抗を直列にできるため、出力電圧を大きくすることが
できる。
【0053】図19に、電流磁界による書き込みを行
う、多値メモリの多層配線のセル構造例を示す。図19
(a)はFETに代表されるスイッチ素子上に作製した多層配
線で、また図19(b)はダイオ−ドやトンネル素子に
代表される整流素子あるいは非線形素子を介して形成し
た多層配線を示す。スイッチ素子や整流素子または非線
形素子は、隣接する素子同士の電気的分離を行う働きを
する。これらの電気的分離素子がない場合、即ち、素子
が、図14に示したワ−ド線とビット線の配列において
電気的に並列に接続されている場合、センス感度から、
並列接続できる素子の最大個数は256個以下となる。
【0054】図19(a)で、素子1〜素子3は電気的
に直列に接続され、またワ−ド線1、ワ−ド線2および
ビット線1は素子1および素子2と電気的に絶縁されて
いる。それぞれの素子への記録は、素子1に対しては、
ワ−ド線1及びビット線1、素子2に対しては、ビット
線1及びワ−ド線2、また素子3に対してはビット線2
及びワ−ド線2にそれぞれ流した信号電流がつくる合成
磁界を用いて記録する。読み出し方法にはいくつかある
が、例えば、一つには配線抵抗を含む、3つの素子に流
した電流から発生する電圧を直接に読み出し、その出力
の大きさにより最大6値のメモリ情報を得る方法があ
る。ここで、配線抵抗や、素子の基準抵抗(例えば最小
抵抗)を相殺するために、差動アンプ等を用い、別の参
照抵抗との差動出力を検知してもよい。またこの方法で
は、非破壊読み出しであるが、6値のメモリ情報を得る
ためには、素子1〜3はそれぞれ異なる最小抵抗、ある
いは抵抗変化を持つことが必要である。また一つには、
3つの素子に電流を流し、電圧を検知しながら、読み出
しを行う素子(例えば素子1)に、記録を行うときと同
様に、(ワ−ド線1およびビット線1により)磁界を発
生させ、磁界発生前後で抵抗変化が起こった場合と起こ
らない場合で、磁化方向を推定する手法がある。この場
合、素子の情報は破壊されることがあるために、再度記
録が必要となるが、素子1〜3は同じ抵抗値と抵抗変化
を持ったものでもよい。また図では素子が3つの場合の
多層化について示しているがこれ以上でもよい。
【0055】図19(b)では素子1〜素子3は順方向で
は電気的に接続されている。図で用いた整流素子の向き
は、必ずしも同じ向きである必要はない。素子への記録
は、素子1に対しては、ワ−ド線1とビット線1から、
また、素子2に対しては、ビット線1とワ−ド線2か
ら、また素子3に対しては、ワ−ド線2とビット線2に
流した信号電流が作る合成磁界を用いて記録する。読み
出し方法としては、素子1については、ワ−ド線1とビ
ット線1間の抵抗変化、素子2については、ビット線1
とワ−ド線2の間の抵抗変化、素子3については、ビッ
ト線2とワ−ド線2の間の抵抗変化から読みとれる。こ
こで、それぞれの抵抗変化は、別に設けられた参照抵抗
との差動出力により検知してもよい。また、この参照抵
抗は、互いの素子同士であってもよい。また図では素子
が3つの場合の多層化について示しているがこれ以上で
もよい。
【0056】図20および図21に、面内抵抗の素子を
用いたメモリセル配置を示す。ビット線とワ−ド線は、
それぞれ素子から電気的に独立した構成を持ち、それぞ
れの素子には、これらに流した信号電流がつくる合成磁
界により磁気情報を記録する。また読み出しは、センス
電流を流すことで、それぞれの素子抵抗の変化を読み出
す。図20では素子が個別に分離されている場合で、図
21は素子そのものがセンス線を兼ねている場合につい
て示している。具体的な読み出し方法は、図19(a)と
基本的に同じで、例え例えば、一つには配線抵抗を含
む、3つの素子に流した電流から発生する電圧を直接に
読み出し、その出力の大きさにより最大6値のメモリ情
報を得る方法がある。ここで、配線抵抗や、素子の基準
抵抗(例えば最小抵抗)を相殺するために、差動アンプ
等を用い、別の参照抵抗との差動出力を検知してもよ
い。またこの方法では、非破壊読み出しであるが、6値
のメモリ情報を得るためには、素子1〜3はそれぞれ異
なる最小抵抗、あるいは抵抗変化を持つことが必要であ
る。また一つには、3つの素子に電流を流し、電圧を検
知しながら、読み出しを行う素子(例えば素子1)に、
記録を行うときと同様に、(ワ−ド線1およびビット線
により)磁界を発生させ、磁界発生前後で抵抗変化が起
こった場合と起こらない場合で、磁化方向を推定する手
法がある。この場合、素子の情報は破壊されることがあ
るために、再度記録が必要となるが、素子1〜3は同じ
抵抗値と抵抗変化を持ったものでもよい。また図では、
紙面の都合上、素子数が3つの場合を示しているがこれ
以上でもよい。
【0057】図22〜図25は、外部磁界からの情報を
読みとる磁気センサ−あるいは磁気ヘッドの例である。
図22〜24においては、外部磁界は、磁気ギャップか
ら軟磁性体で構成されたヨ−クを通じて、磁気抵抗素子
の磁化状態を変化させる。図22および図24(b)で
は、磁気抵抗素子として、図2(a)に代表される面内抵
抗の素子を用いている。図22では、ヨ−クは基板面内
に、図24(b)ではヨ−クは基板面に対して立体的に
配置されている。図23および図24(a)では、磁気
抵抗素子として、図5に代表される面垂直抵抗の素子を
用いており、図23では、ヨ−クが基板面内にあり、ま
た図24ではヨ−クが基板面に対して立体的に構成され
ている。それぞれの図では磁気抵抗素子の軟磁性体部は
ヨ−クの一部を形成しているが、ヨ−クと空隙、あるい
は非磁性体を介して、磁気的に結合した状態でもよい。
【0058】ヨ−クは、単一の磁性体でもよいが、実効
的な磁性薄膜の厚みを薄くする積層フェリ構造、あるい
は漏れ磁界を抑制する静磁結合構造とするために、磁性
体と非磁性体の積層構造を成していてもよい。また、図
25では、外部磁界が、軟磁性体で構成されたフラック
スガイドを通じて導入され、磁気抵抗素子の磁化状態を
変化させるシ−ルド型の磁気センサ−あるいは磁気ヘッ
ドの例を示す。フラックスガイドを磁気的にシ−ルドす
る共通、あるいは下部シ−ルドは、NiFeや、FeSiAlのよ
うな軟磁性体で、且つ電極として用いるに足る導電性を
持っている。なお、図22〜25に用いられる磁気抵抗
素子は、磁区構造によるバルクハウゼンノイズなどを抑
制するために、Pt(Pd)Mn、IrMn、FeMn、NiMnなどの反強
磁性体、CoPt等の高保持力磁性体あるいは電流バイアス
により、それぞれ、導入する磁束方向に対して垂直方向
にバイアス磁界をかけることも望ましい。
【0059】図26は、外部からの応力または加速度に
よる磁化状態の変化を抵抗変化として検出するセンサ−
である。図26(a)では、磁性体3に強磁歪材料(磁歪
定数が10-6以上)が積層され、応力変化により変化す
る強磁歪材料の磁化変化を磁性体3に伝えることで、磁
気抵抗変化を検知する構成を示している。ここで磁性体
3が、強磁歪材料である場合、強磁歪材料と積層する必
要はない。また図26(b)では、磁性体1または磁性
体3に磁化固定層が接続され、応力が主として磁性体2
にかかることで、磁気抵抗変化が生じる構成について示
している。
【0060】以上の構成で、磁性体1〜3として用いら
れる材料としては、Fe, Co, Ni, FeCo合金, NiFe合金、
CoNi合金、NiFeCo合金、FeCr、FeSiAl, FeSi,FeAl, FeC
oSi,FeCoAl, FeCoSiAl, FeCoTi, Fe(Ni)Co)Pt, Fe(Ni)
(Co)Pd, Fe(Ni)(Co)Rh, Fe(Ni)(Co)Ir, Fe(Ni)(Co)Ru,
FePt, (Fe,Co,Ni)L (Lは,La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm,Eu,
Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu) 等の強磁性、ある
いは希薄磁性合金,またFeN, FeTiN, FeAlN, FeSiN, FeT
aN, FeCoN, FeCoTiN, FeCo(Al,Si)N, FeCoTaN等の窒化
物磁性体、あるいは炭化物、硼化物、フッ化物磁性体、
あるいは、Fe3O4あるいは水マンガン鉱、X2MnY(Xは、C
o, Ni, Cu, Pt, Pdから選ばれた少なくとも一つ Yは、
Al, Sn, In, Sb) , LaSrMnO, LaCaSrMnO等のLa1-xDxMnO
(Dはアルカリ土類金属), CrO2、,ZnDO(Dは、V、Cr、F
e、Co、Niから選ばれた少なくとも一つ) NiEO (Eは、
V、Cr、Fe、Coから選ばれた少なくとも一つ),GaMnN, Al
MnN, GaAlMnN, AlBMnN,等、あるいは、ペロブスカイト
型酸化物、フェライト等のスピネル型酸化物、ガ−ネッ
ト型酸化物があり、それぞれ優れた特性が得られる。
【0061】また以上の構成で用いられる軟磁性体とし
ては、NiFe、FeSiAl、FeSi、FeTA(Tは、Ta, Al, Ti, N
b, Zr, Hf, Si, Mg,Ge,Ga等)また(Aは、N, B, O, F,
C)、あるいは(Co, Fe)M (Mは Nb, Zr, Ta, B)等が良
い。
【0062】また以上の構成で用いられる磁化固定体と
しては、PtMn、PtPdMn、FeMn、IrMn、NiMnや酸化物等の
反強磁性体、あるいは第2の強磁性体として、Coまたは
Coを含んだFeCo, CoFeNi, CoNi, CoZrTa, CoZrB CoZrNb
合金等を用いた、第2の強磁性体/反強磁性体の積層構
造、あるいは、非磁性体としてCu, Ag, Au, Ru, Rh,Ir,
Re, Osまたはこれらの金属の合金、酸化物を用い、ま
た、磁性体としてCo、FeCo、FeCoNi、CoNi、FeCoNi, Co
ZrTa, CoZrNb, CoZrBなどの強磁性体を用い、これらの
強磁性体と非磁性体を積層した、積層フェリ磁性体、あ
るいは、積層フェリ磁性体/反強磁性体の積層構造、あ
るいは、保持力が100 Oe以上であるCoPt, FePt, CoCrP
t, CoTaPt, FeTaPt, FeCrPtなどの高保持力磁性体、ま
たは、磁性体の形状異方性を用いた構成が良い。
【0063】以下、磁化遷移領域や、磁化領域は、電子
線ホログラフィl、MFM、ロ−レンツ顕微鏡などを用い
た観察から求めた値である。
【0064】(実施例1)図27の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁化固定体1
と磁化固定体2をそれぞれFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、lの深さを変えた素子を
作製した。図でWは1μm、L2は、100nmである。
280℃、5kOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1
と磁性体3に、図12(a)のように同一方向の異方性を
付与した。外部磁界を異方性の向きと反対方向から加え
た時に主として、磁化の固定を受けていない磁性体2近
傍で磁化変化が起こり、磁性体1と磁性体3間の抵抗変
化が観察された。
【0065】外部磁界が無い状態で、磁性体1と磁性体
3の平均的な磁化方向とのずれが大きい領域を磁化結合
領域と定義し、その抵抗測定方向に対する厚みdと、磁
気抵抗変化の関係を調べた。結果を(表1)に示す。こ
こで、MRは最大抵抗値と最小抵抗値の差を最小抵抗値
で割ったものである。
【0066】
【表1】
【0067】(実施例2)図27の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁化固定体1
をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn(30)(単位はnm)の構成
とし、磁化固定体2をFe3O4側から、CoFe(3)/Ru(0.8)/C
oFe(3)/PtMn(30)とし、lの深さを変えた素子を作製し
た。図でWは1μm、L2は、100nmである。280
℃、5KOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1と磁性
体3に、図13(a)のように互いに反平行の一方向異
方性を付与した。
【0068】外部磁界を異方性の向きと反対方向から加
えた時に主として、磁化の固定を受けていない磁性体2
近傍で磁化変化が起こり、磁性体1と磁性体3間の抵抗
の変化が観察された。
【0069】外部磁界が無い状態で、磁性体1と磁性体
3の平均的な磁化方向とのずれが大きい領域を磁化結合
領域と定義し、その抵抗測定方向に対する厚みdと、磁
気抵抗変化の関係を調べた。結果を(表2)に示す。
【0070】
【表2】
【0071】(実施例3)図27の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接
続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(30)とし、lの深さを変えた素子を作製し
た。図でWは1μm、L2は、100nmである。280
℃、5KOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1に図1
1(a)のような一方向異方性を付与した。
【0072】外部磁界を加え、図11(a)の状態から
図11(b)のように磁化を反転させ、外部磁場を取り
除いた状態で、磁性体1と磁性体3の平均的な磁化方向
とのずれが大きい領域を磁化結合領域と定義し、その抵
抗測定方向に対する厚みdapと、磁化反転前後での磁
気抵抗変化の関係を調べた。結果を(表3)に示す。
【0073】
【表3】
【0074】(実施例4)図28の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接
続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(30)とし、磁化固定体1と軟磁性体の長さ
であるL1とL3を変えた素子を作製した。Wは1μ
m、L2は、100nmである。これらの素子を280
℃、5KOeの磁場中で熱処理し磁性体1に一方向異方性
を付与した。
【0075】外部磁界を加え、磁性体3の少なくとも一
部を磁化反転させ、外部磁場を取り除いた状態で、抵抗
の変化を測定した。また磁性体1と磁性体3それぞれに
おいて磁化方向が揃った領域をそれぞれ磁化領域A、磁
化領域Bとし、さらに磁化領域Aとほぼ同じ方向に磁化
を揃えたCoFeの磁化領域を磁化領域A'、また磁化領域B
とほぼ同じ方向に磁化を揃えた軟磁性体の磁化領域を磁
化領域B'とした。磁化領域Aと磁化領域A'のそれぞれ
の体積と飽和磁化の積の和からもとめた値をMa×V
a、また、磁化領域Bと磁化領域B'から同様に求めた
値をMb×Vb、また磁化遷結合領域の大きさから求め
た値をMm×Vmとし、それぞれの値の大小と抵抗変化
を調べた。結果を(表4)に示す。
【0076】
【表4】
【0077】(実施例5)図27の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべて同一の磁性体Aとし、磁性
体Aとして、Ni、Co、Fe、Fe50Co50、Fe25Co75、Ni60Fe
40、NiFeCo、Fe50Cr50、FeN、Fe3O4、NiMnSb、CuMnSb、
PtMnSb、LaSrMnO、LaCaSrMnO、CrO2を用い、また、磁化
固定体1を磁性体A側から、CoFe(3)/IrMn(50)(単位はn
m)の構成とし、磁性体3に接続された軟磁性体をNiFe
(30)とした素子を作製した。図でWは1μm、L2は、
100nmである。ここでIrMnは100 Oeの磁界中で成
膜し、磁性体1に図11(a)のような一方向異方性を
付与した。
【0078】外部磁界を加え、図11(a)の状態から
図11(b)のように磁化を反転させ磁化反転前後での
抵抗変化を調べた。結果を(表5)に示す。
【0079】
【表5】
【0080】(実施例6)図29の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接
続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(30)とし、W2、lおよび長さL2を変え
た素子を作製した。図でW1は1μmである。280
℃、5KOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1に図1
1(a)のような一方向異方性を付与した。外部磁界を
加え、図11(a)の状態から図11(b)のように磁
化を反転させた前後での抵抗変化を調べた。結果を(表
6)に示す。
【0081】
【表6】
【0082】(実施例7)図30の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接
続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(30)とし、W2、l2および長さL2を変
えた素子を作製した。図でW1は1μm、W3は2μm
である。W3の方向に沿って、280℃、5KOeの磁場
中で素子を熱処理し、磁性体1に一方向異方性を付与し
た。外部磁界を加え、磁性体3を反転させた前後での抵
抗変化を調べた。結果を(表7)に示す。
【0083】
【表7】
【0084】(実施例8)図30の構成で、磁性体1、
磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接
続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/PtMn
(30)(単位はnm)の構成とし、磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(30)とし、W2、l2および長さL2をそ
れぞれ、20、20、10nmとし、W1とl1、l3
および、磁性体1、磁性体3、軟磁性体のサイズを変え
た素子を作製した。W3の方向に沿って、280℃、5
KOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1に一方向異方
性を付与した。
【0085】磁性体3と軟磁性体それぞれの体積と飽和
磁化の積の和からもとめた値をM3×V3、また、磁性
体1の体積と飽和磁化の積からもとめた値をM1×V
1、また磁性体2の体積と飽和磁化の積をMm×Vmと
し、外部磁界を加え、磁性体3を反転させた前後での抵
抗変化との関係を調べた。結果を(表8)に示す。
【0086】
【表8】
【0087】(実施例9)図30の構成で、磁性体1、
磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体2として、Ni、C
o、Fe、Fe50Co50、Fe25Co75、Ni60Fe40、NiFeCo、Fe50C
r50、FeN、Fe3O4、NiMnSb、CuMnSb、PtMnSb、LaSrMnO、
LaCaSrMnO、CrO2を用い、また、磁化固定体1を磁性体
2側から、CoFe(3)/IrMn(50)(単位はnm)の構成とし、
磁性体3に接続された軟磁性体をNiFe(30)とした素子を
作製した。
【0088】W2、l2および長さL2をそれぞれ、2
0、20、3nmとしW1は1μm、W3は2μmとし
た素子を作製した。W3の方向に沿って、280℃、5
KOeの磁場中で素子を熱処理し、磁性体1に一方向異方
性を付与した。外部磁界を加え、磁性体3を反転させた
前後での抵抗変化を調べた。結果を(表9)に示す。
【0089】
【表9】
【0090】(実施例10)CMOS基板上に、図16に示
すような基本構成のメモリ素子で集積メモリを作製し
た。素子配列は、16×16素子のメモリブロックが合
計8ブロックとした。ここで、1ブロック当たり256
個の素子中、255個の素子には、図5の構成で、磁性
体1、磁性体2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体
1に接続された、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)
/ PtMn(30)(単位はnm)の構成とし、また磁性体3に接
続された軟磁性体をNiFe(3)とし、磁気抵抗変化率が6
0%のものを用いた。また、各部ロックの残りの1素子
は、磁性体2の素子幅を他の素子よりも大きくすること
で、磁気抵抗変化率を3%以下に押さえ、配線抵抗や、
素子最低抵抗、FET抵抗をキャンセルするためのダミ−
素子とした。なお、ワ−ド線およびビット線などは全て
Cuを用いた。
【0091】ワ−ド線とビット線の合成磁界により、8
つのブロックの、8素子にそれぞれの磁性体3の磁化反
転を同時に行い、8ビットずつの信号を記録した。次
に、CMOSで作製されたFETのゲ−トをそれぞれのブロ
ックに付き1素子ずつONし、センス電流を流した。この
とき、各ブロック内でのビット線、素子、及びFETに発
生する電圧と、ダミ−電圧をコンパレ−タにより比較
し、それぞれの素子の出力電圧から、同時に8ビットの
情報を読みとった。
【0092】(実施例11)ガラス基板上に、図19
(b)に示すような基本構成のメモリ素子で集積メモリ
を作製した。素子配列は、一段当たり、16×16素子
が3段あるものを1ブロックとし、合計8ブロックとし
た。ここで、第1段と第3段は、メモリ素子で、第2段
はダミ−素子である。1ブロック当たり、256×3個
の素子は、図5の構成で、磁性体1、磁性体2、磁性体
3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接続された、磁化固
定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/ PtMn(30)(単位はnm)
の構成とし、また磁性体3に接続された軟磁性体をNiFe
(3)としている。512個のメモリ素子の磁気抵抗変化
率が60%とし、また256個のダミ−素子は、磁性体
2の素子幅を他の素子よりも大きくすることで、磁気抵
抗変化率を1%以下に押さえている。なお、ワ−ド線お
よびビット線などには全てCuを用いた。
【0093】ワ−ド線とビット線の合成磁界により、各
ブロック毎に1素子ずつに同時書き込みを行い、8ビッ
ト信号を記録した。各ブロックで、第1段に記録したメ
モリ情報は、ビット線1から2つのワ−ド線(1および
2)に電流を流し、同一ビット線上にある第1段の素子
と第2段のダミ−素子に生じた電圧を、コンパレ−タに
より比較し、それぞれのビット情報を読みとった。ま
た、第3段に記録したメモリ情報は、2つのビット線
(2および3)からワ−ド線2に電流を流し、同一ワ−
ド線上にある第3段の素子と第2段のダミ−素子に生じ
た電圧をコンパレ−タにより比較し、それぞれのビット
情報を読みとった。これらの読みとり動作を8ブロック
毎に行い8ビット情報を同時に読みとった。
【0094】(実施例12)CMOS基板上に、図21に示
すような基本構成の集積メモリを作製した。図で、素子
は、図15(a)に示す基本メモリが3つ、直列に接続さ
れた1列の構成のみ示している。この直列に接続された
列を、合計3列とする3×3配列を1ブロックとし、合
計8ブロックから成る集積メモリを用いて8ビットの記
録と読み出しを行った。ここで、1ブロック当たり、9
個の素子には、図2(a)の構成で、磁性体1、磁性体
2、磁性体3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接続され
た、磁化固定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/ PtMn(30)
(単位はnm)の構成とし、また磁性体3に接続された軟
磁性体をNiFe(3)とし、磁気抵抗変化率が70%のもの
を用いた。また、ワ−ド線およびビット線などには全て
Cuを用いた。
【0095】ビット情報に基づく、ワ−ド線とビット線
の合成磁界により、8つのブロックの、8素子の磁性体
3を磁化反転し、8ビット信号を同時に記録した。次
に、CMOSで作製されたFETのゲ−トをそれぞれのブロ
ックに付き1列ずつONし、センス電流を流し、各列の基
準電圧を検知した後、ワ−ド線、ビット線が直交したれ
ぞれの素子に関して合成磁界をかけ、電圧の変化をしら
べることで、1ブロック当たり1ビット、合計8ビット
の情報を同時に読みとった。読みとり動作終了後、バッ
ファメモリの読み出し信号に基づき、読み出し時に、磁
化反転が行われた素子に対して、再び反転磁界を印可
し、再書き込みを行った。
【0096】(実施例13)図31に示すような、面内
抵抗型磁気抵抗素子を用いたヨ−ク型磁気ヘッドを作製
した。素子は、図2(a)を基本構成としており、図3
1中の矢印で示すように、軟磁性体の磁化容易軸は形状
異方性により、磁化固定体による磁化固定方向に対して
90度の向きにしている。素子配置は、下部フロントヨ
−クと下部バックヨ−クの間にギャップを介して挟まれ
た位置である。またバックヨ−クは、フロントヨ−クに
比べ広い面積とすることで、磁気的な回路抵抗を下げて
いる。
【0097】ヨ−クにはFeTaNを用いており、素子に
は、図2(a)の構成で、磁性体1、磁性体2、磁性体
3をすべてFe3O4とし、磁性体1に接続された、磁化固
定体1をFe3O4側から、CoFe(3)/ PtMn(30)(単位はnm)
の構成とし、また磁性体3に接続された軟磁性体をNiFe
(3)とし、磁気抵抗変化率が70%のものを用いた。
【0098】このような磁気ヘッドを用いて、トラック
密度が90kTPI(tracks per inch),線記録密度は550kB
PI(bits per inch)で記録されたHDD記録媒体をデ
ータ転送速度211Mビット/秒で再生実験を行った。ヘッ
ドの浮上量は10nmとした。へッドのビット誤り率は1×
10-8であった。
【0099】またこの磁気ヘッドのギャップを200n
mとし、MEテ−プでの再生を行ったところ、従来のMI
Gヘッドに比較し40dB高い出力を得た。
【0100】(実施例14)ステンレス基板上に、図2
6(b)に示す構成を持つ磁気抵抗素子で、磁性体1側を
機械的に固定した片持ち梁構造とした加速度センサ−を
作製した。磁性体2近傍では、基板をくびれ形状とする
ことで、可動できる自由度を高めている。
【0101】素子には、磁性体1、磁性体2、磁性体3
をすべてFe3O4とし、磁性体1および磁性体3に接続さ
れた、磁化固定体はFe3O4側から、CoFe(3)/ PtMn(30)
(単位はnm)とした。また、このような加速度センサ−
を用いて、1Gでの加速度試験を行ったところ、従来の
ピエゾ型加速度センサ−に比較して20dB高い出力を
得た。
【0102】
【発明の効果】本発明の磁気抵抗素子を用いることで、
従来のTMR素子と同等以上の磁気抵抗効果を得ること
ができる。このため、従来の情報通信端末などに使用さ
れる光磁気ディスク、ハ−ドディスク、デジタルデ−タ
ストリ−マ(DDS)、デジタルVTR等の磁気記録装置
の再生ヘッド、またシリンダ−や、自動車などの回転速
度検出用の磁気センサ−、磁気ランダム・アクセス・メ
モリ(MRAM)、応力変化、加速度変化などを検知す
る応力または加速度センサ−あるいは熱センサ−や化学
反応センサ−等の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本構成例1−1を示す図
【図2】基本構成例1−2を示す図
【図3】素子形成方法を示す図
【図4】素子形成方法を示す図
【図5】基本構成例2−1を示す図
【図6】基本構成例2−2を示す図
【図7】基本構成例2−3を示す図
【図8】基本構成例2−4を示す図
【図9】基本構成例2−5を示す図
【図10】基本構成例3を示す図
【図11】磁化結合領域と抵抗変化の基本動作1を示す
【図12】磁化結合領域と抵抗変化の基本動作2を示す
【図13】磁化結合領域と抵抗変化の基本動作3を示す
【図14】ランダムアクセスメモリ例を示す図
【図15】メモリセル配置1を示す図
【図16】メモリ構成1を示す図
【図17】メモリ構成2を示す図
【図18】メモリ構成3を示す図
【図19】メモリ構成4を示す図
【図20】メモリ構成5を示す図
【図21】メモリ構成6を示す図
【図22】ヨ−ク型磁気ヘッド1を示す図
【図23】ヨ−ク型磁気ヘッド2を示す図
【図24】ヨ−ク型磁気ヘッド3を示す図
【図25】シ−ルド型磁気ヘッドを示す図
【図26】応力センサ−1を示す図
【図27】基本構成例1−3を示す図
【図28】基本構成例1−4を示す図
【図29】基本構成例1−5を示す図
【図30】基本構成例2−6を示す図
【図31】ヨ−ク型磁気ヘッド4を示す図
【図32】応力センサ−2を示す図
【符号の説明】
1 磁性体 2 磁性体 3 磁性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/16 H01F 10/32 10/32 G01R 33/06 R H01L 27/105 H01L 27/10 447 (72)発明者 川島 良男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 足立 秀明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田川 明弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉田 康成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA02 AD55 AD63 AD65 5D034 BA03 BA05 BB02 CA08 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AC00 AC05 BA16 CB01 DB12 5F083 FZ10 GA11 GA30 JA37 LA10

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種からなる磁性体中に、磁
    化方向が略揃った磁化領域Aと磁化方向が略揃った磁化
    領域Bと、前記磁化領域Aと前記磁化領域Bに挟まれた
    磁化接合領域Mがあり、前記磁化領域Aの少なくとも一
    部、または前記磁化領域Bの少なくとも一部のうち少な
    くとも一方が、外部から導入された磁気的エネルギ−に
    対し、磁気的に略固定され、前記磁化接合領域Mまたは
    前記磁化領域Aまたは前記磁化領域Bの磁化状態の変化
    を、電気抵抗の変化として検知する磁気抵抗素子。
  2. 【請求項2】 磁化領域Aおよび磁化領域Bの各平均磁
    化方向が互いに略反平行または略平行で、電気抵抗の変
    化が、主として磁化接合領域Mの厚み変化による請求項
    1記載の磁気抵抗素子。
  3. 【請求項3】 外部からの磁気的エネルギ−がないと
    き、磁化接合領域Mの厚みdが 0nm≦d≦200nm なる範囲である請求項2記載の磁気抵抗素子。
  4. 【請求項4】 電気抵抗の変化が、主として磁化領域A
    および磁化領域Bの磁化相対角の変化による請求項1記
    載の磁気抵抗素子。
  5. 【請求項5】 磁化領域Aと磁化領域Bの磁化方向が略
    反平行あるとき磁化接合領域Mの厚みをdapとすると 0≦dap≦200nm なる関係を持つ請求項4記載の磁気抵抗素子。
  6. 【請求項6】 磁化領域A及び磁化領域Bが互いに略反
    平行であるとき、磁化接合領域Mの実効磁化をMm、体
    積をVm、また前記磁化領域Aの実効磁化をMa、体積
    をVa、また前記磁化領域Bの実効磁化をMb、体積を
    Vbとすると、 Mm×Vm<Ma×Va、Mb×Vb なる関係を持つ請求項1〜5のいずれかに記載の磁気抵
    抗素子。
  7. 【請求項7】 磁化領域Aの少なくとも一部、または磁
    化領域Bの少なくとも一部のうち少なくとも一方が、反
    強磁性体、第2の強磁性体を介した反強磁性体、積層フ
    ェリ磁性体、積層フェリ磁性体を介した反強磁性体、ま
    たは高保持力磁性体から選ばれた磁化固定体と磁気的に
    結合すること、または形状異方性エネルギ−を用いるこ
    とで、外部から導入された磁気的エネルギ−に対し、磁
    気的に略固定されることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の磁気抵抗素子。
  8. 【請求項8】 磁化接合領域Mの少なくとも一部、磁化
    領域Aの少なくとも一部、または磁化領域Bの少なくと
    も一部から選ばれた少なくとも一つの領域が、軟磁性体
    と磁気的に結合した請求項1〜7のいずれかに記載の磁
    気抵抗素子。
  9. 【請求項9】 磁化領域Aまたは磁化領域Bを形成する
    磁性材料のうち少なくとも一方が、高スピン分極材料で
    ある請求項1〜8のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  10. 【請求項10】 少なくとも一組の磁化領域A、磁化領
    域Bおよび磁化接合領域Mが同一の強磁性体よりなり、
    且つ前記強磁性体が高スピン分極材料であることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  11. 【請求項11】 磁性体2が、磁性体1と磁性体3に挟
    まれた一対の構成を少なくとも一組持ち、前記磁性体2
    が、磁性体1および磁性体3に対して、形状的または磁
    気的に、くびれ部を形成し、前記磁性体1の少なくとも
    一部、または前記磁性体3の少なくとも一部のうち少な
    くとも一方が、外部から導入された磁気的エネルギ−に
    対し、磁気的に略固定され、前記磁性体1と前記磁性体
    2および前記磁性体3の磁化状態の変化を、電気抵抗の
    変化として検知する磁気抵抗素子。
  12. 【請求項12】 磁性体1と磁性体3が、くびれ部を構
    成する磁性体2および絶縁体を介して接し、前記絶縁体
    が前記磁性体2の側面部を被覆する構造を持つ請求項1
    1記載の磁気抵抗素子。
  13. 【請求項13】 磁性体2の長さが0.5nm以上、2
    000nm以下、また磁性体2の幅の最短長が1nm以
    上100nm以下である請求項11または12記載の磁
    気抵抗素子。
  14. 【請求項14】 磁性体1の磁化をM1、体積をV1、
    また磁性体2の磁化をM2、体積をV2、また磁性体3
    の磁化をM3、体積をV3とすると、 M2×V2<M1×V1、M3×V3 なる関係を持つ請求項11〜13のいずれかに記載の磁
    気抵抗素子。
  15. 【請求項15】 磁性体1の少なくとも一部、または磁
    性体3の少なくとも一部のうち少なくとも一方が、反強
    磁性体、第2の強磁性体を介した反強磁性体、積層フェ
    リ磁性体、積層フェリ磁性体を介した反強磁性体、また
    は高保持力磁性体から選ばれた磁化固定体と磁気的に結
    合すること、または形状異方性エネルギ−を用いること
    で、外部から導入された磁気的エネルギ−に対し、磁気
    的に略固定されることを特徴とする請求項11〜14の
    いずれかに記載の磁気抵抗素子。
  16. 【請求項16】 磁性体1の少なくとも一部、磁性体2
    の少なくとも一部、または磁性体3の少なくとも一部か
    ら選ばれた少なくとも一つの磁性体が、軟磁性体と磁気
    的に結合した請求項11〜15のいずれかに記載の磁気
    抵抗素子。
  17. 【請求項17】 磁性体1または磁性体3を形成する磁
    性材料のうち少なくとも一方が、高スピン分極材料であ
    る請求項11〜16のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  18. 【請求項18】 磁性体1、磁性体2及び磁性体3が同
    一の強磁性体よりなり、且つ前記強磁性体が高スピン分
    極材料であることを特徴とする請求項11〜17のいず
    れかに記載の磁気抵抗素子。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の磁
    性体の少なくとも一部が、マグネタイトである磁気抵抗
    素子。
  20. 【請求項20】 磁性体1が磁化領域Aの少なくとも一
    部、または磁性体3が磁化領域Bの少なくとも一部であ
    ることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の
    磁気抵抗素子。
  21. 【請求項21】 外部磁界の変化を、請求項1〜20の
    いずれかに記載の磁気抵抗素子の抵抗変化として検出す
    る磁気センサ−。
  22. 【請求項22】 請求項1〜20のいずれかに記載の磁
    気抵抗素子に加わる応力の変化を抵抗変化として検出す
    る応力センサ−
  23. 【請求項23】 磁気情報の変化を、請求項1〜20の
    いずれかに記載の磁気抵抗素子に含まれる磁化変化が容
    易な磁性体に記録し、この記録情報を磁気抵抗素子の抵
    抗変化として検出する磁気メモリ。
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