JPH09251621A - 磁気抵抗効果素子及び磁気情報再生方法 - Google Patents
磁気抵抗効果素子及び磁気情報再生方法Info
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- JPH09251621A JPH09251621A JP8060612A JP6061296A JPH09251621A JP H09251621 A JPH09251621 A JP H09251621A JP 8060612 A JP8060612 A JP 8060612A JP 6061296 A JP6061296 A JP 6061296A JP H09251621 A JPH09251621 A JP H09251621A
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Abstract
せ、かつ再生出力の大きい手法を提供する。 【解決手段】 反強磁性結合を有する磁気積層膜と強磁
性導電膜とをトンネル絶縁膜を介して積層した構成を採
る。この積層膜に一方向の磁界を加えた時のトンネル電
流を測定することで“0”,“1”を読み出すことがで
きる。
Description
子、特に記録素子に関する。
を加えることによって、電気抵抗が変化する現象であ
り、磁界センサや磁界ヘッドなどに利用されている。た
とえば、強磁性体を用いた磁気抵抗効果素子は温度安定
性に優れ、かつ使用範囲が広いという特徴を有してい
る。
i合金などのパーマロイ薄膜が使用されてきた。これを
ハードディスクなどの再生ヘッドに使用することで高密
度磁気記録が達成されている。しかし、パーマロイ薄膜
の磁気抵抗変化率は2−3%程度と小さいため、さらな
る高密度記録を達成しようとすると十分な感度が得られ
ないという問題があった。
常に大きな磁気抵抗効果を示す、いわゆる巨大磁気抵抗
効果材料として、磁性層と非磁性層とを数nmの周期で
交互に積層し、非磁性層を介して相対する磁性層の磁気
モーメントを反平行状態で磁気的に結合させた積層膜、
いわゆる人工格子膜が注目されている。たとえば、Fe
/Crの人工格子膜(Phys.Rev.Lett.6
1,2472(1988)参照)や、Co/Cuの人工
格子膜(J.Mag.Mag.Mater.94,L1
(1991),Phys.Rev.Lett.66,2
152(1991)参照)などが見いだされている。
層した強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる金属サン
ドイッチ膜において、強磁性層間の交換結合がなくなる
程度に非磁性金属層の膜厚を厚くし、かつ、一方の強磁
性層に接してFeMnなどの反強磁性膜を配置して交換
結合させることにより、その強磁性層の磁気モーメント
を固定し、他方の強磁性層のスピンのみを外部磁場で容
易にスイッチできるようにした、いわゆるスピンバルブ
膜が知られている。この場合、2つの強磁性層間に交換
結合がないため小さな磁場でスピンをスイッチできるの
で、上記交換結合膜に比べて感度の高い磁気抵抗効果素
子を提供でき、将来の高密度磁気記録用再生ヘッドとし
て現在、最も期待されている。
抗効果であるが、膜面に垂直方向に電流を流す、いわゆ
る垂直磁気抵抗効果を利用すると、さらに大きな磁気抵
抗効果が得られることも知られている(Phys.Re
v.Lett.66,3060(1991)参照)。さ
らには、強磁性層/絶縁体層/強磁性層からなる3層膜
において、外部磁場によって2つの強磁性層のスピンを
互いに平行あるいは反平行にすることにより、膜面垂直
方向のトンネル電流の大きさが互いに違うことを利用し
た、強磁性トンネル接合による巨大磁気抵抗効果も知ら
れている。
の磁界センサーに使用する代わりに、磁気記録素子に利
用することも最近研究されている(Jpn.J.App
l.Phys.34,L415(1995))。この場
合、交換結合のない上記スピンバルブ構造が利用されて
いる。
録素子は、非磁性金属層を介した二つの金属強磁性層か
らなるスピンバルブ膜であり、強磁性層の一方は磁気的
にハード(高保磁力)であるか、あるいは強磁性層に反
強磁性層を接して設け、交換結合によって該強磁性層を
ハードにしており、他方の磁性層はこれより磁気的にソ
フトである。また、ハード層とソフト層の間には磁気的
結合がないように非磁性層の膜厚を厚くしている。
パルス電流を流して外部磁場を印加し、これによって上
記ハード層あるいはソフト層のスピンを反転させ、その
スピンの向きによって0,1を記録し、読み出しは、よ
り弱いパルス電流磁界を印加してソフト磁性層のスピン
のみを反転させ、その際の磁気抵抗効果を利用して0,
1を再生している。しかし、ソフト層を記録層とした場
合には読み出しによって記録が破壊する、いわゆる破壊
読み出しになり、またソフト層の保磁力が小さいため外
部磁界に対する安定性が問題であった。一方、ハード層
を記録層とした場合には非破壊読み出しが可能であるも
のの、ハード層の保磁力が大きいため磁化反転に大きな
磁界を必要とし、そのため大きな電流を流さなければな
らず、素子の発熱の問題があった。また、両者に共通し
て再生電圧が小さいという欠点もあった。
で、磁気抵抗効果を用いた記録素子で磁気情報を非破壊
で読み出すことができ、かつ、再生出力の大きい磁気抵
抗効果素子及び磁気情報再生方法を提供することを目的
とする。
導電層と、第2の強磁性導電層と、第1及び第2の強磁
性層間に介在する第1の非磁性導電層とを有し、第1及
び第2の強磁性層が反強磁性的に交換結合している磁気
積層膜と;強磁性導電膜と;この強磁性導電膜と磁気積
層膜との間に介在するトンネル絶縁膜とを具備したこと
を特徴とする磁気抵抗効果素子である。
生方法として、印加磁界(Hr )と前記磁気積層膜の飽
和磁界(Hs )と前記強磁性導電膜の保磁力(Hc )と
の関係がHs <Hr <Hc を満たす磁界を印加したとき
の前記磁気積層膜と前記強磁性導電膜との間のトンネル
電流により前記強磁性導電層の磁化状態を検出すること
を特徴とする磁気情報再生方法を提供する。
2の強磁性導電層と、第1及び第2の強磁性層間に介在
する第1の非磁性層とを有し、この第1の非磁性層に外
部エネルギーを印加することで第1及び第2の強磁性層
間に交換結合が誘起される磁気積層膜と;強磁性導電膜
と;この強磁性導電膜と磁気積層膜との間に介在するト
ンネル絶縁膜とを具備したことを特徴とする磁気抵抗効
果素子である。
積層膜に交換結合を誘起した際のトンネル電流により磁
気積層膜の磁化状態を検出することを特徴とする磁気情
報再生方法を提供する。
て積層された第1及び第2の強磁性導電層1,2を含む
磁性積層膜6と強磁性導電膜4とがトンネル絶縁膜5を
介して積層された構成を基本とする(図1)。なお、各
磁性膜、磁性層には弱い一軸磁気異方性が導入されてい
ることが望ましい。磁化の2方向を安定化するためと、
急しゅんな磁化反転を起こし易いためである。
磁性導電層1を用いることもできるし、磁性積層膜6に
積層された強磁性導電膜4を用いることもできる。ま
ず、強磁性導電膜4を記録層に用いた場合について説明
する。
導電層同士が反強磁性的交換結合をしているものを用い
る。この磁性積層膜の飽和磁界をHs とする。すなわち
無磁場では非磁性層を介して積層された強磁性層の磁化
の向きは反平行で安定しているが、Hs 以上の磁界印加
で印加磁界方向に磁化の向きがそろうことになる。
w )の印加で行う。例えば、図2(a),(b)に示す
様に、左向きを“0”、右向きを“1”とすれば良い。
記録磁界(Hw )は強磁性導電膜4の保磁力(Hc )よ
り大きいことが必要である。
層膜の磁化も同方向になり得るが、Hw をとりさること
により安定である反平行状態に戻る。この場合でも強磁
性導電膜4と磁性積層膜との間はトンネル絶縁膜により
磁気的交換結合がなく、また、Hs <Hc とすることで
強磁性膜の磁化状態は影響を受けることはない。ただ
し、磁性積層膜の第2の強磁性層、すなわち強磁性膜に
近い方は強磁性膜の静磁結合の影響を受け、常に強磁性
膜の磁化と反平行になる様に変化すると考えられる。
性積層膜6と強磁性導電膜4との間のトンネル電流を用
いる。すなわち磁性積層膜6に読み出し磁界(Hr )を
印加し、磁化を一方向にそろえる。非破壊読み出しが必
要であるからHr <Hc となる。この様なHr を印加
し、例えば強磁性層膜の“1”の状態と同じ向きとする
(図2(c))。
のときは、磁性積層膜と強磁性膜との磁化の向きが同じ
であるため、磁性積層膜と強磁性膜との間のトンネル確
率が大となる。従って磁性積層膜と強磁性膜との間にバ
イアス電圧を印加しておけば、トンネル電流が流れ、測
定される磁性積層膜−強磁性導電膜間の電圧は小さくな
る。
のときは、磁性積層膜6と強磁性導電膜4との磁化の向
きが逆であるため、磁性積層膜と強磁性膜との間のトン
ネル確率が小となる。従ってトンネル電流は非常に流れ
難くくなる。従って測定される磁性積層膜−強磁性導電
膜間の電圧は大きくなる。
“0”,“1”状態を読み出すことができる。前述の如
く、読み出し時の印加磁界(Hr )を強磁性層の保磁力
(Hc )より小とすることで非破壊の読み出しが可能と
なる。また、読み出し時の印加磁界(Hr )は磁性積層
膜の磁化を所定方向にそろえるため、磁性積層膜の飽和
磁界(Hs )より大とする。従ってHc >Hr >Hs と
なる。
イアス電圧を印加しておき、磁性積層膜の磁化が右向き
(“1”と同方向)となるような磁界(Hr )をかける
と、“0”状態では磁性積層膜と強磁性膜間の抵抗が高
く、“1”状態では抵抗が低くなるので、“1”のとき
にのみ、磁性積層膜と強磁性膜間の電圧が低くなる。
性積層膜と強磁性膜との積層体に近接配置した、例えば
絶縁膜8を介して形成された導体路(ワード線)に電流
を流すことで行うことができる。すなわち図3におい
て、紙面垂直方向に電流を流す構成を採れば良い。紙面
裏から表に電流を流すことでこの積層体に右向きの磁界
を印加することができる。
して図4(a)に示す電流パルスをワード線に印加した
場合の出力電圧を図4(b),(c)に示す。“1”の
場合、初期値Vo (バイアス電圧)から抵抗の低下分に
相当するΔVの減少が生じる。“0”の場合出力電圧の
変化はない。Vo の値はトンネル確率により、理想的に
はバイアス電圧と等しくなる。
ワード線7からの電流磁界を用いることができる。図3
において紙面裏から表に電流を流すことで図2(b)す
なわち、“1”の状態を、逆向きの電流で図2(a)、
すなわち“0”の状態を実現できる。Hw >Hr の関係
が必要であるが、ワード線7に流す電流の大きさで容易
に制御できる。
を用いても同様の読み出しができる。しかしながら、こ
の様な磁化固定膜は外部磁場により磁化状態が変化して
しまうことがあり得るが、反強磁性的交換結合を用いた
上述の例は安定性が高い。たとえ外部磁界で一方向に磁
化がそろったとしても外部磁化がなくなれば反平行状態
にもどる。更に磁気情報を記録する強磁性膜と第2の強
磁性層とは交換結合はないが磁化が反平行で安定であ
り、磁気記録の安定性でも優れている。
用いたが、次に磁性積層膜中の強磁性層を記録層として
用いた例を説明する。磁性積層膜としてその構成層であ
る非磁性層に光若しくは熱を印加することで非磁性層を
介して積層されている強磁性層間に交換結合を誘起する
積層膜を用いる。
される強磁性導電膜の磁化の向きは所定方向に固定して
おき、外乱で磁化方向が変化しない程度の保磁力を有し
ているものとする。
の強磁性導電層(第1の強磁性導電層)に磁気導電情報
を記録する。例えば、図5(a),(b)に示す様に左
向きの強化状態を“0”,右向きを“1”とする。
第1の強磁性導電層と第2の強磁性導電層間に交換結合
を誘起し、第1の強磁性導電層の磁化状態を第2の強磁
性導電層に伝達する。ここでは第2の強磁性導電層の保
磁力を第1の強磁性導電層の保磁力より小とすることで
第1の強磁性層の磁化はかわらず第2の強磁性導電層の
磁化の向きが変わる。
“1”の場合と同じ向き、例えば右向きとしておく。こ
の強磁性導電膜と第2の強磁性導電膜との間のトンネル
電流を利用する。
で交換結合が誘起される磁性積層膜としてはいくつかの
タイプが考えられる。例えば、通常は強磁性的交換結合
があり、励起状態では反強磁性的交換結合が誘起される
場合、また、通常は交換結合がなく励起状態では強磁性
的交換結合が誘起される場合などがある。前者の例とし
てはFe/Siの積層膜、後者の例としてはCo/Si
の積層膜が挙げられる。
合が誘起される場合について説明する。記録時には記録
磁界(Hw )の印加で第1及び第2の強磁性導電層は
“1”,“0”に応じて同じ向きに磁化される。
熱)を印加し活性化し、反強磁性交換結合を誘起する。
非活性から活性、更に非活性と変化させる。この時の磁
化の変化と出力電圧の変化を図6に示す。図6(a)は
活性時を示すタイムチャート、同(b)は“0”の磁化
状態、同(c)は“0”の出力電圧、同(d)は“1”
の磁化状態、同(e)は“1”の出力電圧を示す。
は第2の強磁性導電層2と強磁性導電膜4との磁化の向
きは逆であるので、この間のトンネル確率は低く、結果
としてこの間の出力電圧は高い。活性領域では第2の強
磁性層電層2の磁化の向きは、反強磁性的交換結合によ
り第1の強磁性導電層1の磁化の向きと反平行になる。
この時、強磁性導電膜4と第2の強磁性導電層2とは磁
化の向きが平行となるので、トンネル確率が高くなり、
結果として出力電圧は低くなる。また非活性領域となる
と強磁性的交換結合により第2の強磁性導電層2の磁化
は反転し、以前の状態に戻り、出力電圧は高くなる。す
なわち、活性領域に移るとき−ΔV、負側の電圧変位が
得られる。
活性領域では出力電圧が高くなり、また低電圧状態に戻
る。すなわち、活性領域+ΔV、正側の電圧変位が得ら
れる。
対量で“0”,“1”を判断するのはS/N比をとりに
くい。しかしながらこの様な例によれば電圧の変位の符
号で“0”,“1”を判断することができるので、読み
出し精度、信頼性が高いものとなる。
との間の出力電圧は、磁性積層膜と強磁性導電膜との間
の出力電圧と実質的に等しい。なぜなら、磁性積層膜中
にスピンの平行/反平行による差があっても全体として
導体であり、この間の電圧降下はトンネル電流により得
られる出力電圧に対しては無視できる程度のものであ
る。
あり、出力電圧の変動の符号によって、情報を判断でき
るという利点がある。次に静磁結合から強磁性交換結合
が誘起される場合について説明する。
層は静磁結合により磁化が反平行で安定である。従って
図6とは逆の挙動を示し、図7に示す様に“0”のとき
は−ΔVの変位、“1”のときは+ΔVの変位を得るこ
とができる。図7(a),(b),(c),(d),
(e)は夫々図6の(a),(b),(c),(d),
(e)に対応する。
性導電膜4と第2の強磁性導電層2との間の静磁結合と
することもできる。この場合を図8(a),(b),
(c),(d),(e)として示す。夫々図6(a),
(b),(c),(d),(e)に対応する。
電層2及び強磁性導電膜4は静磁結合により反平行の磁
化が安定となる。従って、非活性領域では出力電圧は高
い状態となる。そして活性領域では“0”のときのみ−
ΔVの出力電圧の減少がみられるが、“1”では変化し
ないことになる。
導電膜と第2の強磁性導電層間の静磁結合力を大きく
し、非磁性導電層を厚くして第1及び第2の強磁性導電
層間の静磁結合力を小さくすることで実現できる。
よび第3の磁性膜としては強磁性を示すFe,Co,N
iおよびその合金やNiMnSbホイスラー合金などの
ハーフメタルなどを用いることができるハーフメタルは
一方のスピンバンドにエネルギーギャップが存在するの
で、これを用いることより大きな磁気抵抗効果を得るこ
とができ、結果としてはより大きな再生出力が得られ
る。また、各磁性膜は膜面内に一軸磁気異方性を有する
ことが望ましい。磁性膜を好ましい膜厚は10A−10
0Aである。
はCu,Au,Ag,Cr,Ru,Alなど多くの金属
を用いることができる。これらの膜厚の好ましい範囲は
5A−50Aである。絶縁膜としてはアルミナ、Ni
O、酸化シリコン、MgOなどのほか、エネルギーギャ
ップをもつ半導体を用いることもできる。これらの膜厚
の好ましい範囲は10A−1000Aである。
などの遷移金属シリサイドなどの半導体,アモルファス
半導体、不純物半導体や半金属を用いることができる。
このような磁気素子用薄膜は分子線エピタキシー(MB
E)法、各種スパッタ法、蒸着法など通常の薄膜形成装
置を用いて作製することができる。なお、磁気スピンの
角度でトンネル確率は変わるため、完全に平行、反平行
の状態が理想ではあるが、これに限定されるものではな
い。
スパッタ法を用いて作製した。まずMgO(110)基
板上に反強磁性結合した3層膜として、70A(オング
ストローム) Fe80Ni20/10A Cu/70A
Ni80Fe20を作製した。この膜の磁気抵抗効果曲線を
図9に示す。この膜には[100]を磁化容易軸とする
一軸磁気異方性が膜面内に導入される。飽和磁場は約6
0 Oeであり、零磁場の抵抗が大きいことからこの状
態で反平行磁化が実現していることがわかる。
l)を100 A成膜し、一旦試料を成膜室から取り出
して自然酸化させることによりアルミナ膜を形成させ
た。この積層膜を再度真空チャンバー内に入れ、上記N
iFe膜と同じ方向に一軸磁気異方性を付与させるよう
に磁場を印加しながら、Co膜を成長させた。Co膜の
保磁力は約100Oeであった。
Co層の上に例えばアルミナなどの絶縁層を介して書き
込みワード線としての導体層(例えばCu,Alなど)
を形成し、それに正の単極パルス電流を流して記録およ
び再生実験を行った。再生出力は、膜面垂直方向のトン
ネル電流を利用して測定した。その結果、上記説明の通
り“1”,“0”の記録状態を検出でき、100mV以
上の非常に大きな再生電圧が確認された。
/30A CoをIBS(イオンビームスパッタ)で作
製しその磁気特性を調べた結果、図10に示すように、
室温では磁化曲線の角型比が小さく交換結合がほとんど
なく、100℃以上に加熱すると角型比がほとんど1に
なり強磁性的に結合することがわかった。この界面を透
過型電子顕微鏡で調べた結果、Co−Si合金層が形成
されており、このような交換結合の大きな温度変化の原
因はこの形成にあると思われる。
A Si/40A Co/100AAl2 O3 /50A
CoPt合金をIBSで作製した。なお、Al2 O3
層に接する側のCo層の膜厚を大きくすることで低保磁
力化した。一方のCo層を記録層、CoPtを磁化固定
層として図5に示したような素子を作製し、Si層に
0.1mAの電流を流して記録層の読み出しを行った結
果、“1”,“0”の記録状態を検出でき、100mV
以上の非常に大きな再生電圧が確認された。
/30A FeをIBSで作製し、その磁気特性を調べ
た結果、図11に示すように低温で磁化曲線の角型が大
きく交換結果が強磁性的であり、室温では角型比が小さ
く反強磁性結合することがわかった。この界面を透過電
子顕微鏡で調べた結果、Fe−Si合金層が形成されて
おり、このような交換結合の変換の原因はこの形成にあ
ると思われる。
Si/40A Fe/100AAl2 O3 /50A
CoPt合金をIBSで作製した。一方のFe層を記録
層、CoPtを磁化固定層として図5に示したような素
子を作製し、低温でSi層に0.1mAの電流を流して
記録層の読み出しを行った結果、“1”,“0”の記録
状態を検出でき、100mA以上の非常に大きな再生電
圧が確認された。
効果素子によれば、非破壊的に記録を読み出すことがで
き、しかも大きな出力電圧を得ることができる。本発明
の記録素子は不揮発性の固体メモリであり、HDDのよ
うな可動部がないため信頼性が高く、またより高速に動
作させることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】第1の強磁性導電層と、第2の強磁性導電
層と、第1及び第2の強磁性層間に介在する第1の非磁
性導電層とを有し、第1及び第2の強磁性層が反強磁性
的に交換結合している磁気積層膜と;強磁性導電膜と;
この強磁性導電膜と磁気積層膜との間に介在するトンネ
ル絶縁膜とを具備したことを特徴とする磁気抵抗効果素
子。 - 【請求項2】第1の強磁性導電層と、第2の強磁性導電
層と、第1及び第2の強磁性層間に介在する第1の非磁
性層とを有し、この第1の非磁性層に外部エネルギーを
印加することで第1及び第2の強磁性層間に交換結合が
誘起される磁気積層膜と;強磁性導電膜と;この強磁性
導電膜と磁気積層膜との間に介在するトンネル絶縁膜と
を具備したことを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 【請求項3】請求項1記載の磁気積層膜の飽和磁界(H
s )と前記強磁性導電膜の保磁力(Hc )との関係がH
s <Hr <Hc を満たす磁界(Hr )を印加したときの
前記磁気積層膜と前記強磁性導電膜との間のトンネル電
流により前記強磁性導電層の磁化状態を検出することを
特徴とする磁気情報再生方法。 - 【請求項4】請求項2記載の磁気積層膜に交換結合を誘
起したときの前記磁気積層膜と前記強磁性導電膜との間
のトンネル電流により前記磁気積層膜の磁化状態を検出
することを特徴とする磁気情報再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06061296A JP3691898B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 磁気抵抗効果素子、磁気情報読み出し方法、及び記録素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP06061296A JP3691898B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 磁気抵抗効果素子、磁気情報読み出し方法、及び記録素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09251621A true JPH09251621A (ja) | 1997-09-22 |
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