JP2004064073A - 磁気メモリデバイスおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気メモリシステムにおいて、情報を都合よく、効率的に格納することを容易にする。
【解決手段】本発明は、磁気メモリデバイスと方法である。磁気メモリデバイスは、合成フェリ磁性データ層(12)と、軟らかい基準層(14)と、トンネル層(16)とを含む。合成フェリ磁性データ層(12)は、第1の向きおよび第2の向きに向けることができる磁気モーメント(M1)を有する。軟らかい基準層(14)は合成フェリ磁性データ層(12)よりも低い保磁度を有する。トンネル層(16)は、合成フェリ磁性データ層(12)および軟らかい基準層(14)の磁気モーメント(M1とM2)の向きによって影響を及ぼされる電気抵抗特性を有する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメモリデバイスに関する。より詳細には、本発明は磁気記憶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子システムおよび電子回路は、現代社会の進歩に大きく貢献しており、有利な成果をあげるために多数の用途で利用されている。デジタルコンピュータ、計算機、オーディオ装置、映像装置、電話システムのような多くのエレクトロニクス技術が、ビジネス、科学、教育および娯楽のほとんどの分野において、生産性を向上するとともに、データ、アイデアおよびトレンドを分析し、かつ通信する際のコストを削減するのを容易にしている。多くの場合に、これらの有利な結果は、メモリ媒体上に格納され、かつ処理装置によって操作される情報を利用することを通して実現される。情報を格納するために利用されるメモリの構成およびタイプは、情報処理性能に大きな影響を持つ可能性がある。
【0003】
多数の電子装置がプロセッサを含み、プロセッサは、有用なタスクを実行する際にデータを処理するための一連の命令を含むプログラムを実行することにより動作する。そのプログラムおよび関連したデータは通常、固有の標識またはアドレスを用いて記憶場所に格納される。処理装置が提供する有用性は多くの場合に、メモリが格納する情報の量、およびメモリがアクセスすることができる速度に依存する。メモリにアクセスし、迅速かつ好都合に情報を転送するための能力は一般に、情報処理の待ち時間に大きな影響を与える。
【0004】
磁気メモリは、一般に多くの利点を提供する1つのタイプのメモリである。たとえば、磁気メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期ランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリおよび従来のハードドライブのような他のタイプの短期および長期メモリに比べて、読出しおよび書込み動作を実行する速度が非常に速く、消費する電力が少ない。また、磁気メモリは通常、ハードドライブのような従来の長期記憶装置よりも著しく速く(数桁だけ)読出しおよび書込み動作を実行することができる。さらに、磁気メモリは通常、他のタイプの従来のメモリよりもコンパクトであり、より多くの情報をより小さな空間に記憶するのを容易にする。
【0005】
典型的なMRAMデバイスは、メモリセルのアレイを含み、ワード線がメモリセルの行に沿って延在し、ビット線がメモリセルの列に沿って延在する。各メモリセルはワード線とビット線との交点に配置される。メモリセルは一般に、スピン依存トンネル(SDT)接合のようなトンネル磁気抵抗(TMR)素子に基づく。従来のSDT接合は、ピン止め層(pinned layer)と、センス層と、ピン止め層とセンス層との間に挟まれた絶縁性トンネル障壁とを含む。ピン止め層は、所定の範囲内に磁界強度が印加されても回転しないように固定された磁化の向きを有する。センス層は2つの方向のいずれか、すなわちピン止め層の磁化と同じ方向か、またはピン止め層の磁化と反対の方向かのいずれかに向けられることができる磁化を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ピン止め層の磁化の向きは、一般に下側にある反強磁性(AF)ピンニング層によって固定される。いくつかの従来の磁気抵抗メモリデバイス内のピン止め層は、ある正味の磁気モーメントを有し、それが望ましくない作用を引き起こす場合がある。1つのそのような作用は減磁界の作用である。たとえば、ピン止め層からの磁界がセンス層に達し、この磁界があまりにも強くなる場合には、データの損失を引き起こすようにセンス層と相互作用する。さらに、ピン止め層からの磁界が存在することにより一般に、データ層の状態を切り替えるために非対称な磁界を用いることが必要になり、一般に書込み過程がさらに複雑になる。書込み中の漂遊磁界に対する許容度が低くなるので、さらに複雑な状態が生じる場合もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁気メモリデバイスと方法である。本発明の一実施形態では、磁気メモリデバイスは、合成フェリ磁性データ層と、軟らかい基準層と、トンネル層とを含む。合成フェリ磁性データ層は、第1の向きおよび第2の向きに向けることができる磁気モーメントを有する。軟らかい基準層は合成フェリ磁性データ層よりも低い保磁度を有する。トンネル層は、合成フェリ磁性データ層および軟らかい基準層の磁気モーメントの向きによって影響を及ぼされる電気抵抗特性を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明、すなわち磁気メモリシステムおよび方法の好ましい実施形態が詳細に参照され、それらの例が添付図面に示される。本発明は好ましい実施形態とともに説明されることになるが、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図していないことは理解されたい。それどころか、本発明は代替形態、修正形態および等価物を網羅することを意図しており、それらは特許請求の範囲によって規定されるような本発明の思想および範囲内に含まれ得る。さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解してもらうために、多数の具体的な細部が述べられる。しかしながら、本発明は、これらの具体的な細部を用いることなく実施され得ることは理解されたい。また、本発明の態様を不必要に曖昧にしないために、良く知られた方法、手順、構成要素および回路は、詳細に説明されていない。
【0009】
本発明は、磁気メモリシステムおよび方法において、情報を都合よく効率的に格納することを容易にする。一実施形態では、本発明の磁気メモリデバイスは、(磁気的に)硬い合成強磁性データ(別称は、センス)層と、(磁気的に)軟らかい合成強磁性基準層とを含む。「硬い」および「軟らかい」という用語は相対的であり、本発明の説明を簡略化し、かつ不明瞭にするのを避けるために、説明の便宜上、「相対的に硬い」または「相対的に軟らかい」という語は単に「硬い」または「軟らかい」と呼ばれることは理解されたい。合成強磁性層を用いることにより、データ層および/または基準層の磁性サブ層を構成する際に同じ磁性材料を利用することが容易になる。これにより、正確な結晶方位を得ることに影響する組織および成長メカニズムの特異性の数が最小限に抑えられる。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による磁気メモリデバイス10のブロック図を示す。1つの例示的な実施形態では、磁気メモリデバイス10はメモリセルである。磁気メモリデバイス10は、合成フェリ磁性データ層12と、軟らかい基準層14と、合成フェリ磁性データ層12と軟らかい基準層14との間にあるトンネル障壁16とを有する磁気トンネル接合11を含む。合成フェリ磁性データ層12はトンネル障壁16に結合され、トンネル障壁16は軟らかい基準層14に結合される。合成フェリ磁性データ層12はセンス層と呼ばれる場合もあり、第1および第2の向きに向けることができる磁気モーメントを有する。合成フェリ磁性データ層12の磁化(ベクトルM1によって表される)および軟らかい基準層14の磁化(M2によって表される)は、2つの方向(たとえば、データ層12のEA1のような磁化容易軸に沿った方向)のいずれかに概ね向けられるように動的に制御される。たとえば、トンネル障壁16によって、合成フェリ磁性データ層12と軟らかい基準層14との間に量子力学トンネル効果が生じるようになり、垂直方向に加えられる電流に対する結果としての抵抗が、合成フェリ磁性データ層12と軟らかい基準層14との相対的な磁気モーメントの向きによって影響を及ぼされる。
【0011】
合成フェリ磁性データ層12および軟らかい基準層14は、種々の材料からなることができる。たとえば、軟らかい基準層14は、強磁性材料、あるいは人工反強磁性体としても知られる合成フェリ磁性材料(SF)から形成され得る。また、合成フェリ磁性データ層12および軟らかい基準層14は、異なる保磁度も有する。たとえば、基準層14は、「硬い」データ層12(たとえば、より高い保磁度を有する)に対して「軟らかい」(たとえば、より低い保磁度を有する)。保磁度は、層の磁気モーメントの向きが如何に容易に変更されるかに影響を与える。たとえば、軟らかい層の磁気モーメントの向きを変更するのは比較的容易である(たとえば、導体を流れる小さな電流によって生成される「弱い」磁界を用いることができる)。
【0012】
トンネル障壁16のトンネル現象は電子スピン依存性であり、それにより磁気トンネル接合11の抵抗が、データ層12および基準層14の磁化ベクトル(M1およびM2)の相対的な向きの関数になる。たとえば、垂直方向に加えられる(たとえば、合成フェリ磁性データ層12からトンネル障壁16を通って軟らかい基準層14に、あるいはその逆に流れる)電流に対する磁気トンネル接合11の抵抗は、磁化ベクトル(たとえば、M1およびM2)の相対的な向きが同じである場合には第1の値(たとえばR)であり、磁化の向きが反対である場合には第2の値(たとえばR+ΔR)である。トンネル障壁16は、酸化アルミニウム(Al)、二酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(Ta)、窒化シリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)および/または酸化マグネシウム(MgO)を含む種々の誘電体および半導体材料から形成され得る。トンネル障壁16の厚みは、ある範囲(たとえば、約0.5ナノメートルから約3ナノメートル)内で変動する可能性がある。本発明は、特定のトンネル障壁の範囲に必ずしも限定されない。
【0013】
格納された論理ビットの値を示すために、磁気トンネル接合11の2つの異なる抵抗状態を用いる。たとえば、合成フェリ磁性データ層12および軟らかい基準層14の磁化ベクトルの向きが同じであるとき、垂直方向に加えられる電流に対する抵抗は、第1の所定の論理値(たとえば「0」)に対応する第1の抵抗値範囲内にあり、向きが反対であるとき、垂直方向に加えられる電流に対する抵抗は第2の所定の論理値(たとえば「1」)に対応する第2の抵抗値範囲内にある。合成フェリ磁性データ層12の磁化ベクトルM1および軟らかい基準層14の磁化ベクトルM2が概ね同じ方向を指す場合には、磁気トンネル接合11の向きを「平行」であると呼ぶことができる。磁化ベクトルM1およびM2が概ね反対の方向を指す場合には、磁気トンネル接合11の向きを「反平行」であると呼ぶことができる。2つの磁気の向き(平行および反平行)に対応する抵抗値は、論理値(たとえば「0」および「1」)に関連付けられ得る。ある特定の向きの構成によって表される論理値は、1つの実施形態において任意に予め決定される。
【0014】
本発明は、2つの層の磁化の向きが互いに対して平行か、または反平行かのいずれかであることに限定されない。より一般的には、各層の磁気の向きは、層間で測定される抵抗の範囲が2つの識別可能な状態に関して異なるように選択され得る。1つの例示的な実施形態では、第1の状態は第1の安定した向きを含み、第2の状態は第2の安定した向きを含む。たとえば、合成フェリ磁性センス層は、2つの識別可能な状態のいずれかの磁化に関して動作可能である。2つの識別可能な状態は2つの安定した向きに関連付けられ、合成フェリ磁性データ層12の磁気の向きのベクトルM1と軟らかい基準層14の磁気の向きのベクトルM2との間の第1の角度範囲と、第2の角度範囲とを含むことができ、その場合、トンネル層の両端の電気抵抗は、2つの安定した磁気モーメントの向きに対応する第1の抵抗範囲と第2の抵抗範囲とを有する。電流に対する抵抗は、軟らかい基準層14の磁気の向きに対する合成フェリ磁性データ層12の第1または第2の磁気の向きの相対的な方向に応じて変化する。
【0015】
磁気メモリデバイス10内のデータ層および基準層の磁気の向きは、一群の電気導体要素に関連付けられる電磁界によって制御される。図1をさらに参照すると、x軸に沿って延在する第1の導体18が合成フェリ磁性データ層12に結合される。y軸に沿って延在する第2の導体20が軟らかい基準層14に結合される。第1および第2の導体18および20は、概ね直交するものとして示される(ただし、本発明は直交する向きに限定されない)。第2の導体20の下には第3の導体22(たとえば読出し導体)が存在し、それもy軸に沿って延在する。絶縁体24(たとえば、誘電体材料の層)が、第2の導体20と第3の導体22とを分離する。導体(たとえば、18、20、22)は、アルミニウム、銅、金または銀を含む種々の導電性材料からなることができる。導体(たとえば、導体18、20および/または22)に特定の方向に電流を加えることにより、データ層および/または基準層は、導体の電流によって生成される電磁界にさらされる。十分な強度の磁界が印加されるとき、データ層および基準層の磁気の向きが、立証されている電磁気の原理(たとえば右手の法則)に適合し、明らかになる。
【0016】
図2Aおよび図2Bは、スペーササブ層54(たとえば、スペーサ層54は金属である)によって分離される第1および第2の強磁性サブ層50および52を含む合成フェリ磁性層59の一例を示す。一例では、第1のサブ層は第1の向きまたは第2の向きのいずれかに回転可能な磁気モーメントの向きを有し、スペーササブ層は第1および第2のサブ層と磁気的に結合して、第2のサブ層が第1のサブ層と概ね反対に維持される磁気の向きを有するようにする。強磁性サブ層50および52は、コバルト鉄(CoFe)、ニッケル鉄(NiFe)、コバルト(Co)等を含む種々の材料から形成されることができ、スペーササブ層54は、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)、テルル(Te)、クロム(Cr)等を含む導電性で、非磁性の材料から形成され得る。1つの例示的な実施形態では、スペーササブ層の厚みは、約0.2nm〜2nmの範囲内にあり、各強磁性サブ層50および52は、同じ形状のヒステリシスループを有する、約790〜7900A/m(10〜100Oe)の範囲内の保磁度を有する。
【0017】
2つの強磁性サブ層の磁化ベクトルまたは磁気モーメントの向き間の交換結合は非常に強い。結果として、磁化ベクトルを「減結合し」、強磁性サブ層50および52において概ね逆向きの磁気モーメントの維持を解消するためには、非常に大きな磁界(たとえば3.2×10A/m(4000Oe))が必要とされるであろう。たとえば、同じ方向を向く両方の強磁性層50および52の磁気モーメントの向きを完全に回転させるためには、3.2×10A/m(4000エルステッド)の磁界が必要とされる可能性がある。スペーサ層54のための適切な厚みおよび材料を選択することにより、交換結合を適度な強さにし、標準的な動作条件において、非常に小さな減結合または回転が生じて、強磁性層50および52の磁気モーメントベクトルが概ね180°異なる向きを指すようにすることができる。
【0018】
合成フェリ磁性層の全モーメントまたは正味のモーメントは、強磁性サブ層のモーメントの差によって求められる。たとえば、合成フェリ磁性層59の全モーメント(MSF)は、第1の強磁性サブ層50のモーメント(MFM1)から第2の強磁性サブ層52のモーメント(MFM2)を引いた値に等しい。この関係は、式MSF=MFM1−MFM2によって表すことができる。本発明のこの不平衡の(等しくない)モーメントM1およびM2は、全体として0ではないモーメントを生じる。保磁度が低いことにより、SF層(たとえば基準層14)の全磁化ベクトル(たとえばM2)は、図2Aに示される向きと図2Bに示される向きとの間で容易に切り替えられることが可能になる。
【0019】
スペーササブ層54の材料および寸法(たとえば厚み)は、第1および第2のサブ層50および52が磁気的に結合され、それらの磁気の向きが概ね反対、すなわち反平行になるように選択される。たとえば、図2Aはy軸の負の方向に沿って向けられる上側サブ層52の磁化ベクトルM2Aと、y軸の正の方向に沿って向けられる下側サブ層50の磁化ベクトルM2Bとを示す。スペーサ層54の厚みは、スペーサ層54に含まれる材料で決まる可能性がある。たとえば、スペーササブ層54の厚みは約0.2nm〜2nmとすることができる。
【0020】
本発明の一実施形態では、合成フェリ磁性層は主サブ層を有し、主サブ層は、データ層、磁気トンネル障壁および主サブ層(たとえばサブ層50)にわたって測定される抵抗に影響を与える。測定される抵抗は、データ層の磁気モーメントの向きまたは方向を判定するために用いられる。一実施形態では、主サブ層はトンネル障壁(たとえば、トンネル障壁16)に最も近い。1つの典型的な実施形態では、基準方向づけ導体(たとえば、第3の導体22)は、合成フェリ磁性層の別のサブ層よりも1つの強磁性サブ層(たとえば、50あるいは52)だけ離れている。こうして、各サブ層の磁気の向きが、その選択によって、各強磁性サブ層において1つの方向を支持することをわかることができ、その方向は、読出し導体(たとえば、第3の導体22)を流れる電流の方向に部分的に依存する。
【0021】
本発明の一実施形態では、合成フェリ磁性(SF)層の保磁度は低い。たとえば、合成フェリ磁性(SF)層(たとえば、合成磁気基準層)の保磁度は、別の層(たとえば、合成磁気データ層)よりも低く、より低い保磁度の合成フェリ磁性層は、より高い保磁度の層に対して軟らかい。たとえば、SF層内の保磁度が著しく低いことにより、SF層(たとえば、基準層14)の磁化ベクトル(M2AおよびM2B)は、向き(たとえば、図2Aおよび図2Bに示される)の間で容易に切り替えられることが可能になる。実際には、強磁性層50および52のための磁気モーメントベクトルM2AおよびM2Bの向きは、磁界がかけられる直前には、概ね反対の方向にある。一旦、磁界がかけられたなら、それらの向きは立証されている電磁気の原理(たとえば右手の法則)にしたがって明らかになる。合成フェリ磁性層の保磁度は低いので、強磁性層50および52に比較的小さな磁界がかけられる場合でも、磁化ベクトルM2AおよびM2Bが既知の(たとえば、印加された磁界に直交する)位置に動かされる。基準層は、正味の磁気モーメント(たとえば、正味の磁化ベクトル)が概ね0になるように構成される合成フェリ磁性層を含むことができる。たとえば、基準層は、概ね等しく、かつ反対を向く多数の磁化ベクトル(たとえば、磁化ベクトルM2AおよびM2B)を含むことができ、ひいては本質的に、ある距離において互いに「相殺する」ことができる。
【0022】
本発明の一実施形態では、合成フェリ磁性(SF)層の保磁度は比較的高い。たとえば、合成フェリ磁性(SF)層(たとえば、合成磁気データ層)の保磁度は別の層(たとえば、合成磁気基準層)よりも高く、より高い保磁度の合成フェリ磁性層は、より低い保磁度の層に対して硬い。SF層の保磁度が高いことにより、SF層(たとえば、データ層12)の磁化または磁気モーメントベクトル(M2AおよびM2B)が、低い磁界をかけても切り替わることなく、ある向き(たとえば、図2Aおよび図2Bに示される)を保持することが可能になる。実際には、強磁性層50および52の磁気ベクトルM2AおよびM2Bの向きは、十分に強い磁界にさらされる際に設定される。一旦、磁界がかけられたなら、それらの向きは立証されている電磁気の原理にしたがって明らかになる。合成フェリ磁性層の保磁度は高いので、強磁性層50および52に比較的小さな磁界がかけられる場合でも、磁化ベクトル(たとえば、M2AおよびM2B)は、確立されている位置から変化しない。
【0023】
図3は、硬い層(たとえば、データ層12)と軟らかい基準層(たとえば、基準層14)との間の典型的な保磁度の関係を示す図である。硬いデータ層の保磁度(Hc1)は、軟らかい基準層の保磁度(Hc2)よりも非常に(たとえば、少なくとも2倍〜5倍)高い。たとえば、硬いデータ層の保磁度(Hc1)は約1975A/m(25Oe)にすることができ、軟らかい基準層の保磁度(Hc2)は約395A/m(5Oe)にすることができる。したがって、基準層はデータ層よりも軟らかいとみなされ、基準層の磁化ベクトル(たとえばM2)は非常に容易に反転する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態では、合成フェリ磁性層は、3つ以上の強磁性層からなる。これらの実施形態では、隣接するサブ層(たとえば、強磁性サブ層)はスペーササブ層(たとえば、スペーサ層54に類似)によって結合されることができ、隣接するサブ層に対して概ね反対の方向の磁気の向きを有することができる。一実施形態では、合成フェリ磁性層の正味の磁気モーメントは、基準層として用いられるときには実質的に0である。複数の実施形態が、合成フェリ磁性基準層に奇数および偶数両方の数の強磁性層を設ける。
【0025】
ここで図4を参照すると、本発明の一実施形態、すなわち磁気メモリの方法400の流れ図が示される。磁気メモリの方法400は、磁気記憶デバイスを動作させる方法を提供する。磁気メモリの方法400は、硬い合成フェリ磁性データ層および軟らかい基準層の利用を容易にする。1つの典型的な実施形態では、データ層および基準層の付近に電流が流され、データ層および基準層それぞれの磁気モーメントの向きに影響を与える磁界が生成される。
【0026】
ステップ410では、合成フェリ磁性データ層において、ある特定の磁気の向きが確立される。特定の磁気の向きは、合成フェリ磁性データ層に情報を「格納」または「書き込む」ために用いられる論理値(たとえば、データビットの論理値)に対応する。これは、磁界を生成する第1の導体(たとえば第1の導体18)および第2の導体(たとえば第2の導体20)に1つまたは複数の電流を加えることにより達成され得る。データ層は、合成フェリ磁性データ層の磁気の向きを設定または生成する磁界にさらされる。その電流は、組み合わせにおいてデータ層の保磁度を超える磁界を生成するのに十分に高く、それによりデータ層の磁化ベクトル(たとえばM1)が所望の向き(その向きは、第1および第2の導体に供給される電流の方向に依存する)に設定される。その磁化は、論理「1」に対応する向きか、または論理「0」に対応する向きに設定される。データ層の磁化ベクトル(たとえばM1)は、導体(たとえば、18および20)から書込み電流が除去された後も、その向きを保持する。
【0027】
基準層(たとえば、強磁性層50および52)の磁化ベクトル(たとえばM2)は、書込みプロセスによって影響を及ぼされる可能性があり、その向きを保持しない可能性がある。基準層(たとえば、基準層14)が「非常に軟らかい」合成強磁性層である場合には、磁化ベクトル(たとえば、M2AおよびM2B)は、第1および第2の導体から書込み電流が除去されるときに、それらの磁化の向きを変更することができる。1つの典型的な実施形態では、導線は選択されたワード線および/またはビット線である。
【0028】
一実施形態では、さらなる導体(たとえば、導体22)を用いて、「書込み」動作を補助することができる。書込み動作中にさらなる導体(たとえば、第3の導体)に電流を供給することにより、その導体の周囲に結果として生成された磁界が、第1および第2の導体に関連した磁界と合成されて、データ層の磁化ベクトル(たとえばM1)を所望の向きに設定することを援助する。
【0029】
さらに図4を参照すると、ステップ420では、軟らかい基準層(たとえば、基準層14)に比較的小さな磁界がかけられる。その比較的小さな磁界によって、軟らかい基準層は、合成フェリ磁性データ層の磁気の向きを変更することなく、所定の磁気モーメントの向きを有するようになる。1つの典型的な実施形態では、比較的小さな磁界は、基準層のサブ層(たとえば、強磁性サブ層52)に、磁界に概ね直交する磁気の向き(たとえばM2A)を確立する。たとえば、基準層は、概ね同じ保磁度を有し、磁気的に反対方向に結合された多数の層またはサブ層自体を有することができる。磁界がかけられることにより、基準層の第1の強磁性層(たとえば、第1の強磁性サブ層52)の磁気の向きが、データ層(たとえば、データ層12)に対して概ね平行か、または概ね反平行かのいずれかの磁気の向き(たとえばM1)に確立される。
【0030】
1つの例示的な実施形態では、導体(たとえば、第3の導体22)に電流が供給され、結果として生成された磁界によって、軟らかい合成フェリ磁性基準層(たとえば、基準層14)内の強磁性サブ層(たとえば、50および52)の磁化ベクトル(たとえば、M2AおよびM2B)が、ある特定の向きをとるようになる。結果として生じた磁界は、合成フェリ磁性データ層12の磁化ベクトル(M1)には影響を及ぼさない。さらに、軟らかい基準層14の保磁度は非常に小さいので、第3の導体の電流の大きさは小さくてもよい。たとえば、合成フェリ磁性基準層14の保磁度バランスはわずか数エルステッド(たとえば、数百アンペア/メートル)とすることができる。
【0031】
ステップ430では、磁気トンネル接合11に垂直に印加された電圧に対する抵抗が測定される。たとえば、軟らかい基準層の第1の強磁性サブ層(たとえば、強磁性層52)と硬いデータ層(たとえば、データ層12)との間の抵抗が測定され、データ層の磁気の向き(たとえばM1)を判定するために用いられる。記憶素子に格納されたビットの論理値が、その抵抗レベルに基づいて判定される。このステップは、基準方向づけ導体(たとえば第3の導体22)に電流を供給しながら、磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)の両端に電圧を印加することにより達成され得る。たとえば、第1および第2の導体18および20を用いて磁気トンネル接合11の両端に電位差を印加することができ、その間に、第3の導体22に供給される電流が軟らかい基準層14の磁気モーメントの向きを確立する。第1および第2の導体18および20によって印加される電位差によって、磁気トンネル接合11に「センス」電流が流れるようになる。センス電流(I)は、磁気トンネル接合11の抵抗に反比例する。したがって、I=V/RまたはI=V/(R+ΔR)である。ここでVは印加される電圧であり、Iはセンス電流であり、Rは磁気トンネル接合11の公称抵抗であり、ΔRは平行な磁化の向きと反平行な磁化の向きとの間の抵抗の差である。
【0032】
本発明は磁気メモリデバイスを読み出す他の方法にも容易に適合させることができる。たとえば、両極性パルスを基準層方向付け導体(たとえば第3の導体22)に加えることができ、接合抵抗の遷移が検査される。図6Aおよび図7Aは、対応する図6Bおよび図7Bのパルス信号のためのM2の向きの変化に関する典型的な実施形態を示す。図6Cおよび図7Cは、結果として生じた抵抗変化または遷移を示す。遷移の方向(たとえば、ハイからローまたはローからハイ)がデータ層の磁化の向きを示し、それゆえ、磁気メモリデバイスに格納された論理値を示す。両極性読出し動作はそれ自体を基準にする。したがって、この動的なセンシング手法は、種々の素子にわたる変動に影響を受けない。
【0033】
ここで図5を参照すると、本発明のメモリデバイスの1つの例示的な実施形態である磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)デバイス610が示される。MRAMデバイス610は、磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)のアレイ612を含む。磁気トンネル接合は行および列に配列され、行はy方向に沿って延在し、列はx方向に沿って延在する。MRAMデバイス610の例示を簡略化するために、比較的少数の磁気トンネル接合のみが示される。実際には、任意のサイズのアレイを用いることができる。磁気メモリトンネル接合は、2つの電気導体(たとえば、ワード線およびビット線)の交点に配置される。ワード線として機能する導電性要素(たとえば、第1の導体18)がアレイ612の一方(たとえば上側)の面内にx方向に沿って延在する。ワード線は磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)のデータ層(たとえばデータ層12)と接触する。ビット線として機能する導電性要素(たとえば、第2の導体20)がアレイ612の隣り合う側(たとえば下側)の面内にy方向に沿って延在する。ビット線は磁気トンネル接合の基準層と接触する。一例では、アレイ612の行当たり1つのワード線が存在し、アレイ612の列当たり1つのビット線が存在する。
【0034】
また、読出し線として機能する導電性要素が一方向(たとえばy方向)に沿って延在する。読出し線は、ビット線よりもトンネル接合から離れていてもよく、ビット線から絶縁されていてもよい。また、MRAMデバイス610は、第1および第2の行デコーダ614aおよび614bと、第1および第2の列デコーダ616aおよび616bと、読出し/書込み回路618とを含む。読出し/書込み回路618はセンス増幅器620と、グランド接続622と、行電流源624と、電圧源626と、列電流源628とを含む。一実施形態では、同じ電気導体が読出し線および/または書込み線として機能することができる。
【0035】
選択された磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)における書込み動作中に、第1の行デコーダ614aが、選択されたワード線(たとえば、第1の導体18)の一端を行電流源624に接続し、第2の行デコーダ614bが、選択されたワード線の他端をグランドに接続し、第1の列デコーダ616aが、選択されたビット線(たとえば、第2の導体20)の一端をグランドに接続し、第2の列デコーダ616bが、選択されたビット線の他端を列電流源628に接続する。結果として、選択されたワード線およびビット線(たとえば18および20)に書込み電流が流れる。書込み電流は磁界を生成し、その磁界によって、データ層および/または基準層の磁気モーメントが、ある特定の方向に向けられ、磁気トンネル接合に影響を与える。また、列デコーダ616aおよび616bによって、選択された磁気トンネル接合を横切る読出し線(たとえば、導体22)に書込み電流が流される。この第3の「書込み」電流は追加の磁界を生成し、その磁界によって、選択された磁気トンネル接合に関連した磁気モーメントの向きの切替えが援助される。データ層の磁化容易軸は、y方向に向けられることができ、データ層の磁気ベクトルはそれに応じてy方向に向けられる。
【0036】
選択された磁気トンネル接合における読出し動作中に、第1および第2の列デコーダ616aおよび616bによって、選択された磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)を横切る基準方向づけ線に安定した電流が流される。基準方向づけ電流は磁界を生成し、その磁界によって、基準層の1つまたは複数の磁化ベクトル(たとえばM2AおよびM2B)が、ワード線(たとえば第1の導体18)に対して平行に向けられる。基準方向づけ電流が依然として加えられている間に、第1の行デコーダ614aが電圧源626を選択されたワード線(たとえば導体18)に接続し、第1の列デコーダ616aが選択されたビット線(たとえば導体20)をセンス増幅器620の仮想グランド入力に接続する。結果として、選択された磁気トンネル接合(たとえば、磁気トンネル接合11)を通ってセンス増幅器620の入力までセンス電流が流れる。このようにして、選択された磁気トンネル接合の抵抗を求めることができる。しかしながら、本発明は、磁気トンネル接合の抵抗を求めるこの方法に限定されない。
【0037】
本発明は、必要に応じて導体に被覆を用いることにも容易に適合させることができる。被覆は、隣接する素子のシールド効果をさらに高め、たとえば、他の任意の線に基準線強磁性材料を被覆することにより、基準線をワード線、ビット線および/または読出し線と組み合わせることができる。1つの典型的な実施形態では、基準線を他の線と組み合わせることにより、余分な相互接続層をなくし、電力の消費を減らすのが容易になる。なぜなら、被覆することにより、読出しおよび書込み電流の大きさを減らすことが可能になるからである。
【0038】
本発明の説明はトンネル磁気抵抗素子(TMR)を引き合いに出すが、必ずしもこのタイプの磁気メモリデバイスに限定されない。本発明は、類似の動作特性を有する他のタイプの磁気抵抗デバイスに関連して実施され得る。たとえば、本発明は巨大磁気抵抗(GMR)デバイスに適用することができる。GMRデバイスはTMRデバイスと同じ基本構成を有するが、データ層および基準層が、トンネル障壁の代わりに導電性の非磁性層によって分離される点が異なる。典型的な層の金属は、金、銀および銅を含む。データおよび基準磁化ベクトルの相対的な向きは、GMRデバイスの面内抵抗に影響を及ぼす。代案として、本発明は上側および下側スピンバルブに適用され得る。
【0039】
本発明の特定の実施形態に関する上述の説明は、例示および説明のために提供されている。それらは、網羅的にすることや、本発明を開示されたそのものずばりの形態に限定することを意図するわけではなく、上述の教示に鑑みて、多くの修正および変形が明らかに可能である。それらの実施形態は、本発明の原理およびその実用的な応用形態を最もわかりやすく説明し、それにより当業者が、考慮される特定の用途に適するように、本発明および種々の修正形態を最も有効に利用できるようにするために選択されて説明された。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの等価物によって規定されることが意図されている。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、磁気メモリシステムにおいて、情報を都合よく、効率的に格納することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による磁気メモリデバイスのブロック図である。
【図2A】磁気モーメントが反対方向に向けられた合成フェリ磁性サブ層の一例を示す図である。
【図2B】向きが反転されたときでも相対的に反対の磁気モーメントの向きを維持する合成フェリ磁性サブ層の一例を示す図である。
【図3】硬いデータ層と軟らかい基準層との間の典型的な保磁度の関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による磁気メモリ方法の流れ図である。
【図5】本発明のメモリデバイスの1つの典型的な実施形態による磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)デバイスを示す図である。
【図6A】パルス信号の対応する変化に関連付けられた磁気モーメントの向きの典型的な変化を示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態による典型的なパルス信号の図である。
【図6C】インパルス信号に応じた磁気モーメントの向きの変化に応答する典型的な結果として、抵抗が減少することを示す図である。
【図7A】パルス信号の対応する変化に関連付けられた磁気モーメントの向きの典型的な変化を示す別の図である。
【図7B】本発明の一実施形態による典型的なパルス信号の別の図である。
【図7C】インパルス信号に応じた磁気モーメントの向きの変化に応答する典型的な結果として、抵抗が増加することを示す図である。
【符号の説明】
10 磁気メモリデバイス
12 合成フェリ磁性データ層
14 基準層
16 トンネル障壁
50、52 強磁性サブ層
54 スペーササブ層

Claims (10)

  1. 磁気メモリデバイスであって、
    第1の向きおよび第2の向きに向けることができる磁気モーメント(M1)を有する合成フェリ磁性データ層(12)と、
    前記合成フェリ磁性データ層(12)よりも低い保磁度を有する軟らかい基準層(14)と、および
    前記合成フェリ磁性データ層(12)および前記軟らかい基準層(14)の磁気モーメント(M1およびM2)の向きによって影響を及ぼされる電気抵抗特性を有するトンネル層(16)とを備える、磁気メモリデバイス。
  2. 前記軟らかい基準層(14)が強磁性材料を含む、請求項1に記載の磁気メモリデバイス。
  3. 前記軟らかい基準層(14)が軟らかい合成フェリ磁性基準層である、請求項1に記載の磁気メモリデバイス。
  4. 前記合成フェリ磁性データ層(12)および前記軟らかい合成フェリ磁性基準層(14)がそれぞれ、
    前記第1の向きか、または前記第2の向きのいずれかに回転することができる磁気モーメントの向き(M2A)を有する第1のサブ層(52)と、
    前記第1のサブ層(52)と概ね反対に維持される磁気モーメントの向き(M2B)を有する第2のサブ層(50)と、
    前記第1のサブ層(52)と前記第2のサブ層(50)とを磁気的に結合するスペーササブ層(54)とを含む、請求項3に記載の磁気メモリデバイス。
  5. 前記軟らかい合成フェリ磁性基準層(14)が、実質的に0である正味の保磁度を有する、請求項4に記載の磁気メモリデバイス。
  6. 前記合成フェリ磁性データ層(12)が、前記軟らかい合成フェリ磁性基準層(14)よりも著しく大きな正味の保磁度を有する、請求項4に記載の磁気メモリデバイス。
  7. 前記第1のサブ層(52)および前記第2のサブ層(50)が、前記合成フェリ磁性データ層(12)および前記軟らかい合成フェリ磁性基準層(14)において異なる構成を有する、請求項4に記載の磁気メモリデバイス。
  8. 前記合成フェリ磁性データ層(14)および前記軟らかい基準層(12)が被覆される、請求項1に記載の磁気メモリデバイス。
  9. 前記第1および前記第2の磁気の向きが、印加される磁界によって誘導される、請求項1に記載の磁気メモリデバイス。
  10. 前記印加される磁界の強度が、概ね数千アンペア/メートルより小さい、請求項9に記載の磁気メモリデバイス。
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