JP2008198875A - スピン注入磁化反転素子および磁気ランダムアクセスメモリ装置 - Google Patents

スピン注入磁化反転素子および磁気ランダムアクセスメモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁化自由層の熱揺らぎ耐性を高めて、長期安定性に優れたSTS素子およびSTS−MRAMを提供することである。
【解決手段】 磁化固定層と磁化自由層がスペーサー層を介して積層された積層膜からなる、巨大磁気抵抗素子またはトンネル磁気抵抗素子で構成され、前記磁化自由層の平面形状が、前記磁化自由層の磁化容易方向に対して交叉する方向にくぼんだ窪みを有することである。このような構成により、情報記録層となる磁化自由層の熱揺らぎ耐性を高めて、長期安定性に優れたSTS素子およびSTS−MRAM装置を実現することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スピン注入磁化反転素子およびスピン注入磁化反転素子を記憶素子とする磁気ランダムアクセスメモリ装置(Magnetic Random Access Memory:MRAM)に関し、特に、熱揺らぎ耐性の高い磁化自由層を有するスピン注入磁化反転素子及びそのスピン注入磁化反転素子を記憶素子とするMRAM装置に関する。
(1)MRAMとは
MRAMは、記憶素子に磁気抵抗素子を用いた不揮発性メモリである。
MRAMは、SRAM並みの高速な読み書きが可能である。また、フラッシュメモリの10分の1程度の低消費電力、高集積化が可能などの長所がある。すなわち、高速性、高集積性,不揮発性、及び低消費電力等メモリとして重要な属性を殆ど備えている。このため、SRAM(高速アクセス性)、DRAM(高集積性)、フラッシュメモリ(不揮発性)のすべての機能をカバーする「ユニバーサルメモリ」としての応用が期待されている。
MRAMに用いられる磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗(Giant Magneto Resistive : GMR) 素子またはトンネル磁気抵抗(Tunneling Magneto Resistive : TMR)素子である。これらは、2層の強磁性膜で非磁性膜または絶縁膜を挟んだ積層膜によって構成されており、電子の持つスピンと強磁性膜との相互作用によって大きな磁気抵抗が発現するという特徴を持っている。しかも、これらの素子は、印加された磁場の方向によって磁気抵抗の大きさが変化し、磁場が消えた後も磁気抵抗の値が保持されるという記憶機能を持っている。この記憶機能を利用したのが、MRAMである。
MRAMは、最初GMR素子を用いて開発された。しかし、GMR素子は、記憶素子として用いるには抵抗の変化が小さい。このため読み出し信号の電圧が小さく、高速性よりも放射線耐圧が重視される宇宙用などの特殊な用途に応用された。その後、抵抗値の変化が大きなTMR素子が発明され、開発の主流はTMR素子を用いたMRAMに移行した。
(2)CFS−MRAM
図17は、最初に開発されたMRAMの概略斜視図である。但し、MOS53及び配線は回路記号で表し、図面が複雑にならないようにした。図18は、このMRAMをA−A’線で見た断面の概略図である。このタイプのMRAMは、ワード線50に流した電流によって磁場を発生させてTMR素子51の磁気抵抗を変化させるので、電流磁界書込み(Current Field Switching )方式MRAMすなわちCFS−MRAMと呼ばれている(特許文献1)。
CFS−MRAMは、図17及び図18に示すように、ビット線52とワード線50が交叉する位置にTMR51が配置された構成になっている。TMR51の上面は非磁性体からなるキャップ層101を介してビット線52に接続され、一方TMR51の下面は半導体基板上に形成されたMOSトランジスタ(選択トランジスタ)53に多層配線100を介して接続されている。このようにMRAMのメモリセルは、1つのTMRと1つのMOSトランジスタによって構成される。
TMRは、図19に示すように、磁化固定層55と磁化自由層54が障壁層56を介して積層された磁性体多層膜である。TMRの抵抗値は、磁化自由層54の磁化方向によって変化する(磁気抵抗効果)。TMRは、1ビットの情報を、この抵抗値の変化に対応させて記録する。
TMRへの情報の書き込みには、ワード線50とビット線52が用いられる。ビット線52とワード線50双方に電流を流し、両者の交叉位置に合成磁場を形成して磁化自由層54の磁化方向を反転させることによって、情報が書き込まれる。
一方、TMRからの情報の読出しには、MOSトランジスタ(選択トランジスタ)53とビット線52が用いられる。MOSトランジスタ(選択トランジスタ)53をオン状態にしてTMRに電流を流し、その磁気抵抗の変化をビット線52の電位の変化として検出することによって情報が読み出される。
(2)TMR
基本的なTMRの断層構造は、図20のように、反強磁性体層57に強磁性体層58が積層された磁化固定層55、薄い絶縁膜からなる障壁層56、及び強磁性体からなる磁化自由層54で構成されている。更に、磁化固定層55は下部電極61の上に積層され、磁化自由層54の上には非磁性金属層71と上部電極60が積層される。
一方、TMRの平面構造は、例えば長方形や楕円のような細長い図形に形成される。このため磁化自由層54および磁化固定層55を構成している強磁性体には、長手方向を磁化容易方向とする形状磁気異方性が付与される。
また、TMRの大きさは、長手方向で数100nmと極めて微細である。このため磁化自由層54および磁化固定層55を構成している強磁性体は、単磁区構造になる。すなわち、磁化自由層54および磁化固定層55の強磁性体は、上記楕長手方向に磁化した一軸性の単磁区構造をとる。
更に、磁化固定層55を構成する強磁性体は、反強磁性層57から交換磁場を受け磁化方向が一方向に固定されている。一方、磁化自由層54は、外部磁場の作用によって容易に磁化反転する。
磁化自由層54と磁化固定層55の間には絶縁体からなる障壁層56が介在し、上記各層に対して垂直方向62へ電子が移動することを妨げている。しかし、障壁層56は極めて薄いため、上部電極60と下部電極61の間に電圧が印加されると、障壁層56を貫通するトンネル電流が流れる。このトンネル電流の大きさは、磁化自由層54と磁化固定層55の磁化方向(正確には、磁化自由層54と磁化固定層55を構成する強磁性体58の磁化方向)が平行の場合小さく、反平行の場合は大きくなる。これは、両磁化層における電子のバンド構造(磁場によるバンド分極を考慮したバンド構造)が、磁化方向が平行の場合には同一であるのに対して、磁化方向が反平行の場合には異なった構造となるためである。このため磁化自由層54の磁化方向によって、障壁層55における伝導電子のトンネル確率が変化し、その結果電流の大きさが変わる。すなわち、磁化自由層54の磁化方向によって、TMRの抵抗値が変化する。
抵抗値の変化の機構は異なるが、GMRでも、磁化自由層54と磁化固定層55の磁化方向が平行の場合には抵抗が低く、反平行の場合には抵抗が大きくなる。
(3)STS−MRAMおよびスピン注入磁化反転素子
従来のMRAM(CFS−MRAM)の集積度は、高々十数Mb程度である。しかし、Gb(ギガビット級)の大容量を実現しようとすると、書込み電流が大きくなるという問題がある。
CFS−MRAMでは、現状でも書込みに大きな電流を必要としている。Gb級のTMRでは素子サイズが200nm以下になり、そのため磁化自由層54の反磁界は大きくなる。従って、書込み電流は更に大きくなり、消費電力の著しい増大が避けられない。更に、CFS−MRAMには、素子構造が複雑で製作が容易でないというデメリットもある。
これを解決すると期待される技術が、スピン注入磁化反転法(Spin Transfer torque Switching:STS)である。この技術を用いた磁気抵抗素子は、スピン注入磁化反転素子(以下、STS素子と称する)と呼ばれている。また、このスピン注入磁化反転素子を記憶素子として用いたMRAMは、STS−MRAMと呼ばれている。この磁化反転方式は、現行の電流磁界書込み方式とは逆に、素子サイズが小さくなるほど書込み電流が小さくなる画期的な方法である(非特許文献1)。
スピン注入磁化反転は、最初にGMR素子で観察され、続いてTMR素子でも観察された。そのメカニズムは、GMR素子でもTMR素子でも同じである。従って、3層構造を有するGMRを例として、スピン注入磁化反転について説明する。
ここで説明するSTS素の子構造は、基本的にはGMR素子と同じある。スピン注入磁化反転のためには、GMRを構成する磁性体多層膜に、垂直方向に電流を流す必要がある。このため磁性体多層膜の上面及び下面には、この電流を流すための電極が設ける必要がある。通常、この電極は、素子抵抗(磁気抵抗)を読み出すための電極としても用いられる。
図21(a)に示すような各層に垂直な方向に電流を流す形式の巨大磁気抵抗素子(CPP−GMR:Current perpendicular to plane−GMR)を考える。この素子は、磁化固定層55、非磁性体からなるスペーサー層70、および磁化自由層54から構成されている。磁化固定層55中の電子のスピン(S1)は上向きに固定され、磁化自由層54中の電子のスピン(S2)は図のように傾いているとする。磁化固定層55から磁化自由層54に電子を流す(電流Is−)と、上向き(↑)のスピンを持った磁化固定層55中の伝導電子64(例えば、s電子)はスピンを保存したままスペーサー層70を伝導して磁化自由層54に入射し、磁化自由層54中に局在する電子(例えば、d電子)と交換相互作用をして出ていく。その結果、磁化自由層54中に局在する電子に上向きのトルクが与えらえる。この場合、電流密度が十分大きいとS1とS2は平行になる。
一方、逆向きに磁化自由層54から磁化固定層55に電子65を流す(電流Is+)と、磁化自由層54の傾いたスピンを持った電子(偏極電子)は、そのままスペーサー層70内を磁化固定層55に向かって流れる。この電子はスピンが傾いているので、反射・散乱等の物理現象において一定の確率で上向き(↑)のスピンを持った電子又は下向き(↓)のスピンを持った電子として振舞う。スペーサー層70を通過した偏極電子のうち上向き(↑)のスピンを持った電子は、スピンを保存したままスペーサー層70を伝導して磁化自由層54に入射し、磁化自由層54中の電子に上向きにトルクを及ぼし自身は傾いて出て行く。しかし、磁化固定層55のスピンは固定されているので変化しない。一方、下向き(↓)を持った電子は、スペーサー層70と磁化固定層55の界面で反射され磁化自由層54に戻り磁化自由層54内の電子65に下向きにトルクを及ぼす。従って、電流密度が十分大きいとS1とS2は反平行になる。
すなわち、電流の向きを変えるだけで磁化自由層54の磁化の方向を、平行、反平行の間で切り替えることができる。この磁化反転の効果はCPP−GMR素子の抵抗値に反映され、図22のようなヒステリシスが観察される。
図22の横軸は電流を、縦軸は磁気抵抗を表す。図中に示した記号APは、磁化自由層の磁化方向が磁化固定層に対して反平行な状態を表す。同じく、Pは磁化方向が平行な状態を表す。同図中の抵抗の飛びは、磁化反転に対応している。またIc1は、磁化自由層の磁化が、磁化固定層に対して反平行から平行に反転する臨界電流を表す。また、Ic2は、磁化自由層の磁化が、磁化固定層に対して平行から反平行に反転する臨界電流を表す。なお、電流の向きは、磁化固定層55から磁化自由層54に流れる向きを正とした。
c1,Ic2を与える数式は、既に、導出されている(非特許文献1)。その数式を見れば、素子サイズが小さくなるほど、STS素子の書込み電流が小さくなることは明らかです。
c1,Ic2すなわち磁化反転が起きる臨界電流は、式(1)〜(3)のように表される。
Figure 2008198875
Figure 2008198875
Figure 2008198875
ここで、αは制動因子を、eは電子電荷を、μはボーア磁子を、γは磁気ジャイロ定数を表す。また、Aは磁化自由層の面積を、tは磁化自由層の厚さを表す。また、Hexは外部磁界を、Haniは磁化自由層の異方性磁界(磁化自由層は単磁区構造なので、保磁力Hcに等しい)を表す。また、θは磁化固定層と磁化自由層の磁化のなす角度を、g(θ)はスピン注入磁化反転効率を表す。また、Mは磁化自由層の飽和磁化を、Pは磁化自由層の分極率(スピン偏極度)を表す。
STS素子では、書き込みに磁界を用いないので、外部磁界Hexはゼロである。また、磁化自由層の異方性磁界Haniはは飽和磁化Mに比べて十分小さい。従って、式(1)及び(2)は以下のように変形することができる。
Figure 2008198875
Figure 2008198875
ここで、V(=t×A)は磁化自由層の体積を表す。
式(4)及び(5)は、臨界電流が磁化自由層の体積に比例することを示している。従って、STS素子は素子寸法が小さくなると、臨界電流すなわち磁化反転電流が小さくなる。このため、集積度を上げても消費電流は増大しない。
しかも、外部磁界による書き込みが不要なので、書き込み専用のワード線を設ける必要がない。従って、素子構造は、図17及び図18に示したCFS−MRAMからワード線50を除いたものとなる。このため素子構造が簡単になり、製作が容易になる。
特開平11−317071号公報 屋上公二郎、鈴木義茂:日本応用磁気学会誌、Vol.28 、No.9、2004年、第937頁〜948頁 J.Hayakawa, S.Ikeda; JJAP,vol.44, 2005,pp.L1267-1270
Gbit級のSTS−MRAMを実現のための目標値としては、次ぎのような試算がある(非特許文献1)。すなわち、素子面積Aとしては〜0.1μm−2、RA(抵抗*面積)としては〜数十ohm・μm、MR(磁気抵抗変化率)としては30%以上、磁化反転臨界電流Iとしては0.1mA以下と試算されている。このIに相当する臨界電流密度J(=I/A)は、1MA/cm以下となるが、既に、この値より低い臨界電流密度(J=0.78〜0.88MA/cm)を達成したとの報告もなされている(非特許文献2)。従って、素子面積Aを0.1μm−2以下に加工すれば、磁化反転臨界電流Iの目標値達成も可能であり、このような加工は半導体集積回路製造技術を利用すれば十分可能である。
しかし、素子面積Aすなわち磁化自由層の面積を小さくし過ぎると、記録した情報(磁化自由層の磁化方向)の長期安定性に問題が生じる。
磁性体は、その体積が小さくなると外部の熱エネルギーによって磁性軸を一方向に保つことができなくなる。この現象は熱揺らぎと呼ばれ、磁気ディスクが記録情報を長期間安定に保つことを困難にする原因として知られている。
微細な磁性体が磁性軸を一方向に保つエネルギーは、体積に比例する。従って、磁性体の体積が小さくなり過ぎると、磁化方向を乱そうとする熱エネルギーが無視できなくなる。このため磁気ディスクが高密度化し、磁性粒子が小さくなるにしたがって書き込まれた磁化の長期安定性が問題になる。
同じ問題が、STS素子についても懸念される。STS素子は、高集積化されることによって書き込み電流が小さくなるので高集積化に適している。しかし、素子サイズが小さくなると熱揺らぎ耐性が低下する。従って、高集積化のためには熱揺らぎ耐性を高める工夫が必要になる。
そこで、発明の目的は、磁化自由層の熱揺らぎ耐性を高めて、長期安定性に優れたSTS素子およびSTS−MRAMを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、磁化固定層と磁化自由層がスペーサー層を介して積層された積層膜からなる、巨大磁気抵抗素子またはトンネル磁気抵抗素子で構成され、前記磁化自由層の平面形状が、前記磁化自由層の磁化容易方向に対して交叉する方向にくぼんだ窪みを有することを特徴とする。
このような構成を採用することによって、磁化自由層の保磁力が大きくなり熱揺らぎ耐性が高くなるので、スピン注入磁化反転素子の長期安定性が向上する。
本発明の第2の側面は、第1の側面において、前記窪みを2つ有し、2つの前記窪みが対向して、前記平面形状に括れを形成していることを特徴とする。
このような構成を採用することによって、磁化自由層の保磁力がより大きくなり熱揺らぎ耐性が高くなるので、スピン注入磁化反転素子の長期安定性が向上する。
本発明の第3の側面は、第1または2の側面において、前記窪みが一つであることを特徴とする。
このような構成を採用することによって、より簡単な製造工程によって、磁化自由層の保磁力を大きくすることができる。
本発明の第4の側面は、前記巨大磁気抵抗素子または前記トンネル磁気抵抗素子が、前記磁化自由層の上に、更に、他のスペーサー層と、前記磁化固定層とは反平行に磁化した他の磁化固定層とが積層されてなるデュアルピン構造を有することを特徴とする。
このような構成を採用することによって、磁化自由層のスピンを反転させるための電流を少なくすることができる。
本発明の第5の側面は、第1乃至4の側面において、前記磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する磁化方向制御装置と、前記磁化自由層の磁化方向によって変わる、前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する磁気抵抗検出装置とが、前記積層膜を上下から挟む一対の電極に接続されていることを特徴とする。
本発明の第6の側面は、磁気ランダムアクセスメモリ装置において、第1乃至5の側面のスピン注入磁化反転素子を有し、前記スピン注入磁化反転素子の磁化方向に対応させて1ビットの情報を記録し、前記磁化方向を反転させることによって前記情報を書き換えることを特徴とする。
このような構成を採用することによって、高速性、高集積性,不揮発性、及び低消費電力というSTS−MRAMの特質に加え、記録保磁特性が長期安定な記録装置を実現するこができる。
本発明の第7の側面は、磁気ランダムアクセスメモリ装置において、第1乃至5の側面のスピン注入磁化反転素子とトランジスタを有し、前記スピン注入磁化反転素子を構成する前記積層膜を上下から挟むように形成された一対の電極の一方にビット線が接続され、前記一対の電極の他方に前記トランジスタの一方のソース・ドレイン領域が接続され、前記トランジスタの他方のソース・ドレイン領域が接地電位に接続されたメモリセルと、前記スピン注入磁化反転素子の磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁化方向制御装置と、前記磁化自由層の磁化方向によって変わる前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁気抵抗検出装置とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、情報記録層となる磁化自由層の熱揺らぎ耐性を高めて、長期安定性に優れたSTS素子およびSTS−MRAM装置を実現することができる。しかも、磁化反転が起きる臨界電流密度は増加しないので、低消費電力且つ記録された磁気情報の長期安定性に優れたSTS素子およびSTS−MRAM装置を実現するこができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
STS素子の書込特性は、次式で定義される臨界電流密度によって評価される。
Figure 2008198875
ここでIc1は磁化自由層の磁化方向が(磁化固定層に対して)平行から反平行に反転する臨界電流を表し、Ic2は反平行から平行に反転する臨界電流を表す。Aは、磁化自由層の面積(STS素子のセル面積)である。
この値Jが小さいほど、STS素子への書込電流が小さくなる。
磁化自由層の熱揺らぎ熱耐性を高めるためSTS素子の構造を改良する場合には、この臨界電流密度Jが上昇しないように注意しなければならない。
式(6)に、式(4)及び(5)を代入すると次式のようになる。
Figure 2008198875
なお、式(7)で用いられた記号の意味は、式(1)〜(5)で用いられたものと同じである。
一方、磁性体の熱揺らぎ耐性は次式で表されることが知られている。
Figure 2008198875
ここで、Kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である。磁気異方性定数Kは、次式で表される。その他の記号の意味は、式(1)〜(5)で用いられたものと同じである。
Figure 2008198875
式(8)及び(9)によれば、熱揺らぎ耐性Δを高めるためには、V、Hc、またはMの何れかを高めれば良いことが分かる。尚、上述したとおり、磁化自由層は単磁区構造になっているので、異方性磁界Haniは保磁力Hに等しい。
このうち、磁化自由層の体積Vを上げることは最も簡単である。しかし、Vを大きくすると、式(4)及び(5)から明らかなように、臨界電流Ic1,Ic2も大きくなってしまう。従って、臨界電流密度Jを検討するまでもなく、この方法を採用することはできない。
次に、Mについて検討する。Mは、磁性材料の種類によって決まる。従って、熱揺らぎ耐性Δを上げるには、飽和磁化Mが大きい材料で磁化自由層を形成すれば良い。
しかし、式(7)から明らかなように、Mが大きくなると臨界電流密度Jも増大する。従って、この方法も採用することはできない。
残された方法は、磁化自由層の保磁力Hを大きくすることである。
本発明では、磁気化自由層に、その磁化容易方向(すなわち長手方向)と交叉する方向に窪んだ切欠き部を設けて、その保磁力を増加させる。すなわち、本発明では、STS素子の磁化自由層が、その磁化容易方向に対して交叉する方向に窪んだ平面形状を有している。この窪みによって磁化反転が妨げられ、磁化自由層の保磁力が高まる。その結果、磁気異方性定数Kが大きくなって、熱揺らぎ耐性Δが高まる。
この方法では、飽和磁化M及び磁化自由層の厚さtは変らない。また、窪みを設けても全体の体積Vは殆ど変わらない。従って、電流密度Jおよび臨界電流臨界Iを上げることなく、磁気自由層の熱揺らぎ耐性Δを高めることができる。
(実施の形態1)
本実施の形態は、熱揺らぎ耐性を高めた磁化自由層を有するSTS素子に係るものである。
本実施の形態におけるスピン注入磁化反転素子(STS素子)では、磁化容易方向に対して交叉する方向に窪んだ平面形状を有することにより、磁化自由層の保磁力が大きくなり熱揺ら耐性が高くなる。
(i)素子構造
図1は、本実施の形態におけるSTS素子の平面図である。図2は、A−A´線における断面を矢印の方向から見た概略図である。
本実施の形態のSTS素子は、GMR素子を基本構造として構成されている。このSTS素子は、所望の配線等が設けられた下地(図示せず)の上に、厚さ50nmのCuからなる下部電極61、積層フェリ磁性膜からなる磁化固定層(ピンド層)55、厚さ6nmの非磁性体Cuからなるスペーサー70、厚さ2nmの強磁性体CoFeBからなる磁化自由層(フリー層)54、厚さ5nmのTaからなる非磁性金属層71、及び厚さ10nmのRuからなる上部電極60の順に積層されており、この様な典型的なGMR構造素子を形成する。上記積層フェリ磁性膜は、図16に示すように、下地側から厚さ15nmの反磁性体PtMn110、厚さ4nmの強磁性体CoFe111、厚さ0.8nmの非磁性体Ru112、及び厚さ4nmの強磁性体CoFe113がこの順に積層されている。
上部電極60および下部電極61は、スピン注入用の電流を流すための電極として用いられるとともに、素子抵抗(磁気抵抗)検出用の電流を流すための電極としても用いられる。従って、上部電極60及び下部電極61には、図示しない配線が施され、スピン注入用の電流を流すための磁化方向制御装置と磁気抵抗の高低を検出するための磁気抵抗検出装置が接続される。
上記の素子は細長い形状に加工される。一般に、細長い磁性体膜では、長手方向の反磁界係数が最も小さくなる。すなわち、長手方向には反磁界が形成されにくい。このため、この長手方向が、磁化され易い方向すなわち磁化容易方向となる。
この為、磁化自由層は、通常、長方形または楕円形に形成せれる。図3は、長方形に形成された磁化自由層の平面図である。このような磁化自由層では、長手方向すなわち長辺72が伸びている方向が磁化容易方向73である。
本実施の形態におけるSTS素子では、図1のように、磁化自由層の平面形状が、長方形を基本としその長手方向すなわち磁化容易方向73に交叉する方向74に窪んだ形状になっている。図1の例では、2つの窪み77(または、切欠き部)が、上記長方形80の中央で対向して括れを形成している。しかし、窪み77は必ずしも2つある必要ななく、図4のよう一つであっても良い。
図1に示されたSTS素子では、磁化自由層の長辺の長さ(L)75は300nm、短辺の長さ(W)76は100nm、窪み77によって狭くなった部分の幅(Wn)78は30nm、窪み77の幅(Ln)79は25nmである。なお、対向した2つの窪みによって中央部が括れた形状をW−Neck形状(または、Double−Neck形状)、窪みが一つの形状をSingleW−Neck形状と呼ぶこととする。
尚、窪みを形成する前の磁化自由層の形状は、必ずしも長方形である必要はなく、楕円形等の磁気異方性が発現する形状であれば良い。磁気異方性は、必ずしも形状磁気異方性のみによって発現するものでなくてもよい。すなわち、結晶磁気異方性または結晶磁気異方性と形状磁気異方性の混合作用によって、磁気異方性を発生させている形状であってもよい。すなわち、本実施の形態のSTS素子は、磁化自由層の平面形状を、磁化容易方向に対して交叉する方向に窪んだ形状にするものである。
また、上記STS素子の積層構造は、磁化固定層が一つだけのシングルピン構造であるが、磁化固定層が2つあるデュアルピン構造であっても良い。すなわち、磁化固定層/スペーサー層/磁化自由層/スペーサー層/磁化固定層の順で積層された積層構造であってもよい。
また、本実施の形態は、TMRを基本とするSTS素子にも適用できるが、その場合にはスペーサー層をAlOまたはMgO等の絶縁膜で構成すればよい。
(ii)動作
図5は、図1に示した形状における磁化自由層NiFeの磁化曲線である。LLG(ランダウ−リフシッツ−ギルバート)方程式に基づいて、磁化自由層の磁化をシミュレーションして得られたものである。 横軸は磁界の強さHを、縦軸は磁化の大きさMを表している。横軸は、Hmax=1000Oeで規格化されている。
一方、図6は、図3のような窪みのない従来の磁化自由層に対する磁化曲線である。この磁化自由層の材質および寸法・形状等の構造は、窪みがないこと以外は図1に示すSTS素子(本実施の形態)の磁化自由層と同じである。
図5と図6を比較すると明らかなように、窪みを設けることによって磁化自由層の保磁力Hは増加し、約1.4倍になっている(尚、保磁力Hは、磁化曲線がX軸と交わる点をHc1及びHc2(<Hc1)とすると、H=(Hc1−Hc2)/2と定義する。)。従って、磁気異方性定数Kも約1.4倍になる。形状効果であるため、磁性材料が変更しても同様な効果は生じる。
窪みが設けられたことによって、図1に示すSTS素子(本実施の形態)の磁化自由層の体積は僅かに減少するが、式(8)に示される熱揺らぎ耐性への影響は殆どない。
例えば、図3に示す従来のSTS素子の熱揺らぎ耐性Δが43であった場合、図1に示すSTS素子(本実施の形態)の磁化自由層は、熱揺らぎ耐性Δがその約1.4倍すなわち60となる。この熱揺らぎ耐性は、ハードディスクの記録層では約10年の安定性を保証するものである。一方、式(7)から、から明らかように、臨界電流密度Jは保磁力や体積には依存しない為、同一面積としにおいては、同一Icで熱揺らぎ耐性Δを改善できる。このように、本実施の形態のSTS素子では、臨界電流密度Jはそのままで、熱揺らぎ耐性が従来のSTS素子に比べ約1.4倍になる。
Figure 2008198875
表1は、図1のような平面形状を持ったSTS素子において、磁化自由層の保磁力をシミュレーションした結果を纏めたものである。保磁力は、W/Wをパラメータとして算出した。尚、上述した通り、Wは窪み77によって狭くなった部分の幅78である。また、Wは長方形80の短辺76の長さ、Lは長方形80の長辺75の長さである。また、AP(アスペクト比)は、長方形80の長辺と短辺の比(=L/W)である。
表1には、異なるWnの値夫々に対して得られた保磁力が表されている。
表1の第1列はW/Wを、第2列は保磁力Hを、第3列は規格した保磁力Hc0/Hc0である。ここで第1行目に記載されたH(及びH/Hc0)は、W/W=1すなわち窪みがない場合の保磁力である。この表から分かるように、窪みが深くなるほど保磁力は強くなる。
磁化自由層は、300nm×100nmの長方形からなる非常に微細な磁性体である。従って、単磁区化している。このため磁化反転には、全領域の磁化が一斉に反転する必要がある。従って、磁化容易方向に交叉するように形成された窪みが、円滑な磁化反転を妨げているものと考えられる。
尚、Wを除きシミュレーションに用いた各要素の寸法は、図1のSTS素子と同じである。すなわち、磁化自由層は厚さ4nmのNiFeで構成され、磁化自由層の長辺の長さL75は300nm、短辺の長さW76は100nm、窪み77の幅L79は25nmとした。
Figure 2008198875
表2は、図4のような窪みを一つだけ持ったSTS素子において、磁化自由層の保磁力Hをシミュレーションした結果を纏めたものである。窪みが一つの場合も、窪みが深くなるほど保磁力が増加している。ただし、窪み77によって狭くなった部分の幅Wが同じ場合について比較すると、窪みが2つの場合に比べ保磁力Hの増加の程度は小さい。なお、窪みの数以外は、シミュレーションに用いた各要素(L,L,W等)の値は、表1のSTS素子と同じである。
このように、磁化自由層の平面形状を前記磁化自由層の磁化容易方向に対して交叉する方向に窪んだ形状にすることによって、磁化自由層の保磁力を大きくすることができる。これによって、スピン注入磁化反転素子の熱揺らぎ耐性が向上する。また、窪みは1つだけ設けるより二つ対向させて設けた方が、窪みによって狭まった幅が同じであっても、保磁力Hを高める効果はより大きい。
(iii)製造方法
図1及び図2に示すSTS素子は、以下のようにして製造される。
まず、所定の下地の上に、厚さ50nmのCu膜(下部電極61)をスパッタ法により堆積する。その後、Cu膜の上に、スパッタ法により順次、厚さ15nmのPtMn膜(反強磁性層110)、厚さ4nmのCoFe膜(強磁性層111)と、厚さ0.8nmのRu膜(非磁性層112)と、厚さ4nmのCoFe膜(強磁性層113)と、厚さ6nmの非磁性体Cu(スペーサー層70)と、厚さ2.0nmのCoFeB膜(磁化自由層54)と、厚さ5nm のTa膜(非磁性金属層71)と、厚さ10nmのRu膜(上部電極60)を堆積する(図2及び16)。
次に、上記積層構造にレジストを塗布し、電子線描画によって図1に示す中央部が括れた長方形(W−neck形状の長方形)からなるレジストパターンを形成する。ここで、長方形の長辺の長さ(L)75は300nm、短辺の長さ(W)76は100nm、窪み77によって狭くなった部分の幅(Wn)78は30nm、窪み77の幅(Ln)79は25nmである。
このレジストパターンをマスクとして、COとNHの混合ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチング(RIE)又は、イオンミリングによって、上記積層構造をエッチングして上記W−neck形状に加工する(図1)することで、
STS素子が完成する。
(実施の形態2)
本実施の形態は、長期安定性に優れたSTS−MRAM装置に係るものである。
本実施の形態におけるMRAMでは、記憶素子として用いられるSTS素子の磁化自由層に窪みを設けて熱揺らぎ耐性を高めるので、記録した情報は10年の長期保障が得られる。
(i)素子構造
図7は、本実施の形態におけるSTS−MRAMの概略斜視図である。但し、MOS(ビット線選択トランジスタ)53は回路記号で示した。図8は、このSTS−MRAMをA−A’線で見た断面の概略である。
本実施の形態におけるSTS−MRAMは、図7及び図8に示すように、Cuからなるビット線52とワード線50が交叉する位置にSTS素子51が配置された構成になっている。ワード線50は、MOSトランジスタ(ビット線選択トランジスタ)53のゲート(図示せず)に接続されている。STS素子51の上面は、非磁性体Taからなるキャップ層101を介してビット線52に接続されている。一方、STS素子51の下面は、第1のコンタクトプラグ85(多層配線)を介して、半導体基板92に形成されたMOSトランジスタ(ビット線選択トランジスタ)53の第1のソース・ドレイン領域90に接続されている。MOSトランジスタ53の第2のソース・ドレイン領域91は第2のコンタクトプラグ86を介してグランド線87に接続されている。グランド線87は、STS−MRAMのグランドすなわち基準電位に接続されている。
そして、STS素子等の上記各部材間の接続は、第1〜4の層間絶縁膜102〜105と第1および2のコンタクトプラグ85、86による多層配線によって接続されている。また、MOSトランジスタ53は、素子分離膜93によって、図示されていない周辺回路等から分離されている。
このように本実施の形態におけるSTS−MRAMのメモリセルは、1つのSTS素子と1つのMOSトランジスタによって構成される。
図15は、周辺回路も含めた本実施の形態におけるSTS−MRAMの概略回路図である。本実施の形態のSTS−MRAMは、1つのSTS素子51とMOSトランジスタ(ビット線選択トランジスタ)53からなるメモリセル150がマトリックス状に配列されたメモリセルアレイ151と、ビット線50を介してMOSトランジスタ(ビット線選択トランジスタ)53のゲートが接続される列でコーダ157と、ワード線52に配置されたMOSトランジスタ(ワード線選択トランジスタ)152に接続される行デコーダ158と、入力されたデータに基づいて極性の反転する電流をSTS素子へ供給する磁化方向制御装置153と、定電流源154と差動増幅器155からなる磁気抵抗検出装置156を有している。
磁化方向制御装置153は、磁化自由層54の磁化方向を制御するためのものであり、入力されたデータが“1”であるか“0”によって極性の反転する電流をSTS素子に供給し、入力データに基づいて磁化自由層の磁化方向を制御する。
磁気抵抗検出装置156は、定電流源154から定電流をSTS素子51に供給し、STS素子51の抵抗によってビット線52に発生した電位と基準電位(Ref.)を差動増幅器155で比較して、STS素子51の磁化自由層に記録された情報が“1”または“0”の何れであるかを判定する。すなわち、磁気抵抗検出装置156は、磁化自由層54の磁化方向によって変わるSTS素子51の抵抗値の高低を検出するためのものである。
尚、制御回路(図示せず)によって制御される切り替えスイッチ1によって、書き込み期間には磁化方向制御装置153がビット線52に接続され、読み出し期間には磁気抵抗検出装置156がビット線52に接続される。
ビット線選択トランジスタ53とワード線選択トランジスタ152は、夫々列デコーダ157および行デコーダによって開閉されるスイッチである。
従って、ビット線選択トランジスタ53とワード線選択トランジスタ156の双方が同時にオン状態になっているメモリセル150に、データ書込み期間には磁化方向制御装置153が接続され、データ読み出し期間には磁気抵抗検出装置156が接続される。
本実施の形態のSTS素子51は、シングルピン構造のTMR素子を基本とするものである。図9は、STS素子51の平面図を示す。図10は、図9のA−A´線における断面を矢印の方向から見た概略図である。
本実施の形態のSTS素子51は、厚さ50nmのCuからなる下部電極61と、磁化固定層55と、厚さ1.2nmのMgO(絶縁体)からなるスペーサー70と、厚さ2nmのCoFeB(強磁性体)からなる磁化自由層54と、厚さ5nmのTaからなる非磁性金属層71と、厚さ10nmのRuからなる上部電極60がこの順に積層された積層構造によって構成されている。
ここで、磁化固定層55は、厚さ15nmのPtMnからなる反強磁性層110と、厚さ2nmのCoFeからなる第1の強磁性層111と、厚さ0.8nmのRu膜からなる非磁性層112と、厚さ2nmのCoFeBからなる第2の強磁性層113とを積層した積層フェリ磁性膜からなる積層フェリピンド層である。ここで、第1の強磁性層111と第2の強磁性層113は非磁性層112を介して反強磁性結合し、反強磁性膜110で磁化がピンニング(固定)さている。このような構造をとることによって、積層フェリピンド層は、漏洩磁界が少なくしかも反強磁性層110を薄くすることができる。
更に、上記積層構造は平面形状が図9のように、中央で括れた長方に加工されている。ここで、(下部電極61以外の)STS素子の長辺の長さ(L)75は300nm、短辺の長さ(W)76は100nm、窪み77によって狭くなった部分の幅(Wn)78は30nm、窪み77の幅(Ln)79は25nmである。このような平面形状に加工されることによって、磁化自由層54の保磁力が大きくなり、その結果STS素子51の熱揺らぎ耐性が高くなる。
なお、STS素子の平面形状は、図4のように窪みが一つだけのものであっても良い。更に、窪みを形成する前の磁化自由層の形状は、必ずしも長方形である必要はなく、楕円形等の形状磁気異方性が発現する形状であれば良い。磁気異方性は、必ずしも形状磁気異方性のみによって発現するものでなくてもよい。すなわち、結晶磁気異方性または結晶磁気異方性と形状磁気異方性の混合作用によって、磁気異方性を発生させている形状であってもよい。
本実施の形態のSTS素子はシングルピン構造であるが、デュアルピン構造であってもよい。デュアルピン構造の例については後述する。また、本実施の形態のSTS素子はTMR素子を基本としているが、GMRを基本とするものであっても良い。
(ii)動作
本実施の形態におけるSTS−MRAMへの情報の書込みには、ワード線50とビット線52が用いられる。
まず、列でコーダ157からワード線50に電圧を印加して、ワード線選択トランジスタ53をオン状態にする。次に、行デコーダ158からビット線選択トランジスタ152に電圧を印加してオンにする。
次に、ビット線に磁化方向制御装置153を接続し、書き込み電流をSTS素子51に注入して1ビットの情報を書き込む。磁化方向制御装置153によって磁化自由層54から磁化固定層55に向かって電流を流すと、磁化自由層54の磁化は磁化固定層55の磁化に平行になる。一方、磁化固定層55から磁化自由層54に向かって電流を流すと、磁化自由層54の磁化は磁化固定層55に反平行になる。この平行状態及び反平行状態に、それぞれ“1”または“0”を割り当てる。すなわち、STS素子に流す電流の向きを制御することによって、1ビットの情報を書き込むことができる。
本実施の形態におけるSTS−MRAMからの情報の読み出しにも、ワード線50とビット線52が用いられる。まず、ワード線50に電圧を印加して、ワード線選択トランジスタ53をオン状態にする。次に、行デコーダ158からビット線選択トランジスタ152に電圧を印加してオンにする。
次に、ビット線に磁化方向検出器156を接続し、磁化自由層54の磁化が反転しない範囲で電流を流す。この電流によって、STS素子の下部電極61と上部電極60の間に電位差が発生する。STS素子の下部電極61はオン状態にあるビット線選択トランジスタ53を介してグランド線87に接続されているので、STS素子に生じた電位差がワード線52の電位となる。ところで、STS素子は磁化自由層54の磁化方向によって抵抗値が変わるので、この電位差が所定の値より大きいか小さいかを検出することによってSTS素子に記録された情報を読み出すことができる。この電位差の大小は、磁気抵抗検出装置156の差動増幅器155が、ワード線52の電位を基準電位(Ref.)と比較することによって検出する。
なお、以上の説明から明らかように、STS素子の上部電極60および下部電極61は、書込み電極および読み出し電極としての二つの機能を持っている。
図9に示したように本実施の形態のSTS素子51は磁化自由層の形状が略中央で括れ、磁化自由層の保磁力Hがこの括れがない場合に比べ約1.4倍になっている。この括れが無い場合の磁化自由層54の熱揺らぎ耐性Δは、43であった。従って、本実施の形態のSTS素子の磁化自由層は、その約1.4倍すなわち60(=43×1.4)となる。この熱揺らぎ耐性は、ハードディスクの記録層では約10年の安定性を保証するものである。一方、式(7)から明らかように、臨界電流密度Jは保磁力や体積には依存しない。従って、本実施の形態のSTS−MRAMでは、臨界電流密度Jはそのままで、熱揺らぎ耐性が従来のSTS−MRAMに比べ約1.4倍に向上する。
(iii)製造方法
図7(斜視図)および図8(断面図)に示したSTS−MRAMの製造方法について説明する。
まず、シリコン基板92に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により素子分離膜93を形成する。この素子分離膜93は、MOSトランジスタ(ワード線選択トランジスタ)53の形成される活性領域を他の領域から分離するためのものである。この活性領域に通常の半導体集積回路製造工程によって、第1及び第2のソース・ドレイン領域90,91とゲート電極(図示せず)からなるMOSトランジスタ(ワード線選択トランジスタ)53を形成する(図11(a))。
次に、シリコン基板92上に、化学気相成長法(CVD法)によってシリコン酸化(SiO)膜を堆積する。このシリコン酸化(SiO)膜の表面をCMP(Chemical−mechanical Polishing)法により平坦化して、第1の層間絶縁膜102を形成する(図11(a))。
次に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、第1の層間絶縁膜102に、第2のソース・ドレイン領域91に達するコンタクトホールを形成する。この後、CVD法により窒化チタン膜(バリアメタル)とタングステン膜を堆積し、このコンタクトホールを埋め込む。次に、この堆積膜をエッチバック(又は、ポリッシュバッック)して、第1の層間絶縁膜102上に露出した堆積膜を除去する。その結果、コンタクトホールにのみ堆積膜が残り、第2のソース・ドレイン領域91に電気的に接続された第2のコンタクトプラグ86が形成される。
次に、第1のコンタクトプラグ85が埋め込まれた第1の層間絶縁膜102上に、導電膜を堆積してパターニングし、第2のコンタクトプラグ86を介して第2のソース・ドレイン領域91に電気的に接続されるグラウンド線87を形成する(図11(b))。
次に、グラウンド線87が形成された第1の層間絶縁膜102上に、化学気相成長法(CVD法)によってシリコン酸化(SiO)膜を堆積する。このシリコン酸化(SiO)膜の表面をCMP(Chemical−mechanical Polishing)法により平坦化して、第2の層間絶縁膜103を形成する。
次に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、第1及び第2の層間絶縁膜102,103に、第1のソース・ドレイン領域90に達するコンタクトホールを形成する。この後、CVD法により窒化チタン膜(バリアメタル)とタングステン膜を堆積し、このコンタクトホールを埋め込む。次に、この堆積膜をエッチバック(又は、ポリッシュバッ)して、第2の層間絶縁膜103上に露出したの堆積膜を除去する。その結果、コンタクトホールにのみ堆積膜が残り、第1のソース・ドレイン領域90に電気的に接続された第1のコンタクトプラグ85が形成される(図12(a))。
次に、第1のコンタクトプラグ85を埋め込んだ第2の層間絶縁膜103の上に、厚さ50nmのCu膜120(下部電極61)をスパッタ法により堆積する。その後、Cu膜120の上に、スパッタ法により順次、厚さ15nmのPtMn膜(反強磁性層110)、厚さ2nmのCoFe膜(強磁性層111)と、厚さ0.8nmのRu膜(非磁性層112)と、厚さ2nmのCoFeB膜(強磁性層113)と、厚さ1.2nmのMgO酸化膜(スペーサー層70)と、厚さ2nmのCoFeB膜(磁化自由層54)と、厚さ5nmのTa膜(非磁性金属層71)と、厚さ10nmのRu膜(上部電極60)と、厚さ10nmのTa膜(キャップ層101)を堆積する(図10)。
次に、上記積層構造にレジストを塗布し、電子線描画法によって図9に示す中央部が括れた長方形(W−neck形状の長方形)からなるレジストパターンを形成する。ここで、長方形の長辺の長さ(L)75は300nm、短辺の長さ(W)76は100nm、窪み77によって狭くなった部分の幅(Wn)78は30nm、窪み77の幅(Ln)79は25nmである。
このレジストパターンをマスクとして、上記積層構造をCOとNHの混合ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチング(RIE)又はイオンミリングによって、上記積層構造をエッチングして上記W−neck形状に加工する(図12(b))。
次に、第2の層間絶縁膜103の上に、CVD法によりシリコン酸化膜を堆積する。その後、STS素子51の上部に形成されたキャップ層101が露出するまでこのシリコン酸化膜をCMP法により平坦化し、第3の層間絶縁膜104を形成する(図13(a))。
次いで、この層間絶縁膜104上に、スパッタ法によりCuからなる導電膜を堆積し、フォトリソグラフィー技術によってキャップ層101に接続されたビット線52を形成する。次に、全面に、CVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなる第4の層間絶縁膜105を形成する(図13(b))。この後、必要に応じてこの層間絶縁膜の上に更に絶縁層や配線層等を形成し、また周辺回路を形成してSTS−MRAM装置を完成する。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの実施形態に限られず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態1および2では、磁化固定層を構成する反強磁性層をPtMnにより構成する場合を例に説明したが、反強磁性層は、IrMn、PdPtMn等の反強磁性材料により構成してもよい。
また、上記実施の形態1および2では、磁化固定層および磁化自由層の強磁性層をCoFeまたはCoFeBにより構成する場合について説明したが、これらの強磁性層は、Co、Ni、Fe等の強磁性材料又はこれらの合金からなる強磁性材料(例えば、CoFe,NiFe,CoFeB等)により構成してもよい。
また、磁化固定層の非磁性層をRuにより構成する場合について説明したが、これらの非磁性層は、Ruのほか、Cu、Al、Au等の非磁性材料により構成してもよい。
また、上記実施の形態2のTMR型素子を構成するトンネル絶縁膜には、AlO,HfO、TiO、TaO等の絶縁材料を用いることもできる。また、実施の形態1のGMR型のスペーサーには、Ru、Al、Au等の非磁性材料を用いることもできる。
また、上記実施の形態1および2では、STS素子51の磁性膜の積層構造としてシングルピン構造(を使用している。しかし、デュアルピン構造を使用することもできる。
図14は、デュアルピン構造の一例である。第1の磁化固定層121と、第1のスペーサー層122と、磁化自由層54と、第2のスペーサー層123と、第2の磁化固定層126とがこの順番に積層されたデュアルピン構造が、下部電極61と上部電極60の間に形成されている。
第1の磁化固定層121は、反強磁性層110と、第1の強磁性層111と、非磁性層112と、第2の強磁性層113とを積層した積層フェリ磁性膜からなる積層フェリピンド層である。また、第2の磁化固定層126は、強磁性層124と反強磁性層125によって構成されている。第1および第2のスペーサー層は、TMR素子を基本としてSTS素子を構成する場合には絶縁膜とし、GMR素子を基本としてSTS素子を構成する場合には非磁性膜にすればよい。
ここで、第1の磁化固定層121の第2の強磁性層113の磁化方向と、第2の磁化固定層126の強磁性層124の磁化方向は、図14に示すように反平行になるようにする。このように磁化自由層54を、反平行磁化状態にある磁化固定層で挟むと、磁化自由層へのスピン注入効率が高くなる。従って、STS−MRAMの書き込む電流を小さくすることができる。
以上の実施の形態をまとめると,次の付記のとおりである。
(付記1)
磁化固定層と磁化自由層がスペーサー層を介して積層された積層膜からなる、巨大磁気抵抗素子またはトンネル磁気抵抗素子で構成され、
前記磁化自由層の平面形状が、前記磁化自由層の磁化容易方向に対して交叉する方向に窪みを有することを特徴とするスピン注入磁化反転素子。
(付記2)
前記窪みを2つ有し、
2つの前記窪みが対向していることを特徴とする付記1に記載のスピン注入磁化反転素子。
(付記3)
前記窪みが一つであることを特徴とする付記1に記載のスピン注入磁化反転素子。
(付記4)
前記磁化固定層が、
第1の強磁性層と第2の強磁性層が非磁性層を介して積層された反平行結合膜と、
前記反平行結合膜が積層される、前記反平行結合膜の磁化を固定する反強磁性膜とからなる積層フェリピンド層であることを特徴とする付記1乃至3に記載のスピン注入磁化反転素子。
(付記5)
前記巨大磁気抵抗素子または前記トンネル磁気抵抗素子が、
前記磁化自由層の上に、他のスペーサー層と、前記磁化固定層とは反平行に磁化した他の磁化固定層とが積層されてなるデュアルピン構造を有することを特徴とする付記1乃至4に記載のスピン注入磁化反転素子。
(付記6)
前記磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する磁化方向制御装置と、
前記磁化自由層の磁化方向によって変わる、前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する磁気抵抗検出装置とが、
前記積層膜を上下から挟む一対の電極に接続されていることを特徴とする付記1乃至5記載のスピン注入磁化反転素子。
(付記7)
付記1乃至6に記載のスピン注入磁化反転素子を有し、
前記スピン注入磁化反転素子の磁化方向に対応させて1ビットの情報を記録し、
前記磁化方向を反転させることによって前記情報を書き換えることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ装置。
(付記8)
付記1乃至6に記載のスピン注入磁化反転素子とトランジスタを有し、
前記スピン注入磁化反転素子を構成する前記積層膜を上下から挟むように形成された一対の電極の一方にビット線が接続され、
前記一対の電極の他方に前記トランジスタの一方のソース・ドレイン領域が接続され、
他方のソース・ドレイン領域が接地電位に接続されたメモリセルと、
前記スピン注入磁化反転素子の磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁化方向制御装置と、
前記磁化自由層の磁化方向によって変わる前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁気抵抗検出装置とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ装置。
本発明は、電機機器産業、特に記憶装置製造業において利用可能である。
実施の形態1におけるスピン注入磁化反転素子(STS素子)の平面図である。 実施の形態1におけるスピン注入磁化反転素子(STS素子)の断面図である。 長方形に形成された磁化自由層の平面図である。 実施の形態1における他のスピン注入磁化反転素子(STS素子)の平面図である。 実施の形態1における磁化自由層の磁化曲線である。 磁化自由層に窪みがない場合の磁化自由層の磁化曲線である。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの概略斜視図である。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの断面図である。 本実施の形態2におけるSTS素子の平面図である。 本実施の形態2におけるSTS素子の断面図である。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの製造工程を説明する第1の図である。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの製造工程を説明する第2の図である。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの製造工程を説明する第3の図である。 デュアルピン構造の断面図ある。 本実施の形態2におけるSTS−MRAMの概略回路図である。 実施の形態1のSTS素子の磁化固定層を構成する積層フェリ磁性膜の断面図である。 従来の磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の概略斜視図である。 従来の磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の断面図である。 トンネル磁気抵抗素子(TMR)の原理を説明する図せある。 基本的なトンネル磁気抵抗(TMR)の断面図である。 スピン注入磁化反転素子(STS素子)の動作原理を説明する図である。 スピン注入磁化反転素子(STS素子)のヒステリシス曲線である。
符号の説明
1 切り替えスイッチ
50 ワード線
51 STS素子
52 ビット線
53 MOS(ビット線選択トランジスタ)
54 磁化自由層
55 磁化固定層
56 障壁層
57 反強磁性体層
58 強磁性体層
60 上部電極
61 下部電極
64 磁化固定層中の電子
65 磁化自由層中の電子
70 スペーサー
71 非磁性金属層
72 長方形の長辺
73 磁化容易方向
74 窪みの方向
75 磁化自由層の長辺
76 磁化自由層の短辺
77 窪み
78 窪みによって狭められた部分
85 第1のコンタクトプラグ
86 第2のコンタクトプラグ
87 グランド線
90 第1のソース・ドレイン領域
91 第2のソース・ドレイン領域
92 半導体基板
93 素子分離膜
101 キャップ層
102,103,104,105 層間絶縁膜
110 反磁性層
111,113 強磁性層
112 非磁性層
121 第1の磁化固定層
122 第1のスペーサー層
123 第2のスペーサー層
124 強磁性層
125 反強磁性層
126 第2の磁化固定層
150 メモリセル
151 メモリセルアレイ
152 ワード線選択トランジスタ
153 磁化方向制御装置
154 定電流源
155 差動増幅器
156 磁気抵抗検出装置
157 列デコーダ
158 行デコーダ

Claims (5)

  1. 磁化固定層と磁化自由層がスペーサー層を介して積層された積層膜からなる、巨大磁気抵抗素子またはトンネル磁気抵抗素子で構成され、
    前記磁化自由層の平面形状が、前記磁化自由層の磁化容易方向に対して交叉する方向にくぼんだ窪みを有することを特徴とするスピン注入磁化反転素子。
  2. 前記窪みを2つ有し、
    2つの前記窪みが対向して、前記平面形状に括れを形成していることを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁化反転素子。
  3. 前記磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する磁化方向制御装置と、
    前記磁化自由層の磁化方向によって変わる、前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する磁気抵抗検出装置とが、
    前記積層膜を上下から挟む一対の電極に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスピン注入磁化反転素子。
  4. 請求項1乃至3に記載のスピン注入磁化反転素子を有し、
    前記スピン注入磁化反転素子の磁化方向に対応させて1ビットの情報を記録し、
    前記磁化方向を反転させることによって前記情報を書き換えることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ装置。
  5. さらにトランジスタを有し、
    前記スピン注入磁化反転素子を構成する前記積層膜を上下から挟むように形成された一対の電極の一方にビット線が接続され、
    前記一対の電極の他方に前記トランジスタの一方のソース・ドレイン領域が接続され、
    前記トランジスタの他方のソース・ドレイン領域が接地電位に接続されたメモリセルと、
    前記スピン注入磁化反転素子の磁化自由層の磁化方向を、前記スピン注入磁化反転素子へ注入する電流の方向によって制御する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁化方向制御装置と、
    前記磁化自由層の磁化方向によって変わる前記スピン注入磁化反転素子の抵抗の高低を検出する、前記ビット線と前記接地電位の間に接続された磁気抵抗検出装置とを具備することを特徴とする請求項4記載の磁気ランダムアクセスメモリ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012244051A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Fujitsu Ltd 磁気抵抗素子及び磁気記憶装置

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