JP2007081280A - 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スピン注入磁化反転機構を用いた磁気抵抗効果素子において、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れ、かつシフトが抑制された抵抗−電流ヒステリシス特性を実現し、さらには、高い抵抗変化を実現しうる磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気メモリ装置を提供する。
【解決手段】積層フェリ構造を有する固定磁化層16と、非磁性スペーサ層18と、非磁性スペーサ層18上に形成され、単層の強磁性層よりなる自由磁化層20と、自由磁化層20上に形成された非磁性スペーサ層22と、非磁性スペーサ層22上に形成され、積層フェリ構造を有する固定磁化層24とを有し、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とが互いに反対向きになっている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置に係り、特にスピン注入磁化反転機構を用いた磁気抵抗効果素子、及びこの磁気抵抗効果素子用いた磁気メモリ装置に関する。
近年、書き換え可能な不揮発性メモリとして、磁気抵抗効果素子をマトリクス状に配列した磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM:Magnetic Random Access Memoryという)が注目されている。MRAMは、2つの磁性層における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶し、これら磁性層間の磁化方向が平行である場合と反平行である場合とにおける抵抗変化(すなわち電流或いは電圧の変化)を検知することによって記憶情報の読み出しを行うものである。
MRAMを構成する磁気抵抗効果素子としては、GMR(Giant Magnetoresistive)素子、TMR(Tunneling Magnetoresistive)素子が検討されている。なかでも、大きな抵抗変化が得られるTMR素子が、MRAMに用いる磁気抵抗効果素子として注目されている。
TMR素子は、2つの強磁性層がトンネル絶縁膜を介して積層されたものであり、2つの強磁性層の磁化方向の関係に基づいてトンネル絶縁膜を介して磁性層間に流れるトンネル電流が変化する現象を利用したものである。すなわち、TMR素子は、2つの強磁性層の磁化方向が平行のときに低い素子抵抗を有し、反平行のときには高い素子抵抗を有する。この2つの状態をデータ“0”及びデータ“1”に関連づけることにより、記憶素子として用いることができる。
TMR素子を用いたMRAMは、TMR素子の上下に、直交する2本の信号線(例えばビット線及び書き込みワード線)が配された構造を有している(例えば特許文献1を参照)。TMR素子からのデータの読み出しでは、素子抵抗の変化を読み取ることにより、TMR素子に記憶されたデータが、データ“0”及びデータ“1”のいずれであるかを判定する。一方、TMR素子へのデータの書き込み方法としては、これら信号線に電流を流し、これら信号線から発生する磁界の合成磁界をTMR素子に印加することで、一方の強磁性層(自由磁化層)の磁化方向を印加磁界に応じた向きに変化させる方式(電流磁界書き込み方式)が一般的である。
しかしながら、電流磁界書き込み方式では、例えばギガビット(Gbit)超の大容量化に対応するためにTMR素子のサイズを縮小していくと自由磁化層の反磁界が増大するため、自由磁化層の磁化反転磁界Hcが増加する。したがって、書き込み電流が小さいと書き込み不良が発生する。このため、高集積化に伴って書き込み電流が増加し、消費電力が増加してしまう。非特許文献1では、ギガビット超の大容量化に対応すべくメモリセルサイズを100nm程度にまで縮小した場合、従来の電流磁界書き込み方式では書き込み電流が著しく増加してしまい、事実上書き込みが困難となるとの予測が示されている。
また、選択トランジスタを接続した構造のMRAMでは、ビット線、ワード線のほかに書き込み用の書き込みワード線が必要であり、デバイス構造及び製造プロセスが複雑になってしまう。
このような背景から、近年、大容量のMRAMを構成する磁気抵抗効果素子として、スピン注入磁化反転(STS:Spin Transfer torque Switching)素子が注目されている(例えば非特許文献1を参照)。スピン注入磁化反転素子は、GMR素子やTMR素子と同様、2つの強磁性層間に絶縁層又は非磁性導体層を挟んで構成される磁気抵抗効果素子である。
スピン注入磁化反転素子において、膜面に垂直に自由磁化層側から固定磁化層側に電流を流すと、スピン偏極した伝導電子が固定磁化層から自由磁化層に流れ込み、自由磁化層の電子と交換相互作用する。この結果、電子間にトルクが発生し、このトルクが十分に大きいと、自由磁化層の磁気モーメントは反平行から平行に反転する。一方、電流印加を逆方向にすると、伝導電子が自由磁化層から固定磁化層に向かって流れる。このとき、非磁性層(絶縁層又は非磁性導体層)と固定磁化層との界面により伝導電子の一部が反射され、そのスピンは反転する。界面反射された伝導電子は、非磁性層から再び自由磁化層に流れ込み、自由磁化層の電子と交換相互作用する。この結果、電子間にトルクが発生し、このトルクが十分に大きいと、自由磁化層の磁気モーメントは平行から反平行に反転する。なお、この平行から反平行への反転は、反平行から平行への反転と比較して、スピン注入効率が悪く、磁化反転に大きな電流を必要とする。このように、スピン注入磁化反転素子は、電流制御(印加方向及び印加電流値)のみによって自由磁化層の磁化反転を誘発し、記憶状態を書き換えることができる記憶素子である。
スピン注入磁化反転素子では、素子サイズが減少して磁化反転磁界Hcが増加しても体積減少効果により反転電流が減少するため、電流磁界書き込み方式の素子と比較して大容量化・低消費電力化に極めて有利である。また、書き込みワード線が不要であり、デバイス構造及び製造プロセスを簡略化することができる。すなわち、スピン注入磁化反転素子を用いたMRAMは、DRAMと同様なデバイス構造を採用することができ、製造プロセスを簡略化して製造コストを削減することができる。
特開平11−317071号公報 特開2004−158766号公報 特開2002−359412号公報 屋上公二郎等、「スピン注入磁化反転の研究動向」、日本応用磁気学会誌、Vol. 28, No. 9, 2004, pp.937-948 G. D. Fuchs, "Spin-transfer effects in nanoscale magnetic tunnel junctions", Applied Physics letters, Vol.85, No.7, 2004, pp.1205-1207
しかしながら、スピン注入磁化反転素子を用いて、ギガビット超の大容量のMRAMを実現するためには、書き込み電流の低減等、解決すべき種々の課題が存在している。非特許文献1では、このような大容量のMRAMを実現するための目標数値として、セル面積〜(0.1μm)、RA(素子抵抗R×セル面積A)〜数十Ωμm、抵抗変化率>30%、書込み電流(磁化反転電流)Ic<0.1mA等の試算が示されている。
0.1mAの書き込み電流Icは、臨界電流密度Jcにして1×10A/cmに相当する。しかしながら、これまで研究レベルで報告されている臨界電流密度Jcは、0.5×10〜4×10A/cmである(非特許文献1、2を参照)。したがって、大容量のMRAMを実現するためには、まず、書き込み電流を更に低減することが必要である。
また、上述のように、従来のスピン注入磁化反転素子において、強磁性層と非磁性層との界面で反射された伝導電子に依存する平行から反平行への反転は、反平行から平行への反転と比較して、スピン注入の効率が悪く、磁化反転に大きな電流を必要とする。このため、スピン注入磁化反転素子の抵抗−電流ヒステリシス特性は、対称性が劣化したものとなってしまっていた。
また、従来のスピン注入磁化反転素子においては、固定磁化層からの漏洩磁界により自由磁化層と固定磁化層が磁気的に結合し、抵抗−電流ヒステリシス特性にシフトが生じてしまっていた。
さらに、大容量のMRAMにおいて、安定したメモリ動作を得るためには、高い出力変化が必要である。このため、スピン注入磁化反転素子には、高い抵抗変化率を有することが求められている。
本発明の目的は、スピン注入磁化反転機構を用いた磁気抵抗効果素子において、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れ、かつシフトが抑制された抵抗−電流ヒステリシス特性を実現し、さらには、高い抵抗変化を実現しうる磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気メモリ装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第1の固定磁化層と、前記第1の固定磁化層上に形成された第1の非磁性スペーサ層と、前記第1の非磁性スペーサ層上に形成され、奇数の強磁性層を含む自由磁化層と、前記自由磁化層上に形成された第2の非磁性スペーサ層と、前記第2の非磁性スペーサ層上に形成され、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第2の固定磁化層とを有し、前記第1の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向と、前記第2の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに反対向きになっている磁気抵抗効果素子が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第1の固定磁化層と、前記第1の固定磁化層上に形成された第1の非磁性スペーサ層と、前記第1の非磁性スペーサ層上に形成され、偶数の強磁性層を含む自由磁化層と、前記自由磁化層上に形成された第2の非磁性スペーサ層と、前記第2の非磁性スペーサ層上に形成され、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第2の固定磁化層とを有し、前記第1の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向と、前記第2の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに同じ向きになっている磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明によれば、自由磁化層の強磁性層の層数に応じて、積層フェリ構造を有する第1及び第2の固定磁化層の強磁性層の層数を適宜設定することにより、第1及び第2の固定磁化層の自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向を所望の向きにするので、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
また、本発明によれば、自由磁化層の下面側及び上面側に第1及び第2の固定磁化層がそれぞれ形成されたデュアルピン構造において、自由磁化層/第1の非磁性スペーサ層/第1の固定磁化層により構成される第1の磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、第2の固定磁化層/第2の非磁性スペーサ層/自由磁化層により構成される第2の磁気抵抗効果部の抵抗変化量とが異なっているので、磁気抵抗効果素子全体としての抵抗変化が消失したり著しく低下したりする不都合を回避して、磁気抵抗効果素子全体として高い抵抗変化を得ることができる。
さらに、本発明によれば、積層フェリ構造を有する第1及び第2の固定磁化層を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、第1及び第2の固定磁化層の磁気モーメントを十分に低減するので、第1及び第2の固定磁化層と自由磁化層との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
[本発明による磁気抵抗効果素子の基本的構成]
本発明による磁気抵抗効果素子の具体的な構成を説明する前に、本発明による磁気抵抗効果素子の基本的な構成について図1乃至図3を用いて説明する。
図1及び図2は本発明による磁気抵抗効果素子の基本的な積層構造を示す概略図である。図1は自由磁化層の強磁性層の層数が奇数の場合の基本的な積層構造を示し、図2は自由磁化層の強磁性層の層数が偶数の場合の基本的な積層構造を示している。
図1及び図2に示すように、下部電極12上には、反強磁性層14が形成されている。
反強磁性層14上には、積層フェリ構造(SAF(Synthetic Antiferromagnet)構造)を有する固定磁化層16が形成されている。
固定磁化層16上には、非磁性スペーサ層18が形成されている。非磁性スペーサ層18は、非磁性導体層又はトンネル絶縁膜により構成されている。
非磁性スペーサ層18上には、自由磁化層20が形成されている。
自由磁化層20上には、非磁性スペーサ層22が形成さている。非磁性スペーサ層22は、非磁性導体層又はトンネル絶縁膜により構成されている。
非磁性スペーサ層22上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する固定磁化層24が形成されている。
固定磁化層24上には、反強磁性層26が形成されている。
反強磁性層26上には、非磁性導体材料よりなるキャップ層28が形成されている。
このように、本発明による磁気抵抗効果素子は、自由磁化層20の下面側及び上面側に固定磁化層16、24がそれぞれ形成されたデュアルピン構造を有するものである。
自由磁化層20は、単層の強磁性層、又は非磁性層を介して積層された複数の複数層の強磁性層により構成されている。複数の強磁性層が積層されている場合、自由磁化層20は、積層フェリ構造(SAF構造)を有している。
本発明による磁気抵抗効果素子においては、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により、スピン注入磁化反転機構により抵抗が変化する磁気抵抗効果部が構成されている。また、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により、スピン注入磁化反転機構により抵抗が変化する磁気抵抗効果部が構成されている。そして、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量とが例えば10倍以上異なっている。このように2つの磁気抵抗効果部の抵抗変化量が異なるように、非磁性スペーサ層18、22の材料、膜厚が適宜設定されている。
積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24の強磁性層の層数は、自由磁化層の強磁性層の層数に応じて以下のようになっている。
まず、自由磁化層20の強磁性層の層数が奇数(2m+1、但しmは0又は正の整数)の場合、固定磁化層16、24のうち、一方の固定磁化層の強磁性層の層数は2n(但し、nは正の整数)、他方の固定磁化層の強磁性層の層数は2n+1(但し、nは正の整数)となっている。このように固定磁化層16、24の強磁性層の層数を設定することにより、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層の磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに反対向きになっている。
図1は、単層の強磁性層により自由磁化層20が構成されている場合を示している。
図示するように、自由磁化層20の下面側の固定磁化層16は、強磁性層(下部固定磁化層)16aと、非磁性層16bと、強磁性層(上部固定磁化層)16cとが順次積層されて構成されている。すなわち、固定磁化層16は、2層の強磁性層16a、16cを有している。他方、自由磁化層20の上側の固定磁化層24は、強磁性層(下部固定磁化層)24aと、非磁性層24bと、強磁性層(中部固定磁化層)24cと、非磁性層24dと、強磁性層(上部固定磁化層)26eとが順次積層されて構成されている。すなわち、固定磁化層24は、3層の強磁性層24a、24c、24eを有している。図1に示す場合、固定磁化層16を構成する上部固定磁化層16cの磁化方向と、固定磁化層24を構成する下部固定磁化層24aの磁化方向とが互いに反対向きになっている。
これに対して、自由磁化層20の強磁性層の層数が偶数(2m、但しmは正の整数)の場合、固定磁化層16、24のうち、一方の固定磁化層の強磁性層の層数は2n(但し、nは正の整数)、他方の固定磁化層の強磁性層の層数も同じく2n(但し、nは正の整数)となっている。このように固定磁化層16、24の強磁性層の層数を設定することにより、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層の磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに同じ向きになっている。
図2は、自由磁化層20が2層の強磁性層を有する場合を示している。
図示するように、自由磁化層20は、強磁性層(下部自由磁化層)20aと、非磁性層20bと、上部自由磁化層20cとが順次積層されて構成されている。自由磁化層20の下面側の固定磁化層16は、強磁性層(下部固定磁化層)16aと、非磁性層16bと、強磁性層(上部固定磁化層)16cとが順次積層されて構成されている。すなわち、固定磁化層16は、2層の強磁性層16a、16cを有している。他方、自由磁化層20の上面側の固定磁化層24は、強磁性層(下部固定磁化層)24aと、非磁性層24bと、強磁性層(上部固定磁化層)24cとが順次積層されて構成されている。すなわち、固定磁化層は、2層の強磁性層24a、24cを有している。図2に示す場合、固定磁化層16を構成する上部固定磁化層16cの磁化方向と、固定磁化層24を構成する下部固定磁化層24aの磁化方向とが互いに同じ向きになっている。
上述のように、固定磁化層16、24は、それぞれ非磁性層を介して複数層の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造(SAF構造)を有している。本発明による磁気抵抗効果素子においては、反強磁性結合により固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されるように、固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さが適宜設定されている。
積層フェリ構造の固定磁化層16、24においては、第1層目の強磁性層の磁化方向と第3層目以降の奇数層目の強磁性層の磁化方向とが互いに同じ向きになっている。また、第2層目の強磁性層の磁化方向と第4層目以降の偶数層目の強磁性層の磁化方向とが互いに同じ向きになっている。第1層目の強磁性層及び第3層目以降の奇数層目の強磁性層の磁化方向と、第2層目の強磁性層及び第4層目以降の偶数層目の強磁性層の磁化方向の磁化方向とは互いに反対向きになっている。
一般に、積層フェリ構造を有する固定磁化層の磁気モーメントMstは、固定磁化層を構成する第i層目(i=1,2,3…)の強磁性層の飽和磁化をMs、厚さをtとして、
Mst=Ms×t+Ms×t+Ms×t+…=Σ(Ms×t
と表される。
したがって、各強磁性層の飽和磁化Ms及び厚さtを適宜設定することにより、積層フェリ構造を有する固定磁化層の磁気モーメントを十分に低減することができる。
本発明による磁気抵抗効果素子では、固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されている。すなわち、固定磁化層16の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層16を構成する各強磁性層の磁気モーメントMs×tのうちの最小値Min(Ms×t)の1/10の値よりも小さくなっている。同様に、固定磁化層24の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層24を構成する各強磁性層の磁気モーメントMs×tのうちの最小値Min(Ms×t)の1/10の値よりも小さくなっている。
上述のように、本発明による磁気抵抗効果素子は、自由磁化層20の下面側及び上面側に固定磁化層16、24がそれぞれ形成されたデュアルピン構造において、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量とが例えば10倍以上異なっていることに主たる特徴の一つがある。
自由磁化層の下面側及び上面側に固定磁化層がそれぞれ形成されたデュアルピン構造の磁気抵抗効果素子において、自由磁化層の下面側及び上面側の構造を互いに同一の磁気抵抗変化となる材料を用いて構成すると次のような不都合が生じる。すなわち、自由磁化層の磁化方向が反転した場合に、自由磁化層の上部側と下部側とで抵抗が互いに対称に変化する。この結果、磁気抵抗効果素子全体として抵抗変化が生じない、或いは僅かな抵抗変化しか生じないという不都合が生じることとなる。
本発明による磁気抵抗効果素子においては、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量とが例えば10倍以上異なっている。これにより、上記不都合を回避して、磁気抵抗効果素子全体として高い抵抗変化を得ることができる。
図3は、本発明による磁気抵抗効果素子の出力電圧変化と非磁性スペーサ層18、22を含む磁気抵抗効果部の磁気抵抗変化量の比との関係を示すグラフである。
グラフでは、磁気抵抗効果素子に5mAの電流Isを印加したときの抵抗変化に伴う出力電圧変化ΔVoを、比MR1/MR2に対してプロットしている。ここで、MR1は、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量を表している。MR2は、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量を表している。図中、非磁性スペーサ層18を抵抗R1、非磁性スペーサ層22の抵抗をR2として、□印のプロットは、R1=5Ω、R2=5Ωの場合を示している。△印のプロットは、R1=10Ω、R2=5Ωの場合を示している。◇印のプロットは、R1=20Ω、R2=5Ωの場合を示している。自由磁化層20は、CoFeB膜とRu膜とCoFeB膜とが積層されてなるものとした。固定磁化層16、24は、ともにCoFe膜とRu膜とCoFe膜とが積層されてなるものとした。反強磁性層14、26としては、ともにIrMn膜を用いた。
各プロットから明らかなように、出力電圧変化ΔVoは、比MR1/MR2に比例していることが分かる。したがって、比MR1/MR2をより大きくすることにより、より大きな出力電圧変化ΔVoを得ることができる。
磁気抵抗効果素子をMRAMに適用した場合に安定したメモリ動作を得るためには、出力電圧変化ΔVoが大きなことが要求される。したがって、抵抗変化検出回路の感度や制度にもよるが、比MR1/MR2も大きなことが望ましい。
例えば、R1=10Ω、R2=5Ωの場合、比MR1/MR2を10以上とすると、出力電圧変化ΔVoが9mVよりも大きくなっている。したがって、電圧比較における誤差、出力の変動等を考慮すると、安定したメモリ動作を得るためには、MR1/MR2を例えば10以上に設定することが好ましい。すなわち、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量とを例えば10倍以上異なるようにすることが望ましい。
また、本発明による磁気抵抗効果素子は、自由磁化層20の強磁性層の層数に応じて、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24の強磁性層の層数を適宜設定することにより、固定磁化層16、24の自由磁化層20に最も近い強磁性層の磁化方向を所望の向きにすることにも主たる特徴の一つがある。
すなわち、自由磁化層20の強磁性層の層数が奇数(2m+1、但しmは0又は正の整数)の場合、固定磁化層16、24のうち、一方の固定磁化層の強磁性層の層数を2n(但し、nは正の整数)、他方の固定磁化層の層数を2n+1(但し、nは正の整数)と設定することにより、固定磁化層16の自由磁化層20側の磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20側の磁化方向とが互いに反対向きになるようにする。
また、自由磁化層20の強磁性層の層数が偶数(2m、但しmは正の整数)の場合、固定磁化層16、24のうち、一方の固定磁化層の強磁性層の層数を2n(但し、nは正の整数)、他方の固定磁化層の層数も同じく2n(但し、nは正の整数)と設定することにより、固定磁化層16の自由磁化層20側の磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20側の磁化方向とが互いに同じ向きになるようにする。
このように、自由磁化層20の強磁性層の層数に応じて、固定磁化層16、24の強磁性層の層数を適宜設定することにより、自由磁化層20の磁化方向に関係なく、磁気抵抗効果素子に印加する電流の方向を変更するだけで、逆向きのスピンを有する電子を自由磁化層20に必ず注入することができる。したがって、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
さらに、本発明による磁気抵抗効果素子は、固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されていることにも主たる特徴の一つがある。
すなわち、固定磁化層16の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層16を構成する各強磁性層の磁気モーメントMs×tのうちの最小値Min(Ms×t)の1/10の値よりも小さくなっている。同様に、固定磁化層24の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層24を構成する各強磁性層の磁気モーメントMs×tのうちの最小値Min(Ms×t)の1/10の値よりも小さくなっている。
このように、本発明による磁気抵抗効果素子は、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されているため、固定磁化層16、24と自由磁化層20との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子及びその製造方法について図4乃至図9を用いて説明する。図4は本実施形態による磁気抵抗効果素子の構造を示す概略断面図、図5は本実施形態による磁気抵抗効果素子の抵抗−電流ヒステリシス特性を示すグラフ、図6乃至図9は本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による磁気抵抗効果素子の構造について図4を用いて説明する。
図1に示すように、シリコン基板10上に、層間絶縁膜30が形成されている。層間絶縁膜30には、配線溝32が形成されている。配線溝32内には、配線(ワード線)34が埋め込まれている。
配線34が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、例えば膜厚50nmのCu膜よりなる下部電極12が形成されている。
下部電極12上には、例えば膜厚15nmのIrMn膜よりなる反強磁性層14が形成されている。
反強磁性層14上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する固定磁化層16が形成されている。固定磁化層16は、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(下部固定磁化層)16aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層16bと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(上部固定磁化層)16cとが順次積層されて構成されている。
固定磁化層16上には、非磁性スペーサ層18が形成されている。非磁性スペーサ層18は、例えば膜厚3nmのCu膜よりなる非磁性導体層により構成されている。
非磁性スペーサ層18上には、例えば膜厚2nmのCoFeB膜よりなる自由磁化層20が形成されている。自由磁化層20は、単層の強磁性層により構成されている。
自由磁化層20上には、非磁性スペーサ層22が形成されている。非磁性スペーサ層22は、例えば膜厚6nmのCu膜よりなる非磁性導体層により構成されている。
非磁性スペーサ層22上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する固定磁化層24が形成されている。固定磁化層24は、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(下部固定磁化層)24aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層24bと、例えば膜厚8nmのCoFe膜よりなる強磁性層(中部固定磁化層)24cと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層24dと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(上部固定磁化層)24eとが順次積層されて構成されている。
固定磁化層24上には、例えば膜厚15nmのIrMn膜よりなる反強磁性層26が形成されている。
反強磁性層26上には、例えば膜厚10nmのRu膜よりなるキャップ層28が形成されている。
こうして、下部電極12上に、反強磁性層14と、固定磁化層16と、非磁性スペーサ層18と、自由磁化層20と、非磁性スペーサ層22と、固定磁化層24と、反強磁性層26と、キャップ層28とが順次積層されてなる本実施形態による磁気抵抗効果素子36が形成されている。本実施形態による磁気抵抗効果素子36は、自由磁化層20の下面側に非磁性導体層18介して固定磁化層16が形成され、上面側に非磁性導体層22を介して固定磁化層24が形成されたデュアルピン構造を有している。磁気抵抗効果素子のサイズは、例えば127nm×260nmとなっている。
本実施形態による磁気抵抗効果素子において、非磁性スペーサ層22は、非磁性スペーサ層18と同様にCu膜により構成され、非磁性スペーサ層18よりも厚くなっている。このため、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量は、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっている。
また、単層の強磁性層よりなる自由磁化層20に対して、固定磁化層16の強磁性層の層数が2層、固定磁化層24の強磁性層の層数が3層となっている。これにより、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とを互いに反対向きになっている。
磁気抵抗効果素子36が形成された層間絶縁膜30上には、層間絶縁膜38が形成されている。層間絶縁膜38には、キャップ層28に達するコンタクトホール40が形成されている。
層間絶縁膜38上には、コンタクトホール40を介して磁気抵抗効果素子36のキャップ層28に電気的に接続された配線(ビット線)42が形成されている。
配線42が形成された層間絶縁膜38上には、層間絶縁膜44が形成されている。
本実施形態による磁気抵抗効果素子36を記憶素子としてパッシブマトリクス型の磁気メモリ装置を構成する場合には、配線(ワード線)34は、所定の方向に延在して複数並列して形成されており、配線(ビット線)42は、ワード線34に例えば直交する方向に延在して複数並列して形成されている。磁気抵抗効果素子36は、ワード線34とビット線42との各交点に、それぞれに電気的に接続して形成されている。
本実施形態による磁気抵抗効果素子36は、自由磁化層20の下面側及び上面側に固定磁化層16、24がそれぞれ形成されたデュアルピン構造において、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量が、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっていることに主たる特徴の一つがある。
これにより、磁気抵抗効果素子36全体としての抵抗変化が消失したり著しく低下したりする不都合を回避して、磁気抵抗効果素子36全体として高い抵抗変化を得ることができる。
また、本実施形態による磁気抵抗効果素子36は、単層の強磁性層よりなる自由磁化層20に対して、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とが互いに反対向きになっていることにも主たる特徴の一つがある。
このように固定時下層16、24の磁化方向を設定することで、単層の強磁性層よりなる自由磁化層20に対して、自由磁化層20の磁化方向に関係なく、磁気抵抗効果素子36に印加する電流の方向を変更するだけで、逆向きのスピンを有する電子を必ず注入することができる。したがって、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
さらに、本実施形態による磁気抵抗効果素子36は、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されていることにも主たる特徴の一つがある。
具体的には、固定磁化層18については、各強磁性層16a、16cをともに同一強磁性材料のCoFe膜により構成し、各強磁性層16a、16cの厚さを、ともに例えば4nmとしている。したがって、固定磁化層18の磁気モーメントMstは、強磁性層16aの磁化方向を+方向とすると、強磁性層16cの磁化方向は−方向であるから、CoFeの飽和磁化をMsCoFeとして、
Mst=MsCoFe×4−MsCoFe×4=MsCoFe×(4−4)=0
となっている。
固定磁化層24については、各強磁性層24a、24c、24eのいずれも同一強磁性材料のCoFe膜により構成し、各強磁性層24a、24c、24eの厚さを、それぞれ例えば4nm、8nm、4nmとしている。したがって、固定磁化層24の磁気モーメントMstは、強磁性層24aの磁化方向を+方向とすると、強磁性層24cの磁化方向は−方向、強磁性層24eの磁化方向は+方向であるから、
Mst=MsCoFe×4−MsCoFe×8+MsCoFe×4
=MsCoFe(4−8+4)=0
となっている。
このように、本実施形態による磁気抵抗効果素子36では、固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されているため、固定磁化層16、24と自由磁化層20との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
なお、固定磁化層16、24の磁気モーメントMst、Mstは、必ずしも0である必要はない。固定磁化層16の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層16を構成する各強磁性層の磁気モーメントのうちの最小値の1/10の値よりも小さくなっていればよい。同様に、固定磁化層24の磁気モーメントMstは、例えば、固定磁化層24を構成する各強磁性層の磁気モーメントのうちの最小値の1/10の値よりも小さくなっていればよい。
図5は、印加電流Isに対する本実施形態による磁気抵抗効果素子の抵抗Rsを測定し、本実施形態による磁気抵抗効果素子の抵抗−電流ヒステリシス特性を求めた結果を示すグラフである。
グラフから明らかなように、本実施形態による磁気抵抗効果素子によれば、対称性に優れ、かつシフトが抑制された抵抗−電流ヒステリシス特性が得られることが確認された。また、このときの臨界電流密度Jcは6.1×10A/cmであり、本実施形態による磁気抵抗効果素子によれば、従来の磁気抵抗効果素子と比較して臨界電流密度を一桁から二桁低減することができた。
次に、本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法について図6乃至図9を用いて説明する。
まず、シリコン基板10上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜30を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜30に配線溝32を形成する(図6(a))。
次いで、配線溝32が形成された層間絶縁膜30上に導電膜を堆積した後、層間絶縁膜30が露出するまでCMP法によりこの導電膜を平坦化する。こうして、配線溝32に埋め込まれた配線34を形成する(図6(b))。
次いで、層間絶縁膜30上に、例えば膜厚50nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる下部電極12を形成する。
次いで、下部電極12上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのIrMn膜を堆積し、IrMn膜よりなる反強磁性層14を形成する。
次いで、反強磁性層14上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層16aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層16bと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層16cとを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層16を形成する。
次いで、固定磁化層16上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚3nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる非磁性スペーサ層18を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層18上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚2nmのCoFeB膜を堆積し、CoFeB膜よりなる自由磁化層20を形成する。
次いで、自由磁化層20上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚6nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる非磁性スペーサ層22を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層22上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層24aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層24bと、例えば膜厚8nmのCoFe膜よりなる強磁性層24cと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層24dと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層24eとを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層24を形成する。
次いで、固定磁化層24上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのIrMn膜を堆積し、IrMn膜よりなる反強磁性層26を形成する。
次いで、反強磁性層26上に、例えばスパッタ法により、例えば10nmのRu膜を堆積し、Ru膜よりなるキャップ層28を形成する(図7(a))。
次いで、キャップ層28上に、フォトリソグラフィにより、形成しようとする磁気抵抗効果素子のパターンを有するフォトレジスト膜46を形成する。
次いで、フォトレジスト膜46をマスクとして、ドライエッチングにより、キャップ層28、反強磁性層26、固定磁化層24、非磁性スペーサ層22、自由磁化層20、非磁性スペーサ層18、固定磁化層16及び反強磁性層14を異方性エッチングする。これにより、例えば127nm×260nmのサイズを有する磁気抵抗効果素子36を形成する(図7(b))。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜46を除去する。
次いで、フォトリソグラフィにより、磁気抵抗効果素子36を覆うフォトレジスト膜48を形成する。
次いで、フォトレジスト膜48をマスクとして、ドライエッチングにより下部電極12を異方性エッチングし、下部電極12を所定の形状にパターニングする(図8(a))。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜48を除去する。
次いで、全面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜38を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜38に、磁気抵抗効果素子36のキャップ層28に達するコンタクトホール40を形成する(図8(b))。
次いで、コンタクトホール40が形成された層間絶縁膜38上に導電膜を堆積した後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングによりこの導電膜をパターニングする。こうして、コンタクトホール40を介して磁気抵抗効果素子36のキャップ層28に電気的に接続された配線42を形成する(図9(a))。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えばシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜44を形成する(図9(b))。
この後、必要に応じて更に上層に絶縁層や配線層等を形成する。
このように、本実施形態によれば、自由磁化層20の下面側及び上面側に固定磁化層16、24がそれぞれ形成されたデュアルピン構造において、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量が、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっているので、磁気抵抗効果素子36全体としての抵抗変化が消失したり著しく低下したりする不都合を回避して、磁気抵抗効果素子36全体として高い抵抗変化を得ることができる。
また、本実施形態によれば、単層の強磁性層よりなる自由磁化層20に対して、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とを互いに反対向きにするので、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントを十分に低減するので、固定磁化層16、24と自由磁化層20との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子及びその製造方法について図10乃至図12を用いて説明する。図10は本実施形態による磁気抵抗効果素子の構造を示す概略断面図、図11及び図12は本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態による磁気抵抗効果素子及びその製造方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
まず、本実施形態による磁気抵抗効果素子の構造について図10を用いて説明する。
図示するように、配線34が埋め込まれた層間絶縁膜30上には、下部電極12が形成されている。下部電極12は、例えば膜厚5nmのTa膜12aと、例えば膜厚50nmのCu膜12bと、例えば膜厚5nmのTa膜12cとが順次積層されて構成されている。
下部電極12上には、例えば膜厚15nmのPtMn膜よりなる反強磁性層14が形成されている。
反強磁性層14上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する固定磁化層16が形成されている。固定磁化層16は、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(下部固定磁化層)16aと、例えば膜厚0.68nmのRu膜よりなる非磁性層16bと、例えば膜厚4nmのCoFeB膜よりなる強磁性層(上部固定磁化層)16cとが順次積層されて構成されている。
固定磁化層16上には、非磁性スペーサ層18が形成されている。非磁性スペーサ層18は、例えば膜厚1.1nmのMgO膜よりなるトンネル絶縁膜により構成されている。
非磁性スペーサ層18上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する自由磁化層20が形成されている。自由磁化層20は、例えば膜厚2nmのCoFeB膜よりなる強磁性層(下部自由磁化層)20aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層20bと、例えば膜厚2nmのCoFeB膜よりなる強磁性層(上部自由磁化層)20cとが順次積層されて構成されている。自由磁化層20は、2層の強磁性層を有している。
自由磁化層20上には、非磁性スペーサ層22が形成されている。非磁性スペーサ層22は、例えば膜厚6nmのCu膜よりなる非磁性導体層により構成されている。
非磁性スペーサ層22上には、積層フェリ構造(SAF構造)を有する固定磁化層24が形成されている。固定磁化層24は、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(下部固定磁化層)24aと、例えば膜厚0.68nmのRu膜よりなる非磁性層24bと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層(上部固定磁化層)24cとが順次積層されて構成されている。
固定磁化層24上には、例えば膜厚15nmのIrMn膜よりなる反強磁性層26が形成されている。
反強磁性層26上には、例えば膜厚10nmのRu膜よりなるキャップ層28が形成されている。
こうして、下部電極12上に、反強磁性層14と、固定磁化層16と、非磁性スペーサ層18と、自由磁化層20と、非磁性スペーサ層22と、固定磁化層24と、反強磁性層26と、キャップ層28とが順次積層されてなる本実施形態による磁気抵抗効果素子50が形成されている。本実施形態による磁気抵抗効果素子50は、自由磁化層20の下面側にトンネル絶縁膜18を介して固定磁化層16が形成され、上面側に非磁性導体層22を介して固定磁化層24が形成されたデュアルピン構造を有している。
本実施形態による磁気抵抗効果素子において、非磁性スペーサ層18はトンネル絶縁膜により構成され、非磁性スペーサ層22は非磁性導体層により構成されている。このため、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量は、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっている。
また、2層の強磁性層を有する積層フェリ構造の自由磁化層20に対して、固定磁化層16、24の強磁性層の層数がともに2層となっている。これにより、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とを互いに同じ向きになっている。
磁気抵抗効果素子50が形成された層間絶縁膜30上には、第1実施形態による場合と同様に、層間絶縁膜38、配線42、層間絶縁膜44が形成されている。
本実施形態による磁気抵抗効果素子50は、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量が、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっていることに主たる特徴の一つがある。
これにより、磁気抵抗効果素子50全体としての抵抗変化が消失したり著しく低下したりする不都合を回避して、磁気抵抗効果素子50全体として高い抵抗変化を得ることができる。
また、本実施形態による磁気抵抗効果素子50は、2層の強磁性層を有する積層フェリ構造の自由磁化層20に対して、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とが互いに反対向きになっていることにも主たる特徴の一つがある。
このように固定時下層16、24の磁化方向を設定することで、2層の強磁性層を有する積層フェリ構造の自由磁化層20に対して、自由磁化層20の磁化方向に関係なく、磁気抵抗効果素子50に印加する電流の方向を変更するだけで、逆向きのスピンを有する電子を必ず注入することができる。したがって、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
さらに、本実施形態による磁気抵抗効果素子50は、第1実施形態による磁気抵抗効果素子と同様に、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントが十分に低減されているので、固定磁化層16、24と自由磁化層20との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
次に、本実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法について図11及び図12を用いて説明する。
まず、図6(a)及び図6(b)に示す第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法と同様にして、シリコン基板10上に、配線34までを形成する(図11(a))。
次いで、層間絶縁膜30上に、例えば膜厚5nmのTa膜12aと、例えば膜厚50nmのCu膜12bと、例えば膜厚5nmのTa膜12cとを堆積し、Ta膜12aとCu膜12bとTa膜12cとの積層膜よりなる下部電極12を形成する。
次いで、下部電極層12上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのPtMn膜を堆積し、PtMn膜よりなる反強磁性層14を形成する。
次いで、反強磁性層14上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層16aと、例えば膜厚0.68nmのRu膜よりなる非磁性層16bと、例えば膜厚4nmのCoFeB膜よりなる強磁性層16cとを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層16を形成する。
次いで、固定磁化層16上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚1.1nmのMgO膜を堆積し、MgO膜よりなる非磁性スペーサ層18を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層18上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚2nmのCoFeB膜よりなる強磁性層20aと、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層20bと、例えば膜厚2nmのCoFeB膜よりなる強磁性層20cとを積層する。こうして、積層フェリ構造(SAF構造)を有する自由磁化層20を形成する。
次いで、自由磁化層20上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚6nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる非磁性スペーサ層22を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層22上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層24aと、例えば膜厚0.68nmのRu膜よりなる非磁性層24bと、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層24cとを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層24を形成する。
次いで、固定磁化層24上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのIrMn膜を堆積し、IrMn膜よりなる反強磁性層26を形成する。
次いで、反強磁性層26上に、例えばスパッタ法により、例えば10nmのRu膜を堆積し、Ru膜よりなるキャップ層28を形成する(図11(b))。
次いで、キャップ層28上に、フォトリソグラフィにより、形成しようとする磁気抵抗効果素子のパターンを有するフォトレジスト膜46を形成する。
次いで、フォトレジスト膜46をマスクとして、ドライエッチングにより、キャップ層28、反強磁性層26、固定磁化層24、非磁性スペーサ層22、自由磁化層20、非磁性スペーサ層18、固定磁化層16及び反強磁性層14を異方性エッチングする。これにより、磁気抵抗効果素子50を形成する(図12(a))。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜46を除去する。
次いで、フォトリソグラフィにより、磁気抵抗効果素子36を覆うフォトレジスト膜48を形成する。
次いで、フォトレジスト膜48をマスクとして、ドライエッチングにより下部電極12を異方性エッチングし、下部電極12を所定の形状にパターニングする(図12(b))。
以後、図8(b)乃至図9(b)に示す第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法と同様にして、層間絶縁膜38、配線42、層間絶縁膜44等を形成する。
このように、本実施形態によれば、自由磁化層20の下面側及び上面側に固定磁化層16、24がそれぞれ形成されたデュアルピン構造において、自由磁化層20/非磁性スペーサ層18/固定磁化層16により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量が、固定磁化層24/非磁性スペーサ層22/自由磁化層20により構成される磁気抵抗効果部の抵抗変化量よりも大きくなっているので、磁気抵抗効果素子50全体としての抵抗変化が消失したり著しく低下したりする不都合を回避して、磁気抵抗効果素子50全体として高い抵抗変化を得ることができる。
また、本実施形態によれば、2層の強磁性層を有する積層フェリ構造の自由磁化層20に対して、固定磁化層16の自由磁化層20に最も近い強磁性層16cの磁化方向と、固定磁化層24の自由磁化層20に最も近い強磁性層24aの磁化方向とを互いに同じ向きにするので、反射電子を利用したスピン注入による磁化反転に依存することなく抵抗変化を得ることができ、磁化反転電流を低減するとともに、対称性に優れた抵抗−電流ヒステリシス特性を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、積層フェリ構造を有する固定磁化層16、24を構成する各強磁性層の飽和磁化及び厚さを適宜設定することにより、固定磁化層16、24の磁気モーメントを十分に低減するので、固定磁化層16、24と自由磁化層20との間の磁気的な結合を抑制することができる。したがって、抵抗−電流ヒステリシス特性のシフトを十分に抑制することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による磁気メモリ装置及びその製造方法について図13乃至図16を用いて説明する。図13は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図、図14乃至図16は本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態による磁気抵抗効果素子及びその製造方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
はじめに、本実施形態による磁気メモリ装置の構造について図13を用いて説明する。本実施形態による磁気メモリ装置は、第1実施形態による磁気抵抗効果素子36を記憶素子として用いたアクティブマトリクス型の磁気メモリ装置である。
シリコン基板10には、その表面に活性領域を画定する素子分離膜54が形成されている。
素子分離膜54により画定されたシリコン基板10の活性領域には、ゲート電極56と、その両側のシリコン基板10内に形成されたソース/ドレイン領域58、60とを有する選択トランジスタが形成されている。
選択トランジスタが形成されたシリコン基板10上には、層間絶縁膜62が形成されている。層間絶縁膜62には、ソース/ドレイン領域58に達するコンタクトホール64が形成されている。コンタクトホール64内には、ソース/ドレイン領域58に接続されたコンタクトプラグ66が埋め込まれている。層間絶縁膜62上には、コンタクトプラグ66を介してソース/ドレイン領域58に電気的に接続されたグラウンド線68が形成されている。
グラウンド線68が形成された層間絶縁膜62上には、層間絶縁膜70が形成されている。層間絶縁膜62、70には、ソース/ドレイン領域60に達するコンタクトホール72が形成されている。コンタクトホール72内には、ソース/ドレイン領域60に接続されたコンタクトプラグ74が埋め込まれている。層間絶縁膜70上には、コンタクトプラグ74を介してソース/ドレイン領域60に電気的に接続された下部電極12が形成されている。
下部電極12上には、反強磁性層14と、固定磁化層16と、非磁性スペーサ層18と、自由磁化層20と、非磁性スペーサ層22と、固定磁化層24と、反強磁性層26と、キャップ層28とが順次積層されてなる第1実施形態による磁気抵抗効果素子36が形成されている。磁気抵抗効果素子36が形成された領域以外の層間絶縁膜70上及び下部電極12上には、層間絶縁膜76が埋め込まれている。磁気抵抗効果素子36が埋め込まれた層間絶縁膜76上には、磁気抵抗効果素子36のキャップ層28に電気的に接続されたビット線78が形成されている。ビット線78上には、層間絶縁膜80が形成されている。
ゲート電極56は、紙面垂直方向に延在するワード線としても機能する。そして、複数のワード線と複数のビット線78とがマトリクス状に配され、アクティブマトリクス型の磁気メモリ装置が構成される。
このように、第1実施形態による磁気抵抗効果素子36を記憶素子として用いることにより、消費電力が低くかつ信頼性の高い大容量の磁気メモリ装置を提供することが可能となる。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法について図14乃至図16を用いて説明する。
まず、シリコン基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離膜54を形成する。
次いで、素子分離膜54により画定された活性領域に、通常のMOSトランジスタの形成方法と同様にして、ゲート電極56及びソース/ドレイン領域58、60を有する選択トランジスタを形成する(図14(a))。
次いで、選択トランジスタが形成されたシリコン基板10上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜62を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜62に、ソース/ドレイン領域66に達するコンタクトホール64を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜を堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール64に埋め込まれソース/ドレイン領域58に電気的に接続されたコンタクトプラグ66を形成する。
次いで、コンタクトプラグ66が埋め込まれた層間絶縁膜62上に、導電膜を堆積してパターニングし、コンタクトプラグ66を介してソース/ドレイン領域58に電気的に接続されたグラウンド線68を形成する(図14(b))。
次いで、グラウンド線68が形成された層間絶縁膜62上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜70を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜62、70に、ソース/ドレイン領域60に達するコンタクトホール72を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜を堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール72に埋め込まれソース/ドレイン領域60に電気的に接続されたコンタクトプラグ74を形成する(図14(c))。
次いで、コンタクトプラグ72が埋め込まれた層間絶縁膜70上に、例えば膜厚50nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる下部電極12を形成する。
次いで、下部電極12上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのIrMn膜を堆積し、IrMn膜よりなる反強磁性層14を形成する。
次いで、反強磁性層14上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層と、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層と、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層とを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層16を形成する。
次いで、固定磁化層16上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚3nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる非磁性スペーサ層18を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層18上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚2nmのCoFeB膜を堆積し、CoFeB膜よりなる自由磁化層20を形成する。
次いで、自由磁化層20上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚6nmのCu膜を堆積し、Cu膜よりなる非磁性スペーサ層22を形成する。
次いで、非磁性スペーサ層22上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層と、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層と、例えば膜厚8nmのCoFe膜よりなる強磁性層と、例えば膜厚0.8nmのRu膜よりなる非磁性層と、例えば膜厚4nmのCoFe膜よりなる強磁性層とを積層する。こうして、積層フェリ構造を有する固定磁化層24を形成する。
次いで、固定磁化層24上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのIrMn膜を堆積し、IrMn膜よりなる反強磁性層26を形成する。
次いで、反強磁性層26上に、例えばスパッタ法により、例えば10nmのRu膜を堆積し、Ru膜よりなるキャップ層28を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、キャップ層28、反強磁性層26、固定磁化層24、非磁性スペーサ層22、自由磁化層20、非磁性スペーサ層18、固定磁化層16及び反強磁性層14を異方性エッチングする。これにより、例えば127nm×260nmのサイズを有する磁気抵抗効果素子36を形成する(図15(a))。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、下部電極12を所定の形状にパターニングする。
次いで、磁気抵抗効果素子36が形成された層間絶縁膜70上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、このシリコン酸化膜をCMP法により磁気抵抗効果素子36が露出するまで平坦化し、表面が平坦化されたシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜76を形成する(図15(b))。
次いで、磁気抵抗効果素子36が埋め込まれた層間絶縁膜36上に、導電膜を堆積してパターニングし、磁気抵抗効果素子36のキャップ層28に電気的に接続されたビット線78を形成する(図16(a))。
次いで、全面に、例えばCVD法により、例えばシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜78を形成する(図16(b))。
この後、必要に応じて更に上層に絶縁層や配線層等を形成し、磁気メモリ装置を完成する。
なお、本実施形態では、磁気メモリ装置の記憶素子として第1実施形態による磁気抵抗効果素子36を記憶素子として用いる場合について説明したが、第2実施形態による磁気抵抗効果素子50を記憶素子として用いてもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、反強磁性層14、28をIrMn又はPtMnにより構成する場合を例に説明したが、反強磁性層14、28は、IrMn、PtMnのほか、PdPtMn等の反強磁性材料により構成してもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層16、24の強磁性層、自由磁化層20の強磁性層をCoFe又はCoFeBにより構成する場合を例に説明したが、これらの強磁性層は、CoFe、CoFeBのほか、Co、Ni、Fe、NiFe等の強磁性材料により構成してもよい。また、固定磁化層16、24の非磁性層、自由磁化層20の非磁性層をRuにより構成する場合を例に説明したが、これらの非磁性層は、Ruのほか、Cu、Al、Au等の非磁性材料により構成してもよい。
また、上記第1実施形態では非磁性スペーサ層18、22としてともに非磁性導体層を用い、上記第2実施形態では非磁性スペーサ層18、22としてそれぞれトンネル絶縁膜、非磁性導体層を用いる場合を例に説明したが、非磁性スペーサ層18、22には、非磁性導体層又はトンネル絶縁膜を適宜用いることができる。非磁性スペーサ層18、22として非磁性導体層を用いる場合、非磁性導体層は、Cuのほか、Ru、Al、Au等の非磁性材料により構成することができる。非磁性スペーサ層18、22としてトンネル絶縁膜を用いる場合、トンネル絶縁膜は、MgOのほか、AlO,HfO、TiO、TaO等の絶縁材料により構成することができる。
本発明による磁気抵抗効果素子の基本的な積層構造を示す概略図(その1)である。 本発明による磁気抵抗効果素子の基本的な積層構造を示す概略図(その1)である。 本発明による磁気抵抗効果素子の出力電圧変化と非磁性スペーサ層の磁気抵抗変化量の比との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の抵抗−電流ヒステリシス特性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の構造を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第3実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第3実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第3実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
符号の説明
10…シリコン基板
12…下部電極
14…反強磁性層
16…固定磁化層
16a、16c…強磁性層
16b、16c…非磁性層
18…非磁性スペーサ層
20…自由磁化層
20a、20c…強磁性層
20b…非磁性層
22…非磁性スペーサ層
24…固定磁化層
24a、24c、24e…強磁性層
24b、24d…非磁性層
26…反強磁性層
28…キャップ層
30…層間絶縁膜
32…配線溝
34…配線
36…磁気抵抗効果素子
38…層間絶縁膜
40…コンタクトホール
42…配線
44…層間絶縁膜
46…フォトレジスト膜
48…フォトレジスト膜
50…磁気抵抗効果素子
54…素子分離膜
56…ゲート電極
58、60…ソース/ドレイン領域
62…層間絶縁膜
64…コンタクトホール
66…コンタクトプラグ
68…グラウンド線
70…層間絶縁膜
72…コンタクトホール
74…コンタクトプラグ
76…層間絶縁膜
78…ビット線
80…層間絶縁膜

Claims (10)

  1. 非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第1の固定磁化層と、
    前記第1の固定磁化層上に形成された第1の非磁性スペーサ層と、
    前記第1の非磁性スペーサ層上に形成され、奇数の強磁性層を含む自由磁化層と、
    前記自由磁化層上に形成された第2の非磁性スペーサ層と、
    前記第2の非磁性スペーサ層上に形成され、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第2の固定磁化層とを有し、
    前記第1の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向と、前記第2の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに反対向きになっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の固定磁化層の前記複数の強磁性層の層数と、前記第2の固定磁化層の前記複数の強磁性層の層数との差は1層である
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第1の固定磁化層と、
    前記第1の固定磁化層上に形成された第1の非磁性スペーサ層と、
    前記第1の非磁性スペーサ層上に形成され、偶数の強磁性層を含む自由磁化層と、
    前記自由磁化層上に形成された第2の非磁性スペーサ層と、
    前記第2の非磁性スペーサ層上に形成され、非磁性層を介して複数の強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する第2の固定磁化層とを有し、
    前記第1の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向と、前記第2の固定磁化層の前記自由磁化層に最も近い強磁性層の磁化方向とが互いに同じ向きになっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  4. 請求項3記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の固定磁化層の前記複数の強磁性層の層数と、前記第2の固定磁化層の前記複数の強磁性層の層数とは互いに同じ偶数である
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記自由磁化層は、非磁性層を介して複数層の前記強磁性層が積層されてなる積層フェリ構造を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の固定磁化層と前記第1の非磁性スペーサ層と前記自由磁化層とにより構成される第1の磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、前記第2の固定磁化層と前記第2の非磁性スペーサ層と前記自由磁化層とにより構成される第2の磁気抵抗効果部の抵抗変化量とが異なっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  7. 請求項6記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の磁気抵抗効果部の抵抗変化量と、前記第2の磁気抵抗効果部の抵抗変化量とは、10倍以上異なっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の固定磁化層の磁気モーメントは、前記第1の固定磁化層の前記複数の強磁性層のそれぞれの磁気モーメントのうちの最小値の1/10の値よりも小さくなっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第2の固定磁化層の磁気モーメントは、前記前記第2の固定磁化層の前記複数の強磁性層のそれぞれの磁気モーメントのうちの最小値の1/10の値よりも小さくなっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  10. 第1の配線と、
    前記第1の配線と交差する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線との交差領域に設けられた請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子と
    を有することを特徴とする磁気メモリ装置。
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