JP2005026191A - 電極及び電気化学素子並びに電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 - Google Patents

電極及び電気化学素子並びに電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極並びにこの電極を備える電気化学素子の提供。
【解決手段】アノードは、電極活物質と導電助剤と結着剤とを含む複合粒子P10を含む活物質含有層と、該層に電気的に接触する集電体とを有する。カソードもこれと同様の構成を有する。電気化学素子はアノード及びカソードと電解質層とを備える。P10は電極活物質粒子P1と導電助剤粒子P2と結着剤粒子P3とを含む。P10は造粒工程を経て形成されている。活物質含有層において、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合している。
【選択図】図2

Description

本発明は、1次電池、2次電池(特に、リチウムイオン2次電池)、電気分解セル、キャパシタ(特に、電気化学キャパシタ)等の電気化学素子に使用可能な電極及びこれを備える電気化学素子に関する。また、本発明は、上記電極の製造方法及び上記電極を備えた電気化学素子の製造方法に関する。
近年の携帯機器の発展には目覚しいものがあり、その大きな原動力としては、これらの機器の電源として広く採用されているリチウムイオン2次電池をはじめとする高エネルギー電池の発展が挙げられる。上記高エネルギー電池は、主として、カソードと、アノードと、カソードとアノードとの間に配置される電解質層(例えば、液状電解質又は固体電解質からなる層)とから構成されている。
そして、リチウムイオン2次電池をはじめとする高エネルギー電池、及び、電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ等の電気化学素子は、携帯機器等の電気化学素子が設置されるべき機器の今後の発展に対応すべく特性の更なる向上を目指して様々な研究開発が進められている。特に、更なる出力密度の増大化を図ることが望まれており、また、機器からの負荷要求が急激に然も大きく変動する場合であっても、これに十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電気化学素子を実現することが望まれている。
従来から、上記カソード及び/又はアノードは、それぞれの電極活物質と、結着剤(合成樹脂等)と、導電助剤と、分散媒及び/又は溶媒とを含む電極形成用の塗布液(例えば、スラリー状或いはペースト状のもの)を調製し、この塗布液を集電体(例えば、金属箔等)の表面に塗布し、次いで乾燥させることにより、電極活物質を含む層(以下、「活物質含有層」という。)を集電体の表面に形成する工程を経て製造されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、この方法(湿式法)においては、塗布液に導電助剤を添加しない場合もある。また、塗布液のかわりに、分散媒及び溶媒を使用せず、電極活物質と、結着剤と、導電助剤とを含む混練物を調製し、この混練物を熱ロールプレス機及び/又は熱プレス機を用いてシート状に成形する場合もある。更に、塗布液に導電性高分子を更に添加し、いわゆる「ポリマー電極」を形成する場合もある。また、電解質層が固体の場合には、塗布液を電解質層の表面に塗布する手順の方法を採用する場合もある。
また、例えば、二酸化マンガン(カソードの活物質)粒子と、当該二酸化マンガン粒子の表面に固定化された炭素材料粉末(導電助剤)とからなる複合粒子をカソードの電極材料に使用して、カソードに起因する電池の充放電容量の低下の防止を図ることにより、電池特性の更なる向上を意図したリチウム2次電池用正極及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、正極活物質(カソードの活物質)、導電剤(導電助剤)、結着剤及び溶媒からなる、固形分20〜50重量%、該固形分の平均粒径10μm以下のスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥方式(spray drying)で造粒することにより、放電特性及び生産性等の特性の更なる向上を意図した有機電解液電池用正極合剤の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−283615号公報 特開平2−262243号公報 特開2000−40504号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術をはじめとする湿式法により製造した電極を備えたリチウムイオン2次電池は下記の問題があり、電池の出力密度を増大させるには限界があり、特に負荷要求が急激に然も大きく変動する作動条件で使用される場合、このような負荷要求に十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電池を構成することが極めて困難であった。
すなわち、電池出力の更なる向上を意図した場合、電極の活物質含有層の厚さを薄くすれば活物質含有層全体の内部抵抗(インピーダンス)を低減することができるため上記の意図を達成できる可能性がある。しかし、この場合には、活物質の含有量が不十分となり、電池容量及び電池のエネルギー密度を十分に確保することができなくなる。集電体及びセパレータは電池容量に寄与しないため、この観点からも電池容量を十分に確保することができなくなる。
また、特許文献2に記載の複合粒子は、機械的な強度が弱く電極形成中において二酸化マンガン粒子の表面に固定化された炭素材料粉末が剥離し易いため、得られる電極中の炭素材料粉末の分散性が不十分となり易く、期待される電極特性の向上を、電池出力の更なる向上を確実かつ十分に図ることができていないことを本発明者らは見出した。
更に、特許文献3に記載の有機電解液電池用正極合剤は、溶媒からなるスラリーを熱風中に噴霧乾燥(spray drying)することにより正極活物質、導電剤及び結着剤からなる塊(複合粒子)として製造される。この場合、正極活物質、導電剤及び結着剤が溶媒中に分散した状態で乾燥及び固化が進行するため、乾燥中に結着剤同士の凝集及び導電剤の凝集が進行し、得られる塊(複合粒子)を構成する各正極活物質からなる粒子の表面に、導電剤及び結着剤がそれぞれ効果的な導電ネットワークを保ち十分に分散した状態で密着していないため、電池出力の更なる向上を確実かつ十分に図ることができていないことを本発明者らは見出した。
より詳しくは、特許文献3に記載の技術では、図21に示すように、得られる塊(複合粒子)P100を構成する各正極活物質からなる粒子の中には、大きな結着剤からなる凝集体P33のみに囲まれて、該塊(複合粒子)P100中に電気的に孤立して利用されないものP11が多く存在することことを本発明者らは見出した。また、乾燥中に導電剤からなる粒子が凝集体となると、得られる塊(複合粒子)P100中で、導電剤からなる粒子が凝集体P22として偏在してしまい、該塊(複合粒子)P100中十分な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)を構築できず、十分な電子伝導性を得ることができていないことを本発明者らは見出した。更に、導電剤からなる粒子の凝集体P22が大きな結着剤からなる凝集体P33のみに囲まれて電気的に孤立することもあり、この観点からも該塊(複合粒子)P100中十分な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)を構築できず、十分な電子伝導性を得ることができていないことを本発明者らは見出した。
また、上述の特許文献2及び特許文献3に記載の複合粒子をはじめとする従来の電極では、電極の形状安定性を確保する観点から絶縁性或いは電子伝導性の低い結着剤(結着剤)を多量に電極活物質及び導電助剤とともに使用するため、この観点からも電極の電子伝導性を確保することが十分にできていなかった。更に、上述の特許文献2及び特許文献3に記載の複合粒子を使用して電極を作成する場合においても結着剤を使用しているため、上記の問題が発生することを本発明者らは見出した。
また、上記のリチウムイオン2次電池の他の種類の1次電池及び2次電池においても、先に述べた従来一般の製造方法(湿式法)、即ち、電極活物質、導電助剤及び結着剤を少なくとも含む塗布液を用いる方法により製造した電極を有するものについては上述と同様の問題があった。
更に、電池における電極活物質のかわりに電子伝導性の材料(炭素材料又は金属酸化物)を電極活物質として用い、これと導電助剤及び結着剤を少なくとも含むスラリーを用いる方法により製造した電極を有する電気分解セル、及び、キャパシタ(例えば、電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ)においても、上述と同様の問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極、並びに、この電極を備えており、負荷要求が急激に然も大きく変動する場合であってもこれに十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電気化学素子を提供することを目的とする。また、本発明は、上記電極及び電気化学素子をそれぞれ容易かつ確実に得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の電極形成方法では、電極形成の際に先に述べた電極活物質、導電助剤及び結着剤を少なくとも含む塗布液又は混練物を用いる方法を採用しているため、得られる電極の活物質含有層中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態が不均一となっていることが上述の問題の発生に対して大きな影響を及ぼしていることを見出した。
すなわち、特許文献1及び特許文献2に記載の技術をはじめとする従来の塗布液又は混練物を用いる方法では、塗布液又は混練物を集電体の表面に塗布して当該表面に塗布液又は混練物からなる塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させて溶媒を除去することにより活物質含有層を形成する。本発明者らは、この塗膜の乾燥の過程において、比重の軽い導電助剤及び結着剤が塗膜表面付近まで浮き上がってしまうことを見出した。そして、その結果、塗膜中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態が効果的な導電ネットワークを構築できていない状態、例えば、この分散状態が不均一となり、電極活物質、導電助剤及び結着剤の三者間の密着性が充分に得られず、得られる活物質含有層中に良好な電子伝導パスが構築されず、活物質含有層の比抵抗並びに電荷移動過電圧を十分に低減できていないことを見出した。
更に、特許文献3に記載の複合粒子をはじめとする従来のスラリーを噴霧乾燥方式(spray drying)で造粒する方法では、同一のスラリー中に、正極活物質(カソードの活物質)、導電剤(導電助剤)、及び、結着剤を含ませているために、得られる造粒物(複合粒子)中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態は、スラリー中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態(特に、スラリーの液滴の乾燥が進行する過程での電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態)に依存するため、先に図21を用いて述べた、結着剤の凝集とその偏在、及び、導電助剤の凝集とその偏在が起こり、得られる造粒物(複合粒子)中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態が効果的な導電ネットワークを構築できていない状態、例えば、この分散状態が不均一となり、電極活物質、導電助剤及び結着剤の三者間の密着性が充分に得られず、得られる活物質含有層中に良好な電子伝導パスが構築されなくなっていることを見出した。
また、本発明者らは、この場合、導電助剤及び結着剤を電解液に接触し、電極反応に関与できる電極活物質の表面に選択的にかつ良好に分散させることができず、反応場で発生する電子を効率よく伝導させる電子伝導ネットワークの構築に寄与しない無駄な導電助剤が存在したり、単に電気抵抗を増大させるだけの存在となる無駄な結着剤が存在していることことを見出した。
更に、本発明者らは、特許文献2及び特許文献3の複合粒子をはじめとする従来技術では、塗膜中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態が不均一となるため、集電体に対する電極活物質及び導電助剤の密着性も充分に得られていないことも見出した。特に、塗膜及びこれより得られる電極中の電極活物質、導電助剤及び結着剤の分散状態が不均一となり、これらの成分がそれぞれ電極中で偏在してしまう問題は、電極の厚さを大きくする場合に顕著となる。
そして本発明者らは、結着剤を用いた場合には電極の内部抵抗が増大する傾向にあるということが当業者の一般的な認識であったにも拘わらず、以下のことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明者らは、電極活物質、導電助剤及び結着剤を含む粒子を以下の造粒工程を経て予め形成し、これを構成材料として電極の活物質含有層を形成すれば、結着剤が含まれているにも拘わらず、比抵抗値が電極活物質そのものの値よりも十分に低い活物質含有層を構成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、電極活物質と、電子伝導性を有する導電助剤と、前記電極活物質と前記導電助剤とを結着させることが可能な結着剤と、を含む複合粒子を構成材料として含む導電性の活物質含有層と、
活物質含有層に電気的に接触した状態で配置される導電性の集電体と、
を少なくとも有しており、
複合粒子は、電極活物質からなる粒子に対し、導電助剤と結着剤とを密着させて一体化させる造粒工程を経て形成されており、
活物質含有層において、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合していること、
を特徴とする電極を提供する。
従来の電極に比較して本発明の電極は活物質含有層の比抵抗並びに電荷移動過電圧が十分に低減されているため、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易かつ確実にできる。
ここで、本発明において、複合粒子の構成材料となる「電極活物質」とは、形成すべき電極により以下の物質を示す。すなわち、形成すべき電極が1次電池のアノードとして使用される電極の場合には「電極活物質」とは還元剤を示し、1次電池のカソードの場合には「電極活物質」とは酸化剤を示す。また、「電極活物質よりなる粒子」中には、本発明の機能(電極活物質の機能)を損なわない程度の電極活物質以外の物質が入っていてもよい。
また、形成すべき電極が2次電池に使用されるアノード(放電時)の場合には、「電極活物質」とは還元剤であって、その還元体及び酸化体の何れの状態においても化学的安定に存在可能な物質であり、酸化体から還元体への還元反応及び還元体から酸化体への酸化反応が可逆的に進行可能である物質を示す。更に、形成すべき電極が2次電池に使用されるカソード(放電時)の場合には、「電極活物質」とは酸化剤であって、その還元体及び酸化体の何れの状態においても化学的安定に存在可能な物質であり、酸化体から還元体への還元反応及び還元体から酸化体への酸化反応が可逆的に進行可能である物質を示す。
また、上記以外にも、形成すべき電極が1次電池及び2次電池に使用される電極の場合、「電極活物質」は、電極反応に関与する金属イオンを吸蔵又は放出(インターカレート、又は、ドープ・脱ドープ)することが可能な材料であってもよい。この材料としては、例えば、リチウムイオン2次電池のアノード及び/又はカソードに使用される炭素材料や、金属酸化物(複合金属酸化物を含む)等が挙げられる。
なお、説明の便宜上、本明細書においては、アノードの電極活物質を「アノード活物質」といい、カソードの電極活物質を「カソード活物質」という。この場合の「アノード活物質」という場合の「アノード」とは、電池の放電時の極性を基準とするもの(負極活物質)であり、「カソード活物質」という場合の「カソード」は、電池の放電時の極性を基準とするもの(正極活物質)である。アノード活物質及びカソード活物質の具体的な例示については後述する。
また、形成すべき電極が電気分解セルに使用される電極又はキャパシタ(コンデンサ)に使用される電極の場合には、「電極活物質」とは、電子伝導性を有する、金属(金属合金を含む)、金属酸化物又は炭素材料を示す。
本発明の電極に使用する複合粒子は、導電助剤、電極活物質及び結着剤のそれぞれを極めて良好な分散状態で互いに密着せしめた粒子である。そして、この複合粒子は、電極の活物質含有層を後述する乾式法により製造する際の粉体の主成分として使用されるか、又は、電極の活物質含有層を後述する湿式法により製造する際の塗布液又は混練物の構成材料に使用される。
この複合粒子内部には、極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)が3次元的に構築されている。この電子伝導パスの構造は、電極の活物質含有層を後述する乾式法により製造する際の粉体の主成分として使用する場合には加熱処理により活物質含有層を形成した後においてもほぼ当初の状態を保持させることができる。また、この電子伝導パスの構造は、電極の活物質含有層を後述する湿式法により製造する際の塗布液又は混練物の構成材料として使用する場合、この複合粒子を含む塗布液又は混練物を調製した後においても、調製条件を調節すること(例えば、塗布液を調製する際の分散媒又は溶媒の選択等)によりほぼ当初の状態を保持させることが容易にできる。
すなわち、本発明の電極は、上記の複合粒子の構造を維持した状態で形成されるため、活物質含有層において、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合している。そのため、活物質含有層中には、極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)が3次元的に構築されている。ここで、「活物質含有層において、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合していること」とは、活物質含有層において、電極活物質からなる粒子(又はその凝集体)と導電助剤からなる粒子(又はその凝集体)とが「実質的に」孤立せずに電気的に結合していることを示す。より詳しくは、電極活物質からなる粒子(又はその凝集体)と導電助剤からなる粒子の全てが完全に孤立せずに電気的に結合しているのではなく、本発明の効果を得られる水準の電気抵抗を達成できる範囲で電気的に十分に結合していることを示す。
そして、この「活物質含有層において、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合している」状態は、本発明の電極の活物質含有層の断面のSEM(Scaning Electron Micro Scope:走査型電子顕微鏡)写真、TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)写真及びEDX(Energy Dispersive X‐ray Fluorescence Spectrometer:エネルギー分散型X線分析装置)分析データにより確認することができる。また、本発明の電極は、その活物質含有層の断面のSEM写真、TEM写真及びEDX分析データと、従来の電極のSEM写真、TEM写真及びEDX分析データとを比較することにより、従来の電極と明確に区別することができる。
また、本発明においては、造粒工程は、
結着剤と導電助剤と溶媒とを含む原料液を調製する原料液調製工程と、
流動槽中に気流を発生させ、該気流中に電極活物質からなる粒子を投入し、電極活物質からなる粒子を流動層化させる流動層化工程と、
電極活物質からなる粒子を含む流動層中に原料液を噴霧することにより、原料液を電極活物質からなる粒子に付着、乾燥させ、電極活物質からなる粒子の表面に付着した原料液から溶媒を除去し、結着剤により電極活物質からなる粒子と導電助剤からなる粒子とを密着させる噴霧乾燥工程と、
を含んでいることが好ましい。
上述の構成の造粒工程を採用することにより、先に述べた複合粒子をより確実に形成することができ、ひいては本発明の効果をより確実に得ることができるようになる。この造粒工程では、流動槽中において、電極活物質からなる粒子に、導電助剤と結着剤とを含む原料液の微小な液滴を直接噴霧するため、先に述べた従来の複合粒子の製造方法の場合に比較して、複合粒子を構成する各構成粒子の凝集の進行を十分に防止でき、その結果、得られる複合粒子中の各構成粒子の偏在化を十分に防止できる。また、導電助剤及び結着剤を電解液に接触し、電極反応に関与できる電極活物質の表面に選択的にかつ良好に分散させることができる。
そのため、複合粒子は、導電助剤、電極活物質及び結着剤のそれぞれを極めて良好な分散状態で互いに密着せしめた粒子となる。また、複合粒子は、造粒工程において、流動槽中の温度、流動槽中に噴霧する原料液の噴霧量、流動槽中に発生させる気流中に投入する電極活物質の投入量、流動槽中に発生させる気流の速度、気流の流れ(循環)の様式(層流、乱流等)等を調節することにより、その粒子サイズを調節することができる。
この構成の造粒工程により形成される複合粒子内部には、極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)が3次元的により確実に構築されている。そして、この場合にも、この電子伝導パスの構造は、電極の活物質含有層を後述する乾式法により製造する際の粉体の主成分として使用する場合には加熱処理により活物質含有層を形成した後においてもほぼ当初の状態を保持させることができる。また、この電子伝導パスの構造は、電極の活物質含有層を後述する湿式法により製造する際の塗布液又は混練物の構成材料として使用する場合、この複合粒子を含む塗布液又は混練物を調製した後においても、調製条件を調節すること(例えば、塗布液を調製する際の分散媒又は溶媒の選択等)によりほぼ当初の状態を保持させることが容易にできる。
そのため、電極の活物質含有層を後述する乾式法により製造する際の粉体の主成分としてこの複合粒子を用いる場合には、従来のような導電助剤、電極活物質及び結着剤の間の密着性の低下、並びに、集電体表面に対する導電助剤及び電極活物質の密着性の低下を充分に防止することができる。
また、電極の活物質含有層を後述する湿式法により製造する場合にも、集電体表面に、複合粒子を含む塗布液又は混練物からなる液膜を形成し、次いで、液膜を固化させる過程(例えば、液膜を乾燥させる等の過程)において、従来のような導電助剤、電極活物質及び結着剤の間の密着性の低下、並びに、集電体表面に対する導電助剤及び電極活物質の密着性の低下を充分に防止することができる。
その結果、本発明者らは、本発明の電極の活物質含有層内には従来の電極に比較して極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)が3次元的に構築されており、活物質含有層の比抵抗並びに電荷移動過電圧を飛躍的に低減することが可能となっていると推察している。
更に、電極の活物質含有層を比較的薄くする場合(例えば、100μm以下とする場合)であっても、優れた電子伝導性を有する上記複合粒子を用いることにより、内部抵抗(インピーダンス)の低い電極を形成できるので、この電極を備える電気化学素子は、従来のものよりも比較的高い電流密度(例えば、活物質含有層の厚さを100μmとしたときに3mA/cm2以上)での速やかでありかつ再現性のよい充放電(ただし電気化学素子が1次電池の場合は放電のみ)が可能となり、容易に高出力化を図ることができる。
この場合、電気化学素子の高出力化をより確実に図る観点から、活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たしていることが好ましい。
0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
1μm≦T≦ 150μm ・・・(2)
1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
式(1)〜(3)の条件を同時に満たさない場合以下の傾向が大きくなる。すなわち、式(1)の(T/d)が0.0005未満である場合には、活物質含有層を形成するために集電体上に散布(配置)した複合粒子からなる層を圧延する際の圧力が高くなり、先に述べた複合粒子中の良好な電子伝導ネットワークを維持することが困難になる傾向が大きくなる。
また、式(1)の(T/d)が1を超える場合には、活物質含有層中で、複数の複合粒子が集電体の面の法線方向に積み重なって並んだ状態ができて、複合粒子同士の接触界面が形成される。この複合粒子同士の界面抵抗(電気抵抗)は複合粒子中の内部抵抗よりも大きいため、十分な出力特性が得られなくなる傾向が大きくなる。
更に、式(2)のTが1μm未満となると、活物質含有層の機械的強度が不十分となり、十分なハンドリング性が得られなくなる傾向が大きくなる。また、式(2)のTが150μmを超えると、活物質含有層上部(集電体に接触する面と反対側の面の近傍部分)と集電体との距離が大きくなり、電荷移動パスが長くなって、十分な出力特性が得られなくなる傾向が大きくなる。
また、式(3)のdが1μm未満となると、複合粒子を製造する際の核となる粒子(電極活物質からなる粒子など)が小さすぎて、十分に複合化を行なうことができなくなる傾向が大きくなる。先に述べたように造粒工程を、流動槽を用いて行なう場合には、流動槽中で核となる粒子が凝集して安定した流動層を形成することが困難となる傾向が大きくなる。また、式(3)のdが2mmを超えると、複合粒子を製造する際の核となる粒子として粒径の大きな粒子を使用しなければならなくなる。この場合、粒径の大きな粒子内のイオン拡散速度が大きいため、十分な出力特性が得られなくなる傾向が大きくなる。
なお、本発明の電極は、活物質含有層には、導電性高分子が更に含有されていていることを特徴としていてもよい。これにより先に述べたポリマー電極を形成することができる。この場合、導電性高分子はイオン伝導性を有する導電性高分子であることを特徴としていてもよく、導電性高分子は電子伝導性を有する導電性高分子であることを特徴としていてもよい。また、導電性高分子としてイオン伝導性を有する導電性高分子と電子伝導性を有する導電性高分子とを併用してもよい。
このような構成とすることにより、本発明では、従来の電極よりも優れた電子伝導性及びイオン伝導性を有する電極を容易かつ確実に形成することができる。このような導電性高分子は、電極の活物質含有層を後述する乾式法により製造する際の粉体の主成分として複合粒子を使用する場合には、該粉体中に複合粒子以外の構成成分として添加することにより活物質含有層中に含有させることができる。また、このような導電性高分子は、電極形成用塗布液又は電極形成用混練物を調製する際には、導電性高分子を複合粒子以外の構成成分として添加することにより活物質含有層中に含有させることができる。
また、本発明では、複合粒子を形成する際に構成材料として導電性高分子を更に添加してもよい。すなわち、複合粒子には、導電性高分子が更に含有されていることを特徴としていてもよい。この場合にもこの場合、導電性高分子はイオン伝導性を有する導電性高分子であることを特徴としていてもよく、導電性高分子は電子伝導性を有する導電性高分子であることを特徴としていてもよい。また、導電性高分子としてイオン伝導性を有する導電性高分子と電子伝導性を有する導電性高分子とを併用してもよい。
このように、導電性高分子を含有させた複合粒子を用いて活物質含有層を構成することにより、電極の活物質含有層内に極めて良好なイオン伝導パス及び又は電子伝導パスを容易に構築することができる。このような導電性高分子は、複合粒子を形成する際に構成材料として更に添加することにより複合粒子中に含有させることができる。
また、本発明においては、複合粒子の構成材料となる結着剤として導電性高分子を使用可能な場合には、イオン伝導性を有する導電性高分子を使用してもよい。すなわち、本発明においては、結着剤が導電性高分子からなることを特徴としていてもよい。イオン伝導性を有する結着剤は活物質含有層内のイオン伝導パスの構築に寄与し、電子伝導性を有する結着剤は活物質含有層内の電子伝導パスの構築に寄与すると考えられる。
また、導電性高分子は、複合粒子の構成材料、並びに、電極形成用の粉体(乾式法)の構成成分、電極形成用塗布液(湿式法)の構成成分、及び、電極形成用の混練物(湿式法)の構成成分として何れにも添加してもよい。この場合にも電極の活物質含有層内に極めて良好なイオン伝導パスを容易に構築することができる。
複合粒子を用いて形成される電極は、活物質含有層内で進行する電子移動反応の反応場となる導電助剤、電極活物質及び電解質(固体電解質又は液状電解質)との接触界面が、3次元的にかつ充分な大きさで形成されており、なおかつ、活物質含有層と集電体との電気的接触状態も極めて良好な状態にある。
また、本発明においては、導電助剤、電極活物質及び結着剤のそれぞれの分散状態が極めて良好な複合粒子を予め形成するため、導電助剤及び結着剤の添加量を従来よりも充分に削減できる。
なお、本発明において、導電性高分子を用いる場合、導電性高分子は、先に述べた複合粒子の構成要素となる導電性高分子と同種であっても異種であってもよい。
更に、本発明においては、電極活物質が1次電池又は2次電池のカソードに使用可能な活物質であってもよい。また、本発明においては、電極活物質が1次電池又は2次電池のアノードに使用可能な活物質であってもよい。更に、本発明においては、電極活物質が電気分解セル又はキャパシタを構成する電極に使用可能な電子伝導性を有する炭素材料又は金属酸化物であってもよい。なお、本発明においては、電気分解セル又はキャパシタは、第1の電極(アノード)と、第2の電極(カソード)と、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、第1の電極(アノード)と第2の電極(カソード)とが電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学セルを示す。また、本明細書において、「キャパシタ」は「コンデンサ」と同義とする。
また、本発明は、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、前記アノードと前記カソードとが前記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学素子であって、先に述べた本発明の電極のうちの何れかの電極がアノード及びカソードのうちの一方或いは両方の電極として備えられていること、を特徴とする電気化学素子を提供する。
複合粒子を含む活物質含有層を備えた本発明の電極を、アノード及びカソードのうちの少なくとも一方、好ましくは両方として備えることにより、負荷要求が急激かつ大きく変動する場合であってもこれに十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電気化学素子を容易かつ確実に構成することができる。
ここで、本発明において、「電気化学素子」とは、互いに対向する第1の電極(アノード)及び第2の電極(カソード)とを少なくとも有しており、これら第1の電極と第2の電極との間に配置されるイオン伝導性を有する電解質層を少なくとも備えた構成を有するものを示す。また、「イオン伝導性を有する電解質層」とは、(1)絶縁性材料から形成された多孔質のセパレータであって、その内部に電解質溶液(或いは電解質溶液にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状の電解質)が含浸されているもの、(2)固体電解質膜(固体高分子電解質からなる膜又はイオン伝導性無機材料を含む膜)、(3)電解質溶液にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状の電解質からなる層、(4)電解質溶液からなる層を示す。
なお、上記(1)〜(4)の構成の何れの場合にも、第1の電極及び第2の電極の内部にもそれぞれに使用される電解質が含有されている構成を有していてもよい。
また、本明細書においては、(1)〜(3)の構成において、第1の電極(アノード)、電解質層、第2の電極(カソード)からなる積層体を、必要に応じて「素体」という。更に、素体は、上記(1)〜(3)の構成のように、3層構造のものの他に、上記電極と電解質層とが交互に積層された5層以上の構成を有していてもよい。
また、上記(1)〜(4)の構成の何れの場合にも、電気化学素子は、複数の単位セルを1つのケース内に直列或いは並列に配置させたモジュールの構成を有していてもよい。
また、本発明の電気化学素子は、電解質層が固体電解質からなることを特徴としていてもよい。この場合、固体電解質が、セラミックス固体電解質、固体高分子電解質、又は、液状電解質にゲル化剤を添加して得られるゲル状電解質からなることを特徴としていてもよい。
この場合には、構成要素が全て固体である電気化学素子(例えば、いわゆる「全固体型電池」)を構成することができる。これにより電気化学素子の軽量化、エネルギー密度の向上及び安全性の向上をより容易に図ることができる。
電気化学素子として「全固体型電池」を構成した場合(特に全固体型のリチウムイオン2次電池を構成した場合)には、下記(I)〜(IV)の利点を有する。即ち、(I)電解質層が液状電解液ではなく固体電解質からなるため、液漏れの発生がなく、優れた耐熱性(高温安定性)を得ることができ、電解質成分と電極活物質との反応を十分に防止できる。そのため、優れた電池の安全性及び信頼性を得ることができる。(II)液状電解液からなる電解質層では困難であった金属リチウムをアノードとして使用すること(いわゆる「金属リチウム2次電池」を構成すること)が容易にでき、更なるエネルギー密度の向上を図ることができる。(III)複数の単位セルを1つのケース内に配置させたモジュールを構成する場合に、液状電解液からなる電解質層では実現不可能であった複数の単位セルの直列接合が可能になる。そのため、様々な出力電圧、特に比較的大きな出力電圧を有するモジュールを構成することができる。(IV)液状電解液からなる電解質層を備える場合に比較して、採用可能な電池形状の自由度が広くなると共に電池をコンパクトに構成することが容易にできる。そのため、電源として搭載される携帯機器等の機器内の設置条件(設置位置、設置スペースの大きさ及び、設置スペースの形状等の条件)に容易に適合させることができる。
また、本発明の電気化学素子は、電解質層が、絶縁性の多孔体からなるセパレータと、セパレータ中に含侵された液状電解質又は固体電解質と、からなることを特徴としてもよい。この場合にも固体電解質を用いる場合は、セラミックス固体電解質、固体高分子電解質、又は、液状電解質にゲル化剤を添加して得られるゲル状電解質を使用することができる。
更に、本発明は、電極活物質を含む導電性の活物質含有層と、活物質含有層に電気的に接触した状態で配置される導電性の集電体と、を少なくとも有する電極の製造方法であって、
電極活物質からなる粒子に対し、導電助剤と、電極活物質と導電助剤とを結着させることが可能な結着剤とを密着させて一体化することにより、電極活物質と、導電助剤と、結着剤とを含む複合粒子を形成する造粒工程と、
集電体の活物質含有層を形成すべき部位に、複合粒子を用いて活物質含有層を形成する活物質含有層形成工程と、
を有しており、
造粒工程は、
結着剤と導電助剤と溶媒とを含む原料液を調製する原料液調製工程と、
流動槽中に気流を発生させ、該気流中に電極活物質からなる粒子を投入し、電極活物質からなる粒子を流動層化させる流動層化工程と、
電極活物質からなる粒子を含む流動層中に原料液を噴霧することにより、原料液を電極活物質からなる粒子に付着、乾燥させ、電極活物質からなる粒子の表面に付着した原料液から溶媒を除去し、結着剤により電極活物質からなる粒子と導電助剤からなる粒子とを密着させる噴霧乾燥工程と、
を含むこと、
を有することを特徴とする電極の製造方法を提供する。
上述の造粒工程を経ることにより、先に述べた本発明の電極の構成材料となる複合粒子を容易かつ確実に形成することができる。そのため、この造粒工程により得られる複合粒子を用いることにより、優れた出力密度及び優れた分極特性等の電極特性を有する電極をより容易かつ確実に形成することができ、ひいては優れた充放電特性を有する電気化学素子を容易かつ確実に構成することができる。
ここで、本発明の電極の製造方法における造粒工程において、上述の「電極活物質からなる粒子に導電助剤と結着剤とを密着させて一体化すること」とは、電極活物質からなる粒子の表面の少なくとも一部分に、導電助剤からなる粒子と結着剤からなる粒子とをそれそれ接触させた状態とすることを示す。すなわち、電極活物質からなる粒子の表面は、導電助剤からなる粒子と結着剤からなる粒子とによりその一部が覆われていれば十分であり、全体が覆われている必要は無い。なお、本発明の複合粒子の製造方法の造粒工程において使用する「結着剤」は、これとともに使用される電極活物質と導電助剤とを結着させることが可能なものを示す。
また、本発明においては、先に述べた構造を有する複合粒子をより容易かつより確実に形成する観点から、造粒工程は、流動槽中の温度を50℃以上で、結着剤の融点を大幅に越えない温度に調節することが好ましく、流動槽中の温度を50℃以上で、結着剤の融点以下に調節することがより好ましい。この結着剤の融点とは、その結着剤の種類にもよるが、例えば200℃程度である。流動槽中の温度が50℃未満となると、噴霧中の溶媒の乾燥が不十分となる傾向が大きくなる。流動槽中の温度が結着剤の融点を大幅に越えると、結着剤が溶融し粒子の形成に大きな支障をきたす傾向が大きくなる。流動槽中の温度が結着剤の融点よりも若干上回る程度の温度であれば、条件により上記の問題の発生を十分に防止することができる。また、流動槽中の温度が結着剤の融点以下であれば、上記の問題は発生しない。
更に、本発明の複合粒子の製造方法においては、先に述べた構造を有する複合粒子をより容易かつより確実に形成する観点から、造粒工程において、流動槽中に発生させる気流は、空気、窒素ガス、又は、不活性ガスからなる気流であることが好ましい。更に、造粒工程において、流動槽中の湿度(相対湿度)は、上記の好ましい温度範囲において30%以下とすることが好ましい。「不活性ガス」とは、希ガスに属するガスを示す。
また、本発明の電極の製造方法においては、造粒工程において、原料液に含まれる溶媒は、結着剤を溶解又は分散可能であるとともに導電助剤を分散可能であることが好ましい。これによっても、得られる複合粒子中の結着剤、導電助剤及び電極活物質の分散性をより高めることができる。複合粒子中の結着剤、導電助剤及び電極活物質の分散性をより高める観点から、原料液に含まれる溶媒は結着剤を溶解可能であるとともに導電助剤を分散可能であることがより好ましい。
また、本発明の電極の製造方法においては、造粒工程において、原料液には、導電性高分子が更に溶解されていてもよい。この場合にも、得られる複合粒子には、導電性高分子が更に含有されることになる。そして、この複合粒子を用いることにより先に述べたポリマー電極を形成することができる。上記の導電性高分子はイオン伝導性を有するものであってもよく、電子伝導性を有するものであってもよい。導電性高分子がイオン伝導性を有するものである場合には、電極の活物質含有層内に極めて良好なイオン伝導パス(イオン伝導ネットワーク)をより容易かつより確実に構築することができる。導電性高分子が電子伝導性を有するものである場合には、電極の活物質含有層内に極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)をより容易かつより確実に構築することができる。
更に、本発明の電極の製造方法は、結着剤として導電性高分子を使用することを特徴としていてもよい。これにより、得られる複合粒子には、導電性高分子が更に含有されることになる。そして、この複合粒子を用いることにより先に述べたポリマー電極を形成することができる。上記の導電性高分子はイオン伝導性を有するものであってもよく、電子伝導性を有するものであってもよい。導電性高分子がイオン伝導性を有するものである場合には、電極の活物質含有層内に極めて良好なイオン伝導パス(イオン伝導ネットワーク)をより容易かつより確実に構築することができる。導電性高分子が電子伝導性を有するものである場合には、電極の活物質含有層内に極めて良好な電子伝導パス(電子伝導ネットワーク)をより容易かつより確実に構築することができる。
上述の本発明の電極の製造方法において得られる複合粒子を用いることにより、優れた分極特性を有する電極を容易かつ確実に得ることができる。更に、この電極をアノード及びカソードうちの少なくとも一方、好ましくは両方に用いることにより優れた充放電特性を有する電気化学素子を容易かつ確実に構成することができる。
また、本発明の電極の製造方法において、活物質含有層形成工程は、複合粒子を少なくとも含む粉体に加熱処理及び加圧処理を施してシート化し、複合粒子を少なくとも含むシートを得るシート化工程と、シートを活物質含有層として集電体上に配置する活物質含有層配置工程と、を有することが好ましい。
このように、活物質含有層形成工程において、複合粒子を用いて乾式法により活物質含有層を形成することにより、内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極をより確実に得ることができる。特にこの場合には、従来の乾式法ではもちろん、従来の湿式法でも困難であった活物質含有層の厚さの比較的厚い高出力の電極(例えば、活物質含有層の厚さが80〜120μm以下の電極)を容易に製造することができる。
ここで、「複合粒子を少なくとも含む粉体」は、複合粒子のみからなるものであってもよい。また、「複合粒子を少なくとも含む粉体」には、結着剤及び/又は導電助剤が更に含まれていてもよい。このように粉体に複合粒子以外の構成成分が含まれる場合、粉体中の複合粒子の割合は、粉体の総質量を基準として、80質量%以上であることが好ましい。
また、この場合、第1の加熱部材が集電体であることを特徴としていてもよい。これにより、作製した活物質含有層を集電体に対して電気的に接触させる工程を省くことが可能となり、作業効率を向上できる場合がある。
また、本発明の電極の製造方法においては、シート化工程を、熱ロールプレス機を用いて行なうことが好ましい。熱ロールプレス機は、1対の熱ロールを有しており、この1対の熱ロールの間に「複合粒子を少なくとも含む粉体」を投入し、加熱及び加圧してシート化する構成を有するものである。これにより、活物質含有層となるシートを容易かつ確実に形成することができる。
以上のように本発明の電極の製造方法においては、活物質含有層形成工程において複合粒子を用いて乾式法により活物質含有層を形成してもよいが、以下のように湿式法により活物質含有層を形成しても先に述べた本発明の効果を得ることができる。
すなわち、活物質含有層形成工程は、複合粒子を分散又は混練可能な液体に複合粒子を添加して電極形成用塗布液を調製する塗布液調製工程と、集電体の活物質含有層を形成すべき部位に、電極形成用塗布液を塗布する工程と、集電体の活物質含有層を形成すべき部位に塗布された電極形成用塗布液からなる液膜を固化させる工程と、を含むこと、を特徴としていてもよい。
この場合にも、内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極を容易かつ確実に得ることができる。ここで、「複合粒子を分散可能な液体」とは、複合粒子中の結着剤を溶解しない液体であることが好ましいが、活物質含有層を形成する過程において、複合粒子同士の電気的接触を十分に確保できて本発明の効果を得られる範囲であれば複合粒子の表面近傍の結着剤を一部溶解させる特性を有するものであってもよい。なお、本発明の効果を得られる範囲であれば、複合粒子を分散可能な液体には複合粒子の他の成分として、結着剤、及び、導電助剤が更に添加されていてもよい。この場合の他の成分として添加される結着剤は、「複合粒子を分散可能な液体」に溶解可能な結着剤である。
また、活物質含有層形成工程において、複合粒子を混練可能な液体を使用する場合、この液体に複合粒子を添加して複合粒子を含む電極形成用混練物を調製する混練物調製工程と、集電体の活物質含有層を形成すべき部位に、電極形成用混練物を塗布する工程と、集電体の活物質含有層を形成すべき部位に塗布された電極形成用混練物からなる塗膜を固化させる工程と、を含むこと、を特徴としていてもよい。
この場合にも、内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極を容易かつ確実に得ることができる。
また、本発明の電極の製造方法においても、得られる電極の活物質含有層を比較的薄くして電気化学素子の高出力化をより確実に図る場合には、活物質含有層形成工程において、活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たすように活物質含有層を形成することが好ましい。
0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
1μm≦T≦150μm ・・・(2)
1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
更に、本発明は、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、アノードとカソードとが電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学素子の製造方法であって、アノード及びカソードのうちの一方或いは両方の電極として、先に述べた本発明の電極の製造方法により製造された電極を使用すること、を特徴とする電気化学素子の製造方法を提供する。
上述した本発明の電極の製造方法により得られる電極を、アノード及びカソードのうちの少なくとも一方、好ましくは両方として使用することにより、負荷要求が急激かつ大きく変動する場合であってもこれに十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電気化学素子を容易かつ確実に得ることができる。
本発明によれば、内部抵抗が十分に低減されており、電気化学素子の出力密度を十分に増大させることが容易に可能な優れた電極特性を有する電極を提供することができる。また、本発明によれば、上記の電極を用いることにより、負荷要求が急激に然も大きく変動する場合であってもこれに十分に追随可能な優れた充放電特性を有する電気化学素子を提供することができる。
更に、本発明によれば、上記の本発明の電極及び電気化学素子のそれぞれを容易かつ確実に得ることのできるの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の電気化学素子の好適な一実施形態(リチウムイオン2次電池)の基本構成を示す模式断面図である。また、図2は電極(アノード2及びカソード3)を製造する際の造粒工程において製造される複合粒子の基本構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す2次電池1は、主として、アノード2及びカソード3と、アノード2とカソード3との間に配置される電解質層4とから構成されている。
図1に示す2次電池1は、図2に示す複合粒子P10を含むアノード2及びカソード3を備えることにより、負荷要求が急激に然も大きく変動する場合であってもこれに十分に追随可能な優れた充放電が可能となる。
図1に示す2次電池1のアノード2は、膜状(板状)の集電体24と、集電体24と電解質層4との間に配置される膜状の活物質含有層22とから構成されている。なお、このアノード2は充電時においては外部電源のアノード(何れも図示せず)に接続され、カソードとして機能する。また、このアノード2の形状は特に限定されず、例えば、図示するように薄膜状であってもよい。アノード2の集電体24としては、例えば、銅箔が用いられる。
また、アノード2の活物質含有層22は、主として、図2に示す複合粒子P10から構成されている。更に、複合粒子P10は、複合粒子P10は、電極活物質からなる粒子P1と、導電助剤からなる粒子P2と、結着剤からなる粒子P3とから構成されている。この複合粒子P10の平均粒子径は特に限定されない。この複合粒子P10は、電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とが孤立せずに電気的に結合した構造を有している。そのため、活物質含有層22においても、電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とが孤立せずに電気的に結合した構造が形成されている。
アノード2に含まれる複合粒子P10を構成する電極活物質は特に限定されず公知の電極活物質を使用してよい。例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO2、SnO2等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li3Ti512)等が挙げられる。
アノード2に含まれる複合粒子P10を構成する導電助剤は特に限定されず公知の導電助剤を使用してよい。例えば、カーボンブラック類、高結晶性の人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、上記炭素材料及び金属微粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
アノード2に含まれる複合粒子P10を構成する結着剤は、上記の電極活物質の粒子と導電助剤からなる粒子P2とを結着可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。また、この結着剤は、上記の電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とを結着するのみならず、箔(集電体24)と複合粒子P10との結着に対しても寄与している。
また、上記の他に、結着剤は、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
また、複合粒子P10には、導電性高分子からなる粒子を当該複合粒子P10の構成成分として更に添加してもよい。更に、複合粒子P10を用いて乾式法により電極を形成する際には、複合粒子を少なくとも含む粉体の構成成分として添加してもよい。また、複合粒子P10を用いて湿式法により電極を形成する際には、複合粒子P10を含む塗布液又は混練物を調製する際に、導電性高分子からなる粒子を当該塗布液又は混練物の構成材料として添加してもよい。
例えば、導電性高分子は、リチウムイオンの伝導性を有していれば特に限定されない。例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr、Li(CF3SO22N、LiN(C25SO2)2リチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
なお、2次電池1を金属リチウム2次電池とする場合には、そのアノード(図示せず)は、集電体を兼ねた金属リチウム又はリチウム合金のみからなる電極であってもよい。リチウム合金は特に限定されず、例えば、Li−Al,LiSi,LiSn等の合金(ここでは、LiSiも合金として取り扱うものとする)があげられる。この場合、カソードは後述する構成の複合粒子P10を用いて構成する。
図1に示す2次電池1のカソード3は、膜状の集電体34と、集電体34と電解質層4との間に配置される膜状の活物質含有層32とから構成されている。なお、このカソード3は充電時においては外部電源のカソード(何れも図示せず)に接続され、アノードとして機能する。また、このカソード3の形状は特に限定されず、例えば、図示するように薄膜状であってもよい。カソード3の集電体34としては、例えば、アルミ箔が用いられる。
カソード3に含まれる複合粒子P10を構成する電極活物質は特に限定されず公知の電極活物質を使用してよい。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn24)、及び、一般式:LiNixMnyCoz2(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物、V25、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)、チタン酸リチウム((Li3Ti512)等が挙げられる。
更に、カソード3に含まれる複合粒子P10を構成する電極活物質以外の各構成要素は、アノード2に含まれる複合粒子P10を構成するものと同様の物質を使用することができる。また、このカソード3に含まれる複合粒子P10を構成する結着剤も、上記の電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とを結着のみならず、箔(集電体34)と複合粒子P10との結着に対しても寄与している。この複合粒子P10は、先にも述べたように電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とが孤立せずに電気的に結合した構造を有している。そのため、活物質含有層32においても、電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とが孤立せずに電気的に結合した構造が形成されている。
ここで、導電助剤、電極活物質及び固体高分子電解質との接触界面を3次元的にかつ充分な大きさで形成する観点から、上記のアノード2及びカソード3にそれぞれ含まれる各電極活物質からなる粒子P1のBET比表面積は、カソード3の場合0.1〜1.0m2/gであることが好ましく、0.1〜0.6m2/gであることがより好ましい。また、アノード2の場合0.1〜10m2/gであることが好ましく、0.1〜5m2/gであることがより好ましい。なお、2重層キャパシタの場合には、カソード3及びアノード2ともに500〜3000m2/gであることが好ましい。
更に、同様の観点から、各電極活物質からなる粒子P1の平均粒径は、カソード3の場合5〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、アノード2の場合1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。更に、同様の観点から、電極活物質に付着する導電助剤及び結着剤の量は、100×(導電助剤の質量+結着剤の質量)/(電極活物質の質量)の値で表現した場合、1〜30質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
電解質層4は、電解液からなる層であってもよく、固体電解質(セラミックス固体電解質、固体高分子電解質)からなる層であってもよく、セパレータと該セパレータ中に含浸された電解液及び/又は固体電解質とからなる層であってもよい。
電解液は、リチウム含有電解質を非水溶媒に溶解して調製する。リチウム含有電解質としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6等から適宜選択すればよく、また、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22Nのようなリチウムイミド塩や、LiB(C242などを使用することもできる。非水溶媒としては、例えば、エーテル類、ケトン類、カーボネート類等、特開昭63−121260号公報などに例示される有機溶媒から選択することができるが、本発明では特にカーボネート類を用いることが好ましい。カーボネート類のうちでは、特にエチレンカーボネートを主成分とし他の溶媒を1種類以上添加した混合溶媒を用いることが好ましい。混合比率は、通常、エチレンカーボネート:他の溶媒=5〜70:95〜30(体積比)とすることが好ましい。エチレンカーボネートは凝固点が36.4℃と高く、常温では固化しているため、エチレンカーボネート単独では電池の電解液としては使用できないが、凝固点の低い他の溶媒を1種類以上添加することにより、混合溶媒の凝固点が低くなり、使用可能となる。この場合の他の溶媒としてはエチレンカーボネートの凝固点を低くするものであれば何でもよい。例えばジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−パレロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,3−ジオキソラナン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、ブチレンカーボネート、蟻酸メチルなどが挙げられる。アノードの活物質として炭素質材料を用い、且つ上記混合溶媒を用いることにより、電池容量が著しく向上し、不可逆容量率を十分に低くすることができる。
固体高分子電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する導電性高分子が挙げられる。
上記導電性高分子としては、リチウムイオンの伝導性を有していれば特に限定されず、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr、Li(CF3SO22N、LiN(C25SO2)2リチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤又は熱重合開始剤が挙げられる。
更に、高分子固体電解質を構成する支持塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiC(CF3SO23、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)及びLiN(CF3CF2CO)2等の塩、又は、これらの混合物が挙げられる。
電解質層4にセパレータを使用する場合、その構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン類の一種又は二種以上(二種以上の場合、二層以上のフィルムの張り合わせ物等がある)、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体のような熱可塑性フッ素樹脂類、セルロース類等がある。シートの形態はJIS−P8117に規定する方法で測定した通気度が5〜2000秒/100cc程度、厚さが5〜100μm程度の微多孔膜フィルム、織布、不織布等がある。なお、固体電解質のモノマーをセパレータに含浸、硬化させて高分子化して使用してもよい。また、先に述べた電解液を多孔質のセパレータ中に含有させて使用してもよい。
次に、本発明の電極の製造方法の好適な一実施形態について説明する。先ず、複合粒子P10を作製する造粒工程について説明する。
次に、複合粒子P10の製造方法の好適な一実施形態について説明する。
複合粒子P10は、電極活物質からなる粒子P1に導電助剤と結着剤とを密着させて一体化することにより、電極活物質と、導電助剤と、結着剤とを含む複合粒子を形成する造粒工程を経て形成される。この造粒工程について説明する。
図3を用いて造粒工程をより具体的に説明する。図3は、複合粒子を製造する際の造粒工程の一例を示す説明図である。
造粒工程は、結着剤と前記導電助剤と溶媒とを含む原料液を調製する原料液調製工程と、流動槽中に気流を発生させ、該気流中に電極活物質からなる粒子を投入し、電極活物質からなる粒子を流動層化させる流動層化工程と、電極活物質からなる粒子を含む流動層中に原料液を噴霧することにより、原料液を電極活物質からなる粒子に付着、乾燥させ、電極活物質からなる粒子の表面に付着した原料液から溶媒を除去し、結着剤により電極活物質からなる粒子と導電助剤からなる粒子とを密着させる噴霧乾燥工程と、とを含む。
先ず、原料液調製工程では、結着剤を溶解可能な溶媒を用い、この溶媒中に結着剤を溶解させる。次に得られた溶液に、導電助剤を分散させて原料液を得る。なお、この原料液調製工程では、結着剤を分散可能な溶媒(分散媒)であってもよい。
次に、流動層化工程においては、図3に示すように、流動槽5内において、気流を発生させ、該気流中に電極活物質からなる粒子P1を投入することにより、電極活物質からなる粒子を流動層化させる。
次に、噴霧乾燥工程では、図3に示すように、流動槽5内において、原料液の液滴6を噴霧することにより、原料液の液滴6を流動層化した電極活物質からなる粒子P1に付着させ、同時に流動槽5内において乾燥させ、電極活物質からなる粒子P1の表面に付着した原料液の液滴6から溶媒を除去し、結着剤により電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とを密着させ、複合粒子P10を得る。
より具体的には、この流動槽5は、例えば、筒状の形状を有する容器であり、その底部には、温風(又は熱風)L5を外部から流入させ、流動槽5内で電極活物質からなる粒子を対流させるための開口部52が設けられている。また、この流動槽5の側面には、流動槽5内で対流させた電極活物質からなる粒子P1に対して、噴霧される原料液の液滴6を流入させるための開口部54が設けられている。流動槽5内で対流させた電極活物質からなる粒子P1に対してこの結着剤と導電助剤と溶媒とを含む原料液の液滴6を噴霧する。
このとき、電極活物質からなる粒子P1の置かれた雰囲気の温度を、例えば温風(又は熱風)の温度を調節する等して、原料液の液滴6中の溶媒を速やかに除去可能な所定の温度{好ましくは、50℃から結着剤の融点を大幅に超えない温度、より好ましくは50℃から結着剤の融点以下の温度(例えば、200℃)}に保持しておき、電極活物質からなる粒子P1の表面に形成される原料液の液膜を、原料液の液滴6の噴霧とほぼ同時に乾燥させる。これにより、電極活物質からなる粒子の表面に結着剤と導電助剤とを密着させ、複合粒子P10を得る。
ここで、結着剤を溶解可能な溶媒は、結着剤を溶解可能であり導電助剤を分散可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
次に、複合粒子P10を用いた電極の形成方法の好適な一例について説明する。
(乾式法)
先ず、上述した造粒工程を経て製造した複合粒子P10を使用し、溶媒を用いない乾式法により電極を形成する場合について説明する。
この場合、活物質含有層は以下の活物質含有層形成工程を経て形成される。この活物質含有層形成工程は、複合粒子P10を少なくとも含む粉体P12に加熱処理及び加圧処理を施してシート化し、複合粒子を少なくとも含むシート18を得るシート化工程と、シート18を活物質含有層(活物質含有層22又は活物質含有層32)として集電体上に配置する活物質含有層配置工程とを有する。
乾式法は、溶媒を用いずに電極を形成する方法であり、1)溶媒が不溶で安全である、2)溶媒を使用せず粒子のみを圧延するため電極(多孔体層)の高密度化を容易に行なうことができる、3)溶媒を使用しないので、湿式法で問題となる、集電体上に塗布した電極形成用塗布液からなる液膜の乾燥過程において、電極活物質からなる粒子P1、導電性を付与するための導電助剤からなる粒子P2、及び、結着剤からなる粒子P3の凝集及び偏在が発生しない、等の利点がある。
そしてこのシート化工程は、図4に示す熱ロールプレス機を用いて好適に行なうことができる。
図4は乾式法により電極を製造する際のシート化工程の一例(熱ロールプレス機を用いる場合)を示す説明図である。
この場合、図4に示すように、熱ロールプレス機(図示せず)の一対の熱ロール84及び熱ロール85の間に、複合粒子P10を少なくとも含む粉体P12を投入し、これらを混合して混練すると共に、熱及び圧力により圧延し、シート18に成形する。このとき、熱ロール84及び85の表面温度は60〜120℃であることが好ましく、圧力は20〜5000kgf/cmであることが好ましい。
ここで、複合粒子P10を少なくとも含む粉体P12には、電極活物質からなる粒子P1、導電性を付与するための導電助剤からなる粒子P2、結着剤からなる粒子P3のうちの少なくとも1種の粒子を更に混合してもよい。
また、熱ロールプレス機(図示せず)に投入する前に、複合粒子P10を少なくとも含む粉体P12をミルなどの混合手段により予め混練しておいてもよい。
なお、集電体と活物質含有層とを電気的に接触させることは、活物質含有層を熱ロールプレス機で成形してから行ってもよいが、集電体と、該集電体の一方の面上に撒布された活物質含有層の構成材料とを熱ロール84及び熱ロール85に供給して、活物質含有層のシート成形及び活物質含有層と集電体との電気的な接続を同時に行うようにしてもよい。
また、得られる電極の活物質含有層を比較的薄くして電気化学素子の高出力化をより確実に図る場合には、活物質含有層形成工程において、活物質含有層形成工程において、活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たすように活物質含有層を形成することが好ましい。具体的には、活物質含有層形成工程のシート化工程において、1)熱ロール84及び熱ロール85の面上に撒布する複合粒子P1を少なくとも含む粉体P12の量を調節する、2)熱ロール84及び熱ロール85の間のギャップを調節する、熱ロール84及び熱ロール85が粉体P12を加圧する際の圧力を調節することにより下記式(1)〜(3)で表される条件を満たすように調節することができる。
0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
1μm≦T≦150μm ・・・(2)
1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
(湿式法)
次に、上述した造粒工程を経て製造した複合粒子P10を使用し、電極形成用塗布液を調製し、これを用いて電極を形成する場合の好適な一例について説明する。先ず、電極形成用塗布液の調製方法の一例について説明する。
電極形成用塗布液は、造粒工程を経て作製した複合粒子P10と、複合粒子P10を分散又は溶解可能な液体と、必要に応じて添加される導電性高分子とを混合した混合液を作製し、混合液から上記液体の一部を除去して、塗布に適した粘度に調節することにより電極形成用塗布液を得ることができる。
より具体的には、導電性高分子を用いる場合には、図5に示すように、例えば、スターラー等の所定の撹拌手段(図示せず)を有する容器8内において、複合粒子P10を分散又は溶解可能な液体と、導電性高分子又は該導電性高分子の構成材料となるモノマーとを混合した混合液を調製しておく。次に、この混合液に複合粒子P10を添加して充分に撹拌することにより、電極形成用塗布液7を調製することができる。
次に、電極形成用塗布液を用いた本発明の電極の製造方法の好適な一実施形態について説明する。先ず、電極形成用塗布液を、集電体の表面に塗布し、当該表面上に、塗布液の液膜を形成する。次に、この液膜を乾燥させることにより、集電体上に活物質含有層を形成し電極の作製を完了する。ここで、電極形成用塗布液を集電体の表面に塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
また、得られる電極の活物質含有層を比較的薄くして電気化学素子の高出力化をより確実に図る場合には、活物質含有層形成工程において、活物質含有層形成工程において、活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たすように活物質含有層を形成することが好ましい。具体的には、電極形成用塗布液の液膜を集電体の表面に形成する際に、電極形成用塗布液の塗布量を調節する。
0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
1μm≦T≦150μm ・・・(2)
1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
また、電極形成用塗布液の液膜から活物質含有層を形成する際の手法としては、乾燥以外に、塗布液の液膜から活物質含有層を形成する際に、液膜中の構成成分間の硬化反応(例えば、導電性高分子の構成材料となるモノマーの重合反応)を伴う場合があってもよい。例えば、紫外線硬化樹脂(導電性高分子)の構成材料となるモノマーを含む電極形成用塗布液を使用する場合、先ず、集電体上に、電極形成用塗布液を上述の所定の方法により塗布する。次に、塗布液の液膜に、紫外線を照射することにより活物質含有層を形成する。
この場合、導電性高分子(導電性高分子からなる粒子)を予め電極形成用塗布液に含有させておく場合に比較して、集電体上に電極形成用塗布液の液膜を形成した後、液膜中でモノマーを重合させて導電性高分子を生成させることにより、液膜中での複合粒子P10の良好な分散状態をほぼ保持したまま、複合粒子P10間の間隙に導電性高分子を生成させることができるので、得られる活物質含有層中の複合粒子P10と導電性高分子との分散状態をより良好にすることができる。
すなわち、得られる活物質含有層中に、より微細で緻密な粒子(複合粒子P10と導電性高分子からなる粒子)が一体化したイオン伝導ネットワーク及び電子伝導ネットワークを構築することができる。そのためこの場合、比較的低い作動温度領域においても電極反応を充分に進行させることが可能な優れた分極特性を有するポリマー電極をより容易かつより確実に得ることができる。
更にこの場合、紫外線硬化樹脂の構成材料となるモノマーの重合反応は、紫外線照射により進行させることができる。
更に、得られる活物質含有層を、必要に応じて、熱平板プレスや熱ロールを使用して熱処理し、シート化する等の圧延処理を施してもよい。
また、以上の説明では、複合粒子P10を用いた電極の形成方法の一例として、複合粒子P10を含む電極形成用塗布液7を調製しこれを用いて電極を形成する場合について説明したが、複合粒子P10を用いた電極の形成方法(湿式法)はこれに限定されない。
以上説明した湿式法及び乾式方により形成された活物質含有層(活物質含有層22又は活物質含有層32)中においては、図6に模式的に示す内部構造が形成されている。すなわち、活物質含有層(活物質含有層22又は活物質含有層32)においては、結着剤からなる粒子P3が使用されているにもかかわらず、電極活物質からなる粒子P1と導電助剤からなる粒子P2とが孤立せずに電気的に結合した構造が形成されている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の電極は、活物質含有層が本発明の電極形成用塗布液に含まれる複合粒子P10を用いて形成されるものであればよく、それ以外の構造は特に限定されない。また、電気化学素子も本発明の電極をアノード及びカソードのうちの少なくとも一方の電極として備えていればよく、それ以外の構成及び構造は特に限定されない。例えば、電気化学素子が電池の場合、図7に示すように、単位セル(アノード2、カソード3及びセパレータを兼ねる電解質層4からなるセル)102を複数積層し、これを所定のケース9内に密閉した状態で保持させた(パッケージ化した)モジュール100の構成を有していてもよい。
更に、この場合、各単位セルを並列に接続してもよく、直列に接続してもよい。また、例えば、このモジュール100を更に直列又は並列に複数電気的に接続させた電池ユニットを構成してもよい。この電池ユニットとしては、例えば、図8に示す電池ユニット200のように、例えば、1つのモジュール100のカソード端子104と別のモジュール100のアノード端子106とが金属片108により電気的に接続されることにより、直列接続の電池ユニット200を構成することができる。
更に、上述のモジュール100や電池ユニット200を構成する場合、必要に応じて、既存の電池に備えられているものと同様の保護回路(図示せず)やPTC(図示せず)を更に設けてもよい。
また、上述した電気化学素子の実施形態の説明では、2次電池の構成を有するものについて説明したが、例えば、本発明の電気化学素子は、アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、アノードとカソードとが電解質層を介して対向配置された構成を有していればよく、一次電池であってもよい。複合粒子P10の電極活物質としては上述の例示物質の他に、既存の一次電池に使用されているものを使用してよい。導電助剤及び結着剤は上述の例示物質と同様であってよい。
更に、本発明の電極は、電池用の電極に限定されず、例えば、電気分解セル、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサ等)、又は、電気化学センサに使用される電極であってもよい。また、本発明の電気化学素子も、電池のみに限定されるものではなく、例えば、電気分解セル、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサ等)、又は、電気化学センサであってもよい。例えば、電気二重層キャパシタ用電極の場合、複合粒子P10を構成する電極活物質としては、ヤシガラ活性炭、ピッチ系活性炭、フェノール樹脂系活性炭等の電気二重層容量の高い炭素材料を使用することができる。
更に、例えば、食塩電解に使用されるアノードとして、例えば、酸化ルテニウム(或いは酸化ルテニウムとこれ以外の金属酸化物との複合酸化物)を熱分解したものを本発明における電極活物質として、複合粒子P10の構成材料として使用し、得られる複合粒子P10を含む活物質含有層をチタン基体上に形成した電極を構成してもよい。
また、本発明の電気化学素子が電気化学キャパシタの場合、電解質溶液としては、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタ等の電気化学キャパシタに用いられている非水電解質溶液(有機溶媒を使用する非水電解質溶液)を使用することができる。
更に、非水電解質溶液30の種類は特に限定されないが、一般的には溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択され、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の非水電解質溶液であることが望ましい。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリルが挙げられる。また、電解質としては、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(4フッ化ホウ素テトラエチルアンモニウム)のような4級アンモニウム塩が挙げられる。なお、この場合、混入水分を厳重に管理する必要がある。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)複合粒子の作製
先ず、以下に示す手順により、リチウムイオン2次電池のカソードの活物質含有層の形成に使用可能な複合粒子を先に述べた造粒工程を経る方法により作製した。ここで、複合粒子P10は、カソードの電極活物質(92質量%)、導電助剤(4.8質量%)及び結着剤(3.2質量%)から構成した。
カソードの電極活物質としては、一般式:LixMnyNizCo1-x-ywで表される複合金属酸化物のうち、x=1、y=0.33、z=0.33、w=2となる条件を満たす複合金属酸化物の粒子(BET比表面積:0.55m2/g、平均粒子径:12μm)を用いた。また、導電助剤としては、アセチレンブラックを用いた。更に、結着剤としてはポリフッ化ビニリデンを用いた。
先ず、原料液調製工程において、ポリフッ化ビニリデンをN,N−ジメチルホルムアミド{(DMF):溶媒}に溶解させた溶液にアセチレンブラックを分散させた「原料液」(アセチレンブラック3質量%、ポリフッ化ビニリデン2質量%)を調製した。
次に、流動層化工程において、図3示した流動槽5と同様の構成を有する容器内で空気からなる気流を発生させ、複合金属酸化物の粉体を投入しこれを流動層化させた。次に、噴霧乾燥工程において、上記の原料液を流動層化した複合金属酸化物の粉体に噴霧し、当該粉体表面に溶液を付着させた。なお、この噴霧を行う際の粉体の置かれる雰囲気中の温度を一定に保持することにより、噴霧とほぼ同時に当該粉体表面からN,N−ジメチルホルムアミドを除去した。このようにして粉体表面にアセチレンブラック及びポリフッ化ビニリデンを密着させ、複合粒子P10(平均粒子径:200μm)を得た。
なお、この造粒処理において使用する電極活物質、導電助剤及び結着剤のそれぞれの量は、最終的に得られる複合粒子P10中のこれらの成分の質量比が上述の値となるように調節した。
(2)電極(カソード)の作製
電極(カソード)は先に述べた乾式法により作製した。先ず、図4に示したものと同様の構成を有する熱ロールプレス機を用いて、これに、複合粒子P10(平均粒子径:200μm)を投入し、活物質含有層となるシート(幅:10cm)を作成した(シート化工程)。なお、このときの加熱温度は、120℃とし、加圧条件は線圧200kgf/cmとした。次にこのシートを打ち抜いて、円板状の活物質含有層を得た(直径:15mm)。
次に、円板状の集電体(アルミ箔,直径:15mm,厚さ:20μm)の集電体の一方の面に、ホットメルト導電層(厚さ:5μm)を形成した。なお、このホットメルト導電層は、複合粒子の作製に使用したものと同様の導電助剤(アセチレンブラック)と複合粒子の作製に使用したものと同様の結着剤(ポリフッ化ビニリデン)とからなる層(アセチレンブラック:20質量%,ポリフッ化ビニリデン:80質量%)である。
次に、ホットメルト導電層上に、先に製造した活物質含有層となるシートを配置し、熱圧着した。なお、熱圧着条件は、熱圧着時間:1分、加熱温度を180℃とし、加圧条件は30kgf/cm2とした。このようにして、活物質含有層の厚さ100μm、活物質担持量:30mg/cm2、空孔率:25体積%である電極(カソード)を得た。
(実施例2)
(1)複合粒子の作製
先ず、以下に示す手順により、リチウムイオン2次電池のアノードの活物質含有層の形成に使用可能な複合粒子を造粒工程を経る方法により作製した。ここで、複合粒子P10は、アノードの電極活物質(88質量%)、導電助剤(4質量%)及び結着剤(8質量%)から構成した。
アノードの電極活物質としては、繊維状の黒鉛材料である人造黒鉛の粒子(BET比表面積:1.0m2/g、平均粒子径:19μm)を用いた。また、導電助剤としては、アセチレンブラックを用いた。更に、結着剤としてはポリフッ化ビニリデンを用いた。
先ず、原料液調製工程において、ポリフッ化ビニリデンをN,N−ジメチルホルムアミド{(DMF):溶媒}に溶解させた溶液にアセチレンブラックを分散させた「原料液」(アセチレンブラック3質量%、ポリフッ化ビニリデン2質量%)を調製した。
次に、流動層化工程において、図3示した流動槽5と同様の構成を有する容器内で空気からなる気流を発生させ、複合金属酸化物の粉体を投入しこれを流動層化させた。次に、噴霧乾燥工程において、上記の原料液を流動層化した複合金属酸化物の粉体に噴霧し、当該粉体表面に溶液を付着させた。なお、この噴霧を行う際の粉体の置かれる雰囲気中の温度を一定に保持することにより、噴霧とほぼ同時に当該粉体表面からN,N−ジメチルホルムアミドを除去した。このようにして粉体表面にアセチレンブラック及びポリフッ化ビニリデンを密着させ、複合粒子P10(平均粒子径:200μm)を得た。
なお、この造粒処理において使用する電極活物質、導電助剤及び結着剤のそれぞれの量は、最終的に得られる複合粒子P10中のこれらの成分の質量比が上述の値となるように調節した。
(2)電極(アノード)の作製
電極(アノード)は先に述べた乾式法により作製した。先ず、図4に示したものと同様の構成を有する熱ロールプレス機を用いて、これに、複合粒子P10(平均粒子径:200μm)を投入し、活物質含有層となるシート(幅:10cm)を作成した(シート化工程)。なお、このときの加熱温度は、120℃とし、加圧条件は線圧200kgf/cmとした。次にこのシートを打ち抜いて、円板状の活物質含有層を得た(直径:15mm)。
次に、円板状の集電体(銅箔,直径:15mm,厚さ:20μm)の集電体の一方の面に、ホットメルト導電層(厚さ:5μm)を形成した。なお、このホットメルト導電層は、複合粒子の作製に使用したものと同様の導電助剤(アセチレンブラック)と結着剤(メタクリル酸メチル)とからなる層(アセチレンブラック:30質量%,ポリフッ化ビニリデン:70質量%)である。
次に、ホットメルト導電層上に、先に製造した活物質含有層となるシートを配置し、熱圧着した。なお、熱圧着条件は、熱圧着時間:30秒、加熱温度を100℃とし、加圧条件は10kgf/cm2とした。このようにして、活物質含有層の厚さ100μm、活物質担持量:15mg/cm2、空孔率:25体積%である電極(アノード)を得た。
(比較例1)
以下の従来の電極作成手順(湿式法)により電極(カソード)を作成した。なお、この電極の構成材料である、電極活物質、導電助剤及び結着剤は、それぞれ実施例1で使用したものと同じものを使用し、電極活物質の質量:導電剤の質量:結着剤の質量が実施例1と同一となるように調節した。また、使用する集電体(ホットメルト層を設けたもの)もそれぞれ実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
先ず、結着剤をN−メチル−ピロリドン(NMP)中に溶解し結着剤溶液(溶液の総質量を基準とする結着剤濃度:5質量%)を調製した。次に、結着剤溶液に電極活物質、導電助剤を上記の比率で投入し、ハイパーミキサーで混合し、塗布液を得た。次に、この塗布液を、ドクターブレード法により、カソード用の集電体のホットメルト層上に塗布した。次いで、カソード用の集電体に形成された塗布液からなる液膜をそれぞれ乾燥させた。
次に、得られる液膜が乾燥された状態のカソード用の集電体をローラープレス機を用いて圧延処理した。なお、このときの加熱温度は、180℃とし、加熱時間は1分とし、加圧条件は30kgf/cm2とした。このようにして、活物質含有層の厚さ100μm、活物質担持量:30mg/cm2、空孔率:25体積%である電極(カソード)を得た。
(比較例2)
以下の従来の電極作成手順(湿式法)により電極(アノード)を作成した。なお、この電極の構成材料である、電極活物質、導電助剤及び結着剤は、それぞれ実施例1で使用したものと同じものを使用し、電極活物質の質量:導電剤の質量:結着剤の質量が実施例2と同一となるように調節した。また、使用する集電体(ホットメルト層を設けたもの)もそれぞれ実施例2で使用したものと同様のものを使用した。
先ず、結着剤をN−メチル−ピロリドン(NMP)中に溶解し結着剤溶液(溶液の総質量を基準とする結着剤濃度:5質量%)を調製した。次に、結着剤溶液に電極活物質、導電助剤を上記の比率で投入し、ハイパーミキサーで混合し、塗布液を得た。次に、この塗布液を、ドクターブレード法により、アノード用の集電体のホットメルト層上に塗布した。次いで、アノード用の集電体に形成された塗布液からなる液膜をそれぞれ乾燥させた。
次に、得られる液膜が乾燥された状態のアノード用の集電体をローラープレス機を用いて圧延処理した。なお、このときの加熱温度は、100℃とし、加熱時間は30秒とし、加圧条件は10kgf/cm2とした。このようにして、活物質含有層の厚さ100μm、活物質担持量:15mg/cm2、空孔率:25体積%である電極(アノード)を得た。
〔電極特性評価試験〕
実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の各電極を「試験極(作用極)」、リチウム金属箔(直径:15mm,厚さ:100μm)を対極とする電気化学セルを作製し、以下の特性評価試験を行い、各電極(試験極)の電極特性を評価した。なお、評価試験の結果を表1に示した。
(1)電解質溶液の調製
電解質層となる電解質溶液を以下の手順により調製した。すなわち、LiClO4をその体積モル濃度が1mol/Lとなるように、溶媒{エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1で混合したもの}中に溶解した。
(2)電極特性評価試験用の電気化学セルの作製
先ず、各試験極及び対極を互いに対向させ、その間にポリエチレン多孔膜からなるセパレータ(直径:15mm、厚さ:30μm)を配置し、アノード、セパレータ及びカソードがこの順で順次積層された積層体(素体)を形成した。この積層体のアノード及びカソードのそれぞれにリード(幅:10mm、長さ:25mm、厚さ:0.50mm)を超音波溶接により接続した。そして、電気化学セルの金型となる密閉容器中にこの積層体を入れ、調製した電解質溶液を注入した。そして、積層体のアノード及びカソードの両側から一定の圧力をかけた状態とした。このようにして、各試験極毎に電気化学セルを作製した。
(3)電極特性評価試験
試験極がカソードの場合(実施例1の電極及び比較例1の電極の場合)、試験極の電位を、対極のリチウム金属のレドックスポテンシャルを基準として、+2.5V〜+4.3Vの電位範囲(定電流−定電圧)で分極させた。なお、測定評価試験は25℃で行なった。
また、試験極がアノードの場合(実施例2の電極及び比較例2の電極の場合)、試験極の電位を、対極のリチウム金属のレドックスポテンシャルを基準として、+0.01V〜+3Vの電位範囲(定電流−定電圧)で分極させた。なお、測定評価試験は25℃で行なった。
得られた分極特性より、試験時の各電極の活物質容量(A)(mAh・g-1)と、活物質容量(A)を引き出せる最大電流密度(mA・cm-2)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2005026191
表1に示した結果より、実施例1及び実施例2の電極は、比較例1及び比較例2の電極に比較して、活物質容量(A)を引き出すことのできる最大電流密度が大きく、優れた出力特性を有していることが確認された。この結果から、、実施例1及び実施例2の電極の活物質含有層においては、電極活物質と導電助剤とが孤立せずに電気的に結合しているおり、良好な電子伝導ネットワーク及びイオン伝導ネットワークが形成されていると考えられる。
(活物質含有層の断面観察)
実施例3及び比較例3の電極の一部を矩形状(5mm×5mm)に打ち抜いた断片を得た。
そして、実施例3及び比較例3の電極の各断片の活物質含有層に樹脂埋めの処理(樹脂:エポキシ)を行い、更に、得られる活物質含有層を表面研磨した。次に、ミクロトームで、実施例3及び比較例3の電極の各断片から、SEM写真及びTEM写真観察用の測定サンプル(0.1mm×0.1mm)をそれぞれ得た。そして、それぞれの測定サンプルについてSEM写真及びTEM写真を撮影した。
実施例3の電極の活物質含有層のSEM写真及びTEM写真を撮影結果を図9〜図14に示す。また、比較例3の電極の活物質含有層のSEM写真及びTEM写真を撮影結果を図15〜図20に示す。
図9は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図10は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図9に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図11は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図12は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図11に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図13は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図14は本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図13に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図15従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図16は従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図15に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図17は従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図18は従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図17に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図19は従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。図20は従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図19に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。
図9〜図14に示した結果から明らかなように、実施例3の電極については以下の構造を有していることが確認された。すなわち、例えば、図9のR1〜R5の撮影領域、及び、図10のR1A〜R5Aの撮影領域(それぞれ図9のR1〜R5と同一の部分)の観察結果より、近接した活性炭粒子同士を導電助剤及び結着剤からなる凝集体が電気的及び物理的に接合しており、良好な電子伝導ネットワーク及びイオン伝導ネットワークが形成されていることが確認された。
また、上記の活物質含有層の内部構造は、倍率を変えた写真である、図11のR6〜R8の撮影領域、及び、図12のR6A〜R8Aの撮影領域(それぞれ図11のR6〜R8と同一の部分)の観察結果、並びに、図13のR9の撮影領域、及び、図14のR9Aの撮影領域(図13のR9と同一の部分)の観察結果からもより明確に確認された。
一方、図15〜図16に示した結果から明らかなように、比較例3の電極については以下の構造を有していることが確認された。すなわち、例えば、図15のR10〜R50の撮影領域、及び、図16のR10A〜R50Aの撮影領域(それぞれ図15のR1〜R5と同一の部分)の観察結果より、活性炭粒子に対して、導電助剤及び結着剤からなる凝集体が電気的及び物理的に孤立して存在しているのが顕著に観察され、実施例3の活物質含有層に比較すると、電子伝導ネットワーク及びイオン伝導ネットワークが十分に形成されていないことが確認された。
また、上記の活物質含有層の内部構造は、倍率を変えた写真である、図17のR60〜R80の撮影領域、及び、図18のR60A〜R80Aの撮影領域(それぞれ図17のR60〜R80と同一の部分)の観察結果、並びに、図19のR90の撮影領域、及び、図14のR90Aの撮影領域(図19のR90と同一の部分)の観察結果からもより明確に確認された。
本発明の電気化学素子の好適な一実施形態(リチウムイオン2次電池)の基本構成を示す模式断面図である。 電極を製造する際の造粒工程において製造される複合粒子の基本構成の一例を示す模式断面図である。 電極を製造する際の造粒工程の一例を示す説明図である。 乾式法により電極を製造する際のシート化工程の一例を示す説明図である。 湿式法により電極を製造する際の塗布液調製工程の一例を示す説明図である。 本発明の電極の活物質含有層中の内部構造を概略的に示す模式断面図である。 本発明の電気化学素子の他の一実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明の電気化学素子の更に他の一実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図9に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図11に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 本発明の製造方法(乾式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図13に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図15に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図17に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面を撮影したSEM写真を示す図である。 従来の製造方法(湿式法)により製造された電極(電気二重層キャパシタ)の活物質含有層の断面(図19に示した部分と同一部分)を撮影したTEM写真を示す図である。 従来の電極用複合粒子の部分的な構成、及び、従来の電極用複合粒子を用いて形成された電極の活物質含有層中の内部構造を概略的に示す模式断面図である。
符号の説明
1…電池(電気化学素子)、2…アノード、3…カソード、4…電解質層、5・・・流動槽、6・・・原料液の液滴、7・・・電極形成用塗布液、18・・・シート、22・・・活物質含有層、24…集電体、32・・・活物質含有層、34…集電体、52・・・開口部、54・・・開口部、84,85・・・熱ロール、100・・・モジュール、200・・・電池ユニット、P1・・・電極活物質からなる粒子、P2・・・導電助剤からなる粒子、P3・・・結着剤からなる粒子、P10・・・複合粒子、P12・・・複合粒子P10を含む粉体。

Claims (19)

  1. 電極活物質と、電子伝導性を有する導電助剤と、前記電極活物質と前記導電助剤とを結着させることが可能な結着剤と、を含む複合粒子を構成材料として含む導電性の活物質含有層と、
    前記活物質含有層に電気的に接触した状態で配置される導電性の集電体と、
    を少なくとも有しており、
    前記複合粒子は、前記電極活物質からなる粒子に対し、前記導電助剤と前記結着剤とを密着させて一体化させる造粒工程を経て形成されており、
    前記活物質含有層において、前記電極活物質と前記導電助剤とが孤立せずに電気的に結合していること、
    を特徴とする電極。
  2. 前記造粒工程は、
    前記結着剤と前記導電助剤と溶媒とを含む原料液を調製する原料液調製工程と、
    流動槽中に気流を発生させ、該気流中に前記電極活物質からなる粒子を投入し、前記電極活物質からなる粒子を流動層化させる流動層化工程と、
    前記電極活物質からなる粒子を含む前記流動層中に前記原料液を噴霧することにより、前記原料液を前記電極活物質からなる粒子に付着、乾燥させ、前記電極活物質からなる粒子の表面に付着した前記原料液から前記溶媒を除去し、前記結着剤により前記電極活物質からなる粒子と前記導電助剤からなる粒子とを密着させる噴霧乾燥工程と、
    を含んでいること、
    を特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 前記活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される前記複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たしていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の電極。
    0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
    1μm≦T≦150μm ・・・(2)
    1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
  4. 前記活物質含有層には、導電性高分子が更に含有されていることを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の電極。
  5. 前記複合粒子には、導電性高分子が更に含有されていることを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の電極。
  6. 前記結着剤が導電性高分子からなることを特徴とする請求項1〜5のうちの何れか1項に記載の電極。
  7. 前記導電性高分子がイオン伝導性を有することを特徴とする請求項4〜6のうちの何れか1項に記載の電極。
  8. アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、前記アノードと前記カソードとが前記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学素子であって、
    請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の電極が前記アノード及び前記カソードのうちの一方或いは両方の電極として備えられていること、
    を特徴とする電気化学素子。
  9. 電極活物質を含む導電性の活物質含有層と、前記活物質含有層に電気的に接触した状態で配置される導電性の集電体と、を少なくとも有する電極の製造方法であって、
    電極活物質からなる粒子に対し、導電助剤と、前記電極活物質と前記導電助剤とを結着させることが可能な結着剤とを密着させて一体化することにより、前記電極活物質と、前記導電助剤と、前記結着剤とを含む複合粒子を形成する造粒工程と、
    前記集電体の前記活物質含有層を形成すべき部位に、前記複合粒子を用いて前記活物質含有層を形成する活物質含有層形成工程と、
    を有しており、
    前記造粒工程は、
    前記結着剤と前記導電助剤と溶媒とを含む原料液を調製する原料液調製工程と、
    流動槽中に気流を発生させ、該気流中に前記電極活物質からなる粒子を投入し、前記電極活物質からなる粒子を流動層化させる流動層化工程と、
    前記電極活物質からなる粒子を含む前記流動層中に前記原料液を噴霧することにより、前記原料液を前記電極活物質からなる粒子に付着、乾燥させ、前記電極活物質からなる粒子の表面に付着した前記原料液から前記溶媒を除去し、前記結着剤により前記電極活物質からなる粒子と前記導電助剤からなる粒子とを密着させる噴霧乾燥工程と、
    を含むこと、
    を有することを特徴とする電極の製造方法。
  10. 前記造粒工程において、前記流動槽中の温度を50℃以上で、前記結着剤の融点以下に調節すること、を特徴とする請求項9に記載の電極の製造方法。
  11. 前記造粒工程において、前記流動槽中に発生させる前記気流は、空気、窒素ガス、又は、不活性ガスからなる気流であること、を特徴とする請求項9に記載の電極の製造方法。
  12. 前記原料液に含まれる前記溶媒は、前記結着剤を溶解又は分散可能であるとともに前記導電助剤を分散可能であること、
    を特徴とする請求項10又は11に記載の電極の製造方法。
  13. 前記原料液には、導電性高分子が更に溶解されていることを特徴とする請求項9〜12のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法。
  14. 前記結着剤として導電性高分子を使用することを特徴とする請求項9〜12のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法。
  15. 前記導電性高分子がイオン伝導性を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の電極の製造方法。
  16. 前記活物質含有層形成工程は、
    前記複合粒子を少なくとも含む粉体に加熱処理及び加圧処理を施してシート化し、前記複合粒子を少なくとも含むシートを得るシート化工程と、
    前記シートを前記活物質含有層として前記集電体上に配置する活物質含有層配置工程と、
    を有すること、
    を特徴とする請求項9〜15のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法。
  17. 前記活物質含有層形成工程は、
    前記複合粒子を分散又は混練可能な液体に前記複合粒子を添加して電極形成用塗布液を調製する塗布液調製工程と、
    前記集電体の前記活物質含有層を形成すべき部位に、前記電極形成用塗布液を塗布する工程と、
    前記集電体の前記活物質含有層を形成すべき部位に塗布された前記電極形成用塗布液からなる液膜を固化させる工程と、を含むこと、
    を特徴とする請求項9〜15のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法。
  18. 前記活物質含有層形成工程において、前記活物質含有層の厚さTと、該活物質含有層に含有される前記複合粒子の平均粒子径dとが下記式(1)〜(3)で表される条件を満たすように前記活物質含有層を形成すること、を特徴とする請求項9〜17のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法。
    0.0005≦(T/d)≦1 ・・・(1)
    1μm≦T≦150μm ・・・(2)
    1μm≦d≦2000μm ・・・(3)
  19. アノードと、カソードと、イオン伝導性を有する電解質層とを少なくとも備えており、前記アノードと前記カソードとが前記電解質層を介して対向配置された構成を有する電気化学素子の製造方法であって、
    前記アノード及び前記カソードのうちの一方或いは両方の電極として、請求項9〜18のうちの何れか1項に記載の電極の製造方法により製造された電極を使用すること、
    を特徴とする電気化学素子の製造方法。
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