JP2007053278A - 電気二重層キャパシタ用電極 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量でかつ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタを得ることが可能な、電気二重層キャパシタ用電極を得る。
【解決手段】 電極活物質および結着剤を含有する活物質層と、集電体とが積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極であって、該活物質層の表面に複数の空孔が存在し、(a)該活物質層表面における、空孔の占める割合が15〜20面積%であり、かつ(b)全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合が50〜100面積%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極を用いる。
【選択図】 図4

Description

本発明は電気二重層キャパシタの製造に好適に用いられる電気二重層キャパシタ用電極、及びこの電気二重層キャパシタ用電極を用いてなる電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは急速充放電が可能であるので、電子機器のメモリバックアップ用の電源として利用されている。さらに近年ではエネルギーの環境問題や資源問題から分散電源やハイブリッド自動車などの大型電源としての応用が期待されている。しかしながら、電気二重層キャパシタを大型電源として応用するためには、大電流放電時のエネルギー損失を小さくするために内部抵抗の低減が望まれている。
電気二重層キャパシタなどの電気化学デバイス用電極の内部抵抗を低減するために、有機溶媒を多孔化剤として用いて電極の空孔が占める容積比及び空孔全体に対して径0.5μm以下の空孔の占める容積比を制御することによって、電極内部でのイオンの伝導度を向上させた電極が提案されている(特許文献1)。しかしこの文献に記載の電極では、内部抵抗の低減は依然不十分であった。
また、この電極は高分子物質からなる結着剤、電極活物質、上記高分子物質を溶解可能な溶媒及び多孔化剤を含有する高分子溶液を用いて電極形状の成形体を得る成形工程と、この成形体から上記多孔化剤の少なくとも一部を除去する工程とを有する方法により製造される。しかし上記の方法で電気二重層キャパシタ電極を製造する場合は、電極活物質として活性炭などの比表面積が大きく、多くの細孔を有した炭素材料が用いられるので、電極を作製する際に細孔内に入ってしまった多孔化剤を除去することが困難で、残留した多孔化剤によって静電容量が低下してしまうという問題があった。
特開2000−113876号公報
本発明の目的は、高容量でかつ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタを得ることが可能な、電気二重層キャパシタ用電極を提供することにある。
本発明者は、電気二重層キャパシタ用電極(以下、単に「電極」という場合がある。)の表面構造に着目し、その結果、電極の活物質層表面における空孔の面積が電極内での電解質イオンの移動に大きく影響していることを見出した。そして、従来の電極が活物質層の表面が密になっており、電解質イオンの移動を阻害していたのに対し、電極の活物質層表面における空孔の占める割合と、全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合とが、特定の範囲にある電気二重層キャパシタ用電極を用いると上記課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第一によれば、電極活物質および結着剤を含有する活物質層と、集電体とが積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極であって、該活物質層の表面に複数の空孔が存在し、(a)該活物質層表面における、空孔の占める割合が15〜20面積%であり、かつ(b)全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合が50〜100面積%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極が提供される。
前記活物質層は、前記電極活物質および前記結着剤を含む複合粒子を用いて形成されたものであることが好ましい。
本発明の第二によれば、上記の電気二重層キャパシタ用電極を用いてなる電気二重層キャパシタが提供される。
本発明によれば、高容量でかつ内部抵抗が小さい電気二重層キャパシタ用の電極を得ることができる。本発明の電極を用いて得られる電気二重層キャパシタは、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、電気自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組み合わせたロードレベリング電源等の様々な用途に好適に用いることができる。
本発明の電気二重層キャパシタ用電極(以下、単に「電極」ということがある。)は、電極活物質および結着剤を含有する活物質層と、集電体とが積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極であって、該活物質層の表面に複数の空孔が存在する。
(a)活物質層表面における、空孔の占める割合は、15〜20面積%、好ましくは15〜18面積%である。活物質層表面の空孔の占める割合が小さすぎると、電気二重層キャパシタに用いる電解液が電極中に含浸されにくいため、内部抵抗が大きくなる。また、電解液を十分に含浸させるためには長時間を要し、生産性が低下する。一方、活物質層表面の空孔の占める割合が大きすぎると、電極の強度が低く、壊れやすくなるという問題がある。
また、(b)活物質層表面の全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合は50〜100面積%、好ましくは50〜70面積%である。この値が小さすぎると、内部抵抗が大きくなる。
本発明において、上記(a)および(b)は、活物質層表面の電子顕微鏡写真を測定し、これを画像解析によって数値化して求められる値である。具体的には、倍率500倍で活物質層表面の電子顕微鏡写真を撮影し、白黒256階調の画像データとして画像解析ソフトに読み込み、その画像の最明部が255、最暗部が0となるようにコントラストの最適化を行う。次いで、しきい値を76に設定して2値化処理を行うことで、活物質層表面における空孔が暗部として表される2値化画像が得られる。得られた2値化画像より、(a)活物質層表面における空孔の占める割合、および(b)全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合を求めることができる。画像解析ソフトとしては、例えば、Soft Imaging System社の「analySIS」を用いることができる。
本発明の電極の活物質層は、電極活物質および結着剤を含有する。電極活物質としては、通常、炭素の同素体が用いられる。電極活物質は、同じ重量でもより広い面積の界面を形成することが可能な、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が30m/g以上、好ましくは500〜5,000m/g、より好ましくは1,000〜3,000m/gであることが好ましい。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。電気二重層キャパシタ用の好ましい電極活物質は活性炭であり、具体的にはフェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系、又はヤシガラ系等の活性炭を挙げることができる。これら炭素の同素体は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。炭素の同素体を組み合わせて使用する場合は、粒子径又は粒径分布の異なる二種類以上の炭素の同素体を組み合わせて使用してもよい。
また、黒鉛類似の微結晶炭素を有し、その微結晶炭素の層間距離が拡大された非多孔性炭素を電極活物質として用いることができる。このような非多孔性炭素は、多層グラファイト構造の微結晶が発達した易黒鉛化炭を700〜850℃で乾留し、次いで苛性アルカリと共に800〜900℃で熱処理し、さらに必要に応じ加熱水蒸気により残存アルカリ成分を除くことで得られる。
電極活物質として、重量平均粒子径が0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは5〜20μmの粉末を用いると、電極の薄膜化が容易で、静電容量も高くできるので好ましい。
結着剤は、電極活物質と導電材を結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な結着剤は、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤である。分散型結着剤として、例えば、フッ素系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン系重合体等の高分子化合物が挙げられ、より好ましくはフッ素系重合体、ジエン系重合体、及びアクリレート系重合体が挙げられる。これら結着剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素系重合体はフッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素系重合体中のフッ素を含有する単量体単位の割合は通常50重量%以上である。フッ素系重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ジエン系重合体は、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン由来の単量体単位を含む重合体及びその水素添加物である。ジエン系重合体中の共役ジエン由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。具体的には、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBRなどが挙げられる。
アクリレート系重合体は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位を含む重合体である。アクリレート系重合体中のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。アクリレート系重合体の具体例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・アクリロニトリル・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・メタクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン・メタクリル酸・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル・アクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、およびアクリル酸ブチル・アクリル酸・トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などの架橋型アクリレート系重合体;エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・メタクリル酸エチル共重合体などのエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体;上記エチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体にラジカル重合性単量体をグラフトさせたグラフト重合体;などが挙げられる。なお、上記グラフト重合体に用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリル酸などが挙げられる。その他に、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などが結着剤として使用できる。
これらの中で、集電体との結着性や表面平滑性に優れた活物質層が得られ、また、高容量で且つ低内部抵抗の電気二重層キャパシタが製造できるという観点から、ジエン系重合体および架橋型アクリレート系重合体が好ましく、架橋型アクリレート系重合体が特に好ましい。
本発明に用いる結着剤は、その形状によって特に制限はないが、結着性が良く、また、作成した電極の容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができるため、粒子状であることが好ましい。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのごとき結着剤の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。
また、本発明に用いる結着剤は、2種以上の単量体混合物を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する粒子であっても良い。コアシェル構造を有する結着剤は、第一段目の重合体を与える単量体をまず重合しシード粒子を得、このシード粒子の存在下に、第二段目となる重合体を与える単量体を重合することにより製造することが好ましい。
上記コアシェル構造を有する結着剤のコアとシェルの割合は、特に限定されないが、重量比でコア部:シェル部が通常50:50〜99:1、好ましくは60:40〜99:1、より好ましくは70:30〜99:1である。コア部及びシェル部を構成する高分子化合物は上記の高分子化合物の中から選択できる。コア部とシェル部は、その一方が0℃未満のガラス転移温度を有し、他方が0℃以上のガラス転移温度を有するものであることが好ましい。また、コア部とシェル部とのガラス転移温度の差は、通常20℃以上、好ましくは50℃以上である。
本発明に用いる粒子状の結着剤は、その数平均粒径によって格別な限定はないが、通常は0.0001〜100μm、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜1μmの数平均粒径を有するものである。結着剤の数平均粒径がこの範囲であるときは、少量の結着剤の使用でも優れた結着力を活物質層に与えることができる。ここで、数平均粒径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ結着剤粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒径である。粒子の形状は球形、異形、どちらでもかまわない。
本発明における結着剤の使用量は、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
本発明の電極の活物質層は、さらに導電材を含んでいることが好ましい。導電材は、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない粒子状の炭素の同素体からなり、電気化学素子電極の導電性を向上させるものである。導電材の重量平均粒子径は、電極活物質の重量平均粒径よりも小さいものが好ましく、その範囲は通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。導電材の粒径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;が挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびファーネスブラックがより好ましい。これらの導電材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電材の量は、電極活物質100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。導電材の量がこの範囲にあると、得られる電極を使用した電気二重層キャパシタの容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。
本発明の電極の活物質層は、さらに分散剤を含有していることが好ましい。分散剤としては、溶媒に溶解する樹脂であり、好適には後述するスラリーAまたはスラリーBの調製時に溶媒に溶解させて用いられて、電極活物質、導電材等を溶媒に均一に分散させる作用を有するものである。分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。分散剤の使用量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である。分散剤を用いることで、スラリーAおよびスラリーB中の固形分の沈降や凝集を抑制できる。また、噴霧乾燥時のアトマイザーの詰まりを防止することができるので、噴霧乾燥を安定して連続的に行うことができる。
活物質層は、さらに必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤がある。界面活性剤は、上記複合粒子に含まれていることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオンなどの両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤で熱分解しやすいものが好ましい。界面活性剤の量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
本発明の電極の活物質層は、前記電極活物質および前記結着剤を含む複合粒子を用いて形成されることが好ましい。複合粒子は、電極活物質、結着剤および必要に応じ添加される他の成分を用いて造粒することにより製造される。
複合粒子の形状は、実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をL、長軸径をL、L=(L+L)/2とし、(1−(L−L)/L)×100の値を球形度(%)としたとき、球形度が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。ここで、短軸径Lおよび長軸径Lは、透過型電子顕微鏡写真像より測定される値である。
複合粒子の体積平均粒子径は、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μm、より好ましくは30〜60μmの範囲である。体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。粒子径が大きすぎると活物質層表面の空孔の分布にムラが生じやすく、小さすぎると空孔の占める割合、及び全空孔中における4μm以上の面積を有する空孔の割合が小さくなる。
本発明に好適な複合粒子は、外層部と内層部とからなり、外層部及び内層部が前記電極活物質及び導電材を分散型結着剤によって結着してなるもので構成され、外層部を形成する電極活物質及び導電材の重量平均粒径が、内層部を形成する電極活物質及び導電材の重量平均粒径よりも小さくなっている。図1はそのような複合粒子の断面を概念的に示した図である。
複合粒子外層部は平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。そのため緻密で、空隙の少ない層になっている。一方、複合粒子内層部は平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。平均粒子径の比較的大きいもので形成されているので、電極活物質及び/又は導電材間の空隙が多くある層になっている。
このように外層部が緻密で内層部に空隙の多い複合粒子を用いると、加圧成形などにより活物質層を形成する時に複合粒子が圧壊しないので、複合粒子の形状が維持された活物質層が得られる。そのため、活物質層表面における空孔の占める割合および全空孔中における4μm以上の面積を有する空孔の割合を上記範囲とすることが容易になる。
さらに、前記したように、導電材として、電極活物質よりも小さいものを使用すると、導電材は複合粒子外層部に多く分布し、電極活物質は複合粒子内層部に多く分布するようになる。導電材が外層部に多く分布することで複合粒子の表面は導電性が高くなると考えられる。活物質層を形成したときに複合粒子同士が表面で接するので、電気が通りやすくなり、抵抗が低くなると考えられる。また、内層部に多く分布する電極活物質に通ずる空隙が多くあるので電解液の浸透性が良好となると考えられそのために、容量が高くなるのであろうと推測される。
本発明に用いる複合粒子は、その製造方法によって特に制限を受けないが、次に述べる二つの製造方法によって、圧壊しにくい複合粒子を容易に得ることができる。
第一の製造方法は、導電材、結着剤、分散剤及びその他添加剤を含有するスラリーAを得る工程、電極活物質を槽内で流動させ、そこに前記スラリーAを噴霧して、流動造粒する工程、前記流動造粒工程で得られた粒子を転動造粒する工程、及び必要に応じて熱処理する工程を有するものである。
この方法では、先ず導電材、結着剤、分散剤及びその他添加剤を含有するスラリーAを得る。スラリーAを得るために用いる溶媒として、最も好適には水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;などが挙げられるが、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用すると、流動造粒時に、乾燥速度を速くすることができる。また、結着剤の分散性又は分散剤の溶解性が変わるので、スラリーAの粘度や流動性を溶媒の量又は種類によって調製でき、生産効率を向上させることができる。
スラリーAを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーAの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。溶媒の量がこの範囲にあるときに、結着剤が均一に分散するため好適である。
次いで前記流動造粒工程で得られた粒子を転動造粒する。転動造粒には、回転ざら方式、回転円筒方式、回転頭切り円錐方式などの方式がある。回転ざら方式は、傾斜した回転ざら内に供給した粒子に必要に応じて分散型結着剤又は前記スラリーを噴霧して凝集造粒物を生成させ、かつ回転ざらの分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物をリムより排出させる方式である。回転円筒方式は、傾斜した回転円筒に湿潤した粒子を供給し、これを円筒内で転動運動させ、必要に応じて結着剤又は前記スラリーAを噴霧して凝集造粒物を得る方式である。回転頭切り円錐方式は、回転円筒の操作方式と同様であるが、頭切円錐形により凝集造粒物の分級効果を利用しつつ比較的大きく成長した造粒物を排出させる方式である。転動造粒時の温度は特に制限されないが、スラリーを構成している溶媒を除去するために、通常は80〜300℃、好ましくは100〜200℃で行う。さらに、必要に応じ、複合粒子の表面を硬化させるために加熱処理する。熱処理温度は通常80〜300℃である。
以上の方法によって、電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を含む複合粒子が得られる。この複合粒子は、電極活物質および導電材が結着剤によって結着されており、複合粒子外層部が重量平均粒径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成され、複合粒子内層部が重量平均粒径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。
第二の製造方法は、電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を含有するスラリーBを得る工程、前記スラリーBを噴霧乾燥して、噴霧造粒する工程、及び必要に応じて熱処理する工程を有するものである。
この方法では、先ず前記電極活物質、導電材、結着剤、分散剤及びその他の添加剤を溶媒に分散又は溶解して、電極活物質、導電材、結着剤、分散剤及びその他の添加剤が分散又は溶解されてなるスラリーBを得る。スラリーBを得るために用いる溶媒としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同じものを挙げることができる。スラリーBを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。
次に、前記スラリーBを噴霧乾燥法により造粒する。噴霧乾燥法は、熱風中にスラリーBを噴霧して乾燥する方法である。噴霧乾燥法に用いる装置の代表例としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーBが円盤の外に放たれ、その際に霧状にして乾燥する方式である。円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。一方、加圧方式は、スラリーBを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
噴霧されるスラリーBの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式などが挙げられる。さらに、必要に応じ、複合粒子の表面を硬化させるために加熱処理する。熱処理温度は、通常80〜300℃である。
以上の製法によって、電極活物質、導電材、結着剤及び分散剤を含む複合粒子が得られる。この複合粒子は、電極活物質および導電材が結着剤によって結着されており、複合粒子外層部が重量平均粒径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成され、複合粒子内層部が重量平均粒径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。
本発明の電極の活物質層は、上記の電極活物質、結着剤および必要に応じ用いられる導電材等の他の成分、ならびに/または上記の複合粒子(以上を総合して「電極材料」という。)を、シート状に成形してなる。成形方法としては、活物質層表面の空孔の面積が上記範囲となる方法であれば限定されないが、加圧成形法が好ましい。加圧成形法は、電極材料に圧力を加えることで電極材料の再配列、変形により緻密化を行い、活物質層を成形する方法である。加圧成形としては、例えば、図2に示すように、複合粒子を含んでなる電極材料をスクリューフィーダー等の供給装置でロール式加圧成形装置に供給し、活物質層を成形するロール加圧成形法や、電極材料を集電体上に散布し、電極材料をブレード等でならして厚みを調整し、次いで加圧装置で成形する方法、電極材料を金型に充填し、金型を加圧して成形する方法などがある。これら加圧成形のうち、ロール加圧成形が好適である。
成形時の温度は、通常0〜200℃であり、結着剤の融点またはガラス転移温度より高いことが好ましく、融点またはガラス転移温度より20℃以上高いことがより好ましい。ロール加圧成形においては、成形速度を通常0.1〜20m/分、好ましくは1〜10m/分にして行う。またロール間のプレス線圧を通常0.2〜30kN/cm、好ましくは0.5〜10kN/cmにして行う。
得られる活物質層は、集電体と積層されて本発明の電極が得られる。また、活物質層をロール加圧成形で形成する場合は、集電体を電極材料の供給と同時にロールに送り込むことによって、集電体上に直接活物質層を積層してもよい。集電体用材料としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面からアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体は、フィルムまたはシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。シート状集電体は、空孔を有していてもよい。すなわち、シート状集電体は、エキスパンドメタル、パンチングメタル、網状などの形状を有していてもよい。空孔を有するシート状集電体を用いると、得られる電極の体積あたりの容量を高くすることができる。シート状集電体が空孔を有する場合の空孔の割合は、好ましくは10〜79面積%、より好ましくは20〜60面積%である。
電極の厚みのばらつきを無くし、活物質層の密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じて更に後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が一般的である。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱又は冷却等、温度調節しても良い。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明の電気二重層キャパシタ用電極を用いてなるものである。電気二重層キャパシタは、上記の電極と、電解液、セパレータなどの部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的には、例えば、電極を適切な大きさに切断し、次いでセパレータを介して電極を重ね合わせ、これをキャパシタ形状に巻く、折るなどして容器に入れ、容器に電解液を注入して封口して製造できる。
電解液は、特に限定されないが、電解質を有機溶媒に溶解した非水電解液が好ましい。電解質としては、従来より公知のものがいずれも使用でき、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートなどが挙げられる。
これらの電解質を溶解させる溶媒(電解液溶媒)は、一般的に電解液溶媒として用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、プロピレンカーボート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;スルホラン類;アセトニトリルなどのニトリル類;が挙げられる。これらは単独または二種以上の混合溶媒として使用することができる。中でも、カーボネート類が好ましい。電解液の濃度は通常0.5モル/リットル以上、好ましくは0.8モル/リットル以上である。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜または不織布、一般に電解コンデンサ紙と呼ばれるパルプを主原料とする多孔質膜などを用いることができる。また、セパレータに代えて固体電解質またはゲル電解質を用いてもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。各特性は、下記の方法に従い測定した。
(1)体積平均粒子径
電極の製造に用いた複合粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000:島津製作所社製)で測定した。
(2)球形度
複合粒子の球形度は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ粒子20個について短軸径L、長軸径Lを測定し、L=(L+L)/2を計算して、(1−(L−L)/L)×100(%)で表される球形度を評価した。
(3)活物質層表面の空孔の面積
(a)活物質層表面における、空孔の占める割合、および(b)活物質層表面の全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合は、以下の方法で求めた。
まず、倍率500倍で活物質層表面の電子顕微鏡写真を測定し、白黒256階調の画像データとして画像解析ソフト(analySIS:Soft Imaging System社製)に読み込み、その画像の最明部が255、最暗部が0となるようにコントラストの最適化を行う。次いで、しきい値を76に設定して2値化処理を行い、得られた2値化画像より上記(a)および(b)を求める。
(4)電気特性
実施例および比較例で製造したコインセル形状の電気二重層キャパシタの静電容量及び内部抵抗は、作製したコインセルを24時間静置させた後に充放電の操作を行い測定した。ここで、充電は10mAの定電流で開始し、電圧が2.7Vに達したらその電圧を保って定電圧充電とし、充電電流が0.5mAまで低下した時点で充電を完了した。また、放電は充電終了直後に定電流10mAで0Vに達するまで行った。静電容量は放電時のエネルギー換算法を用い、コインセルに使用している活物質層の体積当たりの静電容量として算出した。内部抵抗は放電直後の電圧降下からコインセルの内部抵抗を求め、体積当たりの抵抗率として算出した。
(実施例1)
撹拌機付きの重合反応器に水150部、単量体としてアクリル酸2−エチルヘキシル70部、アクリロニトリル26部、エチレングリコールジメタクリレート2部およびメタクリル酸2部、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム1.2部、開始剤として過硫酸アンモニウム0.3部を供給して、60℃で重合反応を開始した。重合反応を8時間行い、数平均粒子径が0.12μmでガラス転移温度が−5℃の架橋型アクリレート重合体の水分散体としてラテックス(A)を得た。重合転化率は96%であった。ラテックス(A)の固形分濃度は40%であった。
電極活物質として比表面積が2000m/gで重量平均粒子径が5μmの高純度活性炭粉末100部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(DN−800H:ダイセル化学工業社製)を固形分で1.4部、導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状:電気化学工業社製)5部、結着剤として上記ラテックス(A)を固形分で5.6部、及びイオン交換水448部を混合し、スラリーを調製した。
次いで、このスラリーを図3に示すようなスプレードライヤー(大川原化工機社製)のホッパー51に供給し、ポンプ52で塔頂部のノズル57へ送り、ノズルから乾燥塔58内に噴霧した。同時に熱交換器55を経て150℃の熱風をノズル57の脇から乾燥塔58に送り、体積平均粒子径31.6μm、球形度93%の球状の複合粒子を得た。
得られた複合粒子を、図2に示すように、ロールプレス機(押し切り粗面熱ロール:ヒラノ技研社製)のロール(ロール温度100℃、プレス線圧3.9kN/cm)に供給して、成形速度5m/分でシート状に成形し、厚さ520μmの活物質層を得た。
これとは別に、厚さ20μmのアルミニウム箔に集電体用塗料(バニーハイト#523−3:日本黒鉛社製)を塗布し、乾燥して導電性接着剤層を形成し、集電体とした。上記で得られた活物質層を集電体と貼り合せ、直径12mmの円形に打ち抜いて、電極を得た。この電極について活物質層表面の空孔の面積を測定したところ、(a)18.0%、(b)58.1%であった。測定に用いた活物質層の電子顕微鏡画像、およびその画像解析結果を図4〜6に示す。
上記の電極を2枚作成し、この電極及びセパレータとして用いるレーヨン不織布に十分電解液を含浸させ、次いで2枚の電極がセパレータを介して活物質層が内側になるように対向させ、それぞれの電極が電気的に接触しないように配置して、コインセル状の電気二重層キャパシタを作製した。電解液にはプロピレンカーボネートにホウフッ化テトラエチルアンモニウムを1.4モル/Lの濃度で溶解させたものを用いた。この電気二重層キャパシタの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で得られた活物質層をさらに、温度100℃、間隙が480μmの一対のロールを用い、速度0.6m/分で圧延して、厚さ500μmの活物質層とした。この活物質層を用いた他は実施例1と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
結着剤として、CP−20に代えて、平均粒子径0.15μm、ガラス転移温度−40℃の架橋型アクリレート重合体の40%水分散体「AD211」(日本ゼオン社製)を固形分量で5.6部用いた他は、実施例1と同様にして体積平均粒子径48.5μm、球形度92%の複合粒子を得た。この複合粒子を用いて活物質層を製造した他は実施例1と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で得られた活物質層をさらに温度100℃、間隙が450μmの一対のロールを用い、速度0.6m/分で圧延して、厚さ485μmの活物質層とした。この活物質層を用いた他は実施例1と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
プレス線圧を6.9kN/cmとした他は実施例1と同様にして厚さ475μmの活物質層を得た。この活物質層を用いた他は実施例1と同様にして電極および電気二重層キャパシタを作製し、各特性を測定した。測定に用いた活物質層の電子顕微鏡画像、およびその画像解析結果を図7〜9に示す。結果を表1に示す。
(比較例3)
プレス線圧を0.5kN/cmとした他は実施例1と同様にして厚さ536μmの活物質層を得た。この活物質層を用いた他は実施例1と同様にして電極を製造し、活物質層表面の空孔の面積を測定したところ、(a)21.7%、(b)68.7%であった。次いで、この電極を用いて電気二重層キャパシタの作製を試みたが、この電極は非常に脆く、電解液に含浸後に崩れてしまい、コインセルを作製できなかった。
以上のように、本発明の電極を用いると、高容量で内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタを得ることができる(実施例1〜3)。これに対し(a)の値が低すぎたり、(b)の値が低すぎたりすると、得られる電気二重層キャパシタは、容量は若干高いものの、内部抵抗の大きいものとなった(比較例1,2)。一方(a)の値が高すぎる電極は強度が不足しているため、この電極を用いても電気二重層キャパシタを得ることができなかった(比較例3)。
本発明に好適に用いられる複合粒子の一例を示す断面図である。 電極を製造する方法の一例を示す図である。 本実施例で用いた噴霧乾燥装置の一例を示す図である。 実施例1で得られた電極の活物質層表面の電子顕微鏡写真である。 図4の写真を画像解析ソフトを用いて2値化処理を行い、得られた2値化画像である。 図5の2値化画像において、4μm以上の面積を有する空孔を表す図である。 比較例2で得られた電極の活物質層表面の電子顕微鏡写真である。 図7の写真を画像解析ソフトを用いて2値化処理を行い、得られた2値化画像である。 図8の2値化画像において、4μm以上の面積を有する空孔を表す図である。
符号の説明
1:集電体
2:活物質層
3:複合粒子
4:フィーダー
5:ロール
10:複合粒子
11:導電材
12:電極活物質
51:ホッパー
52:ポンプ
54:送風機
55:熱交換器
57:噴霧ノズル
58:乾燥塔
59:吸引機
62:冷風ファン

Claims (7)

  1. 電極活物質および結着剤を含有する活物質層と、集電体とが積層されてなる電気二重層キャパシタ用電極であって、該活物質層の表面に複数の空孔が存在し、(a)該活物質層表面における、空孔の占める割合が15〜20面積%であり、かつ(b)全空孔中における、4μm以上の面積を有する空孔の割合が50〜100面積%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極。
  2. 活物質層が、前記電極活物質および前記結着剤を含む複合粒子を用いて形成されたものである請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  3. 前記複合粒子が、短軸径をL、長軸径をL、L=(L+L)/2とし、(1−(L−L)/L)×100の値を球形度(%)としたとき、球形度が80%以上の球形の粒子である請求項2に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  4. 前記複合粒子の体積平均粒径が10〜100μmである請求項2または3に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  5. 前記複合粒子が、さらに導電材を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  6. 前記複合粒子が外層部と内層部とからなり、外層部及び内層部が前記電極活物質及び導電材を結着剤によって結着されてなるもので構成され、外層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径が、内層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極を用いてなる電気二重層キャパシタ。
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