JP2005019041A - 固体電解質層と水素透過性金属膜を用いた電池、燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低作動電圧損失、低反応過電圧及び安価な中間温度領域(400〜700℃)動作型固体酸化物型燃料電池の提供を目的とする。
【解決手段】多孔性基板2上に貫通孔のない水素透過性金属膜を接着して得たアノード3上に厚さ50μm以下で高密度のプロトン導電性酸化物からなる固体電解質層1の薄膜を形成することにより、電解質の電気抵抗を低減し、オーム抵抗による作動電圧損失を減少させ、電解質/電極界面の過電圧を抑制する。また固体電解質層中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質層の導電率の増大を図る。
【選択図】図1
【解決手段】多孔性基板2上に貫通孔のない水素透過性金属膜を接着して得たアノード3上に厚さ50μm以下で高密度のプロトン導電性酸化物からなる固体電解質層1の薄膜を形成することにより、電解質の電気抵抗を低減し、オーム抵抗による作動電圧損失を減少させ、電解質/電極界面の過電圧を抑制する。また固体電解質層中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質層の導電率の増大を図る。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電率の高いプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層及びアノード側に水素透過性金属膜を用いた電極を有する電池、燃料電池及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電極間にプロトン導電性酸化物よりなる電解質を挟持した燃料電池等が知られている。このプロトン導電性酸化物の電解質は、燃料電池、水素ポンプ、水素濃度センサ及び含有水素ガス変換器等に用いられており、特に酸化反応を電気化学的に変換することによって電気エネルギー源として利用する燃料電池については、クリーンエネルギーとして注目を浴び、数多くの提案がなされている。
【0003】
ここで典型的な燃料電池9の構成を図9に示す。まず多孔性の白金膜又は金膜をもって構成したアノード10側に燃料水素を供給し、水素電極反応(2H2→4H++4e−)により発生した水素イオンを、固体電解質11を通してカソード12側に移動させ、酸素電極反応(O2+4e−→2O−−、4H++2O−−→2H2O)によって水を発生させると共に、その起電力を発生させる。この起電力はネルンストの式により決まり、1.23Vを超える電圧は発生しない。
かかる起電力の発生に用いられる固体電解質11としては、イットリア安定化ジルコニアや陽イオン交換膜、ペロブスカイト型酸化物であるBaCe0.8Zr0 .1Nd0.1O3等が知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
燃料電池9の出力を増大するためには、固体電解質11の電気抵抗による電圧の低下を軽減して、できるだけ大きな電流を電池から取出すための工夫が必要である。例えば電圧低下の軽減のため、固体電解質11としてBaPrO3のような導電率の高い物質を用いることが提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
アノード10及びカソード12の電極としては、電極反応に対して触媒作用のある多孔性の白金膜又は金膜が使用されている。しかしこれらはいずれも高価である。一方、燃料の水素としては水素ガスあるいは水素含有ガスをボンベに入れて用いたり、あるいは液体燃料を水素源として用いたりしている。水素ガスそのものには爆発の危険があって取り扱いに注意を要するので、装置としても危険対策を施すことが必要になる。液体燃料を水素源として用いる場合でも、それなりの装置が必要となり、又、反応後にCO2などを生成するので、いわゆるクリーンエンジンの観点からは好ましくない。
そこで、本発明者は先に、BaとCeとを基本成分とするBaCeO3においてCeの一部をYで置き換えた特定固体電解質と共に、起電力が高く、安全でかつ安価な燃料電池を提案している(特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−34862号公報
【特許文献2】
特開平10−284108号公報
【特許文献3】
特開2001−148251号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固体電解質層にプロトン導電性酸化物薄膜を用いることによって、電力発生器の更なる高出力化と高効率化を図ると共にかかる電力発生器を安全で安価に提供することを目的とする。
電力発生器の高出力化と高効率化を実現するためには、電解質の電気抵抗と電極の過電圧による作動電圧損失をできるだけ少なくする必要がある。
そのために上述のように導電率の高い物質を用いる方法があるが、他方、電解質層を薄膜によって形成することによっても同様の目的を達成できる。
【0008】
プロトン導電性酸化物の薄膜を電解質層として利用するには、電解質薄膜の破損を防止するために、電極により支持する必要がある。それ故に電極材料を基板として用いて、その上に電解質薄膜を形成する方法が試みられている。しかしながら、燃料ガスや燃焼生成物ガスのように比較的大きな分子の透過が可能な多孔性の電極上に貫通孔のない高密度で数μm厚の薄膜を形成することは至難の技である。従って、電力発生器の固体電解質層としての利用可能なプロトン導電性酸化物薄膜を多孔性の電極上に形成したという報告はなされていない。
【0009】
本発明の目的とするところは、貫通孔のない水素透過性金属膜上に厚さ50μm以下のプロトン導電性酸化物薄膜による高密度の固体電解質層を形成することにより、電解質の電気抵抗を抑制し、オーム抵抗による作動電圧損失を低減させることにある。
また他の目的は、固体電解質層中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質層の導電率の増大を図ることを目的とする。
更に他の目的は、アノードである水素透過性金属膜上に固体電解質層を形成することにより、電極反応に水素分子の解離過程が含まれないために、反応過電圧が低くて中間温度領域400〜700℃で動作する安価で出力密度の高い燃料電池の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、以下の構成を有する。
(1)本発明に係る電池は、固体電解質層をアノード及びカソードにより挟持してなる電池において、該アノードが多孔性基板上に水素透過性金属膜を接着した水素透過性電極によって形成され、該固体電解質層がプロトン導電性酸化物薄膜であることを特徴とする。
ここで電池とは、水素と酸素の化学反応により発生したエネルギーを電気エネルギーへ変換するエネルギー変換器のことである。
水素透過性金属膜としては、水素の透過速度が大きいものが好ましい。かかる水素の透過速度は金属(あるいは合金)中の水素固溶濃度と水素の移動速度の積で表される。水素の透過速度の大きなものとしては、Pd、Pd−Ag及びZr−Ni非晶質合金等が挙げられる。
またプロトン導電性酸化物薄膜とは、厚さ50μm以下のものをいう。
【0011】
(2)本発明に係る電池は、水素透過性金属膜が水素透過性のPd又はPd−Ag合金であることを特徴とする上記(1)記載のものである。
Pd又はPd−Ag合金は、水素の透過速度が速く、数μmの厚さで充分だからである。またPd−Ag合金は、高濃度の水素原子を結晶格子内に固溶することができることから、結晶構造の異なる水素化合物が形成されにくいので水素化物の析出による脆化を受け難いという性質を有する。
【0012】
(3)本発明に係る電池は、固体電解質層の化学組成が傾斜し、それにより水素化ポテンシャルがアノードからカソードに向って減少していることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載されたものである。固体電解質層の化学組成は化学組成の異なったプロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることによって傾斜させることができる。大面積の薄膜が容易に作製可能であるという観点からは、特にスラリーコーティングを用いるのが好ましい。
【0013】
(4)本発明に係る電池は、プロトン導電性酸化物薄膜がAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr2+,Ba2+、B’:Ti4+,Zr4+,Ce4+、B’’:Y3+,Yb3+,Nd3+,Gd3+)であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載されたものである。
【0014】
(5)本発明に係る電池は、AB’1−xB’’xO3−x/2においてx=0.1〜0.2であることを特徴とする上記(4)記載のものである。プロトン導電性酸化物薄膜においては、含有するアクセプタが水素雰囲気中でプロトンにより置換されることによって導電性を得ることができる。しかし、アクセプタの割合が一定の値を超えるとその導電率が低下する。これはプロトン導電性酸化物薄膜中のXの値が高いと異なる構造の酸化物相が混入するためである。また本来の導電率を確保するためには、Xが0.1以上であることが好ましい。例えばCaZr1−xInxO3−x/2系ではXが0.1を超えると異なる相が析出し、BaCe1−xYxO3−x/2系ではXが0.2を超えると固体電解質層中に異なる相が析出し導電率が低下する。
【0015】
(6)本発明に係る電池の製造方法は、多孔性基板上に、金属箔を接着又は金属ペーストを積層した後、焼結あるいは金属箔の金属ペーストを用いた接着により水素透過性金属膜をアノード側に形成し、該水素透過性金属膜上にプロトン導電性酸化物薄膜をコーティングすることにより固体電解質層を形成し、焼結した後、該固体電解質層に接触するようにカソードを形成することを特徴とする。ここでカソードの形成方法としては種々あるが、例えばAgの網をAgペーストを用いて接着するようにして形成することができる。
またプロトン導電性酸化物薄膜のコーティング方法としては、スラリー・コーティング及びパルス・レーザ照射やスパッタリングによる蒸着法等が挙げられる。
【0016】
(7)本発明に係る電池の製造方法は、プロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより固体電解質層を形成したことを特徴とする上記(6)に記載された方法である。
【0017】
(8)本発明に係る電池の製造方法は、水素化ポテンシャルがアノードからカソードへ減少するように化学組成の異なるプロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより積層して化学組成の傾斜した固体電解質層を形成することを特徴とする上記(7)記載の方法である。
【0018】
(9)本発明に係る燃料電池は、少なくともアノードを水素透過性金属膜により形成した請求項1乃至5記載のいずれか一に記載された電池を有する燃料電池において、アノード側に水素ガスまたは少なくとも水素を含有するガスを供給し、カソード側に少なくとも酸素を含有する酸化ガスを供給して起電力を得ることを特徴とする。
【0019】
更に本発明に係る電池は、水素ポンプ、水素含有ガスの水素ガス変換器及び水素濃度センサ、水素同位体分離等としても用いられる。
例えば、水素ポンプ、水素含有ガスの水素ガス変換器は、アノード側に水素ガスまたは少なくとも水素を含有するガスを供給し、カソード側より水素をくみ出す水素ポンプであって、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることによって水素を選択的にくみ出すことができる。
【0020】
また水素濃度センサは、アノード側に基準となる水素濃度を有する基準ガスが接触し、カソード側に測定対象となる測定対象ガスが接触し、両極に生じる電位差を検出する手段と、該検出手段が検出した電圧の変化に基づいて、該測定対象ガス中の水素濃度を判定する。酸素濃度判定手段とを備える水素濃度センサにおいて、検出手段として上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることによって電気的状態の変化を検出することができる。
更に上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることにより、水素と重水素の拡散密度の差を利用して水素同位体分離にも応用できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電池の一例を模式的に説明する概念図である。固体電解質層1を、多孔性基板2上に形成したアノード3とカソード4とで挟み、アノード3は水素ガスに、カソード4は空気等の酸素供給源に接して配置されている。図1中、5は導線であり、6はCuガスケットであり、7はAgガスケットである。
【0022】
多孔性基板2はAl2O3とグラファイトを混合し1000℃で1時間焼成することによって形成した。次にかかる多孔性基板2上にPdペーストを用いて接着したPdあるいはPd−Ag合金箔又は水素透過性のPdペーストを塗布した後1000℃で2時間焼成することにより得られたPd膜によってアノード3を形成した。このアノード3は、固体電解質層1の基板として十分な機械的強度を有し、かつ貫通孔のないものである。また多孔性基板2の孔にPdが流れ込むことによって多孔質基板2とアノード3は固く結着している。
【0023】
固体電解質層1は、アノード3を基板としてプロトン導電性酸化物薄膜をスラリー・コーティング法やパルス・レーザ照射等による蒸着法により形成したものである。アノード3には貫通孔がないので高密度の固体電解質層1を形成することができる。ここでスラリーはBaCe1−XYX組成のアルコキシド溶液にBaCe1−xYxO3−x/2粉末を混入することにより作製された。プロトン導電性酸化物薄膜は、余分な溶媒を除去するために130℃で10分間乾燥された。乾燥後、プロトン導電性酸化物薄膜を600℃で30分間仮焼した。仮焼はアルコキシル等の残留物の除去と薄膜と基板間の化学結合による密着性の向上を目的としている。十分な厚さの固体電解質層1を形成するには、プロトン導電性酸化物薄膜を多層にコーティングする。所望の厚さになった固体電解質層は、1300℃と1450℃の温度範囲で焼結を行うことにより高密度の固体電解質層が形成される。
カソード4としては、2H++O2−→H2Oの電極反応に触媒作用のある多孔性のPtやAg電極が用いられる。
【0024】
この電池においてアノード3側に燃料水素等を供給すると、水素は水素電極反応により水素イオン(プロトン)となり、固体電解質層1中に固溶するのでアノード3に電子が取り残されるために、アノード3は電子の湧き出し場として働く。一方、固体電解質層1に固溶した水素イオンは拡散によりカソード4に移動して酸素イオンと結合して水蒸気になるが、酸素原子と水素イオンが結合して水蒸気を生成するためには酸素がカソード4において電子を捕獲して酸素イオンになる必要があり、このためにカソード4は電子の吸い込み場として働く。従って、アノード3からカソード4に向かう電子には水素の酸化反応による駆動力が働くことになり起電力が発生する。この起電力はネルンストより1.23Vを超えることはない。
しかし、回路を閉じた場合には電池内に電流が流れるために電解質の電気抵抗及び電解質/電極界面の過電圧のために作動電圧が低下する。従って上記のような電池を用いることによって取出し電流の増加に依存する作動電圧の低下を軽減することができ、大きな電流を取り出すことができる。
【0025】
本発明に係る電池等の性能を評価するために、図1に示すような燃料電池等を用いて各種の実験を行った。その結果を以下の実施例に記載する。なお実験においては、固体電解質1、アノード3及びカソード4等の組成や厚さ等は適宜変更して各実験を行った。
【0026】
実施例1
図2は、本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層を使用した電池の一例と、比較のために薄膜でない厚い電解質ペレットを使用した電池における電流(I)−電圧(V)特性を比較したグラフである。
このグラフにおいて、実線は本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示すものである。プロトン導電性酸化物薄膜として、厚さ45μmのBaCe0.9Y0.1O2.95が用いられた。他方、破線は薄膜でない厚さ1.0mmのBaCe0.9Y0.1O2.95ペレットを用いた電池のI−V特性を示すものである。温度条件は、中間領域にある600℃、620℃、640℃に設定した。図2に示すように640℃の動作条件下では、本願発明の電池に比して比較例の電池は、取り出し電流が増加すると電圧が急激に減少していることが分かる。このように本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜を使用した電池は、負荷の下で大電流を取出しても電圧損失が少なく、安定に作動することが分かった。
【0027】
実施例2
図3は、本発明に係る水素透過性金属膜を用いた燃料電池のI−V特性を示すグラフの一例である。固体電解質層として厚さ1.0mmのプロトン導電性酸化物薄膜であるBaCe0.9Y0.1O2.95を用い、アノード側電極の水素透過性金属膜として厚さ25μmのPd膜を用い、カソード側電極としてAgペーストが用いられた。
温度条件は夫々600℃、620℃、640℃の条件下において計測を行ったところ、アノード側電極として多孔質基板上にPd膜を用いた場合であっても燃料電池のI−V特性は安定であり、良好に動作することが分かった。
【0028】
実施例3
図4は、アノード側電極の水素透過性金属膜としてPd膜を用いた電池と、多孔性のNiペーストを用いた電池の温度−出力特性を示すグラフである。この実施例に係る電池は、固体電解質層として厚さ1.0mmのプロトン導電性酸化物薄膜であるBaCe0.9Y0.1O2.95を用い、カソード側電極としてAgペーストを用いた。作動電圧は0.6V固定とした。
グラフに示すように、温度条件600℃においてはPd膜よりNiペーストによってアノード側電極を形成した電池の方が、出力密度が大きいが、温度条件640℃においては、Niペーストを用いた電池よりPd膜によってアノード側電極を形成した電池の方が、出力密度が大きくなるため、Pd膜によってアノード側電極を形成した電池の方が、温度上昇に伴う出力密度の上昇率が大きいことが分かった。
【0029】
実施例4
図5は、水素化ポテンシャルがアノードからカソードへ減少若しくは増大している固体電解質層の組成を示す概念図である。固体電解質層を形成するプロトン導電性酸化物薄膜において、水素化ポテンシャルはアクセプタの濃度におけるxの値が増加するに伴って減少する。従って、図に示すようにxの値を変化させることによって一定の濃度勾配を有する固体電解質層を形成した。本実施例はスラリー・コーティングにより組成の異なるプロトン導電性酸化物薄膜を積み重ねたものを焼結することにより界面が拡散によって混合することにより略一定の濃度勾配を有する固体電解質層を形成した。
【0030】
固体電解質層を形成するプロトン導電性酸化物薄膜としてはBa3Ca1+xNb2−xO9−3x/2が用いられた。アクセプタの濃度に相当するxの値をアノード側より0.15,0.18,0.21(ダウンヒル)とし、各組成を有する酸化物層を積み重ねることにより化学組成の傾斜したプロトン導電性酸化物薄膜を作製した。また比較例としてアクセプタの濃度に相当するxの値をアノード側より0.21,0.18,0.15(アップヒル)とした固体電解質層を作製した。固体電解質層の厚さは共に1.5mmである。
【0031】
図6は、かかる固体電解質層を有する電池における種々の温度条件下でのI−V特性を示すグラフである。
このグラフにおいて、実線は水素化ポテンシャルがダウンヒルである固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示し、破線は水素化ポテンシャルがアップヒルである固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示したものである。
このように本発明に係るダウンヒルの固体電解質層を用いた電池の方が、アップヒルの固体電解質層を用いた電池よりI−V特性が良好であることが分かった。
【0032】
実施例5
図7は、固体電解質層としてプロトン導電性酸化物電解質である厚さ1.5μmの薄膜を用いた温度条件400℃におけるI−V特性を示すグラフである。BaCe0.9Y0.1O2.95薄膜は、パルス・レーザ照射による蒸着法を用いて作成された。なおアノード側の電極としては厚さ25μmのPdが用いられた。
このグラフから明らかなように固体電解質層が薄い場合には、低い運転温度でも燃料電池として安定して作動することが分かった。
なお固体電解質層の厚さが数μmの場合には、埃等の付着により薄膜に穴があき、アノードとカソードが短絡する場合がある。かかる短絡を防止するには、クリーンルーム内等で成膜を行うのが好ましい。
【0033】
実施例6
図8は、種々のプロトン導電性酸化物電解質の導電率の温度変化を示すログスケールのグラフである。
プロトン導電性酸化物電解質としては、AB’1− xB’’XO3− x /2(A:Ba、B’:Ce、B’’:Y,Nd)において、X=0.1であるBaCe0.8Y0.2O3−a及びBaCe0.9Nd0.1O3−aと、AB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr、B’:Ce,Zr、B’’:Yb,Y)において、X=0.05であるSrCe0.95Yb0.05O3−a及びSrZr0.95Y0.05O3−aと、CaZr0.9In0.1O3−aを形成し、各プロトン導電性酸化物電解質の導電率を測定した。
その結果、アクセプタの濃度におけるxの値が0.1の組成を有するプロトン導電性酸化物電解質の方が、Xが0.05のものよりも導電率が優れており、更にAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Ba、B’:Ce、B’’:Y,Nd)及びAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr、B’:Ce,Zr、B’’:Yb,Y)の方がCaZr0.9In0.1O3−aより導電率が優れていることが分かった。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、固体電解質層にプロトン導電性酸化物薄膜を用いることによって、電力発生器の更なる高出力化と高効率化を図ることができると共にかかる電力発生器を安全で安価に提供することができる。
即ちアノード側電極である貫通孔のない水素透過性金属膜上に厚さが50μm以下で高密度のプロトン導電性酸化物の薄膜を形成することにより、電解質の電気抵抗を抑制し、オーム抵抗による作動電圧損失を低減させることができる。
【0035】
更に固体電解質中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質の導電率の増大を図ることができる。
更に、アノードである水素透過性金属膜上に固体電解質層を形成することにより、水素分子の解離過程が含まれないために、反応過電圧が低くて中間温度領域400〜700℃で動作する安価で出力密度の高い燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の模式的説明図である。
【図2】本発明に係る電池のプロトン導電性酸化物薄膜の厚みの相違におけるI−V特性を示すグラフである。
【図3】本発明に係る水素透過性金属膜としてPd膜のアノードを用いた燃料電池のI−V特性を示すグラフの一例である。
【図4】アノードにPd膜を用いた電池と、Niペーストを用いた電池の温度−出力特性を示すグラフである。
【図5】電解質に用いるプロトン導電性酸化物薄膜の化学組成が傾斜している状態を示す概念図である。
【図6】電解質に用いるプロトン導電性酸化物薄膜の水素化ポテンシャルがダウンヒルである場合とアップヒルである場合とのI−V特性を比較したグラフである。
【図7】本発明に係る厚さ1.5μmの電解質を用いた電池におけるI−V特性を示したグラフである。
【図8】種々のプロトン導電性酸化物の導電率の温度変化を示すログスケールのグラフである。
【図9】典型的な燃料電池の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 固体電解質層
2 多孔基板
3 アノード
4 カソード
5 導線
6 Cuガスケット
7 Agガスケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電率の高いプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層及びアノード側に水素透過性金属膜を用いた電極を有する電池、燃料電池及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電極間にプロトン導電性酸化物よりなる電解質を挟持した燃料電池等が知られている。このプロトン導電性酸化物の電解質は、燃料電池、水素ポンプ、水素濃度センサ及び含有水素ガス変換器等に用いられており、特に酸化反応を電気化学的に変換することによって電気エネルギー源として利用する燃料電池については、クリーンエネルギーとして注目を浴び、数多くの提案がなされている。
【0003】
ここで典型的な燃料電池9の構成を図9に示す。まず多孔性の白金膜又は金膜をもって構成したアノード10側に燃料水素を供給し、水素電極反応(2H2→4H++4e−)により発生した水素イオンを、固体電解質11を通してカソード12側に移動させ、酸素電極反応(O2+4e−→2O−−、4H++2O−−→2H2O)によって水を発生させると共に、その起電力を発生させる。この起電力はネルンストの式により決まり、1.23Vを超える電圧は発生しない。
かかる起電力の発生に用いられる固体電解質11としては、イットリア安定化ジルコニアや陽イオン交換膜、ペロブスカイト型酸化物であるBaCe0.8Zr0 .1Nd0.1O3等が知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
燃料電池9の出力を増大するためには、固体電解質11の電気抵抗による電圧の低下を軽減して、できるだけ大きな電流を電池から取出すための工夫が必要である。例えば電圧低下の軽減のため、固体電解質11としてBaPrO3のような導電率の高い物質を用いることが提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
アノード10及びカソード12の電極としては、電極反応に対して触媒作用のある多孔性の白金膜又は金膜が使用されている。しかしこれらはいずれも高価である。一方、燃料の水素としては水素ガスあるいは水素含有ガスをボンベに入れて用いたり、あるいは液体燃料を水素源として用いたりしている。水素ガスそのものには爆発の危険があって取り扱いに注意を要するので、装置としても危険対策を施すことが必要になる。液体燃料を水素源として用いる場合でも、それなりの装置が必要となり、又、反応後にCO2などを生成するので、いわゆるクリーンエンジンの観点からは好ましくない。
そこで、本発明者は先に、BaとCeとを基本成分とするBaCeO3においてCeの一部をYで置き換えた特定固体電解質と共に、起電力が高く、安全でかつ安価な燃料電池を提案している(特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−34862号公報
【特許文献2】
特開平10−284108号公報
【特許文献3】
特開2001−148251号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固体電解質層にプロトン導電性酸化物薄膜を用いることによって、電力発生器の更なる高出力化と高効率化を図ると共にかかる電力発生器を安全で安価に提供することを目的とする。
電力発生器の高出力化と高効率化を実現するためには、電解質の電気抵抗と電極の過電圧による作動電圧損失をできるだけ少なくする必要がある。
そのために上述のように導電率の高い物質を用いる方法があるが、他方、電解質層を薄膜によって形成することによっても同様の目的を達成できる。
【0008】
プロトン導電性酸化物の薄膜を電解質層として利用するには、電解質薄膜の破損を防止するために、電極により支持する必要がある。それ故に電極材料を基板として用いて、その上に電解質薄膜を形成する方法が試みられている。しかしながら、燃料ガスや燃焼生成物ガスのように比較的大きな分子の透過が可能な多孔性の電極上に貫通孔のない高密度で数μm厚の薄膜を形成することは至難の技である。従って、電力発生器の固体電解質層としての利用可能なプロトン導電性酸化物薄膜を多孔性の電極上に形成したという報告はなされていない。
【0009】
本発明の目的とするところは、貫通孔のない水素透過性金属膜上に厚さ50μm以下のプロトン導電性酸化物薄膜による高密度の固体電解質層を形成することにより、電解質の電気抵抗を抑制し、オーム抵抗による作動電圧損失を低減させることにある。
また他の目的は、固体電解質層中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質層の導電率の増大を図ることを目的とする。
更に他の目的は、アノードである水素透過性金属膜上に固体電解質層を形成することにより、電極反応に水素分子の解離過程が含まれないために、反応過電圧が低くて中間温度領域400〜700℃で動作する安価で出力密度の高い燃料電池の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、以下の構成を有する。
(1)本発明に係る電池は、固体電解質層をアノード及びカソードにより挟持してなる電池において、該アノードが多孔性基板上に水素透過性金属膜を接着した水素透過性電極によって形成され、該固体電解質層がプロトン導電性酸化物薄膜であることを特徴とする。
ここで電池とは、水素と酸素の化学反応により発生したエネルギーを電気エネルギーへ変換するエネルギー変換器のことである。
水素透過性金属膜としては、水素の透過速度が大きいものが好ましい。かかる水素の透過速度は金属(あるいは合金)中の水素固溶濃度と水素の移動速度の積で表される。水素の透過速度の大きなものとしては、Pd、Pd−Ag及びZr−Ni非晶質合金等が挙げられる。
またプロトン導電性酸化物薄膜とは、厚さ50μm以下のものをいう。
【0011】
(2)本発明に係る電池は、水素透過性金属膜が水素透過性のPd又はPd−Ag合金であることを特徴とする上記(1)記載のものである。
Pd又はPd−Ag合金は、水素の透過速度が速く、数μmの厚さで充分だからである。またPd−Ag合金は、高濃度の水素原子を結晶格子内に固溶することができることから、結晶構造の異なる水素化合物が形成されにくいので水素化物の析出による脆化を受け難いという性質を有する。
【0012】
(3)本発明に係る電池は、固体電解質層の化学組成が傾斜し、それにより水素化ポテンシャルがアノードからカソードに向って減少していることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載されたものである。固体電解質層の化学組成は化学組成の異なったプロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることによって傾斜させることができる。大面積の薄膜が容易に作製可能であるという観点からは、特にスラリーコーティングを用いるのが好ましい。
【0013】
(4)本発明に係る電池は、プロトン導電性酸化物薄膜がAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr2+,Ba2+、B’:Ti4+,Zr4+,Ce4+、B’’:Y3+,Yb3+,Nd3+,Gd3+)であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載されたものである。
【0014】
(5)本発明に係る電池は、AB’1−xB’’xO3−x/2においてx=0.1〜0.2であることを特徴とする上記(4)記載のものである。プロトン導電性酸化物薄膜においては、含有するアクセプタが水素雰囲気中でプロトンにより置換されることによって導電性を得ることができる。しかし、アクセプタの割合が一定の値を超えるとその導電率が低下する。これはプロトン導電性酸化物薄膜中のXの値が高いと異なる構造の酸化物相が混入するためである。また本来の導電率を確保するためには、Xが0.1以上であることが好ましい。例えばCaZr1−xInxO3−x/2系ではXが0.1を超えると異なる相が析出し、BaCe1−xYxO3−x/2系ではXが0.2を超えると固体電解質層中に異なる相が析出し導電率が低下する。
【0015】
(6)本発明に係る電池の製造方法は、多孔性基板上に、金属箔を接着又は金属ペーストを積層した後、焼結あるいは金属箔の金属ペーストを用いた接着により水素透過性金属膜をアノード側に形成し、該水素透過性金属膜上にプロトン導電性酸化物薄膜をコーティングすることにより固体電解質層を形成し、焼結した後、該固体電解質層に接触するようにカソードを形成することを特徴とする。ここでカソードの形成方法としては種々あるが、例えばAgの網をAgペーストを用いて接着するようにして形成することができる。
またプロトン導電性酸化物薄膜のコーティング方法としては、スラリー・コーティング及びパルス・レーザ照射やスパッタリングによる蒸着法等が挙げられる。
【0016】
(7)本発明に係る電池の製造方法は、プロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより固体電解質層を形成したことを特徴とする上記(6)に記載された方法である。
【0017】
(8)本発明に係る電池の製造方法は、水素化ポテンシャルがアノードからカソードへ減少するように化学組成の異なるプロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより積層して化学組成の傾斜した固体電解質層を形成することを特徴とする上記(7)記載の方法である。
【0018】
(9)本発明に係る燃料電池は、少なくともアノードを水素透過性金属膜により形成した請求項1乃至5記載のいずれか一に記載された電池を有する燃料電池において、アノード側に水素ガスまたは少なくとも水素を含有するガスを供給し、カソード側に少なくとも酸素を含有する酸化ガスを供給して起電力を得ることを特徴とする。
【0019】
更に本発明に係る電池は、水素ポンプ、水素含有ガスの水素ガス変換器及び水素濃度センサ、水素同位体分離等としても用いられる。
例えば、水素ポンプ、水素含有ガスの水素ガス変換器は、アノード側に水素ガスまたは少なくとも水素を含有するガスを供給し、カソード側より水素をくみ出す水素ポンプであって、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることによって水素を選択的にくみ出すことができる。
【0020】
また水素濃度センサは、アノード側に基準となる水素濃度を有する基準ガスが接触し、カソード側に測定対象となる測定対象ガスが接触し、両極に生じる電位差を検出する手段と、該検出手段が検出した電圧の変化に基づいて、該測定対象ガス中の水素濃度を判定する。酸素濃度判定手段とを備える水素濃度センサにおいて、検出手段として上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることによって電気的状態の変化を検出することができる。
更に上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電池を用いることにより、水素と重水素の拡散密度の差を利用して水素同位体分離にも応用できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電池の一例を模式的に説明する概念図である。固体電解質層1を、多孔性基板2上に形成したアノード3とカソード4とで挟み、アノード3は水素ガスに、カソード4は空気等の酸素供給源に接して配置されている。図1中、5は導線であり、6はCuガスケットであり、7はAgガスケットである。
【0022】
多孔性基板2はAl2O3とグラファイトを混合し1000℃で1時間焼成することによって形成した。次にかかる多孔性基板2上にPdペーストを用いて接着したPdあるいはPd−Ag合金箔又は水素透過性のPdペーストを塗布した後1000℃で2時間焼成することにより得られたPd膜によってアノード3を形成した。このアノード3は、固体電解質層1の基板として十分な機械的強度を有し、かつ貫通孔のないものである。また多孔性基板2の孔にPdが流れ込むことによって多孔質基板2とアノード3は固く結着している。
【0023】
固体電解質層1は、アノード3を基板としてプロトン導電性酸化物薄膜をスラリー・コーティング法やパルス・レーザ照射等による蒸着法により形成したものである。アノード3には貫通孔がないので高密度の固体電解質層1を形成することができる。ここでスラリーはBaCe1−XYX組成のアルコキシド溶液にBaCe1−xYxO3−x/2粉末を混入することにより作製された。プロトン導電性酸化物薄膜は、余分な溶媒を除去するために130℃で10分間乾燥された。乾燥後、プロトン導電性酸化物薄膜を600℃で30分間仮焼した。仮焼はアルコキシル等の残留物の除去と薄膜と基板間の化学結合による密着性の向上を目的としている。十分な厚さの固体電解質層1を形成するには、プロトン導電性酸化物薄膜を多層にコーティングする。所望の厚さになった固体電解質層は、1300℃と1450℃の温度範囲で焼結を行うことにより高密度の固体電解質層が形成される。
カソード4としては、2H++O2−→H2Oの電極反応に触媒作用のある多孔性のPtやAg電極が用いられる。
【0024】
この電池においてアノード3側に燃料水素等を供給すると、水素は水素電極反応により水素イオン(プロトン)となり、固体電解質層1中に固溶するのでアノード3に電子が取り残されるために、アノード3は電子の湧き出し場として働く。一方、固体電解質層1に固溶した水素イオンは拡散によりカソード4に移動して酸素イオンと結合して水蒸気になるが、酸素原子と水素イオンが結合して水蒸気を生成するためには酸素がカソード4において電子を捕獲して酸素イオンになる必要があり、このためにカソード4は電子の吸い込み場として働く。従って、アノード3からカソード4に向かう電子には水素の酸化反応による駆動力が働くことになり起電力が発生する。この起電力はネルンストより1.23Vを超えることはない。
しかし、回路を閉じた場合には電池内に電流が流れるために電解質の電気抵抗及び電解質/電極界面の過電圧のために作動電圧が低下する。従って上記のような電池を用いることによって取出し電流の増加に依存する作動電圧の低下を軽減することができ、大きな電流を取り出すことができる。
【0025】
本発明に係る電池等の性能を評価するために、図1に示すような燃料電池等を用いて各種の実験を行った。その結果を以下の実施例に記載する。なお実験においては、固体電解質1、アノード3及びカソード4等の組成や厚さ等は適宜変更して各実験を行った。
【0026】
実施例1
図2は、本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層を使用した電池の一例と、比較のために薄膜でない厚い電解質ペレットを使用した電池における電流(I)−電圧(V)特性を比較したグラフである。
このグラフにおいて、実線は本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜によって形成された固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示すものである。プロトン導電性酸化物薄膜として、厚さ45μmのBaCe0.9Y0.1O2.95が用いられた。他方、破線は薄膜でない厚さ1.0mmのBaCe0.9Y0.1O2.95ペレットを用いた電池のI−V特性を示すものである。温度条件は、中間領域にある600℃、620℃、640℃に設定した。図2に示すように640℃の動作条件下では、本願発明の電池に比して比較例の電池は、取り出し電流が増加すると電圧が急激に減少していることが分かる。このように本発明に係るプロトン導電性酸化物薄膜を使用した電池は、負荷の下で大電流を取出しても電圧損失が少なく、安定に作動することが分かった。
【0027】
実施例2
図3は、本発明に係る水素透過性金属膜を用いた燃料電池のI−V特性を示すグラフの一例である。固体電解質層として厚さ1.0mmのプロトン導電性酸化物薄膜であるBaCe0.9Y0.1O2.95を用い、アノード側電極の水素透過性金属膜として厚さ25μmのPd膜を用い、カソード側電極としてAgペーストが用いられた。
温度条件は夫々600℃、620℃、640℃の条件下において計測を行ったところ、アノード側電極として多孔質基板上にPd膜を用いた場合であっても燃料電池のI−V特性は安定であり、良好に動作することが分かった。
【0028】
実施例3
図4は、アノード側電極の水素透過性金属膜としてPd膜を用いた電池と、多孔性のNiペーストを用いた電池の温度−出力特性を示すグラフである。この実施例に係る電池は、固体電解質層として厚さ1.0mmのプロトン導電性酸化物薄膜であるBaCe0.9Y0.1O2.95を用い、カソード側電極としてAgペーストを用いた。作動電圧は0.6V固定とした。
グラフに示すように、温度条件600℃においてはPd膜よりNiペーストによってアノード側電極を形成した電池の方が、出力密度が大きいが、温度条件640℃においては、Niペーストを用いた電池よりPd膜によってアノード側電極を形成した電池の方が、出力密度が大きくなるため、Pd膜によってアノード側電極を形成した電池の方が、温度上昇に伴う出力密度の上昇率が大きいことが分かった。
【0029】
実施例4
図5は、水素化ポテンシャルがアノードからカソードへ減少若しくは増大している固体電解質層の組成を示す概念図である。固体電解質層を形成するプロトン導電性酸化物薄膜において、水素化ポテンシャルはアクセプタの濃度におけるxの値が増加するに伴って減少する。従って、図に示すようにxの値を変化させることによって一定の濃度勾配を有する固体電解質層を形成した。本実施例はスラリー・コーティングにより組成の異なるプロトン導電性酸化物薄膜を積み重ねたものを焼結することにより界面が拡散によって混合することにより略一定の濃度勾配を有する固体電解質層を形成した。
【0030】
固体電解質層を形成するプロトン導電性酸化物薄膜としてはBa3Ca1+xNb2−xO9−3x/2が用いられた。アクセプタの濃度に相当するxの値をアノード側より0.15,0.18,0.21(ダウンヒル)とし、各組成を有する酸化物層を積み重ねることにより化学組成の傾斜したプロトン導電性酸化物薄膜を作製した。また比較例としてアクセプタの濃度に相当するxの値をアノード側より0.21,0.18,0.15(アップヒル)とした固体電解質層を作製した。固体電解質層の厚さは共に1.5mmである。
【0031】
図6は、かかる固体電解質層を有する電池における種々の温度条件下でのI−V特性を示すグラフである。
このグラフにおいて、実線は水素化ポテンシャルがダウンヒルである固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示し、破線は水素化ポテンシャルがアップヒルである固体電解質層を用いた電池のI−V特性を示したものである。
このように本発明に係るダウンヒルの固体電解質層を用いた電池の方が、アップヒルの固体電解質層を用いた電池よりI−V特性が良好であることが分かった。
【0032】
実施例5
図7は、固体電解質層としてプロトン導電性酸化物電解質である厚さ1.5μmの薄膜を用いた温度条件400℃におけるI−V特性を示すグラフである。BaCe0.9Y0.1O2.95薄膜は、パルス・レーザ照射による蒸着法を用いて作成された。なおアノード側の電極としては厚さ25μmのPdが用いられた。
このグラフから明らかなように固体電解質層が薄い場合には、低い運転温度でも燃料電池として安定して作動することが分かった。
なお固体電解質層の厚さが数μmの場合には、埃等の付着により薄膜に穴があき、アノードとカソードが短絡する場合がある。かかる短絡を防止するには、クリーンルーム内等で成膜を行うのが好ましい。
【0033】
実施例6
図8は、種々のプロトン導電性酸化物電解質の導電率の温度変化を示すログスケールのグラフである。
プロトン導電性酸化物電解質としては、AB’1− xB’’XO3− x /2(A:Ba、B’:Ce、B’’:Y,Nd)において、X=0.1であるBaCe0.8Y0.2O3−a及びBaCe0.9Nd0.1O3−aと、AB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr、B’:Ce,Zr、B’’:Yb,Y)において、X=0.05であるSrCe0.95Yb0.05O3−a及びSrZr0.95Y0.05O3−aと、CaZr0.9In0.1O3−aを形成し、各プロトン導電性酸化物電解質の導電率を測定した。
その結果、アクセプタの濃度におけるxの値が0.1の組成を有するプロトン導電性酸化物電解質の方が、Xが0.05のものよりも導電率が優れており、更にAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Ba、B’:Ce、B’’:Y,Nd)及びAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr、B’:Ce,Zr、B’’:Yb,Y)の方がCaZr0.9In0.1O3−aより導電率が優れていることが分かった。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、固体電解質層にプロトン導電性酸化物薄膜を用いることによって、電力発生器の更なる高出力化と高効率化を図ることができると共にかかる電力発生器を安全で安価に提供することができる。
即ちアノード側電極である貫通孔のない水素透過性金属膜上に厚さが50μm以下で高密度のプロトン導電性酸化物の薄膜を形成することにより、電解質の電気抵抗を抑制し、オーム抵抗による作動電圧損失を低減させることができる。
【0035】
更に固体電解質中の化学組成を傾斜して、それにより生じる水素化ポテンシャル勾配の駆動力により、固体電解質の導電率の増大を図ることができる。
更に、アノードである水素透過性金属膜上に固体電解質層を形成することにより、水素分子の解離過程が含まれないために、反応過電圧が低くて中間温度領域400〜700℃で動作する安価で出力密度の高い燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の模式的説明図である。
【図2】本発明に係る電池のプロトン導電性酸化物薄膜の厚みの相違におけるI−V特性を示すグラフである。
【図3】本発明に係る水素透過性金属膜としてPd膜のアノードを用いた燃料電池のI−V特性を示すグラフの一例である。
【図4】アノードにPd膜を用いた電池と、Niペーストを用いた電池の温度−出力特性を示すグラフである。
【図5】電解質に用いるプロトン導電性酸化物薄膜の化学組成が傾斜している状態を示す概念図である。
【図6】電解質に用いるプロトン導電性酸化物薄膜の水素化ポテンシャルがダウンヒルである場合とアップヒルである場合とのI−V特性を比較したグラフである。
【図7】本発明に係る厚さ1.5μmの電解質を用いた電池におけるI−V特性を示したグラフである。
【図8】種々のプロトン導電性酸化物の導電率の温度変化を示すログスケールのグラフである。
【図9】典型的な燃料電池の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 固体電解質層
2 多孔基板
3 アノード
4 カソード
5 導線
6 Cuガスケット
7 Agガスケット
Claims (9)
- 固体電解質層をアノード及びカソードにより挟持してなる電池において、該アノードが多孔性基板上に水素透過性金属膜を接着した水素透過性電極によって形成され、該固体電解質層がプロトン導電性酸化物薄膜であることを特徴とする電池。
- 水素透過性金属膜が水素透過性のPd又はPd−Ag合金であることを特徴とする請求項1記載の電池。
- 固体電解質層の化学組成が傾斜し、それにより水素化ポテンシャルがアノードからカソードに向って減少していることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載された電池。
- プロトン導電性酸化物薄膜がAB’1− xB’’XO3− x /2(A:Sr2+,Ba2+、B’:Ti4+,Zr4+,Ce4+、B’’:Y3+,Yb3+,Nd3+,Gd3+)であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載された電池。
- AB’1−xB’’xO3−x/2においてx=0.1〜0.2であることを特徴とする請求項4記載の電池。
- 多孔性基板上に、金属箔を接着又は金属ペーストを積層した後、焼結あるいは金属箔の金属ペーストを用いた接着により水素透過性金属膜をアノード側に形成し、該水素透過性金属膜上にプロトン導電性酸化物薄膜をコーティングすることにより固体電解質層を形成し、焼結した後、該固体電解質層に接触するようにカソードを形成することを特徴とする電池の製造方法。
- プロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより固体電解質層を形成したことを特徴とする請求項6に記載された電池の製造方法。
- 水素化ポテンシャルがアノードからカソードへ減少するように化学組成の異なるプロトン導電性酸化物薄膜を二回以上コーティングすることにより積層して化学組成の傾斜した固体電解質層を形成することを特徴とする請求項7記載の電池の製造方法。
- 少なくともアノードを水素透過性金属膜により形成した請求項1乃至5記載のいずれか一に記載された電池を有する燃料電池において、アノード側に水素ガスまたは少なくとも水素を含有するガスを供給し、カソード側に少なくとも酸素を含有する酸化ガスを供給して起電力を得ることを特徴とする燃料電池。
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