JP2007048569A - 酸化物プロトン導電性膜、水素透過構造体、及びその製造方法 - Google Patents

酸化物プロトン導電性膜、水素透過構造体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、ピンホール等の欠陥が少なく信頼性が高いとともに、高いプロトン導電性も有する酸化物プロトン導電性膜、その酸化物プロトン導電性膜を用いて形成された水素透過構造体、及びその水素透過構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 一般式Ab(1−x)bx(Aは、Ba、Mg、Ca及びSrから選ばれる元素を表わし、Lは、Ce、Zr、Ti及びHfから選ばれる元素を表わし、Mは、3族及び13族の元素から選ばれる元素を表わし、かつ0.5<a<2.0及び0.5<a/b<2.0である。)で表されるペロブスカイト構造酸化物からなり、厚みが20nm以上、500nm以下であり、大気中の電気抵抗が100KΩ以上であることを特徴とする酸化物プロトン導電性膜、及びこの酸化物プロトン導電性膜を水素透過性基材上に形成した水素透過構造体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高いプロトン導電性を有し、水素センサー、燃料電池用固体電解質膜、水素透過膜等に使用される酸化物プロトン導電性膜、並びにそれを用いた水素透過構造体及びその製造方法に関する。
アルカリ土類金属を含むプロトン導電性酸化物は、優れたプロトン導電性を示し、一方電子絶縁性が高いので、水素センサー、燃料電池用固体電解質膜、水素透過膜等、プロトンを高効率で透過させることが必要な広範囲な用途に用いられている。例えばSOLID STATE IONICS、162−163(2003)、291−296頁には、このようなプロトン導電性酸化物からなる酸化物プロトン導電性膜を水素透過性基材上に形成した燃料電池が記載されている。
アルカリ土類金属を含む酸化物の中でも、ALO(Aはアルカリ土類金属、Lは周期律表の4族の元素を表わす。)の式で表わされ、4族の元素Lの一部を周期律表の3族又は13族の元素Mで置換した組成であって、ペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物はプロトン導電性が高いので、多くの材料が報告されている。中でも、式のAサイトがBaであり、LサイトがCeの酸化物、例えばBaCeYO3系の酸化物は、500℃付近で高いプロトン導電性を示す。
SOLID STATE IONICS、162−163(2003)、291−296頁
しかしこのBaCeYO3系の酸化物であっても、プロトン導電率は10−3ジーメンス程度であり、水素分離や水素センサーに焼結体として用いるためには導電率が低い。そこで、さらに高いプロトン導電性をもつ新材料の開発が求められているが、新材料開発以外にも、スパッタ法やパルスレーザーディポジション(PLD)法等により薄膜化してプロトン導電率を高め、既存材料の低いプロトン導電性を補償する試みが行われている。又膜形成コストは一般に膜厚に比例するため、膜形成コストの低減のためにも薄膜化が求められている。
しかし一方、薄膜化には、膜のピンホール等の欠陥が生じやすくなるとの問題がある。ピンホールは、電気的な短絡原因となる場合が多いので、現状では、信頼性の高い酸化物プロトン導電性膜を得るためには、数μm以上の膜厚が必要と考えられている。従って、高い信頼性とともに、近年求められているような高いプロトン導電性を満足するものは得られていない。
本発明は、ピンホール等の欠陥が少なく信頼性が高いとともに、高いプロトン導電性も有する酸化物プロトン導電性膜、その酸化物プロトン導電性膜を用いて形成された水素透過構造体を提供することを課題とする。本発明はさらに、その水素透過構造体の製造方法も提供するものである。
本発明者は検討の結果、特定の組成のペロブスカイト構造酸化物からなり、大気中の電気抵抗が100KΩ以上である酸化物プロトン導電性膜は、厚みが20〜500nm程度の薄膜であっても、充分な信頼性が得られ、かつ薄膜であるので、高いプロトン導電性が得られることを見出し、以下に示す構成からなる本発明を完成した。すなわち、前記の課題は、以下に示す構成からなる発明により達成される。
請求項1に記載の発明は、一般式Ab(1−x)bx(Aは、Ba、Mg、Ca及びSrから選ばれる元素を表わし、Lは、Ce、Zr、Ti及びHfから選ばれる元素を表わし、Mは、3族及び13族の元素から選ばれる元素を表わし、かつ0.5<a<2.0及び0.5<a/b<2.0である。)で表されるペロブスカイト構造酸化物からなり、厚みが20nm以上、500nm以下であり、大気中の電気抵抗が100KΩ以上であることを特徴とする酸化物プロトン導電性膜である。
ここで、酸化物プロトン導電性膜とは、固体電解質であって、その中をプロトン(H+、陽子)が伝播する性質を有するものである。
一般式Ab(1−x)bxにおいて、Aサイトの元素は、アルカリ土類金属のBa、Mg、Ca及び,Srから選ばれた1種又は2種以上の元素である。特に、AサイトがBaの場合は、プロトン導電性が高くなるので好ましい。
Lサイト元素は、4族元素(短周期型周期表IVB族)のCe、Zr、Ti及びHfから選ばれた1種または2種以上の元素であり、Lサイト元素がこれらの元素であることにより、高いプロトン導電性と電子絶縁性(大気中の電気抵抗)を共に得ることができる。特に、LサイトがCeの場合は、プロトン導電性が高くなるので好ましい。Lサイト元素として他の元素を用いた場合は、高いプロトン導電性と電子絶縁性を両立して得ることができない。
本発明の酸化物プロトン導電性膜を形成する酸化物は、ALO組成の酸化物のLサイトをMで表わされる元素で置換したものである。Mで表わされる元素は、長周期型周期表の3族と13族(短周期型周期表III族)の元素であり、ランタノイド系列の元素も含まれる。具体的には、Ga、Al、Y、Yb、In、Nd及びScが例示され、これらの中から、Aサイト元素及びLサイト元素の種類により最適な元素が選択される。
Lサイト元素の一部を、Mで表わされる元素で置換しないとプロトン導電性が発現しない。従って、M元素の置換比率xは0より大きい。より高いプロトン導電性を得るためには、xは0.03より大きいことが好ましい。一方、xが0.2を超えるとペロブスカイト構造が不安定となり、信頼性が急激に低下する。従って、好ましくは、xが0より大きく0.2以下である。請求項2は、この態様に該当する。
一般式中のaの値は、0.5<a<2.0の範囲である。又Aサイト原子とLサイト原子のモル比(A/(L+M))=a/bは、0.5<a/b<2.0の範囲である。a及びa/bの値が、前記範囲外であると、ペロブスカイト構造が維持できなくなる。
酸化物プロトン導電性膜の厚みは薄いほどプロトン導電性が高いが、薄い場合は、ピンホール(膜欠陥)が多くなり、水素ガスがイオン化(プロトン化)することなく透過しやすくなり、固体電解質として充分機能しない場合がある。本発明者は、膜の大気中の電気抵抗を100KΩ以上とすることにより、20nm(0.02μm)から500nm(0.5μm)の範囲で、高いプロトン導電性が得られるとともに、ピンホールが少なく、固体電解質として充分機能する酸化物プロトン導電性膜を得られることを見出した。
すなわち、本発明の酸化物プロトン導電性膜は、厚みが500nm以下であるので、優れたプロトン導電性を有する。厚みが500nmを越える場合は、プロトン導電性が低くなり、近年の要請を充分満たすような性能が発揮できない。
一方、大気中の電気抵抗が100KΩ以上であり、厚みが20nm以上であるので、ピンホールが少なく、固体電解質として充分機能する。従って、酸化物プロトン導電性膜として高い信頼性が得られる。
大気中の電気抵抗が100KΩ以上であり、一般式Ab(1−x)bxで表わされるペロブスカイト構造の酸化物プロトン導電性膜は、前記一般式の組成を有する酸化物を、後述する水素透過性基材等のような基板上に、MOCVD法により堆積する方法により得ることができる。請求項3は、酸化物プロトン導電性膜が、このMOCVD法により形成された態様に該当するものである。
MOCVD法とは、真空槽内で加熱した基板上に、蒸気圧の高い金属の有機化合物の蒸気(原料ガス)を送って、その金属の化合物の膜を基板上に堆積(成長)させる方法である。
本発明の酸化物プロトン導電性膜形成のMOCVD法においては、原料ガスとして、A、L又はMの元素を含む有機化合物のガスが用いられる。具体的には、後述するβ-ジケトン化合物のガスが例示される。基板上には、この原料ガスとともに、酸素源ガス、不活性ガスキャリアが導入される。ここで、酸素源ガスとしては、酸素ガスが例示され、不活性ガスキャリアとしては、Arガスが例示される。
原料ガスとしては、中でも、A、L、Mの元素を含むβ-ジケトン化合物が好ましい。β-ジケトン化合物を用いることにより、膜の場所による組成の変動の小さい好ましい膜質が得られる。請求項4は、この好ましい態様に該当する。
β-ジケトン化合物(1,3-ジケトン化合物)とは、2つのカルボニル基を有し、この2つのカルボニル基間が、1個の炭素原子を通して連結している化合物であり、ケト−エノール互変異性を示し、金属と塩を作るものである。本発明において、原料ガスとして用いられるβ-ジケトン化合物としては、Ba源としてのBa(C1119、Y源としてのY(C1119、Ce源としてのCe(C1119等が挙げられる。これらは室温で固体であるが、100−200℃に加熱することにより気化し、原料ガスとして用いることができる。
本発明は、さらに、前記の酸化物プロトン導電性膜を、水素透過性基材上に形成したことを特徴とする水素透過構造体(請求項5)を提供する。この水素透過構造体は、高いプロトン導電性を有し、ピンホール等の欠陥の少ない酸化物プロトン導電性膜を用いているので、信頼性の高いものであり、燃料電池等に好適に用いられるものである。
水素透過性基材としては、水素を透過する材料であれば種類を問わず、例えば、水素透過性能を有する金属の膜(水素透過性金属膜)からなるもの、金属多孔体やセラミックス多孔体の表面に水素透過性金属膜を設けたもの、アモルファス材料等が挙げられる。基材上へのペロブスカイト膜の形成のためには、緻密質の水素透過性金属膜(金属箔)を用いることが好ましく、Pd、又はPd並びにTi、Ta、Nb及びVから選ばれる1種以上の元素を含む水素透過性金属膜が好ましく例示される。請求項6は、この好ましい態様に該当する。
水素透過性基材の厚みは、取り扱い上の問題と製造上の問題から適切な厚みが採用され、10μmから500μm程度が好ましい。10μm未満の場合は、膜の強度が不足し膜が破壊する場合がある。一方、500μmを越える場合は、膜の水素透過量が少なくなり、水素の透過が律速となって、充分なプロトン導電が得られない可能性がある。
前記のように、水素透過性基材としては、Pd、又はPd並びにTi、Ta、Nb及びVから選ばれる1種以上の元素を含む水素透過性金属膜が好ましく例示されるが、水素透過性金属膜としてより具体的には、Pdの膜やPd−Ag、Pd−PtやPd−Cu等のPd合金の膜、すなわちPdを含んだ金属膜、V、Ta若しくはNbの膜の両面に、PdやPd合金を被覆したもの、又はV、Ta若しくはNbの合金の膜に、PdやPd合金を被覆したもの、すなわちV、Nb及びTaから選ばれるいずれかを含んだ金属膜の両面にPdを含んだ膜を成膜したもの等を挙げることができる。V、Ta若しくはNbの合金としては、Ni、Ti、Co、Cr等との合金が例示される。
PdやPd合金の膜をV等の膜の両面に被覆したものを用いる場合、PdやPd合金の膜の厚みは0.05〜2μm程度が通常好ましい。0.05μm未満の場合は、V等の膜(下地)を充分被覆できず、V等が酸化して劣化する可能性がある。一方、2μmを超えると高価なPd使用量が増えコストアップとなる。
金属基材としては、水素透過性金属膜のみからなるものの他、金属多孔体基材の表面に水素透過性金属膜を設けたものも用いられる。ここで、金属多孔体基材とは、導電性の金属であって水素の透過が可能な孔を有するものであり、SUS等からなる多孔体基材が例示される。
本発明の水素透過構造体は、前記のような基材上に、酸化物プロトン導電性膜を成膜(形成)する方法により得ることができる。成膜方法としては、従来のパルスレーザー蒸着法、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、CVD法、ゾルゲル法等の湿式法等を採用することもできるが、好ましくは、前記のMOCVD法により、酸化物プロトン導電性膜を水素透過性基材上に堆積する工程を有する方法が採用され、この方法により、実用的に品質の高い、すなわち発電性能の高い(OCVが1V以上で発電電流密度が高い)水素透過構造体が得られる。請求項7は、この好ましい態様の製造方法を提供するものである。MOCVD法としては、β-ジケトン化合物を原料ガスとして用いる方法が好ましい。
本発明の酸化物プロトン導電性膜は、高いプロトン導電性をもち、ピンホールの発生が少なく信頼性の高いプロトン導電性膜であり、水素センサーや燃料電池用固体電解質膜、水素透過膜等、プロトンを高効率で透過させることが必要な広範囲な用途に好適に使用される。この酸化物プロトン導電性膜を、水素透過性基材上に形成した本発明の水素透過構造体は、高いプロトン導電性を有し、信頼性の高いものであり、燃料電池等に好適に用いられる。又、本発明の水素透過構造体の製造方法によれば、実用的に品質の高い水素透過構造体を容易に得ることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜2
Pd(パラジウム)板からなる基材(水素透過性金属膜、10mm×10mm、厚さ0.1mm)を、真空チャンバー内部のホルダーにセットし、基材を600℃に加熱した。そこへ、2000sccmの流量で酸素ガス、並びに、総ガス流量2500sccmで、Ba源、Ce源、Y源として下記のβ−ジケトン錯体を加熱したガス及び不活性ガスキャリアとしてArガス、を導入し、MOCVD法を行った。
Ba源: Ba(C1119
Ce源: Ce(C1119
Y源: Y(C1119
以上のようにして、表1に示す種々の膜厚と大気中電気抵抗を有するBaCe0.90.1組成の酸化物プロトン導電性膜を、Pd(パラジウム)板からなる基材上に形成し、水素透過構造体を得た。なお、膜厚は膜の断面の走査型電子顕微鏡で観察して測定した値である。
形成された酸化物プロトン導電性膜について、Cuターゲットを用い、薄膜XRD測定を実施したところ、ペロブスカイト構造であることが確認された。又、上記組成のBa/(Ce+Y)比及びCe/Y比は、ICP(イオン結合プラズマ分光分析法)で調べた値である。
得られた酸化物プロトン導電性膜上に、粉末白金の電極を形成し、水素透過構造体の片面に水のバブリング装置を通過させた加湿大気、他の片面に水素ガスを流して発電試験を行い、OCV値(開路電圧)を測定した。その結果を表1に示す。
又、500℃で、水素ガスを流す面と大気を流す面間の電流と電圧を測定して導電率を計算し、プロトン導電性を求めたところ、いずれの膜もプロトン導電性を示し、その導電率は表1に示すとおりであった。
又、得られた水素透過構造体の酸化物プロトン導電性膜の両面に、電極を形成し、大気中で、電流と電圧の関係を測定して、その測定値から大気中の電気抵抗を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2007048569
表1より明らかなように、膜厚が20〜500nmであり、かつ大気中電気抵抗が100KΩ以上の実施例1〜3では、高いプロトン導電性が得られるとともに、優れたOCV値が得られ、固体電解質として充分機能することが示されている。一方、膜厚が20nm未満の比較例1では、OCV値が低く、固体電解質として充分機能しない。又膜厚が500nmを越える比較例2では、近年の要請を満足するような高い導電率は得られない。
実施例4〜5
Pd板からなる基材の代りに、表2に示す材質からなる下地の両面に、Pdをそれぞれ厚み0.5μmで被覆した金属基材(10mm×10mm、厚さ0.1mm)を用いる以外は、実施例3と同様な方法、条件により、BaCe0.90.1組成の酸化物プロトン導電性膜を基材上に形成し、水素透過構造体を得た。得られた膜、水素透過構造体の評価も実施例3と同様に行った。いずれの膜もペロブスカイト構造であり、又プロトン導電性を示し、その導電率は500℃で10−4ジーメンス以上であった。膜厚、大気中電気抵抗、OCV値の測定結果を表2に示す。
Figure 2007048569
表2より明らかなように、基材の下地としてPd、Ti、Ta、Nb又はVからなる水素透過性金属膜を用いた場合は基材の種類によらず、高いプロトン導電性が得られるとともに、固体電解質として充分機能する水素透過構造体が得られている。
実施例9〜15
A、Lサイト元素およびM元素として、Ba、Ce及びYの代りに、表3に示す元素をそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様な方法、条件により、Ab(1−x)bx組成(a及びbは約1.0、xは表3に示す値。)を有する酸化物プロトン導電性膜を基材上に形成し、水素透過構造体を得た。得られた膜、水素透過構造体の評価も実施例3と同様に行った。いずれの膜もペロブスカイト構造であり、又プロトン導電性を示し、その導電率は500℃で10−4ジーメンス以上であった。膜厚、大気中電気抵抗、OCV値の測定結果を表3に示す。
Figure 2007048569
表3より明らかなように、Aが、Ba、Mg、Ca又はSrであり、Lが、Ce、Zr、Ti又はHfであり、Mが、Y、Yb又はInである場合は、いずれも、高いプロトン導電性が得られるとともに、固体電解質として充分機能する水素透過構造体が得られている。

Claims (7)

  1. 一般式Ab(1−x)bx(Aは、Ba、Mg、Ca及びSrから選ばれる元素を表わし、Lは、Ce、Zr、Ti及びHfから選ばれる元素を表わし、Mは、3族及び13族の元素から選ばれる元素を表わし、かつ0.5<a<2.0及び0.5<a/b<2.0である。)で表されるペロブスカイト構造酸化物からなり、厚みが20nm以上、500nm以下であり、大気中の電気抵抗が100KΩ以上であることを特徴とする酸化物プロトン導電性膜。
  2. 前記一般式中のxが、0より大きく0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物プロトン導電性膜。
  3. 前記ペロブスカイト構造酸化物が、MOCVD法により形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化物プロトン導電性膜。
  4. 前記MOCVD法が、β-ジケトン化合物を原料ガスとして用いる方法であることを特徴とする請求項3に記載の酸化物プロトン導電性膜。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の酸化物プロトン導電性膜を、水素透過性基材上に形成したことを特徴とする水素透過構造体。
  6. 水素透過性基材が、Pd、又は、Pd並びにTi、Ta、Nb及びVから選ばれる1種以上の元素、を含む水素透過性金属膜であることを特徴とする請求項5に記載の水素透過構造体。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の酸化物プロトン導電性膜を、MOCVD法により、水素透過性基材上に堆積する工程を有することを特徴とする水素透過構造体の製造方法。
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