JP7057731B2 - 燃料電池および燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質を有する燃料電池および燃料電池の製造方法に関する。
従来、酸素イオン(O2-)を伝導イオンとした固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)が広く利用されている。しかし、従来のSOFCは、燃料極(アノード)側で水が生成されるため、燃料の濃度が下流側で大きく低下してしまうという問題がある。
そこで、プロトン(H)を伝導イオンとしたプロトン伝導性の固体酸化物を固体電解質として採用したプロトン伝導型燃料電池(PCFC:Proton-conducting Ceramic-electrolyte Fuel Cell)が、次世代の燃料電池として注目されている(例えば、特許文献1)。
特開2016-100196号公報
プロトン伝導型燃料電池において、リーク電流(漏れ電流)を低減させ、かつ、耐久性を向上させる技術の開発が希求されている。
本発明は、このような課題に鑑み、リーク電流を低減させ、耐久性を向上させることが可能な燃料電池および燃料電池の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に設けられた電解質層と、を備え、電解質層は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)、La1-xM3M4O3-δ(M3は、Ba、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4は、Yb、Sc、Y、In、および、Alのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5)、および、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のいずれかを含む第1層と、第1層より空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの第1層とは異なる酸化物を含む中間層と、中間層より空気極側に設けられ、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)のうちの中間層とは異なる酸化物を含む第2層と、が積層されて構成される。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に設けられた電解質層と、を備え、電解質層は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層と、第1層より空気極側に設けられ、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む中間層と、中間層より空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)を含む第2層と、が積層されて構成される。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に設けられた電解質層と、を備え、電解質層は、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む第1層と、第1層より空気極側に設けられ、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第2層と、が積層されて構成される。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池は、燃料極と、空気極と、燃料極と空気極との間に設けられた電解質層と、を備え、電解質層は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層と、第1層より空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの第1層とは異なる酸化物を含む第2層と、が積層されて構成される。
また、プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料、Nb合金、V合金、Ta合金、および、Pd合金のいずれかで構成され、燃料極と電解質層との間に設けられた水素透過層を備えてもよい。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池の製造方法は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)、La1-xM3M4O3-δ(M3は、Ba、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4は、Yb、Sc、Y、In、および、Alのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5)、および、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のいずれかを含む第1層を作製する工程と、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの第1層とは異なる酸化物を含む中間層を第1層に積層する工程と、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)のうちの中間層とは異なる酸化物を含む第2層を中間層に積層する工程と、を含む。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池の製造方法は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層を作製する工程と、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む中間層を第1層に積層する工程と、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)を含む第2層を中間層に積層する工程と、を含む。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池の製造方法は、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む第1層を作製する工程と、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第2層を第1層に積層する工程と、を含む。
上記課題を解決するために、本発明に係る他の燃料電池の製造方法は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層を作製する工程と、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの第1層とは異なる酸化物を含む第2層を第1層に積層する工程と、を含む。
また、第1層を作製する工程を遂行する前に、プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料、Nb合金、V合金、Ta合金、および、Pd合金のいずれかで構成される水素透過層を作製する工程を含み、第1層を作製する工程は、水素透過層に第1層を積層する工程であってもよい。
本発明によれば、リーク電流を低減させ、耐久性を向上させることが可能となる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムを説明する図である。 第4化合物のイオン輸率を測定した結果を示す図である。 第4化合物を電解質層として採用した燃料電池の電流密度と、発電効率との関係を説明する図である。 第1の実施形態の燃料電池の製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 第2の実施形態にかかる燃料電池システムを説明する図である。 第2の実施形態の燃料電池の製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 第1の変形例の電解質層のリーク電流および内部抵抗のシミュレーション結果を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[第1の実施形態:燃料電池システム100]
図1は、第1の実施形態にかかる燃料電池システム100を説明する図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、改質器110と、ブロワ120と、燃料電池130とを含む。
改質器110には、炭化水素の水蒸気改質反応を促進する触媒が収容されている。改質器110は、後述する燃料電池130によって所定温度(例えば、600℃以上700℃以下)に加熱される。改質器110には、炭化水素(C、例えば、都市ガス)および水蒸気が供給される。
改質器110に炭化水素および水蒸気が供給されると、下記反応式(1)および反応式(2)に示す水蒸気改質反応が進行し、炭化水素が、水素(H)、一酸化炭素(CO)、および、二酸化炭素(CO)に改質される。
+ nHO → nCO + (m/2+n)H …反応式(1)
CO + HO → CO + H …反応式(2)
このようにして、改質器110は、少なくとも水素を含む燃料を生成する。改質器110で生成された燃料は、燃料電池130の支持基体210を通じて燃料極220に供給される。
ブロワ120は、燃料電池130の空気極250に酸素含有ガス(例えば、空気)を供給する。
燃料電池130(セル)は、例えば、キャリアをプロトンとする固体酸化物形燃料電池(PCFC:Proton-conducting Ceramic-electrolyte Fuel Cell)である。燃料電池130は、支持基体210と、燃料極220と、水素透過層230と、電解質層240と、空気極250とを含む。燃料極220(アノード)は、支持基体210に積層される。水素透過層230は、燃料極220に積層される。電解質層240は、水素透過層230に積層される。空気極250は、電解質層240に積層される。以下、支持基体210、燃料極220、空気極250、水素透過層230、電解質層240について、この順で詳述する。
支持基体210は、金属またはセラミックで構成された多孔体である。支持基体210が金属で構成されることにより、機械的強度に優れた強靱なセルとすることができる。
燃料極220は、NiおよびNi化合物(例えば、NiO)のいずれか一方または両方を含むサーメット材料で構成された多孔体である。
空気極250(カソード)は、例えば、ランタンマンガナイト(LSM)、ストロンチウムドープトランタンコバルタイトフェライト(LSCF)、および、ストロンチウムドープトランタンコバルタイト(LSC)のうち、少なくとも1つを含む。空気極250は、多孔体である。
水素透過層230は、プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料、Nb合金、V合金、Ta合金、および、Pd合金のいずれかで構成された緻密体である。水素透過層230は、燃料極220側の界面に吸着した水素分子(H)を水素原子(H)に解離させる。水素原子は、水素透過層230内に拡散されて、電解質層240側の界面に到達する。電解質層240側の界面に到達した水素原子は、再結合されて水素分子となり、電解質層240内に放出される。
Nb合金、V合金、および、Ta合金のいずれかの合金で構成した水素透過層230を採用することにより、燃料電池130を安価に製造することが可能となる。また、Nb合金、V合金、および、Ta合金のいずれかの合金には、水素脆化を防止する金属(例えば、Ni、Mo、W)が含まれる。
また、プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料で水素透過層230を構成する場合、プロトン伝導性を有する固体酸化物として、下記電解質層240を構成するプロトン伝導性を有する固体酸化物(第1化合物、第2化合物、第3化合物、および、第4化合物のうち、いずれか1または複数)を採用することができる。
電解質層240は、プロトン伝導性を有する固体酸化物を含む緻密体である。プロトン伝導性を有する固体酸化物を含む電解質層240を備える燃料電池130は、イオンとして主にプロトン(H)を伝導させる。したがって、燃料極220に燃料が供給されることにより、下記反応式(3)に示す酸化反応が進行し、空気極250に空気が供給されることにより、下記反応式(4)に示す還元反応が進行する。そして、プロトンが電解質層240を伝導(移動)することにより、燃料電池130が発電する。つまり、燃料電池130は、燃料と酸素によって発電する。
→ 2H + 2e …反応式(3)
1/2O + 2H + 2e → HO …反応式(4)
酸化物イオン伝導性を有する固体酸化物(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア))を含む固体電解質を備えた従来の燃料電池(従来のSOFC:Solid Oxide Fuel Cell)と比較して、電解質層240がプロトン伝導性を有する固体酸化物を含むことにより、空気極250の側でHOが生成されることから(反応式(4)参照)、燃料極220中の燃料の濃度低下を防止することができ、発電性能を向上させることが可能となる。
本実施形態において、電解質層240は、三層構造となっている。電解質層240は、第1層242と、中間層244と、第2層246とを含む。第1層242は、水素透過層230に積層される(接触する)。中間層244は、第1層242に積層される。第2層246は、中間層244に積層される。また、空気極250は、第2層246に積層される。つまり、第1層242は、電解質層240のうち、最も燃料極220側に位置する。第2層246は、電解質層240のうち、最も空気極250側に位置する。中間層244は、第1層242と第2層246との間に設けられる。
第1層242は、第1化合物、第2化合物、および、第3化合物のいずれかを含む。第1化合物は、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)である。第1化合物は、M2がYおよびYbのいずれか一方または両方であり、x=0、y=1であるとよい。第1化合物のM2を、YおよびYbのいずれか一方または両方とすることにより、第1化合物のプロトン伝導性を向上させることができる。また、第1化合物のxを0とすることにより、第1化合物を容易に製造することが可能となる。さらに、第1化合物のyを1とすることにより、熱力学的にCO(二酸化炭素)耐性を向上させることができる。つまり、第1化合物のうち、Zrの含有量を多くするほど、COに対する化学安定性を高くすることが可能となる。
第2化合物は、La1-xM3M4O3-δ(M3は、Ba、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4は、Yb、Sc、Y、In、および、Alのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5)である。第2化合物は、M3がSr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4がYbおよびScのいずれか一方または両方であり、x=0であるとよい。第2化合物のM3を、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数とすることにより、BaCOの形成を回避することができ、CO耐性を向上させることができる。また、第2化合物のM4を、YおよびYbのいずれか一方または両方とすることにより、第2化合物のプロトン伝導性を向上させることが可能となる。また、第2化合物のxを0とすることにより、第2化合物を容易に製造することができる。
第3化合物は、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)である。第3化合物は、x=1が好ましい。第3化合物は、Baを含まないため、BaCOの形成を回避することができ、CO耐性を向上させることができる。第3化合物のxを0とすることにより、第3化合物のプロトン伝導性を向上させることができる。さらに、第3化合物のxを0とすることにより、第3化合物を容易に製造することが可能となる。
このように、第1層242が、第1化合物、第2化合物、および、第3化合物のいずれかを含むことにより、第1層242は、プロトン伝導性に加えてCO耐性を有する。
中間層244は、第3化合物および第4化合物のいずれかを含む。第3化合物は、高酸素分圧側の導電率の上昇が小さいことから、CO耐性に加えて、低ホール伝導性を有する。
第4化合物は、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)である。第4化合物は、M6がScおよびInのいずれか一方または両方であり、x=0、y=0であるとよい。
第4化合物として、BaZr0.1Ce0.70.1X60.13-δ(つまり、第4化合物におけるx=0、y=0.125、z=0.2)を用いて、酸素分圧に対するイオン輸率の変化を測定した。図2は、第4化合物のイオン輸率を測定した結果を示す図である。図2(a)、図2(b)は、第4化合物を550℃とした場合を示す。図2(c)、図2(d)は、第4化合物を600℃とした場合を示す。
なお、図2(a)、図2(c)中、X6=Gaを黒丸で、X6=Inを黒三角で、X6=Ybを白三角で示す。図2(b)、図2(d)中、X6=Scを白四角で、X6=Gdを白丸で示す。また、図2(a)~図2(d)中、縦軸をイオン輸率とし、横軸を酸素分圧(log(PO[atm]))とする。つまり、横軸は、第1層242の厚み方向に対応し、右側(酸素分圧が大きい側)に向かう方向が空気極250に近づく方向であり、左側(酸素分圧が小さい側)に向かう方向が燃料極220に近づく方向である。
図2(a)、図2(b)に示すように、550℃において、第4化合物におけるX6がGa、Sc、Inの場合には、酸素分圧が増加してもイオン輸率はほとんど低下しない。これに対し、第4化合物におけるX6がYb、Gdの場合には、酸素分圧が増加するに従ってイオン輸率が低下することが分った。
また、図2(c)、図2(d)に示すように、600℃にすると、第4化合物におけるX6がGa、Sc、Inの場合であっても、酸素分圧が増加するに従ってイオン輸率が若干低下することが確認された。また、第4化合物におけるX6がYb、Gdの場合には、酸素分圧が増加するに従って、X6がGa、Sc、Inの場合よりもイオン輸率が低下することが分った。
以上の結果より、第4化合物のX6を、Ga、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数とすることにより、イオン輸率を高くできることが分った。つまり、第4化合物のX6を、Ga、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数とすることにより、ホール伝導を小さくすることが可能となる。
図3は、第4化合物を電解質層240として採用した燃料電池130の電流密度と、発電効率ηとの関係を説明する図である。図3(a)は、燃料電池130を550℃とした場合を示す。図3(b)は、燃料電池130を600℃とした場合を示す。図3(a)、図3(b)中、縦軸を発電効率η、横軸を電流密度(i[Acm-2])とする。また、図3中、第4化合物における、X6=Scを実線で、X6=Inを破線で、X6=Gaを一点鎖線で示す。
図3(a)、図3(b)に示すように、第4化合物におけるX6=ScまたはInの場合、電流密度を上昇させた場合に、内部抵抗は増加するものの、発電効率ηは、0.4程度までしか低下しない。一方、第4化合物におけるX6=Gaの場合、電流密度が0.2Acm-2を超えると、内部抵抗が増加し発電効率ηが0になることが分った。つまり、第4化合物におけるX6=ScまたはInの場合と比較して、第4化合物におけるX6=Gaの場合、内部抵抗が大きいことが確認された。
以上の結果から、第4化合物におけるX6を、ScおよびInのいずれか一方または両方とすることにより、ホール伝導を小さくしつつ、さらに、内部抵抗を低くすることができることが確認された。
また、第4化合物のxを0とすることにより、第4化合物のプロトン伝導性を向上させることができる。さらに、第4化合物のxを0とすることにより、第4化合物を容易に製造することが可能となる。また、第4化合物のyを0とすることにより、第4化合物を容易に製造することが可能となる。
このように、中間層244が、第3化合物および第4化合物のいずれかを含むことにより、中間層244は、プロトン伝導性に加えて、低ホール伝導性を有する。
第2層246は、第1化合物を含む。第1化合物は、CO耐性に加えて、低酸化物イオン伝導性を有する。第2層246の第1化合物は、y=1が好ましい。第1化合物のyを1とすることにより、全導電率に占める、酸化物イオンの伝導の割合を小さくすることができる。したがって、第2層246が、第1化合物を含むことにより、第2層246は、プロトン伝導性、および、CO耐性に加えて、低酸化物イオン伝導性を有する。
[燃料電池の製造方法]
図4は、第1の実施形態の燃料電池130の製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態の燃料電池130の製造方法は、燃料極製造工程S110と、水素透過層製造工程S120と、第1層製造工程S130と、中間層製造工程S140と、第2層製造工程S150と、空気極製造工程S160とを含む。以下、各工程について説明する。
[燃料極製造工程S110]
燃料極製造工程S110は、支持基体210に、多孔体の燃料極220を積層する工程である。燃料極製造工程S110は、例えば、スパッタリングによって遂行される。
[水素透過層製造工程S120]
水素透過層製造工程S120は、燃料極220に、緻密体の水素透過層230を積層する工程である。水素透過層製造工程S120は、例えば、スパッタリングによって遂行される。水素透過層製造工程S120によって積層される水素透過層230の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。
[第1層製造工程S130]
第1層製造工程S130は、水素透過層230に、緻密体の第1層242を積層(作製)する工程である。第1層製造工程S130は、例えば、スパッタリングによって遂行される。第1層製造工程S130によって積層される第1層242の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。
[中間層製造工程S140]
中間層製造工程S140は、第1層242に、緻密体の中間層244を積層する工程である。中間層製造工程S140は、例えば、スパッタリングによって遂行される。中間層製造工程S140によって積層される中間層244の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。なお、中間層244の厚みは、第1層242および第2層246の厚みよりも厚い方がよい。これにより、内部抵抗およびリーク電流密度を低減することができ、燃料電池130の発電効率を向上させることが可能となる。
[第2層製造工程S150]
第2層製造工程S150は、中間層244に、緻密体の第2層246を積層する工程である。第2層製造工程S150は、例えば、スパッタリングによって遂行される。第2層製造工程S150によって積層される第2層246の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。
[空気極製造工程S160]
空気極製造工程S160は、第2層246に、多孔体の空気極250を積層する工程である。空気極製造工程S160は、例えば、スパッタリングによって遂行される。
以上説明したように、本実施形態にかかる燃料電池130および燃料電池130の製造方法は、水素透過層230を備える。これにより、燃料電池130は、燃料極220から供給される燃料に混入した不純物が電解質層240に到達してしまう事態を回避することができる。したがって、燃料電池130の発電効率を向上させることが可能となる。
また、燃料電池130は、水素透過層230を備えることにより、不純物としてCOが電解質層240に到達してしまう事態を回避することができる。これにより、電解質層240を構成するプロトン伝導性を有する固体酸化物と、COが反応することによる、炭酸塩の生成を防止することが可能となる。したがって、電解質層240にクラックが発生したり、ピンホールが形成されたりして、燃料電池130(セル)が破壊されてしまう事態を回避することができる。
さらに、燃料電池130は、緻密体の水素透過層230を備えることにより、第1層242の層厚を薄く(薄膜化)することができる。これにより、燃料電池130の電流密度を増加させることができ、単位面積当たりの出力を増加させることが可能となる。
また、燃料電池130は、第1層242を備えることにより、仮に水素透過層230に細孔が形成されてしまったとしても、電解質層240(第1層242、中間層244および第2層246)における炭酸塩の生成を抑制することが可能となる。
さらに、燃料電池130は、中間層244を備えることにより、ホール伝導を低減することができる。ホール伝導が生じると、開回路(OCV:Open Circuit Voltage)においても、電位差によってホールが燃料極220に移動してしまう。そうすると、ホール伝導の分、プロトンが空気極250に移動してしまい、燃料が消費される(漏れ電流が生じる)。これにより、燃料電池130の内部抵抗が上昇し、起電力が低下してしまう。
そこで、燃料電池130が中間層244を備えることにより、ホール伝導を低減させて、燃料電池130の内部抵抗を低下させることが可能となる。これにより、燃料電池130の起電力を向上させることができる。
また、燃料電池130が第2層246を備えることにより、空気極250に存在し得る酸化物イオンと、電解質層240を通過するプロトンとの反応を抑制することができる。これにより、水蒸気の発生を抑制することができ、第2層246と中間層244との間の界面、中間層244と第1層242との間の界面、および、第1層242と水素透過層230との間の界面の剥離を防止することが可能となる。
[第2の実施形態:燃料電池システム300]
図5は、第2の実施形態にかかる燃料電池システム300を説明する図である。図5に示すように、燃料電池システム300は、改質器110と、ブロワ120と、燃料電池330とを含む。燃料電池330は、支持基体210と、燃料極220と、水素透過層230と、電解質層340と、空気極250とを含む。なお、上記燃料電池システム100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
電解質層340は、プロトン伝導性を有する固体酸化物を含む緻密体である。本実施形態において、電解質層340は、二層構造となっている。電解質層340は、第1層342と、第2層246とを含む。
第1層342は、第3化合物を含む。上記したように、第3化合物は、プロトン伝導性に加えて、CO耐性および低ホール伝導性を有する。
[燃料電池の製造方法]
図6は、第2の実施形態の燃料電池330の製造方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
図6に示すように、本実施形態の燃料電池330の製造方法は、燃料極製造工程S110と、水素透過層製造工程S120と、第1層製造工程S330と、第2層製造工程S350と、空気極製造工程S160とを含む。以下、上記の製造方法と処理の異なる第1層製造工程S330および第2層製造工程S350について説明する。
[第1層製造工程S330]
第1層製造工程S330は、水素透過層230に、緻密体の第1層342を積層(作製)する工程である。第1層製造工程S330は、例えば、スパッタリングによって遂行される。第1層製造工程S330によって積層される第1層342の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。
[第2層製造工程S350]
第2層製造工程S350は、第1層342に、緻密体の第2層246を積層する工程である。第2層製造工程S350は、例えば、スパッタリングによって遂行される。第2層製造工程S350によって積層される第2層246の厚みは、緻密体を形成できる最小の厚みであり、例えば、1μm以上2μm以下である。
以上説明したように、本実施形態にかかる燃料電池330および燃料電池330の製造方法によれば、燃料電池330が、第1層342を備える構成により、仮に水素透過層230に細孔が形成されてしまったとしても、電解質層340(第1層342および第2層246)における炭酸塩の生成を抑制することが可能となる。また、第1層342を備えるため、燃料電池330は、ホール伝導を低減させて、燃料電池330の内部抵抗を低下させることが可能となる。これにより、燃料電池330の起電力を向上させることができる。
[第1の変形例]
上記第2の実施形態において、第1層342が第3化合物を含み、第2層246が第1化合物を含む電解質層340について説明した。しかし、電解質層340を構成する各層に含まれる化合物は、他の組み合わせであってもよい。
具体的に説明すると、第1の変形例の第1層342は第1化合物を含み、第2層246は第3化合物および第4化合物のいずれかを含む。
図7は、第1の変形例の電解質層340のリーク電流および内部抵抗のシミュレーション結果を説明する図である。図7(a)は、実施例A、実施例B、比較例A、および、比較例Bのシミュレーション結果を説明する図である。図7(b)は、実施例C、実施例D、比較例A、および、比較例Cのシミュレーション結果を説明する図である。図7(c)は、実施例E、実施例F、比較例A、および、比較例Dのシミュレーション結果を説明する図である。
実施例A、実施例Bは、第1化合物としてBa1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(x=0、y=1、M2=Y)(以下「BZY」と称する)を含む第1層342と、第4化合物としてBa1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(x=0、M6=YおよびYb)(以下「BZCYYb」と称する)を含む第2層246とで構成された電解質層340である。実施例Aは、第1層342の層厚が2μmであり、第2層246の層厚が8μmである。実施例Bは、第1層342の層厚が8μmであり、第2層246の層厚が2μmである。
実施例C、実施例Dは、第1化合物としてBZYを含む第1層342と、第4化合物としてBa1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(x=0、M6=YおよびSc)(以下「BZCYSc」と称する)を含む第2層246とで構成された電解質層340である。実施例Cは、第1層342の層厚が2μmであり、第2層246の層厚が8μmである。実施例Dは、第1層342の層厚が8μmであり、第2層246の層厚が2μmである。
実施例E、実施例Fは、第1化合物としてBZYを含む第1層342と、第3化合物としてLa28-x4+x54+δ(以下「LWO」と称する)を含む第2層246とで構成された電解質層340である。実施例Eは、第1層342の層厚が2μmであり、第2層246の層厚が8μmである。実施例Fは、第1層342の層厚が8μmであり、第2層246の層厚が2μmである。
比較例Aは、第1化合物としてBZYを含む。比較例Bは、第4化合物としてBZCYYbを含む。比較例Cは、第4化合物としてBZCYScを含む。比較例Dは、第3化合物としてLWOを含む。比較例A、比較例B、比較例C、および、比較例Dは、単層の電解質層であり、層厚は10μmである。
また、リーク電流密度(Acm-2)は、開回路電圧(OCV)におけるリーク電流の密度を示す。
図7(a)に示すように、比較例Aのリーク電流密度は、0.207Acm-2であり、内部抵抗は0.250Ωcm-2であった。比較例Bのリーク電流密度は、0.189Acm-2であり、内部抵抗は0.083Ωcm-2であった。
これに対し、実施例Aのリーク電流密度は、0.191Acm-2であり、内部抵抗は0.117Ωcm-2であった。また、実施例Bのリーク電流密度は、0.201Acm-2であり、内部抵抗は0.217Ωcm-2であった。
つまり、実施例A、実施例Bは、比較例Aと比較してリーク電流密度および内部抵抗が小さくなることが分った。
また、実施例Aは、実施例Bよりも、リーク電流密度および内部抵抗が小さくなることが確認された。これにより、内部抵抗が小さい化合物を含む方の層厚を小さくした方が、リーク電流密度および内部抵抗を小さくできることが分った。
図7(b)に示すように、比較例Aのリーク電流密度は、0.207Acm-2であり、内部抵抗は0.250Ωcm-2であった。比較例Cのリーク電流密度は、0.030Acm-2であり、内部抵抗は0.198Ωcm-2であった。
これに対し、実施例Cのリーク電流密度は、0.025Acm-2であり、内部抵抗は0.208Ωcm-2であった。また、実施例Dのリーク電流密度は、0.077Acm-2であり、内部抵抗は0.240Ωcm-2であった。
つまり、実施例C、実施例Dは、比較例Aと比較してリーク電流密度および内部抵抗が小さくなることが分った。
また、実施例Cは、実施例Dよりも、リーク電流密度および内部抵抗が小さくなることが確認された。これにより、内部抵抗が小さい化合物を含む方の層厚を小さくした方が、リーク電流密度および内部抵抗を小さくできることが分った。
図7(c)に示すように、比較例Aのリーク電流密度は、0.207Acm-2であり、内部抵抗は0.250Ωcm-2であった。比較例Dのリーク電流密度は、0.022Acm-2であり、内部抵抗は0.806Ωcm-2であった。
これに対し、実施例Eのリーク電流密度は、0.001Acm-2であり、内部抵抗は0.695Ωcm-2であった。また、実施例Fのリーク電流密度は、0.004Acm-2であり、内部抵抗は0.361Ωcm-2であった。
つまり、実施例E、実施例Fは、比較例Aおよび比較例Bと比較してリーク電流密度および内部抵抗が小さくなることが分った。
また、実施例Fは、実施例Eよりも、内部抵抗が小さくなることが確認された。これにより、内部抵抗が小さい化合物を含む方の層厚を小さくした方が、内部抵抗を小さくできることが分った。
以上の結果から、第1の変形例の電解質層340は、第1層342が第1化合物を含み、第2層246が第3化合物または第4化合物のいずれかを含むことにより、内部抵抗およびリーク電流密度を低減することができ、燃料電池330の発電効率を向上させることが可能となることが確認できた。
[第2の変形例]
上記第1の実施形態において、第1層242が第1化合物、第2化合物、および、第3化合物のいずれかを含み、中間層244が第3化合物および第4化合物のいずれかを含み、第2層246が第1化合物を含む電解質層240について説明した。しかし、電解質層240を構成する各層に含まれる化合物は、他の組み合わせであってもよい。
具体的に説明すると、第2の変形例の第1層242は、第1化合物を含む。また、第2の変形例の中間層244は、第3化合物を含む。さらに、第2の変形例の第2層246は、第4化合物を含む。
第2の変形例の電解質層240において、中間層244が第3化合物を含み、第2層246が第4化合物を含むことにより、内部抵抗およびリーク電流密度を低減することができ、燃料電池130の発電効率を向上させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、改質器110に炭化水素(少なくとも炭素および水素を含む化合物)が供給される構成を例に挙げて説明した。しかし、改質器110には、炭化水素に加えて、または、代えて、炭素と水素と酸素とを含む化合物が供給されてもよい。改質器110には、例えば、アルコール(例えば、バイオエタノール)またはアンモニアが供給されてもよい。この場合、改質器110には、アルコールの水蒸気改質を促進する触媒、または、アンモニアの水蒸気改質を促進する触媒が収容される。
また、上記実施形態において、燃料電池システム100、300が改質器110を備える構成を例に挙げて説明した。これにより、燃料電池130、330の熱を効率よく利用して燃料を生成することができる。しかし、改質器110は必須の構成ではない。例えば、水素を含む燃料源から燃料電池130、330に燃料が直接供給されてもよい。
本発明は、燃料電池および燃料電池の製造方法に利用することができる。
130、330 燃料電池
220 燃料極
230 水素透過層
240、340 電解質層
242、342 第1層
244 中間層
246 第2層
250 空気極

Claims (10)

  1. 燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に設けられた電解質層と、
    を備え、
    前記電解質層は、
    Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)、La1-xM3M4O3-δ(M3は、Ba、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4は、Yb、Sc、Y、In、および、Alのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5)、および、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のいずれかを含む第1層と、
    前記第1層より前記空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの前記第1層とは異なる酸化物を含む中間層と、
    前記中間層より前記空気極側に設けられ、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)のうちの前記中間層とは異なる酸化物を含む第2層と、
    が積層されて構成される燃料電池。
  2. 燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に設けられた電解質層と、
    を備え、
    前記電解質層は、
    Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層と、
    前記第1層より前記空気極側に設けられ、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む中間層と、
    前記中間層より前記空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)を含む第2層と、
    が積層されて構成される燃料電池。
  3. 燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に設けられた電解質層と、
    を備え、
    前記電解質層は、
    La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む第1層と、
    前記第1層より前記空気極側に設けられ、Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第2層と、
    が積層されて構成される燃料電池。
  4. 燃料極と、
    空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に設けられた電解質層と、
    を備え、
    前記電解質層は、
    Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層と、
    前記第1層より前記空気極側に設けられ、Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの前記第1層とは異なる酸化物を含む第2層と、
    が積層されて構成される燃料電池。
  5. プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料、Nb合金、V合金、Ta合金、および、Pd合金のいずれかで構成され、前記燃料極と前記電解質層との間に設けられた水素透過層を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)、La1-xM3M4O3-δ(M3は、Ba、Sr、Ca、および、Mgのうちのいずれか1または複数、M4は、Yb、Sc、Y、In、および、Alのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5)、および、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のいずれかを含む第1層を作製する工程と、
    Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの前記第1層とは異なる酸化物を含む中間層を前記第1層に積層する工程と、
    Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)のうちの前記中間層とは異なる酸化物を含む第2層を前記中間層に積層する工程と、
    を含む燃料電池の製造方法。
  7. Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層を作製する工程と、
    La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む中間層を前記第1層に積層する工程と、
    Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)を含む第2層を前記中間層に積層する工程と、
    を含む燃料電池の製造方法。
  8. La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)を含む第1層を作製する工程と、
    Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第2層を前記第1層に積層する工程と、
    を含む燃料電池の製造方法。
  9. Ba1-xM1(Ce1-yZr1-zM23-δ(M1は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M2は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0.5≦y≦1、0.1≦z≦0.3)を含む第1層を作製する工程と、
    Ba1-xM5(Ce1-yZr1-zM63-δ(M5は、SrおよびCaのいずれか一方または両方、M6は、Y、Yb、Gd、Sc、および、Inのうちのいずれか1または複数、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.1≦z≦0.3)、または、La28-x4+x54+δ(0≦x≦1)のうちの前記第1層とは異なる酸化物を含む第2層を前記第1層に積層する工程と、
    を含む燃料電池の製造方法。
  10. 前記第1層を作製する工程を遂行する前に、
    プロトン伝導性を有する固体酸化物とNiとのコンポジット材料、Nb合金、V合金、Ta合金、および、Pd合金のいずれかで構成される水素透過層を作製する工程を含み、
    前記第1層を作製する工程は、前記水素透過層に前記第1層を積層する工程である請求項6から9のいずれか1項に記載の燃料電池の製造方法。
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