JP2008023404A - 水素透過構造体及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素透過性基材とプロトン伝導性膜を有する水素透過構造体において、水素透過性基材とプロトン伝導性膜間の剥離を防止し、安定した性能を有し耐久性に優れる水素透過構造体を提供するとともに、この水素透過構造体を使用した、耐久性に優れる燃料電池を提供する。
【解決手段】酸素欠損型ペロブスカイト構造酸化物から構成されるプロトン伝導性膜、及び水素透過性基材を有する水素透過構造体であって、前記水素透過性基材が、シリコン基板、及び前記シリコン基板の前記プロトン伝導性膜側を被覆する水素透過性金属箔から構成されており、前記シリコン基板が、その気孔率が50%以上80%未満である多孔質部を有し、その表面の算術平均粗さ(Ra)が0.01μm以下である単結晶シリコンよりなることを特徴とする水素透過構造体、及びこの水素透過構造を用いる燃料電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ペロブスカイト構造酸化物で構成されるプロトン伝導性膜を有する水素透過構造体、及びこの水素透過構造体を用いる燃料電池に関する。
水素透過性能を有する基材(以下、「水素透過性基材」という)上にプロトン伝導性の固体電解質膜(以下、「プロトン伝導性膜」という)を形成した水素透過構造体は、水素を選択的に検出分離する機能や電気エネルギーを出力する機能を有しており、水素センサや水素燃料電池(以下単に燃料電池とも言う)等に用いられ、車用、家庭用等として脚光を浴びている。
このような水素透過構造体は、例えば、SOLID STATE IONICS、162−163(2003)、291−296頁(非特許文献1)に記載されており、この文献中では、水素透過性基材の材料としてパラジウム(Pd)又はPdを含む金属(Pd合金)が、又、プロトン伝導性膜の材料としてアルカリ土類金属及びセリウム(Ce)等を含む酸化物が紹介されている。
プロトン伝導性膜を形成する酸化物の中でも、一般式ALO(式中、Aはアルカリ土類金属を表し、Lは、Ce、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)等の4価元素である。)で表される基本組成を有し、ペロブスカイト型結晶構造を持つ複合酸化物(以下、「ペロブスカイト構造酸化物」と言う。)は、耐熱性に優れる等の特性を有するので、種々の材料が開発されている。特に、4価元素Lの一部を3価元素Mで置換した組成のペロブスカイト構造酸化物は、優れたプロトン伝導性を有するものとして種々提案されている。
水素透過構造体は、PdやPd合金等からなる水素透過性基材上に、前記のペロブスカイト構造酸化物を構成する原料元素を、スパッタリング法、パルスレーザーディポジション法(PLD法)等により蒸着してプロトン伝導性の薄膜を形成することにより得ることができる。
SOLID STATE IONICS、162−163(2003)
しかし、PdやPd合金からなる水素透過性基材と、ペロブスカイト構造酸化物からなるプロトン伝導性膜は密着力が弱く、水素透過性基材上にある粒界段差や研磨痕等の欠陥を起点として、使用環境下で、両者が容易に剥離する問題があった。
すなわち、水素透過性基材に用いられるPdやPd合金の箔は、多結晶で軟らかい特徴を有しているので、その表面が非常に傷つきやすく研磨痕等を生じやすい。又、燃料電池等として駆動させた場合、粒成長や粒界段差を発生しやすい。さらに、PdやPd合金とペロブスカイト構造酸化物とは熱膨張率の差異も大きい。その結果、両者の剥離が生じやすい。そして、剥離が生じると、プロトン伝導性が低下し安定した性能を維持できない。
粒成長や粒界段差を抑制するために、Pdの単結晶や、粒成長の生じにくいPd合金を用いる方法も考えられる。しかしこの方法は、高コストであり、実用的ではない。
本発明は、水素透過性基材とプロトン伝導性膜との密着力が優れ、両者界面での剥離が抑制され、長期間安定した性能を維持できる、耐久性に優れた水素透過構造体を提供することを課題とする。
本発明は、さらに、この水素透過構造体を用い、耐久性に優れた燃料電池を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、プロトン伝導性膜及び水素透過性基材を有する水素透過構造体において、水素透過性基材として、Pd箔やPd合金箔等の水素透過性金属箔を、単結晶シリコンからなるシリコン基板上に設けたものを用い、該シリコン基板が多孔質部を有し、その表面粗さが特定範囲である場合、水素透過性基材とプロトン伝導性膜との間の密着力が優れ、耐久性に優れた水素透過構造体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、その請求項1として、プロトン伝導性膜、及び水素透過性基材を有する水素透過構造体であって、前記プロトン伝導性膜が、化学式AL1−X3−α(式中、Aは、アルカリ土類金属を表し、Lは、Ce、Ti、Zr及びハフニウム(Hf)から選ばれる1種以上の元素を表し、Mは、ネオジム(Nd)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、インジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、ガドリウム(Gd)、サマリウム(Sm)及びプラセオジム(Pr)から選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、0.05〜0.35であり、αは、0.15〜1.00である。)で表される酸素欠損型ペロブスカイト構造酸化物から構成され、前記水素透過性基材が、シリコン基板、及び前記シリコン基板の前記プロトン伝導性膜側を被覆する水素透過性金属箔から構成されており、前記シリコン基板が、その気孔率が50%以上80%未満である多孔質部を有し、その表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.01μm以下である単結晶シリコンよりなることを特徴とする水素透過構造体、を提供する。
この水素透過構造体は、水素透過性基材が、シリコン基板、及びこのシリコン基板を被覆する水素透過性金属箔から構成されていることを特徴とする。水素透過性金属箔は、シリコン基板のプロトン伝導性膜側に設けられる。図1は、本発明の水素透過構造体を概念的に示す模式断面図であるが、図1に示すように水素透過性金属箔1は、プロトン伝導性膜2とシリコン基板3間に設けられている。
水素透過性金属箔とは、水素を透過する金属の薄膜である。特に、Pdの薄膜もしくはPdを主体とする合金の薄膜が好ましく用いられる。Pdを主体とする合金としては、Pdを主成分とし、水素透過性能を損なわない範囲で銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)等を含む合金が挙げられる。
水素透過性金属箔が薄すぎる場合は、水素以外のガスも透過しやすくなり、水素のみを選択的に通す性質、すなわちガスタイト性が低下する。一方、厚すぎる場合は、水素透過性能が低下する。優れたガスタイト性及び水素透過性能を得るために、水素透過性金属箔の厚さは、20nm〜2μmが好ましい。請求項2はこの好ましい態様に該当し、前記の水素透過構造体であって、水素透過性金属箔が、Pd又はその合金を主体としその膜厚が20nm〜2μmであることを特徴とする水素透過構造体である。
本発明に用いられる水素透過性基材は、シリコン基板表面上に水素透過性金属箔を形成することにより得ることができる。シリコン基板表面上への水素透過性金属箔の形成方法は、特定の手段に限定されず、蒸着法等公知の方法を用いることができる。
前記シリコン基板は、単結晶シリコン基板よりなる。単結晶シリコンとしては、基板に電子伝導性又はホール伝導性を持たせるために、ドーパントを添加してP型又はN型に調整されたものが好ましい。単結晶シリコン基板は、表面硬度が高いので、その上に形成される水素透過性金属箔、及びプロトン伝導成膜における欠陥(例えば、ピンホールやクラック)の発生を防止できる。又、プロトン伝導性膜を構成するペロブスカイト構造酸化物との熱膨張率の差も小さいので、プロトン伝導性膜の剥離が抑制される。
前記シリコン基板表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.01μm以下である。0.01μm以下とすることにより、水素透過性金属箔に発生する粒界段差の発生を防止できる。
前記シリコン基板の厚さは、水素透過性金属箔やプロトン伝導性膜(ペロブスカイト構造酸化物)の薄膜を支持するための強度が求められるので0.2mm以上が好ましい。一方、後述する多孔化処理を施して十分な水素透過性能を得るために、1mm未満であることが好ましい。
前記シリコン基板は、水素透過構造体の構成部材として必要な水素透過性能を得るために、多孔質の部分を有する。水素透過構造体の全面にわたり優れた性能を得るために、シリコン基板の全面が多孔質であることが好ましい。
多孔質の部分の気孔率、すなわち、気孔部分の占める体積の割合は、50%以上80%未満である。ここで気孔率は、水銀圧入法により測定された値である。
気孔率が50%未満であると、水素透過構造体の部材として必要な水素透過性を得ることができず、電流の発生等が阻害される。一方、80%を上回ると、密着性が低下し、水素透過性金属箔等の剥離が生じやすくなり、耐久性に優れた水素透過構造体を得ることができなくなる。又、気孔の平均孔径は、0.5〜1μmの範囲が好ましい。
シリコン基板の多孔質の部分は、単結晶シリコン基板上に水素透過性金属箔を形成した後、水素透過性金属箔とは反対側の表面に、多孔化処理を施すことにより形成することができる。この多孔化処理の方法としては、特定の手段に限定されないが、陽極酸化、ミリング、エッチング等の方法を挙げることができる。
ここで陽極酸化とは、フッ酸などに被対象物を浸し被対象物に+電位をかけることにより多孔化する技術であり、印可する電圧や溶液の濃度を変えることにより、気孔率を調整することができる。ミリングとは、アルゴン(Ar)やGaなどをイオン化させ、被対象物にバイアス電位をかけることにより該イオンをぶつけて被対象物を削る方法であり、削らない場所はフォトリソグラフなどを用いて保護し、その保護密度を変えることにより、気孔率を制御することができる。エッチングは、腐食性薬剤を用いて被対象物を溶解する方法であり、溶解しないところはフォトリソグラフなどを用いて保護し、その保護密度を変えることにより、気孔率を調整することができる。
シリコン基板上に前記の多孔化処理を行った後、水素透過性金属箔の上に、プロトン伝導膜(ペロブスカイト構造酸化物)を形成することにより、本発明の水素透過構造体を得ることができる。プロトン伝導性膜を構成するペロブスカイト構造酸化物を表す化学式AL1−X3−αにおいて、Aで表されるアルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。Lは、Ce、Ti、Zr及びHfから選ばれる1種又は2種以上の4価元素を表す。
Mは3価元素であり、4価元素Lの一部をMで置換することによりプロトン伝導性を発現する。Mは、Nd、Ga、Al、Y、In、Yb、Sc、Gd、Sm、及びPrよりなる群から選ばれ、A、Lの元素の種類に基づき、1種以上の元素が適宜選択される。式中のA、L及びMとして、前記の元素、中でも好ましいものとして例示されたものの中から適宜選択することにより、高いプロトン伝導性と電子絶縁性を両立させることができる。
Xは、Lに対するMの置換比率を表し、0.05以上で0.35以下である。0.35を超えると、酸化物のペロブスカイト構造が不安定となり、水に対する安定性が急激に低下する。
又、αは、ペロブスカイト構造酸化物における酸素欠損の程度を示す指数であり、0.15〜1.00の範囲内である。αが0でないので、このペロブスカイト構造酸化物は、酸素欠損型ペロブスカイト構造酸化物である。αが0.15未満の場合、プロトン伝導性が不十分となり、αが1.00を越える場合、結晶としての維持ができなくなる。
プロトン伝導性膜の厚さは、0.02μm〜2μmが好ましい。厚さが0.02μm未満ではピンホール等の膜の欠陥が生じやすい。ピンホール等が存在すると、水素ガスがプロトン化せずに膜を抜けてしまうので電流が出力されない。2μmより厚くなると、プロトン透過抵抗が大きくなり、プロトン伝導性が低下し電流の出力が低下する。
プロトン伝導性膜を構成するペロブスカイト構造酸化物の膜の形成については、特定の手段に限定されず、イオンプレーティング法、PLD法、物理蒸着法(PVD法)、スパッタ法、化学蒸着法(CVD法)、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD法)等、プロトン伝導性の膜の形成に用いられている既存の手段を用いることが出来る。又、ゾルゲル法、電気泳動法、泳動電着法等の湿式法を用いることもできる。
得られた水素透過構造体は、水素分離及び水素検出の機能や、特に中温域以上の温度でのプロトンイオンの輸送機能等に優れている。又、この水素透過構造体は耐久性に優れたものであるので、電極等の機能部材を組み合わせることによって、各種水素デバイスの部材、特に、地球環境に優しいクリーンなエネルギー供給源として期待されている燃料電池の部材として好適である(請求項3)。
この燃料電池は、通常、水素透過構造体を構成するプロトン伝導性膜の上に酸素電極(カソード電極。なお、水素透過性基材がアノード電極となる。)を設け、プロトン伝導性膜が水素透過性基材及び酸素電極間に挟まれた構造を有している。酸素電極としては、Pd、Pt、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)やそれらの合金からなる薄膜状の電極、貴金属や酸化物伝導体からなる厚膜状の電極、及び貴金属や酸化物伝導体を含み多孔質状の多孔質電極が好ましく例示される。薄膜状の酸素電極は、Pd、Pt、Ni、Ruやそれらの合金をプロトン伝導性膜の上に、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、PLD法等により成膜して得ることができる。通常その厚みは、0.01μm〜10μm程度であり、好ましくは0.03μm〜0.3μm程度である。
厚膜状の酸素電極は、例えば、Ptペースト、Pdペースト、酸化物伝導体ペースト等をプロトン伝導性膜の上に塗布し、焼付けることにより形成することができる。このようにして形成された電極は一般的には多孔質の電極となる。酸化物伝導体としては、例えば、La−Sr−Co系、La−Sr―Fe系及びSr−Pr−Co系の複合酸化物が挙げられる。塗布される層の厚みは、通常5μm〜500μm程度である。
この燃料電池の使用時においては、水素透過構造体の水素透過性基材側に接する水素が、水素透過性基材を透過してプロトン伝導性膜に達し、そこで電子を放出してプロトンになる。このプロトンは、プロトン伝導性膜中を透過して酸素電極側に達し、そこで電子を得るとともに酸素電極側にある酸素と結合して水を生成し系外に放出される。基材側及び酸素電極側での電子の授受により起電力を生じ、電池として機能する。
従来の燃料電池では、界面剥離の問題が生じていたが、本発明の燃料電池は、剥離の問題が抑制され、耐久性に優れたものである。
本発明の水素透過構造体は、水素透過性基材(水素透過性金属箔)とプロトン伝導性膜間の剥離が防止され、安定した性能を有する耐久性に優れた水素透過構造体である。又、この水素透過構造体を使用した、本発明の燃料電池は、高い電池出力が得られるとともに、長期間にわたって安定した性能を発揮する耐久性に優れた燃料電池である。
次に本発明を実施するための形態を、実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
シリコン基板(Si基板)として、市販のホウ素ドーパントされたN型単結晶(厚さ:0.5mm、20mm角、Ra=0.008)を用い、その上に蒸着法により、膜厚100nmのPd箔(水素透過性金属箔)を形成した。その後、Pd箔とは反対側の面のみを5%フッ酸溶液に浸漬し、陽極酸化により多孔化処理を行い、気孔率70%の多孔質部分を得た。気孔率は、水銀圧入法により測定した。
多孔化処理後、水素透過性金属箔の表面に、PLD法を用いて、膜厚0.1μm、組成SrZr0.8In0.23-αのプロトン伝導性膜(ペロブスカイト構造酸化物膜)を形成し、実施例1の試験体を得た。PLDの実施においては、レーザー透過用の合成石英ガラス窓を備えた真空チャンバー内部のホルダーに、水素透過性基材をセットし、ホルダー部の温度を550℃に加熱した。酸素を、マスフローメータを通して導入し、酸素分圧1×10−2Torrにチャンバー内圧力を調整した。プロトン伝導性膜原料焼結体(20mmφ、厚み5mm)にレーザー照射用窓を通してKrFエキシマレーザー(周波数20Hz)を照射した。
(実施例2)
水素透過性金属箔を、Pd箔からPd−Ag合金(Ag/Pd=9/1:モル比)箔に変えた以外は、実施例1と同じSi基板、プロトン伝導性膜で、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(実施例3)
プロトン伝導性膜を、組成がBaCe0.80.23-αのペロブスカイト構造酸化物膜とした以外は、実施例2と同じSi基板、水素透過性金属箔で、実施例2と同様にして、試験体を得た。
(比較例1)
Si基板(Ra=0.008)の陽極酸化の電圧条件を変えて、気孔率を30%とした以外は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例2)
Si基板(Ra=0.008)の陽極酸化の電圧条件を変えて、気孔率を90%とした以外は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例3)
Si基板としてRa=0.02のものを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(物性試験)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた各試験体(水素透過構造体)のプロトン伝導性膜上に、1μm径の粉末白金の電極をスクリーン印刷で形成し、基材側に水素ガス、プロトン伝導性膜及び酸素電極側に加湿空気を流して、450℃×1000時間、0.7Vの定電圧発電試験を行った。試験の前後に、電流密度を測定し、電流密度の経時的低下率を算出した。又、試験後の膜の剥離状態を観察した。測定結果を表1に示す。
Figure 2008023404
表1より明らかなように、実施例1〜3では、1000時間経過後も、電流密度の低下がなく、耐久性に優れていることがわかる。しかし、気孔率が本発明の範囲の上限を超える比較例2、Raが本発明の範囲の上限を超える比較例3では、1000時間経過後には、プロトン伝道性膜の破損や剥離を生じており、その結果、電流密度の低下率が100%となり、耐久性に問題があることがわかる。気孔率が本発明の範囲の下限に満たない比較例1では、初期から電流を殆ど生じず、燃料電池として機能しない。気孔率が低くその結果水素透過性が低くなったためと思われる。
本発明の水素透過構造体を概念的に示す模式断面図である。
符号の説明
1 水素透過性金属箔
2 プロトン伝導性膜
3 シリコン基板(多孔質の部分)

Claims (3)

  1. プロトン伝導性膜、及び水素透過性基材を有する水素透過構造体であって、
    前記プロトン伝導性膜が、化学式AL1−X3−α(式中、Aは、アルカリ土類金属を表し、Lは、セリウム、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選ばれる1種以上の元素を表し、Mは、ネオジム,ガリウム、アルミニウム、イットリウム、インジウム、イッテルビウム、スカンジウム、ガドリウム、サマリウム及びプラセオジムから選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、0.05〜0.35であり、αは、0.15〜1.00である。)で表される酸素欠損型ペロブスカイト構造酸化物から構成され、
    前記水素透過性基材が、シリコン基板、及び前記シリコン基板の前記プロトン伝導性膜側を被覆する水素透過性金属箔から構成されており、
    前記シリコン基板が、その気孔率が50%以上80%未満である多孔質部を有し、その表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.01μm以下である単結晶シリコンよりなることを特徴とする水素透過構造体。
  2. 前記水素透過性金属箔が、パラジウム又はその合金を主体とし、その膜厚が20nm〜2μmであることを特徴とする請求項1に記載の水素透過構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の水素透過構造体を用いることを特徴とする燃料電池。
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