JP2008010411A - 電気化学セル用電解質膜およびその製造方法 - Google Patents

電気化学セル用電解質膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有し、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物イオン伝導体からなる電気化学セル用電解質膜であって、前記電解質膜は厚さが1〜10μmを有し、前記電解質膜は膜面に垂直方向に成長し膜表面まで成長した柱状晶組織を有し、前記膜表面まで成長した柱状晶組織を有する電解質膜のペロブスカイト型結晶構造は112方向が膜面に対して垂直方向に配向している結晶構造を有する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、電気化学セル用電解質膜に関するものであり、この電解質膜は、固体電解質形燃料電池用発電セルの電解質膜、酸素ポンプ用セルの電解質膜などとして使用するものである。
一般に、電気化学セルの電解質膜の一つとしてランタンガレート系酸化物イオン伝導体を用いることが知られており、このランタンガレート系酸化物イオン伝導体は、一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有している。この酸化物イオン伝導体を製造するには、La粉末、SrCO粉末、Ga粉末およびMgO粉末を配合し混合したのち仮焼成して得られた仮焼成体を粉砕し、得られた複合酸化物粉末をプレス成形して成形体を作製し、得られた成形体を焼成することにより得られる。このようにして得られた焼結体からなる酸化物イオン伝導体はペロブスカイト結晶構造を有していることが知られている。
このペロブスカイト結晶構造を有する酸化物イオン伝導体からなる電解質膜は、低温タイプの固体電解質形燃料電池の発電セルにおける固体電解質膜として使用し(特許文献1参照)、さらに酸素濃縮器における酸素ポンプセルの電解質膜として使用されることが知られている(特許文献2参照)。そしてこの電解質膜は、酸化物イオン透過性が優れているほど発電セルにおける固体電解質膜として優れており、さらに酸素ポンプセルにおける電解質膜として優れた性能を示すことが知られている。
特開平11−335164号公報 特開2004−132876号公報
しかし、現在知られている電解質膜の酸化物イオン透過性は十分なものではなく、したがって、従来の電解質膜を固体電解質膜として使用した発電セルを組み込んだ固体電解質型燃料電池の発電効率は未だ十分ではなく、さらに従来の電解質膜を使用した酸素ポンプセルを組み込んだ酸素濃縮器の濃縮効率は十分なものではなかった。
そこで、本発明者等は、一層酸化物イオン透過性の優れた電気化学セルの電解質膜を開発すべく研究を行った。その結果、
(イ)一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有しペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物イオン伝導体からなる電解質膜を物理蒸着法により作製すると膜面に垂直方向に成長した柱状晶組織を有するようになり、この膜面に垂直方向に成長した柱状晶組織を有する電解質膜はペロブスカイト型結晶構造の112方向が膜面に対して垂直方向に配向しており、この電解質膜は酸化物イオン透過性が一層優れている、
(ロ)物理蒸着法により作製した電解質膜は厚さ:1〜10μmの範囲内の薄い膜であることが好ましい、などの研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有し、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物イオン伝導体からなる電解質膜であって、前記電解質膜は膜面に垂直方向に成長し膜表面まで成長した柱状晶組織を有し、前記膜表面まで成長した柱状晶組織を有する電解質膜のペロブスカイト型結晶構造は112方向が膜面に対して垂直方向に配向している結晶構造を有する酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜、
(2)前記電解質膜は膜厚:1〜10μmを有する前記(1)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜、
(3)前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の一方の面に陰極膜が形成され、他方の面に陽極膜が成形された電気化学セル、に特徴を有するものである。
前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜を、固体電解質形燃料電池用発電セルの固体電解質膜として組み込んで固体電解質形燃料電池用発電セルを作製し、この固体電解質形燃料電池用発電セルを使用して作製した固体電解質形燃料電池は、その性能を一層向上させることができる。したがって、この発明は、
(4)前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の一方の面に空気極膜が形成され、他方の面に燃料極膜が成形された固体電解質形燃料電池用発電セル、
(5)前記(4)記載の固体電解質形燃料電池用発電セルを組み込んだ固体電解質形燃料電池、に特徴を有するものである。
また、前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜を使用して酸素ポンプセルを作製し、この酸素ポンプセルを組み込んで作製した酸素濃縮器は、その性能を一層向上させることができる。したがって、この発明は、
(6)前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の両方の面に空気極膜が形成され酸素ポンプセル、
(7)前記(6)記載の酸素ポンプセルを組み込んだ酸素濃縮器、に特徴を有するものである。
上記酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜は物理蒸着法により作製し、この物理蒸着法により作製した電解質膜は緻密で良好なペロブスカイト型結晶構造を有するが、膜厚が1μm未満では電気化学セル用電解質膜の厚さとしては十分でなく、一方、膜厚が10μmを越えるようになると、電気化学セル用電解質膜は膜面に垂直方向に成長した柱状晶組織とならない部分が生成するようになり、したがって、電気化学セル用電解質膜のペロブスカイト型結晶構造の112方向が膜面に対して垂直方向に配向しなくなる部分が生成するようになるので好ましくない。したがって、この発明の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜はその厚さを1〜10μmに定めた。
この発明の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜は、ターゲットを用いてある酸素分圧の下で物理蒸着法(好ましくはパルスレーザーアブレーション法)により成膜して得られるが、前記物理蒸着は、酸素分圧:0.001〜0.1気圧の酸素雰囲気中で行うことが好ましい。その理由は、酸素分圧が0.1気圧以下でないと形成される電気化学セル用電解質膜の膜質が緻密にならないからであり、一方、酸素分圧が0.001気圧以上にしないと十分な成膜速度が得られないからである。
この発明の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜をパルスレーザーアブレーション法により形成するには、前記ターゲットにレーザー光を集光し、ターゲットの温度を一気に高めることによりターゲット成分を揮散させ、対抗する基板上に薄い膜状に析出させる。この時使用する基板としては、固体電解質形燃料電池用発電セルを作製する場合は燃料極板や空気極板を用いることができ、また、酸素ポンプセルを作製する場合は空気極板を用いることができる。
この時、Mgは特に反応系外に逃げてしまうので基板上に析出する割合が極端に低いこと、それに対して他の金属元素は相対的に析出割合が高くなること及びその割合が元素によって微妙に異なるなどの知見を得た。
かかる知見に基づいて成膜実験を繰り返した結果、一般式La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される電気化学セル用電解質膜の目標組成に対し、Laを71〜81%(好ましくは、75〜77%)、Srを66〜106%(好ましくは、81〜91%)、Gaを66〜76%(好ましくは、70〜73%)、Mgを250〜290%(好ましくは、265〜275%)含有するようにLa粉末、SrCO粉末、Ga粉末およびMgO粉末を配合し混合したのち焼結することにより得られた焼結体からなるターゲットを用いて酸素雰囲気中で物理蒸着することにより得られ、この範囲を外れると目標とする組成の膜が得られないことが分かった。
したがって、この発明は、
(8)電気化学セル用電解質膜の目標組成に対して、Laを71〜81%、Srを66〜106%、Gaを66〜76%、Mgを250〜290%含有するようにLa粉末、SrCO粉末、Ga粉末およびMgO粉末を配合し混合したのち焼結することにより得られた焼結体からなるターゲットを用いて酸素雰囲気中で物理蒸着する前記(1)または(2)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法、
(9)前記物理蒸着は、酸素分圧:0.001〜0.1気圧の酸素雰囲気中で行う前記(8)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法、
(10)前記物理蒸着は、パルスレーザーアブレーション法で行う前記(8)または(9)記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法、に特徴を有するものである。
この発明の電気化学セル用電解質膜は、従来の電気化学セル用電解質膜よりも酸化物イオン透過性に優れているので、この発明の電気化学セル用電解質膜を用いて作製した発電セルを組込んだ固体酸化物型燃料電池は従来の固体酸化物型燃料電池よりも一層高効率で発電することができ、またこの発明の電気化学セル用電解質膜の両方の面に空気極膜が形成され酸素ポンプセルを組み込んだ酸素濃縮器は従来の酸素濃縮器よりも一層高効率で酸素濃縮することができる。
実施例1
先ず、La粉末、SrCO粉末、Ga粉末およびMgO粉末を用意し、これら粉末をLa:14.19原子%、Sr:2.10原子%、Ga:9.63原子%、Mg:22.88原子%、O:51.20原子%となるように秤量し、秤量した粉末を配合しボールミルで混合した後、空気中、1200℃に3時間加熱保持し、得られた塊状焼結体をハンマーミルで粗粉砕の後、ボールミルで微粉砕して、平均粒径1.3μmのランタンガレート系電解質原料粉末を製造した。前記ランタンガレート系電解質原料粉末をプレス成形して円板状の成形体を作製し、得られた成形体を、空気中、1450℃に6時間加熱保持して焼結し、厚さ5mm、直径120mmの円板状のランタンガレート系電解質からなる円板状のターゲットを作製した。
さらに、0.5mol/Lの硝酸セリウム水溶液8部と0.5mol/Lの硝酸サマリウム水溶液2部の混合水溶液に1molの水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら滴下し、酸化セリウムと酸化サマリウムを共沈させ、ろ過したのち純水での攪拌・洗浄ろ過を6回繰り返して水洗し、酸化セリウムと酸化サマリウムの共沈粉を作製し、これを空気中、温度:1000℃に3時間加熱保持して(Ce0.8Sm0.2)Oの組成を有する平均粒径:0.8μmのサマリウムをドープしたセリア(以下、SDCという)SDC粉末を作製し、このSDC粉末とNiO粉末をSDC粉末:NiO粉末=4:6の割合となるように配合し混合して混合粉末を作製し、この混合粉末をプレス成形して成形体を作製し、この成形体を温度:1300℃、3時間保持することにより陽極板を作製し用意した。
さらに、Sm粉末、SrCO粉末、CoO粉末を用意し、(Sm0.5Sr0.5)CoOで示される組成となるよう秤量し、ボールミル混合の後、空気中、1000℃に3時間加熱保持し、得られた粉体をボールミルで微粉砕して、平均粒径1.1μmのサマリウムストロンチウムコバルタイト系陰極原料粉末を製造した。このサマリウムストロンチウムコバルタイト系陰極原料粉をトルエン-エタノール混合溶媒にポリビニルブチラルとフタル酸Nジオクチルを溶解した有機バインダー溶液と混合してスラリーを作製し用意した。
先に作製したターゲットをパルスレーザーアブレーション装置にセットし、さらに基板として先に用意した陽極板をパルスレーザーアブレーション装置にセットし、表1に示される酸素分圧の雰囲気で表1に示される時間保持しながら下記の条件のパルスレーザーアブレーション法を実施することにより陽極板の上に表1に示される厚さを有しかつ(La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)Oの成分組成を有する電気化学セル用電解質膜を形成した。このようにして得られた電気化学セル用電解質膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を表1に示し、さらにX線回折によりぺロブスカイト結晶構造の配向性を調べ、その結果を表1に示した。
<パルスレーザーアブレーション条件>
レーザーエネルギー:300mJ、
レーザースポットサイズ:10mm
レーザーエネルギー密度:3J/cm
レーザー繰り返し周波数:30Hz、
雰囲気ガス:酸素、
さらに、先に用意したサマリウムストロンチウムコバルタイト系陰極原料粉末を含むスラリーをスクリーン印刷法により先に陽極板の上に形成した電気化学セル用電解質膜の上に厚さ:30μmになるように塗布し乾燥したのち、空気中、1100℃に5時間加熱保持して陰極膜を焼付けることにより電気化学セル用電解質膜の一方の面に陰極膜を形成し他方の面に陽極膜を形成した本発明電気化学セル1〜7および従来電気化学セル1〜4を作製した。
このようにして得られた本発明電気化学セル1〜7および比較電気化学セル1〜4の陽極板および陰極膜にそれぞれ白金線を接続し、この白金線を電流計に接続した。前記電気化学セルの陽極板側に水素を流して陽極板側を水素雰囲気とし、一方、陰極膜側に空気を流して陰極膜側を空気雰囲気に保持し、かかる状態で陽極板と陰極膜の間に0.7Vの一定電圧をかけ、その時流れる電流値を測定し、その結果を表1に示すことにより電気化学セル用電解質膜の酸化物イオン透過性を評価した。
従来例1
実施例1で用意した酸化ランタン、炭酸ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化コバルトの粉体を用意し、(La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)Oで示される組成となるよう秤量し、ボールミル混合の後、空気中、1200℃に3時間加熱保持し、得られた塊状焼結体をハンマーミルで粗粉砕の後、ボールミルで微粉砕して、ランタンガレート系電解質原料粉末を製造した。前記ランタンガレート系電解質原料粉末をトルエン-エタノール混合溶媒にポリビニルブチラルとフタル酸Nジオクチルを溶解した有機バインダー溶液と混合してスラリーとし、ドクターブレード法で薄板状に成形し、円形に切りだした後、空気中、1450℃に6時間加熱保持して焼結し、厚さ200μm、直径120mmの円板状のランタンガレート系電解質板からなる従来電気化学セル用電解質膜を作製した。このランタンガレート系電解質板からなる従来電気化学セル用電解質膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を表1に示し、さらにX線回折によりぺロブスカイト結晶構造の配向性を調べ、その結果を表1に示した。
前記ランタンガレート系電解質板からなる電気化学セル用電解質膜の一方の面に実施例1で作製したSDC粉末とNiO粉末を混合してスラリーを作製し、このスラリーをランタンガレート系電解質板の一方の面にスクリーン印刷法により厚さ:30μmになるように塗布し乾燥したのち、空気中、1200℃に5時間加熱保持してNiO粉末を混合したSDCからなる陽極膜を成形・焼きつけた。さらに前記ランタンガレート系電解質板からなる電気化学セル用電解質膜の他方の面に、サマリウムストロンチウムコバルタイト系陰極原料粉末を含むスラリーをスクリーン印刷法により厚さ:30μmになるように塗布し乾燥したのち、空気中、1100℃に5時間加熱保持して陰極膜を焼付けることにより従来電気化学セルを作製した。
この一方の面に陽極板を形成し他方の面に陰極膜を形成してなる従来電気化学セルの陽極膜および陰極膜にそれぞれ白金線を接続し、この白金線を電流計に接続した。前記電気化学セルの陽極膜側を水素雰囲気とし、一方、陰極膜側を空気雰囲気に保持し、かかる状態で陽極板と陰極膜の間に0.7Vの一定電圧をかけ、その時流れる電流値を測定し、その結果を表1に示すことにより従来電気化学セル用電解質膜の酸化物イオン透過性を評価した。
Figure 2008010411
表1に示される結果から、本発明電気化学セル1〜7と従来電気化学セルを比較すると、本発明電気化学セル1〜7は、従来電気化学セルに比べて、測定した電流値が高いことから、本発明電気化学セル1〜7に使用した電解質膜は、従来電気化学セルに使用した電解質膜よりも酸化物イオン透過性が優れていることがわかる。さらに、比較電気化学セル1〜4に使用した電解質膜は、電流値がやや低くなることから、酸化物イオン透過性がやや劣ることがわかる。
実施例2
実施例1で作製した本発明電気化学セル1〜7および比較電気化学セル1〜4の陽極板の上にそれぞれ多孔質燃料極集電体を積層し、一方、本発明電気化学セル1〜7および比較電気化学セル1〜4の陰極膜の上にそれぞれ多孔質空気極集電体を積層し、さらに前記多孔質燃料極集電体および多孔質空気極集電体の上にそれぞれセパレータを積層することにより固体電解質形燃料電池1〜7および比較固体電解質形燃料電池1〜4を作製した。
従来例2
従来例1で作製した従来電気化学セルの陽極板の上に多孔質燃料極集電体を積層し、一方、従来電気化学セルの陰極膜の上に多孔質空気極集電体を積層し、さらに前記多孔質燃料極集電体および多孔質空気極集電体の上にそれぞれセパレータを積層することにより従来固体電解質形燃料電池を作製した。
実施例2および従来例2で得られた本発明固体電解質形燃料電池1〜7、比較固体電解質形燃料電池1〜4および従来固体電解質形燃料電池を用いて、次の条件で発電試験を実施した。
温度:700℃、
燃料ガス:水素、
燃料ガス流量:0.34L/min(=3cc/nin/cm2)、
酸化剤ガス:空気、
酸化剤ガス流量:1.7L/min(=15cc/nin/cm2)、
の発電条件で発電させ、セル電圧、出力および出力密度を測定し、その結果を表2に示した。
Figure 2008010411
表2に示される結果から、本発明固体電解質形燃料電池1〜7と従来固体電解質形燃料電池と比較すると、本発明固体電解質形燃料電池1〜7は従来固体電解質形燃料電池と比べて、セル電圧、出力および出力密度がいずれも優れた値を示すこと、さらに、比較固体電解質形燃料電池1〜4はセル電圧、出力、出力密度および発電効率の内の少なくとも一つの特性が本発明固体電解質形燃料電池1〜7に比べて劣ることなどから、この発明の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜は固体電解質形燃料電池の電解質膜として優れた特性を示すことが分かる。
実施例3
実施例1で用意した平均粒径1.1μmのサマリウムストロンチウムコバルタイト系陰極原料粉末をプレス成形し成形体を作製し、この成形体を温度:1100℃、5時間保持することにより空気極板を作製し用意した。
実施例1で用意したランタンガレート系電解質からなる円形のターゲットおよび先に用意した空気極板をパルスレーザーアブレーション装置にセットし、実施例1と同様のパルスレーザーアブレーション条件で実施例1の表1に示される時間保持しながらレーザーアブレーション法を実施することにより空気極板の上に表1に示される厚さを有しかつ(La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)Oの成分組成を有する電気化学セル用電解質膜を成形した。このようにして得られた電気化学セル用電解質膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、さらにX線回折によりペロブスカイトの配向性を調べたところ、表1に示される電気化学セル用電解質膜と同じ電気化学セル用電解質膜が得られていた。
さらに、前記サマリウムストロンチウムコバルタイト系空気極原料粉含むスラリーを実施例1と同様に調製し、そのスラリーをスクリーン印刷法により、先に成形した電気化学セル用電解質膜の上に厚さ:30μmになるように塗布し乾燥したのち、空気中、1100℃に5時間加熱保持して、電気化学セル用電解質膜の他方の面に空気極膜を焼き付けることにより酸素ポンプセルを作製した。
このようにして得られた酸素ポンプセルの空気極板および空気極膜の上にそれぞれ多孔質な空気極集電体を積層し、これを酸素取り出しパイプ付ステンレス製容器部材に取付けて組み立て、図1に示される構造を有する本発明酸素濃縮器1〜7および比較酸素濃縮器1〜4を作製した。図1において、1:空気極集電体、2:空気極板、3:電解質膜、4:空気極膜、5:空気極集電体、6:酸素取り出しパイプ付ステンレス製容器部材である。
従来例3
従来例1と同様の製造条件で(La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)Oの成分組成を有する厚さ200μm、直径50mmの円板状のランタンガレート系固体電解質板を作製し、その両方の面にそれぞれ前記サマリウムストロンチウムコバルタイト系空気極原料粉含むスラリーをスクリーン印刷法で直径39.1mm(≒12cm)厚さ:30μmになるように塗布し乾燥したのち、空気中、1100℃に5時間加熱保持して他方の空気極膜を焼き付けることにより、従来酸素ポンプセルを作製した。この従来酸素ポンプを用いて実施例3と同様に図1に示した構造を有する従来酸素濃縮器を作製した。
実施例3で得られた本発明酸素濃縮器1〜7および比較酸素濃縮器1〜4並びに従来例3で得られた従来酸素濃縮器を用いて、次の条件で酸素濃縮試験を実施した。
温度:600℃、
電流密度:1.5A/cm
(酸素濃縮速度は電流密度に比例し、1A/cm2のとき約3cc/min/cm2の酸素が濃縮されるので、上記条件の電流密度:1.5A・cm2では約4.5cc/min/cm2の酸素が濃縮される。)
上記条件で酸素濃縮したときのセル電圧(すなわち過電圧)および酸素濃縮速度を測定し、その結果を表4に示した。電流密度一定で比較したので同じ酸素量を濃縮するに要する電力は電圧が小さいほど省電力である。
Figure 2008010411
表3に示される結果から、本発明酸素濃縮器1〜7と従来酸素濃縮器を比較すると、本発明酸素濃縮器1〜7は従来酸素濃縮器に比べて電圧が小さく、同量の酸素を少ない電力で濃縮できること、比較酸素濃縮器1、3は電解質が薄すぎて極間が短絡し測定不能であり、比較酸素濃縮器2は従来酸素濃縮器よりは電圧が低いものの本発明酸素濃縮器1〜7よりは電圧が高いこと、比較酸素濃縮器4は電解質が緻密質でないために酸素がリークして所望の酸素濃縮速度が得られないことなどから、この発明の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜は、酸素濃縮器における酸素ポンプセルの電解質膜として使用した場合に優れた特性を有することがわかる。
酸素濃縮器の断面説明図である。
符号の説明
1:空気極集電体
2:空気極板
3:電解質膜
4:空気極膜
5:空気極集電体
6:酸素取り出しパイプ付ステンレス製容器部材

Claims (10)

  1. 一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有し、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物イオン伝導体からなる電気化学セル用電解質膜であって、前記電解質膜は膜面に垂直方向に成長し膜表面まで成長した柱状晶組織を有し、前記膜表面まで成長した柱状晶組織を有する電解質膜のペロブスカイト型結晶構造は112方向が膜面に対して垂直方向に配向している結晶構造を有することを特徴とする酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜。
  2. 前記電解質膜は膜厚:1〜10μmを有することを特徴とする請求項1記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜。
  3. 請求項1または2記載の電気化学セル用電解質膜の一方の面に陰極膜が形成され、他方の面に陽極膜が成形された電気化学セル。
  4. 請求項1または2記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の一方の面に空気極膜が形成され、他方の面に燃料極膜が成形された固体電解質形燃料電池用発電セル。
  5. 請求項4記載の固体電解質形燃料電池用発電セルを組み込んだ固体電解質形燃料電池。
  6. 請求項1または2記載の電気化学セル用電解質膜の両方の面に空気極膜が形成され酸素ポンプセル。
  7. 請求項6記載の酸素ポンプセルを組み込んだ酸素濃縮器。
  8. 一般式:La1−XSrGa1−YMg(式中、X=0.05〜0.3、Y=0.025〜0.3)で表される成分組成を有する電気化学セル用電解質膜の目標組成に対して、Laを71〜81%、Srを66〜106%、Gaを66〜77%、Mgを250〜290%含有するようにLa粉末、SrCO粉末、Ga粉末およびMgO粉末を配合し混合したのち焼結することにより得られた焼結体からなるターゲットを用いて酸素雰囲気中で物理蒸着することを特徴とする請求項1または2記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法。
  9. 前記物理蒸着は、酸素分圧:0.001〜0.1気圧の酸素雰囲気中で行うことを特徴とする請求項8記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法。
  10. 前記物理蒸着は、パルスレーザーアブレーション法で行うことを特徴とする請求項8または9記載の酸化物イオン透過性に優れた電気化学セル用電解質膜の製造方法。
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