JPWO2005013405A1 - 燃料電池スタックおよび燃料電池システム並びに燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

電解質層にクラックが発生するのを抑制しながら電解質層の薄膜化を図る。無機質の緻密な電解質層36を、緻密な基材31とともに設けることにより電解質膜30を形成する。電解質膜30と燃料極と酸素極とから構成されるセルを直列に複数積層して燃料電池スタックを構成する。

Description

本発明は、燃料電池スタックと、その燃料電池スタックを備えた燃料電池システムと、その燃料電池スタックの製造方法に関する。
従来、特開平10−294117号公報に記載されているように、固体高分子電解質膜よりなる電解質層に水素分離層を積層した燃料電池が知られている。水素分離層は、ガス透過性が低いので、この構成によれば、電解質層に孔(以下、「クラック」と呼ぶ)が空いても水素分離層によりガス透過量が低く抑えられる。このために、この構成によれば、電解質層を薄膜化することができる。
しかしながら、上記の従来の技術では、薄膜化により発生したクラックを許容したままで電解質層を使用すると、膜抵抗が増大してしまい燃料電池の性能が低下するという問題を発生した。
本発明は、こうした課題に鑑みなされたものであり、クラックの発生を抑制しながら電解質層の薄膜化を実現することを目的とする。
このような課題を解決するため、以下に示す構成をとった。
この発明の燃料電池スタックは、
緻密な水素透過性材料で形成された基材を備え、該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を設けた電解質膜と、
該電解質膜の一方の面に配置され、水素を含有する燃料ガスの供給を受ける燃料極と、
該電解質膜の他方の面に配置され、酸素を含有する酸化ガスの供給を受ける酸素極と
を備える単位燃料電池を、複数積層してなることを特徴としている。
この燃料電池スタックによれば、無機質の緻密な電解質層を、緻密な基材とともに設けることにより、電解質層におけるクラックの発生を抑制しながら電解質層を十分に薄膜化することができるという効果を奏する。これに伴い、電解質層の膜抵抗の低減を図ることができることから、高温型の燃料電池の動作温度を低温化することができる。また、単位燃料電池が複数積層されていることから、電池出力の増大を図ることができる。
電解質層としては、セラミックス材料によって形成されたものとすることができ、例えば、BaCeO、SrCeO系の固体酸化物材料によって形成されたものとすることができる。また、固体高分子膜等の他の種類の電解質を用いることもできる。基材としては、水素透過性を有する金属材料とすることができ、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびこれらの少なくとも一部を含む合金のいずれかを用いることができる。また、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属を用いることもできる。さらには、電解質層は、基材の片面のみに設けてもよいし、両面に設けてもよい。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータと、該セパレータと接して、前記酸素極に前記酸化ガスを供給するための流路を形成するガスケットとを備え、前記流路内に、当該流路の開口を維持しつつ前記酸素極側の集電の役目を果たす導電部を備える構成とすることができる。
この構成によれば、ガスケットとセパレータにより容易に酸化ガスの流路を形成することができ、導電部により酸素極側の集電を行なうことができる。
前記セパレータとガスケットと導電部を備えた構成の燃料電池スタックにおいて、前記導電部は、前記単位燃料電池の積層方向からの外力に対して弾性変形容易な形状に予め成形された金属材料により形成されたものとすることができる。
電解質層を始めとして電解質膜の各層は非常に薄く、一方、集電のためにこの電解質膜に金属を当てる必要があることから、ガスケットのつぶれ具合によっては、電解質膜の耐久性が心配される。しかし、この構成によれば、導電部が弾性変形することにより、ガスケットのつぶれによって受ける圧力を吸収することができるために、導電部によって電解質膜が損傷されることがない。
前記金属材料は、細板状の金属板である構成とすることができる。さらに、この細板状の金属板は、波形に成形されたものとすることができる。かかる構成により、簡単な構成で、集電と弾性変形の働きを得ることができる。
また、前記金属材料は、細線状の金属細線である構成とすることができる。さらに、前記金属材料は、前記金属細線を編んだり絡ませたりしてスポンジ状にした金属ウールとすることができる。かかる構成により、簡単な構成で、集電と弾性変形の働きを得ることができる。
前記導電部は、前記金属材料の表面に抗酸化処理が施されたものとすることができる。この構成によれば、導電部が流路を流れる酸化ガスによって酸化されるのを防止することができる。
前記ガスケットは、絶縁性の材料によって形成されたものとすることができる。絶縁性とすることで、電子がガスケットから抜けることを防止することでき、この結果、各電極での反応を促進することができる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータを備え、該セパレータは、外側に張り出して、熱伝導度の大きい材料で形成されることにより、該張り出した部分で放熱フィンとして機能させる構成とすることができる。この構成によれば、複雑な冷却構造を燃料電池スタックの内部に設けなくてもすむことから、構造が簡単となる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、外側を覆う絶縁性のケーシングと、該ケーシングと一体となって、前記セパレータの前記張り出した部分に冷却媒体を送る通路を形成する冷却通路部とを備えた構成とすることができる。この構成によれば、ケーシングと冷却通路部とが一体となっており、構造がより一層簡単となる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、前記基材は、前記水素透過性材料と異種の金属材料で作られたパンチングプレートに、前記水素透過性材料を埋め込んで形成されたものとすることができる。この構成によれば、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を異種の金属材料で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。この結果、基材の剥離を防止することができる。
また、前記基材は、前記水素透過性材料とステンレスとの混合物で形成されたものとすることができる。さらに、前記基材は、前記水素透過性材料と銅との混合物で形成されたものとすることができる。ステンレスと銅については、水素透過性材料と混合しても素性の悪い合金となることがないことから、水素透過性材料に混合する異種の金属材料としては優れている。
この発明の燃料電池システムは、
隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータを備え、前記セパレータを、外側に張り出して、熱伝導度の大きい材料で形成されることにより、該張り出した部分を放熱フィンとして機能させる構成の前述した燃料電池スタックを備える燃料電池システムにおいて、
前記セパレータの前記張り出した部分に、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路と、
前記冷却媒体供給路から供給する冷却媒体を、加熱用の媒体に切り換える冷却加熱切替手段と
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、セパレータの張り出した部分に冷却媒体を送ることで、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。さらには、必要に応じてその冷却媒体を加熱用の媒体に切り換えることができることから、簡単な構成で低温時における起動性を高めることができる。
この発明の燃料電池の製造方法は、
(a)隣り合う単位燃料電池間を直列接続するための金属セパレータを準備する工程と、
(b)前記金属セパレータに、緻密な水素透過性材料で形成された基材を接着する工程と、
(c)該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を成膜する工程と、
(d)前記(a)で基材に接着した金属セパレータとは極が違う他極側の金属セパレータを、前記電解質層の外側の面側に接着する工程と、
(e)前記(a)〜(d)により作成されたものを単位燃料電池として複数作成して、複数の単位燃料電池を積層する工程と、
(f)積層された複数の単位燃料電池を締結部材によって締結する工程と
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、クラックの発生を抑制しながら電解質層を十分に薄膜化することを可能とした燃料電池スタックを容易に製造することができる。これに伴い、電解質層の膜抵抗の低減を図ることができることから、高温型である燃料電池を低い動作温度で動作可能とした燃料電池スタックを容易に製造することができる。
図1は、第1実施例としての燃料電池スタック1の構成を模式的に示す説明図である。
図2は、燃料電池スタック1を構成する単位燃料電池の構成を模式的に示す説明図である。
図3は、ケーシング60を示す説明図である。
図4は、燃料電池スタック1の製造工程を示す工程図である。
図5は、変形例としての電解質膜の層構成の一覧を示す説明図である。
図6は、変形例としての導電部224を示す説明図である。
図7は、変形例の基材としての板材231の平面を示す説明図である。
図8は、燃料の流路、空気の流路共に溝付き金属セパレータとした変形例を示す説明図である。
図9は、冷却ガス用の流路をコア内に設けた変形例を示す説明図である。
図10は、第2実施例の燃料電池システム500の概略構成を示す構成図である。
図11は、始動時制御ルーチンを示すフローチャートである。
以上説明したこの発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下この発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
図1は、第1実施例としての燃料電池スタック1の構成を模式的に示す説明図である。図2は、燃料電池スタック1を構成する単位燃料電池の構成を模式的に示す説明図である。この単位燃料電池は、いわゆる固体酸化物型の燃料電池に分類される。図2を用いて、まず単位燃料電池(以下、セルと呼ぶ)について説明する。図2には、セルの断面を示した。このセルは、大まかには、2枚の金属セパレータ10,20で電解質膜30を挟んだ構造となっている。
金属セパレータ10には、水素リッチな燃料ガスを供給するための流路12が設けられている。この流路12は、図中、紙面に垂直な方向に伸びるストレートタイプの複数の溝によって構成される。一方の金属セパレータ20には、酸化ガスとしての空気を供給するための流路22が付設されている。この流路22は、金属セパレータ20と電解質膜30との間の空間をガスケット40で囲み込むことにより形成される。金属セパレータ10、20は、銅やアルミニウム等の金属材料で形成可能であり、好ましくは、銅やアルミニウム等のように熱伝導度の大きなものが望ましい。ガスケット40は、絶縁性のもので、ゴムやプラスチック、高耐熱繊維に一部ゴムを含浸させたもの等で形成可能である。なお、流路22は、金属板24によって複数の流路に区分けされているが、この金属板24については後述する。
電解質膜30は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材31を中心とする6層構造となっている。基材31の両面には、緻密体の金属拡散抑制層32,33が備えられている。更に金属拡散抑制層32,33の外面には、パラジウム(Pd)の被膜34.35が設けられている。基材31は、緻密な水素透過性材料で形成されたものであればよく、バナジウムに換えて、バナジウムと銅(Cu)の合金、バナジウムとニッケル(Ni)の合金等を用いることができる。その他にも、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属、並びにVA族元素、例えば、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いることができる。被膜34.35は、Pdに換えて、触媒作用のあるPdとAgの合金等とすることができる。なお、燃料極としての金属セパレータ10の側に形成される被膜34は、金属セパレータ10に形成された流路12内に形成されるもので、島状に分離されている。
金属拡散抑制層32,33には、タングステンの酸化物(WO)を用いることができる。金属拡散抑制層32,33は、基材31と被膜34,35が互いに金属拡散を起こすことを抑制する。金属拡散抑制層32,33は、酸化タングステンに換えて、プロトン伝導体,混合伝導体,セラミックス,およびこれらの複合材料や傾斜材料を用いても良い。例えば、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、YSiOなどがある。
さらに、金属セパレータ20側の被膜35の外面には、電解質層36の薄膜が成膜されている。電解質層36としては、プロトン伝導性を有する固体酸化物であるBaCeO、SrCeO系等のペロブスカイト型複合酸化物(ABO)を用いることができる。なお、電解質層36は、無機質の緻密な電解質材料で形成されたものであればよく、上記固体酸化物に換えて、パイロクロア型複合酸化物(A)、スピネル型複合酸化物(ABO)等のプロトン伝導性を有する固体酸化物も用いることができる。
本実施例では、基材31の厚さは100μm、金属拡散抑制層32,33の厚さは1μm、Pdの被膜34,35の厚さは0.75μm、電解質層36の厚さは0.1μmとした。各層の厚さは任意に設定可能である。37は、ろう付け層で、基材31と金属セパレータ10とをろう付けしている。
電解質膜30の電解質層36の外面には、電極38が形成されている。電極38は、多孔質の発泡金属あるいは金属メッシュの板材により形成されている。なお、この電極38には、パラジウム(Pd)または白金(Pt)等の触媒が担持されており、発電過程における反応を促進するための触媒機能を有する。電極38の厚さは、数十〜数百μmとした。
電極38の外面には、前述した空気の流路22が位置するが、この流路22は、多数の金属板24によって複数の流路に区分けされている。金属板24は、波形の細板であり、長手方向の片側の端面が、金属セパレータ20の電解質膜30側の面にろう付け接着されており、長手方向の他方側の端面は、電極38の外面に当接されている。この構成により、金属板24は、酸素極側の集電の役目も果たす。なお、金属板24は、電極38の外面と接触しているだけで接着はなされていないが、ろう付け等により接着するようにすることもできる。金属板24は、例えば、電子導電性を有するワイヤメッシュや焼結体、不繊布等で形成されており、板厚は、例えば、0.5mmである。金属板24の表面は、メッキ等により抗酸化処理が施されている。抗酸化処理が施されているのは、流路22を流れる空気による酸化を防止するためである。
前記のように構成されたセルでは、発電過程において、金属セパレータ20の流路12に供給された燃料ガス中の水素は、プロトンと電子に乖離して、プロトンは電解質層36を移動し、電極38で酸素と結合して水を生成する。このように水素と酸素が結びついて電気と水が発生する。なお、前記構成のセルでは、燃料ガスの流路12を備える金属セパレータ10が燃料極に相当し、電極38が酸素極に相当する。
前記のように構成されたセルを複数積層した燃料電池を備えるのが燃料電池スタック1である。詳細には、図1に示すように、燃料電池スタック1は、セルを、金属セパレータ10、電解質膜30(ガスケット40を含む)、金属セパレータ20の順に複数組、積層した構造である。なお、セルとセルとの境の金属セパレータは、水素極としての金属セパレータ10と酸素極としての金属セパレータ20とが一体となって構成されている。前記積層の組数は、例えば100〜400組であるが、図においては3組として描かれている。
金属セパレータ10,20は、電解質膜30とガスケット40との構造体よりも外側に張り出している。金属セパレータ10,20には、ボルト孔が空けられており、そのボルト孔を通したボルト50により各金属セパレータ10,20は締め付けられている。なお、ボルト50とボルト孔の間には絶縁用カラー(図示せず)が配設されており、ボルト50の頭部部分とナット51の部分には絶縁ワッシャ52が設けられており、金属セパレータ10,20間の絶縁性が確保されている。
燃料電池スタック1は、流路マニホールドを形成するケーシング60により外側が覆われる。図3は、ケーシング60を示す説明図である。図には、ケーシング60のコア部61だけを仮想的に外側に引き出した状態が示されている。ケーシング60は、ステンレス(SUS)等の絶縁性の材料により形成されており、図示するように、六角柱の形状をしたコア部61と、このコア部61の両脇に設けられた冷却ガス用の通路部62,63と、コア部61の前後に設けられた燃料ガス用の入口部64、出口部65と、コア部61の後前に設けられた空気用の入口部66、出口部67とを備える。
ケーシング60は、上側部分と下側部分の2つのパーツから構成されており、燃料電池スタック1は、両パーツによってサンドイッチされてケーシング内に収納される。この収納時には、電解質膜30やガスケット40の部分がコア部61内に位置し、金属セパレータ10,20の張り出し部分、すなわち、電解質膜30やガスケット40の部分よりも外側に張り出した部分が冷却ガス用の通路部62,63に位置する。すなわち、図中A−A線方向に切断したときの燃料電池スタック1の切断面が図1に示したもの(ケーシング60自体は記載されていない)となる向きに、燃料電池スタック1はケーシング60内に収納される。冷却ガス用の通路部62,63に設けられた孔は、燃料電池スタック1に設けられたボルト50用の孔62hである。すなわち、金属セパレータ10,20の張り出し部分は、冷却ガス用の通路部62,63内に完全に張り出しており、この孔62hに通されたボルト50によりケーシングの上下のパーツも燃料電池スタック1と共に締め付け固定されている。
冷却ガス用の通路部62,63は、前側に入口部62a、63aを、後ろ側に出口部62b、63bを備えており、入口部62a、63aおよび出口部62b、63bは、燃料電池スタック1のセルの積層数に応じただけの開口を備える。入口部62a、63aの開口によって分岐されて送られた冷却ガスは、燃料電池スタック1に備えられる各金属セパレータ10,20の前記張り出し部分を伝って出口部62b、63bから排出される。すなわち、その張り出し部分は、放熱フィンとして機能し、上記冷却ガスが送風される。
燃料ガス用の入口部64は、前側の右側部分に設けられており、燃料ガス用の出口部65は、後ろ側の左側部分に設けられている。空気用の入口部66は、後ろ側の右側部分に設けられており、空気用の出口部67は、前側の左側部分に設けられている。コア部61内においては、燃料ガスは、金属セパレータ10に設けられた流路12に対応した分岐路68によって分岐され、空気は、金属セパレータ20に設けられた流路22に対応した分岐路69によって分岐される。燃料ガスと空気は、コア部61内において、流れの高さは違うが平面的にはクロスするようにして燃料電池スタック1内を流れる。なお、燃料ガスと空気は、燃料ガスが前側から後ろ側へ、空気が後ろ側から前側へというように対向流となっているが、これに換えて、空気用の入口部を前側、出口部を後ろ側(あるいは燃料ガス用の入口部を後ろ側、出口部を前側)にして、燃料ガスと空気が同じ向きに流れる並行流となる構成としてもよい。コア部61の分岐路68,69が形成されていない面には、ガスのシールとコア部61を保持する機能を有する絶縁マット(アルミナマット:図中ハッチングの部分)が配設されている。
図4は、上述した燃料電池スタック1の製造工程を示す工程図である。この製造工程では、まず、水素極としての金属セパレータ10に、基材31をろう付けする(ステップS100)。このろう付けは、基材31の片側面の外周に近い部分になされる(図2におけるろう付け層37を参照)。これにより、その片側面のろう付け層37の内側部分に微小な間隙ができる。次に、基材31の両面に金属拡散抑制層32,33を形成する(ステップS110)。詳細には、金属拡散抑制層32,33は、メッキまたは事前に基材31にイオンプレーティング、蒸着等によりコーティングすることにより形成される。基材31の金属セパレータ10側の面に形成される金属拡散抑制層32は、前記間隙に形成される。
続いて、金属拡散抑制層32,33の両外面に、Pdの被膜34,35を形成する(ステップS120)。詳細には、被膜34.35は、メッキすることにより形成される。金属セパレータ10側に形成される被膜34は、金属セパレータ10に形成された流路内に形成される。
その後、金属セパレータ20側に形成された被膜35の外側の面に、電解質層36を成膜する(ステップS130)。電解質層36の成膜は、電解質を生成しつつ行なわれるが、例えば、物理蒸着、化学蒸着、スパッタリングなど種々の手法を用いることができる。基材31は緻密であるため、電解質層36の十分な薄膜化が可能である。続いて、電解質層36の外側の面に電極38を成膜する(ステップS140)。電極38の成膜は、物理蒸着、化学蒸着、スパッタリングなど種々の手法を用いることができる。次いで、酸素極としての金属セパレータ20に多数の金属板24をろう付けにより接着する(ステップS150)。
その後、前記ステップS100ないしS150で作られたものを1セルとして、ガスケット40を基材31に当たるように介在させて複数セルを順に積層する(ステップS160)。その後、ケーシング60で覆う(ステップS170)。このときケーシング60に前述した絶縁マットのセットも行なう。その後、ボルト50、ナット51、絶縁ワッシャ52、前述した絶縁用カラーを用いて、ケーシング60で覆われた燃料電池スタック1を締結する(ステップS180)。こうして燃料電池スタック1が完成する。なお、この燃料電池スタック1の使用に際しては、最も下側に位置する金属セパレータ10と最も上側に位置する金属セパレータ20との間に電気的な負荷70(図1参照)を接続するようにする。
以上で説明した燃料電池スタック1によれば、無機質の緻密な電解質層36を、緻密な基材31とともに設けることにより、電解質層36におけるクラックの発生を抑制しながら電解質層36を十分に薄膜化することができる。したがって、電解質層36の膜抵抗の低減を図ることができることから、固体酸化物型燃料電池の動作温度を、例えば400〜600℃と低温化することができる。また、単位燃料電池が直列に複数積層されていることから、電池出力の増大を図ることができる。
また、この実施例では、ガスケット40とセパレータ20により容易に空気の流路22を形成することができる。さらに、次のような効果もある。電極38のような平板電極から電子を受け取るには、水素極側の金属セパレータ10と同様に、溝付きのものとするのが一般的な構成であるが、この構成において、電解質膜30の周囲にこの実施例のようにガスケット40を設けた場合(結局、後述する図8の変形例に示す構成となる)、ボルト50による燃料電池スタック1の締め付けによって、ガスケット40がつぶれると、金属セパレータ10の流路溝間のリブが電極38に押し付けられることになり、電極38や電解質層36が損傷する恐れがあった。これに対して、この実施例では、金属板24のような細板を用いて、しかも金属板24は波形となっていることから、燃料電池スタック1の締め付け方向、すなわちセルの積層方向からの締め付け圧に対して、金属板24が変形してばねの働きをすることにより、その圧力を吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。
なお、金属板24は波形となっているが、必ずしも波形でなくとも、セルの積層方向からの圧力に対して、予め弾性変形し易いような形状であればどのような形状でもよい。
この実施例では、ガスケット40が、絶縁性の材料によって形成されていることから、電子がガスケット40から抜け出ることがない。この結果、各電極での反応を促進することができる。
この実施例では、セルとセルの境に設けられる金属セパレータ10,20を電解質膜30やガスケット40の部分から張り出すように構成して、しかも、金属セパレータ10,20を銅やアルミニウム等の熱伝導度の大きい材料で形成していることから、この張り出し部分で放熱フィンとして機能させることができる。このために、複雑な冷却構造を燃料電池スタック1の内部に設けなくてもすむことから、構造が簡単である。特に、この実施例では、ケーシング60の形状によって、その張り出し部分に冷却ガスが直接あたるように構成されていることから、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。
前記第1実施例の変形例を以下に説明する。
図5は、変形例としての電解質膜の層構成の一覧を示す説明図である。ケースAは、前記実施例の構造(図2)に相当する。つまり、基材31の両面に金属拡散抑制層32,33を設け、さらに外側にPdの被膜34,35を設け、その酸素極側の面に電解質層36を設けた構造である。
第1実施例の燃料電池スタック1の各セルに備えられる電解質膜は、緻密な水素透過性材料の基材と電解質層が設けられていればよく、例えば、ケースBのように、酸素極側の被膜35を取り除いた構成としてもよい。燃料極側の被膜34によっても、燃料ガス中の水素はプロトンと電子に乖離されることから、プロトンは電解質層36を移動することから電池反応を起こすことができる。
また、ケースCのように、両方の金属拡散抑制層32、33を取り除いた構成としてもよいし、ケースD,Eのように、いずれか一方の金属拡散抑制層32(33)を取り除いた構成としてもよい。金属拡散抑制層32,33は、被膜34.35を構成するPdと基材31とが互いに金属拡散を起こすことを抑えるために間に置いたもので、金属拡散を容認するならば取り除くこともできる。なお、ケースC〜Eでは、被膜35を設けているが、ケースBと同様に、被膜35を取り除いた構成としてもよい。
さらに、電解質膜は、緻密な水素透過性材料の基材の両側にそれぞれ電解質層を備える構成とすることもできる。詳細には、前記実施例において、基材31と金属拡散抑制層32の間に、電解質層36と同じ電解質層を備えた構成とする。この構成によれば、前記実施例と同様に、電解質層を薄膜化することができることから、固体酸化物型燃料電池の動作温度を低温化することができる。
なお、第1実施例では、固体酸化物からなる電解質層36は、金属セパレータ20側の被膜35の外面に成膜するように構成されていたが、予め薄膜化しておき、成膜に換えて貼り付ける構成とすることもできる。この構成によっても、電解質層を、緻密な基材31とともに設けることにより十分に薄膜化することが可能である。
第1実施例では、導電部としての金属板24は予め弾性変形しやすいように波形に曲げてあったが、これに換えて、平板を用いて電極38と接触する側の先端部にばね機構を設けることで、セルの積層方向からの外力に対して弾性変形しやすい構成とすることもできる。図6は、その構成としての導電部224を示す説明図である。図示するように、導電部224における電極38と接触する側の先端部224aを、鍵状の形とすることで、板ばねのように作用するようにする。この構成によっても、前記実施例と同様に、セルの積層方向からの締め付け圧に対して、導電部224の先端部224aが変形してばねの働きをすることにより、その圧力を吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。
第1実施例では、導電部として細板である金属板24が用いられていたが、これに換えて、金属細線とすることができる。金属細線は、ワイヤー状のもので、例えば、ニッケルやステンレス(SUS)等で形成されており、径は、例えば、0.1mmである。多数の金属細線を酸素極側の金属セパレータ20に立設して、各金属細線の他方側の端部が電極38に立設するように構成する。金属細線は、前記実施例の金属板24と同様に、波形に予め曲げられているのが好ましい。これら金属細線は、表面に抗酸化処理が施されたものが好ましい。
さらには、金属細線を編んだり絡ませたりしてスポンジ状にした金属ウールを作成して、前記実施例において、金属板24を取り除いて、ガスケット40によって取り囲まれた空気の流路22内に、その金属ウールを充填する構成とすることもできる。この変形例によっても、セルの積層方向からの締め付け圧を金属ウールによって吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。なお、金属ウールを作成する金属細線は、表面に抗酸化処理が施されたものが好ましい。第1実施例やこれら変形例の導電部によれば、酸化ガスの流路22の開口は十分に維持される。
なお、前記第1実施例や変形例では、平板形状の電極38を電解質層36の表面に設けて、その電極38に導電部を接触させて金属セパレータ20への集電を行なっているが、電極38を取り除いて、導電部を直接電解質層36に接触する構成とすることもできる。前述してきたように導電部は、細板または細線によって形成され、さらにはばねの働きをする形状に予め形成されていることから、直接電解質層36と接触しても、電解質層36を損傷する恐れが小さい。なお、損傷をより一層確実に防止することを目的として、電極38は勿論のこと、電極38の金属セパレータ20側の表面に金属製のパンチングプレートを置き、導電部をこのパンチングプレートに接触させる構成とすることもできる。
第1実施例におけるガスケット40は、図2に示す形状に限る必要もなく、空気の流路22としての充分なシールド性を有するならば、種々の形状に換えることができる。
第1実施例において、基材31は緻密な水素透過性材料で形成されていたが、この水素透過性材料は、水素の透過時に水素膨張を起こし、また逆に、水素の非透過時に収縮することから、システムの起動・停止の繰り返しにより膨張・収縮が発生して基材31の剥離が生じる恐れがある。この問題を解決するいくつかの変形例を次に説明する。
(a)第1の例は、パンチングプレートに水素透過性材料を埋め込み、基材とした構成である。図7は、その板材231の平面を示す説明図である。図示するように、板材231は、Vより融点の高い金属材料(モリブデン(Mo)やタングステン(W)など)で作られたパンチングプレート240を備え、そのパンチングプレート240の穴240aにバナジウム(V)が埋め込まれた構成をしている。作成の仕方は、上記金属材料で作られたパンチングプレート240を用意し、そのパンチングプレート240の穴240aにVを熱間等方圧加圧法(HIP)により埋め込み、その後、焼成するものである。このように作成することで、Vが穴240aに隙間無しに埋め込まれる。この板材231を基材とすることで、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を他の金属で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。
(b)第2の例は、ステンレス(SUS)のパンチングプレートにバナジウム(V)の粉末を埋め込み、熱間等方圧加圧法(HIP)により加圧処理した板材を、基材とした構成である。上記(a)と同様に、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を他の金属で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。パンチングプレートは、SUSに換えて、Cu等の水素透過性材料と違う異種の金属材料とすることもできる。
(c)第3の例は、Vの細線をSUSで鋳ぐるみにし圧延することにより生成した板材を、基材とした構成である。詳細には、Vで形成された剣山状のものを用意して、その剣山の隙間にVより融点の低い金属材料(SUSやCu)を埋め込み、その後、鋳造し、圧延した板材である。この板材を基材として用いることで、素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分の周囲に他の金属材料を介在させることができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。
(d)CuとVとを混ぜ合わせてCuの大きな粒子をVの小さな粒子で囲むようにして、熱間等方圧加圧法(HIP)により加圧処理した板材を、基材とした構成である。この構成によっても、上記(3)と同様な効果を奏する。
(e)前記(c)、(d)は、基材を、水素透過性材料とステンレスとの混合物、または水素透過性材料と銅との混合物で形成したものの一例であり、両混合物は、前記(c)、(d)に示した方法で作成したものに限る必要はなく、他の方法で作成したものであってもよい。なお、ステンレスと銅については、水素透過性材料と混合しても素性の悪い合金となることがないことから、水素透過性材料に混合する異種の金属材料としては優れている。
前記第1実施例では、空気の流路22は、金属セパレータ20と電解質膜30との間の空間をガスケット40で囲み込むことにより形成されているが、これに換えて、燃料の流路12と同様に、金属セパレータに溝を設けることにより形成してもよい。図8は、燃料の流路、空気の流路共に溝付き金属セパレータとした変形例を示す説明図である。図示するように、酸素極側の金属セパレータ320にも、燃料極側と同様に、ストレートタイプの複数の溝322を設け、溝間のリブが電極38(第1実施例と同じパーツには同一の番号を付した)に接触するように構成する。
この変形例によれば、第1実施例で説明してきた金属板24による効果を奏しないが、それ以外の効果は第1実施例と同様である。
前記第1実施例では、金属セパレータ10,20が、電解質膜30やガスケット40の部分より張り出して、その張り出し部分が冷却ガス用の通路部62,63に位置するように構成したが、これに換えて、電解質膜30やガスケット40の部分より内側に冷却ガス用の通路が内在する構成とすることもできる。図9は、この変形例を示す説明図である。図示するように、燃料ガス側の金属セパレータ410を両面に溝付きの形状とすることで燃料ガスの流路412と冷却ガス用の流路419が形成されるようにする。この金属セパレータ410は、空気の流路422を備える金属セパレータ420と接着、ろう付け等により接合されている。かかる構成により、冷却ガス用の流路がコア内に設けられることになることから、コンパクト化することができる。
本発明の第2実施例について次に説明する。第2実施例は、第1実施例で説明した燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の冷却系統とを備える燃料電池システムについてのものである。図10は、第2実施例の燃料電池システム500の概略構成を示す構成図である。図示するように、燃料電池システム500は、第1実施例と同じ燃料電池スタック1を備える。燃料電池スタック1のケーシングに備えられた冷却ガス用の入口部62a,63aに、冷却空気供給路502が接続されている。冷却空気供給路502の他端には、空気供給ブロア504が接続されており、空気供給ブロア504から空気が冷却空気供給路502を介して燃料電池スタック1に送られる。
冷却空気供給路502の途中には、水供給装置506から水が供給可能となっている。水供給装置506は、電子制御ユニット(ECU)510から制御信号を受けて、水の供給を行なったり中止したりすることができる。水供給装置506から冷却空気供給路502に水の供給が行なわれると、燃料電池スタック1には、液状あるいは霧状となった水が空気と共に供給されることになる。これらの冷却媒体は燃料電池スタック1の冷却ガス用の通路部62,63を通って、金属セパレータ10、20の張り出し部分を伝う。空気中に液状あるいは霧状に含まれた水分は燃料電池スタック1からの熱を受けて一部あるいは全体が蒸発し、蒸発潜熱により燃料電池スタック1が効果的に冷却される。
また、冷却空気供給路502の途中には、ヒータ512が設けられており、冷却空気供給路502を通る空気を加熱することができる。ヒータ512はリレー514と接続されており、ECU510から制御信号をリレー514に受けることで、ヒータによる加熱を行なったり中止したりすることができる。
燃料電池スタック1の所定の部位には、温度センサ516が設けられており、燃料電池スタック1の温度を検出することができる。温度センサ516の出力信号はECU510に送られる。ECU510には、システムスイッチ520が接続されている。システムスイッチ520は、操作者による操作を受けて、この燃料電池システム500を駆動し停止するスイッチである。なお、燃料電池システム500は、燃料電池スタック1の燃料ガス用の入口部64、空気用の入口部66(図3参照)に燃料ガス、空気をそれぞれ送る燃料系統と空気系統とを備えるが、これらの系統については図10では省略している。また、図示はしないが、燃料電池スタック1には、なんらかの負荷が接続されている。
上記ECU510は、CPU、ROM、RAM等から構成されるいわゆるマイクロコンピュータである。ECU510によって実行される燃料電池システム500の始動時制御ルーチンについて、次に説明する。
図11は、始動時制御ルーチンを示すフローチャートです。この制御ルーチンは所定時間毎に繰り返して実行される。図示するように、処理が開始されると、ECU510のCPUは、まず、システムスイッチ520が、オフからオンに切り換えられたときであるか否かを判別する(ステップS600)。ここで、その切り換えられたときであると判別されると、まず、空気供給ブロア504を稼働させる(ステップS605)。次いで、温度センサ516から温度Tを読み込んで(ステップS610)、その温度Tが、所定値T0(例えば、0℃)以下であるか否かを判別する(ステップS620)。
CPUは、ステップS620で温度TがT0以下であると判別されると、リレー514をオンに切り換えて(ステップS630)、ステップS620に処理を戻す。一方、ステップS620で否定判別されて、温度TがT0を上回ると判別された場合には、リレー514をオフに切り換えて(ステップS640)、その後、「リターン」に抜けてこの処理を終了する。
なお、ステップS600で否定判別された場合には、そのまま「リターン」に抜けてこの処理を終了する。
以上のように構成された始動時制御ルーチンによれば、システムスイッチ520がオフからオンに操作されると、空気供給ブロア504がオンされ、リレー514がオンされることで、加熱された空気が燃料電池スタック1の冷却ガス用の通路部62,63に供給される。この結果、燃料電池スタック1が加熱される。
なお、図示しない制御ルーチンにより、温度センサ516により検出された温度Tが、所定値T1(≧T0)を越えた場合には、水供給装置506を稼働するように構成されている。この構成により、温度Tが所定T1を越えた場合には、水供給装置506から冷却空気供給路502に水の供給が行なわれることにより、上述したように、蒸発潜熱により燃料電池スタック1が冷却される。
したがって、この第2実施例によれば、燃料電池スタック1の金属セパレータ10,20の張り出した部分に冷却媒体を送ることで、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。さらには、必要に応じてその冷却媒体を加熱用の媒体に切り換えることができることから、簡単な構成で低温時における起動性を高めることができる。
以上、本発明の種々の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、電解質層は、固体高分子膜等の他の種類の電解質に換えてもよい。
本発明は、燃料電池スタックと、その燃料電池スタックを備えた燃料電池システムと、その燃料電池スタックの製造方法に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、固体高分子電解質膜よりなる電解質層に水素分離層を積層した燃料電池が知られている。水素分離層は、ガス透過性が低いので、この構成によれば、電解質層に孔(以下、「クラック」と呼ぶ)が空いても水素分離層によりガス透過量が低く抑えられる。このために、この構成によれば、電解質層を薄膜化することができる。
特開平10−294117号公報
しかしながら、上記の従来の技術では、薄膜化により発生したクラックを許容したままで電解質層を使用すると、膜抵抗が増大してしまい燃料電池の性能が低下するという問題を発生した。
本発明は、こうした課題に鑑みなされたものであり、クラックの発生を抑制しながら電解質層の薄膜化を実現することを目的とする。
このような課題を解決するため、以下に示す構成をとった。
この発明の燃料電池スタックは、
緻密な水素透過性材料で形成された基材を備え、該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を設けた電解質膜と、
該電解質膜の一方の面に配置され、水素を含有する燃料ガスの供給を受ける燃料極と、
該電解質膜の他方の面に配置され、酸素を含有する酸化ガスの供給を受ける酸素極と
を備える単位燃料電池を、複数積層してなることを特徴としている。
この燃料電池スタックによれば、無機質の緻密な電解質層を、緻密な基材とともに設けることにより、電解質層におけるクラックの発生を抑制しながら電解質層を十分に薄膜化することができるという効果を奏する。これに伴い、電解質層の膜抵抗の低減を図ることができることから、高温型の燃料電池の動作温度を低温化することができる。また、単位燃料電池が複数積層されていることから、電池出力の増大を図ることができる。
電解質層としては、セラミックス材料によって形成されたものとすることができ、例えば、BaCeO3、SrCeO3系の固体酸化物材料によって形成されたものとすることができる。また、固体高分子膜等の他の種類の電解質を用いることもできる。基材としては、水素透過性を有する金属材料とすることができ、例えば、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびこれらの少なくとも一部を含む合金のいずれかを用いることができる。また、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属を用いることもできる。さらには、電解質層は、基材の片面のみに設けてもよいし、両面に設けてもよい。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータと、該セパレータと接して、前記酸素極に前記酸化ガスを供給するための流路を形成するガスケットとを備え、前記流路内に、当該流路の開口を維持しつつ前記酸素極側の集電の役目を果たす導電部を備える構成とすることができる。
この構成によれば、ガスケットとセパレータにより容易に酸化ガスの流路を形成することができ、導電部により酸素極側の集電を行なうことができる。
前記セパレータとガスケットと導電部を備えた構成の燃料電池スタックにおいて、前記導電部は、前記単位燃料電池の積層方向からの外力に対して弾性変形容易な形状に予め成形された金属材料により形成されたものとすることができる。
電解質層を始めとして電解質膜の各層は非常に薄く、一方、集電のためにこの電解質膜に金属を当てる必要があることから、ガスケットのつぶれ具合によっては、電解質膜の耐久性が心配される。しかし、この構成によれば、導電部が弾性変形することにより、ガスケットのつぶれによって受ける圧力を吸収することができるために、導電部によって電解質膜が損傷されることがない。
前記金属材料は、細板状の金属板である構成とすることができる。さらに、この細板状の金属板は、波形に成形されたものとすることができる。かかる構成により、簡単な構成で、集電と弾性変形の働きを得ることができる。
また、前記金属材料は、細線状の金属細線である構成とすることができる。さらに、前記金属材料は、前記金属細線を編んだり絡ませたりしてスポンジ状にした金属ウールとすることができる。かかる構成により、簡単な構成で、集電と弾性変形の働きを得ることができる。
前記導電部は、前記金属材料の表面に抗酸化処理が施されたものとすることができる。この構成によれば、導電部が流路を流れる酸化ガスによって酸化されるのを防止することができる。
前記ガスケットは、絶縁性の材料によって形成されたものとすることができる。絶縁性とすることで、電子がガスケットから抜けることを防止することでき、この結果、各電極での反応を促進することができる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータを備え、該セパレータは、外側に張り出して、熱伝導度の大きい材料で形成されることにより、該張り出した部分で放熱フィンとして機能させる構成とすることができる。この構成によれば、複雑な冷却構造を燃料電池スタックの内部に設けなくてもすむことから、構造が簡単となる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、外側を覆う絶縁性のケーシングと、該ケーシングと一体となって、前記セパレータの前記張り出した部分に冷却媒体を送る通路を形成する冷却通路部とを備えた構成とすることができる。この構成によれば、ケーシングと冷却通路部とが一体となっており、構造がより一層簡単となる。
前記構成の燃料電池スタックにおいて、前記基材は、前記水素透過性材料と異種の金属材料で作られたパンチングプレートに、前記水素透過性材料を埋め込んで形成されたものとすることができる。この構成によれば、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を異種の金属材料で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。この結果、基材の剥離を防止することができる。
また、前記基材は、前記水素透過性材料とステンレスとの混合物で形成されたものとすることができる。さらに、前記基材は、前記水素透過性材料と銅との混合物で形成されたものとすることができる。ステンレスと銅については、水素透過性材料と混合しても素性の悪い合金となることがないことから、水素透過性材料に混合する異種の金属材料としては優れている。
この発明の燃料電池システムは、
隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータを備え、前記セパレータを、外側に張り出して、熱伝導度の大きい材料で形成されることにより、該張り出した部分を放熱フィンとして機能させる構成の前述した燃料電池スタックを備える燃料電池システムにおいて、
前記セパレータの前記張り出した部分に、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路と、
前記冷却媒体供給路から供給する冷却媒体を、加熱用の媒体に切り換える冷却加熱切替手段と
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、セパレータの張り出した部分に冷却媒体を送ることで、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。さらには、必要に応じてその冷却媒体を加熱用の媒体に切り換えることができることから、簡単な構成で低温時における起動性を高めることができる。
この発明の燃料電池の製造方法は、
(a)隣り合う単位燃料電池間を直列接続するための金属セパレータを準備する工程と、
(b)前記金属セパレータに、緻密な水素透過性材料で形成された基材を接着する工程と、
(c)該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を成膜する工程と、
(d)前記工程(b)で基材に接着した金属セパレータとは極が違う他極側の金属セパレータを、前記電解質層の外側の面側に接着する工程と、
(e)前記工程(a)〜(d)により作成されたものを単位燃料電池として複数作成して、複数の単位燃料電池を積層する工程と、
(f)積層された複数の単位燃料電池を締結部材によって締結する工程と
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、クラックの発生を抑制しながら電解質層を十分に薄膜化することを可能とした燃料電池スタックを容易に製造することができる。これに伴い、電解質層の膜抵抗の低減を図ることができることから、高温型である燃料電池を低い動作温度で動作可能とした燃料電池スタックを容易に製造することができる。
以上説明したこの発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下この発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
図1は、第1実施例としての燃料電池スタック1の構成を模式的に示す説明図である。図2は、燃料電池スタック1を構成する単位燃料電池の構成を模式的に示す説明図である。この単位燃料電池は、いわゆる固体酸化物型の燃料電池に分類される。図2を用いて、まず単位燃料電池(以下、セルと呼ぶ)について説明する。図2には、セルの断面を示した。このセルは、大まかには、2枚の金属セパレータ10,20で電解質膜30を挟んだ構造となっている。
金属セパレータ10には、水素リッチな燃料ガスを供給するための流路12が設けられている。この流路12は、図中、紙面に垂直な方向に伸びるストレートタイプの複数の溝によって構成される。一方の金属セパレータ20には、酸化ガスとしての空気を供給するための流路22が付設されている。この流路22は、金属セパレータ20と電解質膜30との間の空間をガスケット40で囲み込むことにより形成される。金属セパレータ10、20は、銅やアルミニウム等の金属材料で形成可能であり、好ましくは、銅やアルミニウム等のように熱伝導度の大きなものが望ましい。ガスケット40は、絶縁性のもので、ゴムやプラスチック、高耐熱繊維に一部ゴムを含浸させたもの等で形成可能である。なお、流路22は、金属板24によって複数の流路に区分けされているが、この金属板24については後述する。
電解質膜30は、バナジウム(V)で形成された緻密な基材31を中心とする6層構造となっている。基材31の両面には、緻密体の金属拡散抑制層32,33が備えられている。更に金属拡散抑制層32,33の外面には、パラジウム(Pd)の被膜34.35が設けられている。基材31は、緻密な水素透過性材料で形成されたものであればよく、バナジウムに換えて、バナジウムと銅(Cu)の合金、バナジウムとニッケル(Ni)の合金等を用いることができる。その他にも、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属、並びにVA族元素、例えば、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いることができる。被膜34.35は、Pdに換えて、触媒作用のあるPdとAgの合金等とすることができる。なお、燃料極としての金属セパレータ10の側に形成される被膜34は、金属セパレータ10に形成された流路12内に形成されるもので、島状に分離されている。
金属拡散抑制層32,33には、タングステンの酸化物(WO3)を用いることができる。金属拡散抑制層32,33は、基材31と被膜34,35が互いに金属拡散を起こすことを抑制する。金属拡散抑制層32,33は、酸化タングステンに換えて、プロトン伝導体,混合伝導体,セラミックス,およびこれらの複合材料や傾斜材料を用いても良い。例えば、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、Y23SiO2などがある。
さらに、金属セパレータ20側の被膜35の外面には、電解質層36の薄膜が成膜されている。電解質層36としては、プロトン伝導性を有する固体酸化物であるBaCeO3、SrCeO3系等のぺロブスカイト型複合酸化物(ABO3)を用いることができる。なお、電解質層36は、無機質の緻密な電解質材料で形成されたものであればよく、上記固体酸化物に換えて、パイロクロア型複合酸化物(A227)、スピネル型複合酸化物(ABO4)等のプロトン伝導性を有する固体酸化物も用いることができる。
本実施例では、基材31の厚さは100μm、金属拡散抑制層32,33の厚さは1μm、Pdの被膜34,35の厚さは0.75μm、電解質層36の厚さは0.1μmとした。各層の厚さは任意に設定可能である。37は、ろう付け層で、基材31と金属セパレータ10とをろう付けしている。
電解質膜30の電解質層36の外面には、電極38が形成されている。電極38は、多孔質の発泡金属あるいは金属メッシュの板材により形成されている。なお、この電極38には、パラジウム(Pd)または白金(Pt)等の触媒が担持されており、発電過程における反応を促進するための触媒機能を有する。電極38の厚さは、数十〜数百μmとした。
電極38の外面には、前述した空気の流路22が位置するが、この流路22は、多数の金属板24によって複数の流路に区分けされている。金属板24は、波形の細板であり、長手方向の片側の端面が、金属セパレータ20の電解質膜30側の面にろう付け接着されており、長手方向の他方側の端面は、電極38の外面に当接されている。この構成により、金属板24は、酸素極側の集電の役目も果たす。なお、金属板24は、電極38の外面と接触しているだけで接着はなされていないが、ろう付け等により接着するようにすることもできる。金属板24は、例えば、電子導電性を有するワイヤメッシュや焼結体、不繊布等で形成されており、板厚は、例えば、0.5mmである。金属板24の表面は、メッキ等により抗酸化処理が施されている。抗酸化処理が施されているのは、流路22を流れる空気による酸化を防止するためである。
前記のように構成されたセルでは、発電過程において、金属セパレータ20の流路12に供給された燃料ガス中の水素は、プロトンと電子に乖離して、プロトンは電解質層36を移動し、電極38で酸素と結合して水を生成する。このように水素と酸素が結びついて電気と水が発生する。なお、前記構成のセルでは、燃料ガスの流路12を備える金属セパレータ10が燃料極に相当し、電極38が酸素極に相当する。
前記のように構成されたセルを複数積層した燃料電池を備えるのが燃料電池スタック1である。詳細には、図1に示すように、燃料電池スタック1は、セルを、金属セパレータ10、電解質膜30(ガスケット40を含む)、金属セパレータ20の順に複数組、積層した構造である。なお、セルとセルとの境の金属セパレータは、水素極としての金属セパレータ10と酸素極としての金属セパレータ20とが一体となって構成されている。前記積層の組数は、例えば100〜400組であるが、図においては3組として描かれている。
金属セパレータ10,20は、電解質膜30とガスケット40との構造体よりも外側に張り出している。金属セパレータ10,20には、ボルト孔が空けられており、そのボルト孔を通したボルト50により各金属セパレータ10,20は締め付けられている。なお、ボルト50とボルト孔の間には絶縁用カラー(図示せず)が配設されており、ボルト50の頭部部分とナット51の部分には絶縁ワッシャ52が設けられており、金属セパレータ10,20間の絶縁性が確保されている。
燃料電池スタック1は、流路マニホールドを形成するケーシング60により外側が覆われる。図3は、ケーシング60を示す説明図である。図には、ケーシング60のコア部61だけを仮想的に外側に引き出した状態が示されている。ケーシング60は、ステンレス(SUS)等の絶縁性の材料により形成されており、図示するように、六角柱の形状をしたコア部61と、このコア部61の両脇に設けられた冷却ガス用の通路部62,63と、コア部61の前後に設けられた燃料ガス用の入口部64、出口部65と、コア部61の後前に設けられた空気用の入口部66、出口部67とを備える。
ケーシング60は、上側部分と下側部分の2つのパーツから構成されており、燃料電池スタック1は、両パーツによってサンドイッチされてケーシング内に収納される。この収納時には、電解質膜30やガスケット40の部分がコア部61内に位置し、金属セパレータ10,20の張り出し部分、すなわち、電解質膜30やガスケット40の部分よりも外側に張り出した部分が冷却ガス用の通路部62,63に位置する。すなわち、図中A−A線方向に切断したときの燃料電池スタック1の切断面が図1に示したもの(ケーシング60自体は記載されていない)となる向きに、燃料電池スタック1はケーシング60内に収納される。冷却ガス用の通路部62,63に設けられた孔は、燃料電池スタック1に設けられたボルト50用の孔62hである。すなわち、金属セパレータ10,20の張り出し部分は、冷却ガス用の通路部62,63内に完全に張り出しており、この孔62hに通されたボルト50によりケーシングの上下のパーツも燃料電池スタック1と共に締め付け固定されている。
冷却ガス用の通路部62,63は、前側に入口部62a、63aを、後ろ側に出口部62b、63bを備えており、入口部62a、63aおよび出口部62b、63bは、燃料電池スタック1のセルの積層数に応じただけの開口を備える。入口部62a、63aの開口によって分岐されて送られた冷却ガスは、燃料電池スタック1に備えられる各金属セパレータ10,20の前記張り出し部分を伝って出口部62b、63bから排出される。すなわち、その張り出し部分は、放熱フィンとして機能し、上記冷却ガスが送風される。
燃料ガス用の入口部64は、前側の右側部分に設けられており、燃料ガス用の出口部65は、後ろ側の左側部分に設けられている。空気用の入口部66は、後ろ側の右側部分に設けられており、空気用の出口部67は、前側の左側部分に設けられている。コア部61内においては、燃料ガスは、金属セパレータ10に設けられた流路12に対応した分岐路68によって分岐され、空気は、金属セパレータ20に設けられた流路22に対応した分岐路69によって分岐される。燃料ガスと空気は、コア部61内において、流れの高さは違うが平面的にはクロスするようにして燃料電池スタック1内を流れる。なお、燃料ガスと空気は、燃料ガスが前側から後ろ側へ、空気が後ろ側から前側へというように対向流となっているが、これに換えて、空気用の入口部を前側、出口部を後ろ側(あるいは燃料ガス用の入口部を後ろ側、出口部を前側)にして、燃料ガスと空気が同じ向きに流れる並行流となる構成としてもよい。コア部61の分岐路68,69が形成されていない面には、ガスのシールとコア部61を保持する機能を有する絶縁マット(アルミナマット:図中ハッチングの部分)が配設されている。
図4は、上述した燃料電池スタック1の製造工程を示す工程図である。この製造工程では、まず、水素極としての金属セパレータ10に、基材31をろう付けする(ステップS100)。このろう付けは、基材31の片側面の外周に近い部分になされる(図2におけるろう付け層37を参照)。これにより、その片側面のろう付け層37の内側部分に微小な間隙ができる。次に、基材31の両面に金属拡散抑制層32,33を形成する(ステップS110)。詳細には、金属拡散抑制層32,33は、メッキまたは事前に基材31にイオンプレーティング、蒸着等によりコーティングすることにより形成される。基材31の金属セパレータ10側の面に形成される金属拡散抑制層32は、前記間隙に形成される。
続いて、金属拡散抑制層32,33の両外面に、Pdの被膜34,35を形成する(ステップS120)。詳細には、被膜34.35は、メッキすることにより形成される。金属セパレータ10側に形成される被膜34は、金属セパレータ10に形成された流路内に形成される。
その後、金属セパレータ20側に形成された被膜35の外側の面に、電解質層36を成膜する(ステップS130)。電解質層36の成膜は、電解質を生成しつつ行なわれるが、例えば、物理蒸着、化学蒸着、スパッタリングなど種々の手法を用いることができる。基材31は緻密であるため、電解質層36の十分な薄膜化が可能である。続いて、電解質層36の外側の面に電極38を成膜する(ステップS140)。電極38の成膜は、物理蒸着、化学蒸着、スパッタリングなど種々の手法を用いることができる。次いで、酸素極としての金属セパレータ20に多数の金属板24をろう付けにより接着する(ステップS150)。
その後、前記ステップS100ないしS150で作られたものを1セルとして、ガスケット40を基材31に当たるように介在させて複数セルを順に積層する(ステップS160)。その後、ケーシング60で覆う(ステップS170)。このときケーシング60に前述した絶縁マットのセットも行なう。その後、ボルト50、ナット51、絶縁ワッシャ52、前述した絶縁用カラーを用いて、ケーシング60で覆われた燃料電池スタック1を締結する(ステップS180)。こうして燃料電池スタック1が完成する。なお、この燃料電池スタック1の使用に際しては、最も下側に位置する金属セパレータ10と最も上側に位置する金属セパレータ20との間に電気的な負荷70(図1参照)を接続するようにする。
以上で説明した燃料電池スタック1によれば、無機質の緻密な電解質層36を、緻密な基材31とともに設けることにより、電解質層36におけるクラックの発生を抑制しながら電解質層36を十分に薄膜化することができる。したがって、電解質層36の膜抵抗の低減を図ることができることから、固体酸化物型燃料電池の動作温度を、例えば400〜600℃と低温化することができる。また、単位燃料電池が直列に複数積層されていることから、電池出力の増大を図ることができる。
また、この実施例では、ガスケット40とセパレータ20により容易に空気の流路22を形成することができる。さらに、次のような効果もある。電極38のような平板電極から電子を受け取るには、水素極側の金属セパレータ10と同様に、溝付きのものとするのが一般的な構成であるが、この構成において、電解質膜30の周囲にこの実施例のようにガスケット40を設けた場合(結局、後述する図8の変形例に示す構成となる)、ボルト50による燃料電池スタック1の締め付けによって、ガスケット40がつぶれると、金属セパレータ10の流路溝間のリブが電極38に押し付けられることになり、電極38や電解質層36が損傷する恐れがあった。これに対して、この実施例では、金属板24のような細板を用いて、しかも金属板24は波形となっていることから、燃料電池スタック1の締め付け方向、すなわちセルの積層方向からの締め付け圧に対して、金属板24が変形してばねの働きをすることにより、その圧力を吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。
なお、金属板24は波形となっているが、必ずしも波形でなくとも、セルの積層方向からの圧力に対して、予め弾性変形し易いような形状であればどのような形状でもよい。
この実施例では、ガスケット40が、絶縁性の材料によって形成されていることから、電子がガスケット40から抜け出ることがない。この結果、各電極での反応を促進することができる。
この実施例では、セルとセルの境に設けられる金属セパレータ10,20を電解質膜30やガスケット40の部分から張り出すように構成して、しかも、金属セパレータ10,20を銅やアルミニウム等の熱伝導度の大きい材料で形成していることから、この張り出し部分で放熱フィンとして機能させることができる。このために、複雑な冷却構造を燃料電池スタック1の内部に設けなくてもすむことから、構造が簡単である。特に、この実施例では、ケーシング60の形状によって、その張り出し部分に冷却ガスが直接あたるように構成されていることから、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。
前記第1実施例の変形例を以下に説明する。
図5は、変形例としての電解質膜の層構成の一覧を示す説明図である。ケースAは、前記実施例の構造(図2)に相当する。つまり、基材31の両面に金属拡散抑制層32,33を設け、さらに外側にPdの被膜34,35を設け、その酸素極側の面に電解質層36を設けた構造である。
第1実施例の燃料電池スタック1の各セルに備えられる電解質膜は、緻密な水素透過性材料の基材と電解質層が設けられていればよく、例えば、ケースBのように、酸素極側の被膜35を取り除いた構成としてもよい。燃料極側の被膜34によっても、燃料ガス中の水素はプロトンと電子に乖離されることから、プロトンは電解質層36を移動することから電池反応を起こすことができる。
また、ケースCのように、両方の金属拡散抑制層32、33を取り除いた構成としてもよいし、ケースD,Eのように、いずれか一方の金属拡散抑制層32(33)を取り除いた構成としてもよい。金属拡散抑制層32,33は、被膜34.35を構成するPdと基材31とが互いに金属拡散を起こすことを抑えるために間に置いたもので、金属拡散を容認するならば取り除くこともできる。なお、ケースC〜Eでは、被膜35を設けているが、ケースBと同様に、被膜35を取り除いた構成としてもよい。
さらに、電解質膜は、緻密な水素透過性材料の基材の両側にそれぞれ電解質層を備える構成とすることもできる。詳細には、前記実施例において、基材31と金属拡散抑制層32の間に、電解質層36と同じ電解質層を備えた構成とする。この構成によれば、前記実施例と同様に、電解質層を薄膜化することができることから、固体酸化物型燃料電池の動作温度を低温化することができる。
なお、第1実施例では、固体酸化物からなる電解質層36は、金属セパレータ20側の被膜35の外面に成膜するように構成されていたが、予め薄膜化しておき、成膜に換えて貼り付ける構成とすることもできる。この構成によっても、電解質層を、緻密な基材31とともに設けることにより十分に薄膜化することが可能である。
第1実施例では、導電部としての金属板24は予め弾性変形しやすいように波形に曲げてあったが、これに換えて、平板を用いて電極38と接触する側の先端部にばね機構を設けることで、セルの積層方向からの外力に対して弾性変形しやすい構成とすることもできる。図6は、その構成としての導電部224を示す説明図である。図示するように、導電部224における電極38と接触する側の先端部224aを、鍵状の形とすることで、板ばねのように作用するようにする。この構成によっても、前記実施例と同様に、セルの積層方向からの締め付け圧に対して、導電部224の先端部224aが変形してばねの働きをすることにより、その圧力を吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。
第1実施例では、導電部として細板である金属板24が用いられていたが、これに換えて、金属細線とすることができる。金属細線は、ワイヤー状のもので、例えば、ニッケルやステンレス(SUS)等で形成されており、径は、例えば、0.1mmである。多数の金属細線を酸素極側の金属セパレータ20に立設して、各金属細線の他方側の端部が電極38に立設するように構成する。金属細線は、前記実施例の金属板24と同様に、波形に予め曲げられているのが好ましい。これら金属細線は、表面に抗酸化処理が施されたものが好ましい。
さらには、金属細線を編んだり絡ませたりしてスポンジ状にした金属ウールを作成して、前記実施例において、金属板24を取り除いて、ガスケット40によって取り囲まれた空気の流路22内に、その金属ウールを充填する構成とすることもできる。この変形例によっても、セルの積層方向からの締め付け圧を金属ウールによって吸収することができる。このために、電解質層36や電極38の損傷を防止することができる。なお、金属ウールを作成する金属細線は、表面に抗酸化処理が施されたものが好ましい。第1実施例やこれら変形例の導電部によれば、酸化ガスの流路22の開口は十分に維持される。
なお、前記第1実施例や変形例では、平板形状の電極38を電解質層36の表面に設けて、その電極38に導電部を接触させて金属セパレータ20への集電を行なっているが、電極38を取り除いて、導電部を直接電解質層36に接触する構成とすることもできる。前述してきたように導電部は、細板または細線によって形成され、さらにはばねの働きをする形状に予め形成されていることから、直接電解質層36と接触しても、電解質層36を損傷する恐れが小さい。なお、損傷をより一層確実に防止することを目的として、電極38は勿論のこと、電極38の金属セパレータ20側の表面に金属製のパンチングプレートを置き、導電部をこのパンチングプレートに接触させる構成とすることもできる。
第1実施例におけるガスケット40は、図2に示す形状に限る必要もなく、空気の流路22としての充分なシールド性を有するならば、種々の形状に換えることができる。
第1実施例において、基材31は緻密な水素透過性材料で形成されていたが、この水素透過性材料は、水素の透過時に水素膨張を起こし、また逆に、水素の非透過時に収縮することから、システムの起動・停止の繰り返しにより膨張・収縮が発生して基材31の剥離が生じる恐れがある。この問題を解決するいくつかの変形例を次に説明する。
(a)第1の例は、パンチングプレートに水素透過性材料を埋め込み、基材とした構成である。図7は、その板材231の平面を示す説明図である。図示するように、板材231は、Vより融点の高い金属材料(モリブデン(Mo)やタングステン(W)など)で作られたパンチングプレート240を備え、そのパンチングプレート240の穴240aにバナジウム(V)が埋め込まれた構成をしている。作成の仕方は、上記金属材料で作られたパンチングプレート240を用意し、そのパンチングプレート240の穴240aにVを熱間等方圧加圧法(HIP)により埋め込み、その後、焼成するものである。このように作成することで、Vが穴240aに隙間無しに埋め込まれる。この板材231を基材とすることで、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を他の金属で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。
(b)第2の例は、ステンレス(SUS)のパンチングプレートにバナジウム(V)の粉末を埋め込み、熱間等方圧加圧法(HIP)により加圧処理した板材を、基材とした構成である。上記(a)と同様に、水素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分を他の金属で囲み込むことができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。パンチングプレートは、SUSに換えて、Cu等の水素透過性材料と違う異種の金属材料とすることもできる。
(c)第3の例は、Vの細線をSUSで鋳ぐるみにし圧延することにより生成した板材を、基材とした構成である。詳細には、Vで形成された剣山状のものを用意して、その剣山の隙間にVより融点の低い金属材料(SUSやCu)を埋め込み、その後、鋳造し、圧延した板材である。この板材を基材として用いることで、素透過性材料の部分の面積を小さくして、かつその部分の周囲に他の金属材料を介在させることができることから、基材の水素膨張を防ぐことができる。
(d)CuとVとを混ぜ合わせてCuの大きな粒子をVの小さな粒子で囲むようにして、熱間等方圧加圧法(HIP)により加圧処理した板材を、基材とした構成である。この構成によっても、上記(3)と同様な効果を奏する。
(e)前記(c)、(d)は、基材を、水素透過性材料とステンレスとの混合物、または水素透過性材料と銅との混合物で形成したものの一例であり、両混合物は、前記(c)、(d)に示した方法で作成したものに限る必要はなく、他の方法で作成したものであってもよい。なお、ステンレスと銅については、水素透過性材料と混合しても素性の悪い合金となることがないことから、水素透過性材料に混合する異種の金属材料としては優れている。
前記第1実施例では、空気の流路22は、金属セパレータ20と電解質膜30との間の空間をガスケット40で囲み込むことにより形成されているが、これに換えて、燃料の流路12と同様に、金属セパレータに溝を設けることにより形成してもよい。図8は、燃料の流路、空気の流路共に溝付き金属セパレータとした変形例を示す説明図である。図示するように、酸素極側の金属セパレータ320にも、燃料極側と同様に、ストレートタイプの複数の溝322を設け、溝間のリブが電極38(第1実施例と同じパーツには同一の番号を付した)に接触するように構成する。
この変形例によれば、第1実施例で説明してきた金属板24による効果を奏しないが、それ以外の効果は第1実施例と同様である。
前記第1実施例では、金属セパレータ10,20が、電解質膜30やガスケット40の部分より張り出して、その張り出し部分が冷却ガス用の通路部62,63に位置するように構成したが、これに換えて、電解質膜30やガスケット40の部分より内側に冷却ガス用の通路が内在する構成とすることもできる。図9は、この変形例を示す説明図である。図示するように、燃料ガス側の金属セパレータ410を両面に溝付きの形状とすることで燃料ガスの流路412と冷却ガス用の流路419が形成されるようにする。この金属セパレータ410は、空気の流路422を備える金属セパレータ420と接着、ろう付け等により接合されている。かかる構成により、冷却ガス用の流路がコア内に設けられることになることから、コンパクト化することができる。
本発明の第2実施例について次に説明する。第2実施例は、第1実施例で説明した燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の冷却系統とを備える燃料電池システムについてのものである。図10は、第2実施例の燃料電池システム500の概略構成を示す構成図である。図示するように、燃料電池システム500は、第1実施例と同じ燃料電池スタック1を備える。燃料電池スタック1のケーシングに備えられた冷却ガス用の入口部62a,63aに、冷却空気供給路502が接続されている。冷却空気供給路502の他端には、空気供給ブロア504が接続されており、空気供給ブロア504から空気が冷却空気供給路502を介して燃料電池スタック1に送られる。
冷却空気供給路502の途中には、水供給装置506から水が供給可能となっている。水供給装置506は、電子制御ユニット(ECU)510から制御信号を受けて、水の供給を行なったり中止したりすることができる。水供給装置506から冷却空気供給路502に水の供給が行なわれると、燃料電池スタック1には、液状あるいは霧状となった水が空気と共に供給されることになる。これらの冷却媒体は燃料電池スタック1の冷却ガス用の通路部62,63を通って、金属セパレータ10、20の張り出し部分を伝う。空気中に液状あるいは霧状に含まれた水分は燃料電池スタック1からの熱を受けて一部あるいは全体が蒸発し、蒸発潜熱により燃料電池スタック1が効果的に冷却される。
また、冷却空気供給路502の途中には、ヒータ512が設けられており、冷却空気供給路502を通る空気を加熱することができる。ヒータ512はリレー514と接続されており、ECU510から制御信号をリレー514に受けることで、ヒータによる加熱を行なったり中止したりすることができる。
燃料電池スタック1の所定の部位には、温度センサ516が設けられており、燃料電池スタック1の温度を検出することができる。温度センサ516の出力信号はECU510に送られる。ECU510には、システムスイッチ520が接続されている。システムスイッチ520は、操作者による操作を受けて、この燃料電池システム500を駆動し停止するスイッチである。なお、燃料電池システム500は、燃料電池スタック1の燃料ガス用の入口部64、空気用の入口部66(図3参照)に燃料ガス、空気をそれぞれ送る燃料系統と空気系統とを備えるが、これらの系統については図10では省略している。また、図示はしないが、燃料電池スタック1には、なんらかの負荷が接続されている。
上記ECU510は、CPU、ROM、RAM等から構成されるいわゆるマイクロコンピュータである。ECU510によって実行される燃料電池システム500の始動時制御ルーチンについて、次に説明する。
図11は、始動時制御ルーチンを示すフローチャートです。この制御ルーチンは所定時間毎に繰り返して実行される。図示するように、処理が開始されると、ECU510のCPUは、まず、システムスイッチ520が、オフからオンに切り換えられたときであるか否かを判別する(ステップS600)。ここで、その切り換えられたときであると判別されると、まず、空気供給ブロア504を稼働させる(ステップS605)。次いで、温度センサ516から温度Tを読み込んで(ステップS610)、その温度Tが、所定値T0(例えば、0℃)以下であるか否かを判別する(ステップS620)。
CPUは、ステップS620で温度TがT0以下であると判別されると、リレー514をオンに切り換えて(ステップS630)、ステップS620に処理を戻す。一方、ステップS620で否定判別されて、温度TがT0を上回ると判別された場合には、リレー514をオフに切り換えて(ステップS640)、その後、「リターン」に抜けてこの処理を終了する。
なお、ステップS600で否定判別された場合には、そのまま「リターン」に抜けてこの処理を終了する。
以上のように構成された始動時制御ルーチンによれば、システムスイッチ520がオフからオンに操作されると、空気供給ブロア504がオンされ、リレー514がオンされることで、加熱された空気が燃料電池スタック1の冷却ガス用の通路部62,63に供給される。この結果、燃料電池スタック1が加熱される。
なお、図示しない制御ルーチンにより、温度センサ516により検出された温度Tが、所定値T1(≧T0)を越えた場合には、水供給装置506を稼働するように構成されている。この構成により、温度Tが所定T1を越えた場合には、水供給装置506から冷却空気供給路502に水の供給が行なわれることにより、上述したように、蒸発潜熱により燃料電池スタック1が冷却される。
したがって、この第2実施例によれば、燃料電池スタック1の金属セパレータ10,20の張り出した部分に冷却媒体を送ることで、簡単な構成で冷却効率の向上を図ることができる。さらには、必要に応じてその冷却媒体を加熱用の媒体に切り換えることができることから、簡単な構成で低温時における起動性を高めることができる。
以上、本発明の種々の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、電解質層は、固体高分子膜等の他の種類の電解質に換えてもよい。
第1実施例としての燃料電池スタック1の構成を模式的に示す説明図である。 燃料電池スタック1を構成する単位燃料電池の構成を模式的に示す説明図である。 ケーシング60を示す説明図である。 燃料電池スタック1の製造工程を示す工程図である。 変形例としての電解質膜の層構成の一覧を示す説明図である。 変形例としての導電部224を示す説明図である。 変形例の基材としての板材231の平面を示す説明図である。 燃料の流路、空気の流路共に溝付き金属セパレータとした変形例を示す説明図である。 冷却ガス用の流路をコア内に設けた変形例を示す説明図である。 第2実施例の燃料電池システム500の概略構成を示す構成図である。 始動時制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池スタック
10,20…金属セパレータ
12…燃料ガスの流路
22…空気の流路
24…金属板
30…電解質膜
31…基材
32,33…金属拡散抑制層
34,35…被膜
36…電解質層
37…ろう付け層
38…電極
40…ガスケット
50…ボルト
51…ナット
52…絶縁ワッシャ
60…ケーシング
61…コア部
62,63…冷却ガス用の通路部
62a,63a…入口部
62a…入口部
62b…出口部
62h…孔
64…入口部
65…出口部
66…入口部
67…出口部
224…導電部
224a…先端部
231…板材
240…パンチングプレート
240a…穴
320…金属セパレータ
322…溝
500…燃料電池システム
502…冷却空気供給路
504…空気供給ブロア
506…水供給装置
512…ヒータ
514…リレー
516…温度センサ
520…システムスイッチ

Claims (18)

  1. 緻密な水素透過性材料で形成された基材を備え、該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を設けた電解質膜と、
    該電解質膜の一方の面に配置され、水素を含有する燃料ガスの供給を受ける燃料極と、
    該電解質膜の他方の面に配置され、酸素を含有する酸化ガスの供給を受ける酸素極と
    を備える単位燃料電池を、複数積層してなる燃料電池スタック。
  2. 請求項1に記載の燃料電池スタックであって、
    隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータと、
    該セパレータと接して、前記酸素極に前記酸化ガスを供給するための流路を形成するガスケットと
    を備え、
    前記流路内に、当該流路の開口を維持しつつ前記酸素極側の集電の役目を果たす導電部を備える燃料電池スタック。
  3. 請求項2に記載の燃料電池スタックであって、
    前記導電部は、前記単位燃料電池の積層方向からの外力に対して弾性変形容易な形状に予め成形された金属材料により形成されたものである燃料電池スタック。
  4. 請求項3に記載の燃料電池スタックであって、
    前記金属材料は、細板状の金属板である燃料電池スタック。
  5. 請求項4に記載の燃料電池スタックであって、
    前記金属板は、波形に成形されたものである燃料電池スタック。
  6. 請求項3に記載の燃料電池スタックであって、
    前記金属材料は、細線状の金属細線である燃料電池スタック。
  7. 請求項6に記載の燃料電池スタックであって、
    前記金属材料は、前記金属細線を編んだり絡ませたりしてスポンジ状にした金属ウールである燃料電池スタック。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記導電部は、前記金属材料の表面に抗酸化処理が施されたものである燃料電池スタック。
  9. 請求項2ないし8のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記ガスケットは、絶縁性の材料によって形成されたものである燃料電池スタック。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    隣り合う単位燃料電池間に介在されるセパレータを備え、
    該セパレータは、前記電解質膜より外側に張り出して、熱伝導度の大きい材料で形成されることにより、該張り出した部分を放熱フィンとして機能させる構成である燃料電池スタック。
  11. 請求項10に記載の燃料電池スタックであって、
    外側を覆う絶縁性のケーシングと、
    該ケーシングと一体となって、前記セパレータの前記張り出した部分に冷却媒体を送る通路を形成する冷却通路部と
    を備える燃料電池システム。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記基材は、前記水素透過性材料と異種の金属材料で作られたパンチングプレートに、前記水素透過性材料を埋め込んで形成されたものである燃料電池スタック。
  13. 請求項1ないし11のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記基材は、前記水素透過性材料とステンレスとの混合物で形成されたものである燃料電池スタック。
  14. 請求項1ないし11のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記基材は、前記水素透過性材料と銅との混合物で形成されたものである燃料電池スタック。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記電解質層は、セラミックス材料によって形成されたものである燃料電池スタック。
  16. 請求項15に記載の燃料電池スタックであって、
    前記電解質層は、固体酸化物材料によって形成されたものである燃料電池スタック。
  17. 請求項10に記載の燃料電池スタックを備える燃料電池システムであって、
    前記セパレータの前記張り出した部分に、冷却媒体を供給する冷却媒体供給路と、
    前記冷却媒体供給路から供給する冷却媒体を、加熱用の媒体に切り換える冷却加熱切替手段と
    を備える燃料電池システム。
  18. 燃料電池スタックの製造方法であって、
    (a)隣り合う単位燃料電池間を直列接続するための金属セパレータを準備する工程と、
    (b)前記金属セパレータに、緻密な水素透過性材料で形成された基材を接着する工程と、
    (c)該基材の少なくとも一方の面側に無機質の緻密な電解質層を成膜する工程と、
    (d)前記(a)で基材に接着した金属セパレータとは極が違う他極側の金属セパレータを、前記電解質層の外側の面側に接着する工程と、
    (e)前記(a)〜(d)により作成されたものを単位燃料電池として複数作成して、複数の単位燃料電池を積層する工程と、
    (f)積層された複数の単位燃料電池を締結部材によって締結する工程と
    を備える燃料電池スタックの製造方法。
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