JP2000012048A - 燃料電池用ガスセパレータと該燃料電池用セパレータを用いた燃料電池、並びに燃料電池用ガスセパレータの製造方法 - Google Patents

燃料電池用ガスセパレータと該燃料電池用セパレータを用いた燃料電池、並びに燃料電池用ガスセパレータの製造方法

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JP2000012048A
JP2000012048A JP10189927A JP18992798A JP2000012048A JP 2000012048 A JP2000012048 A JP 2000012048A JP 10189927 A JP10189927 A JP 10189927A JP 18992798 A JP18992798 A JP 18992798A JP 2000012048 A JP2000012048 A JP 2000012048A
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Tsuneji Yoshimura
常治 吉村
Seiji Mizuno
誠司 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセパレータにおいて歪みが生じるのを防
止する。 【解決手段】 セパレータ30は、所定の凹凸形状に成
形された2枚の基材板62,64を貼り合わせてなる基
板部60と、基材板62,64の凹凸形状に応じて基材
板62,64間に形成される空隙に設けられた充填部6
6と、基板部60の表面に形成されるコート層68とを
備える。このようなセパレータ30では、所定の凹凸形
状に成形することによって基材板62,64のそれぞれ
に生じた歪みは、2枚の基材板62,64を貼り合わせ
ることにより互いに矯正されるため、セパレータ30に
おいて歪みが生じるのを抑えることができる。また、基
材板62,64の間に導電性材料を介在させることによ
って充填部66を形成することで、セパレータ30の導
電性および熱伝導性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用ガスセ
パレータと該燃料電池用ガスセパレータを用いた燃料電
池、並びに燃料電池用ガスセパレータの製造方法に関
し、詳しくは、単セルを複数積層して構成する燃料電池
において、隣接する単セル間に設けられ、隣接する部材
との間で燃料ガス流路および酸化ガス流路を形成すると
共に、燃料ガスと酸化ガスとを隔てる燃料電池用ガスセ
パレータと該燃料電池用ガスセパレータを用いた燃料電
池、並びに燃料電池用ガスセパレータの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池用ガスセパレータは、複数の単
セルが積層された燃料電池スタックを構成する部材であ
って、充分なガス不透過性を備えることによって、隣り
合う単セルのそれぞれに供給される燃料ガスおよび酸化
ガスが混じり合うのを防いでいる。従来、このような燃
料電池用ガスセパレータは、炭素材料あるいは金属材料
を用いて製造されてきた。一般に、金属材料は強度に優
れているため、炭素材料を用いる場合に比べてより薄い
ガスセパレータを製造することが可能であり、ガスセパ
レータを薄くすることによって、燃料電池全体を小型化
することが可能となる。
【0003】また、燃料電池用ガスセパレータは、通常
は所定の凹凸構造を有し、この凹凸構造によって、燃料
電池内で隣接する部材との間で、上記した燃料ガスおよ
び酸化ガスの流路を形成する。このような凹凸構造を有
するガスセパレータを、金属材料によって製造する方法
として、金属板をプレス成形する方法が提案されている
(例えば、特開平7−161365号公報等)。このよ
うな製造方法によれば、プレス成形という簡便な方法に
よって燃料電池用ガスセパレータを製造することができ
るため、製造工程を簡素化・短期化して生産性を向上さ
せ、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄い金
属板をプレスして、両面に所定の凹凸形状を有するガス
セパレータを製造する場合には、金属板をプレスするこ
とによってガスセパレータに歪みが生じてしまうという
問題がある。所定の部材を積層して燃料電池を組み立て
る際に、このように歪んだガスセパレータを用いると、
ガスセパレータに隣接する部材とガスセパレータとが接
触する際の面圧が、燃料電池全体で充分に均一にならな
いおそれがある。すなわち、燃料電池内に組み込まれた
歪んだガスセパレータでは、この歪みによって、ガスセ
パレータに隣接する部材とガスセパレータとが接触する
際の面圧が低い領域が生じ、このような領域では、隣接
する部材との接触面が実質的に小さくなり、これによっ
て導電性が低下し、燃料電池動作時の内部抵抗が大きく
なるため電池性能が損なわれてしまう。また、上記面圧
が低い領域では、熱伝導性も低下するため、燃料電池の
内部温度の不均一化を引き起こし、電池性能の低下を招
く。さらに、歪んだガスセパレータを積層して燃料電池
を構成する場合には、そのガスセパレータの外周部にお
いて充分なガスシール性を確保することが困難になると
いう問題も生じる。
【0005】本発明の燃料電池用ガスセパレータと該燃
料電池用セパレータを用いた燃料電池、並びに燃料電池
用ガスセパレータの製造方法は、こうした問題を解決
し、ガスセパレータにおいて歪みが生じるのを防止する
ことを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第1の燃料電池用ガスセパレータは、電解質層お
よび電極層を含む複数の部材を積層してなる燃料電池内
に、前記複数の部材の一つとして積層されると共に、表
面に、前記燃料電池内を通過する流体の流路を形成する
ための所定の凹凸形状を有する燃料電池用ガスセパレー
タであって、各々の一方の面上に前記所定の凹凸形状が
形成された2枚の薄板を、他方の面同士が対向するよう
に貼り合わせて成ることを要旨とする。
【0007】以上のように構成された本発明の第1のガ
スセパレータは、所定の凹凸形状を有する2枚の薄板を
貼り合わせてなるため、2枚の薄板が互いに、凹凸形状
を形成することで生じた歪みを抑え合い、ガスセパレー
タ全体の歪みが少なくなる。さらに、セパレータのそれ
ぞれの面に形成される凹凸形状を、2枚の薄板を用いて
別々に形成するため、1枚の板材を用いてその両面に凹
凸形状を形成する場合に比べて、ガスセパレータ表面に
形成する凹凸形状の設計の自由度が大きくなるという効
果を奏する。さらに、一枚の板材を用いてその両面に凹
凸形状を形成する場合に比べて、ガスセパレータ全体の
厚みをより薄くすることが可能になる。すなわち、一枚
の板材の両面に凹凸形状を形成する場合には、これら両
面の凹凸形状を形成するのに充分な厚みを有する板材を
用いてガスセパレータを製造する必要があるが、本発明
のガスセパレータは、このように厚い板材を用いる必要
がない。また、このようなガスセパレータを用いて燃料
電池を構成すれば、ガスセパレータの歪みが抑えられて
いるため、燃料電池を構成する各単セル内で生じる面圧
をより均一にすることができ、部分的に面圧が低下する
ことに起因して内部抵抗が増大し電池性能が低下してし
まうのを防止することができる。
【0008】このようなガスセパレータにおいて、前記
2枚の薄板間に空隙が形成される場合、該空隙に導電性
部材を介在させる構成も好ましい。
【0009】このような構成とすれば、ガスセパレータ
の強度を向上させることができ、ガスセパレータをより
薄く形成することが可能となる。さらに、ガスセパレー
タ全体の導電性を向上させることができ、このガスセパ
レータを用いることによって、燃料電池の電池性能を向
上させることができる。また、ガスセパレータ全体の熱
伝導性を向上させることもできる。熱伝導性が向上する
ことにより、このようなセパレータを用いた燃料電池に
おいて、燃料電池の始動時に内部温度をより速やかに昇
温させて立ち上げ時間を短くしたり、燃料電池内部を循
環する冷却水による冷却効率を向上させて、燃料電池の
内部温度をより均一な状態にすることが可能となる。
【0010】また、本発明の第1の燃料電池用ガスセパ
レータにおいて、前記薄板は、金属製の薄板であること
としてもよい。このような構成とすれば、ガスセパレー
タの歪みを抑える効果をより顕著に得ることができる。
すなわち、金属材料は、他の炭素材料などに比べて優れ
た強度を有しているため、より薄いガスセパレータを製
造することができるという利点を有しているが、特にプ
レス成形によって大きな歪みが生じてしまい、金属製の
薄板を用いて本発明の第1の燃料電池用ガスセパレータ
を構成することによって、歪みを抑える大きな効果を得
ることができる。
【0011】このような本発明の燃料電池用ガスセパレ
ータにおいて、前記所定の凹凸形状によって、前記燃料
電池内で形成される流路を通過する流体は、水素を含有
する燃料ガス、酸素を含有する酸化ガス、燃料電池の内
部を冷却する冷却液の中から選択される流体であること
としてもよい。
【0012】本発明の第1の燃料電池は、水素を含有す
る燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスの供給を受け、電
気化学反応によって起電力を得る燃料電池であって、請
求項1ないし4いずれか記載の燃料電池用ガスセパレー
タを備えることを要旨とする。
【0013】本発明の第1の燃料電池によれば、この燃
料電池を構成するガスセパレータにおいて歪みが小さい
ため、燃料電池を構成する各単セル内で生じる面圧をよ
り均一にすることができ、部分的に面圧が低下すること
に起因して内部抵抗が増大し電池性能が低下してしまう
のを防止することができる。
【0014】本発明の第1の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法は、電解質層および電極層を含む複数の部材
を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
る燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、
(a)各々の一方の面上に前記所定の凹凸形状が形成さ
れた2枚の薄板を用意する工程と、(b)前記2枚の薄
板の他方の面同士が対向するように、前記2枚の薄板を
貼り合わせる工程とを備えることを要旨とする。
【0015】本発明の第1の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法によれば、所定の凹凸形状が形成された2枚
の薄板を貼り合わせてガスセパレータを製造するため、
貼り合わせる2枚の薄板によって、凹凸形状を形成する
ことによって生じる歪みが互いに矯正され、歪みの少な
いガスセパレータを製造することができる。さらに、セ
パレータのそれぞれの面に形成される凹凸形状を、2枚
の薄板を用いて別々に形成するため、1枚の板材を用い
てその両面に凹凸形状を形成する製造方法による場合に
比べて、ガスセパレータ表面に形成する凹凸形状の設計
の自由度が大きくなるという効果を奏する。さらに、一
枚の板材を用いてその両面に凹凸形状を形成する製造方
法による場合に比べて、ガスセパレータ全体の厚みをよ
り薄くすることが可能になる。すなわち、一枚の板材の
両面に凹凸形状を形成する場合には、これら両面の凹凸
形状を形成するのに充分な厚みを有する板材を用いてガ
スセパレータを製造する必要があるが、本発明のガスセ
パレータは、このように厚い板材を用いる必要がない。
【0016】本発明の第1の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法において、前記(b)工程において前記2枚
の薄板を貼り合わせる際に、前記2枚の薄板間に空隙が
形成される場合、該空隙に介在するように、前記2枚の
薄板の間に導電性物質を配置して、前記貼り合わせを行
なうこととしてもよい。このような構成とすれば、より
強度に優れたガスセパレータを製造することができ、よ
り薄いガスセパレータを製造することが可能となる。さ
らに、ガスセパレータ全体の導電性および熱伝導性を向
上させることができる。
【0017】本発明の第2の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法は、電解質層および電極層を含む複数の部材
を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
る燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、
(a)2枚の薄板を用意する工程と、(b)前記2枚の
薄板の間に導電性物質が介在するように、前記2枚の薄
板を重ね合わせる工程と、(c)前記導電性物質によっ
て介在されながら重ね合わされた2枚の薄板を、プレス
成形すると共に貼り合わせ、貼り合わされた前記2枚の
薄板の表面に、前記所定の凹凸形状を形成する工程とを
備えることを要旨とする。
【0018】本発明の第2の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法によれば、2枚の薄板をプレス成形すると共
に貼り合わせ、このプレス成形によって、2枚の薄板各
々の表面に所定の凹凸形状を形成するため、貼り合わせ
る2枚の薄板によって、凹凸形状を形成することによっ
て生じる歪みが互いに矯正され、歪みの少ないガスセパ
レータを製造することができる。さらに、本発明の第1
の燃料電池用ガスセパレータの製造方法と同様に、ガス
セパレータ表面に形成する凹凸形状の設計の自由度が大
きくなり、さらに、より薄いガスセパレータを製造する
ことが可能になる。
【0019】本発明の第1または第2の燃料電池用ガス
セパレータの製造方法において、前記薄板は、金属製の
薄板であることとしてもよい。このような構成とすれ
ば、ガスセパレータの歪みを抑える効果をより顕著に得
ることができる。すなわち、金属板のプレス成形は特に
歪みの問題が大きく生じてしまうが、本発明のガスセパ
レータの製造方法によって、歪みを抑える大きな効果を
得ることができる。
【0020】本発明の第2の燃料電池用ガスセパレータ
は、電解質層および電極層を含む複数の部材を積層して
なる燃料電池内に、前記複数の部材の一つとして積層さ
れると共に、表面に、前記燃料電池内を通過する流体の
流路を形成するための所定の凹凸形状を有する燃料電池
用ガスセパレータであって、薄板状に形成され、その厚
み方向に貫通する複数の孔を備えるセパレータ基板部
と、導電性物質からなり、前記孔に貫入されて、前記セ
パレータ基板部の少なくとも片面に凸構造を形成する貫
通部材とを備えることを要旨とする。
【0021】以上のように構成された本発明の第2の燃
料電池用ガスセパレータは、前記セパレータ基板部とは
別部材である前記貫通部材を用いることによって、燃料
電池用ガスセパレータ表面に前記所定の凹凸形状を形成
するため、凹凸形状を形成することに起因してガスセパ
レータに歪みが生じてしまうのを抑えることができる。
すなわち、ガスセパレータを構成する前記セパレータ基
板部において、曲げたり引き延ばしたりといった歪みの
原因となる力が加わることがない。
【0022】ここで、前記燃料電池用ガスセパレータの
両面に前記所定の凹凸構造を形成する燃料電池用ガスセ
パレータでは、前記孔において、前記貫通部材を前記セ
パレータ基板部の両面に突出させ、前記燃料電池用ガス
セパレータ両面の対応する同じ位置に、前記凹凸形状を
形成する凸構造を設けることとすればよい。一方の面に
だけ前記凹凸構造を形成し、他方の面は平板状となって
いる燃料電池用ガスセパレータでは、前記孔において、
一方の面側にだけ前記貫通部材が突出し、他方の面では
前記貫通部材は表面に突出していない構造とすればよ
い。このような燃料電池において、前記貫通部材は導電
性物質からなるため、前記貫通部材によってガスセパレ
ータとしての導電性が充分に確保できる場合には、前記
セパレータ基板部は導電性を備えている必要はなく、前
記セパレータ基板部を構成する材料の選択の幅を広げる
ことができる。
【0023】本発明の第2の燃料電池は、水素を含有す
る燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスの供給を受け、電
気化学反応によって起電力を得る燃料電池であって、請
求項10記載の燃料電池用ガスセパレータを備えること
を要旨とする。
【0024】本発明の第2の燃料電池によれば、この燃
料電池を構成するガスセパレータにおいて歪みが小さい
ため、燃料電池を構成する各単セル内で生じる面圧をよ
り均一にすることができ、部分的に面圧が低下すること
に起因して内部抵抗が増大し電池性能が低下してしまう
のを防止することができる。
【0025】本発明の第3の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法は、電解質層および電極層を含む複数の部材
を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
る燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、
(a)薄板状のセパレータ基板部を用意する工程と、
(b)前記セパレータ基板部の所定の位置に、該セパレ
ータ基板部をその厚み方向に貫通する複数の孔を設ける
工程と、(c)導電性物質からなる貫通部材を、前記複
数の孔のそれぞれに貫入し、前記セパレータ基板部の表
面に前記所定の凹凸構造を形成する工程とを備えること
を要旨とする。
【0026】本発明の第3の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法によれば、前記セパレータ基板部とは別部材
である前記貫通部材を用いることによって、燃料電池用
ガスセパレータ表面に前記所定の凹凸形状を形成するた
め、凹凸形状を形成したことに起因する歪みを有しない
燃料電池用ガスセパレータを製造することができる。す
なわち、燃料電池用ガスセパレータを製造する際に、ガ
スセパレータを構成する前記セパレータ基板部におい
て、曲げたり引き延ばしたりといった歪みの原因となる
力が加わることがない。
【0027】また、本発明の第3の燃料電池用ガスセパ
レータの製造方法によれば、例えば、前記(b)工程に
対応する工程として前記セパレータ基板部の打ち抜きを
行ない、前記(c)工程に対応する工程として、前記複
数の孔に前記貫通部材を圧入し、さらに圧入した前記貫
通部材を所定の位置で切断して、前記凹凸形状を形成す
ればよい。このように、打ち抜きや圧入、切断などの簡
便な工程によって燃料電池用ガスセパレータを製造する
ことができるため、金属板や炭素材料をプレス成形する
従来のガスセパレータの製造方法に比べて、製造工程を
簡素化し、より短時間でガスセパレータを製造すること
ができる。また、上記した打ち抜きや圧入、切断といっ
た工程を用いることにより、板状の部材を曲げたりのば
したりといった工程を利用する製造方法に比べて、前記
凹凸形状を形成する際の精度を向上させることができ
る。
【0028】本発明の第3の燃料電池用ガスセパレータ
の製造方法において、前記複数の孔およびこれに貫入さ
れる前記貫通部材は、略円形の断面を有することとして
もよい。
【0029】このような構成とすれば、前記複数の孔に
対して前記貫通部材を貫入させる際に、互いの位置合わ
せをより容易にすることができる。また、断面が略円形
である棒状の部材を製造するのは容易であるため、貫通
部材として用いる棒状部材の大きさ(棒状部材の径)に
関して選択の幅が広がり、これによって、前記凹凸形状
の細かさを任意に選択することができる。細い径の部材
を利用することにより、微細な凹凸形状を形成すること
ができるため、本発明の第3の燃料電池用ガスセパレー
タの製造方法によれば、ガスセパレータ表面の前記凹凸
形状として、より微細な凹凸形状を、より高い精度で容
易に形成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実
施例であるセパレータ30の断面の様子を模式的に表わ
す説明図である。本発明の第1実施例のセパレータ30
は、ステンレスからなり、基板部60を構成して所定の
凹凸形状を有する2枚の基材板62,64と、貼り合わ
された2枚の基材板62,64に介在して、基材板6
2,64の間に形成される空隙に形成される充填部66
と、基板部60の表面に形成されるコート層68を備え
る。このセパレータ30に関する詳しい説明に先立っ
て、説明の便宜上、まず、セパレータ30を用いて構成
される燃料電池について以下に説明する。
【0031】本発明の第1実施例であるセパレータ30
を用いて構成した燃料電池は、構成単位である単セルを
複数積層したスタック構造を有している。図2は、燃料
電池の構成単位である単セル28の構成を例示する断面
模式図、図3は、単セル28の構成を表わす分解斜視
図、図4は、単セル28を積層したスタック構造14の
外観を表わす斜視図である。
【0032】本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料
電池である。固体高分子型燃料電池は、湿潤状態で良好
な導電性を示す固体高分子からなる膜を電解質層として
備えている。このような燃料電池は、陰極側に水素を含
有する燃料ガスの供給を受け、陽極側に酸素を含有する
酸化ガスの供給を受けて、以下に示す電気化学反応を進
行する。
【0033】 H2 → 2H++2e- …(1) (1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0034】(1)式は陰極における反応、(2)式は
陽極における反応を表わし、燃料電池全体では(3)式
に示す反応が進行する。このように、燃料電池は、燃料
電池に供給される燃料が有する化学エネルギを直接電気
エネルギに変換するものであり、エネルギ効率が非常に
高い装置として知られている。燃料電池の構成単位であ
る単セル28は、図2に示すように、電解質膜21と、
カソード22およびアノード23と、セパレータ30
a,30bとから構成されている。
【0035】カソード22およびアノード23は、電解
質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ30a,30bは、このサ
ンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、カソード2
2およびアノード23との間に、燃料ガスおよび酸化ガ
スの流路を形成する。カソード22とセパレータ30a
との間には燃料ガス流路24Pが形成されており、アノ
ード23とセパレータ30bとの間には酸化ガス流路2
5Pが形成されている。実際に燃料電池を組み立てると
きには、上記単セル28を所定の枚数積層してスタック
構造14を形成する。
【0036】図2では、各セパレータ30a,30bの
片面においてだけガス流路を成すリブが形成されている
ように表わされているが、実際の燃料電池では、図3に
示すように、各セパレータ30a,30bは、その両方
の面にそれぞれリブ54およびリブ55を形成してい
る。セパレータ30a,30bのそれぞれの片面に形成
されたリブ54は隣接するカソード22との間で燃料ガ
ス流路24Pを形成し、セパレータ30a,30bの他
面に形成されたリブ55は隣接する単セルが備えるアノ
ード23との間で酸化ガス流路25Pを形成する。この
ように、セパレータ30a,30bは、ガス拡散電極と
の間でガスの流路を形成すると共に、隣接する単セル間
で燃料ガスと酸化ガスとの流れを分離する役割を果たし
ている。セパレータ30a,30bは、実際に組み立て
られる燃料電池では、形態上、あるいは働きの上で区別
はなく、以後、セパレータ30と総称する。
【0037】なお、各セパレータの表面に形成されたリ
ブ54,55の形状は、ガス流路を形成してガス拡散電
極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能であれば
良い。図2および図3では、各セパレータの表面に形成
されたリブ54,55は平行に形成された複数の溝状の
構造とした。図2では、単セル28の構成を模式的に表
わすために、燃料ガス流路24Pと酸化ガス流路25P
とを平行に表わし、図3に示したセパレータ30では、
各セパレータ30の両面で、リブ54とリブ55とはそ
れぞれ直交することとしたが、これらと異なる形状とし
てもよい。後述するように、セパレータ30は、プレス
成形した基材板62,64を貼り合わせて製造するた
め、プレス成形によって形成可能な形状であればよい。
【0038】電解質膜21は、固体高分子材料、例えば
フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン
交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本
実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用し
た。電解質膜21の表面には、触媒としての白金または
白金と他の金属からなる合金が塗布されている。
【0039】カソード22およびアノード23は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、カソード22およ
びアノード23をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。
【0040】セパレータ30は、既述したように、金属
製の基板部60の内部に形成される充填部66と、基板
部60を被覆するコート層68とを備えている。このセ
パレータ30の周辺部には、4つの穴構造が設けられて
いる。燃料ガス流路34Pを形成するリブ54を連絡す
る燃料ガス孔50,51と、酸化ガス流路35Pを形成
するリブ55連絡する酸化ガス孔52,53である。燃
料電池を組み立てたときには、各セパレータ30が備え
る燃料ガス孔50,51はそれぞれ、燃料電池内部をそ
の積層方向に貫通する燃料ガス供給マニホールドおよび
燃料ガス排出マニホールドを形成する。また、各セパレ
ータ30が備える酸化ガス孔52,53は、同じく燃料
電池内部をその積層方向に貫通する酸化ガス供給マニホ
ールドおよび酸化ガス排出マニホールドをそれぞれ形成
する。
【0041】以上説明した各部材を備える燃料電池を組
み立てるときには、セパレータ30、カソード22、電
解質膜21、アノード23、セパレータ30の順序で順
次重ね合わせ、その両端にさらに集電板36,37、絶
縁板38,39、エンドプレート40,41を配置し
て、図4に示すスタック構造14を完成する。集電板3
6,37にはそれぞれ出力端子36A,37Aが設けら
れており、燃料電池で生じた起電力を出力可能となって
いる。
【0042】エンドプレート40は、図4に示すように
2つの穴構造を備えている。一つは燃料ガス孔42、も
う一つは酸化ガス孔44である。エンドプレート40と
隣接する絶縁板38および集電板36は、エンドプレー
ト40が備える2つの穴構造と対応する位置に同様の2
つの穴構造を形成している。この燃料ガス孔42は、セ
パレータ30の備える燃料ガス孔50の中央部に開口し
ている。なお、燃料電池を動作させるときには、燃料ガ
ス孔42と図示しない燃料供給装置とが接続され、水素
リッチな燃料ガスが燃料電池内部に供給される。同様
に、酸化ガス孔44は前記セパレータ30の備える酸化
ガス孔52の中央部に対応する位置に形成されている。
燃料電池を動作させるときには、この酸化ガス孔44と
図示しない酸化ガス供給装置とが接続され、酸素を含有
する酸化ガスが燃料電池内部に供給される。ここで、燃
料ガス供給装置と酸化ガス供給装置は、それぞれのガス
に対して所定量の加湿および加圧を行なって燃料電池に
供給する装置である。
【0043】また、エンドプレート41は、エンドプレ
ート40とは異なる位置に2つの穴構造を備えている。
絶縁板39、集電板37もまたエンドプレート41と同
様の位置に、それぞれ2つの穴構造を形成している。エ
ンドプレート41が備える穴構造の一つ燃料ガス孔43
はセパレータ30の備える燃料ガス孔51の中央部に対
応する位置に開口している。もう一つの穴構造である酸
化ガス孔45はセパレータ30の備える酸化ガス孔53
の中央部に対応する位置に開口している。燃料電池を動
作させるときには、燃料ガス孔43には図示しない燃料
ガス排出装置が接続され、酸化ガス孔45には図示しな
い酸化ガス排出装置が接続される。
【0044】以上説明した各部材からなるスタック構造
14は、その積層方向に所定の押圧力がかかった状態で
保持され、燃料電池が完成する。スタック構造14を押
圧する構成については図示は省略した。
【0045】次に、以上のような構成を備えた燃料電池
における燃料ガスおよび酸化ガスの流れについて説明す
る。燃料ガスは、上記した所定の燃料ガス供給装置か
ら、エンドプレート40に形成された燃料ガス孔42を
経て燃料電池内部に導入される。燃料電池内部で燃料ガ
スは、燃料ガス供給マニホールドを介して各単セル28
が備える燃料ガス流路24Pに供給され、各単セル28
の陰極側で進行する電気化学反応に供される。燃料ガス
流路24Pから排出された燃料ガスは、燃料ガス排出マ
ニホールドに集合してエンドプレート41の燃料ガス孔
43に達し、この燃料ガス孔43から燃料電池の外部へ
排出されて、所定の燃料ガス排出装置に導かれる。
【0046】同様に酸化ガスは、上記した所定の酸化ガ
ス供給装置から、エンドプレート40に形成された酸化
ガス孔44を経て燃料電池内部に導入される。燃料電池
内部で酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールドを介して
各単セル28が備える酸化ガス流路25Pに供給され、
各単セル28の陽極側で進行する電気化学反応に供され
る。酸化ガス流路25Pから排出された酸化ガスは、酸
化ガス排出マニホールドに集合してエンドプレート41
の酸化ガス孔45に達し、この酸化ガス孔45から上記
所定の酸化ガス排出装置に排出される。
【0047】なお、上記した説明では、燃料電池に供給
される燃料ガスおよび酸化ガスの流路およびその流れに
ついてだけ説明したが、実際の燃料電池は、冷却水を通
過させるための流路をさらに備えている。既述したよう
に、燃料電池で進行する電気化学反応では、燃料電池に
供給される燃料中の化学エネルギが電気エネルギに変換
されるが、化学エネルギから電気エネルギへの変換は完
全に行なわれるわけではなく、電気エネルギに変換され
なかった残りのエネルギは熱として放出される。このよ
うに、燃料電池は発電と共に発熱を続けるため、燃料電
池の運転温度を望ましい範囲内とするために、通常は燃
料電池内に冷却水の流路を設け、燃料電池内に冷却水を
通過させることによって余分な熱を取り除いている。
【0048】本実施例のセパレータ30は、図3に示し
た燃料ガス孔50,51および酸化ガス孔52,53の
他に、冷却水の流路を形成するための2つの孔構造を有
しており(図示せず)、セパレータなどを積層してスタ
ック構造14を構成する際には、この2つの孔構造は、
スタック構造14の内部を貫通し、後述するスタック内
冷却水流路に対して冷却水を給排する冷却水流路を形成
する。また、燃料電池を構成するスタック構造14で
は、積層された所定数の単セルごとに、通常のセパレー
タ30の代わりに、冷却水の流路を形成する凹凸構造を
表面に形成する冷却水路セパレータを備える(図示せ
ず)。この冷却水路セパレータ上に形成された凹凸構造
は、冷却水路セパレータと、これに隣接する部材との間
にスタック内冷却水流路を形成する。所定数の単セルご
とに配置されたこのスタック内ガス流路は、上記した孔
構造からなる冷却水流路から冷却水の給排を受け、この
冷却水によって、発電と共に生じた余分な熱を燃料電池
内から取り除いている。
【0049】次に、本発明の要部に対応するセパレータ
30の構成について説明する。セパレータ30は、既述
したように、2枚の基材板62,64からなる基板部6
0と、充填部66と、コート層68とからなる。図5
は、セパレータ30の製造方法を表わす説明図である。
この図5では、セパレータ30の製造工程を表わすフロ
ーチャートと共に、フローチャートに示した各工程を表
わす模式図を付した。以下に、図5に基づいてセパレー
タ30の製造方法を詳しく説明する。
【0050】最初に、2枚の金属板をプレス成形して、
基材板62,64を作製する(ステップS100)。本
実施例では、厚さ0.3mmのステンレス板を、1to
n/cm2 の面圧にてプレスした。これによって、基材
板62,64では、それぞれの一方の面において、リブ
54およびリブ55に対応する形状の凸部が形成され
る。次に、基材板62,64の間に充填材を配置して、
基材板62,64をプレスすることによって両者を接着
する(ステップS110)。すなわち、基材板62,6
4の間に充填材(ここでは熱膨張黒鉛)を配置して両者
を接着することによって、基材板62,64の接着面側
(上記リブ54,55に対応する凸部が形成されていな
い互いに対向する側)で、上記凸部に対応して形成され
る空隙に、既述した充填部66を備える基板部60を得
る。このステップS110では、充填材として熱膨張黒
鉛を用いているため、上記したように基材板62,64
をプレスすることによって両者を接着することができ
る。具体的には、基材板62,64の接着面側に所定量
の熱膨張黒鉛を配置し、この熱膨張黒鉛を挟持した基材
板62,64を、上記凸部の形状に対応する形状の金型
内で、2ton/cm2の面圧にてプレスすることで両
者を接着した。これによって、基材板62,64を接着
してなる基板部60であって、上記凸部に対応して内部
に形成された空隙に、熱膨張黒鉛からなる充填部66が
形成された基板部60を得ることができる。
【0051】ここで、熱膨張黒鉛とは、炭素材料の一種
であり、天然黒鉛やカーボンブラック等の炭素材料を酸
で処理した後に加熱して体積を膨張させた周知の材料で
ある。このような熱膨張黒鉛は、熱膨張したことによっ
て層構造を形成しており、圧縮する力を加えることによ
ってこれらの層が互いにかみ合って強固に結合させるこ
とができるため、成形時にバインダを加える必要がな
い。上記したように、基材板62,64の間に熱膨張黒
鉛を配設して金型内でプレスを行なうと、基材板62と
基材板64とを接着する動作と、基板部60内部に形成
される空隙を熱膨張黒鉛で充填する動作とを同時に行な
うことができる。なお、ステップS110でプレスを行
なうときには、熱膨張黒鉛は、粉末の状態で基材板6
2,64間に配置してプレスに供することとしてもよい
し、あらかじめシート状に形成したものを基材板62,
64間に配置してプレスに供することとしてもよい。
【0052】次に、内部の空隙に熱膨張黒鉛を充填した
基板部60に対して表面処理を施し(ステップS12
0)、セパレータ30を完成させる。本実施例では、表
面処理として、上記基板部60の表面を、カーボン層で
あるコート層68で被覆する処理を行なった。コート層
68は、熱膨張黒鉛からなるカーボンシートを成形して
おき、このカーボンシートを、上記基板部60の面上
に、基板部60の形状に対応する形状の金型を用いて圧
着させることによって形成した。あるいは、あらかじめ
カーボンシートを成形しておく代わりに、上記基板部6
0上に、所定の形状の金型を用いて熱膨張黒鉛粉末を直
接圧着させることとしてもよい。このように、基板部6
0上に熱膨張黒鉛からなる層を圧着させる際には、充分
な接着強度を得るために、圧着に用いる金型内を略真空
にすることが望ましい。また、上記した金型内での圧着
の操作は、機械的にプレスすることとしてもよいし、静
水圧を用いる構成も好ましい。
【0053】なお、ここでは説明を省略したが、セパレ
ータ30を製造する際には、ステップS100における
プレス成形の前または後において、金属板を打ち抜いて
孔構造を設ける工程をさらに行なう。すなわち、既述し
た燃料ガス孔50,51あるいは酸化ガス孔52,53
に対応する孔構造を、打ち抜きによって金属板に設け
る。
【0054】以上のように構成した本実施例のセパレー
タ30の製造方法によれば、歪みの少ないセパレータを
製造することができるという効果を奏する。プレス成形
によって基材板62,64を作製したときには、基材板
62,64では、それぞれの凹凸形状に応じて所定の歪
みが生じるが、2枚の基材板62,64を貼り合わせる
ことによって、それぞれの基材板62,64の歪みが互
いに矯正し合うので、歪みの少ない基板部60を得るこ
とができる。歪みの少ないセパレータを用いて燃料電池
を組み立てれば、燃料電池を構成する各単セル内で生じ
る面圧をより均一にすることができ、部分的に面圧が低
下することに起因して内部抵抗が増大し電池性能が低下
してしまうのを防止することができる。
【0055】本実施例のセパレータ30の製造方法は、
セパレータに歪みが生じるのを抑えることができるとい
う上記した効果の他に、プレス成形により金属製のセパ
レータを製造する場合に共通する効果を得ることができ
る。すなわち、セパレータを製造する方法として、金属
板をプレス成形する方法は、製造工程を短くすることが
できる簡便な方法であるため、本実施例のセパレータ3
0の製造方法を用いることにより、簡素化された製造工
程で安価にセパレータを製造することができる。また、
金属材料は強度に優れているため、炭素材料によりセパ
レータを製造する場合に比べてセパレータを薄く形成す
ることが可能となり、燃料電池全体を小型化することが
できる。
【0056】さらに、本実施例では、2枚の基材板6
2,64を貼り合わせてセパレータ30を製造している
ため、表面に凹凸形状を形成するセパレータの形成自由
度を大きく向上させることができるという効果を奏す
る。一枚の金属板をプレス成形してセパレータを製造す
る場合には、同じ領域で両面に凸部を形成することは困
難であり、セパレータ両面に形成する凹凸形状を設計す
る際には、セパレータ両面が互いに制約を受けてしま
う。用いる金属板を厚くすれば両面に凸部を形成するこ
とも可能であるが、このようにセパレータを厚くすると
燃料電池が大型化してしまい採用し難い。本実施例のセ
パレータ30の製造方法によれば、2枚の基材板62,
64を貼り合わせてセパレータ30を製造するため、セ
パレータ30の両面の凹凸形状が互いに制約を受けるこ
とがなく、凹凸形状を自由に設計するためにセパレータ
の厚みが増すこともない。
【0057】また、本実施例では、2枚の基材板62,
64の間に形成される空隙に充填材を充填しているた
め、リブ54,55を形成する領域の座屈強度が向上
し、スタック構造14を構成したときに生じるクリープ
を低減することができる。充填材によってリブ54,5
5を形成する領域の座屈強度を向上させることができる
ため、セパレータの強度を確保するためにセパレータを
厚く形成する必要がない。さらに、2枚の基材板62,
64の間に形成される空隙に充填材を充填することによ
って、セパレータ30の導電性と熱伝導性を向上させ、
これを用いた燃料電池において電池性能を向上させるこ
とができる。すなわち、導電性に優れた熱膨張黒鉛を充
填材として用いることによって、セパレータの導電性が
向上し、これを用いた燃料電池において内部抵抗が減少
する。また、このような充填材を用いることによって、
上記空隙になにも充填しない場合に比べて熱伝導性に優
れたセパレータを製造することができ、これを用いた燃
料電池では、燃料電池内を通過する既述した冷却水によ
る冷却効率が向上して、燃料電池の内部温度を望ましい
温度範囲でより均一な状態とすることができる。さら
に、セパレータの熱伝導性が向上することによって、燃
料電池の始動時に燃料電池の内部温度を昇温させる際
に、燃料電池全体をより速やかに昇温させて、燃料電池
の立ち上げ時間を短くすることが可能となる。
【0058】図6は、本実施例のセパレータ30を用い
て組み立てた燃料電池と、セパレータ30と同様のセパ
レータであって、内部の空隙に何も充填しないセパレー
タを用いて組み立てた燃料電池との電池性能を比較した
結果を表わす説明図である。なお、これらの燃料電池
は、それぞれ100組の単セルを積層して構成した。図
6に示すように、セパレータ30を用いて構成した燃料
電池では、出力電流密度が大きくなった場合、すなわち
接続する負荷の大きさを大きくした場合にも、充分な出
力電圧を維持することができる。これに対し、内部の空
隙に何も充填しないセパレータを用いて組み立てた燃料
電池では、接続する負荷が大きくなるにつれて出力電圧
が低下してしまう。このように、セパレータ30は、充
填部66を設けて内部抵抗を小さくすることによって抵
抗分極を低減し、充分な出力電圧を維持することができ
る。
【0059】なお、上記実施例では、貼り合わせた2枚
の基材板62,64の間に充填材を充填して充填部66
を設け、セパレータ30の導電性および熱伝導性を向上
させる構成としたが、製造されるセパレータの導電性お
よび熱伝導性が許容できる範囲となるならば、この基材
板62,64間の空隙は、なにも充填しないこととして
もよい。このような場合にも、2枚の基材板62,64
を貼り合わせることによって、製造されるセパレータの
歪みを低減する効果を得ることができる。また、充填部
66を設けないことによって、セパレータ全体をより軽
量化することができる。このように充填部66を設けな
い場合には、2枚の基材板62,64の貼り合わせは、
例えば、スポット溶接や、振動や超音波を利用した溶着
により行なうこととすればよい。
【0060】また、本実施例のセパレータ30では、熱
膨張黒鉛によって充填部66を構成することとしたが、
貼り合わせたメタルプレート間に充填する充填材は、充
分な導電性を有していれば、ガスセパレータの導電性と
熱伝導性を向上させることによる既述した効果を得るこ
とができる。実施例で用いた熱膨張黒鉛の他、天然黒鉛
やカーボンブラックなどの炭素粉末にバインダ(熱硬化
性樹脂など)を混合したものを用いることもできる。あ
るいは、上記したような炭素材料以外にも、導電性ペー
スト(炭素や金属の粉末を混入した接着剤)や、導電性
樹脂、導電性材料からなるスポンジ状の発泡材(例えば
発泡ニッケルなど)を用いることもできる。ここで、実
施例に示した熱膨張黒鉛や導電性ペーストを充填材とし
て用いる場合には、充填材自体が結着性を有しているた
め、プレスによって2枚の金属板を容易に接着させるこ
とができる。熱膨張黒鉛以外の炭素材料を用いる場合に
は、炭素材料にバインダを加えることによって、充填材
において充分な結着性を実現することができる。発泡ニ
ッケルを充填材として用いる場合のように、充分な結着
性を有しない充填材を用いる場合には、接着剤によって
金属板を結着させればよい。あるいは、発泡ニッケルを
充填材として用いる際に、発泡ニッケルと金属板との接
触面に熱膨張黒鉛を配し、熱膨張黒鉛を接着剤として用
いることもできる。これらの構成の中で、特に、実施例
に示した熱膨張黒鉛を充填材として用いる構成は、導電
性に劣る材料を混入することなく単一の材料を充填材と
して用いるため、セパレータ全体の導電性が損なわれて
しまうのを防ぐことができ、有利である。
【0061】また、本実施例のセパレータ30は、2枚
の基材板62,64を貼り合わせてなる基板部60の表
面を、熱膨張黒鉛からなるコート層68によって被覆し
ているため、充分な耐腐食性を備えている。ここで、コ
ート層68を構成する材料は、基板部60に充分な耐腐
食性を備えさせることができれば、異なる材料を用いて
も構わない。例えば、コート層68を、メッキ処理など
によりニッケルで構成するならば、熱膨張黒鉛を用いる
場合と同様に、燃料電池内で隣接するガス拡散電極との
接触面における導電性を損なうことなく、充分な耐腐食
性を実現することができる。また、導電性ペーストによ
って被覆することとしてもよい。
【0062】なお、セパレータ30においては、燃料電
池内で隣接するガス拡散電極との接触面において充分な
導電性が確保されていればよいため、上記したように基
板部60の表面全体を均一に被覆してコート層68を形
成する必要はなく、上記接触面以外の領域(燃料ガス流
路24Pおよび酸化ガス流路25Pを形成する面など)
は、導電性を有しない材料で被覆して耐腐食性を確保す
ることとしてもよい。例えば、親水性物質あるいは撥水
性物質によって、燃料ガス流路24Pおよび酸化ガス流
路25Pを形成する面を被覆する構成も好ましい。親水
性物質としては、例えば、酸化珪素や吸水性樹脂などを
用いることができる。また、撥水性物質としては、ポリ
テトラフルオロエチレンなどを用いることができる。
【0063】ここで、上記した燃料ガス流路24Pおよ
び酸化ガス流路25Pを形成する面を親水性あるいは撥
水性にする効果について説明する。セパレータ30を備
える燃料電池では、既述した(1)〜(3)式に示した
電気化学反応が進行するが、このような電気化学反応の
進行に伴って、(2)式に示すように陽極側では水が生
じる。この生成水は酸化ガス中に気化して燃料電池外に
排出されるが、燃料電池内で部分的に温度が低下する領
域などでは、生成水が凝縮して、酸化ガスの流路におけ
る酸化ガスの流れを妨げるおそれがある。また、(1)
式に示すように陰極側で進行する電気化学反応ではプロ
トンを生じるが、このプロトンは水分子と水和した状態
で固体電解質膜内を移動するため、燃料電池を運転する
際には通常は、燃料電池に供給する燃料ガスを加湿する
ことによって、固体電解質膜に対して陰極側から水分を
補っている。したがって、加湿された燃料ガスが通過す
るガス流路においても、流路内で生じた凝縮水が燃料ガ
スの流れを妨げるおそれがある。燃料電池を構成する各
単セル28内で、燃料ガス流路24Pおよび酸化ガス流
路25Pを形成する面を親水性とすれば、このようなガ
ス流路内で凝縮水が生じた場合に、この凝縮水は、流路
内のガスの流れと共に親水性を有する流路の壁面に導か
れて、単セル28内から容易に排出されるようになる。
また、同じく流路を形成する面を撥水性とすれば、凝縮
水は、流路を形成する壁面状ではじかれて、ガスの流れ
によって単セル28内から容易に排出されるようにな
る。
【0064】なお、上記した実施例では、セパレータ3
0を製造する際に、充填部66を有する基板部60に対
して表面処理を施し、コート層68を形成することとし
たが、基材板62,64を貼り合わて基板部60を作製
するのに先立って、各基材板62,64に対して表面処
理を施すこととしてもよい。すなわち、金属板をプレス
成形して基材板62,64を作製した後(図5のステッ
プS100)、各基材板62,64に対して図5のステ
ップS120と同様の表面処理を施してコート層68を
形成し、その後、図5のステップS110と同様に、充
填材を間に配置して、コート層68を形成した基材板6
2,64を貼り合わせることとしてもよい。
【0065】以上説明した実施例では、セパレータ30
は、その表面にコート層68を備えることによって充分
な耐腐食性を実現しているが、基材板62,64を形成
する材料が充分な耐腐食性を有しているならば、基材板
62,64の表面にコート層68を備えないこととして
もよい。このような場合にも、2枚の基材板62,64
を貼り合わせて基板部60を形成することによって、製
造されるセパレータの歪みを抑えることができる効果を
得ることができる。
【0066】上記実施例では、ステンレスによって基材
板62,64を構成することとしたが、アルミニウムな
ど他の金属によって基材板62,64を構成しても、上
記実施例と同様の効果を得ることができる。セパレータ
の表面に、耐腐食性を実現するためのコート層68を設
ける場合には、基材板62,64を構成する金属は、充
分な耐腐食性を有している必要はなく、金属の重量やコ
ストなどを考慮して適宜選択すればよい。
【0067】また、金属以外の導電性材料によって基材
板62,64を構成し、これらを貼り合わせてセパレー
タを製造する場合にも、歪みがなく薄いガスセパレータ
を製造することができるという効果を得ることができ
る。金属以外の導電性材料としては、例えば、バインダ
を加えた炭素粉末や、熱膨張黒鉛を用いることができ、
これらの材料を用いて所定の凹凸形状を形成した薄板を
2枚プレス成形して基材板とし、この炭素材料からなる
2枚の基材板を貼り合わせてセパレータを製造すること
ことができる。これに対して、上記した炭素材料をプレ
ス成形することによって、所定の凹凸形状を両面に有す
るセパレータを一体で製造する場合には、両面に形成さ
れた凹凸形状によって、同一面上であっても場所により
肉厚が異なってしまう。そのため、プレス成形時にかか
る面圧が、この肉厚の違いによって同一面であってもば
らついてしまう。したがって、製造されるセパレータに
おいて充分な強度を確保するためには、製造されるセパ
レータの肉厚を所定の大きさ以上にし、充分量のバイン
ダを加えるといったことが必要となる。このようなバイ
ンダ量の増加は、導電性の低下を引き起こす。上記した
ように、炭素材料を成形した基材板を2枚貼り合わせる
ことによって、両面に所定の凹凸形状を有するセパレー
タを製造する場合には、それぞれの基材板においては、
セパレータの片面に対応する凹凸形状だけを形成すれば
よいため、基材板全体で肉厚を均一にすることが可能と
なる。したがって、各薄板をプレス成形するときにかか
る面圧も均一となり、加えるバインダ量を削減すると共
に炭素材料からなる基材板の肉厚をより薄くすることが
可能となる。このように、金属以外の導電性材料からな
る基材板を2枚貼り合わせる場合にも、導電性を有する
充填材で2枚の基材板の間を充填することによって、既
述した実施例と同様に導電性および熱伝導性を向上させ
るとともに、セパレータの強度を確保する効果を得るこ
とができる。
【0068】なお、上記した実施例では、セパレータ3
0は、その両面のそれぞれにおいて設けられる凹凸構造
によって、燃料ガス流路24Pおよび酸化ガス流路25
Pを形成することとしたが、これら燃料ガスあるいは酸
化ガス以外の流体の流路を形成することとしてもよい。
例えば、燃料ガスの内部温度を所望の温度範囲内に保つ
ために燃料電池内を通過させる既述した冷却水の流路を
形成することとしてもよい。すなわち、実施例に示した
セパレータ30の製造方法と同様の製造方法によって、
既述した冷却水路セパレータを製造しても、上記実施例
と同様の効果を得ることができる。
【0069】また、このようにして製造するセパレータ
は、両面に流体の流路を形成する必要はなく、一方の面
は凹凸のない平板状であってもよい。例えば、燃料電池
において、上記冷却水路セパレータに隣接する部材とし
て、冷却水路セパレータに接する面は平板状に形成さ
れ、もう一方の面は、燃料ガス流路24Pあるいは酸化
ガス流路25Pを形成する凹凸構造を有するセパレータ
を設ける場合に、このセパレータを、実施例のセパレー
タ30の製造方法と同様の方法によって製造することと
してもよい。このような場合にも、2枚の基材板を貼り
合わせることによりセパレータの歪みを抑える効果を得
ることができ、また、内部に形成される空隙に導電性の
充填材を充填する場合には、導電性および熱伝導性が向
上することによる既述した効果を得ることができる。
【0070】上記した第1実施例では、2枚の基材板を
貼り合わせてセパレータを製造することにより、セパレ
ータの歪みを抑えることとしたが、セパレータを構成す
る平板状の基部と、ガス流路を形成するためにこの上に
形成された凸構造とを、別部材とすることによってセパ
レータの歪みを抑えることもできる。このような構成を
第2実施例として以下に説明する。
【0071】図7は、第2実施例のセパレータ130の
断面の様子を模式的に表わす説明図、図8は、同じくセ
パレータ130の表面の様子を表わす平面図である。第
2実施例のセパレータ130は、ステンレスによって構
成され、円形の断面を有してその厚み方向に貫通して設
けられた複数の孔構造を有する基板部160と、この孔
構造のそれぞれを貫通して基板部160にはめ込まれた
複数の貫通部材170と、これら基板部160および貫
通部材170の表面を被覆する層であって熱膨張黒鉛に
よって構成されたコート層168とからなる。セパレー
タ130は、第1実施例のセパレータ30と同様に所定
の部材と共に積層されて、第1実施例と同様の燃料電池
を構成する部材であり、以下の説明では、第1実施例と
共通する構成には同じ部材番号を付し、詳しい説明は省
略する。
【0072】セパレータ130は、セパレータ30と同
様に、その外周部に、燃料ガス孔50,51および酸化
ガス孔52,53を備えている。また、セパレータ13
0は、規則的に配設された上記貫通部材170によって
基板部160上に形成される凸構造である複数のリブ部
155を、それぞれの面において同一の場所に有してい
る。ここで、基板部160は、上記リブ部155が形成
された領域である平板部182と、セパレータ130の
外周領域(燃料ガス孔50,51や酸化ガス孔52,5
3が形成されている領域の周辺部)であるシール部18
0とから構成されており、シール部180は、平板部1
82に比べて、断面の厚みが厚く形成されている。シー
ル部180に対して凹面を形成する平板部182は、セ
パレータ130の一方の面では、セパレータ130を燃
料電池に組み込んだときに酸化ガス孔52,53を連通
可能となるように設けられており(図8参照)、このよ
うな燃料電池では、隣接するガス拡散電極と、リブ部1
55の先端部とが接触し、リブ部155の側面と平板部
182の表面とによって、隣接するガス拡散層との間で
酸化ガス流路25Pが形成される。同様に、セパレータ
130の他方の面では、燃料ガス孔50,51を連通可
能となる平板部182が設けられており、この平板部1
82は、燃料電池を組み立てたときには、リブ部155
の側面と共に燃料ガス流路24Pを形成する。
【0073】以下に、セパレータ130の製造方法につ
いて説明する。図9は、セパレータ130の製造方法を
表わす説明図である。この図9では、セパレータ130
の製造工程を表わすフローチャートと共に、フローチャ
ートに示した各工程を表わす模式図を付した。
【0074】まず、ステンレスからなる薄板を用意し、
この薄板の所定の位置を打ち抜いて複数の孔をあけ、基
板部160を作製する(ステップS200)。ここで、
ステンレス板上に開けられる孔は、図8に示したセパレ
ータ130が備える各リブ部155に対応する位置に設
けられる孔、および、燃料ガス孔50,51と酸化ガス
孔52,53に対応する孔である。また、ステップS2
00で形成される孔の中で、各リブ部155に対応する
位置に設けられる孔は、リブ部155の断面の直径より
も一回り小さい直径を有している。次に、各リブ部15
5に対応する位置に設けた孔のそれぞれに、フィーダを
用いて金属製のワイヤを圧入する(ステップS21
0)。ここで圧入するワイヤは、セパレータ130にお
いてリブ部155を形成するものであり、上記ステップ
S200で形成された各孔よりも一回り大きい直径を有
している。このようなワイヤを用いることにより、圧入
と同時に、金属製の基板部160とワイヤとの間で充分
なシール性を得ることができる。
【0075】次に、基板部160に圧入したワイヤの端
部を切断する(ステップS220)。このとき、各ワイ
ヤが切断される位置(基板部160からの距離)は、基
板部160の各面上においてそれぞれ一定とする。この
ようにワイヤの端部を切断することにより、基板部16
0に設けられた孔に圧入された貫通部材170が形成さ
れ、基板部160の両面には、それぞれ同じ位置に、複
数のリブ部155が形成される。リブ部155を形成す
ると、これら複数のリブ部155と基板部160に対
し、図5のステップS120と同様の表面処理を施して
(ステップS230)、セパレータ130を完成する。
すなわち、複数のリブ部155と基板部160との表面
を、第1実施例のセパレータ30と同様に、熱膨張黒鉛
で被覆する。
【0076】以上のように構成した第2実施例のセパレ
ータ130の製造方法によれば、平板上の基板部160
と、リブ部155を形成するワイヤとを別部材で構成す
るため、セパレータにおいて凹凸形状を形成することに
よってセパレータに歪みが生じてしまうのを抑えること
ができる。すなわち、リブ部155を別部材によって構
成することにより、基板部60において、金属板を曲げ
たり引き延ばしたりといった歪みの原因となる力が加わ
ることがない。
【0077】また、上記実施例のセパレータ130は、
リブ部155を形成するための孔構造の打ち抜きと、こ
の孔構造へのワイヤの圧入、圧入したワイヤの切断とい
う簡便な工程によって所定の凹凸形状を形成するため、
金属板や炭素材料をプレス成形する従来のセパレータの
製造方法に比べて、製造工程を簡素化し、より短時間で
セパレータを製造することができる。
【0078】なお、本実施例のセパレータ130を製造
する際に、セパレータ130の表面に形成されるリブ部
155の大きさは、上記圧入の際に用いるワイヤの径を
調節することによって自由に選択することができる。細
い径のワイヤを選択することによって、細かいリブ形状
を、高い精度で形成することができる。炭素材料や金属
板をプレス成形して凹凸形状を形成する場合に比べて、
はるかに容易に微細な凹凸形状を形成することができ、
複雑な凹凸形状を備えた金型を用いるためにコストが上
昇してしまうことがない。
【0079】上記実施例のセパレータ130の製造方法
によれば、金属板をプレス成形して両面に凹凸構造を有
するガスセパレータを製造するという、従来知られるセ
パレータの製造方法を用いる場合に比べて、より薄い金
属板を用いることができる。金属板をプレス成形して所
定の凹凸形状を有するガスセパレータを製造する場合に
は、プレス成形の際に、金属板において凹凸形状を形成
する領域が曲げたり引き延ばされたりするため、充分な
厚みを持った金属板を用いる必要がある。上記実施例で
は、貫通部材170を圧入するための孔構造を打ち抜く
だけであるため、プレス成形する場合に用いる金属板よ
りも薄い金属板を、基板部160として用いることがで
きる。このように、プレス成形に供する材料を曲げたり
引き延ばしたりすることがないため、上記実施例のセパ
レータ130の製造方法は、炭素粉末を主成分とする材
料をプレス成形して、成型カーボンからなるセパレータ
を製造する場合に比べても、セパレータをより薄くする
ことが可能となる。このように、セパレータを製造する
ために用いる金属板の厚みを薄くすることによって、燃
料電池全体をより小型化することができるという効果を
奏する。
【0080】なお、上記第2実施例では、基板部160
は、ステンレス板を用いて形成することとしたが、異な
る材料を用いることとしてもよい。例えば、アルミニウ
ムなど他の金属や、炭素材料や樹脂などによって形成す
ることとしてもよい。ここで、上記した実施例では、セ
パレータ130の表面をコート層168によって被覆し
ているため、基板部160を構成する部材が充分な耐腐
食性を有している必要はなく、充分な強度を有し、燃料
電池の運転温度に充分に耐える材料であればよい。ま
た、本実施例のセパレータ130は、別部材である基板
部160とリブ部155とから構成されており、セパレ
ータとしての導電性はリブ部155によって確保される
ため、基板部160は導電性を備える必要はない。した
がって、セパレータ全体をプレスなどで一体形成する場
合に比べて、基板部160を形成する材料の選択の幅が
広がり、より耐食性に優れた材料、あるいは軽量な材料
を用いることが可能となり、コストなどを考慮して適宜
選択することができる。
【0081】また、上記実施例では、リブ部155を設
けるためにワイヤを用いたが、このワイヤは、充分な導
電性を有するものであり、基板部160に圧入する操
作、あるいは燃料電池内に組み込まれたときの条件に耐
える充分な強度を有している。さらに、セパレータ13
0を製造する際には、基板部160に設けた孔構造にこ
のワイヤを圧入してリブ部155を形成するため、基板
部160とこれに圧入するワイヤとの間のシール性を確
保するのが容易となる材料によって、ワイヤを構成する
ことが望ましい。上記実施例で示したように、金属材料
によってワイヤを構成し、金属材料によって基板部16
0を構成すれば、上記実施例と同様に、基板部160に
設けた孔構造よりも一回り径の大きなワイヤを圧入する
といった簡便な方法によって、容易に上記シール性を実
現することができる。あるいは、金属製のワイヤを用い
る場合には、上記シール性を実現するために、基板部1
60に設けた孔構造よりも一回り径の小さなワイヤを上
記孔構造にはめ込んで、このワイヤを所定の長さに切断
して貫通部材170を形成した後、この貫通部材170
を上下から圧をかけてかしめるといった方法を用いるこ
ともできる。また、ワイヤを圧入してリブ部155を形
成した後に、リブ部155と基板部160との接触部の
隙間を塞ぐなど、リブ部155と基板部160との間の
シール性を確保するための処理を施して、充分なシール
性を確保することができるならば、リブ部155を形成
するためのワイヤを、炭素材料など他の導電性材料によ
って構成することとしても構わない。
【0082】以上のことから、例えば、基板部を樹脂
で、貫通部材を炭素材料で構成することによってセパレ
ータを製造することができる。ここで、貫通部材を挿入
するための孔を備えた基板部は、樹脂シートを打ち抜い
て孔を空けることによって作製しても良いし、射出成形
により作製しても良い。樹脂シートを打ち抜いて孔を空
ける操作は、上記実施例のように金属板を打ち抜いて孔
を空ける操作よりも容易に行なうことができて有利であ
る。また、射出成形により基板部を作製する場合は、射
出成形を行なう際に、後述するシール部180に対応す
る構造を、貫通部材を挿入するための孔と同時に設ける
ことができる。このように、燃料電池においてガスシー
ル性を確保するためのシール部を一体で成形できるた
め、従来のプレス成形によってセパレータを製造する場
合に比べて、燃料電池を製造する際の部品点数を削減す
ることができ、製造コストを抑えることが可能となる
(後述するように、プレス成形の場合は、このようなシ
ール部を一体成形することが非常に困難である)。炭素
材料からなる貫通部材は、熱膨張黒鉛を成形することに
よって作製しても良いし、黒鉛粉末にバインダ(熱硬化
性樹脂など)を加えたものを成形して作製しても良い。
このように、基板部を樹脂で、貫通部材を炭素材料で構
成することによってセパレータを製造する場合には、基
板部も貫通部材も共に、充分な耐腐食性を備えるため、
第実施例のセパレータ130のようにコート層168を
設ける必要がない。
【0083】また、貫通部材を、上記したように導電性
部材で構成する代わりに、樹脂で構成することも可能で
ある。例えば、基材板は第2実施例のセパレータ130
と同様に金属板によって構成し、貫通部材を樹脂で形成
することとしても良い。この場合は、セパレータ表面全
体、あるいは、貫通部材の表面を導電性の被膜によって
被覆し(炭素材料で被覆、あるいは金属でメッキするな
ど)、燃料電池用セパレータとしての導電性を確保すれ
ばよい。
【0084】なお、セパレータ130は、熱膨張黒鉛か
らなるコート層168を形成することによって充分な耐
腐食性を備えているが、このコート層168は、第1実
施例のセパレータ30におけるコート層68と同様に、
ニッケルなどの金属や導電性ペーストなど、炭素材料以
外の材料によって形成することとしてもよい。また、燃
料電池内で隣接するガス拡散電極との接触面以外の領域
は導電性を確保する必要がないため、このような接触面
以外の領域は、第1実施例と同様に、親水性物質や撥水
性物質によって被覆することによって、充分な耐腐食性
を備えさせると共に、単セル28内のガス流路における
排水性を向上させることとしてもよい。また、基板部1
60および貫通部材170を構成する部材が、許容でき
る充分な耐腐食性を有している場合には、コート層16
8を設けないこととしてもよい。
【0085】また、上記第2実施例では、金属板を打ち
抜いて孔構造を設けるだけで、プレス成形によって凹凸
形状を形成しないため、基板部160を作製する際に、
基板部160の厚みが変わってしまうことがない。した
がって、外周部にあらかじめ断面が厚い領域を形成した
金属板を用いて基板部160を作製することができ、こ
のようにして製造したセパレータ130を燃料電池に組
み込んでスタック構造を構成したときに、この断面が厚
い領域によってガスのシール性を容易に確保することが
できる。
【0086】図10は、図8に示したセパレータ130
の10−10線における断面の一部(セパレータ130
の外周部近傍)の様子を表わす説明図である。既述した
ように、セパレータ130を構成する基板部160は、
貫通部材170からなるリブ部155が配列する領域に
形成された平板部182と、セパレータ130の外周部
に設けられ、断面の厚みが厚く形成されたシール部18
0とからなっている。既述したセパレータ130の製造
方法では説明を省略したが、セパレータ130を製造す
る際には、あらかじめシール部180を外周部に設けた
金属板を、図9に示した製造工程に供した。このように
外周部にシール部180を備えたセパレータ130を用
いて燃料電池を組み立てると、隣接するセパレータ13
0同士は、互いのシール部180において接触し、シー
ル部180同士を接触させることによって、充分なガス
シール性を実現することができる。
【0087】ここで、金属板をプレス成形してガスセパ
レータを製造する場合には、プレス成形の際に金属板の
厚みが変わってしまうため、このように外周部にシール
部を形成した金属板を用いることは困難である。したが
って、通常は、ガスセパレータ外周部に貼り付けてシー
ル部を形成するためのシール部材を別部材として用意し
たり、単セル内ガス流路を形成する凹凸形状を形成する
部材と、マニホールドを構成する孔構造を形成する部材
とを別個に形成してガスセパレータを製造する、などの
方法を採っていた。上記実施例のようにガスセパレータ
を製造する場合には、あらかじめシール部180を形成
した金属板を用いてセパレータ130を製造することが
できるため、従来のプレス成形を行なう場合に比べて、
燃料電池を製造する際の部品点数を削減することができ
るという効果を奏する。
【0088】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】セパレータ30の断面の様子を模式的に表わす
説明図である。
【図2】燃料電池の構成単位である単セル28の構成を
例示する断面模式図である。
【図3】単セル28の構成を表わす分解斜視図である。
【図4】単セル28を積層したスタック構造14の外観
を表わす斜視図である。
【図5】セパレータ30の製造工程を表わす説明図であ
る。
【図6】セパレータ30と、充填部のないセパレータと
のそれぞれを用いて構成した燃料電池における電池性能
を比較した結果を表わす説明図である。
【図7】第2実施例のセパレータ130の断面の様子を
模式的に表わす説明図である。
【図8】セパレータ130の表面の様子を表わす平面図
である。
【図9】セパレータ130の製造工程を表わす説明図で
ある。
【図10】セパレータ130の外周部近傍の断面の一部
の様子を表わす説明図である。
【符号の説明】
14…スタック構造 21…電解質膜 22…カソード 23…アノード 24P…燃料ガス流路 25P…酸化ガス流路 28…単セル 30,30a,30b…セパレータ 34P…燃料ガス流路 35P…酸化ガス流路 36,37…集電板 36A,37A…出力端子 38,39…絶縁板 40,41…エンドプレート 42,43…燃料ガス孔 44,45…酸化ガス孔 50,51…燃料ガス孔 52,53…酸化ガス孔 54,55…リブ 60…基板部 62,64…基材板 66…充填部 68…コート層 130…セパレータ 155…リブ部 160…基板部 168…コート層 170…貫通部材 180…シール部 182…平板部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質層および電極層を含む複数の部材
    を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
    して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
    する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
    る燃料電池用ガスセパレータであって、 各々の一方の面上に前記所定の凹凸形状が形成された2
    枚の薄板を、他方の面同士が対向するように貼り合わせ
    て成ることを特徴とする燃料電池用ガスセパレータ。
  2. 【請求項2】 前記2枚の薄板間に空隙が形成される場
    合、該空隙に導電性部材を介在させたことを特徴とする
    請求項1記載の燃料電池用ガスセパレータ。
  3. 【請求項3】 前記薄板は、金属製の薄板である請求項
    1または2記載の燃料電池用ガスセパレータ。
  4. 【請求項4】 前記所定の凹凸形状によって、前記燃料
    電池内で形成される流路を通過する流体は、水素を含有
    する燃料ガス、酸素を含有する酸化ガス、燃料電池の内
    部を冷却する冷却液の中から選択される流体である請求
    項1ないし3いずれか記載の燃料電池用ガスセパレー
    タ。
  5. 【請求項5】 水素を含有する燃料ガスと酸素を含有す
    る酸化ガスの供給を受け、電気化学反応によって起電力
    を得る燃料電池であって、 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池用ガスセパレ
    ータを備える燃料電池。
  6. 【請求項6】 電解質層および電極層を含む複数の部材
    を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
    して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
    する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
    る燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、 (a)各々の一方の面上に前記所定の凹凸形状が形成さ
    れた2枚の薄板を用意する工程と、 (b)前記2枚の薄板の他方の面同士が対向するよう
    に、前記2枚の薄板を貼り合わせる工程とを備えること
    を特徴とする燃料電池用ガスセパレータの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(b)工程において前記2枚の薄板
    を貼り合わせる際に、前記2枚の薄板間に空隙が形成さ
    れる場合、該空隙に介在するように、前記2枚の薄板の
    間に導電性物質を配置して、前記貼り合わせを行なう請
    求項6記載の燃料電池用ガスセパレータの製造方法。
  8. 【請求項8】 電解質層および電極層を含む複数の部材
    を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つと
    して積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通過
    する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有す
    る燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、 (a)2枚の薄板を用意する工程と、 (b)前記2枚の薄板の間に導電性物質が介在するよう
    に、前記2枚の薄板を重ね合わせる工程と、 (c)前記導電性物質によって介在されながら重ね合わ
    された2枚の薄板を、プレス成形すると共に貼り合わ
    せ、貼り合わされた前記2枚の薄板の表面に、前記所定
    の凹凸形状を形成する工程とを備えることを特徴とする
    燃料電池用ガスセパレータの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記薄板は、金属製の薄板である請求項
    6ないし8いずれか記載の燃料電池用ガスセパレータの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 電解質層および電極層を含む複数の部
    材を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つ
    として積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通
    過する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有
    する燃料電池用ガスセパレータであって、 薄板状に形成され、その厚み方向に貫通する複数の孔を
    備えるセパレータ基板部と、 導電性物質からなり、前記孔に貫入されて、前記セパレ
    ータ基板部の少なくとも片面に凸構造を形成する貫通部
    材とを備えることを特徴とする燃料電池用ガスセパレー
    タ。
  11. 【請求項11】 水素を含有する燃料ガスと酸素を含有
    する酸化ガスの供給を受け、電気化学反応によって起電
    力を得る燃料電池であって、 請求項10記載の燃料電池用ガスセパレータを備える燃
    料電池。
  12. 【請求項12】 電解質層および電極層を含む複数の部
    材を積層してなる燃料電池内に、前記複数の部材の一つ
    として積層されると共に、表面に、前記燃料電池内を通
    過する流体の流路を形成するための所定の凹凸形状を有
    する燃料電池用ガスセパレータの製造方法であって、 (a)薄板状のセパレータ基板部を用意する工程と、 (b)前記セパレータ基板部の所定の位置に、該セパレ
    ータ基板部をその厚み方向に貫通する複数の孔を設ける
    工程と、 (c)導電性物質からなる貫通部材を、前記複数の孔の
    それぞれに貫入し、前記セパレータ基板部の表面に前記
    所定の凹凸構造を形成する工程とを備えることを特徴と
    する燃料電池用ガスセパレータの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の孔およびこれに貫入される
    前記貫通部材は、略円形の断面を有する請求項12記載
    の燃料電池用ガスセパレータの製造方法。
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