JP5272571B2 - 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池 - Google Patents

燃料電池の製造方法、及び、燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5272571B2
JP5272571B2 JP2008207653A JP2008207653A JP5272571B2 JP 5272571 B2 JP5272571 B2 JP 5272571B2 JP 2008207653 A JP2008207653 A JP 2008207653A JP 2008207653 A JP2008207653 A JP 2008207653A JP 5272571 B2 JP5272571 B2 JP 5272571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
temperature
cathode
electrode layer
glass transition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008207653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010044933A (ja
Inventor
智暁 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008207653A priority Critical patent/JP5272571B2/ja
Publication of JP2010044933A publication Critical patent/JP2010044933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5272571B2 publication Critical patent/JP5272571B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来、電解質膜上に触媒電極層が配置された燃料電池が知られている(特許文献1参照)。触媒電極層は、電解質膜との界面付近で電気化学反応が活性である。
特開2006−236631号公報
しかしながら、上記燃料電池において、電解質膜が冷熱サイクルや乾湿サイクルなどにより伸縮すると、触媒電極層に大きな応力が生じ、触媒電極層において、電解質膜との界面付近が破壊されるおそれがあった。その結果、触媒電極層で電気化学反応の活性が低下し、燃料電池性能が低下するおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、燃料電池の触媒電極層において、電解質膜との界面付近が破壊されることを抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現可能である。燃料電池の製造方法は、電解質膜を用意する工程と、第1面と、前記第1面とは反対面である第2面とを有し、電解質を含む触媒電極層を用意する工程と、前記触媒電極層において、前記第1面の温度が前記電解質のガラス転移温度よりも高い第1温度となると共に、前記第2面の温度が前記ガラス転移温度よりも低い第2温度となるような温度勾配が生じるように、前記第1面および前記第2面に熱を付与する熱付与工程であって、前記触媒電極層において、前記ガラス転移温度となるガラス転移温度地点と前記第1面との最短距離である第1距離が、前記ガラス転移温度地点と前記第2面との最短距離である第2距離よりも長くなるように、前記第1面および前記第2面に前記熱を付与する熱付与工程と、前記電解質膜と前記触媒電極層の前記第1面とが当接するように、前記電解質膜上に前記触媒電極層を配置する配置工程と、を備えることを特徴とする。本発明は、そのほか、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池の製造方法であって、電解質膜を用意する工程と、第1面と、前記第1面とは反対面である第2面とを有し、電解質を含む触媒電極層を用意する工程と、前記触媒電極層において、前記第1面の温度が前記電解質のガラス転移温度よりも高い第1温度となると共に、前記第2面の温度が前記ガラス転移温度よりも低い第2温度となるような温度勾配が生じるように、前記第1面および前記第2面に熱を付与する熱付与工程と、前記電解質膜と前記触媒電極層の前記第1面とが当接するように、前記電解質膜上に前記触媒電極層を配置する配置工程と、を備えることを要旨とする。
上記構成の燃料電池の製造方法によれば、製造した燃料電池の触媒電極層において、電解質膜との界面付近が破壊されることを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池において、前記熱付与工程は、前記触媒電極層において、前記ガラス転移温度となるガラス転移温度地点と前記第1面との最短距離である第1距離が、前記ガラス転移温度地点と前記第2面との最短距離である第2距離よりも長くなるように、前記第1面および前記第2面に前記熱を付与することを特徴とする燃料電池の製造方法。
このようにすれば、触媒電極層において、電気化学反応の活性が比較的高い部分の破壊を抑制することができ、燃料電池の電池性能の低下を抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の燃料電池において、前記熱付与工程は、前記配置工程後に行われることを特徴とする燃料電池の製造方法。
このようにすれば、配置工程前に熱付与工程が行われる場合と比較して、製造工程を容易化することができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の燃料電池において、前記触媒電極層は、単一層で形成されていることを特徴とする燃料電池の製造方法。
このようにすれば、燃料電池の製造工程を短縮・容易化することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の燃料電池において、前記触媒電極層は、カソードであることを特徴とする燃料電池の製造方法。
このようにすれば、燃料電池のカソードにおいて、電解質膜との界面付近が破壊されることを抑制することができる。
[適用例6]
燃料電池であって、電解質膜と、第1面と、前記第1面とは反対面である第2面とを有し、電解質を含み、前記電解質膜と前記第1面とが当接するように前記電解質膜上に配置され、前記第1面の温度が前記電解質のガラス転移温度よりも高い第1温度となると共に、前記第2面の温度が前記ガラス転移温度よりも低い第2温度となるような温度勾配が生じるように、前記第1面および前記第2面に熱が付与されて成る触媒電極層と、を備えることを要旨とする。
上記構成の燃料電池によれば、製造した燃料電池の触媒電極層において、電解質膜との界面付近が破壊されることを抑制することができる。
[適用例7]
適用例6に記載の燃料電池において、前記触媒電極層は、単一層で形成されていることを特徴とする燃料電池。
このようにすれば、燃料電池の製造工程を短縮・容易化することができる。
[適用例8]
適用例6または適用例7に記載の燃料電池において、前記触媒電極層は、カソードであることを特徴とする燃料電池。
このようにすれば、燃料電池の触媒電極層において、電解質膜との界面付近が破壊されることを抑制することができる。
なお、上記した燃料電池の製造方法の他、触媒電極層の製造方法、カソードの製造方法、アノードの製造方法、膜電極接合体の製造方法、燃料電池セルの製造方法など、他の方法発明としての態様で実現することも可能である。また、本発明は、上記した燃料電池の他、燃料電池セル、膜電極接合体、触媒電極層、カソード、アノードなど他の装置発明の態様として実現することも可能である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき次の順序で説明する。
A.実施例:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例に係る燃料電池100の外観構成を示す説明図である。本実施例の燃料電池100は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型燃料電池である。燃料電池100は、複数の燃料電池セルCLと、エンドプレートEPと、テンションプレートTSと、インシュレータISと、ターミナルTMと、を備えている。複数の燃料電池セルCLは、インシュレータISおよびターミナルTMを挟んで、2枚のエンドプレートEPによって挟持される。すなわち、燃料電池100は、燃料電池セルCLが、複数個積層されたスタック構造である。また、燃料電池100は、テンションプレートTSがボルトBTによって各エンドプレートEPに結合され、各燃料電池セルCLを、各部材を積層する方向(以下では、積層方向とも呼ぶ)に所定の力で締結する構造となっている。なお、本実施例の燃料電池100では、酸化ガスとしては、空気を用い、燃料ガスとしては、水素を用いる。積層方向に直交する方向であって、燃料電池セルCLに沿った方向を面方向とも呼ぶ。
図2は、燃料電池100における燃料電池セルCLの概略構成を表わす分解斜視図である。図3は、燃料電池セルCLの断面の様子を示す断面模式図である。具体的には、図3は、図2の燃料電池セルCLにおけるA−A断面を模式的に示した断面図である。燃料電池セルCLは、膜電極接合体5(以下では、MEA(Membrane Electrode Assembly)5と呼ぶ)と、ガス拡散層14,15と、セパレータ6,7と、を備える。燃料電池セルCLは、MEA5を、ガス拡散層14,15で挟持し、さらに、そのサンドイッチ構造を、セパレータ6,7で挟持して形成される。なお、図2では、ガス拡散層14は、MEA5の裏面に形成されているため、図示されていない。
MEA5は、電解質膜11と、酸化ガスが供給される触媒電極層(以下では、カソードとも呼ぶ)12と、燃料ガスが供給される触媒電極層(以下では、アノードとも呼ぶ)13と、を備え、電解質膜11をカソード12およびアノード13で挟持して構成される。言い換えれば、MEA5は、電解質膜11において、一方の面にカソード12が一方の面に配置され、他方の面にアノード13が配置されて成る。
電解質膜11は、固体高分子材料であるフッ素系電解質により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。なお、電解質膜11は、フッ素系電解質に限らず、例えば、炭化水素系電解質膜であってもよい。
アノード13は、触媒金属である白金(Pt)を担持したカーボン(以下では、白金担持カーボンとも呼ぶ)(図示せず)と、フッ素系電解質(図示せず)と、を備えている。なお、アノード13において、含有する電解質は、フッ素系電解質に限らず、炭化水素系電解質であってもよい。
カソード12は、白金担持カーボンと、フッ素系電解質と、を備えている。なお、カソード12において、含有する電解質は、フッ素系電解質に限らず、炭化水素系電解質であってもよい。カソード12の特徴点については、後述のMEAの製造方法で説明する。
ガス拡散層14,15は、導電性を有する多孔質部材であり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパなどの炭素系多孔質体や、金属メッシュ、発泡金属などの金属多孔質体によって形成される。
セパレータ6,7は、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、プレス成形した金属板によって形成することができる。セパレータ6は、図2および図3に示すように、片面において凸部6aと凹部6bとが交互に形成された凹凸形状を有している。そして、セパレータ6において、凸部6aは、ガス拡散層14(カソード12または電解質膜11)を押圧し、凹部6bは、ガス拡散層14との間にガス拡散層14(カソード12)に対して酸化ガスを給排するため酸化ガス給排流路20を形成する。また、セパレータ7において、凸部7aは、ガス拡散層15(アノード13または電解質膜11)を押圧し、凹部7bは、ガス拡散層15との間にガス拡散層15(アノード13)に対して燃料ガスを給排するため燃料ガス給排流路30を形成する。
図2に示すように、セパレータ6,7は、その外周近くの互いに対応する位置に、孔部53〜56を備えている。セパレータ6,7を、MEA5およびガス拡散層14,15と共に積層して燃料電池100を組み立てると、積層された各セパレータ6,7の対応する位置に設けられた孔部は、互いに重なり合って、積層方向に燃料電池100内部を貫通する流路を形成する。具体的には、孔部53は、酸化ガス供給マニホールドを形成し、孔部54は、酸化ガス排出マニホールドを形成し、孔部55は、燃料ガス供給マニホールドを形成し、孔部56は、燃料ガス排出マニホールドを形成する。酸化ガス供給マニホールドは、酸化ガス給排流路20に酸化ガスを導入するための流路であり、酸化ガス排出マニホールドは、酸化ガス給排流路20から酸化ガスを排出するための流路である。燃料ガス供給マニホールドは、燃料ガス給排流路30に燃料ガスを導入するための流路であり、燃料ガス排出マニホールドは、燃料ガス給排流路30から燃料ガスを排出すための流路である。
燃料電池セルCLは、上記各マニホールド、酸化ガス給排流路20、および、燃料ガス給排流路30におけるガスシール性を確保するための図示しないシール部材が配設されている。また、燃料電池100において、燃料電池セルCL間に、燃料電池セルCLを冷却するための冷却機構(図示せず)が配設されている。
A2.燃料電池の製造方法:
以下に、本実施例の燃料電池100の製造方法を説明する。この燃料電池100の製造方法では、MEA5を製造し、それを用いて、燃料電池セルCLを製造し、そして、その燃料電池セルCLを用いて、燃料電池100を製造する。以下に、具体的に説明する。
図4は、本実施例におけるMAE5の製造方法のフローチャートである。このMEA5の製造方法では、電解質膜11、および、2つのテフロン基材(テフロンは登録商標)を用意する(ステップS10)。
次に、白金担持カーボン、フッ素系電解質、溶媒(水またはエタノール)を用意し、カソード用およびアノード用の触媒インクを作成する(ステップS20)。具体的には、白金担持カーボンと、フッ素系電解質とを、溶媒に溶かし、超音波振動装置を用いて、ミキシングすることによりカソード用触媒インクを作成する。また、アノード用触媒インクも、カソード用触媒インクと同様にして作成する。
続いて、カソード用触媒インクを、テフロン基材(テフロンは登録商標)に塗布し、所定時間乾燥させ、カソードを形成する。また、アノード用触媒インクも、同様にして、アノードを形成する(ステップS30)。
次に、電解質膜11において、一方の面に、カソードを転写し、他方の面に、アノードを転写する(ステップS40)。電解質膜11において、一方の面にカソードが転写され、他方の面にアノードが転写された積層体を、以下では、単に積層体と呼ぶ。また、積層体のカソードにおいて、電解質膜11と当接する面をカソード当接面とも呼び、カソード当接面とは反対面をカソード外面とも呼ぶ。積層体のアノードにおいて、電解質膜11と当接する面をアノード当接面とも呼び、アノード当接面とは反対面をアノード外面とも呼ぶ。
そして、ホットプレス装置(図示せず)を用いて、積層体において、アノード外面とカソード外面とを挟持するようにして所定時間、所定圧でホットプレスする(ステップS50)。このステップS50の工程を以下に具体的に説明する。
図5は、積層体において、ホットプレス時における温度―位置関係を示す図である。図5において、縦軸が温度[℃]を示し、横軸がカソード(MEA)の厚さ方向(積層方向)の位置を示している。図5に示すように、カソードの厚さ方向(積層方向)において、カソード当接面の地点を当接面地点Xiと呼び、カソード外面の地点を外面地点Xoと呼ぶ。
具体的には、ホットプレス装置を用いて、図5に示すように、アノード外面を温度Txでホットプレスし、カソード外面を温度Tyでホットプレスする。この温度Txおよび温度Tyは、以下の(I),(II)の条件を満たすように設定される。
(I)カソード当接面がカソードに含有されるフッ素系電解質のガラス転移温度Tgよりも高い温度T1となり、カソード外面がガラス転移温度Tgよりも低い温度T2となるような温度勾配が生じること。なお、以下では、図5に示すように、ガラス転移温度となっている地点をガラス転移温度地点Xtとも呼ぶ。
(II)カソードにおいて、ガラス転移温度地点Xtと当接面地点Xiとの最短距離である第1距離L1が、ガラス転移温度地点Xtと外面地点Xoとの最短距離である第2距離L2よりも長くなること。
言い換えれば、ホットプレス装置を用いて、カソード当接面がガラス転移温度Tgよりも高い温度T1となり、カソード外面が上述のガラス転移温度Tgよりも低い温度T2となるような温度勾配が生じるように、かつ、カソードにおいて、第1距離L1が、第2距離L2よりも長くなるように、アノード外面およびカソード外面に熱を付与する。なお、当然、上記各温度の関係は、Tx>T1>Tg>T2>Tyとなる。上記各温度の単位は、[℃]である。
図6は、積層体において、ホットプレス時における温度―位置関係の実験例を示す図である。図6において、縦軸が温度[℃]を示し、横軸がカソード(MEA)の厚さ方向(積層方向)の位置を示している。ステップS50の工程において、例えば、カソード(厚さ10μm)において、ガラス転移温度Tgが120℃のフッ素系電解質を用いた場合には、以下のようにして、ホットプレスすればよい。すなわち、図6に示すように、アノード外面を200℃でカソード外面を90℃で、3.0MPaの圧力で、20分間ホットプレスすると、温度T1がガラス転移温度Tg(120℃)より高く、温度T2がガラス転移温度Tgより低くすることができる共に、第1距離を、第2距離よりも長くすることができた。なお、第1距離の長さは、8μmとなり、第2距離の長さは、2μmとなった。
以上の工程を経て、電解質膜11をカソード12およびアノード13で挟持したMEA5が完成する。
このようにして製造したMEA5をガス拡散層14,15で挟持し、さらに、そのサンドイッチ構造を、セパレータ6,7で挟持することにより燃料電池セルCLを製造する。そして、このようにして燃料電池セルCLを複数製造し、これら複数の燃料電池セルCLを、インシュレータISおよびターミナルTMで挟持し、さらに、そのサンドイッチ構造を、2枚のエンドプレートEPによって挟持すると共に、テンションプレートTSをボルトBTでエンドプレートEPに結合することによって燃料電池100を製造することができる。
以上のように、本実施例の燃料電池の製造方法では、MEA5の製造方法のステップS50の工程において、ホットプレス装置を用いて、カソード当接面がガラス転移温度Tgよりも高い温度T1となり、カソード外面が上述のガラス転移温度Tgよりも低い温度T2となるような温度勾配が生じるように、アノード外面およびカソード外面に熱を付与するようにしている。このようにすれば、カソード12において、ガラス転移温度地点Xtと外面地点Xoとの間、すなわち、カソード外面付近は、ガラス転移温度Tgよりも低い温度履歴しかないので、フッ素系電解質の結晶性を低くし、カソード12の厚さ方向(積層方向)で破壊を起こしやすくすることができる。それに伴い、電解質膜11が冷熱サイクルや乾湿サイクルなどで伸縮することにより、カソード12に大きな応力が加わった場合であっても、カソード12において、電気化学反応の活性が比較的高いカソード当接面付近ではなく、電気化学反応の活性が比較的低いカソード外面付近で破壊を起こさせ、電解質膜11からの大きな応力を軽減させることができる。その結果、カソード12において、電気化学反応の活性が比較的高いカソード当接面付近の破壊を抑制することができ、燃料電池100の電池性能の低下を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池の製造方法におけるMEA5の製造方法では、カソードにおいて、第1距離L1が、第2距離L2よりも長くなるように、アノード外面およびカソード外面に対して、熱を付与するようにしている。このようにすれば、電解質膜11が冷熱サイクルや乾湿サイクルなどで伸縮することにより、カソード12に大きな応力が加わった場合に、カソード12において、よりカソード外面に近い部分で破壊を起こさせることができる。その結果、カソード12において、電気化学反応の活性が比較的高い部分の破壊を抑制することができ、燃料電池100の電池性能の低下を抑制することができる。
本実施例の燃料電池の製造方法におけるMEA5の製造方法では、カソード12を単一層で形成すると共に、単一層内において、電解質膜11から応力を受けた場合に、電解質膜11から遠いカソード外面付近で破壊を起こさせるように形成するようにしている。このようにすれば、カソード12を多層構造とする場合と比較して、MEA5の製造工程を短縮・容易化することができる。
A3.燃料電池のカソードの剥離実験:
図7は、本実施例の燃料電池100および比較例の燃料電池において、カソードの剥離強度を比較した図である。この図7は、詳しくは、本実施例の燃料電池100(以下では、「燃料電池」を省略し、単に実施例とも呼ぶ)のカソード12と、比較例の燃料電池(以下では、「燃料電池」を省略し、単に比較例とも呼ぶ)のカソードと、を用いて同条件で剥離実験を行い、実施例のカソード12の剥離強度[N]と、比較例のカソードの剥離強度[N]とを測定した実験結果を示す。図7において、縦軸が剥離強度を示し、横軸がカソードの厚さ方向の位置を示している。また、図7において、実施例のカソード12の剥離強度を黒抜き四角形で示し、比較例のカソードの剥離強度を白抜き四角形で示している。
実施例のカソード12は、図6で説明した実験例と同様、カソードにおいて、ガラス転移温度Tgが120℃のフッ素系電解質を用い、アノード外面を200℃でカソード外面を90℃で、3.0MPaの圧力で、20分間ホットプレスし、温度T1がガラス転移温度Tg(120℃)より高く、温度T2がガラス転移温度Tgより低くして形成されている。一方、比較例のカソードは、MEAの製造方法において、カソード当接面の温度、および、カソード外面の温度が、それぞれ、ガラス転移温度Tg(120℃)よりも高い130℃となるように、ホットプレスして形成されている。実施例と比較例は、この相違点以外では、同様の構成となっている。なお、実施例および比較例とも、カソードの厚さは、10μmとなっている。
実施例および比較例において行った剥離実験は、以下の(1)〜(4)に示す手順で行う。なお、この剥離実験は、剥離接着強さ試験方法(JIS K6854)を応用したものである。
(1)カソードの所定部分に、粘着テープを貼り、その上から円柱体を一回転させることにより、所定の力で押圧する。
(2)引張試験機(図示せず)を用いて、カソードと、粘着テープとを、粘着テープが剥がれるまで、それぞれ逆方向に引っ張り、その時の荷重値を剥離強度として測定する。
(3)粘着テープに付着したカソード片の厚さをSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて測定する。
(4)カソードの上記所定部分において、電解質膜が露出するまで、上記(1)〜(3)工程を繰り返す。
図7に示すように、比較例のカソードよりも、実施例のカソード12の方が、外面地点Xo付近での剥離強度が低くなっており、言い換えれば、比較例のカソードよりも、実施例のカソード12の方が、外面地点Xo付近で破壊が起こりやすいと言える。従って、実施例のカソード12は、カソード外面付近において、ガラス転移温度Tgよりも低い温度履歴しかないことに起因して、フッ素系電解質の結晶性を低くくし、カソード12の厚さ方向(積層方向)での破壊を起こしやすくなっていると推測することができる。
A4.燃料電池の性能実験:
次に、実施例の燃料電池セルCLと比較例の燃料電池セルの電池性能を比較する。実施例の燃料電池セルCLおよび比較例の燃料電池セルにおいて行った電池性能の比較実験は、以下の(a)〜(e)に示す手順で行う。
(a)燃料電池セルに、燃料ガスとして高純度水素を、酸化ガスとして空気を、それぞれ大過剰量流し、燃料電池セル温度を80℃とし、発電させ、セル電圧を測定する。
(b)燃料電池セルのアノードおよびカソードに露点温度が80℃であり、0.5L/minの窒素を10分間流す。
(c)燃料電池セルを−20℃の雰囲気下に1時間配置する。
(d)燃料電池セルを80℃の雰囲気下に1時間配置する。
(e)上記(a)〜(d)工程を100回繰り返す。
(b)〜(d)工程(冷熱サイクル)を100回繰り返した後のセル電圧は、(a)工程で最初に測定したセル電圧に対して、比較例の燃料電池セルが、93mV低下したのに対し、実施例の燃料電池セルCLは、41mVしか低下していなかった。このことから、比較例よりも実施例の方が、電解質膜が冷熱サイクルで伸縮することにより、カソードに大きな応力が加わった場合であっても、カソードにおいて、電気化学反応の活性が比較的高いカソード当接面付近で破壊が抑制されていると推測することができ、その結果、電池性能の低下が抑制されていると言える。すなわち、比較例よりも実施例の方が、電池性能が高いと言える。なお、セル電圧は、電流密度を0.8A/cm2として測定した。
本実施例において、カソード当接面は、特許請求の範囲における第1面に該当し、カソード外面は、特許請求の範囲における第2面に該当し、温度T1は、特許請求の範囲における第1温度に該当し、温度T2は、特許請求の範囲における第2温度に該当し、第1距離L1は、特許請求の範囲における第1距離に該当し、第2距離L2は、特許請求の範囲における第2距離に該当する。
B.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
B1.変形例1:
上記実施例では、燃料電池100として、固体高分子型燃料電池を用いているが、本発明は、これに限られるものではなく、固体酸化物型燃料電池電解質型や溶融炭酸塩電解質型等、種々のタイプの燃料電池を用いることができる。
B2.変形例2:
上記実施例および比較例のカソードの剥離実験において、剥離強度を測定する場合、SAICASや微小硬度計を用いて、剥離強度を測定するようにしてもよい。
B3.変形例3:
上記実施例のMEA5の製造方法では、ステップS50の工程において、ホットプレス装置を用いて、カソード当接面がガラス転移温度Tgよりも高い温度T1となり、カソード外面が上述のガラス転移温度Tgよりも低い温度T2となるような温度勾配が生じるように、アノード外面およびカソード外面に熱を付与するようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、ホットプレス装置を用いて、アノード当接面がアノードに含有される電解質のガラス転移温度Tg1よりも高い温度となり、カソード外面がガラス転移温度Tg1よりも低いとなるような温度勾配が生じるように、アノード外面を、ガラス転移温度Tg1よりも低い温度でホットプレスし、カソード外面を、ガラス転移温度Tg1よりも高い温度でホットプレスするようにしてもよい。言い換えれば、ホットプレス装置を用いて、アノード当接面がガラス転移温度Tg1よりも高い温度となり、アノード外面がガラス転移温度Tg1よりも低い温度となるような温度勾配が生じるように、アノード外面およびカソード外面に熱を付与するようにしてもよい。このようにすれば、アノード13において、アノード外面付近は、ガラス転移温度Tg1よりも低い温度履歴しかないので、電解質の結晶性を低くし、アノード13の厚さ方向(積層方向)で破壊を起こしやすくすることができる。それに伴い、電解質膜11が冷熱サイクルや乾湿サイクルなどで伸縮することにより、アノード13に大きな応力が加わった場合であっても、アノード13において、電気化学反応の活性が比較的高いアノード当接面付近ではなく、電気化学反応の活性が比較的低いアノード外面付近で破壊を起こさせ、電解質膜11からの大きな応力を軽減させることができる。その結果、アノード13において、電気化学反応の活性が比較的高いアノード当接面付近の破壊を抑制することができ、燃料電池100の電池性能の低下を抑制することができる。
本発明の一実施例に係る燃料電池100の外観構成を示す説明図である。 燃料電池100における燃料電池セルCLの概略構成を表わす分解斜視図である。 燃料電池セルCLの断面の様子を示す断面模式図である。 上記実施例におけるMAE5の製造方法のフローチャートである。 積層体においてホットプレス時における温度―位置関係を示す図である。 積層体においてホットプレス時における温度―位置関係の実験例を示す図である。 上記実施例の燃料電池100および比較例の燃料電池においてカソードの剥離強度を比較した図である。
符号の説明
5…MEA
6…セパレータ
6a…凸部
6b…凹部
7…セパレータ
7a…凸部
7b…凹部
11…電解質膜
12…カソード
13…アノード
14,15…ガス拡散層
20…酸化ガス給排流路
30…燃料ガス給排流路
53〜56…孔部
100…燃料電池
T1…温度
T2…温度
CL…燃料電池セル
Tg…ガラス転移温度
Xi…当接面地点
Xo…外面地点
Xt…ガラス転移温度地点
Tx…温度
Ty…温度

Claims (7)

  1. 燃料電池の製造方法であって、
    電解質膜を用意する工程と、
    第1面と、前記第1面とは反対面である第2面とを有し、電解質を含む触媒電極層を用意する工程と、
    前記触媒電極層において、前記第1面の温度が前記電解質のガラス転移温度よりも高い第1温度となると共に、前記第2面の温度が前記ガラス転移温度よりも低い第2温度となるような温度勾配が生じるように、前記第1面および前記第2面に熱を付与する熱付与工程であって、前記触媒電極層において、前記ガラス転移温度となるガラス転移温度地点と前記第1面との最短距離である第1距離が、前記ガラス転移温度地点と前記第2面との最短距離である第2距離よりも長くなるように、前記第1面および前記第2面に前記熱を付与する熱付与工程と、
    前記電解質膜と前記触媒電極層の前記第1面とが当接するように、前記電解質膜上に前記触媒電極層を配置する配置工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池の製造方法において、
    前記熱付与工程は、前記配置工程後に行われることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池の製造方法において、
    前記触媒電極層は、単一層で形成されていることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の燃料電池の製造方法において、
    前記触媒電極層は、カソードであることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  5. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    第1面と、前記第1面とは反対面である第2面とを有し、電解質を含み、前記電解質膜と前記第1面とが当接するように前記電解質膜上に配置され、前記第1面の温度が前記電解質のガラス転移温度よりも高い第1温度となると共に、前記第2面の温度が前記ガラス転移温度よりも低い第2温度となるような温度勾配が生じるように、前記第1面および前記第2面に熱が付与されて成る触媒電極層であって、前記ガラス転移温度となるガラス転移温度地点と前記第1面との最短距離である第1距離が、前記ガラス転移温度地点と前記第2面との最短距離である第2距離よりも長くなるように、前記第1面および前記第2面に前記熱が付与されて成る触媒電極層と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項に記載の燃料電池において、
    前記触媒電極層は、
    単一層で形成されていることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項または請求項に記載の燃料電池において、
    前記触媒電極層は、カソードであることを特徴とする燃料電池。
JP2008207653A 2008-08-12 2008-08-12 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池 Active JP5272571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008207653A JP5272571B2 (ja) 2008-08-12 2008-08-12 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008207653A JP5272571B2 (ja) 2008-08-12 2008-08-12 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010044933A JP2010044933A (ja) 2010-02-25
JP5272571B2 true JP5272571B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=42016169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008207653A Active JP5272571B2 (ja) 2008-08-12 2008-08-12 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5272571B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5229297B2 (ja) * 2010-10-20 2013-07-03 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
JP5765273B2 (ja) * 2012-03-12 2015-08-19 トヨタ自動車株式会社 燃料電池

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3465656B2 (ja) * 2000-01-12 2003-11-10 トヨタ自動車株式会社 接合体製造装置および接合体製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010044933A (ja) 2010-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5298469B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散電極
JP2009176573A (ja) 燃料電池の膜・電極接合体の製造方法
WO2016199223A1 (ja) 固体酸化物型燃料電池
KR101035619B1 (ko) 연료전지용 막-전극 어셈블리 및 연료전지 스택
KR102163539B1 (ko) 막-전극 어셈블리, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 연료 전지 스택
US20140287348A1 (en) Method for manufacturing a unit cell of a solid oxide fuel cell
JP5181678B2 (ja) 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法
JP5272571B2 (ja) 燃料電池の製造方法、及び、燃料電池
JP2008034274A (ja) 燃料電池用セパレータ及び燃料電池用セパレータ構成用プレート及び燃料電池用セパレータの製造方法
JP5881594B2 (ja) 燃料電池スタック及びその製造方法
JP2010102857A (ja) 膜電極接合体の製造方法
JP2003303596A (ja) 高分子電解質型燃料電池およびその製造方法
JP2002343377A (ja) 燃料電池用電解質膜−電極接合体およびその製造方法
JP5245440B2 (ja) 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法
JP2010225484A (ja) 燃料電池、および、燃料電池の製造方法
JP5251139B2 (ja) 燃料電池の膜・電極接合体の製造方法
JP5375208B2 (ja) 燃料電池の製造方法、燃料電池
JPH1116584A (ja) 固体高分子型燃料電池用セル及びその作製方法
JP5614468B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散電極の製造方法
JP2012028160A (ja) 燃料電池
JP2007328935A (ja) 燃料電池に用いられる膜電極接合体、燃料電池、および、膜電極接合体の製造方法
JP5286896B2 (ja) 燃料電池の製造方法、燃料電池、および、セパレータ
JP2010123511A (ja) 燃料電池及びその製造方法
JP2006338880A (ja) 膜−電極接合体および燃料電池
JP2007066702A (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130429

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5272571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151