JP2007066702A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の中空型セルを支持体と一体に固定した構造を有する燃料電池において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮との差に起因するひずみを抑え、中空型セルやその他部材の破損を防止する。
【解決手段】 少なくとも一方の端部が開放された2つ以上の中空電解質膜から成る中空型セルと、中空型セル群を長手方向が平行となるように整列させて固定する支持体とを備える燃料電池であって、前記支持体は、中空型セルを挿入可能な孔が所定間隔で設けられた整列板を少なくとも1つ有し、各中空型セルは、前記整列板の孔に挿入され、少なくとも孔の周囲がポッティング処理され、且つ、該ポッティング処理された位置を含む長手方向の2箇所以上で前記支持体に固定されており、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることを特徴とする燃料電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、中空形状の電解質膜を有する中空型セルを2個以上、一体に固定した燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。電解質として固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e …(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
2H + (1/2)O + 2e → HO …(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池では、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設けるとともに、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、さらに平面状のセパレータで挟んだ平型の単セルが開発されてきた。このような平型の単セルは、複数積層して燃料電池スタックとし用いられる。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のため、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚はすでに100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。従って、小型化の要求に対しても、今後充分に応えられなくなることが予想される。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料が用いられている。セパレータは、このカーボン材料自体が高価である上に、平面状の膜・電極接合体の面全体に均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるためのガス流路溝を、微細加工により形成するため、非常に高価なものとなっている。その結果、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように幾層にもスタックされた単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状の電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けた中空型セルを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている(例えば、特許文献1等)。
このような中空型セルを有する燃料電池は、その中空内をガス流路とするため、平型で使用されるセパレータに相当する部材が必要ない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、コストの低減が見込まれる。さらに、セルが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
特開平7−296840号公報
必要な電流や電圧を得るため、燃料電池内には、通常、直列接続及び/又は並列接続した複数の中空型セルが組み込まれる。これら中空型セルはその長手方向を平行に揃えて整列され、中空型セルの中空内に反応ガスを供給するための内面用ガス流路や外面に反応ガスを供給するための外面用ガス流路、集電部材等を備えた支持体内に収容される。各中空型セルは、接着剤や樹脂等のポッティング材によってその両端が支持体に接着、固定される(特許文献1 段落0019参照)。
このように中空型セルが支持体に接着、固定されている場合、中空型セルと支持体との変形量が異なる条件下に晒されたとき、この変形量の差により中空型セルと支持体との間に応力が生じる。例えば、中空型セルの膨張係数と支持体の膨張係数とが異なれば、燃料電池を作動させて中空型セルが発熱した際等に、中空型セルの熱膨張による変形量と支持体の熱膨張による変形量との差によって中空型セルと支持体との間に熱応力が生じる。大きな応力が生じた場合には、ポッティング材が剥離したり、さらには、中空型セルや支持体の各部材が破損する可能性が高い。
また、中空型セルと支持体との間に生じる熱応力は、膨張や収縮による変形量が多い中空型セルの長手方向において特に大きい。中空型セルの長手方向の長さが長くなればなるほど生じる応力も大きくなるので、中空型セルや支持体の破損防止の観点から、従来の燃料電池においては中空型セルの長さには限界があった。
本発明は以上のような実情を鑑みて成し遂げられたものであり、複数の中空型セルを支持体と一体に固定した構造を有する燃料電池において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮との差に起因するひずみを抑え、中空型セルやその他部材の破損を防止することを目的とする。
本発明の燃料電池は、中空電解質膜、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極、および該一対の電極にそれぞれ接続する集電材を有し、且つ、少なくとも一方の端部が開放された、2つ以上の中空型セルと、中空型セル群を長手方向が平行となるように整列させて固定する支持体とを備える燃料電池であって、前記支持体は、中空型セルを挿入可能な孔が所定間隔で設けられた整列板を少なくとも1つ有し、各中空型セルは、前記整列板の孔に挿入され、少なくとも孔の周囲がポッティング処理され、且つ、該ポッティング処理された位置を含む長手方向の2箇所以上で前記支持体に固定されており、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、上記のように2箇所以上で固定された支持体と中空型セルとの間に互いの伸縮の差によって発生する応力を、支持体と中空型セルとを固定するポッティング材によって吸収することができる。従って、本発明の燃料電池によれば、中空型セルと支持体の伸縮の差より生じる応力によって中空型セルや支持体が破損したり、これらを固定するポッティング材が剥離するのを防止することが可能である。また、上記応力が中空型セルや支持体に何度も繰り返しかかることによって生じる各部材の強度低下や劣化を防ぐことができる。
本発明の燃料電池は、中空型セルと支持体とを固定する2箇所以上の固定箇所のうち少なくとも1箇所が、上記のようなポッティング材を用いてポッティング処理されていればよいが、支持体の伸縮と中空型セルの伸縮との差による応力をより効果的に吸収するためには、支持体と中空型セルとを固定する全ポッティング処理箇所に上記のような応力吸収可能なポッティング材が用いられることが好ましい。具体的には、整列させた中空型セル群の一端側に第一の前記整列板及び他端側に第二の前記整列板が配置されて前記ポッティング処理が施された燃料電池であって、第一及び第二のいずれの整列板においても、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることが好ましい。
中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できるポッティング材の特性としては、硬化後のヤング率が180MPa以下であることが挙げられる。
本発明の燃料電池においては、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材が上記のような応力を吸収することができるものであればよく、ポッティング材の配設形態は、特に限定されるものではない。具体例としては、前記ポッティング処理により形成されたポッティング層が、中空型セルと接する第一の領域と、該第一の領域を取り囲む第二の領域からなり、前記第一の領域を形成するポッティング材の硬化後のヤング率が180MPa以下であり、前記第二の領域を形成するポッティング材の硬化後のヤング率が、前記第一の領域を形成するポッティング材よりも大きい形態が挙げられる。
一般的に、前記中空型セルは引張り強さが90〜410MPaであり、且つ、線膨張係数が0.05×10−5〜2.24×10−5(cm/cm/℃)であり、前記支持体の前記応力が発生する部分は、引張り強さが54〜196MPaであり、且つ、線膨張係数が4.8×10−5〜12×10−5(cm/cm/℃)である。前記中空型セル及び支持体がこのような特性を有する場合、上記ヤング率を有するポッティング材を用いることによって、確実に上記応力を吸収し、これら部材の破損等を防止することが可能である。
前記中空型セルと接する領域のポッティング材の引張りせん断接着強度は、該ポッティング材の硬化後のヤング率よりも大きいことが好ましい。このような引張りせん断接着強度を有することによって、ポッティング材が上記応力を吸収して歪んだ際に、中空型セルや支持体等から剥離することなく、中空型セルと支持体との固定状態を保持することができるからである。
本発明の燃料電池においては、長手方向における長さが150mm以上のような長い中空型セルを用いた場合でも、上記応力による中空型セルや支持体の破損等を防止することが可能である。
本発明の燃料電池において、前記中空型セルの内面及び外面への反応ガスの供給方法は特に限定されず、例えば、前記中空型セルの内面側に反応ガスを流通させる内面用ガス流路と、前記中空型セルの外面側に反応ガスを流通させる外面用ガス流路とを備え、前記整列板が前記内面用ガス流路と前記外面用ガス流路との間に配置され、前記中空型セルが該整列板に設けられた貫通孔に挿入されて、該中空型セルの開放端が内面用ガス流路に接続されている形態とすることができる。
本発明によれば、ポッティング処理によって固定された中空型セルと支持体とを備える燃料電池において、該中空型セルの変形量と該支持体の変形量との差に起因して生じるひずみをポッティング材によって吸収することができる。ゆえに、このようなひずみによって生じる中空型セルや支持体の破損や劣化、ポッティング材の剥離等を防止することが可能である。従って、本発明の燃料電池においては、膨張係数が大きく異なる中空型セルと支持体とを組み合わせたり、長手方向の長さが長い中空型セルを用いることが可能である。
本発明の燃料電池は、中空電解質膜、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極、および該一対の電極にそれぞれ接続する集電材を有し、且つ、少なくとも一方の端部が開放された、2つ以上の中空型セルと、中空型セル群を長手方向が平行となるように整列させて固定する支持体とを備える燃料電池であって、前記支持体は、中空型セルを挿入可能な孔が所定間隔で設けられた整列板を少なくとも1つ有し、各中空型セルは、前記整列板の孔に挿入され、少なくとも孔の周囲がポッティング処理され、且つ、該ポッティング処理された位置を含む長手方向の2箇所以上で前記支持体に固定されており、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることを特徴とするものである。
本発明の燃料電池は、中空型セルと支持体とを固定するポッティング材として、これら両部間の伸縮の差によって生じる応力を吸収可能なものを用いることにより、該応力により中空型セルや支持体が破損することを抑制するものである。
以下、図1〜図14を用いて本発明の燃料電池の一実施形態について説明する。尚、下記の実施形態においては、燃料として水素ガス、酸化剤として空気(酸素)を用いた固体高分子型燃料電池を中心に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。また、燃料電池の構造を容易に理解可能とするため、図は、燃料電池の構成部材・構成要素を適宜省略して示している。
(中空型セル)
まず、本発明の燃料電池が備える中空型セルについて説明する。
図1は、本発明の燃料電池に用いられる中空型セルの一形態例を示す概略図、図2は、図1の中空型セルの断面図である。図1及び図2において、中空型セル6はチューブ状の固体高分子電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)1、固体高分子電解質膜1の内面側に設けられたアノード(本実施形態では燃料極)2及び外面側に設けられたカソード(本実施形態では空気極)3を有している。さらに、アノード2の表面には、内部集電材(負極側集電材)4として柱状集電材が配置され、カソード3の表面には、外部集電材(正極側集電材)5として、金属ワイヤ5aのネットと棒状集電材5bが配置されている。
このような構造を有する中空型セルの中空内面(実質的には、内部集電材4の外面に設けた溝4aによって形成された内面側ガス流路に露出した部分)に水素ガス、外面に空気を流通させることで、アノード及びカソード(空気極)に燃料又は酸化剤が供給され、発電する。
図1の中空型セル6は、その両端において中空部が開放されているものであって、燃料ガスは一端から中空内へと流入し、他端から流出するようになっているが、本発明における中空型セル6は、中空電解質膜の内面側に反応ガスを十分に供給できるものであるならば、中空部の一端のみが開放され、もう一端は封止されていてもよい。特に、本実施形態のように、内面側電極として、水素を燃料とする燃料極を設ける場合、非反応性成分をほとんど含まない水素ガスを燃料ガスとして中空型セルの中空内に供給できること、また、水素分子の拡散性が高いことから、中空内に供給された反応ガスを消費しきることが可能であるため、一端を封鎖した中空部内であっても反応ガスを十分に供給することができる。中空型セルの一端を封鎖する方法としては、樹脂等を中空の一端に注入する方法が例示できるが、特に限定されるものではない。
図1において、中空型セル6はチューブ状の電解質膜を有するものであるが、本発明における中空電解質膜はチューブ状に限られず、中空部を有し、当該中空部に燃料や酸化剤を流入させることで、中空内部に設けられた電極に電気化学反応に必要な反応成分を供給することができるものであればよい。
チューブ状の固体高分子電解質膜1の内径及び外径、長さ等は特に限定されるものではないが、チューブ状電解質膜の外径は0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状電解質膜の外径が0.01mm未満のものは現時点では、技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを超えるものでは、占有体積に対する表面積があまり大きくならないため、得られる中空型セルの単位体積当たりの出力が充分に得られないおそれがある。
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜は、プロトン伝導性の向上の点からは薄いほうが好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、中空形状を有するセルを多数集めることにより作製された燃料電池では電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも、充分な出力が得られる。かかる観点から、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の厚みは、10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記の外径と膜厚との好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
本発明の燃料電池は、中空型セルを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、固体高分子電解質膜として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜ほど高いプロトン伝導性を有していない電解質膜を用いても、単位体積当たりの出力密度の高い燃料電池を得ることができる。固体高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の他、固体高分子型燃料電池の電解質膜に用いられているような材料を使用することができ、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂以外のフッ素系イオン交換樹脂、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質等の高分子電解質が挙げられる。
このような電解質を用いた固体高分子電解質膜は、フィブリル状、繊布状、不繊布状、多孔質シートのパーフルオロカーボン重合体で補強することや、膜表面に無機酸化物あるいは金属をコーティングすることにより補強することもできる。また、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜としては、例えば米国デュポン社製ナフィオン(商品名)や旭硝子社製フレミオン(商品名)等の市販品もある。
また、本実施形態では電解質膜として、プロトン伝導膜の一種であり、固体高分子電解質膜の一つであるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いて説明しているが、本発明の燃料電池において用いられる電解質膜は特に限定されるものではなく、プロトン伝導性のものであっても、水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性のものであってもよい。プロトン伝導性の電解質膜としては、上記したような固体高分子電解質膜に限られず、リン酸水溶液を多孔質の電解質板に含浸させたものや、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体、ハイドロゲル化したリン酸塩ガラス、ナノ細孔を有する多孔質硝子の表面及び細孔内にプロトン伝導性官能基を導入した有機−無機ハイブリットプロトン伝導膜、無機金属繊維強化電解質ポリマー等を用いることができる。
また、燃料電池の構成によっては、例えば、本発明を固体酸化物燃料電池に適用した場合や、水酸化物イオンを電荷担体とする固体高分子型燃料電池に適用した場合などでは、酸素イオンや水酸化物イオンなどの他の電荷担体となるイオンを伝導する固体電解質膜でもよい。
電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)1の内面及び外面に設けられる各電極2,3は、固体高分子型燃料電池に用いられているような電極材料を用いて形成することができる。通常は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを積層して構成された電極が用いられる。
触媒層は触媒粒を含み、さらに触媒粒の利用効率を高めるためのプロトン伝導性物質を含んでいてもよく、プロトン伝導性物質としては上記電解質膜の材料として用いられるものを用いることができる。触媒粒としては、触媒成分を炭素質粒子、炭素質繊維のような炭素材料等の導電性材料に担持させた触媒粒が好適に用いられる。本発明の燃料電池は、中空型セルを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、白金ほど触媒作用が大きくない触媒成分を用いても、単位体積当たりの出力密度が高い燃料電池を得ることができる。
触媒成分としては、アノードにおける水素の酸化反応、カソードにおける酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
ガス拡散層としては、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を主成分とする多孔質導電性材料を用いることができる。炭素質粒子及び炭素質繊維の大きさは、ガス拡散層を製造する際の溶液中における分散性や得られるガス拡散層の排水性等を考慮して適宜最適なものを選択すればよい。ガス拡散層は、生成水など水分の排水性を高める点から、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロカーボンアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー、又はこれらの混合物等を含浸させたり、或いはこれらの物質を用いて撥水層を形成するなどして撥水加工することが好ましい。
尚、中空電解質膜の内面及び外面に設けられる各電極の構成、電極に用いられる材料等は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
チューブ状の電解質膜の内面及び外面に一対の電極を設ける方法としては、特に限定されるものではない。例えば、まず、チューブ状の電解質膜を準備する。チューブ状の電解質膜を準備する方法は特に限定されず、市販品のチューブ状に形成された電解質膜を用いることもできる。そして、当該チューブ状電解質膜の内面及び外面に、電解質及び触媒粒を含む溶液を塗布・乾燥して触媒層を形成し、当該二つの触媒層上に炭素質粒子及び/又は炭素質繊維を含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層を形成する方法が挙げられる。このとき、電解質膜の内面側に形成したガス拡散層の内面に中空部が存在するように触媒層とガス拡散層を形成する。
或いは、まず、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を含み、チューブ状に形成されたもの(チューブ状炭素質)を内面側電極(アノード)のガス拡散層として用い、当該ガス拡散層の外面に電解質及び触媒粒を含む溶液を塗布・乾燥して内面側電極の触媒層を形成して内面側電極を作製し、次に、当該触媒層の外面に電解質を含む溶液を塗布・乾燥して電解質膜層、さらに当該電解質膜層の外面に外面側電極(カソード)の触媒層を形成し、当該触媒層の外面に炭素材料を含む溶液を塗布・乾燥して外面側電極のガス拡散層を形成する方法も挙げられる。チューブ状炭素質としては、例えば、炭素質粒子等の炭素材料とエポキシ及び/又はフェノール系樹脂を溶媒に分散させてチューブ状に成形し、熱硬化後、焼成することにより得られる。
尚、電解質膜、触媒層、ガス拡散層を形成する際に使用する溶媒は、分散及び/又は溶解する材料に応じて適宜選択すればよく、また、各層を形成する際の塗布方法についても、スプレー法、スクリーン印刷法等種々の方法にから適宜選択することができる。
本発明の燃料電池に用いられる中空形状を有する中空型セルは、上記にて例示した構成に限られず、中空型セルの機能を高めることを目的として触媒層及びガス拡散層以外の層を設けても良い。また、本実施形態においては、中空電解質膜の内側にアノード、外側にカソードを設けているが、内側にカソード、外側にアノードを設けても良い。
内部集電材(本実施形態においては、負極側集電材)4は中空型セルの内周面と接する外径を有する柱状集電材であり、その外周面には、中空型セルの軸方向(長手方向)に延びる溝4aが形成されている。この溝と内面側電極2との隙間が水素ガスを供給するための中空内ガス流路となる。溝4aとしては、中空型セルの軸方向(長手方向)に延びる溝が少なくとも一本必要であり、必要に応じて、中空型セルの外周面に様々なパターン又は方向性を有する溝が形成される。
外部集電材(本実施形態においては、正極側集電材)5は、金属ワイヤ5aのネットは、中空型セルと棒状集電材5bを平行にして交互に並べ、これら両者の外周面をネットで被覆するように金属ワイヤ5aを編みこむことで製造できる。棒状集電材5bを、流体やガスがその内部を流通できるようなチューブ形状とし、この棒状集電材の中空内部にセルを冷却するための冷却剤を流通させてもよい。
上記内面側又は外面側集電材として使用される金属としては、例えば、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In等の中から選ばれる少なくとも1種以上の金属、又はステンレス鋼などのそれらの合金が好ましい。また、その表面がAu、Pt、導電性樹脂等によりコーティングされていても良い。特に耐蝕性に優れることから、中でもステンレスやチタンが好ましい。ワイヤの太さ及び編みこみの密度、棒状集電材の太さ等は、特に制限されるものではない。
本実施形態では、柱状の内部集電材4及び金属ワイヤ5aと棒状の集電材5bからなる外部集電材5を使用しているが、集電材4,5は特に限定されず、電気伝導性材料からなるものであればその形状は任意である。集電材は、柱状、ワイヤ状、棒状の他、線状でも、筒形状でもよく、例えば、スプリング状の金属ワイヤや金属箔、金属シート又はカーボンシート等のシート材料からなるもの等も適用できる。
これら集電材は、必要に応じて、カーボン系接着剤やAgペーストなどの導電性接着材により電極上に固定される。
中空型セルの長手方向(軸方向)における長さは特に限定されないが、中空型セルが長くなれば支持体の中空型セルの長手方向における長さも長くなる。これら部材の長さが長ければ長いほど、温度変化や含水量の変化等による中空型セルや支持体の変形量は大きくなり、中空型セルと支持体の変形量の差も大きくなりやすい。その結果、これら両部材間に生じる応力も大きくなり、中空型セルや支持体の破損が生じやすくなる。従って、従来の燃料電池では、その変形量の差から生じる応力のために中空型セルや支持体の破損が発生していたような長手方向の長さが長い中空型セル、具体的には、150mm以上、特に200mm以上、さらには300mm以上、さらには600mm以上の中空型セルを用いる場合でも、本発明によれば中空型セルや支持体の破損を防止することが可能である。集電効率等の観点から、通常、中空型セルの長手方向の長さは、150mm以下となる。
(燃料電池)
本発明の燃料電池は、上記のような中空型セル2個以上からなる中空型セル群と、中空型セル群を長手方向が平行となるように整列させて固定する支持体とを備えるものである。以下、本発明の燃料電池について、図3〜図14を用いて説明する。
図3は、本発明を適用した燃料電池の一形態例を示す部分断面図であり、図4は、図3の部分拡大斜視図である。図5、図6は、整列板の孔に挿入されてその周囲をポッティング処理された中空型セルを示す概略図である。
図3及び図4において、支持体9内には、複数の中空型セル6が所定間隔で且つその長手方向が平行となるように整列された中空型セル群13が配設されている。中空型セル群13を構成する各中空型セル6は、その両端を支持体9の対向しあう第一の整列板7aと、第二の整列板7bの孔(この例では貫通孔)に挿入されることによって、所定間隔で且つ互いに長手方向が平行となるように整列されている。
各整列板7の一方の面側には、ポッティング材が流し込まれてポッティング層10a、10bが形成されており、各整列板7の孔に挿入された各中空型セル6は、孔の周囲を含む領域がポッティング処理されている。この各整列板7a、7bにおける2箇所のポッティング処理によって、中空型セル6と支持体9とが一体に固定されている。支持体9は、中空型セル群13の支持や強度確保等のため、2枚の整列板7a、7bとそれぞれ直角に接合し、対向しあう2枚の側板8を有している。
支持体9は、中空型セルを固定、支持できる強度を有する材料を用いて形成される。具体的には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリル樹脂、ポリスルホン、ポリアセタール等の樹脂などを用いることができる。これらの中から、必要に応じて絶縁性或いは導電性等の特性を有する材料を適宜選択する。
支持体9は、図3、図4のように整列板7と側板8とが一体的に成形された構成の他、別部材からなる整列板7と側板8とを接合して一体化させた構成でもよい。側板8は、中空型セル群13の支持や強度確保のため、直方体状の支持体の場合、通常は少なくとも対向する二面を形成するように配設することが好ましいが、形態に限定はない。中空型セルの外面に反応ガスを供給することができれば、3枚以上の側板を配設してもよい。また、支持体9は、複数の材料を組み合わせて形成されていてもよく、整列板7と側板8とがそれぞれ異なる材料で形成されていてもよい。
支持体は図3等に示す構造に限定されるものではなく、必要に応じて、整列板や側板以外の構成部材を有していてもよい。
以上のように、支持体と中空型セルは、異なる材料から構成されており、且つ、中空型セルの長手方向の2箇所以上で互いに固定されている。このような支持体と中空型セルとを互いの寸法変化量が異なる条件下に晒した場合、該支持体と中空型セルのうち寸法変化量の小さな部材は、固定された2点間において寸法変化量の大きな部材によって引っ張られ、一方、寸法変化量の大きな部材は、固定された寸法変化量の小さな部材によってその伸縮が制限される。中空型セルの伸縮と支持体の伸縮による寸法変化量は、その構造上、中空型セルの長手方向(軸方向)において大きくなる。すなわち、図3においては、中空型セル6の長手方向に延在する側板8と、中空型セル6との間において、大きな応力が生じる。
このように、中空型セルと支持体との両部間にその伸縮の差から応力が生じる結果、寸法変化量の小さな方の部材の破損や、部材間を固定するポッティング材等の剥離等の問題が発生する。また、中空型セルや支持体が破損するほどの大きな応力でなくても、何度も中空型セルや支持体に繰り返しかかることによって、これら部材の強度低下や劣化を招く。
具体的には、例えば、図3において、ある条件下に移行した際の寸法変化量が中空型セル6と比較して支持体9の側板8の方が大きい場合、中空型セル6には、側板8の寸法変化に伴いその長手方向に引っ張る力が働く。その結果、中空型セルの線膨張係数や引張り強度によっては、中空型セル6が固定された整列板7aと7bとの間で破断したり、中空型セル6と整列板7とを接着するポッティング材が剥離する場合がある。
また、図3において、ある条件下に移行した際の寸法変化量が支持体9の側板8と比較して中空型セル6の方が大きい場合、側板8には、中空型セル6の寸法変化に伴い中空型セルの長手方向に引っ張る力が働く。その結果、側板の線膨張係数や引張り強度によっては、側板8の強度の低下や破断、中空型セル6と整列板7とを接着するポッティング材の剥離等が発生する場合がある。
そこで、本発明では、上記のように2箇所以上で固定された支持体と中空型セルとの間に互いの伸縮の差によって発生する応力を、支持体と中空型セルとを固定するポッティング材により吸収することを可能とした。すなわち、本発明の燃料電池は、少なくとも中空型セルと接する領域をポッティング処理するポッティング材として、中空型セルと支持体とを固定することができる接着力を有すると共に、硬化後において中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を繰り返し吸収できる特性を有するポッティング材を用いる。
従って、本発明の燃料電池によれば、中空型セルと支持体の伸縮の差より生じる応力によって、中空型セルや支持体が破損したり、これらを固定するポッティング材が剥離するのを防止することができる。また、上記応力が中空型セルや支持体に何度も繰り返しかかることによって生じる各部材の強度低下や劣化を防ぐことができる。
各部材の伸縮を引起こす条件としては、温度変化、湿度変化等があり、特に温度変化による寸法変化が生じやすい。本発明の燃料電池は、このような条件変化に伴う寸法変化量の差が大きい、具体的には、線膨張係数の差が大きい中空型セルと支持体とを組み合わせて用いることが可能であり、材料の選択性が広い。
本発明の燃料電池は、中空型セルと支持体とを固定する2箇所以上の固定箇所のうち少なくとも1箇所が、少なくとも中空型セルと接する領域を上記のようなポッティング材を用いてポッティング処理されていればよい。
支持体の伸縮と中空型セルの伸縮との差による応力をより効果的に吸収するためには、支持体と中空型セルとを固定する全ポッティング処理箇所に、上記のような応力を吸収可能なポッティング材を用いることが好ましい。すなわち、図3のように、中空型セル群13の一端側に配置された第一の整列板7aの孔と、他端側に配置された第二の整列板7bの孔に各中空型セル6が挿入され、該孔の周囲がポッティング処理されて支持体9と中空型セル6とが固定された燃料電池においては、第一の整列板7a及び第二の整列板7bのいずれにおいても、中空型セルと接する領域のポッティング材が、硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることが好ましい。
支持体と中空型セルとの伸縮の差によって生じる応力を繰り返し吸収可能な特性を有するポッティング材は、硬化後のヤング率を目安に選定することが便利である。具体的には、硬化後のヤング率が180MPa以下のポッティング材は、その柔軟性のため、一般的な中空型セルと支持体との組み合わせにおいて、ある条件下に移行した際の寸法変化量が異なる支持体と中空型セルとの間に介在させることによって、これら部材間に生じる応力を繰り返し吸収することができる。硬化後のヤング率が180MPaを越えるポッティング材では、上記応力を充分に吸収することができないおそれがある。一方、硬化後のヤング率が0.1MPa以下のポッティング材は、中空型セルの重量で変形していまい、中空型セルと支持体とを充分に固定することができないおそれがある。
ポッティング材の硬化後のヤング率は、JIS K6253に準じて測定することができる。
上記のようなヤング率を有するポッティング材が、支持体と中空型セルとの伸縮の差によって生じる応力を繰り返し吸収できることは、以下の計算からわかる。
一般的な中空型セルは、引張り強さが90〜410MPaの範囲内であり、また、線膨張係数が0.05×10−5〜2.24×10−5(cm/cm/℃)であるものが多い。ここで、中空型セルの引張り強さと線膨張係数とは、複数の部材から構成された中空型セルそのものの引張り強さと線膨張係数であることが好ましいが、中空型セルそのものの引張り強さと線膨張係数を測定することが困難である場合には、中空型セルを構成する特定の材料の引張り強さと線膨張係数を代表値とし、中空型セルの引張り強さと線膨張係数としてもよい。代表値としては、中空型セルを構成する各部材の材料のうち、電解質膜又は集電材の値を用いることが好ましい。このとき、電解質膜又は集電材のどちらの値を代表値とするかは、電解質膜と集電材の線膨張係数を比較して、線膨張係数が小さい方(より伸びない方)の値を代表値とする。
例えば、電解質膜として、フッ素系電解質樹脂膜等の電解質樹脂膜(高分子膜)を用いる場合、通常、線膨張係数が電解質膜>集電材となり、また高分子電解質膜は伸縮性に富むため、当該集電材の引張り強さと線膨張係数を中空型セルの引張り強さと線膨張係数とみなしてよい。一方、電解質膜として、ガラス電解質膜を用いる場合には、通常、線膨張係数が、電解質膜<集電材となるため、当該ガラス電解質膜の引張り強さと線膨張係数を中空型セルの引張り強さと線膨張係数とみなしてよい。
表1に、中空型セルの主な部材の材料の引張り強さと線膨張係数を示す。
Figure 2007066702
また、一般的な支持体の上記応力が発生する部分(図3においては、側壁8)は、引張り強さが54〜196MPaであり、また、線膨張係数が4.8×10−5〜12×10−5(cm/cm/℃)であるものが多い。
ここで、支持体の上記応力(中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差による応力)が生じる部分とは、支持体を構成する各部分のうち、上記応力が特に大きくかかる部分であり、図3においては側面8である。また、支持体の上記応力が生じる部分の引張り強さと線膨張係数は、当該部分そのものの引張り強さと線膨張係数であることが好ましいが、例えば、図3において側壁8が複数の部材から形成されており、側壁8そのものの引張り強さと線膨張係数を測定することが困難である場合には、側壁を構成する特定の材料の引張り強さと線膨張係数を代表値とし、側壁の引張り強さと線膨張係数としてもよい。代表値としては、側壁を構成する材料のうち、線膨張係数が最も大きいものの値を用いることが好ましい。
表2に、側壁の材料として用いられる主な材料の引張り強さと線膨張係数を示す。
Figure 2007066702
引張り強さが90〜410MPa、線膨張係数が0.05×10−5〜2.24×10−5(cm/cm/℃)の中空型セルと、引張り強さが54〜196MPa、線膨張係数が4.8×10−5〜12×10−5(cm/cm/℃)の支持体との組み合わせのうち、線膨張係数の差が最も大きくなる組み合わせでは、その線膨張係数の差は11.95×10−5(cm/cm/℃)となる。この線膨張係数の差が最大になる組み合わせにおいて、これらの部材が長さ20cmで接着固定されている(部材を固定する2点間の距離が20cm)場合、温度を−40℃から80℃へと変化させると、これらの部材間に生じるひずみは、[11.95×10−5(cm/cm/℃)]×[80℃−(−40)℃]×20cm=0.286cmである。
一方、上記範囲の引っ張り強さを有する中空型セルと支持体を形成する材料のうち、引張り強さが最も小さいものは54MPaである。
よって、上記範囲の引張り強さ及び線膨張係数を有する中空型セルと支持体とを接着固定するポッティング材として、硬化後のヤング率が54MPa(最小引張り強さ)/0.286cm(最大ひずみ)=188MPa以下のものを用いることによって、中空型セルと支持体の温度変化による伸縮により生じる応力を吸収し、中空型セルや支持体の破断を防止することができる。上記計算により求めたポッティング材のヤング率の上限は、中空型セルや支持体が破断しないぎりぎりの値であり、通常は、確実に中空型セルと支持体の破断を防止すべく、安全係数を適宜設定することが好ましい。例えば、安全係数を4とする場合には、ポッティング材の硬化後のヤング率の上限は47MPa程度となる。
また、例えば、中空型セルと支持体とが長さ60cmで接着固定されている場合には、硬化後のヤング率が62MPa以下のポッティング材を用いることになる。尚、中空型セルと支持体が20cmよりも短い距離で接着固定されている場合には、これら部材間に発生するひずみは、20cm時よりも小さくなるので、ヤング率が180MPa以下のポッティング材を用いることで中空型セルと支持体との間に発生した応力を吸収することができる。
また、上記線膨張係数の差が最大になる組み合わせにおいて、中空型セルと支持体が長さ100cmで接着固定されている(部材を固定する2点間の距離が100cm)場合、温度を−40℃から120℃へと変化させると、これらの部材間に生じるひずみは、[11.95×10−5(cm/cm/℃)]×[120℃−(−40)℃]×100cm=1.91cmである。そして、上記範囲の引っ張り強さを有する中空型セルと支持体を形成する材料のうち、引張り強さが最も小さいものは54MPaである。よって、硬化後のヤング率が、54MPa(最小引張り強さ)/1.91cm(最大ひずみ)=28MPa以下のものを用いることによって、中空型セルと支持体の温度変化による伸縮により生じる応力を吸収することができる。
上記のようなヤング率を有するポッティング材は、支持体の伸縮と中空型セルの伸縮との差によって生じる応力を吸収可能であるが、支持体と中空型セルが伸縮した際に当該ポッティング材にかかる力が、当該ポッティング材の引張りせん断接着強度を超える場合、当該ポッティング材が中空型セルや支持体、或いは、当該ポッティング材と接するその他のポッティング材(図6参照)から剥離してしまう。従って、ポッティング材の剥離を確実に防止すべく、中空型セルと接する領域のポッティング材は、引張りせん断接着強度がヤング率よりも大きいことが好ましい。上記範囲のヤング率よりも引張りせん断接着強度が大きいポッティング材は、中空型セルや支持体の伸縮による応力を吸収してこれら部材が破断するのを防止しつつ、中空型セルや支持体の伸縮による応力を吸収して歪んだ際に、当該ポッティング材が周囲から剥離するのを防ぐことができる。
さらに、当該ポッティング材の引っ張り剪断接着強度は、当該ポッティング材によって固定される中空型セル及び支持体の破損を防止する観点から、該中空型セルと支持体のうち引っ張り強さが小さい方の引っ張り強さ以下であることが好ましい。例えば、上記表1及び表2に示した材料の組み合わせにおいては、当該ポッティング材の引っ張り強さは54MPa以下であることが好ましい。
ポッティング材の引っ張りせん断接着強度は、JIS K6850に準じて測定することができる。
一般的なポッティング材の引張りせん断接着強度は、15〜30MPaであり、具体的には、アクリル系接着剤が〜27MPa、エポキシ系接着剤が〜25MPa、シアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)が〜15MPaである。
尚、中空型セルや支持体の側壁(応力が生じる部分)は、その縦横比(中空型セル長手方向と中空型セル短手方向との比)が縦方向(中空型セル長手方向)に著しく偏っている(例えば、150:1等)ため、中空型セルや支持体の側壁を構成する材料が異方性材料の場合、中空型セルと支持体の側壁との間に生じる応力が大きくなる方の線膨張係数や引っ張り強さの値を使用して、ポッティング材に求められるヤング率を算出することが好ましい。
中空型セルの線膨張係数は、JIS Z2285:2003又はJIS R3102:1995に準じて測定することができる。一方、支持体の側壁(応力が発生する部分)の線膨張係数は、ASTM D696に準じて測定することができる。
また、中空型セルの引張り強さは、JIS Z2241又はJIS Z2201又はASTM D2101に準じて測定することができる。一方、支持体の側壁(応力が発生する部分)の引張り強さは、ASTM D638に準じて測定することができる。
中空型セルの伸縮と支持体の伸縮との差によって生じる応力を吸収できる特性を有するポッティング材として、具体的には、シリコンゴム、ウレタン、エポキシ、アルミナ系接着剤等が挙げられる。中でも、硬化前粘度による作業性や硬化方法の観点から、低硬度エポキシが好ましく用いられる。上記ポッティング材は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、硬化後において中空型セルの伸縮と支持体の伸縮との差によって生じる応力を吸収できる特性を有するポッティング材は、整列板の孔の周囲を含む領域にポッティング処理により形成されたポッティング層のうち、少なくとも中空型セルと接する領域を形成していればよい。
例えば、図5のように、ポッティング層10全体が上記特性を有するポッティング材11よりなる構成であってもよい。図5のような単層構造のポッティング層を形成する場合、整列板7の孔14に中空型セル6を挿入した状態で、整列板7の一方の面側から、ポッティング材を流し込み、乾燥、加熱、UV照射等の処理を適宜施して硬化させればよい。
或いは、図6の(6A)〜(6C)のように、ポッティング層10が中空型セル6と接する第一の領域10cと、該第一の領域を取り囲む第二の領域10dからなり、第一の領域10cは上記特性を有するポッティング材11で形成し、第二の領域10dは上記特性を有するポッティング材11以外のポッティング材12で形成した構成でもよい。
図6のように、ポッティング層10が第一の領域10cと第二の領域10dとからなる場合、第一の領域10cのポッティング材11は、硬化後のヤング率が180MPa以下であり、第二の領域10dのポッティング材12は、硬化後のヤング率が第一の領域10cを形成するポッティング材11よりも大きいことが好ましい。このように、中空型セル6と接する第一の領域10cを、中空型セルと支持体との間に生じる応力を吸収できる特性(ヤング率)を有するポッティング材11で形成するとともに、該第一の領域10cを取り囲む第二の領域10dを、前記ポッティング材11よりもヤング率が大きい、つまり、ポッティング材11よりも伸びにくく、各中空型セルを支持体に固定する力が大きいポッティング材12で形成することによって、中空型セルや支持体の破損、ポッティング材の剥離等を防止しつつ、中空型セルの支持体への強固な固定力を確保することができる。
ポッティング層の第二の領域を形成するポッティング材は、中空型セルと支持体とを固定する接着力の観点から、硬化後のヤング率が180MPaより大きいことが特に好ましい。また、当該ポッティング材は、当該ポッティング材の剥離を防止する観点から、引っ張り剪断接着強度がヤング率よりも大きいことが好ましい。さらに、当該ポッティング材の引っ張り剪断接着強度は、当該ポッティング材によって固定される中空型セル及び支持体の破損を防止する観点から、該中空型セルと支持体のうち引っ張り強さが小さい方の引っ張り強さ以下であることが好ましい。例えば、上記表1及び表2に示した材料の組み合わせにおいては、当該ポッティング材の引っ張り強さは54MPa以下であることが好ましい。
図6のような多層構造のポッティング層を形成する方法は特に限定されない。例えば、図6(6B)の場合、ポッティング処理される位置の外周面にポッティング材11をコーティングした中空型セル6を予め準備しておき、当該コーティング部分が整列板の孔内に配置されるように中空型セルを挿入した状態で、整列板の一方の面側にポッティング材12を流し込み、硬化させる方法が挙げられる。
また、図6(6B)の場合、以下のような方法でポッティング層を形成することができる。まず、図7のように中空型セル6を整列板7の孔14に挿入し、次に、図8のように、孔14と当該孔14に挿入された中空型セル6との隙間に、型枠15を挿入、設置する。型枠15は、整列板7の孔14内における位置決めが可能となるように、係止構造15bを有している。また、型枠15は、図6(6B)のようなポッティング層の第一の領域10cを形成するためのものであり、第一の領域10cと第二の領域10dとを区画するための壁15aを有しており、図9のようにこの壁15aと中空型セル6との隙間にポッティング材11を流し込むことで、中空型セルに接する領域にポッティング材11を配設することができる。必要に応じて、ポッティング材11を完全又は不完全硬化させてから、型枠15をとりはずした後(図10参照)、第一の領域の周囲に第二の領域を形成するポッティング材12を流しこみ、硬化させる(図11参照)。
また、図12のように、型枠16を、整列板7の孔14に挿入された中空型セル6を取り囲むように設置し、当該型枠16内にポッティング材11を流し込み、必要に応じて、ポッティング材11を完全又は不完全硬化させてから型枠16をとりはずした後、ポッティング材11の周囲にポッティング材12を流しこみ、硬化させれば、図6(6C)に示すようなポッティング層を形成することができる。型枠16の大きさを調節すれば、図6(6A)に示すようなポッティング層を形成することもできる。
尚、図5や図6においては、ポッティング材が中空型セル6と整列板7の孔との隙間に入りこんでいるが、中空型セルを支持体に固定することができれば中空型セルと整列板7との隙間にポッティング材が入り込んでいなくてもよい。また、ポッティング層は、中空型セルと支持板とを固定することができれば、図3〜図6のように支持板の一方の面を覆うように設けられていなくてもよく、例えば、図14の(14A)及び(14B)に示すように、中空型セル6を挿入した孔14の周囲のみにポッティング層10が設けられており、隣接する中空型セル6間のポッティング層が接していない形態でもよい。
また、「中空型セルと接する領域」とは、図1に示すような電解質膜と電極と集電材とを備える中空型セル全体と接する領域の他、中空型セルを構成する一部分と接する領域も含む。すなわち、例えば、内部集電材を露出させ、当該露出した内部集電材を整列板の孔に挿入してその周囲をポッティング処理する場合や、中空型セル6本体を挿入するための孔14aとは別個に外部集電材用の孔14bを整列板7に設け、外部集電材5bを外部集電材用の孔14bに挿入してその周囲をポッティング処理する場合(図13参照)なども含む。
整列板7に設けられる孔は、中空型セル6を挿入して、所定間隔で且つ長手方向が平行となるように整列させることができれば、貫通孔であっても、非貫通孔であってもよい。また、整列板の1つの孔に対して1つの中空型セルのみが挿入されてもよいし、1つの孔に対して複数の中空型セルが挿入されてもよい。
整列板7の孔に挿入された中空型セル群13は、中空型セル6が、所定間隔、すなわちある規則性を持った間隔で整列され、通常は、一定間隔(等間隔)を持って整列される。中空型セルが等間隔で配置されていないと、中空型セルの外面側電極に供給される反応ガスの流れが均一にならないため、各中空型セルへの反応ガス供給量に差が生じ、燃料電池の発電効率が低下してしまうからである。特に、中空型セル外面側に供給する反応ガスを流す方向に対して直角方向の中空型セル間の間隔が一定でない場合には、反応ガスの流れに大きな偏りが生じやすいため、少なくとも中空型セル外面側に供給する反応ガスを流す方向に対して直角方向の中空型セル間の間隔が一定となるように、中空型セルを整列させることが好ましい。
本発明の燃料電池において、中空型セル群を構成する各中空型セル間の電気的接続方法や、各中空型セルの内面側及び外面側に反応ガスを供給する方法等は、特に限定されるものではない。
例えば、図3においては、中空型セル6の内面側に供給する反応ガスを流通させるための内面用ガス流路17(17a、17b)と、中空型セルの外面側に供給する反応ガスを流通させるための外面用ガス流路18は、内面用ガス流路17と外面用ガス流路18との間に配置された整列板7(7a、7b)によって区切られている。
また、各整列板7に設けられた孔14は、貫通孔であり、中空型セル6はその両端を当該孔14に挿入されて、その開放端が内面用ガス流路17a、17bに接続されている。中空型セル6の両端に設けられた内面用ガス流路17(17a,17b)のうち一方は中空型セルの中空内に反応ガスを供給する供給路(上流)、他方は中空型セルの中空内から反応ガス(一部の反応物質が消費された未反応のガス)が排出される排出路(下流)であり、ガス圧差により17a、17bのどちらが上流で、どちらが下流かが決まる。中空型セル6は、一方の開放端を内面用ガス流路17の供給路に、他方の開放端を内面用ガス流路17の排出路に接続されて、中空内に反応ガスが流通するようになっている。
このとき、中空型セル6が挿入された整列板7の孔の周囲に施されたポッティング処理によって、内面ガス流路17a、17bと外面用ガス流路18とのガスシール性が確保されている。
尚、中空型セルが一端のみにおいて中空内を開放したデッドエンドタイプの場合には、内面用ガス流路は当該開放端から反応ガスを中空内に供給するための供給路のみからなり、当該供給路に開放端が接続される。
本発明の燃料電池に備えられるチューブ状セルの一形態例を示す斜視図である。 図1のチューブ状セルの断面図である。 本発明を適用した燃料電池の一形態例を示す部分断面図である。 図3の部分拡大斜視図である。 整列板の孔に挿入されてその周囲をポッティング処理された中空型セルを示す概略図である。 整列板の孔に挿入されてその周囲をポッティング処理された中空型セルを示す概略図である。 ポッティング処理方法を説明する図であって、ポッティング処理の一工程を示す図である。 図7に続くポッティング処理の一工程を示す図である。 図8に続くポッティング処理の一工程を示す図である。 図9に続くポッティング処理の一工程を示す図である。 図10に続くポッティング処理の一工程を示す図である。 その他のポッティング処理方法を説明する図である。 整列板の孔に挿入されてその周囲をポッティング処理された中空型セルを示す概略図である。 整列板の孔に挿入されてその周囲をポッティング処理された中空型セルを示す概略図である。
符号の説明
1…中空電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)
2…内面側電極(アノード)
3…外面側電極(カソード)
4…内部集電材(負極側集電材)
5…外部集電材(正極側集電材)
6…中空型セル
7(7a、7b)…整列板
8…側板
9…支持体
10…ポッティング層
11…ポッティング材
12…ポッティング材
13…中空型セル群
14…孔
15…型枠
16…型枠
17(17a、17b)…内面用ガス流路
18…外面用ガス流路

Claims (8)

  1. 中空電解質膜、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極、および該一対の電極にそれぞれ接続する集電材を有し、且つ、少なくとも一方の端部が開放された、2つ以上の中空型セルと、中空型セル群を長手方向が平行となるように整列させて固定する支持体とを備える燃料電池であって、
    前記支持体は、中空型セルを挿入可能な孔が所定間隔で設けられた整列板を少なくとも1つ有し、
    各中空型セルは、前記整列板の孔に挿入され、少なくとも孔の周囲がポッティング処理され、且つ、該ポッティング処理された位置を含む長手方向の2箇所以上で前記支持体に固定されており、
    少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有していることを特徴とする、燃料電池。
  2. 整列させた中空型セル群の一端側に第一の前記整列板及び他端側に第二の前記整列板が配置されて前記ポッティング処理が施されており、第一及び第二のいずれの整列板においても、少なくとも中空型セルと接する領域のポッティング材は硬化後において、中空型セルの伸縮と支持体の伸縮の差によって生じる応力を吸収できる特性を有している、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記中空型セルと接する領域のポッティング材の硬化後のヤング率が180MPa以下である、請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記ポッティング処理により形成されたポッティング層は、中空型セルと接する第一の領域と、該第一の領域を取り囲む第二の領域からなり、前記第一の領域を形成するポッティング材の硬化後のヤング率が180MPa以下であり、前記第二の領域を形成するポッティング材の硬化後のヤング率が、前記第一の領域を形成するポッティング材よりも大きい、請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記中空型セルは、引張り強さが90〜410MPaであり、且つ、線膨張係数が0.05×10−5〜2.24×10−5(cm/cm/℃)であり、前記支持体の前記応力が発生する部分は、引張り強さが54〜196MPaであり、且つ、線膨張係数が4.8×10−5〜12×10−5(cm/cm/℃)である、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記中空型セルと接する領域のポッティング材の引張りせん断接着強度が、該ポッティング材の硬化後のヤング率よりも大きい、請求項3乃至5のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記中空型セルの長手方向における長さが、150mm以上である、請求項1乃至6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 前記中空型セルの内面側に反応ガスを流通させる内面用ガス流路と、前記中空型セルの外面側に反応ガスを流通させる外面用ガス流路とを備え、
    前記整列板が前記内面用ガス流路と前記外面用ガス流路との間に配置され、前記中空型セルが該整列板に設けられた貫通孔に挿入されて、該中空型セルの開放端が内面用ガス流路に接続されている、請求項1乃至7のいずれかに記載の燃料電池。
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