JP2006216404A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 充分量の反応ガスが供給されると共に、供給された反応ガス中の反応成分の利用効率を向上させ、且つ、電解質膜の乾燥を抑制することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記一対の電極の少なくとも一方は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有することを特徴とする燃料電池。
【選択図】 図1
【解決手段】 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記一対の電極の少なくとも一方は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有することを特徴とする燃料電池。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中空形状の電解質膜を有するセルモジュールを備える燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。中でも、固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用いる燃料電池であり、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
H2 → 2H+ + 2e− ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
H2 → 2H+ + 2e− ・・・(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e− → 2H2O ・・・(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池は水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
4H+ + O2 + 4e− → 2H2O ・・・(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池は水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設け、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、最後に平面状のセパレータで挟みこむことによって作製される平型の単セルを、複数積層することで得られる燃料電池スタックを有するものが開発されてきた。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のために、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚は100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように積層された複数の単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けたセルモジュールを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、製造コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、製造コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
電解質膜としてプロトン伝導膜の一つである高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池において、中空電解質膜の内面側及び外面側に設けられる電極は、通常、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを備えることが好ましい。ガス拡散層に供給された反応ガス(酸化剤ガス、燃料ガス)は、ガス拡散層内を拡散して触媒層内の触媒表面に到達し、それぞれ上記した電気化学反応を起こす。
このとき、発電に必要な充分量の反応ガスが触媒層に供給されるために、ガス拡散層から触媒層へのガスの拡散性は高いことが望ましいが、一方で、電解質膜側における触媒層ではガスの流通が激しい場合、反応ガスにより触媒層や電解質膜から水分が奪われやすく、また、触媒表面で反応を起こす反応成分の割合が減ってしまうおそれがある。
このとき、発電に必要な充分量の反応ガスが触媒層に供給されるために、ガス拡散層から触媒層へのガスの拡散性は高いことが望ましいが、一方で、電解質膜側における触媒層ではガスの流通が激しい場合、反応ガスにより触媒層や電解質膜から水分が奪われやすく、また、触媒表面で反応を起こす反応成分の割合が減ってしまうおそれがある。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、充分量の反応ガスが供給されると共に、供給された反応ガス中の反応成分の利用効率を向上させ、且つ、電解質膜の乾燥を抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記一対の電極の少なくとも一方は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、触媒層の厚み方向における反応ガスの拡散性を調節することができる。すなわち、ガス拡散層側においては、触媒層の多孔度が大きく、ガス拡散層から発電に充分な量の反応ガスを取り込むことができ、且つ取り込んだ反応ガスを触媒層内に充分拡散することができる。一方、電解質膜側においては、触媒層の多孔度が小さく、より多くの反応成分と触媒とが接触するので電気化学反応に寄与する反応成分量が増加する。その結果、反応ガスの利用効率が向上し、さらには、反応ガス中の反応成分が電解質膜を分子状態で透過するクロスリークを防止することができる。しかも、電解質膜側の触媒層におけるガスの拡散が制限されていることによって、当該電解質膜側の触媒層及び電解質膜から、流通する反応ガスにより持ち去られる水分量が減少するため、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することができる。
クロスリークをより確実に防止する観点から、前記触媒層は、さらに、単位体積当たりの触媒成分量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有することが好ましい。
また、クロスリークは、水素を燃料とした場合にアノード側で発生しやすいが、前記一対の電極のうち、少なくともアノードが電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有する構造とすることによって、水素のクロスリークを防止することができる。このとき、前記アノードの触媒層は、さらに、単位体積当たりの触媒成分量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有することが好ましい。
本発明の燃料電池の具体的な構成としては、前記触媒層の多孔度が、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1までが80〜90%、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1から3分の2までが70〜80%、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の2から電解質膜側までが60〜70%であるものが挙げられる。
本発明の燃料電池は、発電に必要な充分な量の反応ガスを触媒層に供給することができ、且つ、反応ガス中の電気化学反応に寄与する反応成分量を増加させることができるため、燃料電池の発電性能及び反応ガス利用効率を向上させることが可能である。しかも、反応ガスの利用効率が向上することによって、水素及び酸素が電解質膜を分子状態で透過するクロスリークを防止することができることから、燃料電池の長寿命化が可能である。さらには、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することによって、燃料電池の発電性能を高めることができる。
従って、本発明によれば、反応ガスの供給量を確保しつつ、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止し、電気化学反応に寄与する反応成分量を増加させることができ、その結果、発電性能の向上及び燃料電池の長寿命化が可能である。
従って、本発明によれば、反応ガスの供給量を確保しつつ、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止し、電気化学反応に寄与する反応成分量を増加させることができ、その結果、発電性能の向上及び燃料電池の長寿命化が可能である。
本発明の燃料電池は、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記一対の電極の少なくとも一方は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有することを特徴とするものである。
以下、本発明の燃料電池を、電解質膜としてプロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜を用いた場合を例に説明する。尚、ここでは、固体高分子電解質膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いている。
まず、図1及び図2を用いて、本発明を適用した燃料電池の一形態を説明する。図1は、本発明において用いられるセルモジュールの一形態例を示す図である。
図1において、セルモジュール101は、チューブ状の電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)1を有し、カソード2が電解質膜1の中空外面側に、アノード3が電解質膜1の中空内面側に形成されている。アノード3の内側には、アノード3に供給される反応ガスが流通する中空部(通常、水素ガス等の燃料ガスの流路)8が形成されている。カソード2及びアノード3には、集電体9,10がそれぞれ接続されており、集電体9,10の一端は出力端子として機能する。ここでは、チューブ状電解質膜の外面側にカソード、内面側にアノードが設けられているが、各電極の配置は特に限定されるものではなく、内面側にカソード、外面側にアノードが設けられてもよい。また、反応ガス(酸化剤ガス、燃料ガス)の流通方向も特に限定されるものではない。
図2は図1に示すセルモジュールの部分拡大断面図である。図2において、カソード2及びアノード3は、それぞれ、電解質膜側から順に触媒層4,6とガス拡散層5,7が積層した構造を有している。カソード2の触媒層4は多孔度が異なる3つの領域4a、4b、4cからなり、触媒層4全体として多孔度がガス拡散層5側から電解質膜1側に向かって小さくなる分布を持つように、各領域の多孔度は4a>4b>4cとなっている。アノード3の触媒層6も多孔度が異なる3つの領域6a、6b、6cからなり、各領域の多孔度は触媒層6全体の多孔度がガス拡散層7側から電解質膜1側に向かって小さくなる分布を持つように、6a>6b>6cとなっている。
尚、図2においては、カソード2の触媒層4及びアノード3の触媒層6の両方が、上記のような多孔度の分布を持つが、本発明においては、カソード及びアノードのうち少なくとも一方が触媒層に多孔度の分布を持っていればよい。
ここで、多孔度とは、全体の体積中に空隙が占める体積の比率を100分率(%)で示したものである。
ここで、多孔度とは、全体の体積中に空隙が占める体積の比率を100分率(%)で示したものである。
本発明の燃料電池は、以上のように触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有するものである。このような多孔度の分布を有することによって、触媒層内の位置により反応ガスの拡散性を調節することができる。すなわち、ガス拡散層側においては、触媒層の多孔度が大きく、ガス拡散性が高いため、ガス拡散層から発電に充分な量の反応ガスを取り込むことができ、且つ取り込んだ反応ガスを触媒層内に充分拡散することができる。
一方、電解質膜側においては、触媒層の多孔度が小さく、ガスの拡散が制限されているため、反応ガス中の反応成分(酸素、水素)が滞留する時間が長く、より多くの反応成分と触媒とが接触するので電気化学反応に寄与する反応成分量が増加する。電気化学反応に寄与する反応成分量が増加することによって、燃料電池の発電性能及び反応ガス利用効率が向上する。しかも、反応ガスの利用効率が向上することによって、電解質膜近傍において分子状態で存在する水素及び酸素の量が低減するため、水素及び酸素が電解質膜を分子状態で透過するクロスリークを防止することができる。クロスリークは、水素の燃焼反応を引起こし、燃焼反応の際の発熱によって電解質膜や触媒の劣化を招くものであり、クロスリークを防止することで、燃料電池の長寿命化が可能となる。
さらには、電解質膜側の触媒層におけるガスの拡散が制限されていることによって、当該電解質膜側の触媒層及び電解質膜から、流通する反応ガスにより持ち去られる水分量が減少するため、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することができる。電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することによって、燃料電池の発電性能が高められる。
さらには、電解質膜側の触媒層におけるガスの拡散が制限されていることによって、当該電解質膜側の触媒層及び電解質膜から、流通する反応ガスにより持ち去られる水分量が減少するため、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することができる。電解質膜及び触媒層の乾燥を防止することによって、燃料電池の発電性能が高められる。
このように、本発明によれば、反応ガスの供給量を確保しつつ、電解質膜及び触媒層の乾燥を防止し、電気化学反応に寄与する反応成分量を増加させることができ、その結果、発電性能の向上及び燃料電池の長寿命化が可能である。
水素は酸素と比較してよりクロスリークしやすく、また、アノード側は電気化学反応による水の生成がない上に、プロトンが水を随伴してカソード側へと移動する分、カソード側よりも乾燥しやすい。従って、少なくともアノードにおいて、触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有していることが好ましい。
カソードにおいては、電気化学反応に伴い水が生成し、さらに、アノード側からのプロトンの移動に水が随伴することから、余剰の水分が触媒層内に滞留し、酸化剤ガスの拡散性が低下してしまう場合がある。しかしながら、本発明の燃料電池において、カソードの触媒層を上記のような多孔度の分布を有する構造とした場合には、乾燥を防止したい電解質膜側においては、触媒層の多孔度が低く、高い保水性を示し、一方、電解質膜側から余剰の水分が押し出されてくるガス拡散層側においては、触媒層の多孔度が高く、高い排水性を示す。すなわち、本発明によれば、水分管理能力に優れたカソードを備えた燃料電池を得ることができる。
本発明において、触媒層の多孔度の分布状態は、ガス拡散層側より電解質膜側の方が多孔度が小さい分布であれば、図1のように階段状に変化するものであっても良いし、連続的な傾斜をもって変化するものであってもよい。製造の容易さの観点からは、触媒層をガス拡散層側から電解質膜側に亘ってその厚みを等分又は非等分に2〜5程度の領域に分割し、各領域の多孔度をガス拡散層側より電解質膜側の方が小さくなるように設定することが好ましい。多孔度の分布状態は、カソード側とアノード側で異なっていてもよいし、同一であってもよい。
触媒層の多孔度は、ガス拡散層からのガス拡散性の観点から、ガス拡散層と接する領域において、80〜90%程度とすることが好ましく、一方、電解質膜の乾燥を防止する観点から、電解質膜と接する領域において、60〜70%程度とすることが好ましい。さらに、通常は、触媒層全体での多孔度が60〜90%程度となるように、各領域における多孔度を調節することが好ましい。例えば、図1のような三段階の分布を有する触媒層では、4a及び6aの多孔度が80〜90%程度、4b及び6bの多孔度が70〜80%程度、4c及び6cの多孔度が60〜70%程度であることが好ましい。また、図1のように触媒層を三分割する場合、最もガス拡散層側の領域4a、6aの範囲はガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1まで、領域4b、6bの範囲はガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1から3分の2まで、最も電解質膜側の領域4c、6cの範囲はガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の2から電解質膜までとすることが好ましい。
触媒層は、固体高分子型燃料電池に用いられているような電極材料を用いて形成することができ、通常、触媒成分、導電性材料、プロトン伝導性物質により形成される。触媒成分としては、アノードにおける水素の酸化反応、カソードにおける酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、白金、及び白金と例えばルテニウムなど他の金属とからなる合金である。通常、これらの触媒成分は、炭素質粒子や炭素質繊維のような炭素材料等の導電性材料に担持させて用いられる。本発明の燃料電池は、中空形状を有するセルモジュールを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、白金ほど触媒作用が大きくない触媒成分を用いても、単位体積当たりの出力密度が高い燃料電池を得ることができる。
プロトン伝導性物質としては、後述する電解質膜として使用することができる電解質を用いることができる。また、触媒層には、必要に応じて、さらに撥水性高分子や結着剤等その他の材料を用いてもよい。
プロトン伝導性物質としては、後述する電解質膜として使用することができる電解質を用いることができる。また、触媒層には、必要に応じて、さらに撥水性高分子や結着剤等その他の材料を用いてもよい。
触媒層の多孔度の調整は、触媒層における触媒機能、ガス拡散性、導電性、プロトン伝導性を損なわない範囲で行えばよく、その方法は特に限定されない。
触媒層の多孔度が異なる領域間では、上記したような触媒層を形成する固形材料全体が占める体積が異なる。このとき、多孔度が異なる領域間において、各領域を形成する固形材料全体が占める体積を調整する固形材料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよいし、触媒層を形成する全種の固形材料の量が異なることによって、固形材料の体積が調整されていてもよい。また、多孔度の異なる触媒層の領域間において、触媒層を形成する材料は異なっていてもよい。
多孔度の異なる領域を有する触媒層は、例えば、固形成分の体積濃度の異なる触媒ペースト、又は、固形成分の粒径が異なる触媒ペースト等を用いて、或いは、レーザーアブレーション、ゾルゲル法、スパッタ、酸化物メッキなどによって多孔度の異なる触媒層を形成し、それらを転写等の方法により積層することで製造できる。
触媒層の多孔度が異なる領域間では、上記したような触媒層を形成する固形材料全体が占める体積が異なる。このとき、多孔度が異なる領域間において、各領域を形成する固形材料全体が占める体積を調整する固形材料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよいし、触媒層を形成する全種の固形材料の量が異なることによって、固形材料の体積が調整されていてもよい。また、多孔度の異なる触媒層の領域間において、触媒層を形成する材料は異なっていてもよい。
多孔度の異なる領域を有する触媒層は、例えば、固形成分の体積濃度の異なる触媒ペースト、又は、固形成分の粒径が異なる触媒ペースト等を用いて、或いは、レーザーアブレーション、ゾルゲル法、スパッタ、酸化物メッキなどによって多孔度の異なる触媒層を形成し、それらを転写等の方法により積層することで製造できる。
反応ガスのクロスリークをさらに防止する観点からは、触媒層における単位体積当たりの触媒成分の量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有することが好ましい。多孔度が小さい電解質膜側の領域において触媒成分量が多いと、拡散が制限された反応ガス中の反応成分がより確実に触媒と接触し、反応を起こすため、水素或いは酸素が分子状態で電解質膜を透過する確率が小さくなる。
触媒層における触媒成分の分布状態は、ガス拡散層側より電解質膜側の方が単位体積当たりの触媒成分量が多い分布であればよく、階段状に変化するものであっても良いし、連続的な傾斜をもって変化するものであってもよい。通常、触媒層の形成が容易なことから、触媒層の多孔度の分布と同様の形態で触媒成分の密度を分布させればよい。例えば、図1のように触媒層の多孔度が3段階で階段状に変化するものである場合には、カソード側触媒層4においては触媒成分量が4a<4b<4c、アノード側触媒層6においては触媒成分量が6a<6b<6cとなるようにすればよい。
触媒成分量の分布は、触媒層の多孔度の分布とは異なる分布形態としてもよい。また、触媒成分量の分布状態はカソード側とアノード側で異なっていてもよいし、同一であってもよい。
触媒成分量の分布は、触媒層の多孔度の分布とは異なる分布形態としてもよい。また、触媒成分量の分布状態はカソード側とアノード側で異なっていてもよいし、同一であってもよい。
触媒層の触媒成分量は用いる触媒成分にもよるが、通常、触媒層全体として単位面積当り0.1〜0.2mg/cm2程度とすることが好ましいことから、触媒層全体としての触媒成分量が上記範囲となるように、触媒成分量を触媒層の厚み方向(電解質膜側からガス拡散層へ向かう方向)へ分布させることが好ましい。また、触媒層の厚み方向における各領域の触媒成分量は特に限定されないが、電解質膜と接する領域においては、クロスリーク防止の観点から単位体積当たり0.3〜0.4mg/cm3程度とすることが好ましい。例えば、図1のような三段階の多孔度分布を有する触媒層において、触媒成分量にも分布を持たせる場合には、4a及び6aの触媒成分量が単位体積当たり0.05〜0.1mg/cm3程度、4b及び6bの白金量が単位体積当たり0.1〜0.2mg/cm3程度、4c及び6cの白金量が単位体積当たり0.3〜0.4mg/cm3程度となるようにすることが好ましい。
既述したように水素ガスはクロスリークしやすいため、特に少なくともアノードの触媒層において、単位体積当たりの触媒成分の量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有していることが好ましい。
触媒層は、触媒成分、導電性材料、プロトン伝導性物質、さらに必要に応じてその他の成分を溶媒に分散させた触媒ペーストを用いて形成することができる。
ここで、図1に示すような触媒層を形成する方法を例に、多孔度の分布及び触媒成分量の分布を有する触媒層の形成方法について説明する。
ここで、図1に示すような触媒層を形成する方法を例に、多孔度の分布及び触媒成分量の分布を有する触媒層の形成方法について説明する。
例えば、まず、触媒層のうち最も電解質膜側に位置する領域4c、6c用の触媒ペーストCを作製する。触媒ペーストCは、多孔度が60〜70%、触媒成分量が単位体積当たり0.3〜0.4mg/cm3の触媒層を形成することができるものである。この触媒ペーストCを3分割し、1つはそのまま領域4c、6c用の触媒ペーストCとして用い、残りの2つは、多孔度が4a>4b>4c、6a>6b>6c、且つ、触媒成分量が4a<4b<4c、6a<6b<6cとなる触媒層4,6を形成することができるように上記したようなプロトン伝導性物質や導電性材料、又はその他の成分(例えば、エタノール等)を加えて希釈し、領域4b、6b用の触媒ペーストB(多孔度が70〜80%、触媒成分量が単位体積当たり0.1〜0.2mg/cm3の触媒層を形成)、領域4a、6a用の触媒ペーストA(多孔度が80〜90%、触媒成分量が単位体積当たり0.05〜0.1mg/cm3の触媒層を形成)を調製する。
このようにして得られた触媒ペーストを用いて、チューブ状電解質膜1の内面及び外面に触媒層4、6を形成する方法は特に限定されない。例えば、チューブ状電解質膜を準備し、当該電解質膜の内面及び外面に、まず、触媒ペーストCを塗布・乾燥して領域4c、6cの触媒層を形成し、続いて同様にして触媒ペーストBを用いて領域4bと6b、触媒ペーストAを用いて領域4aと6aの触媒層を形成する。さらに、領域4a及び6a上に炭素質粒子及び/又は炭素質繊維と撥水性樹脂とを含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層5,7を形成することで、両面に電極(アノードとカソード)を有するチューブ状電解質膜が得られる。このとき、電解質膜の内面側に形成したガス拡散層7の内面に中空部8が存在するように触媒層6とガス拡散層7を形成する。
或いは、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を含み、チューブ状に形成されたもの(チューブ状炭素質)をチューブ状電解質膜の内面に設けられる電極(アノード3)のガス拡散層7として用い、当該ガス拡散層7の外面にまず触媒ペーストAを塗布・乾燥して領域6aの触媒層を形成し、続いて、触媒ペーストB、触媒ペーストCを用いて同様に領域6bと6cの触媒層を形成する。次に、触媒層6の外面(6c)に電解質を含む溶液を塗布・乾燥して電解質膜層を形成する。さらに、当該電解質膜層の外面に触媒ペーストC、B、Aを用いて順に領域4c、4b、4aの触媒層を形成し、当該領域4aの外面に炭素材料を含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層5を形成すると、両面に電極(アノード2とカソード3)を有するチューブ状電解質膜が得られる。
ここで、電解質膜、触媒層、ガス拡散層を形成する際に使用する溶媒は、分散及び/又は溶解する材料に応じて適宜選択すればよく、また、各層を形成する際の塗布方法についても、スプレー法、スクリーン印刷法等種々の方法から適宜選択することができる。
図1においては、中空電解質膜としてチューブ状の中空形状を有する電解質膜を用いているが、本発明における中空電解質膜とは、チューブ状に限られず、中空部を有し、当該中空部内に反応ガスを流入させることで内面側電極に電気化学反応に必要な反応成分を供給することができるものであればよい。
また、本実施形態では電解質膜として、プロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜の一つであるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いて説明しているが、本発明の燃料電池は、中空形状を有するセルモジュールを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜ほど高いプロトン伝導性を有していない電解質膜を用いても、単位体積当たりの出力密度の高い燃料電池を得ることができる。固体高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の他、固体高分子型燃料電池の電解質膜に用いられているような材料を使用することができ、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂以外のフッ素系イオン交換樹脂、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質等の高分子電解質が挙げられる。
このような電解質を用いた固体高分子電解質膜は、フィブリル状、繊布状、不繊布状、多孔質シートのパーフルオロカーボン重合体で補強することや、膜表面に無機酸化物あるいは金属をコーティングすることにより補強することもできる。また、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜としては、例えば米国デュポン社製ナフィオン(商品名)や旭硝子社製フレミオン(商品名)等の市販品もある。
また、プロトン伝導性の電解質膜としては、上記したような固体高分子電解質膜に限られず、リン酸水溶液を多孔質の電解質板に含浸させたものや、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体、ハイドロゲル化したリン酸塩ガラス、ナノ細孔を有する多孔質硝子の表面及び細孔内にプロトン伝導性官能基を導入した有機−無機ハイブリットプロトン伝導膜、無機金属繊維強化電解質ポリマー等を用いることができる。
チューブ状の電解質膜を形成する方法としては特に限定されず、市販品のチューブ状に形成された電解質膜を用いてもよい
また、プロトン伝導性の電解質膜としては、上記したような固体高分子電解質膜に限られず、リン酸水溶液を多孔質の電解質板に含浸させたものや、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体、ハイドロゲル化したリン酸塩ガラス、ナノ細孔を有する多孔質硝子の表面及び細孔内にプロトン伝導性官能基を導入した有機−無機ハイブリットプロトン伝導膜、無機金属繊維強化電解質ポリマー等を用いることができる。
チューブ状の電解質膜を形成する方法としては特に限定されず、市販品のチューブ状に形成された電解質膜を用いてもよい
ガス拡散層としては、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を主成分とする導電性材料を用いることができる。炭素質粒子及び炭素質繊維の大きさは、ガス拡散層を製造する際の溶液中における分散性や得られるガス拡散層の排水性等を考慮して適宜最適なものを選択すればよい。電解質膜の内面及び外面に設けられる各電極の構成、電極に用いられる材料等は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。ガス拡散層は、生成水など水分の排水性を高める点から、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロカーボンアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー、又はこれらの混合物等を含浸させたり、或いはこれらの物質を用いて撥水層を形成するなどして撥水加工することが好ましい。
上記炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を含み、チューブ状に形成されたチューブ状炭素質としては、例えば、炭素質粒子等の炭素材料とエポキシ及び/又はフェノール系樹脂を溶媒に分散させてチューブ状に成形し、熱硬化後、焼成することにより得られる。
チューブ状のセルモジュールの内径及び外径、長さ等は、燃料電池に必要な出力、燃料電池を適用する機器等燃料電池の設計や運転条件に応じて適宜設計することができ、特に限定されるものではないが、チューブ状電解質膜の外径は0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状電解質膜の外径が0.01mm未満のものは現時点では、技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを超えるものでは、占有体積に対する表面積が小さくなることとなって、得られるセルモジュールの単位体積当たりの発電出力が小さくなってしまうので好ましくない。
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜は、プロトン伝導性の向上の点からは薄いほうが好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、中空形状を有するセルモジュールを多数集めることにより作製された燃料電池では電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも、充分な出力を示す。かかる観点から、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の厚みは、10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記したパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の外径と膜厚との好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
また、電解質膜の内面及び外面に設ける触媒層の厚みは1〜100μm程度、ガス拡散層の厚みは3〜10μm程度とすることが好ましい。
また、電解質膜の内面及び外面に設ける触媒層の厚みは1〜100μm程度、ガス拡散層の厚みは3〜10μm程度とすることが好ましい。
本発明の燃料電池に用いられる中空形状を有するセルモジュールは、上記にて例示した構成に限られず、セルモジュールの機能を高めることを目的として触媒層及びガス拡散層以外の層を設けても良い。
また、集電体(9,10)の形態、材料は特に限定されない。集電体の材料としては、ステンレス等の金属の線材又は箔を例示することができ、例えば、カーボン系接着材やAgペースト等の導電性接着材により電極上に固定してもよい。
また、集電体(9,10)の形態、材料は特に限定されない。集電体の材料としては、ステンレス等の金属の線材又は箔を例示することができ、例えば、カーボン系接着材やAgペースト等の導電性接着材により電極上に固定してもよい。
なお、図1に示した実施形態では、電解質膜として、プロトン伝導膜であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた構成をとるが、本発明の燃料電池において用いられる電解質膜は特に限定されるものではなく、プロトン伝導性のものであっても、水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性のものであってもよい。水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性を有する電解質としてはセラミックスを含むもの等が挙げられる。酸化物イオン伝導性の電解質膜を用いる場合には、カソード側で生成した酸化物イオンが電解質膜内を通過してアノード側に達し、水素と反応して水を生成すると同時に電子を放出する。
図1のような構成を有するセルモジュールは、通常、複数配列して支持板で支持したセル群を形成し、各セルモジュールのアノード端子及びカソード端子をそれぞれ束ねて並列接続される。この並列セル群は、他のセル群と直列接続してセル集合体とし、外装部材により取り囲まれてケーシングされる。外装部材の内部空間を酸化剤ガス供給源に、セルモジュールの中空部を燃料ガス供給源に連通させることで、各電極の表面にそれぞれ反応ガスが供給される。なお、セルモジュール、セル群の接続形態や配列形態等の燃料電池の構成は特に限られず、例えば、セルモジュールを直列接続したセル群を用いてもよいし、或いはセル群ごとにケーシングし、その各内部空間をそれぞれ反応ガス供給源に連通してもよい。
101…セルモジュール
1…中空電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)
2…カソード
3…アノード
4…カソード触媒層
5…カソードガス拡散層
6…アノード触媒層
7…カソードガス拡散層
8…中空部
9,10…集電体
1…中空電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜)
2…カソード
3…アノード
4…カソード触媒層
5…カソードガス拡散層
6…アノード触媒層
7…カソードガス拡散層
8…中空部
9,10…集電体
Claims (5)
- 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記一対の電極の少なくとも一方は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有することを特徴とする燃料電池。
- 前記触媒層は、さらに、単位体積当たりの触媒成分量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有する、請求項1に記載の燃料電池。
- 前記一対の電極のうち、少なくともアノードが電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有し、前記触媒層の多孔度がガス拡散層側から電解質膜側に向かって小さくなる分布を有する、請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 前記アノードの触媒層は、さらに、単位体積当たりの触媒成分量がガス拡散層側から電解質膜側に向かって大きくなる分布を有する、請求項3に記載の燃料電池。
- 前記触媒層の多孔度は、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1までが80〜90%、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の1から3分の2までが70〜80%、ガス拡散層側から触媒層の厚さ3分の2から電解質膜側までが60〜70%である、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池。
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