JP2005353490A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、セルモジュールの中空内部に存在する水分の排出性を向上させた燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記セルモジュールは、前記一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空内面側に有し、且つ、当該燃料電池を使用するために設置した状態において、生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられていることを特徴とする燃料電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中空形状の電解質膜を有するセルモジュールを備える燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用いる燃料電池であり、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
Figure 2005353490
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
Figure 2005353490
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池は水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設け、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、最後に平面状のセパレータで挟みこむことによって作製される平型の単セルを、複数積層することで得られる燃料電池スタックを有するものが開発されてきた。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のために、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚は100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように積層された複数の単セルの周囲を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けたセルモジュールを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、製造コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
特開平9−223507号公報 特開2002−124273号公報 特開2002−158015号公報 特開2002−260685号公報
上記のような中空形状を有するセルモジュールを備えた燃料電池において、電気化学反応の結果生成水が生成する電極を、電解質膜の中空内面に設ける場合には、生成水や反応ガス中の水蒸気が過飽和となって凝縮した水分など、セルモジュールの中空内に液体状態の水分が溜まりやすい。この液体状態の水分により、電極の水浸し状態、いわゆるフラッディングが発生したり、中空内を通る反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)の通流性の低下が生じ、その結果、反応ガスの供給量、電極の発電有効面積が減少し、燃料電池の発電性能が低下してしまう。従って、燃料電池の発電性能を向上させるためには、中空内に存在する余剰の水分を、中空内の反応ガスの通流や電極の水分分布に悪影響を与えない場所へ排出することが重要となってくる。
中空部に存在する水分を排出する方法として、中空部に流入するガスの圧力によりに水分を押し出す方法も考えられるが、一定以上の圧力でガスを流入させることが必要となり、燃料電池の設計及び運転条件等が制約されてしまう。
本発明は、上記問題を考慮してなされたものであり、セルモジュールの中空内部に存在する水分の排出性を向上させた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記セルモジュールは、前記一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空内面側に有し、且つ、当該燃料電池を使用するために設置した状態において、生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池を使用するために設置した状態において、セルモジュールは生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられているため、セルモジュールの中空内に存在する水分、主に発電の際に生成した生成水等、液体状態の水分が自然と自重により下方へと移動し、中空内の反応ガスの通流や電極の水分分布に悪影響を与えない場所へ排出されることになる。中空内の水分がより確実に且つより早く排出されるためには、燃料電池の使用状態におけるセルモジュールの傾斜角は45°〜90°の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、中空形状を有するセルモジュールを備えた燃料電池において、中空内面側に生成水を生成する電極を設けた場合であっても、中空内に存在する液体状態の水分が重力により下方に移動し、水分の存在が燃料電池の発電性能等の電池特性に悪影響を与えない場所へと排出される排水性に優れた燃料電池を得ることができる。排水性を向上させることによって、過剰な水分により引き起こされるフラッディングや中空内でのガス通流性低下などの問題の発生を抑制することが可能であるので、本発明の燃料電池は高い電池特性を発現することができる。
特に、開口部が1つしかない中空形状を有するセルモジュールを備えた燃料電池、或いは反応ガス流の圧力が小さい条件下で運転する燃料電池等、反応ガスの圧力で中空内部の水分を排出することができない場合や、セルモジュール内の中空形状が細く、目詰まりを起こしやすい場合において、本発明により得られる効果はさらに大きくなる。
また、本発明によれば、中空内部のガス流路が水分による目詰まり起こしにくいことから、セルモジュールの径を細くすることができるため、セルモジュールの密集度を高くすることができ、単位体積あたりの電極面積を大きくすることが可能である。
本発明の燃料電池は、中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、前記セルモジュールは、前記一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空内面側に有し、且つ、当該燃料電池を使用するために設置した状態において、生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられていることを特徴とするものである。
以下、本発明の燃料電池を、電解質膜としてプロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜の一つであるパーフルオロカーボンスルホン酸膜を用いた場合を例に説明する。
まず、図1〜図3を用いて、本発明の燃料電池の一形態を説明する。なお、図1はセルモジュールの斜視図、図2は図1に示すセルモジュールを複数配列構成したセル群、図3は図2に示すセル群の接続形態の一例を示す。
図1において、符号1はチューブ状の電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)であり、生成水を生成する第1の電極(この場合はカソード)2が電解質膜1の中空内面側に、前記第1の電極と対をなす第2の電極(この場合はアノード)3が電解質膜1の中空外面側に形成されている。さらに、第1の電極(カソード)2の内側には、第1の電極に供給される反応ガスが流入する中空部(通常、空気等の酸化剤ガス流路)4が形成されている。符号5及び6は、それぞれ第1の電極(カソード)2、第2の電極(アノード)3に接続された集電体であり、その一端が出力端子として機能する。
図1のような構成を有するセルモジュールは、通常、図2に示すように、複数配列して支持板(図示せず)で支持したセル群を形成し、各セルモジュールのアノード端子及びカソード端子をそれぞれ束ねて並列接続する。この並列セル群を、図3に示すように他のセル群と直列接続してセル集合体とする。このセル集合体は図示しない外装部材により取り囲まれてケーシングされ、外装部材の内部空間は燃料ガス供給源に、セルモジュールの中空部は酸化剤ガス供給源に連通し、各電極の内外両面にそれぞれ反応ガスが供給される。なお、セルモジュール、セル群の接続形態や配列形態等の燃料電池の構成は特に限られず、例えば、セルモジュールを直列接続したセル群を用いてもよいし、或いはセル群ごとにケーシングし、その各内部空間をそれぞれ反応ガス供給源に連通してもよい。また、反応ガスの供給方向も図に示す場合に限られない。
本発明の燃料電池は、燃料電池を構成するセルモジュールが、当該燃料電池を使用するために設置した状態において、その中空内に存在する水分、特に第1の電極で生成した生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられている。従って、セルモジュール内の中空部に存在する、電気化学反応の結果第1の電極で生成した生成水や、反応ガス中の水蒸気が過飽和となって凝縮した水分等液体状態の水分は、第1の電極面上や中空内など、中空内の反応ガスの通流性や電極の水分分布等に悪影響を及ぼす領域に長い間留まることなく、自重によりセルモジュールの傾斜方向下方に落ち、中空内の反応ガスの通流や電極の水分分布等に悪影響を与えない場所、典型的には、セルモジュール外に排出される。
このように、本発明の燃料電池は排水性に優れることから、生成水を生成する電極で発生しやすいフラッディングや、第1の電極に反応ガスを供給するための流路となる中空部内のガス通流性の低下等、過剰な水分の存在によって生じる問題を防止することができる。従って、本発明の燃料電池は、燃料電池の有効発電面積を低下させず、また、反応ガスの通流もスムーズに行われるため、高い発電性能など優れた電池特性を発現することになる。さらに、本発明によれば、中空部に流入させる反応ガスの圧力により当該中空部に存在する水分を排出する方法とは異なり、水分を強制的に移動させるのに必要なガス圧をかける必要がないため、セルモジュールや燃料電池の設計、燃料電池の運転条件がガス圧の条件により制約されない。特に、ガスの流入口が1箇所しかない中空形状を有するセルモジュールを備えた燃料電池、セルモジュールの中空内に流入するガス圧が小さい燃料電池等、ガス圧によって中空内の水分を排出することができない場合や、セルモジュールが細長い中空形状を有する燃料電池等、中空内の目詰まりが発生しやすい場合に優れた効果を発揮することが期待される。また、本発明によれば、セルモジュールの中空内面側に生成水を生成する電極を設ける場合でも、中空内部のガス流路が水分による目詰まり起こしにくいため、セルモジュールの径を細くすることができる。従って、セルモジュールの密集度を高くすることができ、単位体積あたりの電極面積を大きくすることができる。
燃料電池を使用するために設置した状態において、生成水が重力により下方に落ちる傾斜角とは、中空内に存在する液体状態の水分が自重により下方に落ちる傾斜角であればよく、その範囲は限定されるものではないが、水分を確実且つ早く排出するためには、セルモジュールの傾斜角を水平方向に対して45°〜90°の範囲とすることが好ましく、特に略鉛直とすることが好ましい。また、セルモジュールを傾斜角をもたせて燃料電池内に設けるとは、燃料電池内にセルモジュールを一定の傾斜角をもたせた状態で固定設置する場合に限られず、何らかの制御機構によって燃料電池の変位に対応してセルモジュールの傾斜角を随時調節する場合も含む。
図1において、本発明のセルモジュールはチューブ状の中空形状を有する電解質膜と、当該電解質膜の外面及び内面に設けられた一対の電極から構成されているが、本発明における中空形状とは、チューブ状に限られず、中空部を有し、当該中空部に反応ガスを流入させることで内面側電極に電気化学反応に必要な反応成分を供給することができるものであればよい。
また、本実施形態では電解質膜として、プロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜の一つであるパーフルオロカーボンスルホン酸膜を用いて説明しているが、本発明の燃料電池は、中空形状を有するセルモジュールを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、パーフルオロカーボンスルホン酸膜ほど高いプロトン伝導性を有していない電解質膜を用いても、単位体積当たりの出力密度の高い燃料電池を得ることができる。固体高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸の他、固体高分子型燃料電池の電解質膜に用いられているような材料を使用することができ、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸以外のフッ素系イオン交換樹脂、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質等の高分子電解質が挙げられる。このような電解質を用いた固体高分子電解質膜は、フィブリル状、繊布状、不繊布状、多孔質シートのパーフルオロカーボン重合体で補強することや、膜表面に無機酸化物あるいは金属をコーティングすることにより補強することもできる。また、パーフルオロカーボンスルホン酸膜としては、例えば米国デュポン社製ナフィオンや旭硝子社製フレミオン等の市販品もある。
また、プロトン伝導性の電解質膜としては、上記したような固体高分子電解質膜に限られず、リン酸水溶液を多孔質の電解質板に含浸させたものや、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体、ハイドロゲル化したリン酸塩ガラス、ナノ細孔を有する多孔質硝子の表面及び細孔内にプロトン伝導性官能基を導入した有機−無機ハイブリットプロトン伝導膜、無機金属繊維強化電解質ポリマー膜等を用いることができる。
電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)の内面及び外面に設けられる各電極は、固体高分子型燃料電池に用いられているような電極材料を用いて形成することができる。通常は、電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを積層して構成された電極が用いられる。触媒層は触媒粒を含み、触媒粒の利用効率を高めるためのプロトン伝導性物質を含んでいてもよく、プロトン伝導性物質としては上記電解質膜の材料として用いられるものを用いることができる。触媒粒としては、触媒成分を炭素質粒子、炭素質繊維のような炭素材料等の導電性材料に担持させた触媒粒が好適に用いられる。本発明の燃料電池は、中空形状を有するセルモジュールを有するため、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、白金ほど触媒作用が大きくない触媒成分を用いても、単位体積当たりの出力密度が高い燃料電池を得ることができる。触媒成分としては、アノードにおける水素の酸化反応、カソードにおける酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
ガス拡散層としては、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を主成分とする導電性材料を用いることができる。炭素質粒子及び炭素質繊維の大きさは、ガス拡散層を製造する際の溶液中における分散性や得られるガス拡散層の排水性等を考慮して適宜最適なものを選択すればよい。電解質膜の内面及び外面に設けられる各電極の構成、電極に用いられる材料等は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。ガス拡散層は、生成水など水分の排水性を高める点から、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロカーボンアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー、又はこれらの混合物等を含浸させたり、或いはこれらの物質を用いて撥水層を形成するなどして撥水加工することが好ましい。
チューブ状の電解質膜の内面及び外面に一対の電極を設けたセルモジュールの製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、まず、チューブ状の電解質膜を準備し、当該電解質膜の内面及び外面に、電解質及び触媒粒を含む溶液を塗布・乾燥して触媒層を形成し、当該二つの触媒層上に炭素質粒子及び/又は炭素質繊維を含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層を形成する方法が挙げられる。このとき、電解質膜の内面側に形成したガス拡散層の内面にガス流路となる中空部が存在するように触媒層とガス拡散層を形成する。
或いは、まず、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を含み、チューブ状に形成されたもの(チューブ状炭素質)を第1の電極(カソード)のガス拡散層として用い、当該ガス拡散層の外面に電解質及び触媒粒を含む溶液を塗布・乾燥して触媒層を形成して第1の電極を作製し、次に、当該触媒層の外面に電解質を含む溶液を塗布・乾燥して電解質膜層、さらに当該電解質膜層の外面に触媒層を形成し、当該触媒層の外面に炭素材料を含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層を形成する方法も挙げられる。
チューブ状の電解質膜を形成する方法としては特に限定されず、市販品のチューブ状に形成された電解質膜を用いることもできる。また、チューブ状炭素質としては、例えば、炭素質粒子等の炭素材料とエポキシ及び/又はフェノール系樹脂を溶媒に分散させてチューブ状に成形し、熱硬化後、焼成することにより得られる。
尚、上記したセルモジュールの製造方法において、電解質膜、触媒層、ガス拡散層を形成する際に使用する溶媒は、分散及び/又は溶解する材料に応じて適宜選択すればよく、また、各層を形成する際の塗布方法についても、スプレー法、刷毛塗り法等種々の方法から適宜選択することができる。
チューブ状のセルモジュールの内径及び外径、長さ等は、燃料電池に必要な出力、燃料電池を適用する機器等、燃料電池の設計や運転条件に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではないが、電解質膜の厚みは1〜500μm程度、触媒層の厚みは5〜10μm程度、ガス拡散層の厚みは10〜200μm程度でよく、酸化剤ガス流路となる中空部の内径は100〜10000μm程度であることが好ましい。
本発明の燃料電池に用いられる中空形状を有するセルモジュールは、上記にて例示した構成に限られず、セルモジュールの機能を高めることを目的として触媒層及びガス拡散層以外の層を設けても良い。
また、集電体5,6の形態、材料は特に限定されない。集電体の材料としては、ステンレス等の金属の線材又は箔を例示することができ、カーボン系の導電性接着材、例えば、日本アジソン株式会社製JEH−103等により電極上に固定してもよい。
なお、図1に示した実施形態では、電解質膜として、プロトン伝導膜の一種である固体高分子電解質膜の一つであるパーフルオロカーボンスルホン酸膜を用いた構成をとるが、本発明の燃料電池において用いられる電解質膜は特に限定されるものではなく、プロトン伝導性のものであっても、水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性のものであってもよい。水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性を有する電解質としてはセラミックスを含むもの等が挙げられる。酸化物イオン伝導性の電解質膜を用いる場合には、カソード側で生成した酸化物イオンが電解質膜内を通過してアノード側に達し、水素と反応して水を生成すると同時に電子を放出する。従って、この場合、アノード側で生成水が生成するのでチューブ状電解質膜の内面側にアノードを設け、中空内には水素ガスを通流させる構成とする。
本発明の燃料電池内に備えられるセルモジュールの一形態例の斜視図である。 図1に示すセルモジュールを複数配列したセル群の一形態例を示す図である。 図2に示すセル群の接続形態の一例を示す図である。
符号の説明
1…電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸膜)
2…第1の電極(カソード)
3…第2の電極(アノード)
4…中空部
5,6…集電体

Claims (2)

  1. 中空形状の電解質膜と、当該電解質膜の中空内面及び外面に設けられた一対の電極を有するセルモジュールを備えた燃料電池であって、
    前記セルモジュールは、前記一対の電極のうち生成水を生成する電極を中空内面側に有し、且つ、当該燃料電池を使用するために設置した状態において、生成水が重力により下方に落ちる傾斜角をもたせて燃料電池内に設けられていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記セルモジュールの傾斜角が水平方向に対して45°〜90°である、請求項1に記載の燃料電池。
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