JP2002216805A - 燃料電池のセパレータ - Google Patents

燃料電池のセパレータ

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JP2002216805A
JP2002216805A JP2001234975A JP2001234975A JP2002216805A JP 2002216805 A JP2002216805 A JP 2002216805A JP 2001234975 A JP2001234975 A JP 2001234975A JP 2001234975 A JP2001234975 A JP 2001234975A JP 2002216805 A JP2002216805 A JP 2002216805A
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gas
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Koetsu Hibino
光悦 日比野
Takashi Kuzutani
孝史 葛谷
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレータのガス流路の仕切壁上に反応生成
水が溜まっても、速やかに水抜きができるとともに、セ
ル内のガス圧、ガス濃度のより一層の均一化をはかるこ
とができる燃料電池のセパレータの提供。 【解決手段】 (1)固体高分子型燃料電池でセパレー
タ面を鉛直にして用い、セパレータ面内をガス流路2
7、28が左右方向に蛇行するように仕切壁28で区画
し、その仕切壁28を傾斜させた。(2)仕切壁28は
ガス流路27を下流側に絞るように形成され、仕切壁上
流端に水抜き孔29を有する。(3)仕切壁28はガス
流路27を下流側に拡げる。(4)水抜き孔29はガス
流路27の流路面積の5〜10%である。(5)ガス流
路27は連続的に狭められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池、とくに
固体高分子電解質型燃料電池(PEMFC)のセパレー
タ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、イオン
交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置さ
れた触媒層および拡散層からなる電極(アノード、燃料
極)および電解質膜の他面に配置された触媒層および拡
散層からなる電極(カソード、空気極)とからなる膜−
電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assem
bly )と、アノード、カソードに燃料ガス(水素)およ
び酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための流体
通路または冷却媒体を流すための流路を形成するセパレ
ータとからセルを構成し、1以上のセルの積層体からモ
ジュールを構成し、モジュールを積層してモジュール群
とし、モジュール群のセル積層方向両端に、ターミナ
ル、インシュレータ、エンドプレートを配置してスタッ
クを構成し、スタックをセル積層方向に締め付け、スタ
ックをセル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部
材(たとえば、テンションプレート、テンションボルト
など)にて固定したものからなる。固体高分子電解質型
燃料電池では、アノード側では、水素を水素イオンと電
子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソ
ード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよ
び電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパ
レータを通してくる)から水を生成する反応が行われ
る。 アノード側:H2 →2H+ +2e- カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O アノード側、カソード側とも、下流側程反応ガスが消費
されてガス濃度、ガス圧力が低下する。また、上記水生
成反応によりカソード側では下流側程水蒸気分が増加
し、エアの飽和水蒸気量を越えると水滴となる。カソー
ド側の水分が電解質膜を通して拡散するため、アノード
側でも下流側程水蒸気分が増加する。電解質膜中を水素
イオンが移動するためには電解質膜が適度に湿潤してい
ることが必要であるが、湿潤過多になると、水詰まりが
生じ、反応ガスの供給不足が生じて燃料電池の電流密度
分布の不均一、燃料電池の出力低下が起こる。特開平1
1−250923号は、固体高分子電解質型燃料電池で
並列溝群からなるセパレータのガス流路を下流にいくに
従って段階的に絞り込み、反応ガスが下流にいくに従っ
て消費されても、ガス濃度、ガス圧力がほぼ一定に維持
される燃料電池を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
250923号の固体高分子電解質型燃料電池のセパレ
ータで、セパレータ面を重力方向(鉛直方向)に向けて
使い、それによってガス流路の仕切壁2が、図6に示す
ように、横方向に水平に延びる場合に、セパレータ1の
ガス流路の仕切壁の上に反応生成水3が溜まるおそれが
ある。仕切壁上に反応生成水が溜まると、ガス流路が
閉塞されて、電池性能が低下するおそれがあること、
電極に残存していた酸が反応生成水中に入り生成水の蒸
発につれて濃度が上がった時にセパレータ(たとえば、
メタルセパレータ)を腐食させたり電解質膜を傷めるお
それがあること、等の問題が生じる。特開平11−25
0923号の燃料電池では、各仕切壁の両端間に高低が
つけられていないので、各仕切壁の両端間ではガス流路
幅が一定で、各仕切壁の両端間でガス濃度、ガス圧力の
変動が生じてしまい、セル面内全体のガス濃度、ガス圧
力分布の均一化に限度がある。本発明の目的は、固体高
分子電解質型燃料電池のセパレータで、セパレータ面を
鉛直方向に向けて使う場合に、セパレータのガス流路の
仕切壁上に反応生成水が溜まっても、速やかに水抜きが
できる燃料電池のセパレータを提供することにある。本
発明のもう一つの目的は、上記の目的に加えて、固体高
分子電解質型燃料電池のセパレータで、セル内のガス
圧、ガス濃度の(特開平11−250923号等の従来
電池に比べて)より一層の均一化をはかることができる
燃料電池のセパレータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) セパレータ面を重力方向に向けて用いられ、左
右方向に延びる仕切壁によって形成されたセパレータ面
内で左右方向に折り返しながら蛇行するガス流路を有す
る、固体高分子電解質型燃料電池のセパレータであっ
て、少なくとも一部の仕切壁を水平方向から傾斜させた
燃料電池のセパレータ。 (2) 前記仕切壁はガス流路の幅をガス流れ方向下流
にいくほど絞るように形成されており、前記傾斜された
仕切壁のガス流れ方向上流端部に水抜き孔が形成されて
いる(1)記載の燃料電池のセパレータ。 (3) 前記仕切壁はガス流路の幅をガス流れ方向下流
にいくほど拡げるように形成されている(1)記載の燃
料電池のセパレータ。 (4) 前記水抜き孔は該水抜き孔の直上のガス流路部
分の流路断面積の1/10〜1/20の大きさの孔断面
積をもつ(2)記載の燃料電池のセパレータ。 (5) 前記ガス流路の幅が下流にいくほど連続的に狭
められている(1)記載の燃料電池のセパレータ。
【0005】上記(1)の燃料電池のセパレータでは、
少なくとも一部の仕切壁を水平方向から傾斜させたの
で、傾斜仕切壁上に水が溜まろうとしても、その水は仕
切壁上を低い方へ重力で流れていくので、傾斜仕切壁上
に水が溜ることが防止され、水溜りによる燃料電池の性
能低下や、セパレータ(メタルセパレータの場合)の腐
食、電解質膜の損傷が防止される。上記(2)の燃料電
池のセパレータでは、傾斜された仕切壁のガス流れ方向
上流端部に水抜き孔が形成されているので、傾斜仕切壁
上に水が溜まろうとしても、その水は傾斜仕切壁上を低
い方に流れていき水抜き孔を通して下側へと重力で抜け
ていき、傾斜仕切壁上に水が溜ることが防止され、水溜
りによる燃料電池の性能低下は起こらない。また、仕切
壁はガス流路の幅をガス流れ方向下流にいくほど絞るよ
うに形成されているので、各仕切壁に対応する流路部分
間でも下流側ほど流路幅を絞ることができ、各仕切壁に
対応する流路部分間で流路幅が一定であった従来に比べ
て、より一層の、ガス圧、ガス濃度の均一化をはかるこ
とができる。上記(3)の燃料電池のセパレータでは、
ガス流路の幅が下流にいくほど拡げられているので、各
仕切壁に対応する流路部分間で上記(2)のようなガス
圧、ガス濃度の均一化の作用、効果は得られないもの
の、傾斜壁の下流端を上流部に対して下方に位置させる
ことにより、傾斜壁に水抜き孔を形成しなくても水を仕
切壁上を低い方へ重力で流すことができ、水抜き孔を通
してのガスのショートパス(短絡)を防止することがで
き、発電へのガスの有効利用をはかることができる。上
記(4)の燃料電池のセパレータでは、水抜き孔の孔断
面積を該水抜き孔のすぐ上のガス流路部の流路断面積の
1/10〜1/20としたので、1/10以上より良好
な水抜けを確保でき、1/20より水抜き孔を通しての
ガスのショートパスを無視できる程度に抑えることがで
きる。上記(5)の燃料電池のセパレータでは、ガス流
路の幅が下流にいくほど連続的に狭められているので、
各仕切壁に対応する流路部分間でも流路幅を連続的に変
えることができ、従来に比べてより一層の、ガス圧、ガ
ス濃度の均一化をはかることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の燃料電池のセパ
レータを、図1〜図5を参照して、説明する。図中、図
1、図2は本発明の何れの実施例にも適用可能であり、
図3は本発明の実施例1を示し、図4は本発明の実施例
2を示し、図5は本発明の実施例3を示す。本発明の何
れの実施例にも共通する部分には、本発明の実施例1〜
3にわたって同じ符号を付してある。まず、本発明の何
れの実施例にも共通する部分を、たとえば図1、図2、
および、図3〜図5を参照して、説明する。
【0007】本発明のガス流路が適用される燃料電池
は、固体高分子電解質型燃料電池10である。燃料電池
10は、たとえば燃料電池自動車に搭載される。ただ
し、自動車以外に用いられてもよい。固体高分子電解質
型燃料電池10は、図1、図2に示すように、イオン交
換膜からなる電解質膜11とこの電解質膜11の一面に
配置された触媒層12および拡散層13からなる電極1
4(アノード、燃料極)および電解質膜11の他面に配
置された触媒層15および拡散層16からなる電極17
(カソード、空気極)とからなる膜−電極アッセンブリ
(MEA:Membrane-Electrode Assembly )と、電極1
4、17に燃料ガス(水素)および酸化ガス(酸素、通
常は空気)を供給するための流体通路27および燃料電
池冷却用の冷却水が流れる冷却水流路26を形成するセ
パレータ18とを重ねてセルを形成し、該セルを少なく
とも1層積層してモジュール19を構成し(たとえば、
2セルから1モジュールを構成し)、モジュール19を
積層してモジュール群とし、モジュール群のセル積層方
向両端に、ターミナル20、インシュレータ21、エン
ドプレート22を配置してスタック23を構成し、スタ
ック23をセル積層方向に締め付けセル積層体の外側で
セル積層方向に延びる締結部材24(たとえば、テンシ
ョンプレート、スルーボルトなど)とボルト25または
ナットで固定したものからなる。
【0008】触媒層12、15は白金(Pt)を含むカ
ーボン(C)からなる。拡散層13、16はガス透過性
を有しカーボン(C)からなる。セパレータ18は、ガ
ス、水不透過性で、導電性を有する。セパレータ18
は、通常は、カーボン(黒鉛である場合を含む)、また
は金属(メタル)、または導電性樹脂、の何れかからな
る。図2、図3、図4では、セパレータ18が、カーボ
ン(黒鉛である場合を含む)からなる。また、図5では
セパレータ18がメタルからなる(ただし、カーボンか
らなっていてもよい)。
【0009】セパレータ18は、燃料ガスと酸化ガス、
燃料ガスと冷却水、酸化ガスと冷却水、の何れかを隔て
るとともに、隣り合うセルのアノードからカソードに電
子が流れる電気の通路を形成している。冷却水流路26
はセル毎に、または複数のセル毎に、設けられる。たと
えば、図2の例では、2セルで1モジュールを構成して
おり、冷却水流路26が、モジュール毎(2セル毎)に
設けられている。
【0010】図3、図4に示すように、セパレータ18
は、通常、四角形状か、ほぼ四角形状を有する。ただ
し、セパレータ18の形状は四角形に限るものではな
い。MEAの一側には、セパレータに燃料ガス流路27
aが形成されており、MEAの他側には、セパレータに
酸化ガス流路27bが形成されている。セパレータ18
には、燃料電池を冷却する冷却水流路を形成するととも
に反応ガスのガス流路を形成する冷却用セパレータ18
Aと、反応ガスのガス流路を形成する反応ガス用セパレ
ータ18Bとの2種類のセパレータがある。1セル毎に
冷却水流路が設けられる場合は、冷却用セパレータ18
Aは無く、反応ガス用セパレータ18Bだけが設けられ
る。
【0011】発電部30(電極がある部位)では、冷却
用セパレータ18Aの一面に冷却水流路26が形成され
他面にガス流路27(燃料ガス流路27aまたは酸化ガ
ス流路27b)が形成されており、冷却用セパレータ1
8Aは冷却水と反応ガス(燃料ガスまたは酸化ガス)と
を隔てる。また、反応ガス用セパレータ18Bの一面に
燃料ガス流路27aが形成され、他面に酸化ガス流路2
7bが形成されており、反応ガス用セパレータ18Bは
燃料ガスと酸化ガスとを隔てる。
【0012】発電部30のガス流路27は、セパレータ
に一体に形成された多数の小突起によってセパレータと
電極間に形成されるスペースであってもよいし、セパレ
ータに一体に形成された多数の小突起によってセパレー
タと電極間に形成されるスペースとセパレータに一体に
形成された溝状のガス流路との組み合わせから構成され
ていてもよいし、セパレータに一体に形成された溝状の
ガス流路のみから構成されていてもよい。図3、図4、
図5は、ガス流路27がセパレータに一体に形成された
多数の小突起によってセパレータと電極間に形成される
スペースからなる場合を示している。また、ガス流路2
7が溝状のガス流路を含む場合は、各ガス流路セグメン
トはほぼ並行する複数の溝状のガス流路群からなるが、
ガス流路が溝状のガス流路のみからなると、水抜き効果
が低減するので、多数の小突起によってセパレータと電
極間に形成されるスペースと溝状のガス流路との組み合
わせであることが望ましい。
【0013】ガス流路27は、図3〜図5に示すよう
に、左右方向に延びる1本以上の仕切壁28によって、
セパレータ面内で左右方向に折り返しながら蛇行するよ
うに形成されている。左右に延びる各仕切壁28はセパ
レータの左右の一端から他端(対向端)に向かって延び
対向端から隔たった位置で止まっている。仕切壁の終端
と対向端との間のガス流路部分は、ガスが折り返してつ
ぎの流路セクションに流れる流路部分である。セパレー
タ18がセパレータ面を重力方向に向けて用いられる場
合において、仕切壁28の少なくとも一部は、水平から
傾斜されている。仕切壁28が複数本ある場合、そのう
ち少なくとも一部の本数の仕切壁が水平方向から傾斜さ
れていればよく、残りの本数の仕切壁は水平であっても
よい。仕切壁28が1本しか無い場合は、その仕切壁
は、水平方向から傾斜されている。仕切壁28の水平か
らの傾斜は、仕切壁28の長手方向に左右方向に連続的
に傾斜させてもよいし、段階的に傾斜(1本の仕切壁2
8に水平部分と傾斜部分とを交互に連続させて設ける)
させてもよい。セパレータ18がセパレータ面を重力方
向に向けて用いられる場合において、仕切壁28の少な
くとも一部を水平から傾斜させるのは、仕切壁28上に
水が溜まろうとした場合、その水を自重で低い方に移動
させ、仕切壁端または水抜き孔から下方に水を落下させ
て、仕切壁28上に水が溜まらないようにするためであ
る。
【0014】上記の、本発明の全実施例に共通する構造
による作用はつぎの通りである。セパレータ面が鉛直の
場合に、少なくとも一部の仕切壁28を水平方向から傾
斜させたので、傾斜仕切壁上に水が溜まろうとしても、
その水は仕切壁上を低い方へ重力で流れていくので、傾
斜仕切壁上に水が溜ることが防止される。その結果、水
溜りによる燃料電池の性能低下や、セパレータ(メタル
セパレータの場合)の酸による腐食、セパレータからの
溶出金属による電解質膜の損傷等が防止される。
【0015】つぎに、本発明の各実施例に特有な構成、
作用を説明する。本発明の実施例1では、図3に示すよ
うに、傾斜仕切壁28に接しているガス流路27の流路
幅はガス流れ方向に変化し、ガス流れ方向下流にいくほ
ど流路幅が狭められている。また、ガス流路27が複数
本の仕切壁28で複数の流路セクションにに区画されて
おり、下流側の流路セクションは上流側の流路セクショ
ンよりも流路幅が狭められている。図3の例では、上下
方向に複数本(たとえば、3本)の仕切壁28があっ
て、一部の本数の仕切壁28には傾斜が設けられている
が、残りの本数の仕切壁28は水平である。この水平の
仕切壁28にも下流が下位となる傾斜がつけられてもよ
い。また、傾斜仕切壁28では、傾斜仕切壁28の両端
部のうち下位にある方の端部に水が溜まろうとするの
で、その水が溜まろうとする部位に、仕切壁28に水抜
き孔29が設けられている。図3の例では、傾斜仕切壁
28の上流側端部が下流側端部より下位にあるので、傾
斜仕切壁28の上流側端部に仕切壁28に水抜き孔29
が設けられている。
【0016】水抜き孔29は、その水抜き孔のすぐ上の
ガス流路部の流路断面積の1/10〜1/20の大きさ
の孔断面積をもつことが望ましい。ただし、1/10〜
1/20の範囲以外でもよい。1/10以上が望ましい
理由は、仕切壁28上に溜まった水を水抜き孔29を通
して速やかに下方に移行させるためであり、1/20以
下が望ましい理由はガスが水抜き孔29を通して下流側
部分にショートパスする量を無視できる程度にするため
である。
【0017】本発明の実施例1の作用については、傾斜
仕切壁28によって水が傾斜仕切壁28上を下位へと移
動し、移動してきた水は水抜き孔29によって下方へ落
下するので、傾斜仕切壁28上に水が溜ることを防止す
ることができる。その他に、仕切壁28がガス流路27
の幅をガス流れ方向下流にいくほど絞るように形成され
ているので、各仕切壁に対応する流路部分間でも下流側
ほど流路幅を絞ることができ、各仕切壁に対応する流路
部分間で流路幅が一定であった従来に比べて、より一層
の、ガス圧、ガス濃度の均一化をはかることができる。
【0018】ガス圧、ガス濃度の均一化をさらに詳しく
説明するとつぎの通りである。燃料電池10では、反応
ガス(アノード側では水素、カソード側では酸素)は、
反応し消費されるので流路内で次第に減少していく。こ
のため、ガス流路幅が一定であれば、ガス圧が次第に低
下して、電流密度は次第に低下する。図3に示すよう
に、反応ガスの減少量に合わせてガス流路27の流路幅
を、連続的または段階的に、狭めることにより、ガス濃
度、ガス圧を一定に近づけることができ、電流密度分布
や温度分布をセル内で均一化することができる。これ
は、燃料ガス側でも、酸素、空気側でもいえる。そし
て、狭める幅Hは、 H=(Rn +Ry )/Ry =1+Rn /Ry ここで、Rn :必要なガス量 Ry :余分なガス量(または出口流量) Rn +Ry :入口流量 また、HをS(ストイキ比)で表すと、 S=(Rn +Ry )/Rn =1+Rn /Ry だから、H
=S/(S−1)で決定される。
【0019】また、水抜き孔29の孔断面積を該水抜き
孔のすぐ上のガス流路部の流路断面積の1/10〜1/
20としたので、1/10以上より良好な水抜けを確保
でき、1/20より水抜き孔を通してのガスのショート
パスを無視できる程度に抑えることができる。
【0020】本発明の実施例2では、図4に示すよう
に、傾斜仕切壁28に接しているガス流路27の流路幅
はガス流れ方向に変化し、ガス流れ方向下流にいくほど
流路幅が狭められている。また、ガス流路27が複数本
の仕切壁28で複数の流路セクションにに区画されてお
り、下流側の流路セクションは上流側の流路セクション
よりも流路幅が狭められている。また、傾斜仕切壁28
の両端部のうち下位にある方の端部には、仕切壁28に
水抜き孔29は設けられていない。傾斜仕切壁28の両
端部のうち下位にある方の端部に水がたまると排出しに
くいので、実施例2の構造は、水の生成が無い燃料ガス
流路27aに適用され、水が生成される酸化ガス流路2
7bには適用しないことが望ましい。
【0021】本発明の実施例2の作用については、仕切
壁28がガス流路27の幅をガス流れ方向下流にいくほ
ど絞るように形成されているので、各仕切壁に対応する
流路部分間でも下流側ほど流路幅を絞ることができ、各
仕切壁に対応する流路部分間で流路幅が一定であった従
来に比べて、より一層の、ガス圧、ガス濃度の均一化を
はかることができる。
【0022】本発明の実施例3では、図5に示すよう
に、傾斜仕切壁28に接しているガス流路27の流路幅
はガス流れ方向に変化し、傾斜仕切壁28に接している
領域においてガス流路27の流路幅はガス流れ方向下流
にいくほど拡げられている。図5の例では、傾斜仕切壁
28の上流側端部は下流側端部より上位にあるので、傾
斜仕切壁28の上流側端部に仕切壁28に水抜き孔29
を設ける必要がなく、傾斜仕切壁28の上流側端部に仕
切壁28に水抜き孔29が設けられていない。なお、セ
パレータ18はメタルセパレータであるが、カーボンセ
パレータであってもよい。
【0023】本発明の実施例3の作用については、傾斜
仕切壁28によって水が傾斜仕切壁28上を下位へと移
動し、移動してきた水は仕切壁28端から下方へ落下す
るので、傾斜仕切壁28上に水が溜ることを防止するこ
とができる。これによって、セパレータ18がメタルセ
パレータであっても、水の酸によるセパレータ18の腐
食、溶出金属による電解質膜の損傷等が防止される。ま
た、仕切壁28に水抜き孔が形成されていないので、水
抜き孔を通してのガスのショートパスが起こらず、ショ
ートパスによるガスの有効利用阻害も生じない。
【0024】
【発明の効果】請求項1の燃料電池のセパレータによれ
ば、少なくとも一部の仕切壁を水平方向から傾斜させた
ので、傾斜仕切壁上に水が溜まろうとしても、その水は
仕切壁上を低い方へ重力で流れていくので、傾斜仕切壁
上に水が溜ることが防止され、水溜りによる燃料電池の
性能低下や、セパレータ(メタルセパレータの場合)の
腐食、電解質膜の損傷が防止できる。請求項2の燃料電
池のセパレータによれば、傾斜された仕切壁のガス流れ
方向上流端部に水抜き孔が形成されているので、傾斜仕
切壁上に水が溜まろうとしても、その水は傾斜仕切壁上
を低い方に流れていき水抜き孔を通して下側へと重力で
抜けていき、傾斜仕切壁上に水が溜ることが防止され、
水溜りによる燃料電池の性能低下は起こらない。また、
仕切壁はガス流路の幅をガス流れ方向下流にいくほど絞
るように形成されているので、各仕切壁に対応する流路
部分間でも下流側ほど流路幅を絞ることができ、各仕切
壁に対応する流路部分間で流路幅が一定であった従来に
比べて、より一層の、ガス圧、ガス濃度の均一化をはか
ることができる。請求項3の燃料電池のセパレータによ
れば、ガス流路の幅が下流にいくほど拡げられているの
で、各仕切壁に対応する流路部分間で請求項2のような
ガス圧、ガス濃度の均一化の作用、効果は得られないも
のの、傾斜壁の下流端を上流部に対して下方に位置させ
ることにより、傾斜壁に水抜き孔を形成しなくても水を
仕切壁上を低い方へ重力で流すことができ、水抜き孔を
通してのガスのショートパス(短絡)を防止することが
でき、発電へのガスの有効利用をはかることができる。
請求項4の燃料電池のセパレータによれば、水抜き孔の
孔断面積を該水抜き孔のすぐ上のガス流路部の流路断面
積の1/10〜1/20としたので、1/10以上より
良好な水抜けを確保でき、1/20より水抜き孔を通し
てのガスのショートパスを無視できる程度に抑えること
ができる。請求項5の燃料電池のセパレータによれば、
ガス流路の幅が下流にいくほど連続的に狭められている
ので、各仕切壁に対応する流路部分間でも流路幅を連続
的に変えることができ、従来に比べてより一層の、ガス
圧、ガス濃度の均一化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池用セパレータを備えた燃料電
池の側面図である。
【図2】図1の燃料電池のモジュールの端部とその近傍
の断面図である。
【図3】本発明の実施例1の燃料電池のセパレータの正
面図である。
【図4】本発明の実施例2の燃料電池のセパレータの正
面図である。
【図5】本発明の実施例3の燃料電池のセパレータの正
面図である。
【図6】従来の燃料電池のセパレータの正面図である。
【符号の説明】
10 (固体高分子電解質型)燃料電池 11 電解質膜 12 触媒層 13 拡散層 14 電極(アノード、燃料極) 15 触媒層 16 拡散層 17 電極(カソード、空気極) 18 セパレータ 18A 冷却用セパレータ 18B 反応ガス用セパレータ 19 モジュール 20 ターミナル 21 インシュレータ 22 エンドプレート 23 スタック 24 締結部材(テンションプレート) 25 ボルトまたはナット 26 冷却水流路 27 ガス流路(発電部のガス流路) 27a 燃料ガス流路 27b 酸化ガス流路 28 仕切壁 29 水抜き孔 30 発電部(電極に対応する部分)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セパレータ面を重力方向に向けて用いら
    れ、左右方向に延びる仕切壁によって形成されたセパレ
    ータ面内で左右方向に折り返しながら蛇行するガス流路
    を有する、固体高分子電解質型燃料電池のセパレータで
    あって、少なくとも一部の仕切壁を水平方向から傾斜さ
    せた燃料電池のセパレータ。
  2. 【請求項2】 前記仕切壁はガス流路の幅をガス流れ方
    向下流にいくほど絞るように形成されており、前記傾斜
    された仕切壁のガス流れ方向上流端部に水抜き孔が形成
    されている請求項1記載の燃料電池のセパレータ。
  3. 【請求項3】 前記仕切壁はガス流路の幅をガス流れ方
    向下流にいくほど拡げるように形成されている請求項1
    記載の燃料電池のセパレータ。
  4. 【請求項4】 前記水抜き孔は該水抜き孔の直上のガス
    流路部分の流路断面積の1/10〜1/20の大きさの
    孔断面積をもつ請求項2記載の燃料電池のセパレータ。
  5. 【請求項5】 前記ガス流路の幅が下流にいくほど連続
    的に狭められている請求項1記載の燃料電池のセパレー
    タ。
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