JP5881594B2 - 燃料電池スタック及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタック及びその製造方法に関する。
通常、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この電解質の両側にアノード電極及びカソード電極を配設した電解質・電極接合体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、電解質・電極接合体とセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池スタックでは、効率的に出力電圧を得るために、燃料電池同士を所望の加圧状態で積層させる必要がある。さらに、反応ガス、例えば、燃料ガス及び空気の漏れを可及的に阻止するために、積層方向に加圧して反応ガスマニホールドを確実にシールする必要がある。
このため、例えば、特許文献1に開示されている固体酸化物型燃料電池セル板が知られている。この固体酸化物型燃料電池セル板は、図11に示すように、固体酸化物型燃料電池セル1aと、前記固体酸化物型燃料電池セル1aを支持するとともに、燃料ガスと空気とを分離するセル支持体2aと、前記固体酸化物型燃料電池セル1aと前記セル支持体2aとを接着するための接合部3aとを備えている。
セル支持体2aは、金属製リング4aと、前記金属製リング4aの表面をガラスにより被覆した保護被膜層5aとを備えている。接合部3aは、電解質層6aに接着された第1のガラス層7aと保護被膜層5aと前記第1のガラス層7aとの間に配置されてこれらを接着する第2のガラス層8aとを備えている。
そして、第2のガラス層8aの軟化点は、保護被膜層5a及び第1のガラス層7aの軟化点よりも低く設定されている。
また、特許文献2に開示されている固体電解質形燃料電池スタックは、燃料ガスに接する燃料極と空気に接する空気極とを有する固体電解質体を備えた固体電解質形燃料電池セルを複数積層して構成されている。
固体電解質形燃料電池スタックの積層方向両側には、外縁保持部材が設けられ、前記外縁保持部材は、ボルト及びナットにより締め付けられて、固体電解質形燃料電池スタックを両側から押圧している。外縁保持部材は、固体電解質形燃料電池スタックの積層方向の端面の外周縁部のみを押圧する枠体で構成されている。
さらにまた、特許文献3に開示されている固体電解質型燃料電池は、図12に示すように、発電用セル1bを集電板2b、3bにより挟持して構成されている。発電用セル1bは、セラミック薄膜4bの両面に負極5b及び正極6bを有している。集電板2bの外端部の凹部7bと、集電板3bの外端部の凸部8bとの間に、ガラス質の第1のシール部材9b1が挟持されている。集電板3bの凸部8bの内方には、セラミック薄膜4bの外端部との間に位置して、ガラス質の第2のシール部材9b2が配設されている。
特開2007−115481号公報 特開2007−317490号公報 特開平8−7902号公報
上記の特許文献1では、固体酸化物型燃料電池セル1aと金属製のセル支持体2aとのガスシール性を保つものであり、燃料ガスや空気のマニホールド部との高さ調整機能は、個別の調整装置(図示せず)により行わなければならない。このため、構成が複雑化するとともに、マニホールド部と集電部との積層高さを個別に調整しなければならず、作業性が低下するという問題がある。
また、上記の特許文献2では、マニホールド部は、パッキンとボルトで締め付けシールする一方、固体電解質体の外周は、前記マニホールド部の変位を吸収するための金属箔が設けられている。従って、高さ調整は、金属箔で行う一方、絶縁は、別の構成により行っている。これにより、構成が複雑化して経済的ではないという問題がある。
また、上記の特許文献3では、第1のシール部材9b1により圧力Pが吸収され、発電用セル1bの破損を防止している。このため、第1のシール部材9b1で圧力を吸収することにより、第2のシール部材9b2が不安定になるという問題がある。しかも、集電部の荷重が小さくなり、性能低下やばらつきが発生するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単な構成及び工程で、マニホールド部のシール性及び集電部の電気伝導性を向上させることが可能な燃料電池スタック及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックに関するものである。
この燃料電池スタックでは、電解質・電極接合体は、カソード電極の平面寸法が電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有している。
セパレータは、電解質・電極接合体を挟持するとともに、アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及びカソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部とを備えている。
一方、セパレータ間には、電解質表出部に跨って電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも燃料ガス供給連通孔又は酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が介装されている。
そして、フレーム部材とセパレータの酸化剤ガス通路側の面との間には、第1シール部材が配置され、前記フレーム部材と前記セパレータの燃料ガス通路側の面との間には、第2シール部材が配置され、前記フレーム部材と電解質表出部との間には、第3シール部材が配置されている
そして、第1シール部材、第2シール部材及び第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第2シール部材のガラス成分含有割合よりも高く、且つ、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第3シール部材のガラス成分含有割合よりも高く設定される。
このため、第1シール部材の軟化点は、第2シール部材の軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材の軟化点は、第3シール部材の軟化点よりも低く設定されることになる。従って、軟化点の高い、すなわち、強度の高い第2シール部材及び第3シール部材は、アノード側のシール性を高めることができる一方、軟化点の低い、すなわち、柔軟性を有する第1シール部材は、カソード側の接触性を高めることが可能になる。これにより、マニホールド部のシール性と電解質・電極接合体の電気伝導性とを向上させることが可能になる。
さらに、この燃料電池スタックでは、第1シール部材、第2シール部材及び第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第2シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第3シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く設定される。
このため、第1シール部材の軟化点は、第2シール部材の軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材の軟化点は、第3シール部材の軟化点よりも低く設定されることになる。従って、軟化点の高い、すなわち、強度の高い第2シール部材及び第3シール部材は、アノード側のシール性を高めることができる一方、軟化点の低い、すなわち、柔軟性を有する第1シール部材は、カソード側の接触性を高めることが可能になる。これにより、マニホールド部のシール性と電解質・電極接合体の電気伝導性とを向上させることが可能になる。
さらにまた、この燃料電池スタックでは、第2シール部材と第3シール部材とは、同一材料で構成されることが好ましい。このため、第2シール部材及び第3シール部材の製造コストが良好に削減されるとともに、取り扱い作業性が有効に向上する。
また、この燃料電池スタックでは、第1シール部材の軟化点は、固体酸化物形燃料電池の運転温度よりも低温であり、且つ第2シール部材及び第3シール部材の軟化点は、前記運転温度よりも高温であることが好ましい。従って、燃料電池スタックの運転中に、第1シール部材が確実に軟化して所望の柔軟性を有することができ、カソード側の接触性を高めることが可能になるので、良好な発電性能が遂行可能になる。
さらに、この燃料電池スタックでは、第2シール部材は、フレーム部材の少なくとも燃料ガス供給連通孔又は酸化剤ガス供給連通孔を囲繞し、且つ、前記フレーム部材の第3シール部材に対応する部位よりも外縁に配置されることが好ましい。これにより、電解質・電極接合体のアノード側から燃料ガスが漏れることを確実に抑制することができる。
さらにまた、この燃料電池スタックでは、フレーム部材は、第2シール部材が配置される部位の厚さが、第3シール部材が配置される部位の厚さよりも大きく設定されることが好ましい。このため、積層時の厚さが抑制され、燃料電池スタックの積層方向の小型化が容易に遂行される。
また、本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有するとともに、前記電解質・電極接合体は、前記カソード電極の平面寸法が前記電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有し、前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及び前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部と、を備える燃料電池スタックの製造方法に関するものである。
この製造方法は、電解質・電極接合体の前駆体を焼成して焼成体を得る第1工程と、セパレータの燃料ガス通路側の面に、該燃料ガス通路に対応して前記焼成体、前記焼成体を囲繞し且つ少なくとも燃料ガス供給連通孔又は酸化剤ガス供給連通孔に対応して第2シール部材、電解質表出部に対応して第3シール部材、及び、前記電解質表出部に跨って前記電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が、それぞれ配置され、これらを一体に焼成して結合部材を得る第2工程と、前記結合部材同士を積層するとともに、カソード電極に対応して集電体を配置し、且つ、一方の前記結合部材を構成する前記フレーム部材と、一方の前記結合部材に隣接する他方の前記結合部材を構成する前記セパレータの前記酸化剤ガス通路側の面との間に、第1シール部材を介装し、これらを焼成する第3工程とを有している。
そして、第1シール部材、第2シール部材及び第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第2シール部材のガラス成分含有割合よりも高く、且つ、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第3シール部材のガラス成分含有割合よりもく設定されている。一方、第1シール部材、第2シール部材及び第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第2シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第3シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く設定されている。
本発明によれば、第1シール部材の軟化点は、第2シール部材の軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材の軟化点は、第3シール部材の軟化点よりも低く設定されている。このため、柔軟性を有する第1シール部材と強度の高い第2シール部材及び第3シール部材とを用いることにより、燃料電池スタックの各部位に最適な荷重を付与することができる。従って、マニホールド部のシール性と電解質・電極接合体の電気伝導性とを向上させることが可能になる。これにより、特に電気抵抗の高いカソード電極と集電体又はセパレータとの接触性が向上し、電気伝導性が良好に向上する。
また、本発明によれば、第2工程では、軟化点の高い第2シール部材及び第3シール部材によりアノード側のシール性を向上させることができる。さらに、第3工程では、軟化点の低い第1シール部材によりカソード側の接触性を向上させることが可能になる。このため、マニホールド部のシール性と電解質・電極接合体の電気伝導性とを良好に向上させることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する固体酸化物形燃料電池の分解斜視説明図である。 前記固体酸化物形燃料電池の、図3中、IV−IV線断面図である。 前記固体酸化物形燃料電池の、図3中、V−V線断面図である。 シール部材の種類の説明図である。 前記シール部材の軟化点温度及び主成分の説明図である。 本発明に係る製造方法を説明する斜視図である。 前記製造方法により焼成された結合部材の斜視説明図である。 前記製造方法を説明する斜視図である。 特許文献1の固体酸化物型燃料電池セル板の説明図である。 特許文献3の固体電解質型燃料電池の断面説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の固体酸化物形燃料電池12を矢印C方向(鉛直方向)に積層して構成される。この燃料電池スタック10は、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。固体酸化物形燃料電池12は、燃料ガス(水素含有ガス、例えば、水素ガスにメタン、一酸化炭素が混合した気体)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応により発電する。
固体酸化物形燃料電池12は、図3〜図5に示すように、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)14の両面に、カソード電極16及びアノード電極18が設けられた電解質・電極接合体(MEA)20を備える。カソード電極16は、アノード電極18及び電解質14よりも小さな平面寸法に設定され、前記電解質14の外周縁部には、前記カソード電極16の外周部外方に露呈する電解質表出部14aが形成される。
カソード電極16には、集電体19が積層される。集電体19は、カソード電極16と略同一の寸法に設定されるとともに、比較的肉厚に形成され、例えば、ニッケル等の金属からなる発泡金属や金属メッシュ等により構成される。
電解質・電極接合体20は、矩形状(長方形状又は正方形状)に形成されるとともに、少なくとも外周端面部には、酸化剤ガス及び燃料ガスの進入や排出を阻止するためにバリアー層(図示せず)が設けられている。
固体酸化物形燃料電池12は、長方形状(又は正方形状)を有する一対のセパレータ(インターコネクタ)22間に、金属製フレーム部材23と第1シール部材24a、第2シール部材24b及び第3シール部材24cとを介装した状態で、単一の電解質・電極接合体20を挟んで構成される。
固体酸化物形燃料電池12は、図3に示すように、長方形状(又は正方形状)を有しており、長辺方向(矢印A方向)一端側には、複数、例えば、3つの酸化剤ガス供給連通孔26aが短辺方向(矢印B方向)に配列して形成される。固体酸化物形燃料電池12の長辺方向他端側には、矢印B方向に配列して、例えば、3つの酸化剤ガス排出連通孔26bが形成される。
固体酸化物形燃料電池12の短辺方向(矢印B方向)一端側には、例えば、1つの燃料ガス供給連通孔28aが形成される。固体酸化物形燃料電池12の短辺方向他端側には、例えば、1つの燃料ガス排出連通孔28bが形成される。
セパレータ22は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成される。セパレータ22において、電解質・電極接合体20のカソード電極16に対向する面22aに、前記カソード電極16の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路30が形成される。酸化剤ガス通路30は、矢印A方向に延在する複数本の流路溝により構成されるとともに、両端が酸化剤ガス供給連通孔26a及び酸化剤ガス排出連通孔26bの近傍で終端する。
セパレータ22において、電解質・電極接合体20を構成するアノード電極18に対向する面22bには、前記アノード電極18の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路32が形成される。燃料ガス通路32は、矢印B方向に延在する複数の流路溝により構成されるとともに、両端が、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bの近傍で終端する。
セパレータ22は、酸化剤ガス通路30及び燃料ガス通路32が個別に表裏である両方の面22a、22bに設けられ、電解質・電極接合体20を挟持する挟持部34と、酸化剤ガス供給連通孔26a及び酸化剤ガス排出連通孔26bが積層方向に形成される酸化剤ガスマニホールド部36、及び燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bが積層方向に形成される燃料ガスマニホールド部38とを備える。
図3〜図5に示すように、フレーム部材23は、セパレータ22の外形寸法と同一の寸法に設定され、内部に開口部23aが形成される。開口部23aは、カソード電極16の外形寸法よりも大きく且つ電解質14の外形寸法よりも小さい寸法に設定される(図4参照)。フレーム部材23は、開口部23aの周壁部に電解質14の外形寸法に対応して厚さ方向に切り欠いた薄肉部23bが設けられる。図4に示すように、薄肉部23bの厚さt1は、フレーム部材23の他の部位の厚さt2よりも小さく設定される。
図3及び図5に示すように、フレーム部材23の酸化剤ガス通路30に対向する面側には、酸化剤ガス供給連通孔26aと開口部23aとを連通する溝部40aが形成されるとともに、酸化剤ガス排出連通孔26bと前記開口部23aとを連通する溝部40bが形成される。
第1シール部材24aは、略額縁形状を有し、各酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス通路30とを連通するための入口連結路42aと、各酸化剤ガス排出連通孔26bと前記酸化剤ガス通路30とを連通する出口連結路42bとを有する。
第1シール部材24aは、フレーム部材23と同一の外形寸法及び同一の開口寸法に設定される。第2シール部材24bは、額縁状を有し、フレーム部材23と、すなわち、セパレータ22と同一の外形寸法に設定される。
第2シール部材24bには、燃料ガス供給連通孔28aと燃料ガス通路32とを連通するための入口連結路44aと、燃料ガス排出連通孔28bと前記燃料ガス通路32とを連通する出口連結路44bとが形成される。第2シール部材24bの開口寸法は、電解質14の外形寸法と同一寸法に設定される。
第3シール部材24cは、額縁状を有し、電解質14の外形寸法と同一の外形寸法を有するとともに、開口寸法は、カソード電極16の外形寸法よりも大きく設定される。
図4及び図5に示すように、第1シール部材24aは、フレーム部材23とセパレータ22の面22a(酸化剤ガス通路30側の面)との間に配置され、第2シール部材24bは、前記フレーム部材23と前記セパレータ22の面22b(燃料ガス通路32側の面)との間に配置される。第3シール部材24cは、フレーム部材23と電解質14の電解質表出部14aとの間に、すなわち、薄肉部23bと前記電解質表出部14aとの間に配置される。
第1シール部材24aの軟化点は、第2シール部材24bの軟化点よりも低く、且つ前記第1シール部材24aの軟化点は、第3シール部材24cの軟化点よりも低く設定される。本実施形態では、第1シール部材24a、第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、ガラス系シール部材で構成される。
図6に示すように、第1シール部材24aには、シール種β(実施例1)又はシール種γ(実施例2)が使用される一方、第2シール部材24b及び第3シール部材24cには、同一のシール種αが使用される。シール種α、β及びγの軟化点温度及び主成分は、図7に示される。ガラス成分は、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)を主成分とするとともに、非ガラス成分としてセラミックス成分、例えば、Al23(アルミナ)が含まれる。
第1シール部材24aのガラス成分含有割合(モル%又は重量%)は、第2シール部材24bのガラス成分含有割合よりも高く、且つ前記第1シール部材24aのガラス成分含有割合は、第3シール部材24cのガラス成分含有割合よりも高く設定される。また、第1シール部材24aの非ガラス成分含有割合(モル%又は重量%)は、第2シール部材24bの非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ前記第1シール部材24aの非ガラス成分含有割合は、第3シール部材24cの非ガラス成分含有割合よりも低く設定される。
固体酸化物形燃料電池12の運転温度は、700℃〜750℃前後であり、第1シール部材24aの軟化点は、前記運転温度よりも低温に設定され、且つ第2シール部材24b及び第3シール部材24cの軟化点は、前記運転温度よりも高温に設定される。
図1及び図2に示すように、複数の固体酸化物形燃料電池12は、矢印C方向に積層されることにより、積層体46が構成される。積層体46は、電極シート49a及び絶縁プレート48aを介装して下部エンドプレート(基台部)50上に載置される。
下部エンドプレート50は、矢印A方向及び矢印B方向の寸法が、積層体46の各寸法よりも大きな寸法に設定されるとともに、酸化剤ガス供給連通孔26a、酸化剤ガス排出連通孔26b、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bが形成される(図2参照)。
下部エンドプレート50には、周辺部に沿って複数のねじ孔52が形成される。ねじ孔52は、例えば、下部エンドプレート50の四隅近傍及び各辺の略中央部に形成される。なお、下部エンドプレート50には、図示しないが、酸化剤ガス及び燃料ガスの供給及び排出を行うためのマニホールドが装着される。
積層体46の積層方向上端(他端)には、電極シート49b及び絶縁プレート48bを介装して上部エンドプレート54が配置される。上部エンドプレート54の矢印A方向及び矢印B方向の寸法は、積層体46の各寸法と同寸法に設定されるとともに、前記上部エンドプレート54は、長方形状(又は正方形状)の平板で構成される。
上部エンドプレート54上には、荷重プレート(架台部)56が積層される。荷重プレート56の周縁部に孔部58が形成され、前記孔部58にボルト60が挿入されるとともに、前記ボルト60は、下部エンドプレート50のねじ孔52にねじ込まれる。
次に、燃料電池スタック10を製造する方法について、以下に説明する。
先ず、電解質14の両面にカソード電極16及びアノード電極18が設けられた電解質・電極接合体20の前駆体が用意される。この前駆体が焼成されることにより、焼成体が得られる(第1工程)。
そこで、図8に示すように、セパレータ22の面22b上には、焼成体である電解質・電極接合体20、前記電解質・電極接合体20を囲繞して第2シール部材24b、該電解質・電極接合体20の電解質表出部14aに対応して第3シール部材24c、及び前記電解質表出部14aに跨って前記電解質・電極接合体20の外方に位置してフレーム部材23が、それぞれ配置される。これらは、一体に焼成されることにより、図9に示すように、結合部材70が得られる(第2工程)。
第2工程における焼成処理では、焼成温度として、例えば、770℃〜900℃に設定され、1℃/min〜5℃/minの昇温速度で昇温するとともに、120min〜250minだけ維持される。さらに、焼成荷重としては、100N〜500Nが付与される。
さらに、図10に示すように、結合部材70同士が積層されるとともに、カソード電極16に対応して集電体19を配置し、且つ一方の前記結合部材70を構成するフレーム部材23と、隣接する他方の結合部材70を構成するセパレータ22の面22aとの間に、第1シール部材24aが介装される。これらは、焼成処理により一体化される(第3工程)。
この焼成処理では、焼成温度が650℃〜850℃に設定され、1℃/min〜10℃/minの昇温速度で昇温させた後、30min〜250minだけ維持される。また、焼成荷重は、100N〜500Nの後、100N〜1000Nが付与される。その際、焼成温度は、第2シール部材24b及び第3シール部材24cの軟化点(770℃)を超過する領域が存在しているが、ガラス成分は、軟化点を通過しても、即座に固体から液体に変化するものではない。
さらに、第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、結合部材70を得るための焼成段階でバインダが揮発している。従って、第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、2回目の焼成処理では潰れがほとんどなく、第1シール部材24aのバインダの揮発及び低軟化点による潰れが主となり、問題となることはない。これにより、燃料電池スタック10が一体化される。
このように製造された燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
図2に示すように、燃料電池スタック10を構成する下部エンドプレート50には、図示しないマニホールドを介して燃料ガス(例えば、水素ガス)と酸化剤ガスである、例えば、空気とが供給される。空気は、酸化剤ガス供給連通孔26aに沿って鉛直上方向に移動する。
各固体酸化物形燃料電池12では、図3及び図5に示すように、第1シール部材24aの酸化剤ガス供給連通孔26aに連通する入口連結路42aを通って、セパレータ22の酸化剤ガス通路30に供給される。空気は、酸化剤ガス通路30を矢印A方向に移動しながら、電解質・電極接合体20のカソード電極16に供給された後、第1シール部材24aの出口連結路42bから酸化剤ガス排出連通孔26bに排出される。
一方、燃料ガスは、図3及び図4に示すように、燃料ガス供給連通孔28aに沿って鉛直上方向に移動し、第2シール部材24bの入口連結路44aを通って、各固体酸化物形燃料電池12を構成するセパレータ22の燃料ガス通路32に供給される。燃料ガスは、燃料ガス通路32に沿って矢印B方向に移動しながら、電解質・電極接合体20のアノード電極18に供給された後、第2シール部材24bの出口連結路44bから燃料ガス排出連通孔28bに排出される。
従って、電解質・電極接合体20では、アノード電極18に燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極16に空気が供給される。これにより、酸化物イオンが、電解質14を通ってアノード電極18に移動し、化学反応により発電が行われる。
この場合、本実施形態では、図4及び図5に示すように、フレーム部材23とセパレータ22の面22aとの間には、第1シール部材24aが配置され、前記フレーム部材23と前記セパレータ22の面22bとの間には、第2シール部材24bが配置され、前記フレーム部材23と電解質表出部14aとの間には、第3シール部材24cが配置されている。
そして、第1シール部材24aの軟化点は、第2シール部材24bの軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材24aの軟化点は、第3シール部材24cの軟化点よりも低く設定されている。このため、柔軟性を有する第1シール部材24aと強度の高い第2シール部材24b及び第3シール部材24cとを用いることにより、燃料電池スタック10の各部位に最適な荷重を付与することができる。
従って、酸化剤ガスマニホールド部36及び燃料ガスマニホールド部38のシール性と、電解質・電極接合体20の電気伝導性とを、向上させることが可能になる。これにより、特に電気抵抗の高いカソード電極16と集電体19(又はセパレータ22)との接触性が向上し、電気伝導性が良好に向上するという効果が得られる。
また、本実施形態によれば、第2工程では、軟化点の高い第2シール部材24b及び第3シール部材24cにより、アノード側のシール性を向上させることができる。さらに、第3工程では、軟化点の低い第1シール部材24aにより、カソード側の接触性を向上させることが可能になる。このため、酸化剤ガスマニホールド部36及び燃料ガスマニホールド部38のシール性と、電解質・電極接合体20の電気伝導性とを、向上させることが可能になる。
さらにまた、第1シール部材24a、第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、ガラス系シール部材である。そして、第1シール部材24aのガラス成分(SiO2)含有割合は、第2シール部材24bのガラス成分含有割合よりも高く、且つ、前記第1シール部材24aのガラス成分含有割合は、第3シール部材24cのガラス成分含有割合よりも高く設定されている。
従って、第1シール部材24aの軟化点は、第2シール部材24bの軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材24aの軟化点は、第3シール部材24cの軟化点よりも低く設定されることになる。
これにより、軟化点の高い、すなわち、強度の高い第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、アノード側のシール性を高めることができる一方、軟化点の低い、すなわち、柔軟性を有する第1シール部材24aは、カソード側の接触性を高めることが可能になる。このため、酸化剤ガスマニホールド部36及び燃料ガスマニホールド部38のシール性と、電解質・電極接合体20の電気伝導性とを、向上させることが可能になる。
また、第1シール部材24a、第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、ガラス系シール部材である。そして、第1シール部材24aの非ガラス成分(Al23)含有割合は、第2シール部材24bの非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ、前記第1シール部材24aの非ガラス成分含有割合は、第3シール部材24cの非ガラス成分含有割合よりも低く設定されている。
従って、第1シール部材24aの軟化点は、第2シール部材24bの軟化点よりも低く、且つ、前記第1シール部材24aの軟化点は、第3シール部材24cの軟化点よりも低く設定されることになる。
これにより、軟化点の高い、すなわち、強度の高い第2シール部材24b及び第3シール部材24cは、アノード側のシール性を高めることができる一方、軟化点の低い、すなわち、柔軟性を有する第1シール部材24aは、カソード側の接触性を高めることが可能になる。このため、酸化剤ガスマニホールド部36及び燃料ガスマニホールド部38のシール性と、電解質・電極接合体20の電気伝導性とを、向上させることが可能になる。
さらに、第2シール部材24bと第3シール部材24cとは、同一材料で構成されている。従って、第2シール部材24b及び第3シール部材24cの製造コストが良好に削減されるとともに、取り扱い作業性が有効に向上する。
さらにまた、第1シール部材24aの軟化点は、固体酸化物形燃料電池12の運転温度よりも低温であり、且つ第2シール部材24b及び第3シール部材24cの軟化点は、前記運転温度よりも高温である。これにより、燃料電池スタック10の運転中に、第1シール部材24aが確実に軟化して所望の柔軟性を有することができ、カソード側の接触性を高めることが可能になるので、良好な発電性能が遂行可能になる。
また、第2シール部材24bは、フレーム部材23の少なくとも燃料ガス供給連通孔28a又は酸化剤ガス供給連通孔26aを囲繞し、且つ、前記フレーム部材23の第3シール部材24cに対応する部位よりも外縁に配置されている。このため、電解質・電極接合体20のアノード側から燃料ガスが漏れることを確実に抑制することができる。
さらに、フレーム部材23は、第2シール部材24bが配置される部位(薄肉部23b)の厚さが、第3シール部材24cが配置される部位の厚さよりも大きく設定されている。従って、積層時の厚さが抑制され、燃料電池スタック10の積層方向の小型化が容易に遂行される。
10…燃料電池スタック 12…固体酸化物形燃料電池
14…電解質 16…カソード電極
18…アノード電極 19…集電体
20…電解質・電極接合体 22…セパレータ
24a〜24c…シール部材 26a…酸化剤ガス供給連通孔
26b…酸化剤ガス排出連通孔 28a…燃料ガス供給連通孔
28b…燃料ガス排出連通孔 30…酸化剤ガス通路
32…燃料ガス通路 34…挟持部
36…酸化剤ガスマニホールド部 38…燃料ガスマニホールド部
46…積層体 70…結合部材

Claims (8)

  1. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックであって、
    前記電解質・電極接合体は、前記カソード電極の平面寸法が前記電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有し、
    前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及び前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、
    少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部と、
    を備える一方、
    前記セパレータ間には、前記電解質表出部に跨って前記電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が介装され、
    前記フレーム部材と前記セパレータの前記酸化剤ガス通路側の面との間には、第1シール部材が配置され、前記フレーム部材と前記セパレータの前記燃料ガス通路側の面との間には、第2シール部材が配置され、前記フレーム部材と前記電解質表出部との間には、第3シール部材が配置されるとともに、
    前記第1シール部材、前記第2シール部材及び前記第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、
    前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第2シール部材のガラス成分含有割合よりも高く、且つ、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第3シール部材のガラス成分含有割合よりもく設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックであって、
    前記電解質・電極接合体は、前記カソード電極の平面寸法が前記電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有し、
    前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及び前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、
    少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部と、
    を備える一方、
    前記セパレータ間には、前記電解質表出部に跨って前記電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が介装され、
    前記フレーム部材と前記セパレータの前記酸化剤ガス通路側の面との間には、第1シール部材が配置され、前記フレーム部材と前記セパレータの前記燃料ガス通路側の面との間には、第2シール部材が配置され、前記フレーム部材と前記電解質表出部との間には、第3シール部材が配置されるとともに、
    前記第1シール部材、前記第2シール部材及び前記第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、
    前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第2シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第3シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記第2シール部材と前記第3シール部材とは、同一材料で構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記第1シール部材の軟化点は、前記固体酸化物形燃料電池の運転温度よりも低温であり、且つ第2シール部材及び前記第3シール部材の軟化点は、前記運転温度よりも高温であることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記第2シール部材は、前記フレーム部材の少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔を囲繞し、且つ、前記フレーム部材の前記第3シール部材に対応する部位よりも外縁に配置されることを特徴とする燃料電池スタック。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記フレーム部材は、前記第2シール部材が配置される部位の厚さが、前記第3シール部材が配置される部位の厚さよりも大きく設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  7. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有するとともに、
    前記電解質・電極接合体は、前記カソード電極の平面寸法が前記電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有し、
    前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及び前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、
    少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部と、
    を備える燃料電池スタックの製造方法であって、
    前記電解質・電極接合体の前駆体を焼成して焼成体を得る第1工程と、
    前記セパレータの前記燃料ガス通路側の面に、該燃料ガス通路に対応して前記焼成体、前記焼成体を囲繞し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔に対応して第2シール部材、前記電解質表出部に対応して第3シール部材、及び、前記電解質表出部に跨って前記電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が、それぞれ配置され、これらを一体に焼成して結合部材を得る第2工程と、
    前記結合部材同士を積層するとともに、前記カソード電極に対応して集電体を配置し、且つ、一方の前記結合部材を構成する前記フレーム部材と、一方の前記結合部材に隣接する他方の前記結合部材を構成する前記セパレータの前記酸化剤ガス通路側の面との間に、第1シール部材を介装し、これらを焼成する第3工程と、
    を有し、
    前記第1シール部材、前記第2シール部材及び前記第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、
    前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第2シール部材のガラス成分含有割合よりも高く、且つ、前記第1シール部材のガラス成分含有割合は、前記第3シール部材のガラス成分含有割合よりもく設定されることを特徴とする燃料電池スタックの製造方法。
  8. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有するとともに、
    前記電解質・電極接合体は、前記カソード電極の平面寸法が前記電解質の平面寸法よりも小さく設定されることにより、該電解質の外周縁部が該カソード電極の外周部外方に露呈する電解質表出部を有し、
    前記セパレータは、前記電解質・電極接合体を挟持するとともに、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路、及び前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路が、表裏に個別に設けられる挟持部と、
    少なくとも前記燃料ガスを前記燃料ガス通路に供給するための燃料ガス供給連通孔、又は前記酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するための酸化剤ガス供給連通孔が、積層方向に形成されるマニホールド部と、
    を備える燃料電池スタックの製造方法であって、
    前記電解質・電極接合体の前駆体を焼成して焼成体を得る第1工程と、
    前記セパレータの前記燃料ガス通路側の面に、該燃料ガス通路に対応して前記焼成体、前記焼成体を囲繞し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔に対応して第2シール部材、前記電解質表出部に対応して第3シール部材、及び、前記電解質表出部に跨って前記電解質・電極接合体の外方に位置し且つ少なくとも前記燃料ガス供給連通孔又は前記酸化剤ガス供給連通孔が形成されるフレーム部材が、それぞれ配置され、これらを一体に焼成して結合部材を得る第2工程と、
    前記結合部材同士を積層するとともに、前記カソード電極に対応して集電体を配置し、且つ、一方の前記結合部材を構成する前記フレーム部材と、一方の前記結合部材に隣接する他方の前記結合部材を構成する前記セパレータの前記酸化剤ガス通路側の面との間に、第1シール部材を介装し、これらを焼成する第3工程と、
    を有し、
    前記第1シール部材、前記第2シール部材及び前記第3シール部材は、ガラス系シール部材であり、
    前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第2シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く、且つ、前記第1シール部材の非ガラス成分含有割合は、前記第3シール部材の非ガラス成分含有割合よりも低く設定されることを特徴とする燃料電池スタックの製造方法。
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