JP2019009083A - 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック - Google Patents
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Abstract
Description
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
図6は、単セル110の詳細構成を示す説明図である。図6には、図4の領域X1における単セル110のXZ断面構成が示されている。また、図7は、図6のVII−VIIの位置における単セル110のXY断面構成を示す説明図である。
L1 > L2 > L3
また、集電体要素135のX軸方向の幅L4は、集電層210の上端のX軸方向の幅L3と略同一である。なお、Y軸方向の一方の端に位置する集電体要素135の一方の端面とY軸方向の他方の端に位置する集電体要素135の他方の端面との距離は、集電層210の上端のX軸方向の幅L3と略同一である。
上述した構成の燃料電池スタック100の製造方法は、例えば以下の通りである。図8は、燃料電池スタック100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
はじめに、電解質層112と燃料極116との積層体を形成する(S110)。具体的には、YSZ粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)と、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、電解質層用グリーンシートを得る。また、NiOの粉末とYSZの粉末との混合粉末に対して、造孔材である有機ビーズと、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、燃料極用グリーンシートを得る。電解質層用グリーンシートと燃料極用グリーンシートとを貼り付けて乾燥させ、例えば1400℃にて焼成を行うことによって、電解質層112と燃料極116との第1の積層体を得る。
次に、中間層180を形成する(S120)。具体的には、GDC粉末に、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを加えて混合し、粘度を調整して中間層用ペーストを調製する。得られた中間層用ペーストを、上述した第1の積層体における電解質層112側の表面に例えばスクリーン印刷によって塗布し、例えば1180℃にて焼成を行う。これにより、中間層180が形成され、燃料極116と電解質層112と中間層180との第2の積層体が作製される。
次に、空気極114を形成する。はじめに、LSCF粉末と、GDC粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、活性層220を形成するための材料である活性層用ペーストを調製(準備)する(S130)。また、LSCF粉末と、アルミナ粉末と、可塑剤としてのDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを混合し、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化する。薄膜化したシートを、例えば金型やレーザ等により所定の寸法に打ち抜くことにより、集電層用グリーンシートを得る(S140)。なお、この打ち抜きにより、集電層用グリーンシートの外周面は上下方向に略平行になっている。外周面の角度は、シートの打ち抜き時の金型のクリアランスの調整などによって調整可能である。また、レーザによる打ち抜きの場合、外周面の角度は、レーザの入射角度を変えることによって調整可能である。また、シートの加工性は、グリーンシートの密度、すなわち、バインダの重合度や添加量、可塑剤の添加量などを変更することによって調整することができる。
以上説明したように、本実施形態の単セル110では、活性層220の第2の外周面220Aの傾斜角度αは50度未満である。このため、第2の外周面220Aの傾斜角度αが50度以上である構成に比べて、空気極114(集電層210)の周縁部の上下方向の厚さが薄くなり、空気極114と接触層(本実施形態では中間層180)との周縁部同士の界面への応力集中を抑制することができる。具体的には、単セル110の発電動作の実行と停止とが繰り返されることによって単セル110の温度が変化する際、空気極114(活性層220)と中間層180との熱膨張係数の差に起因して、活性層220と中間層180との体積変動量の差が生じる。活性層220が収縮する際、活性層220全体に、該活性層220の表面側から内部側に向かう収縮力が発生する。また、活性層220と中間層180との接合力や摩擦力によって、活性層220における中間層180との接触部分に、上記収縮力に抗して活性層220の原形を維持しようとする拘束力が発生する。一方、活性層220における中間層180とは反対側(上側)の部分には、上記拘束力が発生しないため、中間層180側(下側)の接触部分に比べて大きな収縮力が発生する。この活性層220の上側と下側とにおける収縮力の差により、活性層220の周縁部には、活性層220を中間層180から離間させる応力(以下、「離間応力」という)が作用する。活性層220の厚さが厚いほど、活性層220の上側と下側とにおける収縮力の差が大きくなるため、離間応力が大きくなる。このため、本実施形態の単セル110のように活性層220の厚さが薄ければ、離間応力を抑制することができる。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (7)
- 電解質層と、前記電解質層に対して第1の方向の一方側に配置された燃料極と、前記電解質層に対して前記第1の方向の他方側に配置された空気極であって、前記空気極における前記第1の方向の前記他方側の表面を構成する第1の空気極層と、前記空気極における前記第1の方向の前記一方側に形成され、かつ、前記第1の方向の厚さが前記第1の空気極層の前記第1の方向の厚さより薄い第2の空気極層と、を含む前記空気極と、を備える電気化学反応単セルにおいて、
前記第1の空気極層の前記第1の方向回りの少なくとも一部について、前記第1の方向に直交する仮想平面に対する、前記第1の空気極層の第1の外周面の傾斜角度は50度以上であり、
前記第2の空気極層の前記第1の方向回りの少なくとも一部について、前記仮想平面に対する、前記第2の空気極層の第2の外周面の傾斜角度は50度未満であることを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 請求項1に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第2の空気極層の前記第1の方向視の外形は、角部を有する形状であり、
前記第2の空気極層の少なくとも前記角部について、前記第2の空気極層の第2の外周面の傾斜角度は50度未満であることを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第2の空気極層の前記第1の方向回りの全周にわたって、前記第2の空気極層の第2の外周面の傾斜角度は50度未満であることを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第2の空気極層の前記第2の外周面の傾斜角度は20度未満であることを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第1の空気極層は、LSCFを含み、
前記第2の空気極層は、LSCFとGDCとを含むことを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第2の空気極層の形成材料の平均粒径は、前記第1の空気極層の形成材料の平均粒径より小さいことを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 前記第1の方向に並べて配列された複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックにおいて、
前記複数の電気化学反応単セルの少なくとも1つは、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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