JP6734719B2 - 電気化学反応単セルの製造方法、および、電気化学反応セルスタックの製造方法 - Google Patents

電気化学反応単セルの製造方法、および、電気化学反応セルスタックの製造方法 Download PDF

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本明細書に開示される技術は、電気化学反応単セルの製造方法に関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCを構成する燃料電池単セル(以下、「単セル」という)は、固体酸化物を含む電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、空気極の電解質層側とは反対側の表面と燃料極の電解質層側とは反対側の表面との少なくとも一方に配置されている支持層と、を備える(特許文献1参照)。支持層は、電解質層、空気極および燃料極を支持するとともに、外部から供給されたガス(酸化剤ガスや燃料ガス)を電極(空気極、燃料極)側に拡散させる役割を果たす。
特開2001−307750号公報
支持層には、電解質層等を支持するための強度の確保と、ガス拡散性との両方が求められる。しかし、強度の確保のために支持層を厚くすると、ガスが支持層を介して電極側に拡散するまでの拡散距離が長くなるため、ガス拡散性が低下する。一方、ガス拡散性を向上させるために支持層を薄くすると、支持層の強度が低下する。すなわち、支持層の強度の確保とガス拡散性の向上との両立の点で向上の余地がある。
なお、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)にも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解セルとをまとめて、電気化学反応単セルという。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応単セルの製造方法は、電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、前記空気極の前記電解質層側とは反対側の表面と前記燃料極の前記電解質層側とは反対側の表面との少なくとも一方に配置されている支持層と、を備える電気化学反応単セルの製造方法において、前記第1の方向に直交する第2の方向に延びる貫通孔が形成され、前記支持層となる支持層前駆体を準備する準備工程と、前記支持層前駆体の前記第1の方向の一方側の表面に、前記燃料極となる燃料極前駆体および前記空気極となる空気極前駆体のいずれか一方の電極前駆体を配置し、前記電極前駆体の前記第1の方向の前記一方側の表面の内、前記第1の方向視で前記貫通孔の開口端より内側に位置する内側表面部分を、前記第1の方向の他方側に押圧することにより、前記支持層前駆体と前記電極前駆体との第1の積層体を形成する第1の積層工程と、前記第1の積層体の前記第1の方向の前記一方側の表面に前記電解質層となる電解質層前駆体を配置することにより、前記第1の積層体と前記電解質層前駆体との第2の積層体を形成する第2の積層工程と、を含む。本電気化学反応単セルの製造方法によれば、支持層となる支持層前駆体に貫通孔が形成されているため、支持層前駆体に貫通孔が形成されていない構成に比べて、支持層を薄くすることなく、貫通孔を介して、ガスが電極に近い位置まで送られる電気化学反応単セルを製造することができる。ガスが電極に近い位置まで送られると、ガスが支持層を介して電極側に拡散するまでの拡散距離が短くなるため、ガス拡散性が向上する。また、支持層前駆体の第1の方向の一方側の表面に燃料極となる燃料極前駆体および空気極となる空気極前駆体のいずれか一方の電極前駆体が配置される。そして、電極前駆体の第1の方向の上記一方側の表面の内、第1の方向視で貫通孔の開口端より内側に位置する内側表面部分が、第1の方向の他方側に押圧されることにより、支持層前駆体と電極前駆体との第1の積層体が形成される。これにより、貫通孔の内、第1の方向視で上記内側表面部分と重なる部分である重複部分が、貫通孔の軸方向に直交する断面積が貫通孔の開口端の面積に比べて小さい縮小部分を含む電気化学反応単セルを製造することができる。ガスが開口端から貫通孔内に流れる際、貫通孔において縮小部分がガスの流れの抵抗になることによって、ガスが重複部分に滞留し、滞留したガスが支持層に拡散し易くなるため、ガス拡散性をより向上させることができる。
(2)上記電気化学反応単セルの製造方法において、前記電極前駆体の前記第2の方向の両端は、前記第1の方向視で、前記支持層前駆体の前記第2の方向の両端より内側に位置する構成としてもよい。本電気化学反応単セルの製造方法によれば、電極前駆体の第1の方向の一方側の表面全体を均等に押圧することにより、比較的簡単に、貫通孔の重複部分が縮小部分を含む電気化学反応単セルを製造することができる。
(3)上記電気化学反応単セルの製造方法において、前記電極前駆体は、前記第1の方向視で前記内側表面部分および前記貫通孔と重なる領域内において、前記貫通孔の一方の開口端側に位置する第1の部分と、前記貫通孔の他方の開口端側に位置し、前記電極前駆体の前記第1の方向の前記他方側の表面部分が突出することによって前記第1の方向の厚さが前記第1の部分より厚くなっている第2の部分とを有する構成としてもよい。本電気化学反応単セルの製造方法によれば、縮小部分が、貫通孔の他方の開口側に配置されている電気化学反応単セルを製造することができる。このため、貫通孔の一方の開口端からガスを流した場合、貫通孔の他方の開口端側において縮小部分が、ガスの流れの抵抗になることによって、ガスが、特に縮小部分の近傍に滞留し、滞留したガスが支持層に拡散し易くなるため、貫通孔の下流側でガスが希釈化して発電効率が低下することを抑制することができる。
(4)上記電気化学反応単セルの製造方法において、前記第2の積層体を焼成し、前記支持層と、前記燃料極と前記空気極とのいずれか一方の電極と、前記電解質層とが形成された第1の焼結体を形成する第1の焼成工程と、前記第1の焼結体の前記第1の方向の前記他方側の表面側に、前記一方の電極前駆体とは異なる他方の電極前駆体を配置することにより、前記第1の焼結体と前記他方の電極前駆体との第3の積層体を形成する第3の積層工程と、前記第3の積層体を焼成することにより、前記電気化学反応単セルを形成する第2の焼成工程と、を含むとしてもよい。本電気化学反応単セルの製造方法によれば、第1の積層工程において、電極前駆体を押圧することにより、支持層前駆体の貫通孔内に縮小部分を形成し、第2の積層工程を経た後、第1の焼成工程により、一度焼成する。その後、第3の積層工程を経る。これにより、支持層前駆体が焼成され支持層となった状態で、第3の積層工程を行えるため、第1の焼成工程以降に付与され得る外力によって、支持層が変形することを抑制することができる。したがって、貫通孔の縮小部分を確実に形成することができ、ガス拡散性を向上させた電気化学反応単セルを製造することができる。
(5)上記電気化学反応単セルの製造方法において、前記第2の積層体の前記第1の方向の前記他方側の表面側に、前記一方の電極前駆体と異なる他方の電極前駆体を配置することにより、第4の積層体を形成する第4の積層工程と、前記第4の積層体を焼成することにより、前記電気化学反応単セルを形成する第3の焼成工程と、を含むとしてもよい。本電気化学反応単セルの製造方法によれば、電気化学反応単セルの構成要素をすべて積層した後に焼成工程を行う。これにより、一度の焼成により、電気化学反応単セルを製造することができる。したがって、製造工程を簡素化することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応単セル(燃料電池単セルまたは電解セル)、電気化学反応単位(燃料電池発電単位)、複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)等の製造方法の形態で実現することが可能である。
第1実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 単セル110の外観構成を簡略的に示す斜視図である。 図6のVII−VIIの位置における単セル110のYZ断面構成を示す説明図である。 単セル110の製造方法を示すフローチャートである。 単セル110の製造工程(1)を示す説明図である。 単セル110の製造工程(2)を示す説明図である。 単セル110の製造工程(3)を示す説明図である。 第2実施形態における単セル110AのYZ断面構成を示す説明図である。 第3実施形態における単セル110BのYZ断面構成を示す説明図である。 第4実施形態における単セル110CのYZ断面構成を示す説明図である。 第5実施形態における単セル110の製造方法を示すフローチャートである。
A.第1実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を「上方向」といい、Z軸負方向を「下方向」というものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。なお、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、Y軸方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。また、燃料電池スタック100は、特許請求の範囲における電気化学反応セルスタックに相当する。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、「連通孔108」という。
各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図2および図3に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図2に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図3に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Dの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電の最小単位である発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入される連通孔108に対応する孔が形成されている。単セル110は、特許請求の範囲における燃料電池単セル、電気化学反応単セルに相当する。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。さらに、単セル110は、燃料極116の電解質層112側とは反対側の表面に配置されている支持層300を備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116側に配置された支持層300で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。支持層300の詳細構成については後述する。
電解質層112は、略矩形の平板形状部材であり、少なくともZrを含んでおり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、CaSZ(カルシア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を含むため、本実施形態の燃料電池は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
燃料極116は、略矩形の平板形状部材である。燃料極116は、電解質層112に隣接し、触媒機能を有する。支持層300は、略矩形の平板形状部材であり、燃料極116の電解質層112とは反対側の表面に隣接しており、基板層ともいう。燃料極116と支持層300とは、いずれも、例えば、Ni(ニッケル)とセラミック粒子とからなるサーメットや、Ni基合金等により形成されている。セラミック粒子は、酸素イオン伝導性を有し、例えば、電解質層112を形成する上述の各材料(YSZ等)である。
燃料極116は、主として、電解質層112から供給される酸素イオンと燃料ガスFGに含まれる水素等とを反応させて、電子と水蒸気とを生成する機能を発揮する。支持層300は、主として、燃料極116と電解質層112と空気極114とを支持する機能を発揮するとともに、燃料ガスFGを燃料極116側に拡散させる役割を果たす。なお、燃料極116の触媒活性を高めるために、燃料極116におけるNiの含有率(mol%)は、支持層300におけるNiの含有率より高いことが好ましい。また、支持層300の強度を高めるために、支持層300の上下方向(Z軸方向)における厚さは燃料極116の上下方向における厚さより厚くすることが好ましい。支持層300のガス拡散性を高めるために、支持層300の気孔率は燃料極116の気孔率より高いことが好ましい。なお、燃料極116と支持層300との境界は、例えば、単セル110において、上下方向(Z軸方向)に平行な1つの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影して得られるSEM画像において、燃料極116と支持層300とのNiの含有率、Niの平均粒径や気孔率の相違等に基づき特定することができる。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、セパレータ120が接合された単セル110を「セパレータ付き単セル」という。
空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2および図4に示すように、酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3および図5に示すように、燃料ガス排出連通孔143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.支持層300の詳細構成:
図6は、単セル110の外観構成を簡略的に示す斜視図であり、図7は、図6のVII−VIIの位置における単セル110のYZ断面構成を示す説明図である。支持層300の外周面の内の燃料ガス供給連通孔142側(Y軸正方向側)の表面には、3つの第1の開口330が、当該表面の長手方向(X軸に平行な方向)に並ぶように形成されている。3つの第1の開口330の面積は略同一である。一方、図4および図6に示すように、支持層300の外周面の内の燃料ガス排出連通孔143側(Y軸負方向側)の表面には、3つの第2の開口340が、当該表面の長手方向(X軸に平行な方向)に並ぶように形成されている。3つの第2の開口340のそれぞれは、上記3つの第1の開口330のそれぞれに対向する位置に形成されている。3つの第2の開口340の面積は略同一である。図5および図7に示すように、支持層300の内部には、各第1の開口330から各第2の開口340まで、燃料ガス供給連通孔142から燃料ガス排出連通孔143に向かう方向、すなわち、燃料ガスFGの流れ方向(Y軸負方向)に沿って延びている3つのガス流路孔350が形成されている。なお、ガス流路孔350は、特許請求の範囲における貫通孔に相当する。
図7に示すように、各ガス流路孔350は、重複流路部分360と、流入部分370と、流出部分380とを含む。重複流路部分360は、空気極114と燃料極116との対向(Z方向)視で、燃料極116に重なる重複範囲E1内に位置する部分である。流入部分370は、第1の開口330と重複流路部分360との間に位置しており、流出部分380は、重複流路部分360と第2の開口340との間に位置している。重複流路部分360は、燃料ガスFGの流れ方向(ガス流路孔350の長手方向)に直交する断面積が、第1の開口330の面積に比べて小さい縮小部分322を含む。縮小部分322は、重複流路部分360の略全長にわたって形成されている。
本実施形態では、上述したように、第1の開口330は、燃料ガス供給連通孔142に対向しており、第2の開口340は、燃料ガス排出連通孔143に対向している。このため、第1の開口330は、燃料ガスFGが流入するガス流入口として機能し、第2の開口340は、燃料ガスFGが流出するガス流出口として機能する。なお、第1の開口330および第2の開口340が、ガス流入口とガス流出口とのいずれとして機能するかは、第1の開口330に連通するガス流路と第2の開口340に連通するガス流路とのいずれにガス供給源(例えば都市ガス源)が接続されるかによって判断することができる。また、単セル110や燃料電池スタック100がガス供給源に接続される前でも、例えば、第1の開口330または第2の開口340に連通するガス流路に配置された流量調整用ポンプの供給方向から判断することができる。
また、後述の図11に示すように、縮小部分322の燃料ガスFGの流れ方向に直交する断面(XZ断面)において、上下方向(Z軸方向)における長さD1は、水平方向(X軸方向)における長さD2より短い。また、重複流路部分360を構成する支持層300の内壁面の内、燃料極116側の内壁面部分が重複流路部分360内に突出することによって縮小部分322が形成されている。
A−4.燃料電池スタック100の製造方法:
本実施形態における単セル110の製造方法の一例は、次の通りである。図8は、単セル110の製造方法を示すフローチャートであり、図9から図11は、単セル110の製造工程(1)〜(3)を示す説明図である。
(1)準備工程
まず、支持層300の焼成前の状態である支持層積層体と、燃料極116の焼成前の状態である燃料極用グリーンシート420と、電解質層112の焼成前の状態である電解質層用グリーンシート430とを準備する(図8のS110)。具体的には次の通りである。
(支持層用グリーンシート410の作製)
NiO粉末(50重量部)とYSZ粉末(50重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して15重量%)と、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。有機ビーズは、例えば、ポリメタクリル酸メチルやポリスチレンなどの高分子により形成された球状粒子である。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ250μmの支持層用グリーンシート410を作製する。なお、支持層用グリーンシート410のNiO粉末とYSZ粉末との比率は、その性能を満足する限り適宜変更可能であり、例えばNiO粉末:YSZ粉末が60:40や40:60であっても構わない。つまり、NiO粉末とYSZ粉末との混合粉末が100重量部となるように、NiO粉末は40〜60重量部の間で適宜変更でき、残りをYSZ粉末とすることができる。
次に、図9に示すように、1枚目の支持層用グリーンシート410(以下、「第1の支持層用グリーンシート410A」という)を配置する。また、2枚目および3枚目の支持層用グリーンシート410のそれぞれを、例えば7等分に切断して7つの短冊状シート(410B,410C)を取得する。そして、2枚目の支持層用グリーンシート410から取得した4つの短冊状シート410Bを、第1の支持層用グリーンシート410Aの上面に配置する。Z方向視で、配置された4つの短冊状シート410Bのそれぞれの長手方向は、第1の支持層用グリーンシート410Aの一の辺(Y軸に平行な辺)に略平行であり、また、短冊状シート410B同士は、当該一の辺に直交する他の辺(X軸に平行な辺)に沿った方向において互いに所定の間隔を空けて配置されることによって、短冊状シート410B間に溝Mが形成されている。次に、3枚目の支持層用グリーンシート410から取得した4つの短冊状シート410Cを、各短冊状シート410Bの上面に重ねるように配置する。なお、短冊状シートを重ねる枚数は、2枚に限定されず、3枚以上でもよい。
次に、4枚目の支持層用グリーンシート410(以下、「第4の支持層用グリーンシート410D」という)を、4つの短冊状シート410Cの上面を跨ぐように配置する。第1の支持層用グリーンシート410Aと、短冊状シート410Bと、短冊状シート410Cと、第4の支持層用グリーンシート410Dとの積層体が、上述の支持層積層体である。支持層積層体には、ガス流路孔350が形成されているこの支持層積層体は、特許請求の範囲における支持層前駆体に相当する。
(燃料極用グリーンシート420の作製)
NiO粉末(60重量部)とYSZ粉末(40重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。なお、上記混合粉末に、更に、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して3.9重量%)を加えて、ボールミルにて混合して、スラリーを調整することにより、気孔率が支持層用グリーンシート410より高い燃料極用グリーンシート420を作製することができる。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ10μm〜30μmの燃料極用グリーンシート420を作製する。ガス流路孔350に直交する方向(X軸方向)とガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)との両方向において、燃料極用グリーンシート420の寸法は、支持層積層体の寸法より小さい。なお、燃料極用グリーンシート420のNiO粉末とYSZ粉末との比率は、その性能を満足する限り適宜変更可能であり、例えばNiO粉末:YSZ粉末が50:50や40:60であっても構わない。つまり、NiO粉末とYSZ粉末との混合粉末が100重量部となるように、NiO粉末は40〜60重量部の間で適宜変更でき、残りをYSZ粉末とすることができる。この燃料極用グリーンシート420は、特許請求の範囲における燃料極前駆体、一方の電極前駆体に相当する。
(電解質層用グリーンシート430の作製)
YSZ粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ10μmの電解質層用グリーンシート430を作製する。この電解質層用グリーンシート430は、特許請求の範囲における電解質層前駆体に相当する。
(2)第1の積層工程
次に、支持層積層体に燃料極用グリーンシート420を積層する(図8のS120)。具体的には、図9に示すように、上記支持層積層体の第4の支持層用グリーンシート410Dの上面に、燃料極用グリーンシート420を配置し、燃料極用グリーンシート420の上面全体を押圧する。これにより、第4の支持層用グリーンシート410Dが燃料極用グリーンシート420に押し込まれ、上記溝Mに対向する部分が、該溝M内に突出することによって、上記縮小部分322が形成される。これにより、支持層積層体と燃料極用グリーンシート420とが圧着されて、燃料極前駆体−支持層積層体(以下、「第1の積層体」という)が作製される。また、燃料極116の上面部分は、上下方向視で、ガス流路孔350の第1の開口330と第2の開口340との内側に位置するため、特許請求の範囲における内側表面部分に相当する。
(3)第2の積層工程
次に、第1の積層体に電解質層用グリーンシート430を積層する(図8のS130)。具体的には、第1の積層体の上面(燃料極用グリーンシート420が積層されている側の表面)に、電解質層用グリーンシート430を配置し、電解質層用グリーンシート430の上面全体を押圧することによって第1の積層体と電解質層用グリーンシート430とが圧着されて、第1の積層体−電解質層前駆体(以下、「第2の積層体」という)が作製される。
(4)第1の焼成工程
次に、第2の積層体を焼成する(図8のS140)。具体的には、第2の積層体を、約280℃で脱脂し、さらに、例えば1400℃にて焼成を行うことによって、支持層300と電解質層112と燃料極116との焼結体(以下、「第1の焼結体」という)を得る。なお、予め支持層積層体の上記溝M内に可燃性材料ペーストを配置した上で焼成し、可燃性材料ペーストを焼失させてもよい。これによって、可燃性材料ペーストを用いない場合に比べて、ガス流路孔350の形状が焼成によって変形することを抑制することができる。
(5)第3の積層工程
次に、第1の焼結体に活性層用ペースト440を積層する(図8のS150)。具体的には、空気極114の材料として、LSCF粉末と、GDC粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、活性層用ペースト440を調製する。この活性層用ペースト440は、特許請求の範囲における空気極前駆体、他の電極前駆体に相当する。図11に示すように、調整された活性層用ペースト440を、第1の焼結体の電解質層112側の表面に、スクリーン印刷によって塗布することにより、第1の焼結体−空気極前駆体(以下、「第3の積層体」という)が作製される。
(6)第2の焼成工程
次に、第3の積層体を焼成する(図8のS160)。具体的には、活性層用ペースト440を乾燥させた後、第3の積層体を、例えば1100℃にて焼成を行うことによって、第1の焼結体における電解質層112側の表面に、空気極114が形成される。これにより、上記縮小部分322を有するガス流路孔350が形成された単セル110が製造される。
以上の工程により、上述した構成の単セル110が製造される。なお、単セル110が製造された後、例えば、空気極114と空気極側集電体134との接合やボルト22による燃料電池スタック100の締結等の組み立て工程が行われることにより、上述した構成の燃料電池スタック100が製造される。なお、ガス流路孔350を有する支持層積層体を形成する方法としては、グリーンシートを積層する方法に限らず、押し出し成形によりガス流路孔350を有する支持層押し出し成形体として形成する方法などを利用してもよい。
A−5.本実施形態の効果:
本実施形態では、支持層300となる支持層積層体にガス流路孔350が形成されているため、支持層積層体にガス流路孔350が形成されていない構成に比べて、支持層300を薄くすることなく、ガス流路孔350を介して、燃料ガスFGが燃料極116に近い位置まで送られる単セル110を製造することができる。燃料ガスFGが燃料極116に近い位置まで送られると、燃料ガスFGが支持層300を介して燃料極116側に拡散するまでの拡散距離が短くなるため、燃料極116側へのガス拡散性が向上する。また、支持層積層体の上面(第1の方向の一方側の表面)に燃料極116となる燃料極用グリーンシート420が配置される。そして、燃料極用グリーンシート420の上面(電極前駆体の第1の方向の上記一方側の表面)の内、第1の方向視でガス流路孔350の開口端(第1の開口330、第2の開口340)より内側に位置する内側表面部分が、ガス流路孔350側(第1の方向の他方側)に押圧されることにより、燃料極−支持層積層体が形成される。これにより、ガス流路孔350の内、第1の方向視で燃料極用グリーンシート420と重なる部分である重複部分が、ガス流路孔350の軸方向に直交する断面積がガス流路孔350の開口端の面積に比べて小さい縮小部分322を含む電気化学反応単セルを製造することができる。燃料ガスFGが第1の開口330から第2の開口340に流れる際、ガス流路孔350において縮小部分322が燃料ガスFGの流れの抵抗になることによって、燃料ガスFGが重複流路部分360に滞留し、滞留した燃料ガスFGが支持層300に拡散し易くなるため、ガス拡散性をより向上させることができる。
また、縮小部分322のXZ断面において、上下方向(Z軸方向)における長さD1は、水平方向(X軸方向)における長さD2より短い。このため、上下方向(Z軸方向)における長さD1が、水平方向(X軸方向)における長さD2以上である場合に比べて、燃料極116側に対向する内壁面が広くなる分だけ、燃料極116側へのガス拡散性をより向上させることができる。
さらに、燃料極116側の内壁面部分の表面積S1が、燃料極116とは反対側の内壁面部分の表面積S2より大きくなっている。このため、燃料極116側の内壁面部分の表面積S1が、燃料極116とは反対側の内壁面部分の表面積S2より小さい場合に比べて、燃料極116側への燃料ガスFGの拡散性を向上させることができる。
B.第2実施形態:
図12は、第2実施形態における単セル110AのYZ断面構成を示す説明図である。第2実施形態の単セル110Aの構成の内、上述した第1実施形態の単セル110と同一の構成については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
本実施形態の単セル110Aの支持層300Aには、ガス流路孔350Aが形成されており、このガス流路孔350Aの重複流路部分360Aは、縮小部分322Aを含む。この縮小部分322Aは、図12に示すように、第1の開口330から第2の開口340に向かうに連れて、燃料ガスFGの流れ方向(Y軸負方向)における断面積が小さくなっている、すなわち、径小になっている。このため、燃料ガスFGに対する圧力損失の変化を緩やかにしつつ、ガス拡散性をより向上させることができる。燃料極116Aは、第1の開口330から第2の開口340に向かうに連れて、燃料極116Aの下面部分が下方に突出している、上下方向の厚さが厚くなっている。
このような単セル110Aの製造方法の一例は、次の通りである。なお、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の内容については、その説明を省略する。また、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の構成については、同一符号を付す。第2実施形態における単セル110Aの製造方法は、第1実施形態における単セル110の製造方法において以下の点で異なる。
(燃料極用グリーンシート420Aの作製)
NiO粉末(60重量部)とYSZ粉末(40重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。なお、上記混合粉末に、更に、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して3.9重量%)を加えて、ボールミルにて混合して、スラリーを調整することにより、気孔率が支持層用グリーンシート410より高い燃料極用グリーンシート420Aを作製することができる。
得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化する。この薄膜化する際に、部分的に厚さを厚くしたい位置でドクターブレード法におけるブレードギャップを大きくしていくことで、部分的に厚さを厚くした燃料極用グリーンシート420Aを作製する。具体的には、燃料極用グリーンシート420Aは、図12に示すように、第1の部分420A1と、第2の部分420A2とを有する。第1の部分420A1は、上下方向視で、ガス流路孔350Aと重なる領域内において、ガス流路孔350Aの第1の開口330端側に位置する。第2の部分420A2は、ガス流路孔350Aの第2の開口340端側に位置し、燃料極用グリーンシート420Aの下面部分が突出することによって燃料極用グリーンシート420Aの上下方向の厚さが第1の部分420A1より厚くなっている。ガス流路孔350に直交する方向(X軸方向)とガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)との両方向において、燃料極用グリーンシート420Aの寸法は、支持層積層体の寸法より小さい。
部分的に厚さを厚くした燃料極用グリーンシート420Aを用いて、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同様に単セル110Aを作成する。燃料極用グリーンシート420Aの厚さを支持層積層体の第2の開口340側に向かって徐々に厚くすることで、図12に示すように、第1の開口330から第2の開口340に向かうに連れて、燃料ガスFGの流れ方向(Y軸負方向)における断面積が小さくなっている単セル110Aを作製することができる。
C.第3実施形態:
図13は、第3実施形態における単セル110BのYZ断面構成を示す説明図である。第3実施形態の単セル110Bの構成の内、上述した第1実施形態の単セル110と同一の構成については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
本実施形態の単セル110Bの支持層300Bには、ガス流路孔350Bが形成されており、このガス流路孔350Bの重複流路部分360Bは、縮小部分322Bを含む。この縮小部分322Bは、図13に示すように、重複流路部分360Bの長手方向において第1の開口330よりも第2の開口340に近い位置(燃料ガスFGの流れ方向(Y軸負方向)の下流側)に配置されている。燃料極116Bは、第1の開口330よりも第2の開口340に近い位置において燃料極116Aの下面部分が下方に突出している、すなわち、上下方向の厚さが厚くなっている。
第1の開口330から重複流路部分360Bに流入した燃料ガスFGは、重複流路部分360B内において燃料極116側に拡散して発電反応に使用される。このため、重複流路部分360Bにおいて、下流側の燃料ガスFGの濃度は、上流側の燃料ガスFGの濃度に比べて低くなる傾向にある。これに対して、本実施形態によれば、縮小部分322Bは、重複流路部分360Bの下流側に配置されている。このため、重複流路部分360Bの下流側において燃料ガスFGの濃度が低下することを抑制し、重複流路部分360Bにおける上流側と下流側との発電効率のバラツキを抑制することができる。
このような単セル110Bの製造方法の一例は、次の通りである。なお、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の内容については、その説明を省略する。また、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の構成については、同一符号を付す。第3実施形態における単セル110Bの製造方法は、第1実施形態における単セル110の製造方法において以下の点で異なる。
(燃料極用グリーンシート420Bの作製)
NiO粉末(60重量部)とYSZ粉末(40重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。なお、上記混合粉末に、更に、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して3.9重量%)を加えて、ボールミルにて混合して、スラリーを調整することにより、気孔率が支持層用グリーンシート410より高い燃料極用グリーンシート420を作製することができる。
得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ10μm〜30μmの燃料極用グリーンシート420を作製する。ガス流路孔350に直交する方向(X軸方向)とガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)との両方向において、燃料極用グリーンシート420の寸法は、支持層積層体の寸法より小さい。次に、燃料極用グリーンシート420の第2の開口側に配置される箇所に、短冊状にカットした別の燃料極用グリーンシートを積層して、第2の開口340側に配置される部分420B1の厚みが厚く形成された燃料極用グリーンシート420Bが作製される。
第2の開口340側に配置される部分420B1の厚みが厚く形成された燃料極用グリーンシート420Bを用いて、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同様に単セル110Bを作製する。燃料極用グリーンシート420Bは第2の開口340側に配置される部分420B1の厚みが厚く形成されているので、図13に示すように、重複流路部分360Bの長手方向において第1の開口330よりも第2の開口340に近い位置(燃料ガスFGの流れ方向(Y軸負方向)の下流側)に縮小部分322Bが配置されている単セル110Bを作製することができる。
D.第4実施形態:
図14は、第4実施形態における単セル110CのYZ断面構成を示す説明図である。第4実施形態の単セル110Cの構成の内、上述した第1実施形態の単セル110と同一の構成については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
本実施形態の単セル110Cの支持層300Cには、ガス流路孔350Cが形成されており、このガス流路孔350Cの重複流路部分360Cは、縮小部分322Cを含む。この縮小部分322Cは、図14に示すように、重複流路部分360Cの長手方向における中央部に配置されている。燃料極116Cは、重複流路部分360Cの長手方向における中央部において燃料極116Aの下面部分が下方に突出している、すなわち、上下方向の厚さが厚くなっている。
重複流路部分360Cの中央部は、端側に比べて熱がこもることによって高温になり易く、発電し難くなることがある。これに対して、本実施形態によれば、縮小部分322Cは、重複流路部分360Cの長手方向における中央部に配置されている。このため、重複流路部分360Cの中央部において燃料ガスFGの濃度が高くなり、重複流路部分360Bにおける中央部と端側との発電効率のバラツキを抑制することができる。
このような単セル110Cの製造方法の一例は、次の通りである。なお、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の内容については、その説明を省略する。なお、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同一の構成については、同一符号を付す。第4実施形態における単セル110Cの製造方法は、第1実施形態における単セル110の製造方法において以下の点で異なる。
(燃料極用グリーンシート420Cの作製)
NiO粉末(60重量部)とYSZ粉末(40重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。なお、上記混合粉末に、更に、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して3.9重量%)を加えて、ボールミルにて混合して、スラリーを調整することにより、気孔率が支持層用グリーンシート410より高い燃料極用グリーンシート420を作製することができる。
得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ10μm〜30μmの燃料極用グリーンシート420を作製する。ガス流路孔350に直交する方向(X軸方向)とガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)との両方向において、燃料極用グリーンシート420の寸法は、支持層積層体の寸法より小さい。次に、燃料極用グリーンシート420の中央部に、短冊状にカットした別の燃料極用グリーンシート420を積層して、中央部420C1の厚みが厚く形成された燃料極用グリーンシート420Cが作製される。
中央部420C1の厚みが厚く形成された燃料極用グリーンシート420Cを用いて、上述した第1実施形態の単セル110の製造方法と同様に単セル110Cを作製する。燃料極用グリーンシート420Cは中央部420C1の厚みが厚く形成されているので、図14に示すように、重複流路部分360Cの長手方向における中央部に縮小部分322Cが配置されている単セル110Cを作製することができる。
E.第5実施形態:
図15は、上記単セル110を、第1実施形態とは別の方法で製造するための単セル110の製造方法を示すプロ―チャートである。上述した第1実施形態の単セル110と同一の構成については、同一符号を付す。また、同一の内容については、その説明を省略する。第5実施形態の単セル110の製造方法は、第1実施形態における単セル110の製造方法において以下の点で異なる。
(第4の積層工程)
第5実施形態の単セル110の製造方法では、第2の積層工程(S130)の後、当該第2の積層工程で得られた第2の積層体の電解質層用グリーンシート430側の表面に、活性層用ペースト440をスクリーン印刷によって塗布し、第2の積層体−空気極前駆体(以下、「第4の積層体」という)を作成する(図15のS210)。つまり、第4の積層工程までに積層された各部位は焼成されておらず、グリーンシート及びペースト又はこれらの乾燥体である。
(第3の焼成工程)
その後、活性層用ペースト440を乾燥させた後、第4の積層体を、例えば1400℃にて焼成を行うことによって、第2の積層体の電解質層用グリーンシート430側の表面に、空気極114が形成される(図15のS220)。これにより、上記縮小部分322を有するガス流路孔350が形成された単セル110が製造される。上述した第5の実施形態における単セル110の製造方法によれば、一度の焼成で単セル110を作製することができる。
F.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
第1の積層工程において、ガス流路孔350に直交する方向(X軸方向)において、燃料極用グリーンシート420の寸法は、支持層積層体の寸法以上であるとしてもよい。要するに、少なくともガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)において、燃料極用グリーンシート420の寸法が、支持層積層体の寸法より小さければよい。このような構成であれば、第の1の積層工程において、燃料極用グリーンシート420の上面全体を押圧することによってガス流路孔350に縮小部分322を形成することができる。また、ガス流路孔350に平行な方向(Y軸方向)において、燃料極用グリーンシート420の寸法は、支持層積層体の寸法以上であるとしてもよい。ただし、この場合には、燃料極用グリーンシート420の上面の内、上下方向視でガス流路孔350の両端より内側の上面部分だけを押圧するか、あるいは、燃料極用グリーンシート420の上面の内、ガス流路孔350の両端の上面部分より大きい力で内側の上面部分を押圧することが好ましい。
また、上記実施形態では、電解質層前駆体を電解質層用グリーンシート430として説明したが、電解質層用ペーストとしてもよい。さらに、燃料極前駆体を燃料極用グリーンシート420として説明したが、燃料極用ペーストとしてもよい。
上記実施形態では、支持層300が、燃料極116の電解質層112とは反対側に配置された単セル110の製造方法に、本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、支持層が、空気極114の電解質層112とは反対側に配置された単セルの製造方法に、本発明を適用してもよい。この場合、活性層用ペースト440は、特許請求の範囲における空気極前駆体、一方の電極前駆体に相当する。
上記実施形態では、単セル110,110A〜110Cは、燃料極116の電解質層112側とは反対側の表面に支持層300が配置されているとしたが、これに限定されず、空気極114の電解質層112側とは反対側の表面に支持層が配置されているとしてもよいし、さらには、燃料極116の電解質層112側とは反対側の表面と空気極114の電解質層112側とは反対側の表面との両方にそれぞれ支持層が配置されているとしてもよい。なお、単セル110,110A〜110Cは、電解質層112と燃料極116との間、または、電解質層112と空気極114との間に、例えば拡散防止層などの中間層が配置されているとしてもよい。
本明細書において、空気極および燃料極は、活性層を意味し、支持層は、電極の活性層と同一材料で形成されたもの(例えば燃料極の基板層)でもよいし、異なる材料で形成されたものでもよい。支持層は、多孔質であることが好ましい。また、支持層は、空気極や燃料極に隣接して配置されたものに限定されず、他の部材を介して配置されているとしてもよい。
上記実施形態において、縮小部分322のXZ断面において、上下方向(Z軸方向)における長さD1が、水平方向(X軸方向)における長さD2以上であるとしてもよい。このような構成であれば、上下方向(Z軸方向)における長さD1は、水平方向(X軸方向)における長さD2より短い場合に比べて、上下方向における支持層300の強度を向上させることができる。
上記実施形態において、重複流路部分360を構成する支持層300の内壁面の内、燃料極116側の内壁面部分の表面積が、燃料極116とは反対側の内壁面部分の表面積以下であるとしてもよい。
上記実施形態において、支持層300に形成されるガス流路孔350の数は、1つでもよいし、2つでもよいし、4つ以上でもよい。支持層300に形成されるガス流路孔350が複数である場合、複数のガス流路孔350の内、複数のガス流路孔350の並び方向の端側に位置する第1のガス流路孔350(図6の両端に位置するガス流路孔350)の縮小部分322の断面積は、当該第1のガス流路孔350より中央側に位置する第2のガス流路孔350(図6の中央に位置するガス流路孔350)の縮小部分322の断面積より大きいとしてもよい。このような構成によれば、端側に位置する第1のガス流路孔350では、流入する燃料ガスFGに対する圧力損失が相対的に小さいため、支持層300の側面から燃料ガスFGが漏れ出ることを抑制することができる。一方、中央側に位置する第2のガス流路孔350では、流入する燃料ガスFGに対する圧力損失が相対的に大きいため、燃料ガスFGが支持層300全体に拡散し易くなり、ガス拡散性をより向上させることができる。なお、端側に位置する第1のガス流路孔350の縮小率が、中央側に位置する第2のガス流路孔350の縮小率より大きいとしてもよい。縮小率は、第1の開口330の面積に対する縮小部分322のXZ断面積の比率である。このような構成でも、上記構成と同様の効果を得ることができる。
また、燃料極116や空気極114は、1つのブロック体に限らず、複数のブロックが配列された構成でもよい。このような場合には、複数のブロックの内の少なくとも1つに対して本発明を適用すれば、支持層の強度の確保とガス拡散性の向上との両立を図ることができる。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上記実施形態において、燃料電池スタック100の締結に使用されるボルト22の個数は、あくまで一例であり、ボルト22の個数は燃料電池スタック100に要求される締結力等に応じて適宜決められる。
また、上記実施形態では、ボルト22の両側にナット24が嵌められているとしているが、ボルト22が頭部を有し、ナット24はボルト22の頭部の反対側にのみ嵌められているとしてもよい。
また、上記実施形態では、エンドプレート104,106が出力端子として機能するとしているが、エンドプレート104,106の代わりに、エンドプレート104,106のそれぞれと接続された別部材(例えば、エンドプレート104,106のそれぞれと発電単位102との間に配置された導電板)が出力端子として機能するとしてもよい。
また、上記実施形態では、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間の空間を各マニホールドとして利用しているが、これに代えて、各ボルト22の軸部に軸方向の孔を形成し、その孔を各マニホールドとして利用してもよい。また、各マニホールドを各ボルト22が挿入される各連通孔108とは別に設けてもよい。
また、上記実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合には、1つのインターコネクタ150が隣接する2つの発電単位102に共有されるとしているが、このような場合でも、2つの発電単位102がそれぞれのインターコネクタ150を備えてもよい。また、上記実施形態では、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ150や、最も下に位置する発電単位102の下側のインターコネクタ150は省略されているが、これらのインターコネクタ150を省略せずに設けてもよい。
また、上記実施形態において、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態において、都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスFGを得るとしているが、LPガスや灯油、メタノール、ガソリン等の他の原料から燃料ガスFGを得るとしてもよいし、燃料ガスFGとして純水素を利用してもよい。
本明細書において、部材(または部材のある部分、以下同様)Aを挟んで部材Bと部材Cとが互いに対向するとは、部材Aと部材Bまたは部材Cとが隣接する形態に限定されず、部材Aと部材Bまたは部材Cとの間に他の構成要素が介在する形態を含む。例えば、電解質層112と空気極114との間に他の層が設けられた構成であっても、空気極114と燃料極116とは電解質層112を挟んで互いに対向すると言える。
また、上記実施形態(または変形例、以下同様)では、燃料電池スタック100に含まれるすべての発電単位102について、支持層に形成されたガス流路孔に縮小部分を設けるという構成であるとしているが、燃料電池スタック100に含まれる少なくとも1つの発電単位102について、そのような構成となっていれば、支持層の強度の確保とガス拡散性の向上との両立を図ることができるという効果を奏する。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(SOEC)の最小単位である電解セル単位や、複数の電解セル単位を備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号公報に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様に、支持層に形成されたガス流路孔に縮小部分を設けるという構成を採用すれば、支持層の強度の確保とガス拡散性の向上との両立を図ることができるという効果を奏する。
また、上記実施形態では、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を例に説明したが、本発明は、固体高分子形燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)といった他のタイプの燃料電池(または電解セル)にも適用可能である。また、本発明は、平板型のセルに限らず、例えば円筒型等のセルにも適用可能である。
22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102:発電単位 104,106:エンドプレート 108:連通孔 110,110A〜110C:単セル 112:電解質層 114:空気極 116,116A〜116C:燃料極 120:セパレータ 121:孔 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 300,300A〜300C:支持層 322,322A〜322C:縮小部分 330:第1の開口 340:第2の開口 350,350A〜350C:ガス流路孔 360,360A〜360C:重複流路部分 370:流入部分 380:流出部分 410,410A〜410C:支持層用グリーンシート 420,420A〜420C:燃料極用グリーンシート 430:電解質層用グリーンシート 440:活性層用ペースト E1:重複範囲 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス M:溝 OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス S1,S2:表面積

Claims (6)

  1. 電解質層と、
    前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、
    前記空気極の前記電解質層側とは反対側の表面と前記燃料極の前記電解質層側とは反対側の表面との少なくとも一方に配置されている支持層と、
    を備える電気化学反応単セルの製造方法において、
    前記第1の方向に直交する第2の方向に延びる貫通孔が形成され、前記支持層となる支持層前駆体を準備する準備工程と、
    前記支持層前駆体の前記第1の方向の一方側の表面に、前記燃料極となる燃料極前駆体および前記空気極となる空気極前駆体のいずれか一方の電極前駆体を配置し、前記電極前駆体の前記第1の方向の前記一方側の表面の内、前記第1の方向視で前記貫通孔の開口端より内側に位置する内側表面部分を、前記第1の方向の他方側に押圧することにより、前記第1の方向視で前記貫通孔の内、前記内側表面部分と重なる部分が、前記貫通孔の軸方向に直交する断面積が前記貫通孔の開口端の面積に比べて小さい縮小部分を含む前記支持層前駆体と前記電極前駆体との第1の積層体を形成する第1の積層工程と、
    前記第1の積層体の前記第1の方向の前記一方側の表面に前記電解質層となる電解質層前駆体を配置することにより、前記第1の積層体と前記電解質層前駆体との第2の積層体を形成する第2の積層工程と、を含むことを特徴とする、電気化学反応単セルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応単セルの製造方法において、
    前記電極前駆体の前記第2の方向の両端は、前記第1の方向視で、前記支持層前駆体の前記第2の方向の両端より内側に位置することを特徴とする、電気化学反応単セルの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単セルの製造方法において、
    前記電極前駆体は、前記第1の方向視で前記内側表面部分および前記貫通孔と重なる領域内において、前記貫通孔の一方の開口端側に位置する第1の部分と、前記貫通孔の他方の開口端側に位置し、前記電極前駆体の前記第1の方向の前記他方側の表面部分が突出することによって前記第1の方向の厚さが前記第1の部分より厚くなっている第2の部分とを有することを特徴とする、電気化学反応単セルの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルの製造方法において、
    前記第2の積層体を焼成し、前記支持層と、前記燃料極と前記空気極とのいずれか一方の電極と、前記電解質層とが形成された第1の焼結体を形成する第1の焼成工程と、
    前記第1の焼結体の前記第1の方向の前記一方側の表面側に、前記一方の電極前駆体とは異なる他方の電極前駆体を配置することにより、前記第1の焼結体と前記他方の電極前駆体との第3の積層体を形成する第3の積層工程と、
    前記第3の積層体を焼成することにより、前記電気化学反応単セルを形成する第2の焼成工程と、を含むことを特徴とする、電気化学反応単セルの製造方法。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルの製造方法において、
    前記第2の積層体の前記第1の方向の前記一方側の表面側に、前記一方の電極前駆体と異なる他方の電極前駆体を配置することにより、第4の積層体を形成する第4の積層工程と、
    前記第4の積層体を焼成することにより、前記電気化学反応単セルを形成する第3の焼成工程と、を含むことを特徴とする、電気化学反応単セルの製造方法。
  6. 複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックの製造方法において、
    前記複数の電気化学反応単セルの少なくとも1つを、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルの製造方法によって製造するセル製造工程と、
    前記複数の電気化学反応単セルのそれぞれを互いに電気的に接続する集電部材を組み付ける組付工程と、を含むことを特徴とする、電気化学反応セルスタックの製造方法。
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