JP2015037004A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気極が空気極活性層と空気極集電層とを備える燃料電池について、空気極集電層に要求される集電機能及びガス透過機能の両方の機能を良好に発揮させること。
【解決手段】この燃料電池は、固体電解質膜40と、固体電解質膜の一方の面側に設けられた燃料極20と、固体電解質膜の他方の面側に設けられた空気極60とを備える。空気極60は、空気極活性層61と、「空気極活性層に対して固体電解質膜と反対側にて空気極活性層と接触するとともに、空気極活性層より電気伝導率が大きい材質で構成された空気極集電層62」とを含む。空気極集電層62は、「空気極活性層に対して固体電解質膜と反対側にて空気極活性層と接触する第1集電層62a」と、「第1集電層に対して空気極活性層と反対側にて第1集電層と接触するとともに、第1集電層と同じ材質で構成され、第1集電層より気孔率が大きい第2集電層62b」とを含む。
【選択図】図2
【解決手段】この燃料電池は、固体電解質膜40と、固体電解質膜の一方の面側に設けられた燃料極20と、固体電解質膜の他方の面側に設けられた空気極60とを備える。空気極60は、空気極活性層61と、「空気極活性層に対して固体電解質膜と反対側にて空気極活性層と接触するとともに、空気極活性層より電気伝導率が大きい材質で構成された空気極集電層62」とを含む。空気極集電層62は、「空気極活性層に対して固体電解質膜と反対側にて空気極活性層と接触する第1集電層62a」と、「第1集電層に対して空気極活性層と反対側にて第1集電層と接触するとともに、第1集電層と同じ材質で構成され、第1集電層より気孔率が大きい第2集電層62b」とを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池に関する。
従来より、「固体電解質膜」と、「前記固体電解質膜の一方の面側に設けられた、燃料ガスの反応に係る燃料極」と、「前記固体電解質膜の他方の面側に設けられた、空気の反応に係る空気極」と、を備えた燃料電池であって、前記空気極が、「空気極活性層」と、「前記空気極活性層に対して前記固体電解質膜と反対側にて前記空気極活性層と接触するとともに、前記空気極活性層より電気伝導率が大きい材質で構成された空気極集電層」と、を含むもの、が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、空気極集電層は、多孔質で構成されるとともに、外部から供給される電子を集めて空気極活性層に電子を与える機能(集電機能)、並びに、外部から供給される空気を自身の内部で透過して空気極活性層に与える機能(ガス透過機能)が要求される。
ここで、上記集電機能は、空気極集電層の気孔率が小さいほどより良好に発揮され得る。一方、上記ガス透過機能は、空気極集電層の気孔率が大きいほどより良好に発揮され得る。即ち、上記2つの機能は、「一方の機能を良好に発揮させようとすると、他方の機能が良好に発揮され難くなる関係」にあるといえる。上記2つの機能の両方を良好に発揮し得る構成を有する燃料電池の到来が望まれているところである。
本発明の目的は、空気極が空気極活性層と空気極集電層とを備える燃料電池であって、空気極集電層に要求される集電機能及びガス透過機能の両方の機能が良好に発揮され得るものを提供することにある。
本発明に係る燃料電池は、上述と同様、固体電解質膜と、燃料極と、空気極とを備える。前記空気極は、空気極活性層と、空気極活性層とを備える。前記空気極集電層は、前記空気極活性層と接触するとともに、前記空気極活性層より電気伝導率が大きい材質で構成される。
本発明に係る燃料電池の特徴は、前記空気極集電層が、「前記空気極活性層に対して前記固体電解質膜と反対側にて前記空気極活性層と接触する第1集電層」と、「前記第1集電層に対して前記空気極活性層と反対側にて前記第1集電層と接触するとともに、前記第1集電層と同じ材質で構成され、前記第1集電層より気孔率が大きい第2集電層」と、を含むことにある。
ここにおいて、前記第1集電層の厚さは、前記第2集電層の厚さより小さいことが好適である。また、前記第1集電層の気孔率は、前記空気極活性層の気孔率より小さいことが好ましい。
上記構成によれば、「気孔率が小さい第1集電層」が、「気孔率が大きい第2集電層」と「空気極活性層」との間に介挿されるので、空気極集電層が「気孔率が大きい層」のみで構成される場合と比べて、空気極集電層の集電機能をより良好に発揮させることができる。このとき、第1集電層を比較的薄くする(且つ、第2集電層を比較的厚くする)ことによって、空気極集電層の集電機能を良好に維持しながら、第1集電層の介挿に起因する空気極集電層のガス透過機能の低下を十分に抑制することができる。以上、上記構成によれば、空気極集電層に要求される集電機能及びガス透過機能の両方の機能が良好に発揮され得る。
上記本発明に係る燃料電池においては、前記第2集電層の気孔率と前記第1集電層の気孔率との差(ΔP)が3〜25%であることが好適である。また、前記第2集電層の厚さ(L2)に対する前記第1集電層の厚さ(L1)の割合(L1/L2)が0.02〜0.6であることが好ましい。これらの点については後述する。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構造体を示す。このSOFCの構造体は、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)の構造体を示す。このSOFCの構造体は、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
このSOFCの構造体の全体を上方からみた形状は、例えば、長手方向の辺の長さが5〜50cmで長手方向に直交する幅方向(y軸方向)の長さが1〜10cmの長方形である。このSOFCの構造体の全体の厚さは、1〜5mmである。このSOFCの構造体の全体は、厚さ方向の中心を通り且つ支持基板10の主面に平行な面に対して上下対称の形状を有する。以下、図1に加えて、このSOFCの構造体の図1に示す2−2線に対応する部分断面図である図2を参照しながら、このSOFCの構造体の詳細について説明する。図2は、代表的な1組の隣り合う発電素子部A,Aのそれぞれの構成(の一部)、並びに、発電素子部A,A間の構成を示す部分断面図である。その他の組の隣り合う発電素子部A,A間の構成も、図2に示す構成と同様である。
支持基板10は、電気伝導性を有さない多孔質の材料からなる平板状の焼成体である。後述する図6に示すように、支持基板10の内部には、長手方向に延びる複数(本例では、6本、3本以上が好ましい)の燃料ガス流路11(貫通孔)が幅方向において所定の間隔をおいて形成されている。本例では、各凹部12は、支持基板10の材料からなる底壁と、全周に亘って支持基板10の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
支持基板10は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY2O3(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl2O4(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。
支持基板10は、「遷移金属酸化物又は遷移金属」と、絶縁性セラミックスとを含んで構成され得る。「遷移金属酸化物又は遷移金属」としては、NiO(酸化ニッケル)又はNi(ニッケル)が好適である。遷移金属は、燃料ガスの改質反応を促す触媒(炭化水素系のガスの改質触媒)として機能し得る。
また、絶縁性セラミックスとしては、MgO(酸化マグネシウム)、又は、「MgAl2O4(マグネシアアルミナスピネル)とMgO(酸化マグネシウム)の混合物」が好適である。また、絶縁性セラミックスとして、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、Y2O3(イットリア)が使用されてもよい。
このように、支持基板10が「遷移金属酸化物又は遷移金属」を含むことによって、改質前の残存ガス成分を含んだガスが多孔質の支持基板10の内部の多数の気孔を介して燃料ガス流路11から燃料極に供給される過程において、上記触媒作用によって改質前の残存ガス成分の改質を促すことができる。加えて、支持基板10が絶縁性セラミックスを含むことによって、支持基板10の絶縁性を確保することができる。この結果、隣り合う燃料極間における絶縁性が確保され得る。
支持基板10の厚さは、1〜5mmである。以下、この構造体の形状が上下対称となっていることを考慮し、説明の簡便化のため、支持基板10の上面側の構成についてのみ説明していく。支持基板10の下面側の構成についても同様である。
図2及び図3に示すように、支持基板10の上面(上側の主面)に形成された各凹部12には、燃料極集電部21の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極集電部21は直方体状を呈している。各燃料極集電部21の上面(外側面)には、凹部21aが形成されている。各凹部21aは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。周方向に閉じた側壁のうち、長手方向に沿う2つの側壁は支持基板10の材料からなり、幅方向に沿う2つの側壁は燃料極集電部21の材料からなる。
各凹部21aには、燃料極活性部22の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極活性部22は直方体状を呈している。燃料極集電部21と燃料極活性部22とにより燃料極20が構成される。燃料極20(燃料極集電部21+燃料極活性部22)は、電気伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。各燃料極活性部22の幅方向に沿う2つの側面と底面とは、凹部21a内で燃料極集電部21と接触している。
各燃料極集電部21の上面(外側面)における凹部21aを除いた部分には、凹部21bが形成されている。各凹部21bは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。周方向に閉じた側壁のうち、長手方向に沿う2つの側壁は支持基板10の材料からなり、幅方向に沿う2つの側壁は燃料極集電部21の材料からなる。
各凹部21bには、インターコネクタ30が埋設(充填)されている。従って、各インターコネクタ30は直方体状を呈している。インターコネクタ30は、電気伝導性を有する緻密な材料からなる焼成体である。各インターコネクタ30の幅方向に沿う2つの側面と底面とは、凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
燃料極20(燃料極集電部21及び燃料極活性部22)の上面(外側面)と、インターコネクタ30の上面(外側面)と、支持基板10の主面とにより、1つの平面(凹部12が形成されていない場合の支持基板10の主面と同じ平面)が構成されている。即ち、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で、段差が形成されていない。
燃料極活性部22は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極集電部21は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とY2O3(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極活性部22の厚さは、5〜30μmであり、燃料極集電部21の厚さ(即ち、凹部12の深さ)は、50〜500μmである。
このように、燃料極集電部21は、電気伝導性を有する物質を含んで構成される。燃料極活性部22は、電気伝導性を有する物質と酸素イオン伝導性を有する物質とを含んで構成される。燃料極活性部22における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部21における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
インターコネクタ30は、例えば、LaCrO3(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO3(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ30の厚さは、10〜100μmである。
燃料極20及びインターコネクタ30がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタ30が形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面は、固体電解質膜40により覆われている。固体電解質膜40は、イオン伝導性を有し且つ電気伝導性を有さない緻密な材料からなる焼成体である。固体電解質膜40は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。固体電解質膜40の厚さは、3〜50μmである。
即ち、燃料極20がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面の全面は、インターコネクタ30と固体電解質膜40とからなる緻密層により覆われている。この緻密層は、緻密層の内側の空間を流れる燃料ガスと緻密層の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。
なお、図2に示すように、本例では、固体電解質膜40が、燃料極20(集電部21+活性部22)の上面、インターコネクタ30の上面における長手方向の両側端部、及び支持基板10の主面を覆っている。ここで、上述したように、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で段差が形成されていない。従って、固体電解質膜40が平坦化されている。この結果、固体電解質膜40に段差が形成される場合に比して、応力集中に起因する固体電解質膜40でのクラックの発生が抑制され得、固体電解質膜40が有するガスシール機能の低下が抑制され得る。
固体電解質膜40における各燃料極活性部22と接している箇所の上面には、反応防止膜50を介して空気極60が形成されている。反応防止膜50は、緻密な材料からなる焼成体であり、空気極60は、電気伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。反応防止膜50及び空気極60を上方からみた形状は、燃料極活性部22と略同一の長方形である。反応防止膜50は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜50の厚さは、3〜50μmである。
なお、反応防止膜50が介装されるのは、SOFC作製時又は作動中のSOFC内において固体電解質膜40内のYSZと空気極60内のSrとが反応して固体電解質膜40と空気極60との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するためである。
図2及び図4に示すように、空気極60は、後述する(1)式に示す反応を促進する機能を主として発揮する空気極活性層61と、外部から供給される電子を集める機能を主として発揮する空気極集電層62と、を備える。更に、空気極集電層62は、第1集電層62aと、第2集電層62bと、を備える。
空気極活性層61は、反応防止膜50の上面に形成されている。空気極活性層61は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)で構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO3(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O3(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)等で構成されてもよい。空気極活性層61の厚さは、10〜50μmである。空気極活性層61の気孔率は、25〜50%である。
空気極集電層62の第1集電層62aは、空気極活性層61の上面に形成されている。第1集電層62aは、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)で構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)で構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。或いは、La(Ni、Fe、Cu)O3(銅が添加されたランタンニッケルフェライト)で構成され得る。第1集電層62aの厚さは、5〜30μmである。第1集電層62aの気孔率は、25〜40%である。
空気極集電層62の第2集電層62bは、第1集電層62aの上面に形成されている。第2集電層62bは、第1集電層62aと同じ材料で構成される。第2集電層62bの厚さは、50〜300μmである。第2集電層62bの気孔率は、25〜50%である。
空気極集電層62(=第1集電層62a+第2集電層62b)を構成する材質の電気伝導率(導電率)は、空気極活性層61を構成する材質の電気伝導率より大きい。第1集電層62aの気孔率は、空気極活性層61の気孔率より小さい。第1集電層62aの気孔率は、第2集電層62bの気孔率より小さい。第1集電層62aの厚さは、第2集電層62bの厚さより小さい。
ここで、燃料極20と、固体電解質膜40と、反応防止膜50と、空気極60とが積層されてなる積層体が、「発電素子部A」に対応する(図2を参照)。即ち、支持基板10の上面には、複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、長手方向において所定の間隔をおいて配置されている。
第2集電層62bは、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60(の第1集電層62a)と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aのインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極60(の第1集電層62a)、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の上面に、形成されている。第2集電層62bを上方からみた形状は、長方形である。
このように各第2集電層62bが形成されることにより、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の(図2では、左側の)発電素子部Aの空気極60(特に、第1集電層62a)と、他方の(図2では、右側の)発電素子部Aの燃料極20(特に、燃料極集電部21)とが、電気伝導性を有する「第2集電層62a及びインターコネクタ30」を介して電気的に接続される。この結果、支持基板10の上面に配置されている複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが電気的に直列に接続される。ここで、電気伝導性を有する「第2集電層62b及びインターコネクタ30」が、「電気的接続部」に対応する。
なお、インターコネクタ30は、前記「電気的接続部」における前記「緻密な材料で構成された第1部分」に対応し、気孔率は10%以下である。第2集電層62bは、前記「電気的接続部」における前記「多孔質の材料で構成された第2部分」に対応し、上述のように、気孔率は25〜50%である。なお、本明細書では、「緻密な材料」とは、ガスを透過しない程度に気孔率が小さい材料を指し、具体的には、気孔率が10%以下の材料を指す。
以上、説明した「横縞型」のSOFCの構造体に対して、図5に示すように、支持基板10の各燃料ガス流路11内に、長手方向の一方向(同じ方向)に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板10の上下面(特に、各第2集電層62b)を「酸素を含むガス」(空気等)に曝す(或いは、支持基板10の上下面に沿って酸素を含むガスを流す)ことにより、固体電解質膜40の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。更に、この構造体を外部の負荷に接続すると、下記(1)、(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる(発電状態)。
(1/2)・O2+2e−→O2− (於:空気極60) …(1)
H2+O2−→H2O+2e−
(於:燃料極20) …(2)
(1/2)・O2+2e−→O2− (於:空気極60) …(1)
H2+O2−→H2O+2e−
(於:燃料極20) …(2)
発電状態においては、図6に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、電流が、矢印で示すように流れる。この結果、図5に示すように、このSOFCの構造体全体から(具体的には、図5において最も手前側の発電素子部Aのインターコネクタ30と最も奥側の発電素子部Aの空気極60とを介して)電力が取り出される。
(製造方法)
次に、図1に示した「横縞型」のSOFCの構造体の製造方法の一例について図7〜図16を参照しながら簡単に説明する。図7〜図16において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
次に、図1に示した「横縞型」のSOFCの構造体の製造方法の一例について図7〜図16を参照しながら簡単に説明する。図7〜図16において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
先ず、図7に示す形状を有する支持基板の成形体10gが作製される。この支持基板の成形体10gは、例えば、支持基板10の材料(例えば、CSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、押し出し成形、切削等の手法を利用して作製され得る。以下、図7に示す8−8線に対応する部分断面を表す図8〜図16を参照しながら説明を続ける。
図8に示すように、支持基板の成形体10gが作製されると、次に、図9に示すように、支持基板の成形体10gの上下面に形成された各凹部に、燃料極集電部の成形体21gがそれぞれ埋設・形成される。次いで、図10に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面に形成された各凹部に、燃料極活性部の成形体22gがそれぞれ埋設・形成される。各燃料極集電部の成形体21g、及び各燃料極活性部22gは、例えば、燃料極20の材料(例えば、NiとYSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
続いて、図11に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面における「燃料極活性部の成形体22gが埋設された部分を除いた部分」に形成された各凹部に、インターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成される。各インターコネクタの成形体30gは、例えば、インターコネクタ30の材料(例えば、LaCrO3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
次に、図12に示すように、複数の燃料極の成形体(21g+22g)及び複数のインターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成された状態の支持基板の成形体10gにおける長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタの成形体30gが形成されたそれぞれの部分の長手方向中央部を除いた全面に、固体電解質膜の成形膜40gが形成される。固体電解質膜の成形膜40gは、例えば、固体電解質膜40の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
次に、図13に示すように、固体電解質膜の成形体40gにおける各燃料極の成形体22gと接している箇所の外側面に、反応防止膜の成形膜50gが形成される。各反応防止膜の成形膜50gは、例えば、反応防止膜50の材料(例えば、GDC)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体10gが、空気中にて1500℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCの構造体において空気極60(空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62b)が形成されていない状態の構造体が得られる。
次に、図14に示すように、各反応防止膜50の外側面に、空気極活性層61の成形膜61gが形成される。各空気極活性層61の成形膜61gは、例えば、空気極活性層61の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図15に示すように、各空気極活性層61の成形膜61gの外側面に、空気極集電層の第1集電層62aの成形膜62agが形成される。各第1集電層62aの成形膜62agは、例えば、第1集電層62aの材料(例えば、La(Ni、Fe、Cu)O3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図16に示すように、各組の隣り合う発電素子部について、一方の発電素子部の第1集電層62aの成形膜62agと、他方の発電素子部のインターコネクタ30とを跨ぐように、第1集電層62aの成形膜62ag、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の外側面に、第2集電層62bの成形膜62bgが形成される。各第2集電層62bの成形膜62bgは、例えば、第2集電層62bの材料(例えば、La(Ni、Fe、Cu)O3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。第1、第2集電層62a、62bの気孔率の調整は、スラリー内の粉末の粒径、造孔材の添加量等を調整することによってなされた。
そして、このように成形膜61g、62ag、62bgの積層体が形成された状態の支持基板10が、空気中にて1050℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCの構造体が得られる。以上、図1に示したSOFCの構造体の製造方法の一例について説明した。
なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、支持基板10、及び燃料極20中のNi成分が、NiOとなっている。従って、燃料極20の導電性を獲得するため、その後、支持基板10側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。
(作用・効果)
上記実施形態によれば、「気孔率が小さい第1集電層62a」が、「気孔率が大きい第2集電層62b」と「空気極活性層61」との間に介挿されている。従って、空気極集電層が「気孔率が大きい層」のみで構成される場合と比べて、空気極集電層の「集電機能」をより良好に発揮させることができる。このとき、第1集電層62aを比較的薄くする(且つ、第2集電層62bを比較的厚くする)ことによって、空気極集電層62の集電機能を良好に維持しながら、「第1集電層62aの介挿に起因する空気極集電層62のガス透過機能の低下」を十分に抑制することができる。以上、上記実施形態によれば、空気極集電層に要求される集電機能及びガス透過機能の両方の機能が良好に発揮され得る。
上記実施形態によれば、「気孔率が小さい第1集電層62a」が、「気孔率が大きい第2集電層62b」と「空気極活性層61」との間に介挿されている。従って、空気極集電層が「気孔率が大きい層」のみで構成される場合と比べて、空気極集電層の「集電機能」をより良好に発揮させることができる。このとき、第1集電層62aを比較的薄くする(且つ、第2集電層62bを比較的厚くする)ことによって、空気極集電層62の集電機能を良好に維持しながら、「第1集電層62aの介挿に起因する空気極集電層62のガス透過機能の低下」を十分に抑制することができる。以上、上記実施形態によれば、空気極集電層に要求される集電機能及びガス透過機能の両方の機能が良好に発揮され得る。
(空気極集電層の第1、第2集電層の気孔率差)
上述の還元処理後における図1に示したSOFCでは、通常の環境下で稼働される場合には、空気極活性層61と空気極集電層62(より具体的には、第1集電層62a)との境界部にクラックが発生しない。しかしながら、SOFCが熱応力的に過酷な環境下で稼働されると、上記境界部にクラックが発生する場合があった。本発明者は、係るクラックの発生が、「第2集電層62bの気孔率から第1集電層62aの気孔率を減じた値」(以下、「気孔率差ΔP」と呼ぶ)と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Aについて説明する。
上述の還元処理後における図1に示したSOFCでは、通常の環境下で稼働される場合には、空気極活性層61と空気極集電層62(より具体的には、第1集電層62a)との境界部にクラックが発生しない。しかしながら、SOFCが熱応力的に過酷な環境下で稼働されると、上記境界部にクラックが発生する場合があった。本発明者は、係るクラックの発生が、「第2集電層62bの気孔率から第1集電層62aの気孔率を減じた値」(以下、「気孔率差ΔP」と呼ぶ)と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Aについて説明する。
(試験A)
試験Aでは、図1に示したSOFCについて、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの材質、並びに、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの気孔率、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。表1に記載された気孔率の値は、上述の還元処理後の値(N=10の平均値)である。
試験Aでは、図1に示したSOFCについて、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの材質、並びに、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの気孔率、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。表1に記載された気孔率の値は、上述の還元処理後の値(N=10の平均値)である。
なお、試験A(後述する試験Bでも同様)では、部材の気孔率は、以下のように測定された。先ず、部材の気孔内に樹脂が進入するようにその部材に対して所謂「樹脂埋め」処理がなされた。その「樹脂埋め」処理された部材の表面に対して機械研磨がなされた。機械研磨された表面の微構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察して得られた画像に対して画像処理を行うことによって、気孔の部分(樹脂が進入している部分)と気孔でない部分(樹脂が進入していない部分)の面積がそれぞれ算出された。「全体の面積(気孔の部分の面積と気孔でない部分の面積の和)」に対する「気孔の部分の面積」の割合が部材の「気孔率」とされた。
各サンプル(図1に示すSOFC)にて、上述の還元処理後にて、空気極活性層61の厚さは10〜50μmとされ、第1集電層62aの厚さは5〜30μmとされ、第2集電層62bの厚さは50〜300μmとされ、後述する「厚さ比L1/L2」は0.1〜0.3とされた。空気極活性層61の気孔率は25〜50%とされ、第1集電層62aの気孔率は25〜40%とされ、第2集電層62bの気孔率は25〜50%とされた。各層の気孔率の調整は、スラリー内の粉末の粒径、造孔材の添加量等を調整することによってなされた。空気極60(活性層61+第1集電層62a+第2集電層62bの3層)の共焼成温度は、1350〜1450℃の範囲内で調整された。共焼成時間は、1〜5時間の範囲内で調整された。還元処理温度は、800〜1000℃の範囲内で調整された。還元処理時間は、1〜10時間の範囲内で調整された。
そして、上記還元処理後の各サンプルについて、「燃料極20に還元性の燃料ガスを流通させながら、雰囲気温度を常温から750℃まで2時間で上げた後に750℃から常温まで4時間で下げるパターン」を10回繰り返す熱サイクル試験を行った。そして、各サンプルについて、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部におけるクラックの発生の有無が確認された。この確認は、目視、並びに、顕微鏡を使用した観察によってなされた。この結果は表1に示すとおりである。
表1から理解できるように、熱応力的に過酷な上記熱サイクル試験を行った後では、気孔率差ΔPが3%未満、又は、25%より大きいと、理由は不明であるが、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部にクラックが発生し易い。一方、気孔率差ΔPが3〜25%の範囲内であると、前記クラックが発生し難い、ということができる。
なお、本発明者は、通常の条件・環境下(例えば、常温から750℃まで4時間で上げた後に750℃から常温まで12時間で下げるパターン)にて上記実施形態が使用される場合、気孔率差ΔPが3〜25%の範囲外であっても、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部にクラックが発生しないことを別途確認している。
(空気極集電層の第1、第2集電層の厚さ比)
本発明者は、図1に示したSOFCが熱応力的に過酷な環境下で稼働される場合に発生する上記クラックの発生が、「第2集電層62bの厚さL2に対する、第1集電層62aの厚さL1の割合」(図4を参照、以下、「厚さ比L1/L2」と呼ぶ)とも強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Bについて説明する。
本発明者は、図1に示したSOFCが熱応力的に過酷な環境下で稼働される場合に発生する上記クラックの発生が、「第2集電層62bの厚さL2に対する、第1集電層62aの厚さL1の割合」(図4を参照、以下、「厚さ比L1/L2」と呼ぶ)とも強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Bについて説明する。
(試験B)
試験Bでは、図1に示したSOFCについて、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの材質、並びに、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの厚さ、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表2に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。表2に記載された厚さの値は、上述の還元処理後の値(N=10の平均値)である。
試験Bでは、図1に示したSOFCについて、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの材質、並びに、空気極活性層61、第1集電層62a、及び、第2集電層62bのそれぞれの厚さ、の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表2に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。表2に記載された厚さの値は、上述の還元処理後の値(N=10の平均値)である。
各サンプル(図1に示すSOFC)にて、上述の還元処理後にて、空気極活性層61の気孔率は25〜50%とされ、第1集電層62aの気孔率は25〜40%とされ、第2集電層62bの気孔率は25〜50%とされ、気孔率差ΔPは5〜15%とされた。空気極活性層61の厚さは10〜50μmとされ、第1集電層62aの厚さは5〜30μmとされ、第2集電層62bの厚さは50〜300μmとされた。空気極60(活性層61+第1集電層62a+第2集電層62bの3層)の共焼成温度、共焼成時間、還元処理温度、及び、還元処理時間等は、上記試験Aのときと同じとされた。
そして、上記還元処理後の各サンプルについて、上記試験Aのときと同様、「燃料極20に還元性の燃料ガスを流通させながら、雰囲気温度を常温から750℃まで2時間で上げた後に750℃から常温まで4時間で下げるパターン」を30回繰り返す熱サイクル試験を行った。そして、各サンプルについて、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部におけるクラックの発生の有無が確認された。この確認は、目視、並びに、顕微鏡を使用した観察によってなされた。この結果は表2に示すとおりである。
表2から理解できるように、熱応力的に過酷な上記熱サイクル試験を行った後では、厚さ比L1/L2が0.02未満、又は、0.6より大きいと、理由は不明であるが、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部にクラックが発生し易い。一方、厚さ比L1/L2が0.02〜0.6の範囲内であると、前記クラックが発生し難い、ということができる。
なお、本発明者は、通常の条件・環境下(例えば、常温から750℃まで4時間で上げた後に750℃から常温まで12時間で下げるパターン)にて上記実施形態が使用される場合、厚さ比L1/L2が0.02〜0.6の範囲外であっても、空気極活性層61と第1集電層62aとの境界部にクラックが発生しないことを別途確認している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、平板状の支持基板10の上下面のそれぞれに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられているが、図17に示すように、支持基板10の片側面のみに複数の凹部12が形成され且つ複数の発電素子部Aが設けられていてもよい。
また、上記実施形態においては、燃料極20が燃料極集電部21と燃料極活性部22との2層で構成されているが、燃料極20が燃料極活性部22に相当する1層で構成されてもよい。
加えて、上記実施形態においては、図3に示すように、燃料極集電部21の外側面に形成された凹部21bが、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、周方向に閉じた側壁(支持基板10の材料からなる長手方向に沿う2つの側壁と、燃料極集電部21の材料からなる幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みとなっている。この結果、凹部21bに埋設されたインターコネクタ30の幅方向に沿う2つの側面と底面とが凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
これに対し、図18に示すように、燃料極集電部21の外側面に形成された凹部21bが、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と、幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みであってもよい。同様に、燃料極集電部21の外側面に形成された凹部21aが、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と、幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みであってもよい。
これによれば、凹部21bに埋設されたインターコネクタ30の4つの側面の全てと底面とが凹部21b内で燃料極集電部21と接触する。従って、燃料極集電部21とインターコネクタ30との界面の面積をより一層大きくできる。従って、燃料極集電部21とインターコネクタ30との間における電気伝導性をより一層高めることができ、この結果、燃料電池の発電出力をより一層高めることができる。同様に、凹部21aに埋設された燃料極活性部22の4つの側面の全てと底面とが凹部21a内で燃料極集電部21と接触する。従って、燃料極集電部21と燃料極活性部22との界面の面積をより一層大きくできる。従って、燃料極集電部21と燃料極活性部22との間における電気伝導性をより一層高めることができ、この結果、燃料電池の発電出力をより一層高めることができる。
また、上記実施形態においては、固体電解質膜40と空気極60(具体的には、空気極活性層61)との間に反応防止膜50が介装されているが、固体電解質膜40の上面に空気極60(具体的には、空気極活性層61)が直接形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、支持基板10の主面に電気的に直列に接続された複数の発電素子部Aが配置された所謂「横縞型」と呼ばれる構成が採用されているが、支持基板10の主面に発電素子部が1つのみ設けられたセルが複数枚積層された所謂「縦縞型」の構成が採用されてもよい。
10…支持基板、11…燃料ガス流路、20…燃料極、40…固体電解質膜、60…空気極、61…空気極活性層、62a…空気極第1集電層、62b…空気極第2集電層、A…発電素子部
空気極集電層62の第2集電層62bは、第1集電層62aの上面に形成されている。第2集電層62bは、第1集電層62aと同じ材料で構成される。第2集電層62bの厚さは、50〜300μmである。第2集電層62bの気孔率は、25%より大きく且つ50%以下である。
Claims (3)
- 固体電解質膜と、
前記固体電解質膜の一方の面側に設けられた、燃料ガスの反応に係る燃料極と、
前記固体電解質膜の他方の面側に設けられた、酸素を含むガスの反応に係る空気極と、
を備えた燃料電池であって、
前記空気極は、
空気極活性層と、
前記空気極活性層に対して前記固体電解質膜と反対側にて前記空気極活性層と接触するとともに、前記空気極活性層より電気伝導率が大きい材質で構成された空気極集電層と、
を含み、
前記空気極集電層は、
前記空気極活性層に対して前記固体電解質膜と反対側にて前記空気極活性層と接触する第1集電層と、
前記第1集電層に対して前記空気極活性層と反対側にて前記第1集電層と接触するとともに、前記第1集電層と同じ材質で構成され、前記第1集電層より気孔率が大きい第2集電層と、
を含む、燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池において、
前記第2集電層の気孔率と前記第1集電層の気孔率との差(ΔP)が3〜25%である、燃料電池。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池において、
前記第2集電層の厚さ(L2)に対する前記第1集電層の厚さ(L1)の割合(L1/L2)が0.02〜0.6である、燃料電池。
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