JP7132982B2 - 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック - Google Patents
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Description
A-1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
次に、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110における空気極114の詳細構成について説明する。図6は、単セル110における空気極114周辺の詳細構成を示す説明図である。図6には、反応防止層180を挟んで電解質層112の一部と空気極114の一部とが含まれる領域(図4の領域X1)における単セル110のXZ断面構成が模式的に示されている。
(1)FIB-SEMにより該断面の画像を取得する。
(2)該画像中の縦3μm×横5μmの領域を任意に設定する。ただし、該領域は反応防止層180から離間した領域とする。
(3)該領域において、画像の色により、特定材料粒子Pを識別する。
(4)該領域中のすべての特定材料粒子Pを対象として、特定材料粒子Pに外接する矩形(2辺が上下方向に平行であり、2辺が面方向に平行である矩形)を設定し、該矩形の上下方向に平行な辺の長さを上下方向最大長さD1とし、該矩形の面方向に平行な辺の長さを面方向最大長さD2とする。
(5)各特定材料粒子Pについてのアスペクト比:D2/D1を算出する。
(6)該領域に含まれるすべての特定材料粒子Pの個数と、特定第1種粒子P1X(数式:2≦D2/D1≦3を満たす粒子)の個数とをカウントする。
(7)該領域が、上記特定領域の要件(該領域に含まれる各特定材料粒子Pの面方向最大長さD2が1.5μm以下であり、かつ、該領域に含まれる特定材料粒子Pの個数に対する特定第1種粒子P1Xの個数の割合が20%以上である)を満たすか否かを判定する。
本実施形態の単セル110の製造方法は、例えば以下の通りである。
YSZ粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)と、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ約10μmの電解質層用グリーンシートを得る。また、NiOの粉末をNi重量に換算して55質量部となるように秤量し、YSZの粉末45質量部と混合して混合粉末を得る。この混合粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ270μmの燃料極用グリーンシートを得る。電解質層用グリーンシートと燃料極用グリーンシートとを貼り付けて、乾燥させる。その後、例えば1400℃にて焼成を行うことによって、電解質層112と燃料極116との積層体を得る。
GDC粉末に、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを加えて混合し、粘度を調整して反応防止層用ペーストを調製する。得られた反応防止層用ペーストを、上述した電解質層112と燃料極116との積層体における電解質層112の表面にスクリーン印刷によって塗布し、例えば1200℃で焼成を行う。これにより、反応防止層180が形成され、反応防止層180と電解質層112と燃料極116との積層体を得る。
粉砕したLSCF粉末と、GDC粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、空気極活性層用ペーストを調製する。得られた空気極活性層用ペーストを、上述した反応防止層180と電解質層112と燃料極116との積層体における反応防止層180の表面にスクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。このとき、例えば、GDC粉末としてある程度扁平な粒子の粉末を用い、かつ、スクリーン印刷の際に圧力をかけて印刷を行うこと、および/または、スクリーン印刷後のレベリングの時間を増やすことにより、Z軸方向に沿った活性層210の少なくとも1つの断面において、活性層210が上記特定領域を含むような構成を実現することができる。また、LSCF粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、空気極拡散層用ペーストを調製する。得られた空気極拡散層用ペーストを、上述した空気極活性層ペーストの上にスクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。その後、所定の温度で焼成を行う。焼成により、空気極114の活性層210および拡散層220が形成される。以上の工程により、上述した構成の単セル110が製造される。
複数の単セル110のサンプルを用いて性能評価を行った。図9は、性能評価結果を示す説明図である。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (6)
- 電解質層と、
前記電解質層に対して第1の方向の一方側に配置された空気極と、
前記電解質層に対して前記第1の方向の他方側に配置された燃料極と、
前記電解質層と前記空気極との間に配置され、前記電解質層に含まれる元素と前記空気極に含まれる元素との反応を抑制する特定材料を所定の占有率で含有する反応防止層と、
を備える電気化学反応単セルにおいて、
前記空気極は、
前記反応防止層に隣接し、前記特定材料からなる複数の粒子を前記所定の占有率より小さい占有率で含有する第1の層と、
前記第1の層に対して前記第1の方向の前記一方側に配置された第2の層と、
を有し、
前記第1の方向に沿った前記第1の層の少なくとも1つの断面において、前記第1の層は、前記反応防止層を構成する前記特定材料から離間している前記粒子について、前記第1の方向の最大長さをD1とし、前記第1の方向に直交する第2の方向の最大長さをD2としたとき、前記第1の方向の長さが3μmであり前記第2の方向の長さが5μmである領域であって、前記領域に含まれる各前記粒子のD2が1.5μm以下であり、かつ、前記領域に含まれる前記粒子の個数に対する2≦D2/D1≦3を満たす前記粒子の個数の割合が20%以上であるような領域を含む、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。 - Zrと、Y、ScまたはCaの少なくとも1つと、を含む電解質層と、
前記電解質層に対して第1の方向の一方側に配置され、SrとCoとを含む空気極と、
前記電解質層に対して前記第1の方向の他方側に配置された燃料極と、
前記電解質層と前記空気極との間に配置され、GdとSmとの少なくとも一方と、Ceと、を含む特定材料を所定の占有率で含有する反応防止層と、
を備える電気化学反応単セルにおいて、
前記空気極は、
前記反応防止層に隣接し、前記特定材料からなる複数の粒子を前記所定の占有率より小さい占有率で含有する第1の層と、
前記第1の層に対して前記第1の方向の前記一方側に配置された第2の層と、
を有し、
前記第1の方向に沿った前記第1の層の少なくとも1つの断面において、前記第1の層は、前記反応防止層を構成する前記特定材料から離間している前記粒子について、前記第1の方向の最大長さをD1とし、前記第1の方向に直交する第2の方向の最大長さをD2としたとき、前記第1の方向の長さが3μmであり前記第2の方向の長さが5μmである領域であって、前記領域に含まれる各前記粒子のD2が1.5μm以下であり、かつ、前記領域に含まれる前記粒子の個数に対する2≦D2/D1≦3を満たす前記粒子の個数の割合が20%以上であるような領域を含む、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。 - 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記領域は、前記領域に含まれる前記粒子の個数に対する2≦D2/D1≦3を満たす前記粒子の個数の割合が30%以上であるような領域である、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記領域は、前記領域に含まれる前記粒子の個数に対するD2/D1<1を満たす前記粒子の個数の割合が10%以下であるような領域である、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
前記第1の方向に沿った前記第1の層の3つの断面であって、前記第1の方向視で前記空気極を前記第1の方向に垂直な方向に4等分する3つの断面において、前記第1の層は前記領域を含む、
ことを特徴とする、電気化学反応単セル。 - 前記第1の方向に並べて配置された複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックにおいて、
前記複数の電気化学反応単セルの少なくとも1つは、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルである、
ことを特徴とする電気化学反応セルスタック。
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