JP6760865B2 - 電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック - Google Patents

電気化学反応単セルおよび電気化学反応セルスタック Download PDF

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Description

本明細書によって開示される技術は、電気化学反応単セルに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物を含む電解質層を備える固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCの最小構成単位である燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という)は、電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向(以下、「第1の方向」という)に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
このような単セルにおいて、空気極を構成する空気極構成層(例えば空気極活性層、空気極集電層)の縁側が、第1の方向において当該空気極構成層と対向する対向層(例えば空気極活性層、電解質層や中間層)から剥離することがある。例えば空気極構成層と対向層との間の熱膨張係数差に起因する応力が空気極の縁側に残留し易いことが原因であると想定される。そこで、従来から、空気極活性層の外周面の少なくとも一部において、該外周面の周方向に沿って、凹部と凸部とが交互に繰り返す凹凸が形成された単セルが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2015−65151号公報
上記従来の単セルでは、空気極構成層の第1の方向の厚さが空気極構成層の全体にわたって略均一であり、かつ、空気極構成層を形成する材料の平均粒径が空気極構成層の全体にわたって略均一である。したがって、空気極構成層の縁側に、空気極構成層の第1の方向の厚さに応じた応力が集中することによって、空気極構成層の縁側に残留する応力を十分に分散することができないおそれがある。このため、空気極構成層の縁側の剥離を抑制するためのさらなる改善が求められていた。
なお、このような課題は、空気極側だけでなく、燃料極側にも共通の課題である。また、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の構成単位である電解単セルにも共通の課題である。本明細書では、燃料電池単セルと電解単セルとをまとめて電気化学反応単セルと呼ぶ。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応単セルは、固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を備える電気化学反応単セルにおいて、前記空気極および前記燃料極の少なくとも一方は、同一組成で構成された単層である電極構成層を含み、前記電極構成層は、前記第1の方向視で、前記電極構成層の縁側に位置する縁側部分と、前記縁側部分より前記電極構成層の中央側に位置する中央側部分とを含み、前記縁側部分と前記中央側部分とは、以下の式(1)により規定される条件と式(2)により規定される条件とをともに満たすことを特徴とする。
前記縁側部分を形成する材料の平均粒径 < 前記中央側部分を形成する材料の平均粒径・・・(1)
前記縁側部分の前記第1の方向の平均厚さ < 前記中央側部分の前記第1の方向の平均厚さ・・・(2)
本電気化学反応単セルによれば、電極構成層の縁側に位置する縁側部分を形成する材料の平均粒径が、中央側部分を形成する材料の平均粒径より小さく、かつ、縁側部分の第1の方向の平均厚さが、中央側部分の第1の方向の平均厚さより小さい。これにより、電極構成層の中央側部分についてガス拡散性を確保しつつ、縁側部分について温度変化による体積変動量が低減し、かつ、第1の方向において対向する対向層との接触面積が大きいことによって縁側の剥離を抑制することができる。
(2)上記電気化学反応単セルにおいて、前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(3)により規定される条件を満たすことを特徴とする構成としてもよい。
前記縁側部分の前記第1の方向の平均厚さ < 前記中央側部分を形成する材料の平均粒径・・・(3)
本電気化学反応単セルによれば、縁側部分の第1の方向の平均厚さが、中央側部分を形成する材料の平均粒径より大きい場合に比べて、縁側部分について温度変化による体積変動量がさらに低減することによって縁側の剥離をより効果的に抑制することができる。
(3)上記電気化学反応単セルにおいて、前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(4)により規定される条件を満たすことを特徴とする構成としてもよい。
前記縁側部分の平均気孔率 < 前記中央側部分の平均気孔率・・・(4)
本電気化学反応単セルによれば、縁側部分の平均気孔率が、中央側部分の平均気孔率より大きい場合に比べて、縁側部分について温度変化による体積変動率が低減することによって縁側の剥離をより効果的に抑制することができる。
(4)上記電気化学反応単セルにおいて、前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(5)により規定される条件を満たすことを特徴とする構成としてもよい。
(前記電極構成層の中央側から縁側に向かう径方向における前記縁側部分の幅)/(前記中央側部分の前記第1の方向の平均厚さ) > 1/30・・・(5)
本電気化学反応単セルによれば、縁側部分と、第1の方向において当該縁側部分と対向する対向層との接触面積が確保されることによって縁側の剥離をより効果的に抑制することができる構成としてもよい。
(5)上記電気化学反応セルスタックにおいて、複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックにおいて、前記複数の電気化学反応単セルの少なくとも1つは、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであることを特徴とする構成としてもよい。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池単セル、複数の燃料電池単セルを備える燃料電池スタック、燃料電池スタックを備える発電モジュール、発電モジュールを備える燃料電池システム、電解セル、複数の電解セルを備える電解セルスタック、電解セルスタックを備える水素生成モジュール、水素生成モジュールを備える水素生成システム等の形態で実現することが可能である。
実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 単セル110の詳細構成を示す説明図である。 本実施形態の単セル110と比較例の単セル110Xとを模式的に示した説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。 集電層210の径方向における位置と、各位置における平均粒径との関係を示すグラフである。
A.実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。燃料電池スタック100は、特許請求の範囲における電気化学反応セルスタックに相当する。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。
各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿通されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図2および図3に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿通された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図2に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図3に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Dの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図4および図5に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿通される連通孔108に対応する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112の上下方向の一方側(下側)に配置された燃料極(アノード)116と、電解質層112の上下方向の他方側(上側)に配置された空気極(カソード)114と、電解質層112と空気極114との間に配置された中間層180とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で単セル110を構成する他の層(電解質層112、空気極114、中間層180)を支持する燃料極支持形の単セルである。単セル110は、特許請求の範囲における電気化学反応単セルに相当する。
電解質層112は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、少なくともZrを含んでおり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、CaSZ(カルシア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、略矩形の平板形状部材である。空気極114の構成については、後に詳述する。燃料極116は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
中間層180は、略矩形の平板形状部材であり、GDC(ガドリニウムドープセリア)を含むように形成されている。中間層180は、空気極114から拡散したSrが電解質層112に含まれるZrと反応して高抵抗なSZOが生成されることを抑制する。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。
空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
空気極側集電体134は、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とは一体の部材として形成されているとしてもよい。また、空気極側集電体134は、導電性のコートによって覆われていてもよく、空気極114と空気極側集電体134との間には、両者を接合する導電性の接合層が介在していてもよい。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2および図4に示すように、酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3および図5に示すように、燃料ガス排出連通孔143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.空気極114の詳細構成:
図6は、単セル110の詳細構成を示す説明図である。本実施形態では、空気極114は、集電層210と、集電層210と電解質層112(および中間層180)との間に配置された活性層220とを含む。空気極114の活性層220は、主として、酸化剤ガスOGに含まれる酸素のイオン化反応の場として機能する層であり、主に電子を伝導するLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)と主に酸素イオンを伝導するGDC(ガドリニウムドープセリア)とを含むように形成されている。活性層220がGDCを含んでいると、活性層220とGDCを含む中間層180との接合性を高めることができると共に、活性層220における反応性を向上させることができる。また、空気極114の集電層210は、主として、空気室166から供給された酸化剤ガスOGを拡散させると共に、発電反応により得られた電気を集電する場として機能する層であり、LSCFを含むように形成されている。
本実施形態の空気極114では、集電層210は、活性層220における電解質層112とは反対側の表面(上面)だけでなく、活性層220におけるZ方向周りの周縁部の全周を覆っており、集電層210におけるZ方向周りの周縁部が、全周にわたって中間層180における電解質層112とは反対側の表面(上面)に接触している。集電層210は、縁側部分210Aと、中央側部分210Bとを含む(図6の拡大図参照)。縁側部分210Aは、Z方向視で、集電層210の縁側に位置する部分である。具体的には、縁側部分210Aは、Z方向視で、集電層210のZ方向周りの周縁部の全周にわたって存在する枠状の部分である。中央側部分210Bは、Z方向視で、縁側部分210Aより集電層210の中央側に位置し、Z方向に直交する略平坦な上面を有する部分である。なお、本実施形態では、縁側部分210Aと中央側部分210Bとの間に、Z方向に対して傾斜した傾斜部分210Cが介在している。集電層210は、特許請求の範囲における電極構成層に相当する。
縁側部分210Aと中央側部分210Bとは、次の式(1)から式(5)により規定される条件の全てを満たす。
縁側部分210Aを形成するLSCFの平均粒径 < 中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径・・・(1)
縁側部分210AのZ方向の平均厚さ(以下、単に「平均厚さ」という)DA < 中央側部分210Bの平均厚さDB・・・(2)
縁側部分210Aの平均厚さDA < 中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径・・・(3)
縁側部分210Aの平均気孔率 < 中央側部分210Bの平均気孔率・・・(4)
(集電層210の中央側から縁側に向かう径方向における縁側部分210Aの幅DC)/(中央側部分210Bの平均厚さDB) > 1/30・・・(5)
なお、本実施形態では、傾斜部分210Cにおける平均粒径および平均気孔率は、中央側部分210Bにおける平均粒径および平均気孔率と同じである。
A−4.燃料電池スタック100の製造方法:
本実施形態における単セル110の製造方法の一例は、次の通りである。
(電解質層112と燃料極116との第1の積層体の形成)
BET法による比表面積が例えば5〜7(m/g)であるYSZ粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)と、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ約10(μm)の電解質層用グリーンシートを得る。また、BET法による比表面積が例えば3〜4(m/g)であるNiOの粉末を、Ni重量に換算して55質量部となるように秤量し、BET法による比表面積が例えば5〜7(m/g)であるYSZの粉末45質量部と混合して混合粉末を得る。この混合粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ270(μm)の燃料極用グリーンシートを得る。電解質層用グリーンシートと燃料極用グリーンシートとを貼り付けて、乾燥させる。その後、例えば1400(℃)にて焼成を行うことによって、電解質層112と燃料極116との第1の積層体を得る。
(燃料極116と電解質層112と中間層180との第2の積層体の形成)
次に、中間層180を形成する。具体的には、GDC粉末に、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを加えて混合し、粘度を調整して中間層用ペーストを調製する。得られた中間層用ペーストを、上述した第1の積層体における電解質層112側の表面に例えばスクリーン印刷によって塗布し、例えば1180℃にて焼成を行う。これにより、中間層180が形成され、燃料極116と電解質層112と中間層180との第2の積層体が作製される。
(空気極114の形成)
次に、空気極114の活性層220の材料として、LSCF粉末と、GDC粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、活性層用ペーストを調製する。調整された活性層用ペーストを、第2の積層体における中間層180側の表面に、スクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。
また、空気極114の集電層210の材料として、LSCF粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、集電層用ペーストを調製する。ここで、空気極114の集電層210の材料として、例えば、粒度分布(分度分布)において複数のピーク(例えば1.3(μm)と0.5(μm)との2つのピーク)を有するLSCF粉末を用いることが好ましい。このようなLSCF粉末を用いることにより、上述した縁側部分210Aおよび中央側部分210Bを含む集電層210を形成し易くなる。また、空気極114の集電層210の材料に、粒径の異なる粒子を含めることにより、活性層220および中間層180との接触点が増えるため、空気極114と中間層180との間における導通経路を広く確保することができる。
調整された集電層用ペーストを、上述した活性層用ペーストの上に、スクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。集電層210の内の縁側部分210Aは、第2の積層体と印圧負荷前のスクリーン版との間に形成される。ここで、集電層用ペーストの粘度と、第2の積層体とスクリーン版との間のギャップ(離間距離)と、スクリーン版を第2の積層体から離間させる速度との内の少なくとも1つを調整することにより、縁側部分210Aおよび中央側部分210Bの平均厚さ、平均粒径や平均気孔率を調整することができる。印圧とは、印刷時にスクリーン版と第2の積層体とにかかる圧力である。第2の積層体とスクリーン版との間のギャップは印圧負荷箇所では略0となるが、印圧負荷がかかっていない箇所はギャップが形成されており、そのギャップから集電層用ペーストにおける平均粒径の小さい粉末が染み出すことにより縁側部分210Aが形成される。すなわち、第2の積層体と印圧負荷前のスクリーン版との間のギャップが狭いほど、平均粒径が小さく、平均厚さが小さい縁側部分210Aを形成することができる。スクリーンマスクでは、例えば樹脂等により形成されたマスク部分とスクリーン部分との境界において、印圧負荷時にギャップが形成されることにより、上記のスクリーン印刷と同様に、縁側部分210Aが形成される。また、集電層用ペーストの粘度が高いほど、微細なLSCF粉末(高パッキング性)が高密度な状態で第2の積層体とスクリーン版との間に流れ込むことにより、平均粒径が小さく、平均気孔率が小さい縁側部分210Aを形成することができる。なお、粒度分布におけるピークが相対的に小さいLSCF粉末を含む第1のペーストと、粒度分布におけるピークが相対的に大きいLSCF粉末を含む第2のペーストとを準備し、第1のペーストを印刷対象領域の縁側部分に印刷した後に、第2のペーストを印刷対象領域の中央側部分に塗布することにより、集電層210を形成することもできる。
その後、例えば1100(℃)にて焼成を行うことによって、第2の積層体における中間層180側の表面に、活性層220と集電層210とから構成される空気極114が形成される。なお、集電層210の形成方法は、例えば次の方法でもよい。すなわち、相対的に平均粒径が小さいLSCF粉末で形成された第1の集電層用ペーストを、活性層用ペーストの上に塗布する。その後、相対的に平均粒径が大きいLSCF粉末で形成された第2の集電層用ペーストを、第1の集電層用ペースト上に、該第1の集電層用ペーストより小さい面積で塗布する。その後、第1の集電層用ペーストと第2の集電層用ペーストとを、例えば1100(℃)にて焼成を同時に行う。なお、第1の集電層用ペーストと第2の集電層用ペーストとの塗布方法として、例えば、スクリーン印刷、噴霧塗布などの方法を採用可能である。
以上の工程により、上述した構成の単セル110が製造される。なお、単セル110が製造された後、例えば、空気極114と空気極側集電体134との接合やボルト22による燃料電池スタック100の締結等の組み立て工程が行われることにより、上述した構成の燃料電池スタック100が製造される。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで互いに対向する空気極114および燃料極116と、を備える。空気極114は、同一組成(成分とその化合比)で構成された単層である集電層210を含む。集電層210は、Z方向視で、集電層210の縁側に位置する縁側部分210Aと、縁側部分210Aより集電層210の中央側に位置する中央側部分210Bとを含む。そして、縁側部分210Aを形成するLSCFの平均粒径が、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より小さく、かつ、縁側部分210Aの平均厚さDAが、中央側部分210Bの平均厚さDBより小さい(上記式(1)(2)参照)。これにより、空気極114(集電層210)の中央側部分210Bについてガス拡散性を確保しつつ、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動量が低減し、かつ、上下方向において対向する対向層(中間層180)との接触面積が大きいことによって集電層210の剥離を抑制することができる。以下、本実施形態の単セル110による効果について、比較例の単セル110Xと比較しつつ説明する。
図7は、本実施形態の単セル110と比較例の単セル110Xとを模式的に示した説明図である。同図中の符号Lは、Z方向において集電層210と接触する対向層(第2の積層体)である。図7の右側上段には、本実施形態の単セル110の構成が示されている。なお、同図では、本実施形態の単セル110の構成をわかり易く示すため、縁側部分210Aと中央側部分210Bとの間に傾斜部分210Cが介在せずに段差が形成されたものとしている。
図7の左側上段には、比較例の単セル110Xの構成が示されている。比較例の単セル110Xは、空気極114Xの集電層210Xが縁側部分210Aを含まない点で、本実施形態の単セル110とは異なり、これ以外の点で本実施形態の単セル110と共通する。具体的には、比較例の単セル110Xは、集電層210Xにおける対向層Lとの接触部分のZ方向の厚さが該接触部分の全体にわたって略均一であり、かつ、集電層210Xを形成するLSCFの平均粒径が集電層210Xの接触部分の全体にわたって略均一である。
ここで、単セル110や比較例の単セル110X(以下、「単セル110等」という)において、集電層210や集電層210X(以下、「集電層210等」という)と、当該集電層210等と対向する対向層Lとの体積変動量(体積増加量、体積収縮量)の差に起因して、集電層210等における対向層Lとの接触部分に応力が生じることがある。集電層210等と対向層Lとの体積変動量の差が生じる要因の一例としては、集電層210等と対向層Lとの熱膨張係数の差が挙げられる。例えば、単セル110等を、上述した製造方法により作製する過程において、活性層用ペーストと集電層用ペーストとを印刷して焼成する際、集電層210等の焼成収縮や、集電層210等と対向層Lとの熱膨張係数の差に起因して、集電層210等と対向層Lとの体積変動量の差が生じる。また、単セル110等の発電動作の実行と停止とが繰り返されることによって単セル110等の温度が変化する際、集電層210等と対向層Lとの熱膨張係数の差に起因して、集電層210等と対向層Lとの体積変動量の差が生じる。図7の上段には、単セル110等の体積変動前の状態が例示されており、左側下段には、単セル110等の体積変動後の状態(集電層210等が対向層Lに対して相対的に収縮した状態)が例示されている。
比較例の単セル110Xでは、集電層210Xが収縮する際、集電層210X全体に、集電層210Xの表面側から内部側に向かう収縮力F1が発生する。また、集電層210Xと対向層Lとの接合力や摩擦力によって、集電層210Xにおける対向層Lとの接触部分に、収縮力F1に抗して集電層210X(空気極114)の原形を維持しようとする拘束力F2が発生する。すなわち、集電層210X(空気極114)における対向層Lとは反対側(上側)の部分には、対向層L側(下側)の接触部分に比べて大きな収縮力が発生する。これにより、集電層210Xの縁側には、集電層210Xを対向層Lから離間させる応力(以下、「離間応力」という)が作用する。この離間応力は、集電層210XのZ方向の厚さが大きいほど、大きくなる。このため、集電層210XのZ方向の厚さを小さくすれば、離間応力を抑制することができる。しかし、例えば集電層210Xの強度確保等の理由により、集電層210Xの少なくとも中央側のZ方向の厚さをある程度確保することが好ましい。
ここで、上述したように、比較例の単セル110Xは、集電層210Xにおける対向層Lとの接触部分のZ方向の厚さが該接触部分の全体にわたって略均一であり、かつ、集電層210Xを形成するLSCFの平均粒径が集電層210Xの接触部分の全体にわたって略均一である。このため、集電層210Xの接触部分の内、剥離の起点となる周縁に、上記離間応力が集中することによって、集電層210Xの縁側が対向層Lから剥離し易いという問題がある。集電層210Xの剥離が生じると、空気極114と対向層Lとの間において発電や集電に利用される面積が狭くなることによって、比較例の単セル110Xの発電特性が低下するおそれがある。
ここで、集電層210Xの剥離を抑制する方法として、集電層210Xを構成するLSCFの平均粒径を小さくする方法が考えられる。集電層210Xを構成するLSCFの平均粒径が小さいほど、集電層210Xと対向層Lとの接触面積が大きくなることによって集電層210Xと対向層Lとの間の接合強度が高くなるからである。一方、集電層210Xを構成するLSCFの平均粒径が小さいほど、酸化剤ガスが通過する粒子間の空間が狭くなるため、集電層210Xにおけるガス拡散性が低下することによって、比較例の単セル110Xの発電特性が低下するおそれがある。上述したように、比較例の単セル110Xでは、集電層210Xを形成するLSCFの平均粒径が集電層210Xの接触部分の全体にわたって略均一であるため、集電層210Xを構成するLSCFの平均粒径を小さくすることは、集電層210Xにおいて、縁側だけでなく、発電に利用される中央側を構成するLSCFの平均粒径も一律に小さくすることを意味する。したがって、比較例の単セル110Xでは、集電層210Xの剥離の抑制と、集電層210Xのガス拡散性の確保とを両立することができない。
これに対して、上述したように、本実施形態の単セル110では、同一組成で構成された単層である集電層210における対向層Lとの接触部分は、縁側部分210Aと中央側部分210Bとを含む。そして、縁側部分210Aの平均厚さDAが、中央側部分210Bの平均厚さDBより小さい。このため、集電層210Xの縁側のZ方向の厚さが中央側のZ方向の厚さと同じである比較例の単セル110Xに比べて、集電層210Xの縁側における収縮力F3(収縮量)が小さくなる分だけ、集電層210の接触部分の周縁に作用する離間応力を低減することができる。また、本実施形態の単セル110では、縁側部分210Aを形成するLSCFの平均粒径が、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より小さい。このため、縁側部分210Aと対向層Lとの接合強度が高くなることにより、集電層210の剥離を、より効果的に抑制することができるとともに、発電に利用される中央側部分210Bのガス拡散性を確保することができる。以上のように、同一組成で構成された単層である集電層210において、平均厚さおよび平均粒径が互いに異なる縁側部分210Aと中央側部分210Bとを形成することにより、集電層210の剥離の抑制と、集電層210のガス拡散性の確保とを両立することができる。
また、本実施形態の単セル110では、縁側部分210Aの平均厚さDAは、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より小さい(上記式(3)参照)。これにより、縁側部分210Aの平均厚さDAが、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より大きい場合に比べて、縁側部分210Aと対向層Lとの接触面積が大きい分だけ、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動量がさらに低減することによって集電層210の剥離をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の単セル110では、縁側部分210Aの平均気孔率は、中央側部分210Bの平均気孔率より小さい(上記式(4)参照)。これにより、縁側部分210Aの平均気孔率が、中央側部分210Bの平均気孔率より大きい場合に比べて、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動率(焼成時の収縮率)が低減することによって集電層210の剥離をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の単セル110では、中央側部分210Bの平均厚さDBに対する縁側部分210Aの幅DCの割合は、1/30より大きい(上記式(5)参照)。これにより、同割合が1/30より小さい場合に比べて、縁側部分210Aと対向層Lとの接触面積が確保されることによって集電層210の剥離をより効果的に抑制することができる。
A−6.性能評価:
複数の単セル110のサンプルを作製し、作製された複数の単セル110のサンプルを用いて性能評価を行った。図8は、性能評価結果を示す説明図である。図8には、集電層210のテープピール試験(引き剥がし試験)についての評価結果が示されている。以下、この性能評価について説明する。
A−6−1.各サンプルについて:
図8に示すように、集電層210のテープピール試験についての評価は、サンプル1〜4を対象として行った。各サンプルでは、中央側部分210Bの平均厚さ(150(μm))と平均粒径(1.07(μm))と平均気孔率(35(%))とは互いに同じであるが、縁側部分210Aの平均厚さと平均粒径と平均気孔率との少なくとも1つが互いに異なっている。具体的には、サンプル1では、縁側部分210Aの平均厚さと平均粒径と平均気孔率とが、中央側部分210Bの平均厚さと平均粒径と平均気孔率とのそれぞれと同じである。換言すれば、サンプル1は、集電層210に縁側部分210Aが含まれておらず、上述の比較例の単セル110Xと同じ構成であるとも言える。サンプル2では、縁側部分210Aの平均厚さが10(μm)であり、平均粒径が0.54(μm)であり、サンプル1に対して、縁側部分210Aの平均厚さと平均粒径とが小さい。ただし、サンプル2では、縁側部分210Aの平均厚さ(10(μm))は、中央側部分210Bの平均粒径(1.07(μm))より大きい。
サンプル3では、サンプル2に対して、縁側部分210Aの平均厚さ(0.95(μm))が、中央側部分210Bの平均粒径(1.07(μm))より小さくなっている点で異なっている。サンプル4では、サンプル3に対して、縁側部分210Aの平均厚さ(0.92(μm))がさらに小さくなっている点と、縁側部分210Aの平均気孔率(20(%))が、中央側部分210Bの平均気孔率より低くなっている点とで異なっている。
なお、各サンプルにおける集電層210の平均粒径および平均気孔率は、空気極114のSEM断面写真を用い、インターセプト法(例えば、水谷惟恭著、「セラミックプロセシング」、技報堂出版、1985年3月、p.193−p.195参照)によって算出した。図9は、集電層210の径方向における位置と、各位置における平均粒径との関係を示すグラフである。縁側部分210Aと傾斜部分210C(中央側部分210B)との境界は、上記グラフにおける平均粒径の変曲点に対応する位置であるものとした。具体的には、次の通りである。縁側部分210Aと傾斜部分210Cとの境界は、集電層210内の平均粒径Ksにより決定される。まず、空気極114のSEM断面画像に対して、上下方向(Z軸方向)に平行な複数の仮想線Kを、0.2(μm)間隔で空気極114の縁部から中央側に50(μm)の位置まで順番に引き、仮想線K1、K2、K3、・・・、Km、・・・、K(m+9)、K(m+10)、・・・、Knを得る。そして、各仮想線Kにおいて、LSCFの粒子と重複する部分の長さを測定し、LSCFの粒子と重複する部分の長さの合計を算出し、該合計を、当該各仮想線Kに位置するLSCFの粒子の数で除算した値を、当該仮想線K上に存在するLSCFの平均粒径Ksとする。次に、各仮想線Kの平均粒径Ks1、Ks2、Ks3、・・・、Ksm、・・・、Ks(m+9)、Ks(m+10)、・・・、Ksnのうち、空気極114の縁部から順番に10個の仮想線Kの平均粒径Ksを有する各データ群を設定し、各データ群の10個の平均粒径Ksの平均値(Ave)と各データ群の平均粒径Ksの標準偏差(σ)を算出する。
空気極114の縁部から順番に、データ群G1は、Ks1、Ks2、・・・、Ks10からなり、データ群G2は、Ks2、Ks3、・・・、Ks11からなり、データ群Gmは、Ksm、Ks(m+1)、Ks(m+2)、・・・、Ks(m+9)からなり、データ群G(m+1)は、Ks(m+1)、Ks(m+2)、・・・Ks(m+10)からなる。すなわち、データ群G(m+1)とは、データ群Gmからの1つ目の仮想線Kmの平均粒径Ksmを除いた9個の気孔率(Ks(m+1)、・・・、Ks(m+9))に、データ群の最後の仮想線K(m+9)の次の仮想線K(m+10)の平均粒径Ks(m+10)を加えた10個の平均粒径Ksからなる一つの群を意味する。そして、「G(m+1)の平均粒径Ksの平均値」が「Gmの平均粒径Ksの平均値に、Gmの10個の平均粒径Ksの標準偏差(σ)の2倍の値を加えた値」を初めて上回ったとき、または、「G(m+1)の平均粒径Ksの平均値」が「Gmの平均粒径Ksの平均値から、Gmの10個の平均粒径Ksの標準偏差(σ)の2倍の値を減じた値」を初めて下回ったときの、データ群G(m+1)の10個目の平均粒径Ks(m+10)に対応する仮想線K(m+10)を、縁側部分210Aと傾斜部分210Cとの境界とする。すなわち、Gmの平均粒径Ksの平均値をGmAve、データ群G(m+1)の平均粒径Ksの平均値をG(m+1)Ave、データ群Gmの平均粒径Ksの標準偏差をσmとしたとき、下記式(1)を満たす初めてのデータ群G(m+1)の10個目の平均粒径Ks(m+10)に対応する仮想線K(m+10)を、縁側部分210Aと傾斜部分210Cとの境界とする。
|(G(m+1)Ave)−(GmAve)|>2σm ・・・(1)
なお、この境界が決定されれば、空気極114のSEM断面画像上において、縁側部分210Aと傾斜部分210Cとを区別することができ、縁側部分210Aについて平均粒径および平均気孔率を特定することができる。また、中央側部分210Bについては、集電層210の内、Z方向に直交する略平坦な上面を有する部分における平均粒径および平均気孔率を特定すればよい。
また、各サンプルの縁側部分210Aの平均厚さについては、次のようにして決定する。集電層210の縁部の全体が十分に収まる視野および倍率で撮影されたSEM断面画像上において、縁側部分210Aと傾斜部分210Cとの境界線に平行で、かつ、集電層210の径方向に等間隔に並ぶ複数の厚さ測定用の直線を、縁側部分210A上に引く。各厚さ測定用の直線のうち、集電層210と空間との境界から集電層210と中間層180との境界までの線分の長さを、縁側部分210Aの厚さとする。複数の厚さ測定用の直線のそれぞれにおける縁側部分210Aの厚さの平均値を、縁側部分210Aの平均長さとする。なお、複数の厚さ測定用の直線の代わりに、上述の集電層210の平均粒径および平均気孔率を決定する際に用いた仮想線Kmを用いてもよい。また、複数の厚さ測定用の直線は10本以上であることが好ましい。また、各サンプルの中央側部分210Bの平均厚さについては、集電層210の中央部の全体が十分に収まる視野および倍率で撮影されたSEM断面画像上において、上記複数の厚さ測定用の直線を、中央側部分210B上に引き、以下、縁側部分210Aの平均厚さの決定方法と同様の方法により、中央側部分210Bの平均厚さを決定することができる。その際、傾斜部分210Cは中央側部分210Bに含まない。また、Z方向における中間層180や活性層220との境界に沿った直線に略平行な部分を、中央側部分210Bの平均厚さを求める部分とすることが好ましい。
A−6−2.評価項目および評価方法:
集電層210のテープピール試験については、ISO(International Organization for Standardization)2819(金属素地上への金属被覆−電気めっき皮膜と化学めっき皮膜−密着性試験法)に準拠する。具体的には、各サンプルについて、活性層用ペーストと集電層用ペーストとを印刷して焼成し、集電層210および活性層220を形成した後に、集電層210に対してテープピール試験を行った。各サンプルについて、20個以上作製し、全作製数に対し、集電層210の剥離が発生したサンプルの数の割合を、剥離率(%)とした。剥離率が10(%)未満である場合には良好(◎)と判定し、剥離率が10(%)以上、25(%)未満である場合には合格(〇)と判定し、剥離率が25(%)以上である場合には不合格(×)と判定した。
A−6−3.評価結果:
図8に示すように、集電層210のテープピール試験についての評価において、サンプル1は、不合格(×)と判定され、サンプル2,3は、合格(〇)と判定され、サンプル4は、良好(◎)と判定された。サンプル1では、集電層210に縁側部分210Aが含まれていないため、集電層210Xの周縁に離間応力が集中することによって、集電層210Xが対向層Lから剥離し易くなったと考えられる。これに対して、サンプル2〜4では、縁側部分210Aを形成するLSCFの平均粒径が、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より小さく、かつ、縁側部分210Aの平均厚さが、中央側部分210Bの平均厚さより小さい(上記式(1)(2)参照)。このため、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動量が低減し、かつ、対向層Lとの接触面積が大きいことによって集電層210の剥離を抑制できたと考えられる。
また、サンプル3では、縁側部分210AのZ方向の平均厚さは、中央側部分210Bを形成するLSCFの平均粒径より小さい(上記式(3)参照)。このため、サンプル1に比べて、縁側部分210Aと対向層Lとの接触面積が大きい分だけ、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動量がさらに低減することによって集電層210の剥離をより効果的に抑制できたと考えられる。さらに、サンプル4では、縁側部分210Aの平均気孔率は、中央側部分210Bの平均気孔率より小さい(上記式(4)参照)。このため、サンプル2,3に比べて、縁側部分210Aについて温度変化による体積変動率が低減することによって集電層210の剥離をより効果的に抑制できたと考えられる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、電極構成層として、空気極114の周縁部を構成する集電層210を例示したが、これに限定されない。例えば、図6の構成において、集電層210が、活性層220の上面を覆うが、活性層220におけるZ方向周りの周縁部を覆っていない場合、活性層220は、空気極114の周縁部を構成するため、電極構成層に相当する。なお、この場合、集電層210における活性層220との接触部分に縁側部分と中央側部分とを形成し、集電層210が電極構成層に相当し、活性層220が対向層に相当するとしてもよい。また、空気極114全体が、集電層と活性層との区別がなく、同一組成で構成された単層である場合、空気極114が電極構成層に相当する。なお、電極構成層の第1の方向の平均厚さは、対向層の第1の方向の平均厚さより小さいことが好ましい。なお、「同一組成」とは、電極構成層に不純物が含まれる場合、主となる構成物質が同一組成であることを意味する。
また、上記実施形態では、対向層として、中間層180を例示したが、これに限定されない。例えば、単セル110は、中間層180を備えない構成でもよく、このように中間層を備えず、集電層210が電解質層112と接触する場合、電解質層112が対向層に相当する。要するに、対向層は、電極構成層の電解質層112側に位置し、電極構成層の周縁部と接触する層であればよい。
また、上記実施形態では、縁側部分210Aおよび中央側部分210Bは、空気極114の周縁部の全周にわたって形成されているとしたが、これに限定されず、縁側部分210Aおよび中央側部分210Bは、空気極114の周縁部の一部だけに形成されているとしてもよい。また、上記実施形態において、集電層210は、図7に示すように、縁側部分210Aと中央側部分210Bとの間に傾斜部分210Cが介在しないとしてもよい。
また、上記実施形態では、空気極114に本発明を適用した構成であったが、これに限定されず、燃料極116に本発明を適用してもよい。例えば、燃料極116における電解質層112側の層との接触部分が、縁側部分および中央側部分を含むとしてもよい。
上記実施形態において、縁側部分210Aと中央側部分210Bとは、式(1)から式(5)により規定される条件の全てを満たすとしたが、これに限定されず、式(3)から式(5)の少なくとも1つにより規定される条件を満たさないとしてもよい。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる単セル110の個数は、あくまで一例であり、単セル110の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。
また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。例えば、上記実施形態では、電解質層112がYSZを含むとしているが、電解質層112は、YSZに代えて、あるいはYSZに加えて、例えばScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)やCaSZ(酸化カルシウム安定化ジルコニア)等の他の固体酸化物を含むとしてもよい。また、上記実施形態では、空気極114(活性層220および集電層210)がLSCFを含むとしているが、空気極114は、LSCFに代えて、あるいはLSCFに加えて、例えばLSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄)やLSC(ランタンストロンチウムコバルト酸化物)等の他の材料を含むとしてもよい。また、上記実施形態では、活性層220や中間層180がGDCを含むとしているが、活性層220や中間層180が、GDCに代えて、あるいはGDCに加えて、例えばSDC(サマリウムドープセリア)等の他の材料を含むとしてもよい。
また、上記実施形態では、燃料電池スタック100は複数の平板形の単セル110が積層された構成であるが、本発明は、他の構成、例えば国際公開第2012/165409号に記載されているように、複数の略円筒形の燃料電池単セルが直列に接続された構成にも同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解単セルや、複数の電解単セルを備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号公報に記載されているように公知であるため、ここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解単セルおよび電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様に、空気極および燃料極の少なくとも一方を構成する電極構成層が縁側部分および中央側部分を含む構成を採用すれば、電極構成層の剥離の抑制と、電極構成層のガス拡散性の確保とを両立することができる。
22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102:発電単位 104,106:エンドプレート 108:連通孔 110,110X:単セル 112:電解質層 114,114X:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 180:中間層 210,210X:集電層 210A:縁側部分 210B:中央側部分 220:活性層 DA,DB:平均厚さ DC:幅 F1:収縮力 F2:拘束力 F3:収縮力 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス L:対向層 OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (5)

  1. 固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極と、を備える電気化学反応単セルにおいて、
    前記空気極および前記燃料極の少なくとも一方は、同一組成で構成された単層である電極構成層を含み、
    前記電極構成層は、前記第1の方向視で、前記電極構成層の縁側に位置する縁側部分と、前記縁側部分より前記電極構成層の中央側に位置する中央側部分とを含み、
    前記縁側部分と前記中央側部分とは、以下の式(1)により規定される条件と式(2)により規定される条件とをともに満たすことを特徴とする、電気化学反応単セル。
    前記縁側部分を形成する材料の平均粒径 < 前記中央側部分を形成する材料の平均粒径・・・(1)
    前記縁側部分の前記第1の方向の平均厚さ < 前記中央側部分の前記第1の方向の平均厚さ・・・(2)
  2. 請求項1に記載の電気化学反応単セルにおいて、
    前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(3)により規定される条件を満たすことを特徴とする、電気化学反応単セル。
    前記縁側部分の前記第1の方向の平均厚さ < 前記中央側部分を形成する材料の平均粒径・・・(3)
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単セルにおいて、
    前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(4)により規定される条件を満たすことを特徴とする、電気化学反応単セル。
    前記縁側部分の平均気孔率 < 前記中央側部分の平均気孔率・・・(4)
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルにおいて、
    前記縁側部分と前記中央側部分とは、さらに、以下の式(5)により規定される条件を満たすことを特徴とする、電気化学反応単セル。
    (前記電極構成層の中央側から縁側に向かう径方向における前記縁側部分の幅)/(前記中央側部分の前記第1の方向の平均厚さ) > 1/30・・・(5)
  5. 複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記複数の電気化学反応単セルの少なくとも1つは、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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