JP6706139B2 - 燃料電池単セルおよび燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池単セルおよび燃料電池スタック Download PDF

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Description

本明細書に開示される技術は、燃料電池単セルに関する。
固体酸化物を電解質として用いる固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」ともいう)が知られている。このSOFCに備えられる燃料電池単セルは、電解質層と、所定の方向(以下、「対向方向」ともいう)において電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極とを備え、空気極に酸化剤ガスが供給され、燃料極に燃料ガスが供給されることによって発電する。このような燃料電池単セルの中には、例えば、電解質層と空気極との境界付近で、空気極に含まれる物質が電解質層に含まれる物質と反応して高抵抗層が形成されることを抑制するために、空気極と電解質層との間に中間層が配置されたものが知られている(例えば特許文献1)。
この燃料電池単セルでは、中間層と電解質層との熱膨張率や焼成収縮量の相違等が原因で生じる歪みによって中間層と電解質層との境界付近に応力が集中し、中間層と電解質層とが剥離することを抑制するために、中間層内に気孔が存在するように構成されている。
特開2012−23018号公報
上述した気孔が存在する中間層を含む燃料電池単セルでは、中間層内に、上記対向方向に平行な断面において、対向方向(以下、縦方向ともいう)の寸法と、当該対向方向に直交する方向(以下、横方向ともいう)の寸法とが異なる形状の気孔が存在し得る。この形状の気孔の内、横方向の寸法が縦方向の寸法より長い気孔が中間層内に存在する場合、この気孔が邪魔になるため、空気極から電解質層へと縦方向に沿って直線状に連続的に繋がるイオン導電経路が少なくなるため、SOFCの発電効率が低下する場合がある。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される燃料電池単セルは、固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、前記電解質層と前記空気極との間に配置される中間層と、を備える燃料電池単セルにおいて、前記中間層の内、前記空気極と前記燃料極とが対向する第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、以下の領域条件を満たす領域が存在することを特徴とする。前記領域条件:前記領域に存在する複数の気孔の数に対する第1の気孔条件を満たす気孔の数の割合が50%以上であること。前記第1の気孔条件:前記第1の方向の寸法/前記第1の方向に直交する第2の方向の寸法>1。本燃料電池単セルによれば、中間層の内、空気極と燃料極とが対向する第1の方向に平行である、いずれの断面にも領域条件を満たす領域が存在しない場合に比べて、中間層において空気極側から電解質層側に向かって第1の方向に連続的に繋がっているイオン導電経路長が短くなり、元素イオンが直線的に移動し易くなるため、気孔の存在によって燃料電池単セルの発電効率が低下することが抑制される。即ち、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを、中間層の気孔によって緩和しつつ、その気孔の存在によって燃料電池単セルの発電効率が低下することを抑制することができる。
(2)本明細書に開示される燃料電池単セルは、固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、前記電解質層と前記空気極との間に配置される中間層と、を備える燃料電池単セルにおいて、前記中間層の内、前記空気極と前記燃料極とが対向する第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、以下の第2の気孔条件を満たす気孔が存在することを特徴とする。前記第2の気孔条件:前記第1の方向の気孔の寸法/前記第1の方向に直交する第2の方向の気孔の寸法>2。本燃料電池単セルによれば、中間層の内、空気極と燃料極とが対向する第1の方向に平行である、いずれの断面にも第2の気孔条件を満たす気孔が存在しない場合に比べて、中間層において空気極側から電解質層側に向かって第1の方向に連続的に繋がっているイオン導電経路長が短くなり、元素イオンが直線的に移動し易くなるため、気孔の存在によって燃料電池単セルの発電効率が低下することが抑制される。即ち、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを、中間層の気孔によって緩和しつつ、気孔の存在によって燃料電池単セルの発電効率が低下することを抑制することができる。しかも、中間層は、第2の気孔条件を満たす気孔が存在することによって、中間層に対して第1の方向に隣接する各層との間に発生する熱膨張による応力(例えば、剪断応力)が、気孔を構成する第1の方向に長い内壁によって分散され易くなるため、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを、より効果的に緩和することができる。
(3)上記燃料電池単セルにおいて、前記中間層の気孔率は、10%以上、25%以下であることを特徴とする構成としてもよい。本燃料電池単セルによれば、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
(4)上記燃料電池単セルにおいて、前記中間層の前記第1の方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である構成としてもよい。本燃料電池単セルによれば、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
(5)上記燃料電池単セルにおいて、前記中間層は、第1の中間層と、前記第1の中間層と前記電解質層との間に配置され、前記第1の中間層よりも緻密である第2の中間層とを含む構成としてもよい。この燃料電池単セルによれば、中間層に第2の中間層が含まれることにより、空気極から電解質層へと元素が拡散して高抵抗層が形成されることを抑制することができる。第2の中間層が第1の中間層よりも電解質層側に存在することにより、空気極と中間層との境界付近に応力が集中することを抑制することができる。
(6)上記燃料電池単セルにおいて、前記第2の中間層の前記第1の方向における厚さは、0.1μm以上、0.9μm以下である構成としてもよい。本燃料電池単セルによれば、空気極から電解質層への元素の拡散を抑制しつつ、中間層の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
(7)上記燃料電池単セルにおいて、前記第1の中間層の気孔率は、10%以上、25%以下である構成としてもよい。本燃料電池単セルによれば、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
(8)上記燃料電池単セルにおいて、前記第1の中間層の前記第1の方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である構成としてもよい。本燃料電池単セルによれば、電解質層および空気極の少なくとも一方と中間層との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、単セル、燃料電池発電単位、燃料電池発電単位を備える燃料電池スタック、燃料電池スタックを備える発電モジュール、発電モジュールを備える燃料電池システム等の形態で実現することが可能である。
第1実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 第1実施形態における燃料電池スタック100の上側のXY平面構成を示す説明図である。 第1実施形態における燃料電池スタック100の下側のXY平面構成を示す説明図である。 図1から図3のIV−IVの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1から図3のV−Vの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1から図3のVI−VIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図5に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図6に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 図7のIX−IXの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図7のX−Xの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 熱交換部103のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 単セル110の一部分のXZ断面構成を示す説明図である。 比較例における単セルの一部分のXZ断面構成を示す説明図である。 第2実施形態における単セルの一部分のXZ断面構成を示す説明図である。 第3実施形態における燃料電池スタック100CのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1から図6は、本実施形態における燃料電池スタック100の構成を概略的に示す説明図である。図1には、燃料電池スタック100の外観構成が示されており、図2には、燃料電池スタック100の上側の平面構成が示されており、図3には、燃料電池スタック100の下側の平面構成が示されており、図4には、図1から図3のIV−IVの位置における燃料電池スタック100の断面構成が示されており、図5には、図1から図3のV−Vの位置における燃料電池スタック100の断面構成が示されており、図6には、図1から図3のVI−VIの位置における燃料電池スタック100の断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図7以降についても同様である。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では6つの)発電単位102と、熱交換部103と、一対のエンドプレート104,106とを備える。6つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。ただし、6つの発電単位102の内、3つの発電単位102は互いに隣接するように配置され、残りの3つの発電単位102も互いに隣接するように配置され、上記3つの発電単位102と上記残りの3つの発電単位102との間に熱交換部103が配置されている。すなわち、熱交換部103は、6つの発電単位102と熱交換部103とから構成される集合体における上下方向の中央付近に配置されている。一対のエンドプレート104,106は、6つの発電単位102と熱交換部103とから構成される集合体を上下から挟むように配置されている。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、熱交換部103、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びるボルト孔108を構成している。以下の説明では、ボルト孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、ボルト孔108と呼ぶものとする。
各ボルト孔108には上下方向に延びるボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。
図4から図6に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
各ボルト22の軸部の外径は各ボルト孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各ボルト孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図2から図4に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの頂点(Y軸負方向側およびX軸負方向側の頂点)付近に位置するボルト22(ボルト22A)とボルト孔108の内周面とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入されるガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22C)とボルト孔108の内周面とにより形成された空間は、熱交換部103から排出された酸化剤ガスOGを各発電単位102に向けて運ぶガス流路である酸化剤ガス供給マニホールド163として機能する。また、図2、図3および図5に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)とボルト孔108の内周面とにより形成された空間は、各発電単位102から排出された未反応の酸化剤ガスOGである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図2、図3および図6に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)とボルト孔108の内周面とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)とボルト孔108の内周面とにより形成された空間は、各発電単位102から排出された未反応の燃料ガスFGや燃料ガスFGの発電後のガスを含む燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
図4から図6に示すように、燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通している。図5に示すように、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。図6に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Dの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、燃料ガス排出マニホールド172を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、方形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102と熱交換部103とが押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図7から図10は、発電単位102の詳細構成を示す説明図である。図7には、図5に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102の断面構成が示されており、図8には、図6に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102の断面構成が示されており、図9には、図7のIX−IXの位置における発電単位102の断面構成が示されており、図10には、図7のX−Xの位置における発電単位102の断面構成が示されている。
図7および図8に示すように、発電の最小単位である発電単位102は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という)110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入されるボルト孔108が形成されている。
インターコネクタ150は、方形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図4から図6参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116と、電解質層112と空気極114との間に配置される中間層300とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112、中間層300および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、方形の平板形状部材であり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、方形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、方形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
図7および図8に示すように、中間層300は、電解質層112と空気極114との間に配置されている。中間層300は、空気極114と略同一の大きさの方形の平板形状部材であり、例えば、SDC、GDC、ペロブスカイト型酸化物といったイオン導電性を有する固体酸化物により形成されている。仮に、電解質層112と空気極114との間に中間層300が無い場合、燃料電池スタック100の運転動作時のような高温条件下において、空気極114に含まれる金属の元素(例えばSrやLa 以下、拡散元素ともいう)と、電解質層112に含まれる遷移元素(例えば部分Zr)とが反応して空気極114と電解質層112との境界付近に高抵抗層(例えばSrZrO)が形成されることにより、単セル110の発電効率が低下することがある。これに対して、本実施形態の単セル110では、中間層300が、電解質層112と空気極114との間に配置されている。このため、中間層300は、空気極114に含まれる金属の元素と、電解質層112に含まれる遷移元素とが反応して高抵抗層が形成されることを抑制する反応防止層としての機能を有する。また、中間層300は、イオン導電性を有する固体酸化物により形成されている。このため、中間層300は、酸化剤ガスOGに含まれる酸素分子のイオン化反応により空気極114にて生成された酸化物イオンを電解質層112へと移動させる機能を有する。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、セパレータ120が接合された単セル110をセパレータ付き単セルともいう。
空気極側フレーム130は、図7から図9に示すように、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。すなわち、空気極側フレーム130は、セパレータ120とインターコネクタ150とにより挟持されている。そのため、空気極側フレーム130によって、空気室166のシール(コンプレッションシール)が実現される。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。上述したように、空気極側フレーム130における孔131の周囲には、上述したボルト22が挿入されるボルト孔108が形成されている。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス供給マニホールド163と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、図7、図8および図10に示すように、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。上述したように、燃料極側フレーム140における孔141の周囲には、上述したボルト22が挿入されるボルト孔108が形成されている。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
空気極側集電体134は、図7から図9に示すように、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、所定の間隔をあけて並べられた複数の略四角柱状の導電性部材から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触することにより、空気極114とインターコネクタ150とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。
燃料極側集電体144は、図7、図8および図10に示すように、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、複数の電極対向部145と、各電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。各電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触し、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触する。そのため、燃料極側集電体144は、燃料極116とインターコネクタ150とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150との電気的接続が良好に維持される。
(熱交換部103の構成)
図11は、熱交換部103の断面構成を概略的に示す説明図である。図11には、配列方向に直交する方向における熱交換部103の断面構成が示されている。図4から図6および図11に示すように、熱交換部103は、方形の平板形状部材であり、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。上述したように、熱交換部103のZ方向回りの周縁部には、ボルト22が挿入されるボルト孔108が形成されている。また、熱交換部103の中央付近には、上下方向に貫通する孔182が形成されている。さらに、熱交換部103には、中央の孔182と酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト孔108とを連通する連通孔184と、中央の孔182と酸化剤ガス供給マニホールド163を形成するボルト孔108とを連通する連通孔186とが形成されている。熱交換部103は、熱交換部103の上側に隣接する発電単位102に含まれる下側のインターコネクタ150と、熱交換部103の下側に隣接する発電単位102に含まれる上側のインターコネクタ150とに挟持されている。これらのインターコネクタ150間において、孔182と連通孔184と連通孔186とにより形成される空間は、後述する熱交換のために酸化剤ガスOGを流す熱交換流路188として機能する。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給される。酸化剤ガス導入マニホールド161に供給された酸化剤ガスOGは、図4および図11に示すように、熱交換部103内に形成された熱交換流路188内に流入し、熱交換流路188を通って酸化剤ガス供給マニホールド163へと排出される。熱交換部103は、上側および下側について発電単位102に隣接している。また、後述するように、発電単位102における発電反応は発熱反応である。そのため、酸化剤ガスOGが熱交換部103内の熱交換流路188を通過する際に、酸化剤ガスOGと発電単位102との間で熱交換が行われ、酸化剤ガスOGの温度が上昇する。なお、酸化剤ガス導入マニホールド161は、各発電単位102の空気室166には連通していないため、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給されることはない。
熱交換流路188を通って酸化剤ガス供給マニホールド163へと排出された酸化剤ガスOGは、図4、図5、図7および図9に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド163から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。
また、図6、図8および図10に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、熱交換部103を介しているものの、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102において発電反応に利用されなかった酸化剤ガスOGである酸化剤オフガスOOGは、図5、図7および図9に示すように、空気室166から酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102において発電反応に利用されなかった燃料ガスFGである燃料オフガスFOGは、図6、図8および図10に示すように、燃料室176から燃料ガス排出連通孔143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
A−3.中間層の詳細構成:
中間層300は、空気極114に隣接している第1の中間層310と、電解質層112に隣接している第2の中間層320とを含む。第1の中間層310は、多孔質層であり、第2の中間層320は、第1の中間層310よりも緻密な層である。例えば、第1の中間層310の気孔率は10%以上であり、第2の中間層320の気孔率は10%未満である。
図12には、単セル110の一部分(電解質層112、空気極114、中間層300)の上下方向(Z方向)に平行な断面構成(ZX平面に平行な断面構成)が示されている。空気極114と燃料極116とが対向する上下方向(Z方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、以下、「縦方向」ともいう。また、上下方向に直交する方向(XY平面に平行な方向)は、特許請求の範囲における第2の方向に相当し、以下、「横方向」ともいう。
第1の中間層310には、様々な形状や向きの複数の気孔Pが存在する。図12には、11個の気孔Pが存在する領域E1が示されている。11個の気孔Pの内、気孔P1〜P7は、縦方向の寸法ΔZ(開口径)が横方向の寸法ΔX(開口径)より大きい(縦方向の寸法ΔZ/横方向の寸法ΔX>1)という第1の気孔条件を満たす気孔(以下、「第1の縦長気孔」ともいう)である。一方、残りの気孔P8〜P11は、縦方向の寸法ΔZが横方向の寸法ΔXより小さい、即ち、上記第1の気孔条件を満たさない気孔(以下、「横長気孔」ともいう)である。そして、領域E1に存在する複数の気孔Pの数に対する第1の縦長気孔の数の割合(=(第1の縦長気孔の数/領域E1に存在する気孔Pの数)×100 以下、「縦長孔割合」ともいう)は、約63.6%である。
また、第1の中間層310の気孔率は、10%以上、25%以下であり、第1の中間層310の縦方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である。第2の中間層320の縦方向における厚さは、0.1μm以上、0.9μm以下である。
A−4.単セル110の製造方法:
単セル110の製造方法の一例は、次の通りである。
(固体電解質層用のグリーンシートの作製)
BET法による比表面積が、5〜7m/gであるYSZ粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)と、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーにドクターブレード法を用いることによって、厚さ10μmの固体電解質層用グリーンシートを得る。
(燃料極層用のグリーンシートの作製)
BET法による比表面積が、3〜4m/gであるNiOの粉末を、Ni重量に換算して55質量部となるように秤量し、BET法による比表面積が5〜7m/gであるYSZの粉末45質量部と混合し、混合粉末を得る。この混合粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーにドクターブレード法を用いることによって、厚さ10μmの燃料極活性層用グリーンシートを得る。
(固体電解質層と燃料極層との積層)
固体電解質層用のグリーンシートと、燃料極層用のグリーンシートとを、貼り付け、乾燥させる。さらに、1400℃にて焼成を行い、電解質層112と燃料極(燃料極層)116との積層体を得る。
(中間層形成用スラリーの調製、印刷、及び焼成)
GDC粉末に、アクリルバインダーとイソプロピルアルコールとからなる溶媒を添加し、さらに、レオロジー性を高めるためのチクソ材を加えて、混合して、中間層形成用スラリーを調製する。調製したスラリーを、電解質層112と燃料極116との積層体における、固体電解質成形体側の表面に、メッシュを用いてスクリーン印刷法にて塗布し、塗布後の積層体を焼成する。このように中間層形成用スラリーのレオロジー性を高めることにより、電解質層112内に存在する非対称の気孔Pの長手方向を、所定の方向(Z方向)に沿わせて上記第1の縦長気孔や後述の第2の縦長気孔を形成させることができる。
また、積層体の焼成の過程で、中間層300の内、電解質層112との境界B1側の部分が、電解質層112とは反対側の部分に比べて粗密になり、その結果、電解質層112との境界B1側の部分が第2の中間層320となり、電解質層112とは反対側の部分が第1の中間層310となる。なお、第2の中間層320の縦方向の厚さは、塗布後の積層体を焼成する際の焼成温度と焼成時間とを適宜変更することにより調整することができる。例えば、焼成温度が1250度で焼成時間が8時間である場合、焼成温度が1250度で焼成時間が1時間である場合よりも、縦方向の厚さが大きい第2の中間層320を形成することができる。
(空気極114の形成)
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、イソプロピルアルコールとからなる混合液を作成した。作成した混合液を、中間層300が形成された上記積層体における第1の中間層310の表面に噴霧塗布し、1100℃で焼成することによって空気極114を成形し、単セル110を得ることができる。
A−5.中間層300の分析方法:
(分析画像M1の取得方法)
まず、中間層300について、第1の中間層310と第2の中間層320との境界B3や、気孔Pを分析するための分析画像M1を次のようにして取得する。すなわち、図12に示すように、中間層300の上下方向における全体が確認できる画像であって、中間層300と空気極114との境界B1と推測される部分が、当該画像を上下方向に10等分に分割して得られた10コの分割領域の内、最も上の分割領域内に位置し、中間層300と電解質層112との境界B2と推測される部分が、最も下の分割領域内に位置している画像を、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察できるようにして、その画像を撮影することにより、分析画像M1を取得する。なお、この分析画像M1は、SEMにより観察された画像を2値化処理した後の2値化画像でもよい。但し、2値化画像における気孔Pが実際の形態と大きく異なる場合には、SEMにより観察された2値化処理前の画像のコントラストを調整し、その調整後の画像を2値化処理した画像でもよい。また、SEMにより観察された2値化処理前の画像そのものでもよい。SEMの画像の倍率は、5,000〜20,000倍とすることができるが、これに限定されず、適宜変更することができる。
(第1の中間層310と第2の中間層320との境界B3の決定方法)
次に、第1の中間層310と第2の中間層320との境界B3は、中間層300内の気孔率Ksにより決定される。まず、分析画像M1に対して、上下方向(Z軸方向)に直交する複数の仮想線Kを、0.3μm間隔で空気極114の上側表面から下方に順番に引き、仮想線K1、K2、K3、・・・、Km、・・・、K(m+9)、K(m+10)、・・・、Knを得る。そして、各仮想線Kにおいて気孔Pと重複する部分の長さを測定し、気孔と重複する部分の長さの合計を算出し、各仮想線Kの全長に対する気孔Pと重複する部分の長さの合計との比を、当該仮想線K上に存在する気孔Pの割合(気孔率Ks)とする。次に、各仮想線Kの気孔率Ks1、Ks2、Ks3、・・・、Ksm、・・・、Ks(m+9)、Ks(m+10)、・・・、Ksnのうち、上方側から順番に10個の仮想線Kの気孔率Ksを有する各データ群を設定し、各データ群の10個の気孔率Ksの平均値(Ave)と各データ群の気孔率Ksの標準偏差(σ)を算出する。
上方側から順番に、データ群G1は、Ks1、Ks2、・・・、Ks10からなり、データ群G2は、Ks2、Ks3、・・・、Ks11からなり、データ群Gmは、Ksm、Ks(m+1)、Ks(m+2)、・・・、Ks(m+9)からなり、データ群G(m+1)は、Ks(m+1)、Ks(m+2)、・・・Ks(m+10)からなる。すなわち、データ群G(m+1)とは、データ群Gmからの1つ目の仮想線Kmの気孔率Ksmを除いた9個の気孔率(Ks(m+1)、・・・、Ks(m+9))に、データ群の最後の仮想線K(m+9)の次の仮想線K(m+10)の気孔率Ks(m+10)を加えた10個の気孔率Ksからなる一つの群を意味する。そして、「G(m+1)の気孔率Ksの平均値」が「Gmの気孔率Ksの平均値に、Gmの10個の気孔率Ksの標準偏差(σ)の2倍の値を加えた値」を初めて上回ったとき、または、「G(m+1)の気孔率Ksの平均値」が「Gmの気孔率Ksの平均値から、Gmの10個の気孔率Ksの標準偏差(σ)の2倍の値を減じた値」を初めて下回ったときの、データ群G(m+1)の10個目の気孔率Ks(m+10)に対応する仮想線K(m+10)を、第1の中間層310と第2の中間層320との境界B3とする。すなわち、Gmの気孔率Ksの平均値をGmAve、データ群G(m+1)の気孔率Ksの平均値をG(m+1)Ave、データ群Gmの気孔率Ksの標準偏差をσmとしたとき、下記式(1)を満たす初めてのデータ群G(m+1)の10個目の気孔率Ks(m+10)に対応する仮想線K(m+10)を、第1の中間層310と第2の中間層320との境界B3とする。
|(G(m+1)Ave)−(GmAve)|>2σm ・・・(1)
なお、この境界B3が決定されれば、分析画像M1上において、第1の中間層310と第2の中間層320とを区別することができ、各気孔Pが第1の中間層310および第2の中間層320のいずれに存在するかを特定することができる。
(気孔Pの寸法の測定方法)
気孔Pの縦方向の寸法ΔZおよび横方向の寸法ΔXは、次のようにして測定する。すなわち、分析画像M1(分析画像M1が二値化処理前のものであれば二値化処理した後の画像)に対して、公知の画像処理を施すことにより水平フェレ径と垂直フェレ径とを求める。水平フェレ径は、各気孔Pに外接し、縦方向に平行な2辺と横方向に平行な2辺とから構成される方形(以下、外接方形Wともいう)の横方向に平行な辺の長さであり、気孔Pの横方向の寸法ΔXに相当し、垂直フェレ径は、外接方形Wの縦方向に平行な辺の長さであり、気孔Pの縦方向の寸法ΔZに相当する。
そして、分析画像M1内において、例えば、開口面積または上記外接方形Wの面積が大きい順に所定数分、所定割合分(5〜8割)、あるいは、開口面積または上記外接方形Wの面積が所定値(例えば分析画像M1上の視認可能な面積)以上の気孔Pについて、縦方向の寸法ΔZおよび横方向の寸法ΔXを測定し、その測定結果から、各気孔Pが、第1の気孔条件を満たすか否かを判断し、満たすと判断した場合、第1の縦長気孔であるとし、満たさないと判断した場合、第1の縦長気孔ではないとする。そして、この判断結果から、縦長気孔割合を求めることができる。この縦長気孔割合が50%以上であること(第1の領域条件)は、特許請求の範囲における領域条件に相当する。
A−6.本実施形態の効果:
図13には、比較例の単セルの一部分(電解質層112、空気極114、中間層300)の上下方向(Z方向)に平行な断面構成(ZX平面に平行な断面構成)の領域ECの分析画像MCが示されている。この比較例の単セルでは、11個の気孔P1〜P11の内、4つの気孔P2〜P4,P7だけが第1の縦長気孔であり、縦長気孔割合は36.3%であり、50%未満である。このため、中間層300において空気極114側から電解質層112側に向かって連続的に繋がっている酸化物イオンのイオン導電経路Rの中に、イオン導電経路R4〜R6のように、気孔P同士の間を迂回するように湾曲したものが多くなるため、燃料電池スタック100の発電効率が低下する場合がある。
これに対して、本実施形態の単セル110では、図12に示すように、縦長気孔割合は50%以上である。このため、中間層300におけるイオン導電経路Rの中に、イオン導電経路R1〜R3のように、空気極114側から電解質層112側へと縦方向に沿って直線状に連続的に繋がっており、イオン導電経路長が短いものが多くなるため、比較例の単セルに比べて、酸化物イオンを空気極114から電解質層112へと効率よく移動させることができるため、燃料電池スタック100の発電効率の低下を抑制することができる。
以上により、中間層300を、空気極114と同様の多孔質層にすることにより、空気極114と中間層300との境界付近に応力が集中したり、空気極114と中間層300とが剥離したりすることを緩和することができる。その一方で、中間層300内の気孔Pが邪魔して空気極から電解質層へとの酸化物イオンのイオン導電経路が長くなることに起因して、燃料電池スタック100の発電効率が低下するおそれがある。しかし、本実施形態の燃料電池スタック100では、中間層300に上記領域条件を満たす領域が存在する。これにより、空気極114と中間層300との境界付近に応力が集中することを、中間層300の気孔Pによって緩和しつつ、気孔Pの存在によって燃料電池スタック100の発電効率が低下することを抑制することができる。
中間層300には、第1の中間層310よりも緻密である第2の中間層320が、第1の中間層310と電解質層112との間に配置されている。このため、高抵抗層(例えばSrZrO)の生成源であるSr等の拡散元素が電解質層112側に拡散することを抑制することができる。また、第2の中間層320が第1の中間層310よりも電解質層側に存在する。すなわち、多孔質の第1の中間層310が、多孔質の空気極114に接触しており、緻密層の第2の中間層320が緻密層の電解質層112に接触している。これにより、多孔質の第1の中間層310が、緻密層の電解質層112に接触し、緻密層の第2の中間層320が多孔質の空気極114に接触している場合に比べて、空気極114と中間層300との境界付近に応力が集中したり、空気極114と中間層300とが剥離したりすることを抑制することができる。
第2の中間層320の縦方向における厚さは、0.1μm以上、0.9μm以下である。このため、空気極114から電解質層112への元素の拡散を抑制しつつ、中間層300の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。また、第1の中間層310の気孔率は、10%以上、25%以下である。このため、空気極114と中間層300との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層300の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。さらに、第1の中間層310の縦方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である。このため、空気極114と中間層300との境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層300の抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
B.第2実施形態:
図14は第2実施形態の単セルの一部分の詳細構成を示す。第2実施形態の燃料電池スタックの構成の内、上述した第1実施形態の燃料電池スタック100と同一の構成については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
本実施形態の単セルは、電解質層112と、電解質層112を挟んで互いに対向する空気極114および燃料極116と、電解質層112と空気極114との間に配置される中間層300Aとを備える。
中間層300Aには、様々な形状や向きの複数の気孔Pが存在する。図14には、11個の気孔Pが存在する領域E2が示されている。11個の気孔Pの内、気孔P1は、縦方向の寸法ΔZが、横方向の寸法ΔXの2倍より大きい(縦方向の寸法ΔZ/横方向の寸法ΔX>2)という第2の気孔条件を満たす気孔(以下、「第2の縦長気孔」ともいう)であり、他の気孔P2〜P11は、縦方向の寸法ΔZが、横方向の寸法ΔXの2倍より小さいため、第2の気孔条件を満たさない。従って、中間層300Aの内、縦方向(上下方向)に平行である少なくとも1つ断面に、第2の縦長気孔が1つ以上、存在する領域E2が存在する。この第2の縦長気孔が存在すること(第2の領域条件)は、特許請求の範囲における領域条件に相当する。なお、11個の気孔Pの内、4つの気孔P1,P2,P4,P7だけが上記第1の気孔条件を満たす第1縦長気孔であり、縦長気孔割合は36,3%であるため、第1実施形態の上記第1の領域条件を満たさない。
中間層300Aは、1つの多孔質層で構成されており、その気孔率は10%以上、25%以下である。また、中間層300Aの縦方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である。
本実施形態の単セルによれば、中間層300Aの内、縦方向に平行である断面に、第2の縦長気孔が存在する。これにより、第2の縦長気孔の周囲部分には、空気極114側から電解質層112側へと縦方向に沿って直線状に連続的に繋がっているイオン導電経路R7,R8が比較的に長い範囲に亘って形成される。従って、中間層300Aの内、縦方向に平行である、いずれの断面にも第2の縦長気孔が存在しない場合に比べて、酸化物イオンを空気極114から電解質層112へと効率よく移動させることができる。即ち、空気極114と中間層300Aとの境界付近に応力が集中することを、中間層300Aの気孔Pによって緩和しつつ、気孔Pの存在によって燃料電池スタックの発電効率が低下することを抑制することができる。
しかも、中間層300Aは、第2の縦長気孔が存在することによって、中間層300Aに対して上下方向に隣接する各層との間に発生する熱膨張による横方向の応力(例えば、剪断応力)が、第2の縦長気孔を構成する縦方向に長い内壁によって分散され易くなる。このため、電解質層112および空気極114と中間層300Aとの境界付近に応力が集中することを、より効果的に緩和することができる。
中間層300Aの気孔率は、10%以上、25%以下である。このため、空気極114と中間層300Aとの境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層300Aの抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。さらに、中間層300Aの縦方向における厚さは、1μm以上、15μm以下である。このため、空気極114と中間層300Aとの境界付近に応力が集中することを緩和しつつ、中間層300Aの抵抗が高くなりすぎることを抑制することができる。
C.第3実施形態:
図15には、いわゆる筒状平板形の複数の発電単位102Cを有する燃料電池スタック100Cが示されている。燃料電池スタック100Cは、互いに所定間隔をあけて並んで配置された複数の発電単位102Cを有する。複数の発電単位102Cは、隣り合う発電単位102C同士の間に配置された集電部870を介して電気的に直列に接続されている。各発電単位102Cは、扁平柱形状の外観を有し、電極支持体830と、単セル110Cと、インターコネクタ810とを備える。
電極支持体830は、楕円形状の断面を有する柱状体であり、多孔質材料で形成されている。電極支持体830の内部には,柱状体の延伸方向に延びる複数の燃料ガス流路820が形成されている。単セル110Cは、燃料極840と、固体電解質層850と、空気極860と、中間層900とを含む。燃料極840は,電極支持体830の側面の内、互いに平行な一対の平坦面の一方と,各平坦面の端部同士をつなぐ2つの曲面とを覆うように設けられている。固体電解質層850は,この燃料極840の側面を覆うように設けられている。空気極860は,固体電解質層850の側面の内,電極支持体830の平坦面上に位置する部分を覆うように設けられている。中間層900は、多孔質層を有し、固体電解質層850と空気極860との間に配置されている。インターコネクタ810は,燃料極840および固体電解質層850が設けられていない側の電極支持体830の平坦面上に設けられている。上述した集電部870は、発電単位102Cの空気極860と,その発電単位102Cに隣り合う発電単位102Cのインターコネクタ810とを電気的に接続する。
このような構成の燃料電池スタック100Cでは、燃料極840と空気極860とが対向する第1の方向(Z方向)に平行である少なくとも1つの断面に、上記第1の領域条件および第2の領域条件の少なくとも一方を満たす領域が存在する。これにより、空気極860と中間層900との境界付近に応力が集中することを、中間層900の気孔によって緩和しつつ、気孔の存在によって燃料電池スタック100Cの発電効率が低下することを抑制することができる。
D.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記第1実施形態では、中間層として、第1の中間層310および第2の中間層320の2層で構成された中間層300を例示したが、これに限定されず、中間層は、第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、上記第1の領域条件を満たす領域が存在する層を含めば、1つまたは3つ以上の層から構成された中間層もよい。
上記第2実施形態では、中間層として、1つの層から構成された中間層300Aを例示したが、これに限定されず、中間層は、第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、上記第2の領域条件を満たす領域が存在する層を含めば、2つ以上の層から構成された中間層もよい。
上記実施形態では、同一材料に対して焼成条件等を変えることにより気孔率が互いに異なる第1の中間層310および第2の中間層320が形成された中間層300を例示したが、中間層は、これに限定されず、互いに気孔率が異なる2つの部材を共焼することにより、第1の中間層および第2の中間層が形成された中間層でもよい。
第2の中間層320の縦方向における厚さは、0.1μm未満でもよいし、0.9μmより大きくてもよい。第1の中間層310(中間層300A)の気孔率は、10%未満でもよいし、25%より大きくてよい。また、第1の中間層310(中間層300A)の第1の方向における厚さは、1μm未満でもよいし、15μmより厚くてもよい。
上記各実施形態では、第1の中間層310(中間層300A)の第1の方向に平行である1つの断面に、上記第1の領域条件(第2の領域条件)を満たす領域が存在する例を説明したが、これに限定されず、第1の中間層310(中間層300A)の第1の方向に平行である複数の断面に上記第1の領域条件(第2の領域条件)を満たす領域が存在してもよい。例えば、第1の中間層310(中間層300A)を、第1の方向に直交する方向において等間隔に配列された複数の断面のうち、少なくとも30%以上、40%以上、50%以上、あるいは、60%以上の数の断面に上記第1の領域条件(第2の領域条件)を満たす領域が存在してもよい。なお、1つの断面において、第1の領域条件および第2の領域条件の両方を満たす領域が存在してもよい。
上記実施形態1における縦長気孔割合は、100%未満であり、80%以下でもよいし、70%以下でもよいし、60%以下でもよい。縦長気孔割合が80%以下であれば、縦長気孔割合が80%を超える場合に比べて、空気極114と第1の中間層310との境界付近にクラックが発生することを抑制し、また、上記拡散元素が空気極114から電解質層112側に拡散することを、より効果的に抑制することができる。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。
なお、本明細書において、直交・垂直とは、互いのなす角が89度以上、91度以下であることを意味する。また、平行とは、互いのなす角が−1度以上、1度以下であることを意味する。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100の配列方向における熱交換部103の位置はあくまで一例であり、熱交換部103の位置は任意の位置に変更可能である。ただし、熱交換部103の位置は、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102の内、より高温になる発電単位102に隣接する位置であることが、燃料電池スタック100の配列方向における熱分布の緩和のために好ましい。例えば、燃料電池スタック100の配列方向中央付近の発電単位102がより高温になりやすい場合には、上記実施形態のように、燃料電池スタック100の配列方向中央付近に熱交換部103を設けることが好ましい。また、燃料電池スタック100が2つ以上の熱交換部103を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、熱交換部103が酸化剤ガスOGの温度を上昇させるように構成されているが、熱交換部103が、酸化剤ガスOGに代えて燃料ガスFGの温度を上昇させるように構成されてもよいし、酸化剤ガスOGと共に燃料ガスFGの温度を上昇させるように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、ボルト22の両側にナット24が嵌められているとしているが、ボルト22が頭部を有し、ナット24はボルト22の頭部の反対側にのみ嵌められているとしてもよい。また、上記実施形態では、締結部材としてボルト22が用いられているが、ボルト22以外の他の締結部材により燃料電池スタック100が締結されるとしてもよい。
また、上記実施形態では、エンドプレート104,106が出力端子として機能するとしているが、エンドプレート104,106の代わりに、エンドプレート104,106のそれぞれと接続された別部材(例えば、エンドプレート104,106のそれぞれと発電単位102との間に配置された導電板)が出力端子として機能するとしてもよい。
また、上記実施形態では、各ボルト22の軸部の外周面と各ボルト孔108の内周面との間の空間を各マニホールドとして利用しているが、これに代えて、各ボルト22の軸部に軸方向の孔を形成し、その孔を各マニホールドとして利用してもよい。また、各マニホールドを、各ボルト22が挿入されるボルト孔108と別に設けてもよい。
また、上記実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合には、1つのインターコネクタ150が隣接する2つの発電単位102に共有されるとしているが、このような場合でも、2つの発電単位102がそれぞれのインターコネクタ150を備えてもよい。また、上記実施形態では、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ150や、最も下に位置する発電単位102の下側のインターコネクタ150は省略されているが、これらのインターコネクタ150を省略せずに設けてもよい。
また、上記実施形態において、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態において、都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスFGを得るとしているが、LPガスや灯油、メタノール、ガソリン等の他の原料から燃料ガスFGを得るとしてもよいし、燃料ガスFGとして純水素を利用してもよい。
また、上記実施形態において、電解質層112と空気極114との間に、例えばセリアを含む反応防止層を設け、電解質層112内のジルコニウム等と空気極114内のストロンチウム等とが反応することによる電解質層112と空気極114との間の電気抵抗の増大を抑制するとしてもよい。なお、本明細書において、Aを挟んでBとCとが互いに対向するとは、AとBまたはCとが隣接することを必要とせず、AとBまたはCとの間に他の構成要素が介在する形態を含む。例えば、電解質層112と空気極114との間に反応防止層が設けられた構成であっても、空気極114と燃料極116とは電解質層112を挟んで互いに対向すると言える。
上記実施形態では、燃料電池スタック100に本発明を適用した例を説明したが、これに限らず、発電単位102単体や、単セル110単体に本発明を適用することにより、中間層内の気孔に起因して燃料電池の発電効率が低下することを抑制することができる。
22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 45:粉末 100,100C:燃料電池スタック 102,102C:発電単位 103:熱交換部 104,106:エンドプレート 108:ボルト孔 110,110C:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通孔 143:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 163:酸化剤ガス供給マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 182:孔 184:連通孔 186:連通孔 188:熱交換流路 300,300A:中間層 310:第1の中間層 320:第2の中間層 810:インターコネクタ 820:燃料ガス流路 830:電極支持体 840:燃料極 850:固体電解質層 860:空気極 870:集電部 900:中間層 B1:境界 B2:境界 B3:境界 E1,E2:領域 EC:領域 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス M1:分析画像 MC:分析画像 OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス P:気孔 R:イオン導電経路

Claims (10)

  1. 固体酸化物を含む電解質層と、
    前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、
    前記電解質層と前記空気極との間に配置され、SDCまたはGDCを含む中間層と、を備える燃料電池単セルにおいて、
    前記中間層の内、前記空気極と前記燃料極とが対向する第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、以下の領域条件を満たす領域が存在することを特徴とする、燃料電池単セル。
    前記領域条件:前記領域に存在する複数の気孔の数に対する第1の気孔条件を満たす気孔の数の割合が63.6%以上であること。
    前記第1の気孔条件:前記第1の方向の寸法/前記第1の方向に直交する第2の方向の寸法>1
  2. 請求項1に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記領域に存在する複数の気孔の数に対する第1の気孔条件を満たす気孔の数の割合は、80%以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  3. 固体酸化物を含む電解質層と、
    前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、
    前記電解質層と前記空気極との間に配置され、SDCまたはGDCを含む中間層と、を備える燃料電池単セルにおいて、
    前記中間層の内、前記空気極と前記燃料極とが対向する第1の方向に平行である少なくとも1つの断面に、以下の第2の気孔条件を満たす気孔が存在することを特徴とする、燃料電池単セル。
    前記第2の気孔条件:前記第1の方向の気孔の寸法/前記第1の方向に直交する第2の方向の気孔の寸法>2
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記中間層の気孔率は、10%以上、25%以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記中間層の前記第1の方向における厚さは、1μm以上、15μm以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記中間層は、第1の中間層と、前記第1の中間層と前記電解質層との間に配置され、前記第1の中間層よりも緻密である第2の中間層とを含むことを特徴とする、燃料電池単セル。
  7. 請求項6に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記第2の中間層の前記第1の方向における厚さは、0.1μm以上、0.9μm以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  8. 請求項6または請求項7に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記第1の中間層の気孔率は、10%以上、25%以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  9. 請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の燃料電池単セルにおいて、
    前記第1の中間層の前記第1の方向における厚さは、1μm以上、15μm以下であることを特徴とする、燃料電池単セル。
  10. 複数の燃料電池単セルを備える燃料電池スタックにおいて、
    前記複数の燃料電池単セルの少なくとも1つは、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の燃料電池単セルであることを特徴とする、燃料電池スタック。
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