JP2012028160A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の性能低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】燃料電池100は、電解質膜11の両側に電極20が配置された膜電極接合体10と、膜電極接合体10を狭持するセパレータ30とを備える。電極20は、電解質膜11と接するように配置された触媒層21と、触媒層21の上に配置されたガス拡散層23と、触媒層21とガス拡散層23とを接着する接着層25が設けられている。接着層25は、電極20の積層方向に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触していない部位と重なる領域内にのみ形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池100は、電解質膜11の両側に電極20が配置された膜電極接合体10と、膜電極接合体10を狭持するセパレータ30とを備える。電極20は、電解質膜11と接するように配置された触媒層21と、触媒層21の上に配置されたガス拡散層23と、触媒層21とガス拡散層23とを接着する接着層25が設けられている。接着層25は、電極20の積層方向に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触していない部位と重なる領域内にのみ形成されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質膜の両側に電極が配置された膜電極接合体を備えている。膜電極接合体の電極としては、電解質膜の外表面に配置された触媒層の上にガス拡散層が積層された積層構造を有するものがある(下記特許文献1等)。ここで、一般に、膜電極接合体は、燃料電池に組み付けられたときに、その電極面において、反応ガスのためのガス流路として機能するセパレータなどの部材によって狭持される。しかし、その狭持力が不足する場合には、電極を構成する触媒層とガス拡散層との間の密着性が低下し、両者が乖離してしまう場合があった。触媒層とガス拡散層とが乖離すると、触媒層とガス拡散層との間の電気的抵抗が増大し、さらに、その乖離によって生じた空間への水分の滞留により、反応ガスの供給が阻害されてしまう可能性があった。
また、燃料電池では、電解質膜が温度変化や含有する水分量の変化に応じて膨潤と収縮とを繰り返すことが知られている。しかし、前記した膜電極接合体に対する狭持力が不足する場合には、電解質膜が膨潤と収縮とを繰り返すうちに、電解質膜にしわが生じてしまう場合があった。電解質膜にしわが生じると、電解質膜の膜破れや、電極と電解質膜との乖離などの不具合が生じる可能性が高くなり、燃料電池の性能低下の原因となっていた。これまで、こうした問題に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、燃料電池の性能低下を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、電解質膜の両側に電極層が配置された膜電極接合体と、前記膜電極接合体を狭持するガス流路部材と、を備え、前記電極層は、前記電解質膜と接するように配置された触媒層と、前記触媒層の上に配置されたガス拡散層と、を有し、前記電極層の少なくとも一方には、前記触媒層と前記ガス拡散層とを接着する接着部材が配置されており、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触している部位と重なる領域より、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が多い、燃料電池。
この燃料電池によれば、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触せず、電極に対する圧力が不足する部位におけるガス拡散層と触媒層との乖離を、接着部材によって抑制することができる。また、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触していない部位に対応する領域の接着部材の量を多くすることにより、当該領域における電極層の厚みが増し、当該領域において電極層から電解質膜に付与される圧力を増加させることができる。従って、電極層による電解質膜の狭持力が領域ごとに不均一となることを抑制でき、電解質膜におけるしわの発生を抑制できる。
燃料電池であって、電解質膜の両側に電極層が配置された膜電極接合体と、前記膜電極接合体を狭持するガス流路部材と、を備え、前記電極層は、前記電解質膜と接するように配置された触媒層と、前記触媒層の上に配置されたガス拡散層と、を有し、前記電極層の少なくとも一方には、前記触媒層と前記ガス拡散層とを接着する接着部材が配置されており、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触している部位と重なる領域より、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が多い、燃料電池。
この燃料電池によれば、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触せず、電極に対する圧力が不足する部位におけるガス拡散層と触媒層との乖離を、接着部材によって抑制することができる。また、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触していない部位に対応する領域の接着部材の量を多くすることにより、当該領域における電極層の厚みが増し、当該領域において電極層から電解質膜に付与される圧力を増加させることができる。従って、電極層による電解質膜の狭持力が領域ごとに不均一となることを抑制でき、電解質膜におけるしわの発生を抑制できる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位とほぼ重なる領域内にのみ配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触せず、電極に対する圧力が不足する部位におけるガス拡散層と触媒層との乖離を、接着部材によって抑制することができる。また、ガス拡散層と触媒層との間に余分な接着部材が配置されない分だけ、膜電極接合体が軽量化されるとともに、ガス拡散層と触媒層との間の電気的抵抗が低減される。
適用例1記載の燃料電池であって、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位とほぼ重なる領域内にのみ配置されている、燃料電池。
この燃料電池によれば、ガス流路部材と電極層とが直接的に接触せず、電極に対する圧力が不足する部位におけるガス拡散層と触媒層との乖離を、接着部材によって抑制することができる。また、ガス拡散層と触媒層との間に余分な接着部材が配置されない分だけ、膜電極接合体が軽量化されるとともに、ガス拡散層と触媒層との間の電気的抵抗が低減される。
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池であって、前記ガス流路部材は、前記膜電極接合体側の面に、反応ガスのための流路溝が設けられたセパレータを含み、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記流路溝とほぼ重なる領域内に設けられている、燃料電池。
この燃料電池によれば、セパレータによる膜電極接合体の狭持力が不足する領域における触媒層とガス拡散層との間の密着性を接着部材によって補償することができる。また、セパレータと電極層とが直接的に接触していない領域において、接着層によって電極層の厚みが増加する分だけ、当該領域において電極層から電解質膜に付与される圧力を増加させることができ、電解質膜に対する狭持力を増大させることができる。従って、電解質膜においてしわが発生することを抑制できる。
適用例2記載の燃料電池であって、前記ガス流路部材は、前記膜電極接合体側の面に、反応ガスのための流路溝が設けられたセパレータを含み、前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記流路溝とほぼ重なる領域内に設けられている、燃料電池。
この燃料電池によれば、セパレータによる膜電極接合体の狭持力が不足する領域における触媒層とガス拡散層との間の密着性を接着部材によって補償することができる。また、セパレータと電極層とが直接的に接触していない領域において、接着層によって電極層の厚みが増加する分だけ、当該領域において電極層から電解質膜に付与される圧力を増加させることができ、電解質膜に対する狭持力を増大させることができる。従って、電解質膜においてしわが発生することを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして酸素と水素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池100は、複数の発電体である単セル110が積層されたスタック構造を有している。単セル110は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10を狭持する2枚のセパレータ30とを備える。なお、膜電極接合体10の外周端部には、反応ガスの漏洩を抑制するためのシール部が形成されているが、その図示および説明は省略する。
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして酸素と水素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池100は、複数の発電体である単セル110が積層されたスタック構造を有している。単セル110は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10を狭持する2枚のセパレータ30とを備える。なお、膜電極接合体10の外周端部には、反応ガスの漏洩を抑制するためのシール部が形成されているが、その図示および説明は省略する。
膜電極接合体10は、電解質膜11と、電解質膜11の両側に配置された電極20とを備える。電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す高分子固体電解質の薄膜である。電解質膜11としては、例えば、フッ素系のイオン交換膜を用いることができる。電極20は、電解質膜11に接するように配置された触媒層21と、触媒層21の上に重ねて配置されたガス拡散層23とを有する。また、電極20には、触媒層21とガス拡散層23との間の一部の領域に、触媒層21とガス拡散層23とを接着するための接着層25が設けられている。
触媒層21は、燃料電池反応を促進するための触媒が配置された導電性とガス拡散性とを有する多孔質層である。触媒層21は、例えば、触媒としての白金(Pt)を担持した白金担持カーボンと、高分子電解質とを用いて構成することができる。ガス拡散層23は、導電性とガス拡散性とを有する基材によって構成され、反応ガスを触媒層21の全体に行き渡らせる。ガス拡散層23は、例えば、炭素繊維や黒鉛繊維などの繊維基材によって構成することができる。接着層25は、導電性カーボンと、プロトン伝導性を有する高分子電解質とを主材料として構成することができる。接着層25の形成領域については、後述する。
セパレータ30は、ガス不透過の導電性を有する板状部材であり、膜電極接合体10を両側から狭持する。セパレータ30の膜電極接合体10側の面には、反応ガスのためのガス流路溝31が形成されている。本実施例の燃料電池100では、ガス流路溝31は、反応ガスの供給側のマニホールド(図示せず)から排出側のマニホールド(図示せず)に向かって延びる直線状の溝として構成され、複数本が、ほぼ等間隔で並列に発電領域全体に渡って均一に配列されている。なお、2枚のセパレータ30の各ガス流路溝31は、膜電極接合体10を挟んで鏡面対称に形成されている。
ここで、燃料電池100を構成したときに、膜電極接合体10には、ガス流路溝31の間の流路壁33に狭持される部位(セパレータ30と直接的に接触する部位)と、ガス流路溝31に挟まれる部位(セパレータ30とは直接的に接触しない部位)とが生じる。即ち、膜電極接合体10がセパレータ30に狭持されたときに、膜電極接合体10がセパレータ30から受ける圧力(狭持力)は、電極面の領域ごとに不均一となっている。
膜電極接合体10を狭持する狭持力が不均一になっていると、その狭持力が低い領域ほど、触媒層21とガス拡散層23とが乖離する可能性が高くなる。触媒層21とガス拡散層23とが乖離すると、電気伝導性が低下するばかりでなく、その乖離により生じた空間に水分が滞留することによって、反応ガスの供給不良が発生する可能性がある。
また、燃料電池100では、電解質膜11が温度変化や水分含有量の変化に応じて膨潤と収縮とを繰り返す。しかし、前記のように、膜電極接合体10に対する狭持力が不均一になっていると、その膨潤と収縮の繰り返しにより、電解質膜11にしわが生じてしまう可能性が高くなる。電解質膜11にしわが生じると、電解質膜11の膜破れや、電極20の変形による劣化が生じる可能性がある。そこで、本実施例の燃料電池100では、触媒層21とガス拡散層23の間の一部の領域に接着層25を設けることにより、そうした不具合の発生を抑制する。
図2は、発電領域における接着層25の形成領域を説明するための模式図である。図2には、燃料電池100を積層方向に沿って見たときの膜電極接合体10のカソード側の電極面の投影領域である発電領域EAと、発電領域EAに接続された酸素のためのマニホールドM1,M2とが模式的に図示されている。図2には、セパレータ30の流路壁33が配置される領域を一点鎖線で図示するとともに、接着層25の形成領域にハッチングを付して示してある。なお、アノード側の発電領域における接着層25の形成領域についてもカソード側と同様であるため、その図示および説明は省略する。
酸素の供給用のマニホールドM1と、酸素の排出用のマニホールドM2とは、発電領域EAを挟んで、互いに対角する位置に形成されている。前記したとおり、セパレータ30のガス流路溝31は、酸素の供給用マニホールドM1の側(上流側)から排出用マニホールドM2の側(下流側)へと延びる直線流路溝として形成されており、発電領域EA内には、複数の流路壁33が互いに平行に配列されている。
ここで、セパレータ30には、発電領域EAの上流側端部および下流側端部には、各ガス流路溝31の端部を連結する流路溝が形成されている。接着層25は、各ガス流路溝31と、それらの上流端および下流端に形成されている流路溝が形成されている領域とほぼ重なる領域内に設けられている。即ち、燃料電池100では、接着層25は、燃料電池100をその積層方向に沿って見たときに、電極20とセパレータ30とが直接的に接触しない部位とほぼ重なる領域に設けられている。
このように、発電領域EAにおける流路溝の配置領域に対応させて接着層25を設けることによって、セパレータ30からの狭持力が低くなる部位における触媒層21とガス拡散層23との間の乖離が抑制される。また、接着層25が設けられた部位では、電極20の厚みが増加する(図1では電極20の厚みの変化の図示は省略されている)。そのため、その領域において、電解質膜11が電極20から受ける圧力が増大し、膜電極接合体10がセパレータ30に狭持されたときに、電解質膜11が受ける狭持力の不均一性が低減され、電解質膜11のしわの発生が抑制される。
図3(A)〜(E)は、単セル110の製造工程を工程順に示す模式図である。第1工程では、電解質膜11を準備する(図3(A))。第2工程では、電解質膜11の両側に、触媒層21を形成する(図3(B))。具体的には、触媒層21は、水溶性溶媒または有機溶媒に白金担持カーボンと電解質膜と同種の化合物である高分子電解質を分散させた混合溶液である触媒インクを塗布し、乾燥させることによって形成することができる。なお、触媒層21は、フィルム状基材に予め形成された触媒層を電解質膜11の外表面に転写することにより形成されるものとしても良い。第3工程では、まず、ガス拡散層23の基材である繊維基材を準備し、その外表面に接着層25を形成するための接着材料を配置する(図3(C))。なお、接着層25を形成するための接着材料は、図2で説明した領域内に配置される。
第4工程では、接着層25が触媒層21とガス拡散層23とに狭持されるように、触媒層21とガス拡散層23の基材とを重ねて、ホットプレスにより接合する(図3(D))。これによって、膜電極接合体10が形成される。なお、触媒層21とガス拡散層23とは、接着層25の形成されている領域と形成されていない領域を含めて、全体として0.03N/cm(90度剥離強度試験による測定値)以上の強度で互いに接合されていることが好ましい。第5工程では、膜電極接合体10を2枚のセパレータ30によって狭持し、単セル110を構成する(図3(E))。
図4(A)は、本発明の比較例としての燃料電池100aの構成を示す概略図である。図4(A)は、電極20aの構成が異なる点以外は、図1とほぼ同じである。この燃料電池100aの電極20aでは、接着層25aが触媒層21とガス拡散層23との間の領域全体にほぼ均一に形成されている。燃料電池100aでは、接着層25aによって、触媒層21とガス拡散層23との乖離が抑制されている。
図4(B)は、本実施例の燃料電池100と比較例の燃料電池100aとの接着層25を形成するための接着材料の使用量の差を示す棒グラフである。本実施例の燃料電池100では、電極20の一部の領域にのみ接着層25が形成されている。そのため、接着層25を形成するために使用される材料の量は、比較例の燃料電池100aにおいて接着層25aを形成するために使用される材料の量より少なくすることができる。従って、本実施例の燃料電池100は、比較例の燃料電池100aより軽量化することができるとともに、その製造コストを低減することができる。
図4(C)は、本実施例の燃料電池100と比較例の燃料電池100aとの間における、触媒層21とガス拡散層23との間の電気的抵抗の差を示す棒グラフである。本実施例の燃料電池100では、触媒層21とガス拡散層23とが直接的に接している領域が存在する分だけ、比較例の燃料電池100aよりも、触媒層21とガス拡散層23との間の電気的抵抗が低減されている。従って、本実施例の燃料電池100の方が、比較例の燃料電池100より発電効率が向上する。
このように、本実施例の燃料電池100によれば、接着層25を適切な領域に設けることによって、触媒層21とガス拡散層23との間の接着性が効果的に向上されている。また、燃料電池100が構成されたときの電解質膜11に対する狭持力の不均一性が低減され、電解質膜11のしわの発生が抑制されている。即ち、触媒層21とガス拡散層23との乖離や、電解質膜11のしわの発生などによる燃料電池100の性能低下や、燃料電池100の劣化が抑制されている。
B.第2実施例:
図5は、本発明の第2実施例としての燃料電池100Aの構成を示す概略図である。図5は、電極20Aの構成が異なる点以外は、図1とほぼ同じである。燃料電池100Aの電極20Aでは、触媒層21とガス拡散層23との間の領域全体に接着層25Aが形成されている。接着層25Aは、電極20の積層方向に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触している部位と重なる領域より、セパレータ30と電極20とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が厚みが大きくなるように形成されている。
図5は、本発明の第2実施例としての燃料電池100Aの構成を示す概略図である。図5は、電極20Aの構成が異なる点以外は、図1とほぼ同じである。燃料電池100Aの電極20Aでは、触媒層21とガス拡散層23との間の領域全体に接着層25Aが形成されている。接着層25Aは、電極20の積層方向に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触している部位と重なる領域より、セパレータ30と電極20とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が厚みが大きくなるように形成されている。
このような構成であっても、接着層25によって触媒層21とガス拡散層23との間の剥離を抑制することができる。また、接着層25の厚みの不均一性によって、燃料電池100Aが構成されたときに電解質膜11が受ける圧力の不均一性が低減されるため、電解質膜11におけるしわの発生が抑制される。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、電極20,20Aの外側に配置されるガス流路部材として、ガス流路溝31が形成されたセパレータ30が配置されていた。しかし、電極20,20Aの外側には、ガス流路部材として、他の部材が配置され、その部材の外側に、さらにセパレータが配置されるものとしても良い。なお、電極20,20Aの外側に配置されるガス流路部材としては、例えば、いわゆるパンチングメタルやエキスパンドメタルなど、電極20,20Aとの接触面側に凹凸を有するように金属板を加工した部材などを用いることが可能である。
上記実施例では、電極20,20Aの外側に配置されるガス流路部材として、ガス流路溝31が形成されたセパレータ30が配置されていた。しかし、電極20,20Aの外側には、ガス流路部材として、他の部材が配置され、その部材の外側に、さらにセパレータが配置されるものとしても良い。なお、電極20,20Aの外側に配置されるガス流路部材としては、例えば、いわゆるパンチングメタルやエキスパンドメタルなど、電極20,20Aとの接触面側に凹凸を有するように金属板を加工した部材などを用いることが可能である。
C2.変形例2:
上記実施例では、接着層25は、導電性カーボンとプロトン伝導性を有する高分子電解質とを主材料として構成されていた。しかし、接着層25は他の材料によって構成されるものとしても良い。例えば、接着層25は、導電性を有する熱可塑性樹脂によって構成されるものとしても良い。
上記実施例では、接着層25は、導電性カーボンとプロトン伝導性を有する高分子電解質とを主材料として構成されていた。しかし、接着層25は他の材料によって構成されるものとしても良い。例えば、接着層25は、導電性を有する熱可塑性樹脂によって構成されるものとしても良い。
C3.変形例3:
上記第1実施例では、燃料電池100を積層方向に沿って見たときに、電極20とセパレータ30とが直接的に接触しない部位とほぼ重なる領域内全体に接着層25が設けられていた。しかし、接着層25は、当該領域内において、当該領域より狭い範囲で形成されるものとして良く、当該領域からはみ出して形成されるものとしても良い。接着層25は、燃料電池100の積層方向(電極20の積層方向)に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触している部位と重なる領域より、セパレータ30と電極20とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が、その構成部材の量が多くなるように形成されていれば良い。
上記第1実施例では、燃料電池100を積層方向に沿って見たときに、電極20とセパレータ30とが直接的に接触しない部位とほぼ重なる領域内全体に接着層25が設けられていた。しかし、接着層25は、当該領域内において、当該領域より狭い範囲で形成されるものとして良く、当該領域からはみ出して形成されるものとしても良い。接着層25は、燃料電池100の積層方向(電極20の積層方向)に沿って見たときに、セパレータ30と電極20とが直接的に接触している部位と重なる領域より、セパレータ30と電極20とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が、その構成部材の量が多くなるように形成されていれば良い。
C4.変形例4:
上記実施例では、接着層25,25Aは、アノード側およびカソード側の両方の電極20,20Aに設けられていた。しかし、接着層20,20Aは、2つの電極のうち一方の電極において省略されるものとしても良い。即ち、接着層25,25Aは、2つの電極のうち少なくとも一方に設けられていれば良い。また、上記実施例では、燃料電池100,100Aを構成する全ての単セル110において、接着層25,25Aが設けられていた。しかし、接着層25,25Aは、一部の単セル110にのみ設けられているものとしても良い。
上記実施例では、接着層25,25Aは、アノード側およびカソード側の両方の電極20,20Aに設けられていた。しかし、接着層20,20Aは、2つの電極のうち一方の電極において省略されるものとしても良い。即ち、接着層25,25Aは、2つの電極のうち少なくとも一方に設けられていれば良い。また、上記実施例では、燃料電池100,100Aを構成する全ての単セル110において、接着層25,25Aが設けられていた。しかし、接着層25,25Aは、一部の単セル110にのみ設けられているものとしても良い。
C5.変形例5:
上記実施例では、セパレータ30には複数の並列な直線状のガス流路溝31が形成されていた。しかし、セパレータ30に形成されるガス流路溝31は他の構成であっても良い。例えば、セパレータ30には、反応ガスのための流路溝として、略サーペンタイン状に折れ曲がった流路溝が形成されるものとしても良い。また、セパレータ30としては、複数の板状部材が積層された多層式のセパレータが採用されるものとしても良く、反応ガスの流路以外に、冷媒用の流路が形成されていても良い。
上記実施例では、セパレータ30には複数の並列な直線状のガス流路溝31が形成されていた。しかし、セパレータ30に形成されるガス流路溝31は他の構成であっても良い。例えば、セパレータ30には、反応ガスのための流路溝として、略サーペンタイン状に折れ曲がった流路溝が形成されるものとしても良い。また、セパレータ30としては、複数の板状部材が積層された多層式のセパレータが採用されるものとしても良く、反応ガスの流路以外に、冷媒用の流路が形成されていても良い。
10…膜電極接合体
11…電解質膜
20,20A,20a…電極
21…触媒層
23…ガス拡散層
25,25A,25a…接着層
30…セパレータ
31…ガス流路溝
33…流路壁
100,100A,100a…燃料電池
110…単セル
EA…発電領域
M1…供給用マニホールド
M2…排出用マニホールド
11…電解質膜
20,20A,20a…電極
21…触媒層
23…ガス拡散層
25,25A,25a…接着層
30…セパレータ
31…ガス流路溝
33…流路壁
100,100A,100a…燃料電池
110…単セル
EA…発電領域
M1…供給用マニホールド
M2…排出用マニホールド
Claims (3)
- 燃料電池であって、
電解質膜の両側に電極層が配置された膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を狭持するガス流路部材と、
を備え、
前記電極層は、前記電解質膜と接するように配置された触媒層と、前記触媒層の上に配置されたガス拡散層と、を有し、
前記電極層の少なくとも一方には、前記触媒層と前記ガス拡散層とを接着する接着部材が配置されており、
前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触している部位と重なる領域より、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位と重なる領域の方が多い、燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池であって、
前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記ガス流路部材と前記電極層とが直接的に接触してない部位とほぼ重なる領域内にのみ配置されている、燃料電池。 - 請求項2記載の燃料電池であって、
前記ガス流路部材は、前記膜電極接合体側の面に、反応ガスのための流路溝が設けられたセパレータを含み、
前記接着部材は、前記電極層の積層方向に沿って見たときに、前記流路溝とほぼ重なる領域内に設けられている、燃料電池。
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-
2010
- 2010-07-23 JP JP2010165472A patent/JP2012028160A/ja active Pending
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