JP2011146345A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池におけるシール性の低下や反応ガスの配流性の低下を抑制できるセパレータを提供する。
【解決手段】セパレータ20は、アノードプレート20Anと、カソードプレート20Caと、中間樹脂層20Inとを有する。中間樹脂層20Inには、反応ガスのための複数の流路が並列に配列された並列流路が設けられている。中間樹脂層20Inは、並列流路の外側の周縁樹脂部27を構成する融点の低い第1の樹脂部材と、並列流路壁部材25を構成する融点の高い第2の樹脂部材とを有している。
【選択図】図7

Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池スタックでは、複数の膜電極接合体のそれぞれの間にセパレータと呼ばれる板状部材が介装される。セパレータとしては、その内部に反応ガスのためのガス流路や、冷媒のための冷媒流路が設けられた多層構造を有するものが提案されている(下記特許文献1等)。ここで、一般に、燃料電池スタックでは、各膜電極接合体の外周縁にシール部材を設け、当該シール部材と各セパレータの板面との間にシールラインを形成することにより、反応ガスが外部へと漏洩してしまうことを抑制する。そのため、燃料電池スタックにおけるシール性の低下を抑制するためにも、セパレータの内部に設けられるガス流路は、そのガス流路が形成された部位におけるセパレータの板面の変形が抑制されるように形成されることが望ましい。さらに、セパレータ内部のガス流路は、燃料電池スタックに組み付けられたときに、各膜電極接合体への反応ガスの供給量が不均一となること(配流性の低下)を抑制するためにも、精度良く形成されていることが望ましい。
特開2008−293896号公報 特開2008−004494号公報 特開2000−182639号公報
本発明は、燃料電池におけるシール性の低下や反応ガスの配流性の低下を抑制できるセパレータを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池スタックにおいて、複数の膜電極接合体の間に介装される燃料電池用セパレータであって、前記膜電極接合体のアノード側に配置されるアノードプレートと、前記膜電極接合体のカソード側に配置されるカソードプレートと、前記アノードプレートと前記カソードプレートとに狭持される中間樹脂層と、を備え、前記膜電極接合体の外周には、前記アノードプレートと前記カソードプレートとによって狭持されたときにシールラインを形成する外周シール部が設けられており、前記アノードプレートおよび前記カソードプレートにはそれぞれ、前記膜電極接合体のアノード側およびカソード側のそれぞれの発電部に連通する連通孔が設けられ、前記中間樹脂層には、前記アノードプレートまたは前記カソードプレートに設けられた前記連通孔と接続するとともに、前記シールラインを横断する方向に沿って設けられたガス流路として、複数の流路が並列に配列された並列ガス流路が形成されており、前記中間樹脂層は、前記並列ガス流路の外側において、少なくとも前記アノードプレートまたは前記カソードプレートと接触する面に配置され、前記アノードプレートまたは前記カソードプレートと熱圧着された融点が低い第1の樹脂部材と、前記並列ガス流路の櫛歯状の流路壁を構成する融点が高い第2の樹脂部材とを有する、燃料電池用セパレータ。
この燃料電池用セパレータであれば、第1の樹脂部材をアノードプレートまたはカソードプレートとの接着層として機能させることができるため、セパレータ外部への流体の漏洩を抑制すことができる。また、第2の樹脂部材をシールラインからのシール圧を受け止めるための支持部材として機能させることができるため、並列ガス流路が形成された部位におけるセパレータの変形が抑制され、シールラインにおけるシール性の低下が抑制される。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池用セパレータ、そのセパレータを備えた燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
燃料電池スタックの構成を示す概略図。 シール一体型膜電極接合体の構成を示す概略図。 アノードプレートの構成を示す概略図。 カソードプレートの構成を示す概略図。 中間樹脂層の構成を示す概略図。 第1実施例における中間樹脂層の製造工程を示す模式図。 第1実施例における加熱プレス工程を説明するための模式図。 比較例としてのセパレータの構成を示す概略図。 第2実施例における中間樹脂層の製造工程を示す模式図。 第2実施例における加熱プレス工程を示す模式図。 第3実施例におけるセパレータの製造工程を示す模式図。 第3実施例におけるセパレータの製造工程を示す模式図。 第3実施例におけるセパレータの製造工程を示す模式図。
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例として燃料電池スタックの構成を示す概略図である。この燃料電池スタック100は、反応ガスの供給を受けて、その電気化学反応(燃料電池反応)によって発電する固体高分子型燃料電池である。具体的には、燃料ガスとして水素が供給され、酸化ガスとして酸素を含有する高圧空気が供給される。なお、燃料電池スタック100としては、固体高分子型燃料電池でなくとも良く、任意の種々のタイプの燃料電池であるものとしても良い。燃料電池スタック100は、複数のシール一体型膜電極接合体10(後述)が、セパレータ20によって狭持された積層構造を有している。
図2(A),(B)はシール一体型膜電極接合体10の構成を示す概略図である。図2(A)は、シール一体型膜電極接合体10のアノード側の面を示す概略図である。図2(B)は、図2(A)に示すB−B切断における切断面を示す概略断面図である。このシール一体型膜電極接合体10は、燃料電池反応が行われる発電部11と、その外周縁に設けられたシールガスケット12とを有する。
発電部11には、膜電極接合体15が含まれる(図2(B))。膜電極接合体15は、電解質膜13の両面にそれぞれアノード電極14aとカソード電極14cとが配置された発電体である。電解質膜13は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜によって構成される。アノード電極14a及びカソード電極14cはそれぞれ、ガス拡散性を有する多孔質な電極であり、例えば、カーボンペーパーによって構成することができる。アノード電極14a及びカソード電極14cにはそれぞれ、燃料電池反応を促進させるための触媒(例えば白金(Pt))が担持されている。
なお、本明細書では、各電極14a、14cの電解質膜13と接しない側の外表面を「電極面」と呼ぶ。シール一体型膜電極接合体10の2つの電極面にはそれぞれ、反応ガスが拡散するための流路となるガス拡散部材60が配置される。ガス拡散部材60は、カーボンや、焼結金属などの導電性を有する多孔体や、いわゆるエキスパンドメタルなどの金属板を加工した部材によって構成することができる。
シールガスケット12は、膜電極接合体15の外周端を被覆するように射出成形によって形成された樹脂部材である。シールガスケット12には、水素、空気、冷媒などの流体のためのマニホールドM1〜M6が貫通孔として設けられている(図2(A))。具体的には、水素供給用マニホールドM1および冷媒供給用マニホールドM5と、水素排出用マニホールドM2および冷媒排出用マニホールドM6とがそれぞれ、発電部11の互いに対向し合う2辺に沿って形成されている。なお、水素のためのマニホールドM1,M2はそれぞれ、発電部11を挟んで互いに対角する位置に形成されている。また、発電部11の残りの2辺のそれぞれに沿って、酸素供給用マニホールドM3と、酸素排出用マニホールドM4とが、互いに対向し合うように形成されている。なお、マニホールドM1〜M6は、他の構成・配置であっても良い。
ここで、シールガスケット12の外表面には、突起部16が設けられている(図2(B))。突起部16は、各マニホールドM1〜M6の外周と発電部11の外周とをそれぞれ囲むシールラインSL(図2(A)において一点鎖線で図示)を形成するように設けられている。即ち、燃料電池スタック100では、この突起部16が、セパレータ20の板面に一様に押圧されることによって、各マニホールドM1〜M6および発電部11からの流体の漏洩を防止する。なお、発電部11の外周を囲むシールラインSLによって形成されるシール領域を、本明細書では、「反応ガス供給領域GA」と呼ぶ。
セパレータ20(図1)は、アノードプレート20Anとカソードプレート20Caとそれらに挟持される中間樹脂層20Inとを備える3層式セパレータである。アノードプレート20Anおよびカソードプレート20Caは、導電性を有する板状部材によって構成される。中間樹脂層20Inは、流体のための流路を形成するためにアノードプレート20Anとカソードプレート20Caとの間に形成される樹脂部材を有する中間層である。これらの2枚のプレート20An,20Caと、中間樹脂層20Inの具体的な構成を以下に説明する。
図3は、アノードプレート20Anの構成を示す概略図である。図3には、アノードプレート20Anのシール一体型膜電極接合体10のアノード電極14aと接触する面とは反対側の面を示してある。また、図3には、シール一体型膜電極接合体10の反応ガス供給領域GAと重なる領域を一点鎖線で図示してある。アノードプレート20Anには、シール一体型膜電極接合体10と同様に、各マニホールドM1〜M6が貫通孔として設けられている。また、反応ガス供給領域GA内には、酸素用のマニホールドM3,M4に並行に伸びる長辺形の貫通孔である水素流入孔P1及び水素流出孔P2が設けられている。水素流入孔P1は、発電部11への水素の供給孔として機能し、水素流出孔P2は、発電部11からの排ガスの排出孔として機能する。
図4は、カソードプレート20Caの構成を示す概略図である。図4には、カソードプレート20Caのシール一体型膜電極接合体10のカソード電極14cと接触する側の面を図示してある。図4は、水素流入孔P1及び水素流出孔P2に換えて、酸素流入孔P3及び酸素流出孔P4が設けられている点以外は、図3とほぼ同じである。酸素流入孔P3及び酸素流出孔P4はそれぞれ、反応ガス供給領域GA内に酸素供給用マニホールドM3及び酸素排出用マニホールドM4と並列に設けられた貫通孔である。なお、酸素流入孔P3及び酸素流出孔P4はそれぞれ、セパレータ20を積層方向に沿って見たときに、アノードプレート20Anの水素流入孔P1及び水素流出孔P2より外側に位置するように設けられている。酸素流入孔P3は、発電部11への空気の供給孔として機能し、酸素流出孔P4は、発電部11からのカソード排ガスの排出孔として機能する。
図5は、中間樹脂層20Inの構成を示す概略図である。図5には、中間樹脂層20Inのカソードプレート20Caと接触する側の面が図示してある。なお、図5には、図4と同様に、反応ガス供給領域GAと重なる領域が一点鎖線によって図示されている。また、図5には、アノードプレート20Anの水素流入孔P1及び水素流出孔P2と重なる領域と、カソードプレート20Caの酸素流入孔P3及び酸素流出孔P4と重なる領域とを破線で示してある。さらに、図5には、2つのプレート20An、20Caに設けられている冷媒用マニホールドM5、M6と重なる領域を破線で示してある。
中間樹脂層20Inには、他のプレート20An、20Caと同様に水素用のマニホールドM1,M2と、酸素用のマニホールドM3,M4とが貫通孔として設けられている。また、中間樹脂層20Inには、2つのアノード流路AP1、AP2が貫通して設けられている。第1のアノード流路AP1は、水素供給用マニホールドM1と連通しており、水素流入孔P1とほぼ重なるように設けられている。第2のアノード流路AP2は、水素排出用マニホールドM2と連通しており、水素流出孔P2とほぼ重なるように設けられている。
即ち、燃料電池スタック100では、水素供給用マニホールドM1から供給された水素は、第1のアノード流路AP1およびアノードプレート20Anの水素流入孔P1を介してシール一体型膜電極接合体10のアノード側の発電部11に供給される。また、発電部11において、反応に供されることのなかった水素を含むアノード排ガスは、アノードプレート20Anの水素流出孔P2および中間樹脂層20Inの第2のアノード流路AP2を介して水素排出用マニホールドM2へと排出される。
中間樹脂層20Inには、酸素用のマニホールドM3,M4のそれぞれに接続する複数の並列な櫛歯状流路を構成する2組のカソード流路列CP1,CP2が設けられている。第1と第2のカソード流路列CP1,CP2はそれぞれ、流路壁を構成する複数の流路壁部材25を有している。各流路壁部材25は、略等間隔で並列に配置されており、それらの一端は酸素供給用マニホールドM3または酸素排出用マニホールドM4まで伸びており、他端が酸素流入孔P3または酸素流出孔P4まで伸びている。
ここで、図5では、これらの流路壁部材25(以後、「並列流路壁部材25」とも呼ぶ)に、その周縁の樹脂で形成された部位と異なるハッチングが付してある。これは、並列流路壁部材25と、それ以外の樹脂で形成された部位とが、融点の異なる樹脂部材によって構成されているためである。これらの中間樹脂層20Inを構成する樹脂部材およびその融点については後述する。
このように、セパレータ20の中間樹脂層20Inに、第1と第2のカソード流路列CP1,CP2が設けられることにより、燃料電池スタック100では、以下のように酸素が流れる。即ち、酸素供給用マニホールドM3から供給された酸素は、第1のカソード流路列CP1およびカソードプレート20Caの酸素流入孔P3を介してシール一体型膜電極接合体10のカソード側の発電部11に供給される。また、発電部11において、反応に供されることのなかった酸素を含むカソード排ガスは、カソードプレート20Caの酸素流出孔P4および中間樹脂層20Inの第2のカソード流路列CP2を介して酸素排出用マニホールドM4へと排出される。
ここで、第1と第2のカソード流路列CP1,CP2は、発電部11の全幅に渡って形成されている。そのため、これら第1と第2のカソード流路列CP1,CP2によって発電部11の全体に酸素が供給されるため、燃料電池スタック100における酸素の配流性が向上する。また、燃料電池スタック100を組み付けたときに、燃料電池スタック100は、その積層方向に締結力が付与され、セパレータ20は、隣接するシール一体型膜電極接合体10の突起部16(図2(B))から押圧力を受けることとなる。このとき、第1と第2のカソード流路列CP1,CP2の各並列流路壁部材25は、その押圧力(シール圧)を受け止め、セパレータ20の変形を抑制するための支持部材として機能する。即ち、各並列流路壁部材25によって、セパレータ20の変形が抑制され、第1と第2のカソード流路列CP1,CP2が設けられた部位におけるシール性の低下が抑制される。
中間樹脂層20Inには、2つのプレート20An,20Caの冷媒用のマニホールドM5,M6同士が連結されるように形成された冷媒用貫通領域WAが設けられている。冷媒用貫通領域WAには、導電性部材によって構成された複数の長方形の冷媒流路壁部材26が並列に配置されている。これによって、冷媒用貫通領域WAには、複数の並列な冷媒用の流路が形成される。なお、冷媒流路壁部材26は、セパレータ20を構成したときに、2つのプレート20An、20Caのそれぞれの板面と接触することによって、シール一体型膜電極接合体10において発電された電気の導電パスとして機能する。
図6は、セパレータ20の製造工程のうち、中間樹脂層20Inの形成工程を説明するための概略図である。図6(A)は、第1工程として複数の並列流路壁部材25の形成工程を説明するための概略図である。この工程では、予め準備されたアノードプレート20Anの一方の面に、並列流路壁部材25を射出成形によって形成する。図6(B)は、第2工程として並列流路壁部材25以外の樹脂部位の形成工程を説明するための概略図である。この工程では、並列流路壁部材25が形成されたアノードプレート20Anに対して、さらに、中間樹脂層20Inの他の樹脂部位(以後、「周縁樹脂部27」と呼ぶ)を射出成形によって形成する。なお、周縁樹脂部27は、並列流路壁部材25より厚みを大きく形成されるが、この理由は後述する。
ここで、前記したとおり、並列流路壁部材25と周縁樹脂部27とはそれぞれ、異なる融点を有する樹脂部材によって構成される。具体的には、並列流路壁部材25は、周縁樹脂部27を構成する樹脂部材の融点より高い融点を有する樹脂部材によって構成される。以後、本明細書においては、中間樹脂層20Inを構成する樹脂部材のうち、比較的高い融点を有する樹脂部材を「高融点樹脂部材」と呼び、比較的低い融点を有する樹脂部材を「低融点樹脂部材」と呼ぶ。
なお、高融点樹脂部材は、低融点樹脂部材の融点以下の温度では軟化しにくい樹脂部材であることが好ましい。これによって、周縁樹脂部27の形成工程や、後述する加熱プレス工程において、並列流路壁部材25が軟化して、変形してしまうことが抑制される。また、低融点樹脂部材は、燃料電池スタック100の最大運転温度(例えば100℃)では軟化しない樹脂部材であることが好ましい。これによって、燃料電池スタック100の運転中に中間樹脂層20Inが劣化してしまうことが抑制される。
図6(C)は、第3工程として、冷媒流路壁部材26の配置工程を示す概略図である。この工程では、並列流路壁部材25と周縁樹脂部27とが形成されたアノードプレート20Anの冷媒用貫通領域WA内に、複数の冷媒流路壁部材26が並列に配置されるとともに接合される。この工程の後、中間樹脂層20Inの上にカソードプレート20Caが配置され、加熱プレスにより接合されて、セパレータ20が構成される。
図7(A),(B)は、セパレータ20の製造工程のうちの加熱プレス工程を説明するための模式図である。図7(A),(B)には、図6(C)に示す7−7切断における中間樹脂層20Inが形成されたアノードプレート20Anと、カソードプレート20Caとが図示されている。なお、図7(A)は、加熱プレス前の状態を模式的に示しており、図7(B)は、加熱プレス後の状態を模式的に示している。
ここで、前記したとおり、中間樹脂層20Inの周縁樹脂部27は、並列流路壁部材25より、その厚みが大きく形成されている(図7(A))。そこで、この加熱プレス工程では、低融点樹脂部材の融点より高く、高融点樹脂部材の融点より低い温度まで加熱し、周縁樹脂部27を軟化させた状態で、カソードプレート20Caが、各並列流路壁部材25と接触するまでプレスする(図7(B))。この工程によって、カソードプレート20Caと周縁樹脂部27とが圧着され、セパレータ20が構成される。
図8(A),(B)は、本発明の比較例としてのセパレータ20aの構成を示す概略図である。図8(A),(B)にはそれぞれ、図7(B)のセパレータ20と同様な部位におけるセパレータ20aの概略断面図が図示されている。比較例のセパレータ20aは、中間樹脂層20Inの並列流路壁部材25aが周縁樹脂部27と同じ融点を有する樹脂部材で構成されている点以外は、本実施例のセパレータ20とほぼ同様の構成である。また、比較例のセパレータ20aは、その製造工程が本実施例のセパレータ20の製造工程とは以下の点で異なる。即ち、比較例のセパレータ20aは、2つのプレート20An,20Caと、中間樹脂層20Inとをそれぞれ別途準備し、2つのプレート20An,20Caによって中間樹脂層20Inを狭持して加熱プレスにより接合して形成される。
比較例のセパレータ20aの製造工程では、加熱プレスがなされるまでは、中間樹脂層20Inの並列流路壁部材25aの配置位置が不安定な状態のままである。そのため、比較例のセパレータ20aでは、各並列流路壁部材25aの配置間隔が不均一となる可能性が高い(図8(A))。各並列流路壁部材25aの配置間隔が不均一となると、シール一体型膜電極接合体10の発電部11における酸素の配流性が低下する。また、並列流路壁部材25a同士の間隔が比較的広くなってしまっている部位において、シールガスケット12の突起部16からの押圧力によってセパレータ20が変形し、燃料電池スタック100における流体のシール性が低下する可能性がある。
さらに、比較例のセパレータ20aでは、各並列流路壁部材25aと周縁樹脂部27とが同じ融点の樹脂部材によって構成されているため、加熱プレス工程においては、周縁樹脂部27とともに各並列流路壁部材25aも軟化する。従って、加熱プレス工程におけるプレス圧が過大となった場合には、並列流路壁部材25aの変形により、各並列流路壁部材25a同士の間隔が設計値よりも狭小化してしまい、酸素の流れが阻害されてしまう可能性がある(図8(B))。
しかし、本実施例におけるセパレータ20であれば、各並列流路壁部材25をアノードプレート20Anの所定の位置に固定的に形成した上で、加熱プレス工程を実行する。そのため、比較例のセパレータ20aよりも、並列流路壁部材25同士の間隔が不均一となることが抑制される。また、本実施例のセパレータ20であれば、加熱プレス工程において、各並列流路壁部材25を構成する高融点樹脂部材の融点より低い温度で加熱される。そのため、加熱プレス工程において、各流路壁部材25が軟化により変形してしまうことが抑制される。また、本実施例のセパレータ20では、融点の低い周縁樹脂部27が2つのプレート20An,20Caのそれぞれに熱圧着されているため、中間樹脂層20Inからの流体の漏洩が抑制される。即ち、本実施例のセパレータ20であれば、燃料電池スタック100における反応ガスの配流性やシール性の低下を抑制することができる。
B.第2実施例:
図9(A)〜(D)は、本発明の第2実施例としてのセパレータ20Aの製造工程のうちの中間樹脂層20InAの製造工程を示す模式図である。図9(A),(B)は、第1工程における高融点樹脂部材の射出成形工程を示す模式図である。図9(A)は、並列流路壁部材25に加えて、周縁樹脂部27の形成部位に高融点樹脂部材が射出成形されている点以外は、図6(A)とほぼ同じである。図9(B)は、図9(A)に示すB−B切断におけるアノードプレート20Anと並列流路壁部材25と周縁樹脂部下層27lの断面を示す概略断面図である。この工程では、高融点樹脂部材によって、並列流路壁部材25とともに、周縁樹脂部下層27lが形成される。この周縁樹脂部下層27lは、高融点樹脂部材によって、並列流路壁部材25よりも厚みが小さく形成されている点以外は、第1実施例で説明した周縁樹脂部27と同様の構成である。
図9(C),(D)は、第2工程としての周縁樹脂部上層27uの形成工程を示す模式図である。図9(C)は、図6(B)とほぼ同じである。図9(D)は、図9(C)に示すD−D切断におけるアノードプレート20Anおよびアノードプレート20Anに形成された各樹脂部材25,27Aの断面を示す概略断面図である。この工程では、低融点樹脂部材によって、第1工程で形成された周縁樹脂部下層27lに重ねて周縁樹脂部上層27uが射出成形される。このように、第2実施例における中間樹脂層20InAの周縁樹脂部27Aは、高融点樹脂部材の周縁樹脂部下層27lと、低融点樹脂部材の周縁樹脂部上層27uとで多層的に構成される。周縁樹脂部27Aは、その厚みが、並列流路壁部材25の厚みより大きくなるように構成されている。なお、この工程の後、周縁樹脂部27Aの冷媒用貫通領域WAには、第1実施例と同様に、複数の冷媒流路壁部材26が並列に配置され(図6(C))、中間樹脂層20InAが構成される。
図10は、第2実施例のセパレータ20Aの製造工程のうちの加熱プレス工程を示す模式図である。図10は、周縁樹脂部27に換えて周縁樹脂部27Aが設けられている点以外は、図7とほぼ同じである。この加熱プレス工程では、第1実施例と同様に、低融点樹脂部材が軟化するとともに、高融点樹脂部材が軟化しない温度で加熱され、周縁樹脂部上層27uを接着層として機能させる。一般に、加熱プレス工程では、比較的融点の低い樹脂部材ほど熱収縮の誤差が生じやすい傾向にある。従って、第2実施例のセパレータ20Aのように、低融点樹脂部材によって構成される部位を低減することによって、加熱プレス工程における製造誤差の発生を低減させることができる。このように、第2実施例のセパレータ20Aによれば、製造誤差によって、燃料電池スタック100における反応ガスの配流性やシール性が低下してしまうことを抑制できる。
C.第3実施例:
図11〜図13は、本発明の第3実施例としてのセパレータ20Bの製造工程を説明するための模式図である。なお、第3実施例のセパレータ20Bは、中間樹脂層20InBに用いられる並列流路壁部材25Bの形状が異なる点以外は、第1実施例のセパレータ20とほぼ同じ形状を有している。図11は、第1工程としての並列流路壁部材25Bの準備工程を示している。図11(A)は、セパレータ20Bの板面に垂直な方向と一致する方向に沿って見たときの並列流路壁部材25Bを示している。図11(B)は、図11(A)のB−B切断における並列流路壁部材25Bの概略断面図を示している。
並列流路壁部材25Bは、セパレータ20Bを構成したときの酸素の流れ方向へと伸びる複数の並列な流路壁部28と、各流路壁部28の側面を連結する板状の連結板部29とを有する。また、並列流路壁部材25Bは、最も外側の流路壁部28の両外側の側面から、さらに外側に向かって突出して形成された両端連結板部29eを有している。なお、各流路壁部28は略等間隔で平行に配列され、連結板部29および両端連結板部29eは、燃料電池スタック100を構成したときに、酸素の流れが阻害されないように厚みを薄く形成されていることが好ましい。並列流路壁部材25Bは、高融点樹脂部材の射出成形によって、酸素供給側用と酸素排出側用の2つが形成される。
図12は、第2工程として周縁樹脂部27Bの形成工程を説明するための模式図である。図12(A)は、(A)と同様な方向から周縁樹脂部27Bおよび流路壁部材25Bを見たときの概略図である。図12(B)は、図12(A)に示すB−B切断における周縁樹脂部27Bおよび流路壁部材25Bの概略断面図である。この工程では、2つの流路壁部材25Bを金型内に配置して、低融点部材による射出成形を行い、周縁樹脂部27Bを形成する。具体的には、周縁樹脂部27Bは、その厚み方向の中央に、並列流路壁部材25Bの両端連結板部29eの一部を包含するとともに、その厚みが、並列流路壁部材25Bの流路壁部28の厚みより大きくなるように形成される。このように、第3実施例の中間樹脂層20InBは、並列流路壁部材25Bが周縁樹脂部27Bに一体的に保持された構成として形成される。
図13は、第3工程としての加熱プレス工程を示す模式図である。図13(A),(B)には、図12(B)と同様な切断部位における2つのプレート20An,20Caと、周縁樹脂部27Bおよび流路壁部材25Bの概略断面図が図示されている。この工程では、周縁樹脂部27Bおよび流路壁部材25Bが、別途準備されたアノードプレート20Anおよびカソードプレート20Caによって狭持される(図13(A))。そして、加熱プレスにより、2つのプレート20An,20Caと、周縁樹脂部27Bが熱圧着され(図13(B))、第3実施例のセパレータ20Bが形成される。なお、この加熱プレス加工に先だって、アノードプレート20Anまたはカソードプレート20Caには、周縁樹脂部27Bの冷媒用貫通領域WA内に並列に配列された状態で収容されるように、複数の冷媒流路壁部材26が接合されている(図示は省略)。
このように、第4実施例のセパレータ20Bであれば、並列流路壁部材25Bの各流路壁部28が一体的に連結された状態で形成されるとともに、並列流路壁部材25Bが周縁樹脂部27Bに一体的に保持されている。また、並列流路壁部材25Bが高融点樹脂部材で構成され、周縁樹脂部27Bが低融点樹脂部材で構成されている。そのため、製造誤差により、第1と第2のカソード流路列CP1,CP2における各流路の幅が不均一となってしまうことが抑制される。
10…シール一体型膜電極接合体
11…発電部
12…シールガスケット
13…電解質膜
14a…アノード電極
14c…カソード電極
15…膜電極接合体
16…突起部
20,20A,20B,20a…セパレータ
20An…アノードプレート
20Ca…カソードプレート
20In,20InA,20InB…中間樹脂層
25,25B,25a…並列流路壁部材
26…冷媒流路壁部材
27,27A,27B…周縁樹脂部
27l…周縁樹脂部下層
27u…周縁樹脂部上層
28…流路壁部
29…連結板部
29e…端連結板部
60…ガス拡散部材
100…燃料電池スタック
AP1…第1のアノード流路
AP2…第2のアノード流路
CP1…第1のカソード流路列
CP2…第2のカソード流路列
GA…反応ガス供給領域
M1…水素供給用マニホールド
M2…水素排出用マニホールド
M3…酸素供給用マニホールド
M4…酸素排出用マニホールド
M5…冷媒供給用マニホールド
M6…冷媒排出用マニホールド
P1…水素流入孔
P2…水素流出孔
P3…酸素流入孔
P4…酸素流出孔
SL…シールライン
WA…冷媒用貫通領域

Claims (1)

  1. 燃料電池スタックにおいて、複数の膜電極接合体の間に介装される燃料電池用セパレータであって、
    前記膜電極接合体のアノード側に配置されるアノードプレートと、
    前記膜電極接合体のカソード側に配置されるカソードプレートと、
    前記アノードプレートと前記カソードプレートとに狭持される中間樹脂層と、
    を備え、
    前記膜電極接合体の外周には、前記アノードプレートと前記カソードプレートとによって狭持されたときにシールラインを形成する外周シール部が設けられており、
    前記アノードプレートおよび前記カソードプレートにはそれぞれ、前記膜電極接合体のアノード側およびカソード側のそれぞれの発電部に連通する連通孔が設けられ、
    前記中間樹脂層には、前記アノードプレートまたは前記カソードプレートに設けられた前記連通孔と接続するとともに、前記シールラインを横断する方向に沿って設けられたガス流路として、複数の流路が並列に配列された並列ガス流路が形成されており、
    前記中間樹脂層は、前記並列ガス流路の外側において、少なくとも前記アノードプレートまたは前記カソードプレートと接触する面に配置され、前記アノードプレートまたは前記カソードプレートと熱圧着された融点が低い第1の樹脂部材と、前記並列ガス流路の櫛歯状の流路壁を構成する融点が高い第2の樹脂部材とを有する、燃料電池用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018160327A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 トヨタ自動車株式会社 燃料電池セルの製造方法
CN110010925A (zh) * 2019-04-23 2019-07-12 深圳市雄韬电源科技股份有限公司 燃料电池电堆及其制作方法
CN118136909A (zh) * 2024-05-08 2024-06-04 西安稀有金属材料研究院有限公司 固体氧化物燃料电池电堆及其制备方法、能源系统

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