JP4503994B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、水素イオン伝導性を有する高分子膜あるいは水素イオン伝導性を有する無機または有機材料粉末と結着剤としての高分子材料との複合材を電解質として用いる固体高分子型燃料電池に関する。
近年、高効率のエネルギ変換装置として、燃料電池が注目を集めている。燃料電池は、用いる電解質の種類により、たとえばアルカリ型,固体高分子型,リン酸型などの低温作動燃料電池と、溶融炭酸塩型,固体酸化物型などの高温作動燃料電池とに大別される。
これらのうち、電解質としてイオン伝導性を有する高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池(PEFC)は、コンパクトな構造で高出力密度が得られ、しかも簡易なシステムで運転が可能なことから、宇宙用、離島用、定地用、車両用などの電源として注目されている。
高分子電解質膜としては、スルホン酸基を持つポリスチレン系の陽イオン交換膜、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合物質、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化して添加したもの等が知られている。最近ではパーフルオロカーボンスルホン酸膜(たとえば、ナフィオン:商品名、デュポン社製)等が用いられている。
このような高分子電解質膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、通常、図17に示すように形成された単位セル1を複数積層した積層体構造として構成されている。
単位セル1は、高分子電解質膜10と、白金等の触媒を担持した多孔質体で形成されて高分子電解質膜10を相互で挾持するように配置された燃料極11および酸化剤極12と、燃料極11の背面に接触配置された多孔質体製の燃料極側集電体13と、酸化剤極12の背面に接触配置された酸化剤極側集電体14と、燃料極側集電体13の燃料極11に接触する面に形成されて燃料極11に燃料ガスを分配供給する複数の燃料供給溝15と、酸化剤極側集電体14の酸化剤極12に接触する面に形成されて酸化剤極12に酸化剤ガスを分配供給する複数の酸化剤供給溝16と、燃料極側集電体13の背面側に設けられた冷却板17と、この冷却板17に設けられて冷却水を案内する冷却水案内溝18と、この冷却水案内溝18によって案内された水の一部が燃料極側集電体13へ移行する量を制御する加湿水透過板19とで構成されている。
なお、図17中、20,21は、高分子電解質膜10,燃料極11および酸化剤極12からなる膜電極複合体の周囲を取り囲んで燃料ガスおよび酸化剤ガスの漏洩を防止するとともに燃料極側集電体13と酸化剤極側集電体14との間の絶縁を確保する額縁状スペーサを示している。また、冷却板17を介在させない場合には燃料極側集電体13と酸化剤極側集電体14とが一体化されている場合もある。
高分子電解質膜10,燃料極11および酸化剤極12は、シート状に形成されており、内部抵抗低減のためにその厚みは1mm以下に形成されている。また、高分子電解質膜10,燃料極11および酸化剤極12は、生産性を考慮して正方形に形成されている場合が多い。そして、その面積は発電に必要な電流値および単位面積当たりの電流値すなわち電流密度によって決まり、概ね100cm2以上、すなわち一辺が10cm以上に設定されているものが多い。
燃料極側集電体13および酸化剤極側集電体14は、図18に燃料極側集電体13を代表して示すように、高分子電解質膜10や各極11,12の形状に合せて正方形に形成されているものが多い。そして、中央部に各極11,12の形状に合せて正方形の領域を設定し、この正方形の領域に燃料ガス供給溝15(酸化剤ガス供給溝16)を複数平行に設けている。冷却板17についても同様で、中央部に各極11,12の形状に合せて正方形の領域を設定し、この正方形の領域に冷却水案内溝18を複数平行に設けている。
燃料ガス供給溝15の両端部は、それぞれ燃料ガス供給溝15とほぼ同じ深さに形成された連絡通路22,23を介して積層要素の周縁部に積層方向に設けられた燃料ガス供給マニホールド24および燃料ガス排出マニホールド25に通じている。同様に、酸化剤ガス供給溝16の両端部は酸化剤ガス供給マニホールド26および酸化剤ガス排出マニホールド27に通じており、冷却水案内溝18の両端部は冷却水供給マニホールド28および冷却水排出マニホールド29に通じている。一方、加湿水透過板19は、金属粉末または親水性のカーボン粉末を焼結して得た導電性の多孔質薄板で形成されている。
このように構成された単位セル1の起電力は1V以下と小さいため、複数の単位セルを積層し、直列に接続して必要な起電力を得るようにしている。
しかしながら、上記のように構成された従来の固体高分子型燃料電池にあっては次のような問題があった。
すなわち、燃料極11に水素を含む燃料ガスを供給するとともに酸化剤極12に酸素を含む酸化剤ガスを供給しながら電池反応を行なわせると、この電池反応の副産物として酸化剤極12側に水が発生する。この水は生成水と呼ばれている。この生成水が多量に存在していると、酸化剤ガスの供給の妨げになる。したがって、生成水を速やかに外部に排除する必要がある。生成水は酸化剤ガス供給溝16に移行し易い。このため、一般には、酸化剤ガスを過剰に供給し、未反応の酸化剤ガスによって排出する方法が採られている。この方法では、過剰な酸化剤ガスの流量とともに酸化剤ガスの流速が重要なパラメータとなる。すなわち、流速が早いほど生成水を多く排出できる。
しかし、従来の固体高分子型燃料電池では、正方形に形成された酸化剤極側集電体14の中央部に正方形の領域を設定し、この正方形の領域に酸化剤ガス供給溝16を複数平行に設けているので、酸化剤ガスの流速を上げることが困難で、電池の寿命を長くすることが困難であった。
なお、酸化剤ガスの流速を上げるには、各酸化剤ガス供給溝16の断面積、つまり溝の深さと幅を小さくすることで実現できるが、電極の面積が小さい場合には加工精度の点から実現が困難となる。
また、従来の固体高分子型燃料電池にあっては、燃料極11と酸化剤極12とを同一寸法および同一面積に形成している。このため、燃料極11の高分子電解質膜10に接触する領域のエッジ部と酸化剤極12の高分子電解質膜10に接触する領域のエッジ部分とが高分子電解質膜10を挟んで重なったものとなり、高分子電解質膜10,燃料極11および酸化剤極12からなる膜電極複合体をプレス成形するときにエッジ部分に圧力が集中し、高分子電解質膜10の上記エッジ部分に接触している部分が両方から押されて破損する虞があった。さらに、高分子電解質膜10の上記両エッジ部分に挟まれている部分は、発電時ではセルの締め付けにより、常に機械的ストレスが掛かっている状態にあり、長時間運転を行うと高分子電解質膜10の上記両エッジ部分に挟まれている部分が劣化し、破損する可能性もあった。
また、従来の固体高分子型燃料電池にあっては、金属粉末またはカーボン粉末を焼結して得た加湿水透過板19を用いている。このような焼結体では、焼結の条件によって多孔質構造に異なりが生じ易い。また、焼結時に均一な孔径や細孔容量のコントロールが困難である。このため、同じ加湿水透過板19においても各部の孔径や細孔容量にばらつきが生じ、さらに加湿水透過板19の一枚一枚について孔径や細孔容量にばらつきが生じる。このようなばらつきにより、高分子電解質膜10に供給される加湿水が不均一になり、電池性能が不安定になる問題もあった。
さらに、セルのコンパクト化のためには薄く、機械的強度のあるものが必要となるが、粉末を焼結する従来の製作法では、概略1mm程度の厚さが必要となる。また、金属またはカーボンの多孔質体であるため、薄くすると機械的強度がなくなってしまい、結局、従来の加湿水透過板では薄く、機械的強度のあるものを製作できず、コンパクトなセルを実現することはできない。
上述の如く、従来の固体高分子型燃料電池にあっては、生成水の速やかな排出が困難で、しかも高分子電解質膜に大きな機械的ストレスが加わり易いという理由で、電池としての寿命が短いという問題があった。
そこで本発明は、寿命を向上させることができる固体高分子型燃料電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、次のような手段により固体高分子型燃料電池を構成する。
請求項1に対応する発明は、高分子電解質膜と、この高分子電解質膜を挟持するように配置された燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給溝を備えた燃料極側集電体と、この燃料極側集電体の下面側に設けられて冷却水を案内する冷却板と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝を備えた酸化剤極側集電体とからなる長方形状の単位セルを備えた固体高分子型燃料電池において、前記燃料極および前記酸化剤極の前記高分子電解質膜に接触する領域に凸部がそれぞれ形成され、これら凸部を取り囲むように前記凸部の高さとほぼ同じ厚みに形成された補強シートが装着され、且つ前記燃料極および酸化剤極が前記高分子電解質膜に接触する領域のエッジ部分が上記高分子電解質膜を挟んで重合しない形状に形成されている。
請求項に対応する発明は、請求項1に対応する発明の固体高分子型燃料電池において、前記燃料極および前記酸化剤極は、前記高分子電解質膜に接触する面積が異なっている。
請求項に対応する発明は、請求項1に対応する発明の固体高分子型燃料電池において、前記補強シートの形状が額縁状である。
本発明によれば、寿命を大幅に向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1には本発明の一実施形態に係る固体高分子型燃料電池、ここには固体高分子型燃料電池41を4個直列に接続して電気自動車用の電源を構成した例の斜視図が示されている。
各固体高分子型燃料電池41は、図2に示すように、単位セル42を複数積層し、この積層体の両端部に導電板43a,43b、絶縁板44a,44b、端板45a,45bをそれぞれ当てがい、この状態で端板45a,45bの4隅位置間を絶縁ロッド46を使って締付けて一体化したものとなっている。
このように構成された各固体高分子型燃料電池41は、積層方向と直交する断面が長方形に形成されている。そして、4個の固体高分子型燃料電池41を、その断面における短辺と短辺とを隣接させ、単位セル42が積層される方向に対して直交する方向に並設し、導電板43a,43bに突設されたボスバー47をリード線48で接続して隣接する積層体間を電気的に直列に接続している。このように固体高分子型燃料電池41を配置することにより、電源を設置するスペースの全高を低くでき、自動車の床下などの高さの低いスペースに設置できるようにしている。
各固体高分子型燃料電池41には、従来の電池と同様に、発電に必要な燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水を供給および排出するための、燃料ガス供給マニホールド49a,燃料ガス排出マニホールド49b、給水マニホールド50a,排水マニホールド50b、酸化剤ガス供給マニホールド51a,酸化剤ガス排出マニホールド51bが積層方向に形成されている。この例では隣接する固体高分子型燃料電池41の対応するマニホールド同士を直列に接続している。勿論、並列に供給することもできる。
図3には単位セル42の分解斜視図が示されている。単位セル42は、公知のものと同様の材質で形成された高分子電解質膜60を備えている。この高分子電解質膜60は厚さがたとえば0.18mm程度のもので、両面には高分子電解質膜より小さい面積でマニホールドの形成されている側に短辺が位置するように長方形(たとえば短辺10cm、長辺20cm、電極面積200cm2)に形成された燃料極61と酸化剤極62とが接触配置されている。燃料極61および酸化剤極62は、厚さがたとえば0.4mmのカーボン製多孔質体の表面に白金を含んだカーボン粒子を塗布したもので形成されている。
燃料極61には、図6および図7に示すように高分子電解質膜60に接触する長方形の領域(面積)を規定する凸部63が形成されている。同様に、酸化剤極62にも図6および図7に示すように高分子電解質膜60に接触する長方形の領域を規定する凸部64が形成されている。凸部64の面積は凸部63の面積とは異なり、ここでは大に設定されている。すなわち、凸部63のエッジ部Aと凸部64のエッジ部Bとが高分子電解質膜60を挟んで積層方向に重ならない面積関係となっている。具体的には、エッジ部Aよりエッジ部Bが2〜5mm外側に位置する面積関係となっている。そして、燃料極61に形成された凸部63を取り囲むように、凸部63の高さとほぼ同じ厚みのフッ素樹脂系シートあるいは高分子電解質膜60と同じ材質で凸部63の高さとほぼ同じ厚みのシート形状に形成された額縁状補強シート65が装着されている。同様に、酸化剤極62に形成された凸部64の周囲にも同様のシート形状に形成された額縁状補強シート65が装着されている。また、燃料極61および酸化剤極62の外周部分には、これら外周部分とほぼ同じ厚みを有したフッ素ゴム等の絶縁性シートで額縁状に形成されたシール材67,68が配置されている。
燃料極61の背面側、つまり燃料極61の図3および図6中下面側には、燃料極61への燃料ガスの供給機能と集電機能とを発揮する燃料極側集電板69が接触配置されている。この燃料極側集電板69は、親水性のカーボン多孔質板で形成されている。燃料極側集電板69における燃料極61との接触面内には、図5および図6にも示すように、燃料極61に燃料ガスを供給するための燃料供給溝70が燃料極61の面積より小さな長方形の領域Cに燃料極61の長辺に沿う方向に延びる関係に複数形成されている。燃料供給溝70は、たとえば幅1mm、深さ0.5mm、長さ20cm、2mmピッチに50本設けられている。同様に、酸化剤極62の背面側、つまり酸化剤極62の図3および図6中上面側には、酸化剤極62への酸化剤ガスの供給機能と集電機能とを発揮する酸化剤極側集電板71が接触配置されている。この酸化剤極側集電板71は、緻密なカーボン板で形成されている。酸化剤極側集電板71における酸化剤極62との接触面内には、図4および図6に示すように、酸化剤ガスを酸化剤極62に供給するための酸化剤供給溝72が酸化剤極62の面積より小さな長方形の領域Dに酸化剤極62の長辺に沿う方向に延びる関係に複数形成されている。この酸化剤供給溝72も、たとえば幅1mm、深さ0.5mm、長さ20cm、2mmピッチに50本設けられている。なお、図4は酸化剤極側集電板71を図3における下側から見た図として示されている。
燃料極側集電板69の図3および図6中下面側には加湿水透過板73が接触配置されており、この加湿水透過板73の図3および図6中下面側には冷却板74が接触配置されている。加湿水透過板73は、導電性を有する非焼結板、たとえば図8に示すように、燃料ガス供給溝70の配設領域と対向する領域に孔径10μmの細孔75を数百個設けたステンレスの薄板76の両面に、孔径10μm、細孔容量70%の多孔質フッ素樹脂系シートにカーボンを30%混入させた薄板77を配置して一体化した厚さ0.16mmのもので形成されている。
冷却板74は緻密なカーボン板あるいは金属板で形成されている。冷却板74の加湿水透過板73側に位置する面には、冷却水を案内するための案内溝78が燃料ガス供給溝70の配設領域と対向する領域に燃料ガス供給溝70と平行に複数形成されている。
高分子電解質膜60、額縁状補強シート65,66、シール材67,68、燃料極側集電板69、酸化剤極側集電板71、加湿水透過板73、冷却板74の両短辺部(長方形の領域C,Dの短辺側で、かつ上記長方形の領域外)には、燃料ガス供給マニホールド49aおよび燃料ガス排出マニホールド49bを構成する孔80,81、給水マニホールド50aおよび排水マニホールド50bを構成する孔82,83、酸化剤ガス供給マニホールド51aおよび酸化剤ガス排出マニホールド51bを構成する孔84,85がそれぞれ積層方向に通じる関係に形成されている。
そして、燃料極側集電板69に設けられた燃料ガス供給溝70は燃料ガスを供給/排出するための孔80,81に通じ、酸化剤極側集電板71に設けられた酸化剤供給溝72は酸化剤ガスを供給/排出するための孔84,85に通じ、冷却板74に設けられた案内溝78は冷却水を供給/排出するための孔82,83に通じている。
このように、この例に係る固体高分子型燃料電池41では、酸化剤極側集電体71の酸化剤極62に接触する面のほぼ長方形の領域Dに長方形の長辺に沿って酸化剤ガスを案内する複数の酸化剤供給溝72を設けているので、各酸化剤供給溝の深さや幅を小さくすることなく、酸化剤ガスの流速を増加させることができ、この結果、酸化剤極62で発生した生成水を良好に排除できる。
すなわち、この例の場合には、酸化剤極62として短辺10cm、長辺20cm、電極面積200cm2のものを用いており、酸化剤供給溝72は幅1mm、深さ0.5mm、長さ20cm、2mmピッチで50本設けている。今、電流密度を0.4A/cm2とし、空気利用率を40% とし、酸化剤ガス(空気)供給圧力を1atmとすると、各酸化剤供給溝72を流れる酸化剤ガスの流速は、300cm/secとなる。一方、同じ電極面積200cm2で正方形の電極(一辺の長さ14cm)を用い、同じ溝幅、溝深さ、配設ピッチの酸化剤供給溝を設け、同じ条件で酸化剤ガスを供給した場合、各酸化剤供給溝を流れる酸化剤ガスの流速は210cm/secとなる。このように、本例では同じ電極面積でありながら酸化剤ガスの流速を1.5倍に増加させることができる。したがって、生成水の排出を良好に行うことができる。この結果、生成水が酸化剤極62内に滞留して酸化剤ガスの供給を妨げることがなくなり、長時間に亙って電池性能を維持させることができる。
また、このように酸化剤極62および燃料極61を長方形に形成できることは、単位セル42の平面形状も長方形に形成できることになり、燃料電池積層体の積層方向と直交する断面積も長方形に形成できることになる。すなわち、必要な電極面積を確保した状態で燃料電池積層体を偏平に近い形状に形成できることになるので、たとえば電気自動車等のように高さの低い設置空間しか持たない対象にも対応することが可能となる。
また、上記例では、燃料極61および酸化剤極62の高分子電解質膜60に接触する領域のエッジ部分A,Bが高分子電解質膜60を挟んで重合しないように燃料極61および酸化剤極62を形成している。したがって、高分子電解質膜60には両エッジ部分A,Bよって挟まれる部分が存在しないことになる。このため、膜電極複合体をプレス成形するときは勿論こと、発電時のセル締め付けに際しても上述したエッジ部分A,Bの存在によって高分子電解質膜60が破損するのを防止することが可能となる。
図9には、この例に係る単位セルと従来例の単位セルとを用い、性能を比較するための発電試験を行った結果が示されている。従来例の単位セルでは約2000時間でセル電圧が0.2Vまで低下したが、この例に係る単位セルでは4000時間を越えてもセル電圧の低下はみられなかった。
さらに、スクリーン印刷機により、電極の周辺部が額縁状補強シート65,66の厚みだけ薄くなるようなスクリーンパターンを用いて製作した燃料極および酸化剤極を用いて発電試験を行ったところ、図9に示す特性と同等の結果を得た。
また、上記例では加湿水透過板73を導電性の非焼結部材、導電材料を含む多孔質構造のフッ素系樹脂材料の薄板と細孔を備えた金属板で形成しているので、孔径や細孔容量のコントロールが極めて容易で、この結果、高分子電解質膜60に加湿水を均一に供給することができる。
すなわち、図10には上記例に係る単位セルを5段積層した5セル積層電池の発電試験結果が示されており、図11には従来例の単位セルを5段積層した5セル積層電池の発電試験結果が示されている。
従来例の単位セルを用いた積層電池では、発電開始直後から各セル毎にセル電圧がばらつき、5000時間後でもセル電圧はばらついたままであり、さらに平均0.12V低下した。しかし、本例に係る単位セルを用いた積層電池では、発電開始直後からセル電圧が揃っており、5000時間後でもセル電圧のばらつきや低下はみられなかった。さらに、加湿水透過板73として、100メッシュ、線径85μmのメツシユ構造のフッ素樹脂系シートとカーボンとを30%複合したものと、中央の10cm×10cmの領域にエッチング加工で10μmの細孔を300個設けたステンレスの薄板とを用いて上記の発電試験を行ったところ、双方とも同等の結果を得た。これらは、高分子電解質膜60に加湿水を均一に供給することができたことによる。
なお、本発明は上述した例に限定されるものではなく種々変形できる。
すなわち、上記例では、燃料極61の大きさと酸化剤極62の大きさとを同じにしているが、図12に示すように異ならせてもよい。
また、図13に示すように、高分子電解質膜60の面積を燃料極61または酸化剤極62の大きさと同じにし、その外側にフッ素樹脂系シートなどで額縁状に形成されたシール材91を配置してもよい。さらに、図14に示すように、単に燃料極61と酸化剤極62の大きさだけを変えた構成でもよい。
また、加湿水透過板の構成も上述した例に限られるものではなく、図15に示すように、冷却板の冷却水案内溝の設けられている領域に対応する部分がメッシュ構造であるフッ素樹脂系シートとカーボンとを複合化した部材92で形成され、その回りがフッ素樹脂系シートなどの部材93で形成された加湿水透過板73aを用いてもよい。
さらに、図16に示すように、加湿水透過板73bをステンレスの薄板94で形成し、この薄板94の冷却水案内溝上に位置する部分に孔径の異なる細孔95を設けたものを用いてもよい。この例では冷却水案内溝長を3つに区分けし、上流に位置している1/3の領域には15μm、中流に位置している1/3の領域には10μm、下流に位置している1/3の領域には5μmの細孔95を設け、細孔の径を上流から下流に進むにしたがって小さくしている。このような構成の加湿水透過板73bを用いると、生成水によって加湿量が過剰になりやすい下流部への加湿水供給量をコントロールすることができる。なお、金属板への細孔の形成はエッチング加工、レーザ加工、放電加工、ドリル加工等によって形成できる。また、加湿水透過板の厚みは0.5mm以下であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る固体高分子型燃料電池の実装形態の一例を示す斜視図。 同固体高分子型燃料電池の側面図。 同固体高分子型燃料電池に組み込まれた単位セルの分解斜視図。 同単位セルに組み込まれた酸化剤極側集電板の一表面を示す図。 同単位セルに組み込まれた燃料極側集電板の一表面を示す図。 同単位セルの縦断面図。 同単位セルの要部の分解断面図。 同単位セルに組み込まれた加湿水透過板の分解斜視図。 同単位セルの発電特性を従来例と比較して示す図。 同固体高分子型燃料電池の発電特性を示す図。 従来の固体高分子型燃料電池の発電特性を示す図。 本発明の変形例を説明するための図。 本発明の別の変形例を説明するための図。 本発明のさらに別の変形例を説明するための図。 本発明の異なる変形例を説明するための図。 本発明のさらに異なる変形例を説明するための図。 従来の固体高分子型燃料電池に組み込まれた単位セルの縦断面図。 同単位セルに組み込まれた燃料極側集電板の一表面を示す図本発明の…示す図。
符号の説明
41…固体高分子型燃料電池、42…単位セル、49a…燃料ガス供給マニホールド、49b…燃料ガス排出マニホールド、50a…給水マニホールド、50b…排水マニホールド、51a…酸化剤ガス供給マニホールド、51b…酸化剤ガス排出マニホールド、60…高分子電解質膜、61…燃料極、62…酸化剤極、63,64…凸部、65,66…額縁状補強シート、67,68…シール材、69…燃料極側集電板、70…燃料供給溝、71…酸化剤極側集電板、72…酸化剤供給溝、73,73a,73b…加湿水透過板、74…冷却板、78…案内溝、A,B…エッジ部、C,D…長方形の領域

Claims (3)

  1. 高分子電解質膜と、この高分子電解質膜を挟持するように配置された燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給溝を備えた燃料極側集電体と、この燃料極側集電体の下面側に設けられて冷却水を案内する冷却板と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給溝を備えた酸化剤極側集電体とからなる長方形状の単位セルを備えた固体高分子型燃料電池において、
    前記燃料極および前記酸化剤極の前記高分子電解質膜に接触する領域に凸部がそれぞれ形成され、これら凸部を取り囲むように前記凸部の高さとほぼ同じ厚みに形成された補強シートが装着され、且つ前記燃料極および酸化剤極が前記高分子電解質膜に接触する領域のエッジ部分が上記高分子電解質膜を挟んで重合しない形状に形成されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 前記燃料極および前記酸化剤極は、前記高分子電解質膜に接触する面積が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記補強シートの形状が額縁状であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
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