JP2004522588A - 鋳造圧延設備の運転方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、少なくとも１つのスラブ製造ライン（４０、５０）および少なくとも１つの圧延ライン（４）ならびに製造技術的にスラブ製造ライン（４０、５０）と無関係な少なくとも１つのスラブ供給装置（２０）を含む鋳造圧延設備の運転方法に関する。ストリップ材料の製造のより高いスループットを達成するため、スラブ製造ライン（４０、５０）の製造休止の間にスラブ供給装置（２０）がロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ライン（４）へのスラブ供給を引き受ける。
Description
【技術分野】
【０００１】
本発明は鋳造圧延設備の運転方法に関する。
【０００２】
このような鋳造圧延設備においては、スラブはストリップ材料に加工される。公知の鋳造圧延設備は少なくとも１つの鋳造機を含んでおり、そのスラブが中間ストレージなしに少なくとも１つのトンネル炉に供給される。トンネル炉は少なくとも１つの圧延スタンドを有する圧延ライン（仕上げライン）に開口している。圧延ラインにおいてスラブはホットストリップに圧延される。圧延ラインを去った後、圧延されたホットストリップは少なくとも１つの冷却部に導かれ、少なくとも１つのリール上に巻かれる。
【０００３】
鋳造圧延設備はそれによって通常の鋼板生産においては接続を外されるプロセス、スラブ鋳造および熱間圧延、の結合により特徴付けられている。製鋼産業の設備はこうして少なくとも３つの構成要素、すなわち銑鉄から鋼が製造される製鋼ミル、少なくとも１つの鋳造設備（後段に接続されたトンネル炉を有する鋳造機）を有するスラブ製造ラインおよび圧延ライン（仕上げライン）から成っている。最大可能な製造のためには各１つの鋳造ストランドを有する２つの鋳造設備もしくは２ストランド鋳造設備が使用される。
【０００４】
圧延ラインの圧延能力は公知の鋳造設備では時間的に完全に利用され得ない。なぜならば、鋳造機の鋳造能力（鋳造速度及び鋳造断面）が、技術的および質的な問題を避けるために、特定の限界以上には高めることができないからである。このことは、完全な鋳造運転にもかかわらず、鋳造機がスラブを補給し得る速さよりも速く圧延ラインが圧延することを意味する。
【０００５】
公知の鋳造圧延設備の製造能力が制限される別の理由は、２ストランド鋳造設備または２つの鋳造設備が技術的な理由から特定の時点で製造を行うことができず、それにより製造間隙が生ずることにある。利用されない製造間隙はなかんずく分配装置、鋳型またはセグメントの交換のために鋳造機の必要な準備時間、保守作動のための計画されている停止時間、ならびに鋳造作動中の擾乱のための計画されていない停止時間である。このことは、圧延ラインがそもそも圧延し得ないか、もしくは休止時間を長くしてしか圧延し得ないことを意味する。
【０００６】
それによって両スラブ製造ラインは圧延ラインの能力に対して、鋳造圧延設備の減ぜられた年間製造能力につながる生産隘路を形成する。
【０００７】
従って本発明の課題は、ストリップ材料の製造の際のより高いスループットを実現し得る鋳造圧延設備の運転方法を提供することである。
【０００８】
この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を有する方法により解決される。本発明による方法の有利な構成はそれぞれその他の請求項に記載されている。
【０００９】
請求項１による方法は、少なくとも１つのスラブ製造ラインおよび少なくとも１つの圧延ラインならびに製造技術的にスラブ製造ラインと無関係な少なくとも１つのスラブ供給装置を含む鋳造圧延設備を運転するために適している。スラブ製造ラインの製造休止の間に、スラブ供給装置がロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける。
【００１０】
本発明はそれによって鋳造圧延設備の従来利用されなかった圧延休止を、スラブ供給装置を含むモディファイされた設備構成における最適化されたロジスティックな設定により利用する。
【００１１】
本発明は、鋳造圧延設備の拡張された構成の形式に適応されている適切な製造計画方法を提供する。スラブ供給装置により供給されるスラブは、特別に構成された鋳造圧延設備の基本的な構成の変更を必要とせずに、付加的に圧延ラインにおいて圧延される。それによりストリップ材料の製造の際のスループットが顕著に高められ得る。
【００１２】
本発明による方法の有利な構成の枠内で、本発明により製造技術的にスラブ製造ラインと無関係であるスラブ供給装置が、そのスラブをたとえば別のスラブ製造ラインから受けることができる。この別のスラブ製造ラインがスラブ供給装置と一緒にロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける（請求項２による方法）。
【００１３】
別のスラブ製造ラインが、スラブ供給装置と共同してロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける厚肉スラブ製造ラインとして構成することができる（請求項４による方法）。
【００１４】
本発明による方法は別の有利な構成によれば、そのスラブを、予め製造されたスラブが製造技術的にバッファされるスラブストックから受ける鋳造圧延設備にも適している（請求項５による方法）。
【００１５】
別の薄肉スラブ製造ラインはたとえば、鋳造ストランドおよび圧延ラインに供給するためのトンネル炉内のスラブ走行機構の適切な拡張を有する別の鋳造機から成っていてよい。この構成は、高い鋳造速度に耐える鋼質、すなわち標準鋼、が製造されるべきときに選ばれる。
【００１６】
付加の通常のスラブ製造ラインは、厚肉スラブを少なくとも１つの加熱炉を介して、また少なくとも１つの（可逆）プリスタンドを介して薄肉スラブに圧延し、またこれらをホールディング炉を介して圧延ラインに与える。この構成は、付加のスラブ製造ラインが高い鋳造速度に耐えない鋼質、すなわち例えば特殊鋼、を製造すべきときに選ばれる。それによって、本発明による方法により運転される鋳造圧延設備は高い全年間製造量により標準鋼および特殊鋼を供給することができる。
【００１７】
こうして本発明による方法では、鋳造圧延設備のスラブ供給装置にスラブがロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に相応して供給されることのみが重要である。それによって特に別のスラブ製造ラインの形式は重要ではない。
【００１８】
本発明により、圧延ラインの完全な利用のもとに鋳造圧延設備を作動させるための最適化された製造計画が作成される。
【００１９】
このような製造計画から鋳造圧延設備の個々の設備部分に対する設備計画が導き出され得る。これらは溶融計画および鋳造計画ならびにスラブ装入計画および圧延計画である。
【００２０】
溶融計画により、鋳造圧延設備に対応付けられている少なくとも１つのスチールミルにおける必要な溶融列が、しかも鋳造機に融鉄を適時に供給するための時間的順序を含めて、作成される。
【００２１】
鋳造計画は、各スラブ製造ラインに対する鋳造シーケンス順序、溶融順序およびスラブ順序を含めて、鋳造圧延設備の鋳造機、または別のスラブ製造ラインの通常の鋳造機における薄肉スラブの製造を記述する。
【００２２】
スラブ装入計画は、コールド、 ウォームまたはホットの装入に関係して、別のスラブ製造ラインにおけるスラブの装入を決定する。その際に特に順番および時間的な順序は、鋳造圧延設備において従来は利用されなかった圧延休止時間を利用するために、スラブが適時に圧延ラインに与えられるように計画すべきである。
【００２３】
圧延計画によりすべてのスラブ圧延ラインからのスラブの圧延が、鋳造圧延設備のトンネル炉からのスラブ装入のタクトを含めて、圧延休止時間が別のスラブ製造ラインにより望ましく利用され得るように計画される。さらに、炉のなかのバッファ時間を考慮して、圧延ラインにおいて必要なローラー交換の計画が行われる。
【００２４】
すべての計画ステップにおいて、強制的および柔軟な制約（技術的な規則）を考慮に入れなければならない。その際強制的な制約はあらゆる場合に守られなければならないが、それに対して、柔軟な制約はいわゆるコストファンクションにより最適化され得る。それによって有効かつ実行可能な製造計画が作成されるだけでなく、コスト最適化およびスループット最適化された製造計画が作成される。
【００２５】
本発明による方法の実施例が以下に図面に概要を示されている鋳造圧延設備により詳細に説明される。
【００２６】
図面には符号Iで第１の仕上げラインが示されている。第１の仕上げラインＩは鋳造機１を含んでおり、そのなかで薄肉スラブ２が鋳造される。これらの薄肉スラブ２はトンネル炉３に供給される。鋳造機１およびトンネル炉３は共同してスラブ製造ライン４０を形成する（鋳造設備）。トンネル炉３は、図示されている実施例では６つの圧延スタンド５を有する圧延ライン４に開口している。圧延ライン４において薄スラブ２はホットストリップ６に圧延される。圧延ライン４を去った後に、圧延されたホットストリップ６は冷却ライン７に供給され、リール８に巻かれる。
【００２７】
図に示す鋳造圧延設備においては、第１の仕上げラインIは別の鋳造機１１を含む。この鋳造機１１は製造技術的には鋳造機１に並列に配置されている。鋳造機１１は同様に薄肉スラブ１２を作る。この薄肉スラブ１２はトンネル炉１３に供給され、このトンネル炉１３は第１の仕上げラインI内で製造技術的にはトンネル炉３に並列に配置されている。鋳造機１１及びトンネル炉１３は一緒になってスラブ製造ライン（鋳造設備）を形成し、このスラブ製造ラインは５０で示されている。スラブ製造ライン５０によって作られる薄肉スラブ１２は続いて同様に圧延ライン４に供給される（矢印１４）。
【００２８】
スラブ製造ライン４０および５０は２ストランド鋳造設備を形成する。
【００２９】
少なくとも部分的に製造技術的に第１の仕上げラインIに対して並列に第２の仕上げラインIIが配置されている。第２の仕上げラインIIは、図示されている鋳造圧延設備では、スラブ供給装置２０を含んでいる。このスラブ供給装置２０によりスラブ２２が再加熱炉２３および後段に配置された（可逆）プリスタンド２４に供給され得る。プリスタンド２４で圧延されたプリストリップはコイル２５としてコイルボックス２６により受け入れられる。
【００３０】
スラブ供給装置２０は、本発明による方法では、製造技術的にスラブ製造ライン４０または５０に無関係に制御される。
【００３１】
鋳造圧延設備はさらに、コイル２５を圧延ライン４の前で第２の仕上げラインIIから第１の仕上げラインIへ移送するコイル移送装置を含んでいる。コイル移送装置は、図面を見やすくするため図示されていない。プリストリップを供給するため、コイル２５はコイルボックス２６から取り出され、圧延ライン４の入口に移送される。コイル２５の供給は矢印２７で示されている。
【００３２】
図面に示されている構成では、コイルボックス２６にコイルを保存するためホールディング炉２１が対応付けられている（両方向矢印２９）。
【００３３】
図示の実施形態はスラブ製造ライン３０によりさらに拡張されている。ここでスラブ製造装置３０はスラブ供給装置２０の前に配置されている。スラブ製造ライン３０は鋳造機３１を含んでおり、そのなかでスラブ２２が鋳造される。これらのスラブ２２はスラブ供給装置２０に直接供給される（ウォームまたはホット装入）。スラブ供給装置２０はスラブ２２を再加熱炉２３に導く（矢印２８）。
【００３４】
図面に示されている実施形態において、それとは異なりスラブ供給装置２０に外部で製造されたスラブを供給することができる（コールド装入）。外部で製造されたスラブの供給は矢印３２により示されている。
【００３５】
スラブ製造ライン３０により製造されたスラブ２２も外部で製造されたスラブも、スラブストック３４において製造技術的にバッファされ（矢印３３または矢印３４）、需要に応じてスラブ供給装置２０に供給され得る（矢印３６、コールド装入）。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明による方法の実施例を説明するための鋳造圧延設備の概要図。
【符号の説明】
【００３７】
I 第１の仕上げライン
II 第２の仕上げライン
１ 鋳造機
２ 薄肉スラブ
３ トンネル炉
４ 圧延ライン
５ 圧延スタンド
６ ホットストリップ
７ 冷却ライン
８ リール
１２ 薄肉スラブ
１３ トンネル炉
２０ スラブ供給装置
３０ スラブ製造ライン
３４ スラブストック
４０、５０ スラブ製造ライン
【０００１】
本発明は鋳造圧延設備の運転方法に関する。
【０００２】
このような鋳造圧延設備においては、スラブはストリップ材料に加工される。公知の鋳造圧延設備は少なくとも１つの鋳造機を含んでおり、そのスラブが中間ストレージなしに少なくとも１つのトンネル炉に供給される。トンネル炉は少なくとも１つの圧延スタンドを有する圧延ライン（仕上げライン）に開口している。圧延ラインにおいてスラブはホットストリップに圧延される。圧延ラインを去った後、圧延されたホットストリップは少なくとも１つの冷却部に導かれ、少なくとも１つのリール上に巻かれる。
【０００３】
鋳造圧延設備はそれによって通常の鋼板生産においては接続を外されるプロセス、スラブ鋳造および熱間圧延、の結合により特徴付けられている。製鋼産業の設備はこうして少なくとも３つの構成要素、すなわち銑鉄から鋼が製造される製鋼ミル、少なくとも１つの鋳造設備（後段に接続されたトンネル炉を有する鋳造機）を有するスラブ製造ラインおよび圧延ライン（仕上げライン）から成っている。最大可能な製造のためには各１つの鋳造ストランドを有する２つの鋳造設備もしくは２ストランド鋳造設備が使用される。
【０００４】
圧延ラインの圧延能力は公知の鋳造設備では時間的に完全に利用され得ない。なぜならば、鋳造機の鋳造能力（鋳造速度及び鋳造断面）が、技術的および質的な問題を避けるために、特定の限界以上には高めることができないからである。このことは、完全な鋳造運転にもかかわらず、鋳造機がスラブを補給し得る速さよりも速く圧延ラインが圧延することを意味する。
【０００５】
公知の鋳造圧延設備の製造能力が制限される別の理由は、２ストランド鋳造設備または２つの鋳造設備が技術的な理由から特定の時点で製造を行うことができず、それにより製造間隙が生ずることにある。利用されない製造間隙はなかんずく分配装置、鋳型またはセグメントの交換のために鋳造機の必要な準備時間、保守作動のための計画されている停止時間、ならびに鋳造作動中の擾乱のための計画されていない停止時間である。このことは、圧延ラインがそもそも圧延し得ないか、もしくは休止時間を長くしてしか圧延し得ないことを意味する。
【０００６】
それによって両スラブ製造ラインは圧延ラインの能力に対して、鋳造圧延設備の減ぜられた年間製造能力につながる生産隘路を形成する。
【０００７】
従って本発明の課題は、ストリップ材料の製造の際のより高いスループットを実現し得る鋳造圧延設備の運転方法を提供することである。
【０００８】
この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を有する方法により解決される。本発明による方法の有利な構成はそれぞれその他の請求項に記載されている。
【０００９】
請求項１による方法は、少なくとも１つのスラブ製造ラインおよび少なくとも１つの圧延ラインならびに製造技術的にスラブ製造ラインと無関係な少なくとも１つのスラブ供給装置を含む鋳造圧延設備を運転するために適している。スラブ製造ラインの製造休止の間に、スラブ供給装置がロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける。
【００１０】
本発明はそれによって鋳造圧延設備の従来利用されなかった圧延休止を、スラブ供給装置を含むモディファイされた設備構成における最適化されたロジスティックな設定により利用する。
【００１１】
本発明は、鋳造圧延設備の拡張された構成の形式に適応されている適切な製造計画方法を提供する。スラブ供給装置により供給されるスラブは、特別に構成された鋳造圧延設備の基本的な構成の変更を必要とせずに、付加的に圧延ラインにおいて圧延される。それによりストリップ材料の製造の際のスループットが顕著に高められ得る。
【００１２】
本発明による方法の有利な構成の枠内で、本発明により製造技術的にスラブ製造ラインと無関係であるスラブ供給装置が、そのスラブをたとえば別のスラブ製造ラインから受けることができる。この別のスラブ製造ラインがスラブ供給装置と一緒にロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける（請求項２による方法）。
【００１３】
別のスラブ製造ラインが、スラブ供給装置と共同してロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ラインへのスラブ供給を引き受ける厚肉スラブ製造ラインとして構成することができる（請求項４による方法）。
【００１４】
本発明による方法は別の有利な構成によれば、そのスラブを、予め製造されたスラブが製造技術的にバッファされるスラブストックから受ける鋳造圧延設備にも適している（請求項５による方法）。
【００１５】
別の薄肉スラブ製造ラインはたとえば、鋳造ストランドおよび圧延ラインに供給するためのトンネル炉内のスラブ走行機構の適切な拡張を有する別の鋳造機から成っていてよい。この構成は、高い鋳造速度に耐える鋼質、すなわち標準鋼、が製造されるべきときに選ばれる。
【００１６】
付加の通常のスラブ製造ラインは、厚肉スラブを少なくとも１つの加熱炉を介して、また少なくとも１つの（可逆）プリスタンドを介して薄肉スラブに圧延し、またこれらをホールディング炉を介して圧延ラインに与える。この構成は、付加のスラブ製造ラインが高い鋳造速度に耐えない鋼質、すなわち例えば特殊鋼、を製造すべきときに選ばれる。それによって、本発明による方法により運転される鋳造圧延設備は高い全年間製造量により標準鋼および特殊鋼を供給することができる。
【００１７】
こうして本発明による方法では、鋳造圧延設備のスラブ供給装置にスラブがロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に相応して供給されることのみが重要である。それによって特に別のスラブ製造ラインの形式は重要ではない。
【００１８】
本発明により、圧延ラインの完全な利用のもとに鋳造圧延設備を作動させるための最適化された製造計画が作成される。
【００１９】
このような製造計画から鋳造圧延設備の個々の設備部分に対する設備計画が導き出され得る。これらは溶融計画および鋳造計画ならびにスラブ装入計画および圧延計画である。
【００２０】
溶融計画により、鋳造圧延設備に対応付けられている少なくとも１つのスチールミルにおける必要な溶融列が、しかも鋳造機に融鉄を適時に供給するための時間的順序を含めて、作成される。
【００２１】
鋳造計画は、各スラブ製造ラインに対する鋳造シーケンス順序、溶融順序およびスラブ順序を含めて、鋳造圧延設備の鋳造機、または別のスラブ製造ラインの通常の鋳造機における薄肉スラブの製造を記述する。
【００２２】
スラブ装入計画は、コールド、 ウォームまたはホットの装入に関係して、別のスラブ製造ラインにおけるスラブの装入を決定する。その際に特に順番および時間的な順序は、鋳造圧延設備において従来は利用されなかった圧延休止時間を利用するために、スラブが適時に圧延ラインに与えられるように計画すべきである。
【００２３】
圧延計画によりすべてのスラブ圧延ラインからのスラブの圧延が、鋳造圧延設備のトンネル炉からのスラブ装入のタクトを含めて、圧延休止時間が別のスラブ製造ラインにより望ましく利用され得るように計画される。さらに、炉のなかのバッファ時間を考慮して、圧延ラインにおいて必要なローラー交換の計画が行われる。
【００２４】
すべての計画ステップにおいて、強制的および柔軟な制約（技術的な規則）を考慮に入れなければならない。その際強制的な制約はあらゆる場合に守られなければならないが、それに対して、柔軟な制約はいわゆるコストファンクションにより最適化され得る。それによって有効かつ実行可能な製造計画が作成されるだけでなく、コスト最適化およびスループット最適化された製造計画が作成される。
【００２５】
本発明による方法の実施例が以下に図面に概要を示されている鋳造圧延設備により詳細に説明される。
【００２６】
図面には符号Iで第１の仕上げラインが示されている。第１の仕上げラインＩは鋳造機１を含んでおり、そのなかで薄肉スラブ２が鋳造される。これらの薄肉スラブ２はトンネル炉３に供給される。鋳造機１およびトンネル炉３は共同してスラブ製造ライン４０を形成する（鋳造設備）。トンネル炉３は、図示されている実施例では６つの圧延スタンド５を有する圧延ライン４に開口している。圧延ライン４において薄スラブ２はホットストリップ６に圧延される。圧延ライン４を去った後に、圧延されたホットストリップ６は冷却ライン７に供給され、リール８に巻かれる。
【００２７】
図に示す鋳造圧延設備においては、第１の仕上げラインIは別の鋳造機１１を含む。この鋳造機１１は製造技術的には鋳造機１に並列に配置されている。鋳造機１１は同様に薄肉スラブ１２を作る。この薄肉スラブ１２はトンネル炉１３に供給され、このトンネル炉１３は第１の仕上げラインI内で製造技術的にはトンネル炉３に並列に配置されている。鋳造機１１及びトンネル炉１３は一緒になってスラブ製造ライン（鋳造設備）を形成し、このスラブ製造ラインは５０で示されている。スラブ製造ライン５０によって作られる薄肉スラブ１２は続いて同様に圧延ライン４に供給される（矢印１４）。
【００２８】
スラブ製造ライン４０および５０は２ストランド鋳造設備を形成する。
【００２９】
少なくとも部分的に製造技術的に第１の仕上げラインIに対して並列に第２の仕上げラインIIが配置されている。第２の仕上げラインIIは、図示されている鋳造圧延設備では、スラブ供給装置２０を含んでいる。このスラブ供給装置２０によりスラブ２２が再加熱炉２３および後段に配置された（可逆）プリスタンド２４に供給され得る。プリスタンド２４で圧延されたプリストリップはコイル２５としてコイルボックス２６により受け入れられる。
【００３０】
スラブ供給装置２０は、本発明による方法では、製造技術的にスラブ製造ライン４０または５０に無関係に制御される。
【００３１】
鋳造圧延設備はさらに、コイル２５を圧延ライン４の前で第２の仕上げラインIIから第１の仕上げラインIへ移送するコイル移送装置を含んでいる。コイル移送装置は、図面を見やすくするため図示されていない。プリストリップを供給するため、コイル２５はコイルボックス２６から取り出され、圧延ライン４の入口に移送される。コイル２５の供給は矢印２７で示されている。
【００３２】
図面に示されている構成では、コイルボックス２６にコイルを保存するためホールディング炉２１が対応付けられている（両方向矢印２９）。
【００３３】
図示の実施形態はスラブ製造ライン３０によりさらに拡張されている。ここでスラブ製造装置３０はスラブ供給装置２０の前に配置されている。スラブ製造ライン３０は鋳造機３１を含んでおり、そのなかでスラブ２２が鋳造される。これらのスラブ２２はスラブ供給装置２０に直接供給される（ウォームまたはホット装入）。スラブ供給装置２０はスラブ２２を再加熱炉２３に導く（矢印２８）。
【００３４】
図面に示されている実施形態において、それとは異なりスラブ供給装置２０に外部で製造されたスラブを供給することができる（コールド装入）。外部で製造されたスラブの供給は矢印３２により示されている。
【００３５】
スラブ製造ライン３０により製造されたスラブ２２も外部で製造されたスラブも、スラブストック３４において製造技術的にバッファされ（矢印３３または矢印３４）、需要に応じてスラブ供給装置２０に供給され得る（矢印３６、コールド装入）。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明による方法の実施例を説明するための鋳造圧延設備の概要図。
【符号の説明】
【００３７】
I 第１の仕上げライン
II 第２の仕上げライン
１ 鋳造機
２ 薄肉スラブ
３ トンネル炉
４ 圧延ライン
５ 圧延スタンド
６ ホットストリップ
７ 冷却ライン
８ リール
１２ 薄肉スラブ
１３ トンネル炉
２０ スラブ供給装置
３０ スラブ製造ライン
３４ スラブストック
４０、５０ スラブ製造ライン
Claims (5)
- 少なくとも１つのスラブ製造ライン（４０、５０）および少なくとも１つの圧延ライン（４）ならびに製造技術的にスラブ製造ライン（４０、５０）と無関係な少なくとも１つのスラブ供給装置（２０）を含む鋳造圧延設備において、スラブ製造ライン（４０、５０）の製造休止の間にスラブ供給装置（２０）が、ロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ライン（４）へのスラブ供給を引き受けることを特徴とする鋳造圧延設備の運転方法。
- 鋳造圧延設備のスラブ供給装置（２０）がそのスラブを、スラブ供給装置（２０）と共同してロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ライン（４）へのスラブ供給を引き受ける別のスラブ製造ライン（３０）から受けることを特徴とする請求項１記載の方法。
- 鋳造圧延設備のスラブ製造ライン（４０、５０）が薄肉スラブ製造ラインとして構成されていることを特徴とする請求項１記載の方法。
- 別のスラブ製造ライン（３０）が、ロジスティックな及び製造技術的な設定、又はそのいずれか一方の設定に従って最大実現可能な範囲まで圧延ライン（４）へのスラブ供給を引き受ける厚肉スラブ製造ラインとして構成されていることを特徴とする請求項２記載の方法。
- 鋳造圧延設備のスラブ供給装置（２０）がそのスラブを、予め製造されたスラブが製造技術的にバッファされるスラブストック（３４）から受けることを特徴とする請求項１記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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