JP2004307453A - 血管新生阻害剤及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の血管新生阻害剤は、ピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなるものであり、望ましくは、ピログルタミン酸がL型であり、ピログルタミン酸誘導体が塩類又はアミド類であり、これらは化学的に合成され、又はアガリクス茸等の茸類から親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒とを用いて抽出される抽出物、精製物として適用できる。又、本発明の組成物は前記血管新生阻害剤を配合してなり、免疫賦活、腫瘍抑制、各種疾病の予防や治療のために飲食品又は医薬品として利用される。
【選択図】なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は血管新生阻害剤及びその利用に関する。より詳細には、担子菌類等から得られるピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤、又、これを配合してなる血管新生を抑制し及び/又は腫瘍を抑制し及び/又は免疫を賦活するための組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血管新生とは、動物の組織又は器官においてプロテアーゼにより血管の基底膜が分解、破壊され、血管内皮細胞が遊走して増殖し、細胞外マトリックスへ接着し、血管内皮細胞が分化して血管腔を形成することにより新しい血管脈が生成する現象をいう。一般に、幼児期や成長期には新たな血管が形成され伸長するが、成長期を過ぎると体内で血管新生が起こる場面は限定される。すなわち、血管新生は黄体形成、排卵、胚発生、胎盤形成等の通常の生理条件下で観察され、損傷の治癒、炎症の修復過程でも起こる。このように、血管新生は健常な状態で発生し、組織の回復に重要な役割を担っているが、糖尿病をはじめ多くの慢性疾患において毛細血管が増加して組織に重篤な損傷をもたらすことも知られている。
【0003】
血管新生が病因になり又は病態の悪化に関与している疾患として、悪性腫瘍の増大や転移、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、炎症性皮膚疾患、関節炎リウマチ、変形性関節症、粥状動脈硬化症、心筋梗塞等の閉塞性疾患等がある。
【0004】
例えば、悪性腫瘍が増殖する際には、腫瘍細胞の増殖に必要な栄養や酸素を得るために腫瘍細胞が自ら血管新生促進因子による血管の新生を誘導し、新生された血管を通して栄養分を得て腫瘍細胞はさらに増殖する。他の臓器や部位への転移も血管新生を誘導し、血流にのって腫瘍細胞が移動する。又、糖尿病性網膜症の場合には、糖尿病による粘性血液よって毛細血管が詰まり障害を受け、網膜に出血や浮腫を生じ、これが慢性化すると網膜は酸素や栄養の不足を起こすため、網膜上や神経系乳頭上に新生血管が発生し、その周囲に繊維組織が形成される。この繊維組織によって網膜が引張り上げられたり(網膜剥離)、網膜の血管が引き裂かれて出血を起こし(硝子体出血)、やがて高度視力障害や失明に至る。
【0005】
このように、血管新生は様々な疾病の発症や進行に深く関与しているため、これら疾病の治療と予防をねらいとして血管新生を抑制する物質の探索がこれまでに数多く行われ、現在も鋭意研究がすすめられている。血管新生を抑制する作用のある物質や薬剤として、硫酸化多糖体(例えば、特許文献1参照)、トラフェルミン、ヘパリン及びステロイド(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)、アスコルビン酸エーテル及びこの関連化合物(例えば、特許文献4参照)、インターフェロンα又はインターフェロンβ(例えば、非特許文献1参照)、チアゾール誘導体(例えば、特許文献5参照)、鮫軟骨エキス(コンドロイチン及びムコ多糖類)(例えば、特許文献6参照)、ストレプトコッカス細菌由来のポリサッカライド(例えば、特許文献7参照)、O−置換フマギロール誘導体(例えば、特許文献8参照)、ネオアガロオリゴ糖(例えば、特許文献9参照)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、これまで血管新生を阻害する作用を示す物質として提案、検討された物質は、その効果が実用的ではない投与条件下での実験結果に基づくものであったり、副作用の懸念があったり、あるいは利用形態において多量に摂取しなければならず、実用面まで考慮するといずれも十分に満足できる効果を発揮し得るものではなかった。このため、血管新生をより強力に阻害し、安全性の点でも懸念のない物質を開発することが求められている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−119500号公報
【特許文献2】
米国特許第4,994,443号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,001,116号明細書
【特許文献4】
特開昭58−131978号公報
【非特許文献1】
シドキー(Sidky)ら,「キャンサー・リサーチ(CancerResearch)」,(米国),1987年,第47巻,p.51
55−5161
【特許文献5】
特公平6−62413号公報
【特許文献6】
特開平10−147534号公報
【特許文献7】
特公平6−62426号公報
【特許文献8】
特許第3120187号公報
【特許文献9】
特許第3071068号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明では、前記疾病の予防や治療に有効利用でき、血管新生を強力に抑制する新規な血管新生阻害剤を提供すること、又、これを産業上有効に活用できる態様の組成物として提供することを課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、多数の植物原料及びそのエキス類と血管新生阻害作用との関連性について鋭意検討を行った結果、ピログルタミン酸類が本発明の所望の効果を顕著に奏することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、ピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤が提供される。又、この血管新生阻害剤を配合してなる、血管新生を抑制し及び/又は腫瘍を抑制し及び/又は免疫を賦活するための組成物、例えば、飲食品や医薬品が提供される。
【0010】
本発明の血管新生阻害剤において、有効成分とするピログルタミン酸(2−ピロリドン−5−カルボン酸)は光学異性体のL体又はDL体が好ましく、L体がより好ましい。又、ピログルタミン酸の誘導体は塩及び/又はアミドであることが好ましい。
【0011】
本発明に係るピログルタミン酸及び/又はその誘導体は、その態様として天然物、その抽出物又は化学的合成物を採用することができるが、とりわけ担子菌類の子実体又は菌糸体、その乾燥粉末、抽出物又は精製物を用いるものがよい。ここで、担子菌類はいわゆる茸類であり、シイタケ、エノキタケ、シメジ、ヒラタケ、アガリクス茸、メシマコブ茸、霊芝、ヤマブシ茸、カワラタケ、ハラタケ、マイタケ、ハナビラタケ、スエヒロタケ、シロキクラゲ、冬虫夏草からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが望ましい。
【0012】
担子菌類の抽出物は、担子菌類から水及び/又は親水性有機溶媒を用い、あるいは、水及び/又は親水性有機溶媒と、疎水性有機溶媒とを用いて抽出されたものが望ましい。ここで、親水性有機溶媒はメタノール、エタノール、アセトン又はプロパノールがよく、疎水性有機溶媒はヘキサン又はクロロホルムが好ましい。
【0013】
本発明によって提供される前述の血管新生阻害剤を配合してなる組成物は、血管新生を抑制するためのものであり、及び/又は腫瘍抑制のためのものであり、及び/又は免疫を賦活するためのものであり、その望ましい態様は飲食品又は医薬品である。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の血管新生阻害剤及びその製造方法について詳述する。本発明の血管新生阻害剤が必須成分として含有するピログルタミン酸及びその誘導体において、ピログルタミン酸(2−ピロリドン−5−カルボン酸)は、グルタミン酸が分子内脱水して環状化した構造を有するものであり、化学的合成法、酵素法、あるいは天然物からの加水分解処理や抽出処理等によって得ることができる。いずれの方法から調製するにしろグルタミン酸の部分はL−グルタミン酸、D−グルタミン酸又はDL−グルタミン酸の光学異性体を対象とすることができるが、本発明の効果の点からL−グルタミン酸又はDL−グルタミン酸が好適であり、更にはL−グルタミン酸が最も好ましい。
【0015】
ピログルタミン酸の誘導体としては塩及び/又はアミドが望ましい。この塩としては塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を例示でき、このうちナトリウム塩や塩酸塩がより好適である。又、本発明のピログルタミン酸誘導体はエステルを対象にすることもでき、水及び/又は親水性有機溶媒に可溶かつ疎水性有機溶媒に不溶の性状を示すものが望ましく、その態様としてメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級一価アルコール類、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のヒドロキシ有機酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ショ糖、グルコース、ガラクトース、マルトース等の糖類との各エステルを例示することができる。
【0016】
又、アミドとしては、各種アミノ酸とりわけ生体蛋白質を構成する中性アミノ酸(アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン)、酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン)、ヒドロキシアミノ酸(セリン、スレオニン)、環状アミノ酸(ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン)、含硫アミノ酸(システイン、シスチン、メチオニン)等とのアミド類が好適であり、前記各種アミノ酸の組合わせからなるペプチドとのアミド類、前記各種アミノ酸とグルコース、ガラクトース等の糖類とからなるアミノ糖とのアミド類も対象にすることができる。
【0017】
ピログルタミン酸及びその誘導体を化学的に合成するには公知の方法に従えばよく、その一例として、L−グルタミン酸と等重量の水とをオートクレーブ中で約130〜150℃程度に加熱処理するとL−ピログルタミン酸が得られ、又、約190〜200℃程度まで強熱するとラセミ化してDL−ピログルタミン酸を得ることができる。又、前記誘導体は、このL−ピログルタミン酸やDL−ピログルタミン酸を出発物質として常法により前記各種誘導体を化学的あるいは酵素的に合成すればよい。
【0018】
本発明に係るピログルタミン酸を天然物から調製するには、動植物や魚介類由来の蛋白質やペプチドを塩酸、プロテアーゼ等により加水分解し、更に分別精製する方法を利用できる。より望ましくは、担子菌類の子実体又は菌糸体を原料として用い、これを乾燥して粉末物となし、あるいは、抽出溶媒を用いて処理して抽出液となし、濃縮液となし、又、この抽出液や濃縮液を乾燥処理して抽出物となし、更には有機溶媒、吸着剤等を用いて分別、分画処理して高濃度の精製物となすことにより可能となる。本発明ではこれらをピログルタミン酸及び/又はその誘導体の好適な態様として利用する。
【0019】
ここで、担子菌類としてはシイタケ、エノキタケ、シメジ、ヒラタケ、アガリクス茸、メシマコブ茸、霊芝、ヤマブシ茸、カワラタケ、ハラタケ、マイタケ、ハナビラタケ、スエヒロタケ、シロキクラゲ、冬虫夏草からなる群から選ばれる1種又は2種以上のものを用いることが望ましい。これらのキノコの子実体はいずれも人工的に栽培され又は多量に収穫されて流通しており、容易に入手可能であり、生のまま、乾燥物、その粉末や抽出エキス等として食用に供されている。また、シイタケ、カワラタケ、スエヒロタケのように抽出物に含まれる多糖体が医薬品として利用されているものもある。本発明では、所望の効果からみて、アガリクス茸、メシマコブ、霊芝、ヤマブシ茸及び冬虫夏草からなる群から選択される1種又は2種以上がより好適であり、アガリクス茸が最も望ましい。
【0020】
アガリクス茸はハラタケ科のキノコで、アガリクス(Agaricus)属に属するものをいい、アガリクス ブラゼイ ムリル(Agaricus blazei Murill)、マッシュルーム(Agaricus bisporus)等を例示できる。前者は多糖体(β−D−グルカン)や多糖蛋白複合体を含み、抗腫瘍作用、血糖低下作用等があることが知られている。メシマコブ(Phellinus linteus)はタバコウロコタケ科のキノコで、その熱水抽出物の多糖体が抗癌作用を示すといわれている。霊芝(Ganoderma lucidum)はサルノコシカケ科のキノコでマンネンタケとも呼ばれ、テルペノイドや多糖体による抗アレルギー作用、抗腫瘍作用、血圧安定化作用、プロテオグリカンによる血糖低下作用等が知られている。ヤマブシ茸(Hericiumerinaceum)はサンゴハリタケ科に属し、ヘテロβ−D−グルカン成分による抗癌作用や活性酸素消去作用が知られている。
【0021】
本発明では、前記担子菌類の子実体は生のままあるいは乾燥物のいずれも原料として使用できるが、取扱い上、保存性及び抽出効率等の点から乾燥物がよい。又、菌糸体は適当な炭素源と窒素源を含む培地を用いて種菌を培養して得られる生あるいは乾燥菌糸体を利用できるが、子実体同様に乾燥物が簡便である。
【0022】
本発明においては、前記担子菌類の子実体又は菌糸体から本発明に係るピログルタミン酸及び/又はその誘導体を製造するために、水及び/又は親水性有機溶媒を用い、あるいは、水及び/又は親水性有機溶媒と、疎水性有機溶媒とを用いて抽出することを特徴とする。疎水性有機溶媒のみによる抽出物では本発明の所望の効果をほとんど発現しない。親水性有機溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール又はアセトンが好ましく、疎水性有機溶媒はヘキサン又はクロロホルムが好ましい。親水性有機溶媒は水との混合物でもよく、親水性有機溶媒及び疎水性有機溶媒の各々は単一物を用いても混合溶媒で使用しても差し支えない。又、両者を混合した形態も好適である。本発明の血管新生阻害剤の有効成分を抽出する上で重要なことは、水及び/又は親水性有機溶媒、あるいはこれと疎水性有機溶媒との混合溶媒を用いて水性成分を主体とする抽出物を得、ついで親水性有機溶媒で水溶性のより高い糖類、アミノ酸等の易溶性成分を分別して除去し、又、疎水性有機溶媒で脂質類等の油性成分を分別除去する点にある。
【0023】
親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒を混合して用いる場合の混合比率(容量比)は、前者/後者=9/1〜1/9、より好ましくは5/1〜1/5、最も好ましくは3/1〜1/1である。前記範囲を外れると本発明の必須成分の抽出効率が低下し又は所望の効果が得られないことがある。抽出溶媒は子実体や菌糸体の乾燥物、抽出物に対して3〜20倍(重量基準)程度用いる。3倍未満では抽出物の収率が低く、逆に20倍を超える多量を使用しても抽出効率がさらに向上することはない。
【0024】
抽出処理は、担子菌類の子実体又は菌糸体と前記抽出溶媒とを接触させ、常圧ないし加圧下、より好ましくは1〜3気圧下で、室温ないし100℃付近で適宜に攪拌しながら又は還流させて約10分〜約10時間抽出することにより抽出液を得ることができる。該抽出液を減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の処理に供して溶媒を除去し、担子菌類の抽出物を調製することができる。また、前記抽出物を親水性有機溶媒及び疎水性有機溶媒で分別処理することによって本発明の必須成分の含量がさらに高められた濃縮物とすることができ、さらにシリカゲル、活性アルミナ、ケイ酸マグネシウム、活性炭、セルロース、イオン交換樹脂等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーに供して分画処理することにより高濃度の精製物を製造することができる。
【0025】
前述のように、化学的合成法又は担子菌類からの抽出法により調製されるピログルタミン酸及び/又はその誘導体、これを含有する抽出液、抽出物、濃縮物及び精製物は、これらをそのまま又は適当な担体、賦型剤、添加物等を併用して本発明の血管新生阻害剤となすことができる。本発明の血管新生阻害剤では、本発明の趣旨に反しないかぎり種々の原料や成分を併用して配合することができ、例えば、通常の食品や医薬品に使用される賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等がよい。又、血管新生を抑制する作用をもつ公知の素材を併用することは本発明の望ましい態様のひとつである。
【0026】
次に、本発明の血管新生抑制及び/又は腫瘍抑制及び/又は免疫賦活のための組成物について説明する。この組成物は、前記のピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤を配合してなることを特徴とするものである。後述するように、本発明の血管新生阻害剤は、これを経口摂取することにより血管新生抑制作用を発現することに加えて、抗腫瘍作用すなわち腫瘍の増殖抑制作用及び転移抑制作用を示し、更には免疫増強作用をも発現する。したがって、かかる血管新生阻害剤は前記作用を有する組成物として活用でき、該組成物の具体的な態様としては飲食品、医薬品、ペットフード、家畜・家禽用飼料等を例示できる。とりわけ飲食品及び医薬品が好適である。
【0027】
この飲食品の態様としては、前記の担子菌類の乾燥粉末、抽出物若しくは精製物等をそのまま又はこれを含む前記血管新生阻害剤を液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食品、例えば、果実飲料、清涼飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ケーキミックス、ふりかけ、味噌、醤油、ドレッシング、マヨネーズ、焼肉のたれ等の調味料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ジャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー等に添加した形態となすことができる。
【0028】
また、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉又はその加工素材、セルロース末等の賦形剤、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白質、糖質、色素、香料、その他の前記食用添加剤等と共に粉末、顆粒、ペレット、錠剤等に加工したり、ゼラチン等で被覆してカプセルに成形したり、あるいはドリンク類にして、栄養補助食品や健康食品として利用できる。このとき、血管新生阻害作用を有する公知の食用素材を併用した組成物は好適である。なお、本発明の飲食品は極めて多種類の形態にわたり、前記の例示に限定されるものではないが、前記の栄養補助食品や健康食品の形態が望ましい。
【0029】
本発明では、飲食品における本発明の血管新生阻害剤の配合量は、当該飲食品の種類、形態、利用目的や配合する血管新生阻害剤の種類、形態等により一律に規定し難いが、一般の加工食品類に添加する場合では、ピログルタミン酸ベースで概ね0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。この範囲を外れて少ないと経口摂取による本発明の所望効果が小さく、逆に多すぎると飲食品の種類によっては風味を損ねたり、当該飲食品を調製することが不可能になる場合がある。なお、本発明の血管新生阻害剤はそのまま食用に供しても差し支えない。
【0030】
本発明の医薬品としての態様は、前記の血管新生阻害剤に本発明の趣旨に反しない公知の賦形剤や添加剤を必要に応じて加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等の製剤となしたものである。これを経口投与あるいは経腸投与、血管投与又は皮内投与して、血管新生の抑制、腫瘍の抑制、免疫賦活のうちの少なくとも1つの作用効果を発現させるために利用でき、及び血管の新生、腫瘍の増殖や転移、免疫能の低下等にともなう各種疾病の予防又は治療のために適用する。本発明の血管新生阻害剤の配合量はその形態や前記医薬用製剤の種類、形態、用法及び用量等により一律に設定し難いが、ピログルタミン酸ベースで概ね0.01〜70重量%である。経口投与する場合の摂取量は特に限定されるものではないが、ピログルタミン酸をベースとして、成人(体重50Kg)1日あたり0.01〜20g、より好ましくは0.1〜10gである。この範囲を外れて少ないと所望の効果が低下し、逆に多すぎても更に顕著な効果を期待できない。
【0031】
【実施例】
実施例1
アガリクス茸(アガリクス ブラゼイ ムリル)の乾燥子実体を粗砕し、クロロホルム/メタノール=1/1混液を加えて50℃に加温して1時間抽出処理し、クロロホルム/メタノール=1/1抽出物を得た。該抽出物にメタノールを加えてマンニトールを含むメタノール不溶物を除きメタノール可溶部を分取し、このメタノール可溶部にさらにヘキサンを添加してヘキサン不溶部(試料1)を採取した。次に、ヘキサン不溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(silanised Silicagel 60 PF254:Merck 7751、水/メタノール=7/3)に供してニンヒドリン反応陽性画分(フラクションNo.5、6)を分取した。ついで、該画分をHPLC(Shimadzu LC−8Aシステム:Shimpak PREP−ODS(M)、カラム:20φ×250mm、Shimadzu、RT、6ml/min、水/メタノール=5/1)に供してニンヒドリン反応陽性画分(Rt=6〜12min)を分取した。更に該画分をHPLC(Shimadzu LC−8Aシステム:Shimpak PREP−ODS(M)、カラム:20φ×250mm、Shimadzu、RT、6ml/min、水)に供してニンヒドリン反応陽性画分(Rt=8〜22min)を分取した。このニンヒドリン反応陽性画分を更にTLC(Silicagel 60 PF254:Merck 7747、水/メタノール=1/100)に供して精製し、次の物質が含まれていることを確認した。
【0032】
すなわち、TLC(Silicagel 60、プレコートTLC: Merck 5715、水/メタノール=1/100)分析の結果、アラニン(Rf=0.27付近、ニンヒドリン陽性)、プロリン(Rf=0.20付近、ニンヒドリン陽性)、ガンマアミノ酪酸(Rf=0.15付近、ニンヒドリン陽性)及び未知物質(Rf=0.40付近、ニンヒドリン陰性)が49:5:25:21(重量比)の割合で存在することを認めた。次いで、該未知物質をNMRスペクトル分析(装置:Varian Unity Inova 500)及び質量スペクトル分析(装置:日立製作所(株)製、M−4000H)に供し、1H−NMRスペクトル(δppm,D2O):2.09、2.39(それぞれ1H,m,H−3)、2.50(2H,m,H−4)、4.22(1H,dd,J=5.2及び9.0Hz)であり、13C−NMRスペクトル(δ ppm,D2O):184(COOH又は−C=O−)、182(−C=O−)、57(−CH−)、32(−O=C−CH2−)、28(−CH2−CH2−)であり、質量スペクトル(m/z):42、84及び129(M+)である結果を得た。又、旋光分散(ORD)スペクトル分析(日本分光(株)製、ORD/UV−
から、前記未知物質をL−ピログルタミン酸と同定した。
【0033】
実施例2
10リットル容培養装置を用い、グルコース:5重量%、酵母エキス:0.5重量%、ポリペプトン:1.5重量%を含む培地で、メシマコブの種菌培養液(1リットル)を26℃にて7日間、通気(2vvm)しながら撹拌(150rpm)培養して培養菌糸体(200g)を採取した。これを乾燥及び粉砕処理して菌糸体粉末とし、ヘキサン/エタノール/水=3/4/1混合溶媒を加え40℃に加温して30分間抽出処理して可溶物(試料2)を得た。該可溶物を更にエタノールで分別処理してエタノール可溶部を分取し、該エタノール可溶部をヘキサンで分別処理してヘキサン不溶部を採取した。ついで、実施例1と同様にシリカゲルカラムクロマトグラフィ、HPLC、TLCによる分画・精製処理を行い、質量分析及びNMR分析等の結果からL−ピログルタミン酸の存在を確認した。
【0034】
実施例3
常法によりL−ピログルタミン酸ナトリウムを調製した。すなわち、撹拌機付きフラスコに30重量%L−ピログルタミン酸水溶液を仕込み、室温でゆるやかにかきまぜながら0.5N水酸化ナトリウム水溶液をPH変動がなくなるまで添加し、ついで塩析処理した後、乾燥してL−ピログルタミン酸ナトリウム(試料3)を得た。
【0035】
実施例4
実施例3において、原料のL−グルタミン酸をDL−グルタミン酸に置換えることを除き同様に処理し、DL−ピログルタミン酸ナトリウム(試料4)を調製した。
【0036】
実施例5
アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体を粗砕して水を加え、常法により80〜95℃で熱水抽出処理し、該抽出液を減圧下に乾燥処理してアガリクス茸熱水抽出物を調製し、該抽出物の40重量%水溶液に3倍(重量)のエタノールを加えて混合した後エタノール層を採取し、減圧乾燥してエタノール可溶物を得、該可溶物を5倍(重量)のヘキサンで洗浄後減圧乾燥してヘキサン不溶物(試料5)を調製した。
【0037】
比較例1
アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体を粗砕して水を加え、常法により80〜95℃で熱水抽出処理し、該抽出液を減圧下に乾燥処理して市販品に相当するアガリクス茸熱水抽出物(比較試料1)を調製した。
【0038】
試験例1
本発明に係るピログルタミン酸、その誘導体、これらを含有する各種加工処理物の血管新生阻害作用を、Passanitiらの方法(LaboratoryInvest.、第67巻、第519頁〜第528頁、1992年)により、マトリゲルTM マトリックス(MATRIGELTM matrix、Becton Dikinson Labware社製、細胞培養基材、以下MATRIGELと略記する。)によって誘導される血管新生の度合いから調べた。
【0039】
すなわち、5週齢のC57BL/6雌性マウス(日本チャールスリバー(株)から購入)を1週間予備飼育後、健常なマウス(1群5匹)を用い、以下に示す試験物を前記マウスの腹部皮下に冷却しながら0.5mlずつ移植し、移植後6日目にMATRIGELを取り出して血管新生の状態を観察した。又、それを凍結乾燥して重量を測定した。更に、取り出したMATRIGELに純水1mlを加え、ポリトロンでホモジネートして2000rpmで5分間遠心分離した後、上清を0.2μmのフィルターで濾過し、ヘモグロビン−テストワコーTM (和光純薬(株)製)を用いてヘモグロビン量を測定した。
【0040】
・通常群:Matrigel
・対照群:Matrigel+ヘパリン(64ユニット)+酸性線維芽細胞増殖因子(以下、a−FGFと略す。)(1ng/ml)
・試験物添加群1:対照群の組成物+試料3(800μg/ml)
・試験物添加群2:対照群の組成物+試料3(400μg/ml)
・試験物添加群3:対照群の組成物+試料3(200μg/ml)
・試験物添加群4:対照群の組成物+試料4(800μg/ml)
・試験物添加群5:対照群の組成物+試料1(600μg/ml)
・試験物添加群6:対照群の組成物+試料2(800μg/ml)
・試験物添加群7:対照群の組成物+試料1及び試料3(各200μg/ml)
・試験物添加群8:対照群の組成物+試料5(600μg/ml)
・試験物添加群9:対照群の組成物+比較試料1(800μg/ml)
【0041】
試験結果を表1に示した。表中の数値はn=5、平均値±標準誤差で表示した。同表から明らかなように、対象群では通常群と比較して、血管新生が著しく促進され、MATRIGELの重量及びヘモグロビン量が増加した。これに対して、試験物添加群では、試料3(L−ピログルタミン酸塩)のとき濃度依存的にMATRIGELの重量及びヘモグロビン量の増加が抑えられ、血管新生が抑制されることが認められ、試料4(DL−ピログルタミン酸塩)でもやや低いが同様の血管新生抑制作用が認められた。又、試料1(アガリクス茸抽出物の精製物)、試料2(メシマコブの抽出物)でも強力な血管新生抑制効果があることが明らかになった。なお、比較試料1(アガリクス茸の熱水抽出物)では血管新生抑制効果は小さかった。又、アラニン、プロリン及びガンマアミノ酪酸についても同様に血管新生阻害作用の有無を試験したが、これらの物質には血管新生阻害作用は認められなかった。
【0042】
【表1】
【0043】
試験例2
本発明に係わる各種試料について、腫瘍の増殖抑制作用及び転移抑制作用を以下の方法で試験し評価した。すなわち、理化学研究所から分譲を受けたルイス肺癌(以下、LLCと略す。)細胞をリン酸・生理食塩緩衝液(pH7.4)に懸濁させた。一方、6週齢のC57BL/6J雌性マウス(日本クレア(株)から購入。)を1週間予備飼育後、健康なマウス(1群8匹)をネンブタール麻酔下に小切開を加え、脾臓を露出させてLLC細胞懸濁液(LLC細胞数:1×105)を注入した後、直ちに小切開を縫合した。LLC細胞移植12時間後から、アガリクス茸抽出物(試料1)100mg/Kg(体重)又は300mg/Kg(体重)を1日1回、30日間連続して経口投与した。正常群及び対照群(LLC担癌マウス)には試料1の代わりに蒸留水を投与した。この試験期間中、癌細胞の増殖度は3〜5日毎に癌組織容積量(長径×短径2/2で算出)を測定した。癌移植後31日目に各群のマウスをエーテル麻酔下、ヘパリン加静脈採血し、血中の白血球数、赤血球数及びヘモグロビン量を血球コールカウンターで測定し、又、マウスを採血屠殺後、癌組織、肝臓、肺、脾臓及び胸腺を摘出して各組織の重量を測定し、併せて肺組織に転移した癌細胞コロニー数を実体顕微鏡下で計測した。
【0044】
LLC細胞移植マウスにおける腫瘍組織の容積量を表2に、癌組織及び各臓器の重量を表3に、又、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン量及び肺への転移コロニー数を表4にそれぞれ示した。なお、各表中の数値は平均値±標準誤差で示し、有意差検定はFisher‘s Protect LSD Testで実行してP<0.05を有意差とした。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
表2のデータから、LLC細胞の移植により腫瘍の容積は、対照群(担癌マウス)では経時的に増大するが、試験物(試料1:ピログルタミン酸を含むアガリクス茸抽出物)を経口摂取させた群では濃度依存的に増加が阻害されており、LLC細胞の増殖が抑制されていることが明らかになった。
【0049】
表3から、腫瘍の重量は、試験物の摂取によって明らかに増加が抑制されており、最終体重及び脾臓を除く各臓器の重量は、正常群、LLC細胞移植群(対照群)及び試験物投与群間において有意な差異は認められなかった。脾臓重量は、対照群では増加するが、試験物投与群では増加の抑制が認められ(P<0.05で有意差あり)、試験物(試料1)の経口摂取によりLLC細胞の増殖抑制を裏付ける知見を得た。
【0050】
表4のデータから、白血球数は、対照群では正常群に比べて有意に増加するが、試験物投与群との間では有意差は認められなかった。赤血球数及びヘモグロビン量は、対照群において著しく低下して貧血状態を示したが、試験物投与群では有意に増加し(P<0.05)、アガリクス茸抽出物(試料1)の経口投与によって貧血状態が正常付近まで回復したことが明らかになった。又、肺臓におけるLLC細胞の転移コロニー数は、対照群と比較して試験物投与群で有意に減少しており、ピログルタミン酸を含有するアガリクス茸抽出物(試料1)の経口摂取により癌細胞の転移が抑制されることを認めた。
【0051】
試験例3
本発明に係わる試料について免疫機能に及ぼす影響を以下の方法で試験し評価した。すなわち、試験例2で摘出した脾臓から脾細胞を分離し、該脾細胞をリンパ球分離液(大日本製薬(株)製「リンパ球分離溶液」)に重層し、2000rpmで30分間遠心分離してリンパ球を分離した。又、混在する赤血球は低張溶液で処理し除去した。次に、リンパ球数を計測し、1×106 細胞数/100μLに調整し、各種細胞表面抗原の抗体(大日本製薬(株)製の「CD4、抗マウス、FITC標識」、「CD8、抗マウス、FITC標識」及び「NK1.1、抗マウス、R−PE標識」)10μLを加え、4℃で30分間反応させた後、リン酸緩衝液(和光純薬(株)製、生化学分析用試薬)で2回洗浄し、該リン酸緩衝液を加えて1mLとしフローサイトメトリーを用いてCD4+、CD8+及びNK1.1+T各細胞数を測定した。この結果を表5に示した。
【0052】
【表5】
【0053】
表5のデータから、脾臓中のリンパ球数は、対照群(担癌マウス)において、正常群と比較して有意に低下したが、試験物投与群ではこの低下が抑制された。又、脾臓中のCD4+T細胞及びCD8+T細胞も、対照群では正常群と比べて有意に低下したが、試験物(試料1)の摂取により両細胞数の減少が阻害され、NK1.1+T細胞数が増加することが認められた。これらの知見から、ピログルタミン酸を含むアガリクス茸抽出物の経口摂取により免疫機能が増強されることが明らかになった。
【0054】
実施例6
試料5:ウーロン茶葉粉末:グアバ葉熱水抽出物=3:2:1(重量比)からなる本発明の血管新生阻害剤10Kgを化工澱粉(松谷化学(株)製、商品名:「パインフロー」)7.0Kg、第三リン酸カルシウム0.5Kg、ビタミンB10.4Kg、ビタミンB20.4Kg、ビタミンB60.5Kg及びビタミンC1.2Kgとともに配合機に仕込み10分間攪拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給して1粒あたり直径7mm、高さ4mm、重量150mgのタブレットを作成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコーティングして錠剤形状の食品を試作した。この錠剤は、体内の免疫力を高めたり、糖尿病や癌等の生活習慣病の予防を目的として利用できる。
【0055】
実施例7
家庭用ホイッパーにバター120g、ショートニング100g、上白糖100g及び牛乳100mLを入れ、攪拌しながら鶏卵1個を加えて十分に混合した後、薄力粉200g、ベーキングパウダー2gとともに試料1:試料2:試料3=2:2:1(重量比)の混合物からなる本発明の血管新生阻害剤30gを添加して十分に捏ねあわせた。これを30分間ねかせた後、金型で50個に分割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
【0056】
実施例8
市販の野菜ジュース1Lに、試料3:試料5:葡萄種子エキス(インターヘルス社製、商品名:「アクティビン」)=1:2:1(重量比)からなる本発明の血管新生抑制剤20gを加えて混合し、体内組織の酸化防止、悪性腫瘍、関節リウマチ、糖尿病等の予防のための野菜ジュースを試作した。これは原料に用いた野菜ジュースと比較して何ら遜色のない風味を有していた。
【0057】
実施例9
試料1/試料5=1/1(重量比)の混合物100Kg、イチョウ葉エキス20Kg、鮫軟骨エキス30Kg、ミツロウ10Kg及びコーン油140Kgの割合の原料を80℃に加温しながら十分に混合して均質な混合物とした。これをカプセル充填機に供給して1粒内容量が250mgのゼラチン被覆カプセル製剤を試作した。この製剤は経口摂取が可能な食用組成物(飲食品)又は医薬用組成物(医薬品)として利用できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤が提供される。ここで、ピログルタミン酸がL型であり、ピログルタミン酸誘導体が塩又はアミドであり、ピログルタミン酸及び/又はその誘導体が化学的合成物や、アガリクス茸、メシマコブ等の担子菌類の子実体又は菌糸体から得られる抽出物であるとき、さらに顕著な血管新生阻害効果を発現する。又、本発明によれば、前記血管新生阻害剤による抗腫瘍作用及び免疫賦活作用が確認され、これを配合してなる組成物が提供される。該組成物は生体免疫機能の増強や病因となる血管新生をともなう各種疾病の治療や予防のための医薬品、飲食品等として利用できる。
Claims (8)
- ピログルタミン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有してなる血管新生阻害剤。
- ピログルタミン酸の誘導体が塩及び/又はアミドである請求項1に記載の血管新生阻害剤。
- ピログルタミン酸及び/又はその誘導体が担子菌類の子実体又は菌糸体、その乾燥粉末、抽出物又は精製物を用いるものである請求項1又は2に記載の血管新生阻害剤。
- 担子菌類がシイタケ、エノキタケ、シメジ、ヒラタケ、アガリクス茸、メシマコブ茸、霊芝、ヤマブシ茸、カワラタケ、ハラタケ、マイタケ、ハナビラタケ、スエヒロタケ、シロキクラゲ、冬虫夏草からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項3に記載の血管新生阻害剤。
- 担子菌類の抽出物が担子菌類から水及び/又は親水性有機溶媒を用いて、あるいは、水及び/又は親水性有機溶媒と、疎水性有機溶媒とを用いて抽出されたものである請求項3又は4に記載の血管新生阻害剤。
- 親水性有機溶媒がメタノール、エタノール、アセトン又はプロパノールであり、疎水性有機溶媒がヘキサン又はクロロホルムである請求項5に記載の血管新生阻害剤。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の血管新生阻害剤を配合してなる血管新生抑制及び/又は腫瘍抑制及び/又は免疫賦活のための組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の血管新生阻害剤を配合してなる飲食品又は医薬品。
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