JP2001172193A - 抗酸化性組成物およびその製法 - Google Patents

抗酸化性組成物およびその製法

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JP2001172193A
JP2001172193A JP35518499A JP35518499A JP2001172193A JP 2001172193 A JP2001172193 A JP 2001172193A JP 35518499 A JP35518499 A JP 35518499A JP 35518499 A JP35518499 A JP 35518499A JP 2001172193 A JP2001172193 A JP 2001172193A
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ethanol
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methanol
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Akira Misaki
旭 三崎
Mariko Misaki
万里子 三崎
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TAIAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 抗酸化活性を有する成分を含有するハラ
タケ属(Agaricus)に属する担子菌、特にそれらの子実
体をエタノール、クロロホルム、クロロホルム・メタノ
ール混液などで抽出して、下記の特性を有する抗酸化性
組成物を得る。 i)溶解性:冷水には難溶であるが、30重量%以上の
エタノール、30重量%以上のメタノール、クロロホル
ム、クロロホルム・メタノール混液、酢酸エチルに溶解
する。 ii)紫外部での吸収特性:265nm付近に極大吸収が
存在する。 iii )シリカゲルの薄層クロマトグラフィーのRf値が
0.85〜0.92である。 iv)抗酸化活性を有する。 【効果】 抗酸化機能によって食品の保存、あるいは有
毒な活性酸素の生成を抑制して免疫機能の強化などを促
進し、ヒトの健康を保持する機能性食品としての利用に
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗酸化活性を有す
る成分を含有するハラタケ属(Agaricus)に属する担子
菌から得られる抗酸化活性を有する抗酸化性組成物およ
びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの植物食品に含まれるビタミンC、
α−トコフェロール、カロチノイドなどのビタミンおよ
びその前駆体の抗酸化作用はよく知られている。最近で
は緑茶のカテキン、赤ワインのクエルセチンや大豆のイ
ソフラボンなど、多様なポリフェノール系化合物の強い
抗酸化作用が、生体細胞の老化、動脈硬化や癌化をイニ
シエートする活性酸素の消去または抑制に効果的である
ことがわかり注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、高等植
物以外の食品素材、特に生体の免疫機能を促進するとい
われている食用茸類のもつ潜在的な生理機能に着目して
種々研究を行い、抗酸化活性を有する抗酸化性組成物お
よびその製法を開発すべく鋭意研究をした。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、アガリクス茸
として知られるアガリクス(Agaricus blazei )、特に
その子実体から抽出した画分が強い抗酸化活性を有する
ことを発見し、この知見に基づいてさらに鋭意研究の結
果、本発明を完成するに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明は、抗酸化活性を有する
成分を含有するハラタケ属(Agaricus)に属する担子
菌、特にそれらの子実体から得られる下記の特性を有す
る抗酸化性組成物である。 i)溶解性:冷水には難溶であるが、30重量%以上の
エタノール、30重量%以上のメタノール、クロロホル
ム、クロロホルム・メタノール混液、酢酸エチルに溶解
する。 ii)紫外部での吸収特性:265nm付近に極大吸収が
存在する。 iii )シリカゲルの薄層クロマトグラフィーのRf値が
0.85〜0.92である。 iv)抗酸化活性を有する。
【0006】また、本発明は、抗酸化活性を有する成分
を含有するハラタケ属(Agaricus)に属する担子菌、特
にそれらの子実体の終濃度30〜90重量%のエタノー
ル抽出画分を濃縮した後、この濃縮物から終濃度75重
量%以上のエタノールの不溶物を除去する工程を有する
抗酸化性組成物の製法である。
【0007】さらにまた、本発明は、抗酸化活性を有す
る成分を含有するハラタケ属(Agaricus)に属する担子
菌、特にその子実体をクロロホルムまたはクロロホルム
・メタノール混液で抽出する工程を有する抗酸化性組成
物の製法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において「ハラタケ属(Ag
aricus)に属する担子菌」とは、担子菌門(Basidiomyc
ota )菌蕈類(Hymenomycetes )ハラタケ目(Agarical
es)ハラタケ科(Agaricaceae )ハラタケ属(Agaricu
s)に属する担子菌をいい、抗酸化活性を有する成分を
含有するものであれば特に制限はない。特にアガリクス
(Agaricus blazei )が好適に使用される。また、アガ
リクス(Agaricus blazei )の類縁体も好適に使用さ
れ、類縁体としては、例えばAgaricus bioporus (マッ
シュルーム)、Agaricus arvensis (シロハラタケ)、
Agaricus augustus など毒性のない、または毒性の少な
い食用のアガリクス茸等が好ましいものとして挙げられ
る。以下、本発明で使用される、抗酸化活性を有する成
分を含有するハラタケ属(Agaricus)に属する担子菌
を、単に「本ハラタケ属担子菌」と呼ぶこともある。
【0009】本発明の組成物の原料となる「本ハラタケ
属担子菌」は、抗酸化活性を有する成分を含有している
限りはその状態は特に限定されず、生、凍結状態はもと
より、乾燥させ粉砕または粉末化したものも用いること
ができ、好適には凍結乾燥させた子実体を粉砕または粉
末化したものが使用される。
【0010】本発明の抗酸化性組成物は、エタノー
ル、メタノール等のアルコールを使用する方法、他の
有機溶媒を用いる方法によって、本ハラタケ属担子菌、
特にそれらの子実体から抽出される。
【0011】エタノール、メタノール等のアルコール
を使用する方法:本ハラタケ属担子菌、特にそれらの子
実体に終濃度30〜90重量%のエタノール、メタノー
ル等のアルコールを加え攪拌抽出した後、沈澱物を除去
し、上清画分を得ることによって、本発明の組成物を含
有するアルコール抽出画分を得る。
【0012】上記アルコール抽出を行う場合、終濃度3
0〜90重量%、好ましくは60〜70重量%のエタノ
ール、メタノール等のアルコールを用いて、通常15〜
90℃、好ましくは50〜60℃程度にて数時間〜約1
0日間程度抽出を行う。
【0013】また、上記の方法で抽出後に、約90重量
%のエタノール等のアルコールを加えるなどして、アル
コールの終濃度を35〜50重量%とし、さらに50〜
60℃にて20分間程度加熱しても良く、これにより本
発明の抗酸化性組成物が効果的に抽出され得る。
【0014】食用または飲用としての観点から、上記の
アルコール抽出の後に、さらに15〜30℃、好ましく
は常温(15〜25℃)で、数時間〜10日間程度、終
濃度30〜90重量%のアルコールで抽出を行う。抽出
は静置または攪拌のいずれの状態でも行い得るが、適度
に攪拌しながら抽出するのが好ましい。
【0015】得られた抽出懸濁液をチーズ・クロス、濾
紙またはフィルタープレス濾過機等により濾過して不溶
物を取り除いて粗製物を含む上清画分を得、この上清画
分を濃縮し、必要に応じて遠心分離(3,000 〜8,000 回
転、10〜20分間)を行って濃縮物を得る。濃縮は固
形分含量が85〜98重量%となるように行う。好まし
くは凍結乾燥させて、凍結乾燥物を得る。なお、本発明
においては、本凍結乾燥物を濃縮物の概念に含めるもの
とする。
【0016】次に、濃縮物(凍結乾燥物を含む。)を再
び終濃度75重量%以上、好ましくは終濃度85重量%
以上のエタノール等のアルコール(15〜25℃)に溶
解し、不溶物を濾紙または遠心分離などにより除去す
る。このようにして精製された画分は、シロップ様の粘
稠物として得られる。なお、アルコールとしては無水ア
ルコール、含水アルコールの両者を包含する概念であ
る。
【0017】他の有機溶媒を用いる方法:本発明の組
成物は、上記のアルコールを使用する方法に代えて、
他の有機溶媒を用いても調製することができる。アルコ
ール以外の他の有機溶媒としては、クロロホルム、クロ
ロホルム・メタノール混液(例えば容量比2:1)、酢
酸エチルなどが挙げられる。
【0018】本ハラタケ属担子菌、特にそれらの乾燥子
実体10gに対して、他の有機溶媒300〜600ml
を用い、使用する有機溶媒の沸点以下の温度にて、好ま
しくは常温(15〜25℃)にて抽出を行う。
【0019】さらに、得られた抽出物を水で洗って水溶
性の不純物を除いた後、適当な脱水剤、例えば無水炭酸
ナトリウム、無水硫酸ナトリウムなどを加えて脱水し、
脱水物から溶媒を減圧下に除去することにより精製する
ことができる。
【0020】さらに必要ならば、この精製物中に少量存
在する、有機溶媒に可溶な不純物をシリカゲルカラムま
たは薄層クロマトグラフィーにより可及的に除去するこ
とができる。
【0021】この他の有機溶媒を用いる方法は、上記
のアルコールを使用する方法と組み合わせてもよく、ア
ルコール抽出により得られたシロップ様の粘稠物をさら
に、この他の有機溶媒を用いる方法によって精製する
ことができる。望ましい方法を例示すると、のアルコ
ールを使用する方法により得られた粘稠物に対して10
〜20倍容量のクロロホルム・メタノール混液(例えば
容量比2:1)またはクロロホルムで抽出(10〜25
℃)する。この抽出物を水洗し脱水し(例えば、無水炭
酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等を使用)、脱水物から
溶媒を減圧下に除去することにより精製することができ
る。
【0022】さらに必要ならば、この精製物中に少量存
在する、クロロホルム可溶不純物(リノール酸など)を
シリカゲルカラム(ワコーゲルC−100など)または
薄層クロマトグラフィー(Kieselgel 60 F254 、メルク
社製など)により可及的に除去することができる。
【0023】以上の通り、本発明の抗酸化性組成物は、
メタノール、クロロホルム、クロロホルム・メタノール
混液などのエタノール以外の有機溶媒により抽出され得
るが、本発明の抗酸化性組成物を食用に供し、または食
品加工もしくは薬用材料として供するなどの用途を考慮
すれば、抽出に用いる有機溶媒としてはエタノールが望
ましい。
【0024】かくして得られた本発明の抗酸化性組成物
は、下記の特性を有する。 i)溶解性:冷水には難溶であるが、30重量%以上の
エタノール、30重量%以上のメタノール、クロロホル
ム、クロロホルム・メタノール混液(例えば容量比2:
1)、酢酸エチルに溶解する。
【0025】ここで、「溶解性」とは、抗酸化性組成物
を溶媒中に入れ、20±5℃(但し、冷水は下記の温度
のものをいう)で5分毎に強く30秒間振り混ぜると
き、30分以内に溶ける度合いをいう。抗酸化性組成物
1gを溶かすのに要する溶媒の量が1000ml以上を
「難溶」、100ml未満を「溶解する」と定めた。
「冷水」は15℃以下の水をいう。
【0026】ii)紫外部での吸収特性(抗酸化性組成物
の0.01w/v %メタノール溶液を比色計で測定):2
65nm付近に極大吸収が存在する。紫外部での吸収特
性は通常使用される比色計を用いて測定することが可能
である。
【0027】iii )シリカゲルの薄層クロマトグラフィ
ーのRf値が0.85〜0.92である。展開剤にはク
ロロホルム:メタノール:水=65:25:4を用い
る。発色剤には20w/v %モリブドリン酸エタノール溶
液を用い、これを噴霧して120℃、5分間加熱して発
色させる。シリカゲルの薄層クロマトグラフィーのRf
値は、日本薬局方に規定される薄層クロマトグラフ法に
準じて求められる。
【0028】iv)抗酸化活性を有する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例および試験例によって
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0030】実施例1 国内産のアガリクス茸の凍結乾燥標品26.6g(生茸
320gに相当)をブレンダーで粉砕して、これに75
重量%エタノール700mlを加え15℃〜25℃で一
晩攪拌した。得られたアルコール抽出液を濾過して、多
糖類およびタンパク質等を含む不純物を除き、透明なア
ルコール溶液を減圧濃縮して褐色のシロップ状の無水濃
縮物8.25gを得た。
【0031】これに95重量%メタノール300mlを
加え一晩20〜25℃で攪拌した。そのときにできる結
晶状沈澱を濾過によって除去し、その濾液を再度濃縮し
て、抗酸化性組成物4.95gを得た。
【0032】実施例2 生のアガリクス茸5本(500g、水分85重量%)を
蒸留酒(エタノール濃度35〜45重量%)1リットル
に浸して、20〜25℃で2ヶ月間保存した後、これよ
り100ml採取しシロップ状に濃縮して、75重量%
エタノールに溶解した。これを濾紙にて濾過して、得ら
れた濾液を再度濃縮することにより、約100mgの抗
酸化性組成物が得られた。
【0033】実施例3 実施例1で得たアルコール画分(抗酸化性組成物)に2
00mlのクロロホルムを20〜25℃で加え超音波方
法で短時間(5分間)処理し、可及的に溶解させた。こ
のクロロホルム抽出液に1/3容量の水を加えて、よく
振盪した後クロロホルム層に無水炭酸ナトリウムを加え
て脱水し、クロロホルム溶液を減圧下に20〜25℃で
濃縮することによって可及的に精製された抗酸化性組成
物を得た(約250mg)。この抗酸化性組成物は、元
素分析によれば、炭素、水素および酸素からなることが
分かった(炭素57.65%、水素10.65%、酸素
31.7%)。
【0034】実施例4 アガリクス茸の凍結乾燥物(9.8g)を粉末化し、こ
れに200mlのクロロホルム・メタノール混液(2:
1の容量比)を加え、20〜25℃で1時間振盪下に抽
出した。抽出液に無水炭酸ナトリウムを加えて脱水し
た。脱水液を減圧下に20〜25℃で濃縮することによ
って可及的に精製された抗酸化性組成物を得た(約60
mg)。
【0035】実施例5 実施例4のクロロホルム・メタノール混液(2:1の容
量比)の抽出で得られた抗酸化性組成物を水洗によって
精製して、水溶性不純物を除いた。
【0036】実施例1〜5で得られた抗酸化性組成物に
ついて以下の特性を確認した。
【0037】試験例1(抗酸化性組成物の溶解性) i)冷水に対する溶解性:抗酸化性組成物100mgに
対して100mlの水(10℃)には溶解せず、難溶で
あった。
【0038】ii)70重量%のエタノールに対する溶解
性:抗酸化性組成物100mgに対して20mlの70
重量%エタノール水溶液(20℃)で溶解した。
【0039】iii )70重量%のメタノールに対する溶
解性:抗酸化性組成物100mgに対して15mlの7
0重量%メタノール水溶液(20℃)で溶解した。
【0040】iv)クロロホルムに対する溶解性:抗酸化
性組成物100mgに対して25mlのクロロホルム
(20℃)で溶解した。
【0041】v)クロロホルム・メタノール混液(2:
1の容量比)に対する溶解性:抗酸化性組成物100m
gに対して25mlのクロロホルム・メタノール混液
(20℃)で溶解した。
【0042】vi)酢酸エチルに対する溶解性:抗酸化性
組成物100mgに対して25mlの酢酸エチル(20
℃)で溶解した。
【0043】試験例2(抗酸化性組成物の紫外部での吸
収特性) 紫外部での吸収特性(抗酸化性組成物の0.01w/v %
メタノール溶液を比色計で測定):いずれも265nm
付近に極大吸収が存在した。
【0044】試験例3(抗酸化性組成物の薄層クロマト
グラフィー) シリカゲルの薄層クロマトグラフィーのRf値は0.8
5〜0.92であった。展開剤にはクロロホルム:メタ
ノール:水=65:25:4を用いた。発色剤には20
w/v %モリブドリン酸エタノール溶液を用い、これを噴
霧して120℃、5分間加熱して発色させた。薄層プレ
ートとしては、Kieselgel 60 F254 (メルク社製)を使
用した。蛍光発色のスポットの位置からカテキン、クエ
ルセチン、コーヒー酸など、既知の植物性ポリフェノー
ル類とは異なっていた。
【0045】試験例4(抗酸化活性) 実施例1、3、4および5で得られた各抗酸化性組成
物、BHT(tert-butyl-4-hydroxytoluene )、α−ト
コフェロール、カテキンおよびクエルセチンについて、
リノール酸の酸化(暗所、37℃、40日間)抑制効果
を比較するために、下記のロダン鉄アンモン法およびチ
オバルビツル酸(thiobarbituric acid 、TBA)法で
測定した。
【0046】i)ロダン鉄アンモン法 〔試薬〕 0.05Mのリン酸緩衝液(pH7.0):0.1M
第一リン酸ナトリウムと0.1M第二リン酸ナトリウム
とを適正に混合(例えば19.5mlと30.5m
l)、蒸留水で100mlとする。 0.2Mの塩化鉄(II)(ferrous chloride)(例えば
メルク社の FeCl2・4H2O)の3.5w/v %塩酸溶液 30w/v %のチオシアン酸アンモニウム(ammonium t
hiocyanate、NH4 SCN)水溶液 高純度のリノール酸(linoleic acid ) 以上の〜の試薬は冷所に保存した。 2.5w/v %リノール酸エタノール溶液〔高純度のリ
ノール酸を99.5v/v%(無水)エタノールで溶解し
たもの〕
【0047】〔操作〕スクリューキャップ付のバイアル
(40mm径×75mm)に測定用の各サンプル4mg
を精秤して入れ、これに2mlの無水エタノールを加え
て溶解した。別に調製したリノール酸の2.5w/v %エ
タノール溶液2mlを加え、さらに4mlの0.05M
リン酸緩衝液、次いで2mlの水を加えて全容を10m
lにした。コントロールとしてはサンプルのかわりに2
mlの無水エタノールを加えたものを、またブランクと
してはサンプルおよびリノール酸を共に含まないものを
調製した。これらのバイアルにスクリューキャップをし
て、40℃で暗所に36〜50日間静置した。
【0048】24時間ごとに対照(ブランク)、コント
ロールおよびサンプル0.1mlを採取し、これに75
重量%エタノール(9.7ml)と30w/v %チオシア
ン酸アンモニウム水溶液(0.1ml)を加えた。次い
で0.2M塩化鉄(II)(3.5w/v %塩酸溶液中)を加
え、正確に3分間置いた後、500nmにおける各溶液
の吸光度を測定し、コントロールとサンプルとの吸光度
の差から抗酸化活性を求めた。
【0049】ii)TBA法 〔試薬〕 20w/v %トリクロール酢酸水溶液 0.67w/v %2−チオバルビツル酸(TBA)水溶
【0050】〔操作〕上記の「ロダン鉄アンモン法」で
述べた抗酸化測定において反応の最終(40日後)に各
サンプル溶液2.0mlを試験管(10ml)に採取
し、周知の方法に従って、20w/v %トリクロール酢酸
水溶液1.0mlと0.67w/v %TBA水溶液2.0
mlを加えた。ブランクにはTBA水溶液の代わりに蒸
留水を加えた。各試験管を10分間煮沸し、冷却後3,00
0 回転、20分間遠心分離した。上清液の532nmに
おける吸光度の測定値から0時間における測定値を引い
た値をサンプルのTBA値とした。
【0051】本発明によるアガリクスの抗酸化性組成物
のリノール酸に対する酸化抑制作用を既知の抗酸化物質
であるBHT、α−トコフェロール、カテキンおよびク
エルセチンと比較した結果を図1および図2(ロダン鉄
アンモン法)ならびに図3(TBA法)に示す。
【0052】実施例1のサンプルは75重量%エタノー
ル抽出画分で、実施例3のサンプルは実施例1で得られ
た抗酸化性組成物をクロロホルムで再抽出することによ
ってさらに濃縮精製したものである。いずれのサンプル
も、α−トコフェロール、カテキンより強く、BHTや
クエルセチンに匹敵した高活性を発現するが、実施例1
のサンプルをさらに精製した実施例3のサンプルの方が
優っていることが分かる(図1および図3参照)。
【0053】実施例4のクロロホルム・メタノール混液
(2:1の容量比)の抽出で得られた抗酸化性組成物
と、これを水洗によって精製した実施例5の組成物とを
比較すると、実施例5の組成物では水洗により水溶性不
純物が除かれて、抗酸化活性が高くなっていることが分
かる(図2参照)。
【0054】本発明の抗酸化性組成物は、実施例3〜5
に示すように、クロロホルム、クロロホルム・メタノー
ル混液などのエタノール以外の有機溶媒による直接的ま
たは副次的な抽出に付すことも可能である。しかし、本
発明の抗酸化性組成物の食品工業上の用途または機能性
食品(飲料など)としての用途を考慮すれば、抽出溶媒
としては安全なエタノールが望ましい。但し、クロロホ
ルムなどエタノール以外の有機溶剤で抽出した場合であ
っても、十分な乾燥を施せば、食用に供することができ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ハラタケ属(Agaricu
s)に属する担子菌、特にそれらの子実体から強力な抗
酸化活性を有する組成物が提供される。その抗酸化機能
によって食品の保存、あるいは有毒な活性酸素の生成を
抑制して免疫機能の強化などを促進し、ヒトの健康を保
持する機能性食品としての利用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2におけるロダン鉄アンモン法の試験結
果(実施例1および3)を示すグラフである。
【図2】試験例2におけるロダン鉄アンモン法の試験結
果(実施例4および5)を示すグラフである。
【図3】試験例2におけるTBA法の試験結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B021 MC03 MK02 MK06 4C088 AA07 AC17 BA04 BA10 CA06 CA09 NA14 ZC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗酸化活性を有する成分を含有するハラ
    タケ属(Agaricus)に属する担子菌から得られる下記の
    特性を有する抗酸化性組成物。 i)溶解性:冷水には難溶であるが、30重量%以上の
    エタノール、30重量%以上のメタノール、クロロホル
    ム、クロロホルム・メタノール混液、酢酸エチルに溶解
    する。 ii)紫外部での吸収特性:265nm付近に極大吸収が
    存在する。 iii )シリカゲルの薄層クロマトグラフィーのRf値が
    0.85〜0.92である。 iv)抗酸化活性を有する。
  2. 【請求項2】 担子菌の子実体から得られる請求項1記
    載の抗酸化性組成物。
  3. 【請求項3】 抗酸化活性を有する成分を含有するハラ
    タケ属(Agaricus)に属する担子菌の終濃度30〜90
    重量%のエタノール抽出画分を濃縮した後、この濃縮物
    から終濃度75重量%以上のエタノールの不溶物を除去
    する工程を有する抗酸化性組成物の製法。
  4. 【請求項4】 抗酸化活性を有する成分を含有するハラ
    タケ属(Agaricus)に属する担子菌をクロロホルムまた
    はクロロホルム・メタノール混液で抽出する工程を有す
    る抗酸化性組成物の製法。
  5. 【請求項5】 担子菌の子実体を使用する請求項3また
    は4記載の抗酸化性組成物の製法。
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JP2004307453A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Bhn Kk 血管新生阻害剤及びその利用
JP2008266177A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Noda Shokukin Kogyo Kk 脳保護剤

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