JP2008266177A - 脳保護剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】日常的に摂取することにより、例えば、虚血又は虚血・再灌流による脳細胞障害を改善できる、手軽かつ安全な脳保護剤を提供する。
【解決手段】脳保護剤は、植物繊維質原料を含む培地に担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物から抽出された成分を有効成分として含有する。抽出成分は、糖質、蛋白質、及び水溶性リグニンを含むことが好ましい。また、植物繊維質原料が、禾本科植物から調製されたものが好ましく、バガス、トウモロコシの茎葉、小麦ふすま、米糠、稲藁、茅、熊笹、及び竹から選ばれた1種又は2種以上であることがより好ましい。また、前記担子菌及び/又は子嚢菌が、マンネン茸、ブクリョウ、コフキサルノコシカケ、カワラ茸、椎茸、ヒラ茸、マイ茸、エノキ茸、シメジ茸、ヤマブシ茸、アガリクス、及び冬虫夏草から選ばれたものであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体培養物から抽出された成分を有効成分とする脳保護剤に関する。
神経細胞は、特に虚血に脆弱で、脳は虚血による障害を受けやすい。例えば、脳血管の閉塞による虚血に起因する脳梗塞は、我が国の死亡原因の第三位を占める重篤な生活習慣病であり、患者数も増加している。また、脳梗塞発作では一命を取り留めた場合でも、神経細胞の不可逆的障害により麻痺などの重い後遺症が残る可能性が高い。
一過性の虚血発作は、脳梗塞に先立って出現することが多い可逆的な神経症状であるが、脳細胞は数分の虚血でも障害から回復しない場合もあると言われている。また、虚血後の血液再灌流は、脳細胞に対する障害を、再灌流時に発生する活性酸素等の影響により著しく悪化させるといわれている。そこで、脳細胞を虚血や虚血・再灌流による障害から保護できれば、麻痺や言語障害のような重篤な後遺症からも免れることが可能となるとされている。
例えば、脳梗塞急性期に伴う神経症状、日常生活動作障害、機能障害等の改善に用いられる脳保護剤として、エダラボン(商品名:「ラジカット」)などが承認を受けている。
一方、植物繊維質原料を含む培地に担子菌の菌糸体を培養して得られた培養物には、様々な生理活性を有することが報告されており、抗酸化機能増強効果(下記特許文献1)、血糖値上昇抑制効果(下記特許文献2)、抗高血圧効果(下記特許文献3)などの生理活性が報告されている。
特許3284097号公報 特開2005−213211号公報 特開2006−265179号公報
従来の脳保護剤として用いている医薬品は、その使用に際しては充分な注意が必要とされており、また、様々な副作用も報告されている。このため、安全性の観点で問題があり、日常生活において手軽に摂取できるものではなかった。
したがって、本発明の目的は、日常的に摂取することにより、例えば、虚血又は虚血・再灌流による脳細胞障害を改善できる、手軽かつ安全な脳保護剤を提供することにある。
本発明者らは、植物繊維質原料を含む培地に、担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物から抽出された成分について種々研究を行ったところ、これらの成分を経口摂取することで、虚血又は虚血・再灌流による脳細胞障害を改善する作用を示すことを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の脳保護剤は、植物繊維質原料を含む培地に担子菌の菌糸体を培養して得られた培養物から抽出された成分を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の脳保護剤は、前記抽出成分が、糖質、蛋白質、及び水溶性リグニンを含むものであることが好ましい。
本発明の脳保護剤は、前記植物繊維質原料が、禾本科植物から調製されたものであることが好ましい。
本発明の脳保護剤は、前記植物繊維質原料が、バガス、トウモロコシの茎葉、小麦ふすま、米糠、稲藁、茅、熊笹、及び竹から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明の脳保護剤は、前記担子菌及び/又は子嚢菌が、マンネン茸、ブクリョウ、コフキサルノコシカケ、カワラ茸、椎茸、ヒラ茸、マイ茸、エノキ茸、シメジ茸、ヤマブシ茸、アガリクス、及び冬虫夏草から選ばれたものであることが好ましい。
本発明の有効成分である、植物繊維質原料を含む培地に担子菌の菌糸体を培養して得られた培養物から抽出された成分は、植物繊維質原料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどが、培養期間中に担子菌の菌糸体が生産するセルラーゼ、フェノールオキシダーゼ、ラッカーゼ、パーオキシダーゼ、プロテアーゼなどの酵素により、消化、分解、及び縮合を起こして生成したペントース主体のプロテオグリカンに、酵素により変性して水溶性化した変性水溶性リグニンが複雑に結合した物質からなっている。
この抽出成分は、天然素材由来の成分であり、また、豊富な食経験により安全性が確認されていることから、副作用の恐れがなく、そして、経口摂取することで、虚血又は、虚血・再灌流時の脳神経障害を低下させ、脳梗塞巣ボリュームを低下させることができ、脳梗塞や重篤な運動機能障害の発生を抑制することができる。
本発明に用いられる担子菌としては、特に限定されず、例えば、マンネン茸、コフキサルノコシカケ、カワラ茸、ブクリョウなどの薬用茸や、椎茸、舞茸、エノキ茸、シメジ茸、ブナシメジ茸、ヤマブシ茸、タモギ茸、ブナハリ茸、ハタケシメジ、アガリクスなどの食用茸など、各種のものが挙げられる。また、子嚢菌としては、キヌガサ茸、冬虫夏草などが挙げられる。これらの中でも、椎茸、マンネン茸が好ましく用いられる。
本発明では、これらの担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を、植物繊維質原料を用いて培養し、その培養物から有効成分を抽出する。培地としては、固体培養、液体培養の何れも使用できる。
培地に用いる植物繊維質原料としては、リグニンを含有する植物から調製されたものが好ましく用いられる。リグニンを含有する植物としては、禾本科植物が挙げられ、例えばバガス(砂糖黍の繊維性成分)、トウモロコシの茎葉、小麦ふすま、米糠、稲藁、茅などが好ましく用いられる。この他に、熊笹、竹なども使用できる。
本発明において、培地としては、バガス、熊笹の茎葉、トウモロコシの茎から選ばれた1種と、米糠とを含む培地が特に好ましく用いられる。また、培地には、必要に応じて、酵母エキス、乾燥酵母、クロレラ、スピルリナ、コーンミール、おから等を栄養成分として含有させてもよい。
担子菌の菌糸体の培養は、上記のような植物繊維質原料を含む培地に、前記担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体又は胞子を接種して行う。
固体培養の場合は、水分が60〜80%となるように調整し、常法に従い高圧蒸気滅菌した後、菌糸を接種し、例えば温度が18〜25℃に空調された培養室で3〜6ヶ月培養する。こうして菌糸体が蔓延した培地は、温度処理室に移して変温処理を行うことが望ましい。変温処理は、例えば最初に30〜34℃で24〜48時間加温し、次に低温室に移して3〜5日間処理する。その後培養室に移すと子実体の発生が始まるが、この時点で培養を終了し、培養物を破砕機で破砕する。
培養終了後、好ましくは、菌糸体が生産した菌糸体内外酵素を利用して菌糸体を自己消化させると共に培養物を抽出する。その好ましい方法として、固体培地の場合は培養が終了した培地を破砕し、必要に応じて少量の水を加え、30〜60℃で3〜6時間処理し、菌糸体を酵素作用によって自己消化させる。次いで、この破砕物を50℃以上の温水又は熱水に浸潤させ、有効成分を抽出する。抽出は、例えば1Kg/cmの加圧蒸気圧下で120℃というような加圧高温下で行うこともできる。このようにして得られる抽出懸濁液を、好ましくは濾過又は遠心分離して濾液又は上清を採取することで、培地の分解物、菌糸体の代謝産物及び菌糸体細胞の分解物などを含む抽出液を得ることができる。
また、液体培地の場合は、植物原料を細かく粉砕し、必要に応じて米糠等の他の栄養成分を加え、原料が5〜20重量%となるように培地を調製した後、通気攪拌培養もしくは振盪培養により、好ましくは20〜28℃の温度で1週間〜2ヶ月程度培養を行う。培養は培地のpHが3.5〜5に低下し、培地中に菌糸が蔓延した状態で終了する。
培養終了後、好ましくは、培養物全体を30〜60℃で3〜6時間処理し、菌糸体を自己消化させ、液体の懸濁培養物を得る。次いで、必要に応じて水を加え、50℃以上、場合によっては高圧条件下(例えば1Kg/cmの加圧蒸気圧下)に加熱し、抽出物を採取する。また、この抽出物を、必要に応じて濾過又は遠心分離して、濾液又は上清を採取することにより、培地の分解物、菌糸体の代謝産物及び菌糸体細胞の分解物などを含む抽出液を得ることができる。
本発明の脳保護剤は、上記の方法で得られた抽出液を、そのまま又は濃縮して液体のまま製品化することもでき、更に上記抽出液を凍結乾燥や噴霧乾燥等の方法により粉末化することもできる。抽出液を乾燥すると微粉末が得られるが、これを更に粉砕し、超微細粒子とすることもできる。
こうして得られる本発明品の脳保護剤は、常法によって、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤として製品化することができる。また、抽出液を添加して液状、ゼリー状の飲料として製品化することもできる。更に、各種飲食品に添加して利用することもできる。
このような飲食品としては、特に限定されないが、例えば、食肉、魚介類、野菜類、果実類等の生鮮食品;ハム、ソーセージ等の加工畜産物;はんぺん、かまぼこ等の加工水産物;ジャム、乾燥果実等の加工果実;漬物等の加工野菜;牛乳、バター、クリーム、チーズ等の乳製品;ナタネ油、パーム油、ひまわり油、ショートニング等の油脂類;豆腐、油揚げ、納豆等の大豆加工食品;コーヒー、ココア、清涼飲料等の飲料;醤油、味噌、ソース、ケチャップ等の調味料;パン・ケーキ類;和菓子、洋菓子等の菓子類;うどん、そば、そうめん、スパゲッティ等の麺類などが挙げられる。
本発明の脳保護剤は、天然素材由来の成分を有効成分とするものであり、また、豊富な食経験により安全性が確認されていることから、副作用の恐れがない。因みに本発明の脳保護剤の単回経口投与試験では、最小致死量が、ラットでは雌雄とも22500mg/Kg以上、マウスでは雌雄とも2000mg/Kg以上であった。また、ラット3ヶ月反復投与試験では、最大無作用量が雄で3610mg/Kg、雌で4190mg/Kgであった。
本発明の脳保護剤の有効投与量は、経口摂取において成人1日当り1〜10gである。投与量がこれよりも少ないと、十分な効果が得られにくく、投与量がこれよりも多いと、軟便又は腹部膨満感が生じることがある。ただし、投与量が上記より多くても安全性には問題ない。
<実施例1>(バガスを用いたマンネン茸菌の固体培養)
バガス90%、脱脂米糠10%を配合し、水分を70%となるよう調整して固体培地を作り、これらをポリプロピレン製の袋に詰めた。そして、121℃、40分間滅菌した後、マンネン茸種菌を接種し、22℃±1℃で4ヶ月間培養した。
培養終了後、培地を破砕し、5℃で5時間保った後、60℃の温水を循環させて16時間抽出した。得られた抽出液を粗濾過後口径0.45μmのメンブランで濾過し、濃縮後噴霧乾燥して、マンネン茸菌糸体培養物の抽出物粉末を得た。
この粉末の成分は、糖質:36.1%、蛋白質:13.2%、リグニン:9.9%、無機質:13.5%であった。
なお、それぞれの成分分析に関しては、糖質はフェノール硫酸法、蛋白質はセミミクロケルダール法、リグニンはイオン化示差スペクトル法、無機質は直接灰化法を用いて測定した。
<試験例1>(正常ラット)
雄性SDラット(10週齢)を一群10匹として対照群と被検群に分けた。対照群には水を、被検群には実施例1の物質(1g/Kg/日)を2週間強制経口投与した。
飼育期間終了後、各群のラットを、ハロセン麻酔下、先端を丸くした4−0モノフィラメント糸(塞栓糸)を総頸動脈から挿入し、中大脳動脈を閉塞(中大脳動脈閉塞術:MCAO)した。虚血後、運動機能障害を6段階評価で評価し、2時間後に塞栓糸を引き抜き、血流を回復(再灌流)させた(MCAO/Re)。再灌流後、運動機能障害を測定し、虚血時と同様6段階評価で評価し、神経学的スコアとした。虚血後の神経学的スコアを図1に、再灌流後の神経学的スコアを図2に示す。なお、運動機能障害は、次のように6段階で評価し、スコア化した。
・スコア0: 障害のない状態
・スコア1: 前足に握力の低下などの症状が見られる状態
・スコア2: 尻尾を掴んだ時に自発的な回転運動が見られる軽度障害
・スコア3: 自発的な回転運動が見られる中度障害
・スコア4: 自発的な行動ができず、かつ意識の低下が見られる高度障害
・スコア5: 死亡
そして、中大脳動脈を閉塞後2時間で再灌流したラットの脳を再灌流から24時間後に摘出し、脳切片を作成した。これをTTC(2%塩化トリフェニルテトラゾリウム)染色し、梗塞巣をNIH Imageにより解析し、脳梗塞ボリュームを測定した。梗塞巣NIH Imageを図3に、脳梗塞ボリュームを図4に示す。
図1の結果より、虚血により、対照群、被検群共に運動機能障害が認められた。しかしながら、この運動機能障害は、図2に示すように、対照群においては、再灌流により神経学的スコアが、1.4から2.3へと増加し、運動機能障害が増悪化したのに対し、被検群では、虚血時1.3であった神経学的スコアが、再灌流時にも1.3と特に変化が認められず、対照群と比較して有意(P<0.05)に抑制されていた。
また、図3の結果より、虚血・再灌流後に摘出した正常ラットの脳では、虚血のみでは明確な梗塞巣は認められないものの、対照群においては、再灌流によりはっきりとした梗塞巣(写真の中の白い部分)が出現した。これに対し被検群では、梗塞巣(白い部分)がほとんど認められなかった。
また、図4の結果より、虚血・再灌流後の脳梗塞ボリュームは、対照群が29%であるのに対し、被検群は15%で、対照群に比べて有意(P<0.05)に抑制されていた。
<試験例2>(糖尿病態ラット)
雄性SDラット(5週齢)20匹に、ストレプトゾトシン(STZ)60mg/Kgを腹腔内投与して5週間飼育し、1型糖尿病態モデルラットを作成した。この糖尿病態モデルラットを、無作為に1群10匹ずつ対照群と被検群に選別した。そして、試験例1と同様、対照群には水を被検群には実施例1の物質(1g/Kg/日)を2週間強制経口投与した。
STZ非投与の正常ラットも1群10匹ずつ対照群と被検群に無作為に選別し、対照群には水を被検群には実施例1の物質(1g/Kg/日)を2週間強制経口投与した。
12週齢のラットから採血し、血糖値をデキスターZII(バイエルメディカル)で測定した。その結果表1のようにSTZ投与により、SDラットは、STZ非投与ラット(正常血糖ラット)に比べ有意(P<0.01)な高血糖を示した。
飼育期間終了後、試験例1と同様にして、各群のラットを、ハロセン麻酔下、先端を丸くした4−0モノフィラメント糸(塞栓糸)を総頸動脈から挿入し、中大脳動脈を閉塞(MCAO)した。虚血後、運動機能障害を6段階評価で評価してスコア化した。続いて2時間後に塞栓糸を引き抜き、血流を回復(再灌流)させた(MCAO/Re)。再灌流後、運動機能障害を測定し、虚血時と同様6段階評価で評価し、スコア化した。虚血後の神経学的スコアを図5に、再灌流後の神経学的スコアを図6に示す。
そして、中大脳動脈を閉塞して2時間後に再灌流したラットの脳を、再灌流から24時間後に摘出し、脳切片を作成した。これをTTC(2%塩化トリフェニルテトラゾリウム)染色し、梗塞巣をNIH Imageにより解析し、脳梗塞ボリュームを測定した。梗塞巣NIH Imageを図7に、脳梗塞ボリュームを図8に示す。
図5の結果より、虚血により、神経学的スコアは上昇し、運動機能障害が認められた。そして、対照群において、試験例1の正常ラットの場合は1.4であったのに対し(図1参照)、試験例2の糖尿病態モデルラットにおいては1.85(図5参照)と、大きく増加していた。これに対し、被検群では、試験例1の正常ラットの場合は神経学的スコアが1.3であったのに対し(図1参照)、試験例2の糖尿病態モデルラットにおいても1.2と低く(図5参照)、機能障害に変化は認められなかった。
また、この運動機能障害は、図6に示すように、対照群においては、再灌流により神経学的スコアが、1.85から3.5へと増加し、機能障害が著しく増悪しているのに対し、被検群では、虚血時1.2であった神経学的スコアが、再灌流時にも、1.5と機能障害の増悪はほとんど認められず、また、対照群と比較して、有意(P<0.01)に抑制されていた。
また、図7の結果より、虚血・再灌流後に摘出した糖尿病態ラットの脳では、対照群においては、正常ラットより梗塞巣が広範囲に広がっており、正常ラット虚血時の脳では、ほとんど認められなかった梗塞巣も明瞭であった。特に、虚血後再灌流した糖尿病態ラットでは、さらに広範囲に亘る梗塞巣が認められた。これに対し、実施例1の物質を投与した被検群では、再灌流後の脳梗塞巣が顕著に縮小していた。
また、図8の結果より、虚血・再灌流後の脳梗塞ボリュームは、対照群が66%であるのに対し、実施例1の物質を投与した被検群で、17.5%であり、被検群は、対照群に比べて有意(P<0.01)に脳梗塞巣が抑制されていた。
正常ラットにおける虚血後の神経学的スコアを表す図である。 正常ラットにおける再灌流後の神経学的スコアを表す図である。 正常ラットにおける脳の梗塞巣NIH Image である。 正常ラットにおける再灌流後の脳梗塞ボリュームを表す図である。 糖尿病態ラットにおける虚血後の神経学的スコアを表す図である。 糖尿病態ラットにおける再灌流後の神経学的スコアを表す図である。 糖尿病態ラットにおける脳の梗塞巣NIH Image である。 糖尿病態ラットにおける再灌流後の脳梗塞ボリュームを表す図である。

Claims (5)

  1. 植物繊維質原料を含む培地に担子菌及び/又は子嚢菌の菌糸体を培養して得られた培養物から抽出された成分を有効成分とする脳保護剤。
  2. 前記抽出成分が、糖質、蛋白質、及び水溶性リグニンを含むものである請求項1記載の脳保護剤。
  3. 前記植物繊維質原料が、禾本科植物から調製されたものである請求項1又は2記載の脳保護剤。
  4. 前記植物繊維質原料が、バガス、トウモロコシの茎葉、小麦ふすま、米糠、稲藁、茅、熊笹、及び竹から選ばれた1種又は2種以上である請求項1又は2記載の脳保護剤。
  5. 前記担子菌及び/又は子嚢菌が、マンネン茸、ブクリョウ、コフキサルノコシカケ、カワラ茸、椎茸、ヒラ茸、マイ茸、エノキ茸、シメジ茸、ヤマブシ茸、アガリクス、及び冬虫夏草から選ばれたものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の脳保護剤。
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