JP2001089388A - 抗腫瘍性組成物およびその製造法 - Google Patents

抗腫瘍性組成物およびその製造法

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JP2001089388A
JP2001089388A JP30978299A JP30978299A JP2001089388A JP 2001089388 A JP2001089388 A JP 2001089388A JP 30978299 A JP30978299 A JP 30978299A JP 30978299 A JP30978299 A JP 30978299A JP 2001089388 A JP2001089388 A JP 2001089388A
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agaricus
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soluble
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JP30978299A
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Teruyuki Kaneda
輝之 金田
Megumi Akiyama
めぐみ 秋山
Akihiro Yamashita
明宏 山下
Yoshiyuki Kimura
善行 木村
Hiromichi Okuda
拓道 奥田
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BIZEN KASEI KK
Original Assignee
BIZEN KASEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アガリクス茸から安全で抗腫瘍活性の高い抗腫
瘍性組成物およびその効率的な製造法を提供し、あわせ
て医薬用および食用組成物を提供する。 【解決手段】アガリクス茸の少なくとも脂溶性成分、望
ましくは脂溶性有機溶媒を用いてアガリクス茸から抽出
した抽出物、さらに望ましくはそのアセトン可溶性物を
含む画分を有効成分とする抗腫瘍性組成物。また、該抗
腫瘍性組成物を配合してなる医薬用組成物および食用組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強力な抗腫瘍活性
を有する組成物、その製造法および該組成物の利用に関
する。より詳しくは、アガリクス茸の少なくとも脂溶性
成分を含む画分を有効成分としてなる抗腫瘍活性の高い
組成物に係るものであり、また、該組成物の効率的な製
造方法および産業的に有用な利用に係るものである。
【0002】
【従来の技術】近年わが国における疾病別死亡率は、脳
疾患等に代わり癌がトップの座を占めるようになった。
これに伴い、癌治療のみならず癌予防に対する関心は非
常に高まっており、関係分野における研究、技術開発は
もとより、予防の観点から食品および食品原材料の生理
活性や薬理活性といった機能に多大な注目と期待が寄せ
られている。
【0003】茸(キノコ)に含有されている抗腫瘍活性
物質としては、近年とくにβ−グルカンが注目されてお
り、これを有効成分とするものとしてカワラタケからの
クレスチン、シイタケからのレンチナンなどがすでに医
薬品として認可、販売されている。また、アガリクス茸
の一種であるアガリクス ブラゼイ ムリルに含まれる
抗腫瘍活性成分についての刊行物もみられ、その子実体
からは酸性多糖体(特開昭64−67194号公報)、
中性多糖体(特開昭64−67195号公報)および蛋
白多糖体(特開平2−78630号公報)が分別され、
また、菌糸体からは蛋白多糖体(特開昭61−4751
8号公報)が分画され、さらに菌糸体の培養濾液からも
蛋白多糖体(特開昭61−47519号公報)が採取さ
れ、各成分の抗腫瘍活性について提案報告されている。
【0004】前述のように、キノコに含まれる抗腫瘍性
物質の提案はそのほとんどが多糖体または蛋白多糖体等
の水溶性物質であり、疎水性物質に関するものは見あた
らない。また、従来公知のこれらの抗腫瘍性物質の有効
性は、ラットやマウスの実験動物での腹腔内投与によっ
て評価されたものであり、その利用にあたって用法、用
量等の点から制限を受けるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明では、アガリクス ブラゼイ ムリルをはじめとす
るアガリクス茸を原料とし、これに含有される抗腫瘍活
性の高い成分を含んでなる抗腫瘍性組成物であって、経
口摂取することによっても優れた抗腫瘍活性を有する前
記組成物を提供し、この抗腫瘍性組成物の効率的な製造
方法および産業上有用に利用できる態様の組成物を提供
することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、アガリクス茸の含有成分について鋭
意検討した結果、脂溶性成分を含む組成物に顕著な抗腫
瘍活性が認められることを見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、アガリクス茸の少
なくとも脂溶性成分を含む画分を有効成分としてなる抗
腫瘍性組成物が提供される。ここで、アガリクス茸はア
ガリクス ブラゼイ ムリル(Agaricus bl
azei Murill)の子実体および/または菌糸
体であることが望ましい。また、少なくとも脂溶性成分
を含む画分は、アガリクス茸を脂溶性有機溶剤を含む溶
媒を用いて抽出されるものが好ましく、脂溶性有機溶剤
としてはクロロホルム、メタノール、エタノール、ヘキ
サンおよびアセトンからなる群から選ばれる1種の溶剤
あるいは2種以上の混合溶剤がより好ましい。本発明の
抽出用溶媒としては、かかる脂溶性溶剤と水との混合溶
媒を用いてもよい。さらに、本発明の脂溶性成分として
は、アセトンに可溶性の脂質であることが望ましい。
【0007】本発明の抗腫瘍性組成物の製造法は、アガ
リクス茸の子実体および/または菌糸体を、少なくとも
脂溶性有機溶剤を含む溶媒を用いて、1〜1.5気圧下
かつ40〜80℃の加熱下にて抽出処理し、該抽出液か
ら溶媒を除去して抽出物を得ることによって達成され
る。この製造法においては、前記抽出物にさらにアセト
ンを加え、その可溶性成分を分別、採取することが望ま
しい。なお、アガリクス茸、脂溶性有機溶剤、該溶剤を
含む溶媒等については前述のとおりである。
【0008】さらに、前記課題の産業的に有用に利用で
きる組成物は、前認の抗腫瘍性組成物を配合してなる医
薬用組成物または食用組成物によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の抗腫瘍性組成物お
よびその製造法について詳述する。原料のアガリクス茸
はアガリクス属に属するものをいい、アガリクス ブラ
ゼイ ムリル(Agaricus blazei Mu
rill)、ハラタケ、マッシュルーム等を例示でき
る。アガリクスブラゼイ ムリルは、ブラジル原産のハ
ラタケ科に属するキノコで、栽培には高温・多湿を要す
るため当初、人工栽培が困難であった。しかし、現在で
は栽培法が開発され、わが国のみならず台湾、中国等で
も量産化体制が整っているので容易に入手できる。ハラ
タケやマッシュルームは通常の食用に供されている。
【0010】本発明では、アガリクス茸より好ましくは
アガリクス ブラゼイ ムリルの子実体および/または
菌糸体を用いる。子実体は生のままあるいは乾燥したも
ののいずれでもよいが、取扱い、保存および抽出効率等
の点から乾燥子実体がよい。また、菌糸体は炭素源およ
び窒素源を含む培地で種菌を培養して得られる生あるい
は乾燥菌糸体を利用できる。乾燥したものが簡便であ
る。
【0011】本発明ではアガリクス茸の脂溶性成分を有
効活用するものであり、これを得る手段はとくに限定さ
れるものではないが、アガリクス茸の抽出用溶媒として
は少なくとも脂溶性有機溶剤を含む溶媒を用いることが
望ましい。ここで、脂溶性有機溶剤としてクロロホル
ム、メタノール、エタノール、ヘキサン、アセトンおよ
びこれらの混合溶剤を例示できるが、本発明の所望の効
果を考慮した場合、クロロホルムおよびメタノールの混
合溶剤が好適である。また、その混合比率は任意である
が、好ましくは前者:後者=9:1〜1:9、より好ま
しくは9:1〜3:7、最も好ましくは3:1〜1:1
である。この範囲を外れると抽出効率あるいは抗腫瘍活
性が低下する傾向がある。抽出用溶媒は、前記の脂溶性
溶剤を少なくとも含み、これに適宜に水等の水性溶剤を
混合した態様の溶媒がよい。かかる抽出用溶媒は、アガ
リクス茸の重量に対して5〜10倍(容量)程度用いれ
ばよい。5倍未満では抽出効率が低下し、10倍を超え
て使用しても抽出効率等に変化がない。
【0012】本発明に係る少なくとも脂溶性成分を含む
画分を抽出するに際しては、前記抽出用溶媒を用い、1
〜1.5気圧下かつ40〜80℃の加熱下で行うことが
望ましく、この好適な態様は加熱還流状態で抽出するこ
とである。すなわち、アガリクス茸に前記抽出用溶媒を
加え、適宜に撹拌しながら、約10分〜約5時間、より
好ましくは30分〜2時間、前記の高圧かつ加熱条件下
でアガリクス茸中の成分を抽出し、抽出液を得る。な
お、該抽出残渣に対して前記と同様の条件下でさらに再
抽出を行い、この抽出操作を1〜5回繰り返し、各抽出
液を合わせて減圧濃縮、フリーズドライ、スプレードラ
イ等の処理に供して溶媒を除去し、アガリクス茸の少な
くとも脂溶性成分を含む画分である抽出物(エキス)を
製造することができる。かかる条件のもとで抽出して得
られる抽出物は、本発明の抗腫瘍性組成物の一態様であ
り、顕著な抗腫瘍効果を奏するものである。
【0013】本発明の抗腫瘍性組成物のさらに好適な態
様はアガリクス茸の脂溶性成分がアセトンに可溶性のも
のであり、これは例えば次のようにして製造することが
できる。すなわち、前記抽出物(重量)に対して5〜3
0倍(容量)、より好ましくは10〜20倍のアセトン
を加えて十分に懸濁した後、5〜30℃、より好ましく
は約20℃で6〜24時間静置し、デカンテーション、
遠心分離等により上澄液を採取する。ついで、減圧濃
縮、フリーズドライ等の脱溶剤処理に供してアセトンに
可溶性の低極性脂質を含む画分からなる本発明の抗腫瘍
性組成物を得ることができる。この条件のもとで分別し
て得られるアセトン可溶性成分は、抗腫瘍活性にさらに
富んでいる。
【0014】本発明の抗腫瘍性組成物は、前述のよう
に、アガリクス茸とりわけアガリクスブラゼイ ムリル
の子実体および/または菌糸体を原料とし、これを脂溶
性有機溶剤を含む抽出用溶媒で抽出して得られる、少な
くとも脂溶性成分を含む画分を有効成分としてなるもの
である。また、該脂溶性成分は、望ましくは前記抽出物
をさらにアセトン分別して得られる、アセトン可溶性の
成分を少なくとも含む画分を有効成分としてなるもので
ある。かかる脂溶性成分を含む画分は、従来、アガリク
ス茸を水あるいは熱水で抽出して水溶性エキスを製造す
る際に副生する抽出残渣を原料として、これを前記脂溶
性有機溶剤を含む溶媒で同様に抽出することによっても
製造することが可能である。
【0015】本発明に係るアガリクス茸の抽出物中の脂
溶性成分は、その組成は末だ解明されていないが、アガ
リクス茸から得られる従来の水溶性エキスに含まれる多
糖体、β−グルカン、蛋白多糖体等とは異なるものであ
る。本発明の前記抽出物をさらにアセトン分別して得ら
れるアセトン可溶性成分でも所望の効果を奏することか
ら、脂溶性成分は比較的低極性の複数の脂質系物質、例
えばステロール骨格物質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ
糖脂質、ガングリオシド等の糖脂質、炭化水素、長鎖脂
肪酸および誘導体等が混合している組成物であろうと推
定される。
【0016】本発明では、前述のようにアガリクス茸の
脂溶性成分を少なくとも含む画分を有効成分としてなる
抗腫瘍性組成物が提供され、該組成物をそのまま本発明
の所望目的のために利用してもさしつかえないが、さら
にこれを配合してなる組成物も提供される。この組成物
の態様としては医薬用組成物または食用組成物が好適で
ある。
【0017】本発明の医薬用組成物は、前記抗腫瘍性組
成物、すなわちアガリクス茸の少なくとも脂溶性成分を
含む画分またはこれを含む油分に、本発明の趣旨に反し
ない公知の賦形剤や添加剤を必要に応じて加え、常法に
より加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤
等の製剤となしたものである。経口あるいは経腸投与、
血管投与または注射投与して、癌発症の予防あるいは治
療のために適用する。本発明の抗腫瘍性組成物の配合量
は製剤の種類、形態や用法、用量等により一律に規定し
難いが、概ね0.01〜50重量%である。経口投与す
る場合の摂取量はとくに限定されないが、有効成分であ
る前記脂溶性成分を含む画分をベースとして、成人(体
重50kg)1日あたり0.01〜10g、より好まし
くは0.1〜5gである。この範囲を外れて少ないと所
望の効果を奏することが難しくなり、逆に多すぎてもさ
らに顕著な効果は認められない。
【0018】本発明の食用組成物は、本発明の前記抗腫
瘍性組成物をそのまま液状、ゲル状、粉末状あるいは固
形状の既存食品、例えば清涼飲料、ジュース、茶、ドレ
ッシング、スープ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ふり
かけ、ガム、キャンディー、ケーキミックス、粉末状ま
たは液体状の乳製品、パン、クッキー等に添加したり、
適宜に澱粉、デキストリン、乳糖等の賦型剤や色素、香
料等とともに粉末、顆粒、錠剤等に加工したり、ゼラチ
ン等の被覆材を用いてカプセルに成形加工して健康食品
や栄養補助食品等として利用できる。なお、本発明の食
用組成物はこれらの例示に限定されるものではない。ま
た、食用組成物において、本発明の抗腫瘍性組成物の配
合量は、当該食用組成物の種類や状態等により一律に規
定しがたいが、前記脂溶性成分を含む画分ベースで概ね
0.1〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%で
ある。配合量が0.1重量%未満では経口摂取による所
望の効果が小さく、50重量%を超えると食用組成物の
種類によっては風味を損なったり、当該食用組成物を調
製できなくなる場合がある。なお、本発明の抗腫瘍性組
成物それ自体をそのまま食用組成物として食用に供して
もさしつかえない。
【0019】
【実施例】実施例1 ステンレス製耐圧抽出釜にアガリクス ブラゼイ ムリ
ルの乾燥子実体2.5kgおよびクロロホルム:メタノ
ール(1:1)混液24Lを加え、40〜50℃に加熱
し、溶媒を還流させながら1時間抽出した。内容物を減
圧濾過して抽出液を分取した後、残渣にクロロホルム:
メタノール(1:1)混液20Lを加え、前記と同条件
下で再度抽出し抽出液を得た。両抽出液を合わせて溶媒
を減圧留去し、ペースト状の抽出物257gを得た。こ
れに20倍量(v/w)のアセトンを加えて十分に懸濁
させた後、20℃にて12時間静置し、デカンテーショ
ンにより上澄液を得、この溶媒を減圧留去してペースト
状のアセトン可溶性物25gを得た。このアセトン可溶
性物について薄層クロマトグラフィー(TLC)分析を
行った。展開溶媒としてヘキサン:エーテル:酢酸(8
0:20:1)を用い、ヨウ素蒸気により検出したとこ
ろ、ステロール、ステロール誘導体、脂肪酸、アシルグ
リセリドおよび複数の未同定物質等の存在を確認した。
【0020】実施例2 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体2.5kg
を実施例1と同様に処理して得たペースト状の抽出物2
50gに20倍量(v/w)のアセトンを加えて十分に
懸濁させた後、20℃にて12時間静置し、デカンテー
ションにより沈殿物を得た。ついでフリーズドライ処理
に供してペースト状のアセトン不溶性物100gを得
た。このアセトン不溶性物についてTLC分析を行っ
た。展開溶媒としてクロロホルム:メタノール:酢酸
(65:25:10)を用い、ヨウ素蒸気により検出し
たところ、ステロール、ステロール誘導体、ホスファチ
ジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ
ールアミンおよび複数の未同定物質等の存在を確認し
た。
【0021】実施例3 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体2.5kg
を実験例1と同様に処理してペースト状の抽出物255
gを得た。この抽出物についてTLCおよび高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)分析を行ったところ、ス
テロール、その誘導体、脂肪酸、アシルグリセリド、ホ
スファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルエタノールアミン、ジグリコシルジアシルグリセリ
ド、アシルステリルグリコシドおよび複数の未同定物質
等の存在を確認した。
【0022】実施例4 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体2.5kg
に99%エタノール24Lを加え、還流下で1時間抽出
した。内容物を減圧濾過して抽出液を分取した後、残渣
に99%エタノール20Lを加え、前記と同条件下で再
度抽出し抽出液を得た。両抽出液を合わせて溶媒を減圧
留去し、ペースト状の抽出物87.5gを得た。この抽
出物についてTLCおよびHPLC分析を行ったとこ
ろ、ステロール、ステロール誘導体、脂肪酸、アシルグ
リセリド、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、
ホスファチジルエタノールアミン、ジグリコシルジアシ
ルグリセリド、アシルステリルグリコシドおよび複数の
未同定物質等の存在を確認した。
【0023】実施例5 抽出溶媒としてクロロホルム:メタノール(1:5)混
液を用いること以外は実施例1と同様に処理してペース
ト状の抽出物を得た。これを実施例1と同様にアセトン
分別処理して、ペースト状のアセトン可溶性物を得た。
【0024】実施例6 抽出溶媒としてクロロホルム:メタノール(5:1)混
液を用いること以外は実施例1と同様に処理してペース
ト状の抽出物を得た。これを実施例1と同様にアセトン
分別処理してペースト状のアセトン可溶性物を得た。
【0025】実施例7 アガリクス ブラゼイ ムリルの種菌をグルコースおよ
びペプトン含有培地で25〜30℃にて72時間培養し
て採取した生菌糸体にクロロホルム:エタノール(1:
1)混液を加え、加熱還流下1時間抽出した。内容物を
減圧濾過して抽出液を分取した後、残渣にクロロホル
ム:エタノール(1:1)混液を加え、前記と同条件下
で再度抽出し抽出液を得た。両抽出液を合わせて溶媒を
減圧留去し、ペースト状の抽出物を得た。これを実施例
1と同様にアセトン分別処理してペースト状のアセトン
可溶性物を得た。
【0026】実施例8 抽出溶媒としてアセトンを用いること以外は実施例1と
同様に処理してペースト状の抽出物を得た。
【0027】実施例9 ステンレス製耐圧性抽出釜を用いて1.2気圧下で抽出
すること以外は実施例1と同様に処理してペースト状の
抽出物を得た。これを実施例1と同様にアセトン分別処
理してペースト状のアセトン可溶性物を得た。
【0028】実施例10 ハラタケの生の子実体2kgを用いること以外は実施例
9と同様に処理してペースト状抽出物202gを得た。
これを実施例9と同様にアセトン分別処理してペースト
状のアセトン可溶性物19gを得た。これに含まれる成
分は、TLC分析の結果、アガリクス ブラゼイ ムリ
ルの場合とほぼ同じであった。
【0029】比較例1 アガリクス ブラゼイ ムリルの乾燥子実体150gに
純水1.76Lを加え、80〜90℃に加熱して1時間
抽出した。減圧濾過後、残渣に純水1.41Lを加え同
様に抽出を2回行った。両抽出液を合わせて水分を減圧
下に除去し、さらにフリーズドライ処理に供して、エキ
ス末85.5gを得た。このエキス末は蛋白多糖体に富
んでいる。
【0030】実施例1〜10で調製した抽出物またはア
セトン分別物(実施例3、4の抽出物、実施例1、5、
6、7、8、9および10のアセトン可溶性物、実施例
2のアセトン不溶物)および比較例1で調製したエキス
末の各々を試験物とし、マウスに経口摂取させた場合の
抗腫瘍効果、体重、脾臓および胸腺の各重量に及ぼす影
響を以下の方法で試験し評価した。
【0031】試験例1 6週齢のICR雄性マウス(日本クレア(株)から購
入)を1週間予備飼育した後、健康なマウスを実験に使
用した。マウスを1群10匹で3群構成し、1匹当たり
4×10細胞数のザルコーマ180細胞を右腹部皮下
に移植した。該腫瘍細胞を移植した翌日から前記試験物
を5%アラビアゴム水溶液に溶解あるいは懸濁させたも
の(マウス体重kgあたり試験物800mg)を20日
間経口投与し、腫瘍容積量(長径×短径/2で算出)
を測定した。21日目各群のマウスをエーテル麻酔下、
頸椎脱臼により屠殺し、腫瘍組織、体重を測定し、脾
臓、胸腺を摘出して重量を測定した。各群の体重、脾
臓、胸腺の各重量を表1に、各々の日数において対照
(ザルコーマ180担癌マウス)に対する試験群の腫瘍
抑制率{(対照の腫瘍容積量−投与群の腫瘍容積量)×
100/対照の腫瘍容積量}を表2に、また、腫瘍組織
重量を表3にそれぞれ示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1において、数値は平均値±標準誤差を
示す。データより担癌マウス群と各試験物投与群との間
に有意差は認められなかった。このことから、試験物の
経口投与による副作用は認められないと判断できる。
【0034】
【表2】
【0035】担癌マウスにおける腫瘍容積量は経日的に
増大し、これに対して試験物投与群ではいずれも腫瘍容
積量が減少し、とりわけクロロホルム/メタノール抽出
物およびそのアセトン可溶性物は顕著な腫瘍抑制効果を
示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3において、数値は平均値±標準誤差を
示す。各試験物投与群はいずれも腫瘍組織重量の低下を
示し、対照群の値と比較して有意差があること(P<
0.05)を示した。
【0038】これらの結果より、アガリクス茸を少なく
とも脂溶性有機溶剤を含む溶媒で抽出して得られる脂溶
性成分を含む画分(抽出物)には強い抗腫瘍活性がある
ことが明らかとなった。とくにクロロホルム/メタノー
ル混合溶媒による抽出物およびそのアセトン可溶性物に
顕著な抗腫瘍活性が認められた。
【0039】実施例11 実施例1で得たアガリクス ブラゼイ ムリル子実体の
抽出物のアセトン可溶性物120mg、プロポリス95
mg、ミツロウ20mg、コーン油15mgを40℃に
加温しながら十分に混合して均一な液状物とした。これ
をカプセル充填機に供給して1粒内容量が250mgの
ゼラチン被覆カプセル製剤を試作した。この製剤は経口
摂取が可能な医薬用組成物または食用組成物として利用
できる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、アガリクス ブラゼイ
ムリル等のアガリクス茸を原料として、少なくとも脂
溶性成分を含む画分を有効成分としてなる抗腫瘍活性の
高い組成物が提供される。ここで、脂溶性成分がアセト
ンに可溶性のものであるとき、さらに顕著な活性を有す
る抗腫瘍性組成物となる。すなわち、急激な体重減少等
の副作用をともなうことなく、腫瘍に対して腫瘍容積量
および腫瘍組織重量を効果的に低下させ、癌による死亡
を顕著に防止できる。これらの抗腫瘍性組成物は、アガ
リクス茸を高圧かつ加熱条件下で抽出することにより効
率的に製造できる。また、本発明によれば、前記抗腫瘍
性組成物を配合して、経口摂取が可能な医薬用または食
用組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 拓道 愛媛県松山市鷹子町1174−17 Fターム(参考) 4B018 LE04 MD82 ME08 MF01 MF04 4C088 AA07 AC17 BA04 CA02 CA06 CA09 CA19 MA52 NA14 ZB26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガリクス茸の少なくとも脂溶性成分を
    含む画分を有効成分としてなる抗腫瘍性組成物。
  2. 【請求項2】 アガリクス茸がアガリクス ブラゼイ
    ムリル(Agaricsu blazeiMuril
    l)の子実体および/または菌糸体である請求項1に記
    載の抗腫瘍性組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも脂溶性成分を含む画分が、ア
    ガリクス茸を脂溶性有機溶剤を含む溶媒を用いて抽出さ
    れるものである請求項1または2に記載の抗腫瘍性組成
    物。
  4. 【請求項4】 脂溶性有機溶剤がクロロホルム、メタノ
    ール、エタノール、ヘキサンおよびアセトンからなる群
    から選ばれる1種または2種以上のものである請求項3
    に記載の抗腫瘍性組成物。
  5. 【請求項5】 アガリクス茸の脂溶性成分がアセトンに
    可溶性の低極性脂質である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の抗腫瘍性組成物。
  6. 【請求項6】 アガリクス ブラゼイ ムリルの子実体
    および/または菌糸体を、少なくとも脂溶性有機溶剤を
    含む溶媒を用いて、1〜1.5気圧下かつ40〜80℃
    の加熱下にて抽出処理し、該抽出液から溶媒を除去して
    抽出物を得ることを特徴とする抗腫瘍性組成物の製造
    法。
  7. 【請求項7】 抽出物にさらにアセトンを加え、その可
    溶性成分を分別、採取することを特徴とする請求項6に
    記載の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗
    腫瘍性組成物を配合してなる医薬用組成物または食用組
    成物。
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