JP2008007481A - 血管新生阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間摂取し続けても安全で、かつ経口投与でも血管新生に伴う疾病を予防または治療する効果を充分に発揮する血管新生阻害活性を有する組成物並びにそれを含有する血管新生阻害剤及び血管新生阻害効果を有する飲食品を提供する。
【解決手段】 人工栽培したハナビラタケ子実体乾燥粉末を純水に懸濁し、100℃で2時間抽出し、得られた抽出液を遠心分離することによって上清と残渣に分離し、残渣について同じ操作をもう一度繰り返し、得られた上清について凍結乾燥を行い得られた熱水抽出物、あるいはさらに熱水抽出物を純水に再溶解し、透析膜を用いて分画した低分子画分を有効成分として含有した血管新生阻害剤。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ハナビラタケから得られる血管新生阻害活性を有する組成物並びにそれを含む医薬品及び飲食品に関する。
血管新生とは、すでに胎生期や成育過程で完成された血管から何らかの刺激に伴って新しい血管が枝を伸ばすように作られることである。女性性周期や皮膚の切傷の治癒過程などにおいて見られるものであるが、多くの病気とも関わっている。そのような病気は血管新生病と呼ばれており、失明につながる糖尿病性網膜症や加齢性黄斑変性症、尋常性乾癬、関節リウマチ、腫瘍または癌の増殖・転移などが該当する。新生血管の形成は、腫瘍もしくは癌、組織などへの栄養供給を行うという役割を有することから、それらの増殖・肥大化に不可欠である。従って、このような新生血管の形成を抑制することができれば、腫瘍もしくは癌の増殖・転移、慢性炎症、網膜症などの病態を抑制することができると考えられている。
腫瘍もしくは癌細胞は、1〜2 mm3程度の大きさになると血管を新生する必要が生じる。すなわち、腫瘍もしくは癌細胞は血管新生促進物質を産生し、それ自体が成長していくために必要な酸素や栄養を運搬するための血管の新生を誘導する。それによって、これらの細胞の増殖は促進される。このように、血管新生は腫瘍もしくは癌の増大に必須であるが、転移にも深く関与している。なぜならば、原発巣で増大した腫瘍もしくは癌が周辺結合組織へ浸潤後、血管内に侵入して転移した場合、転移巣での腫瘍もしくは癌の増殖にも関与するからである。
また、糖尿病患者が網膜症を発症し、網膜の毛細血管が閉塞をきたして低酸素状態に陥ると、網膜の酸素不足を補うために血管新生が生じる。こうして生じた新生血管は硝子体組織の癒着を引き起こし、またもろく出血しやすいため、症状が進行すると緑内障の発症や失明の危険性がある。さらに加齢性黄斑変性症では、網膜やブルッフ膜に加齢性の変化が生じ、脈絡膜からの血管新生が誘導される。この新生血管からの出血が繰り返されると、最終的には網膜の視細胞が破壊されて失明につながる。
血管新生においては、さまざまな促進及び抑制因子が知られている。促進因子としては、血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、腫瘍壊死因子(TNF-α)やインターロイキン-8(IL-8)などのサイトカイン、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などのプロテアーゼなどが知られ、抑制因子としては、インターフェロンα/β(IFN-α/β)やインターロイキン-12(IL-12)、形質転換増殖因子-β(TGF-β)などのサイトカイン、インターフェロンインデューシブルプロテイン-10(IP-10)、プラスミノーゲンアクチベータインヒビター(PAI)などのタンパク質が知られている。
また、血管新生のプロセスは、がんや間質から産生される血管新生促進因子によって血管新生のスイッチが入る、MMPやプラスミノーゲンアクチベータの関与により血管内皮細胞下の基底膜が消化される、血管内皮細胞が遊走・増殖する、血管内皮細胞が管腔を形成する、という4つのステップに分けられる。これらの各段階において、上記の血管新生促進因子及び抑制因子が複雑に作用し合うことが知られている。
通常は、抑制因子の発現は促進因子より亢進しているが、癌などの血管新生病の場合には、促進因子の発現が抑制因子の発現より亢進していることが明らかになってきている。従って、血管新生抑制因子を生体に投与し、血管新生を抑制することが血管新生病に対する治療法として期待されており、これまでにも腫瘍または癌の増殖に対する血管新生阻害物質の効果に関して様々な研究が行われてきた。その場合、上記の4つのステップの内、いずれを阻害しても良いと考えられる。
これまでの研究においては、アンギオスタチン(非特許文献1及び2)、エンドスタチン(非特許文献3)、アスペルギルス・フミガトゥス(Aspergillus fumigatus)に由来するフマギリン(fumagillin)及びその合成誘導体であるTNP-470(非特許文献4)、サイトジェニン(非特許文献5)、メタロプロテアーゼ阻害薬であるバチマスタット(BB-94)及びマリマスタット(BB-2516)(非特許文献6及び7)、などの合成化学物質の他、血管新生因子(EGF、TGF-α、VEGFなど)とそれらに対応するレセプターの結合を阻害するモノクローナル抗体(非特許文献8)が、血管新生阻害物質として知られている。しかしながら、これらの物質は、副作用などを考慮しなければならないため、容易には使用できないという欠点が存在した。
このほかに、副作用の心配がほとんどないという特徴のため、食品由来の物質から血管新生阻害作用を有する物質を探す試みが行われてきた。例えば、サメ軟骨(非特許文献9)、緑茶成分であるエピガロカテキン(EGC)やエピガロカテキンガレート(EGCG)(非特許文献10)、大豆のイソフラボンの一種であるゲニステイン(非特許文献11及び12)などに、血管新生阻害作用が存在することが報告された。
一方、キノコ類は古くから食用として利用されており、最近その成分の生理活性が明らかにされ、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン(いずれも商品名)などは、抗悪性腫瘍剤としての有用性が認められており、アガリクス、メシマコブ、霊芝などは免疫賦活作用や抗腫瘍作用を期待して、子実体や菌糸体の乾燥物や抽出物を健康食品素材として利用することが試みられている(例えば、特許文献1、2及び3)。
このようなキノコ類に属するハナビラタケは、カラマツ等の針葉樹に生えるキノコであって、非常に希少なキノコである。歯ごたえがよく、その純白の色合いと葉牡丹のような形態が特徴である食用キノコである。これまで、このハナビラタケは成長が遅く人工栽培は非常に困難であるとされてきたが、最近になって、比較的短期間で栽培可能な新しい栽培法が確立され、商業規模での供給が可能となっている。
このハナビラタケの子実体について溶媒でβ-グルカンを抽出する方法が提案され、その抽出物について医薬品分野での用途が提案されており(特許文献4及び5)、例えば、この抽出物を担癌マウスに投与した場合、抗腫瘍作用を発揮することが示されている(非特許文献13)。
しかし、ハナビラタケの抗腫瘍作用に関しては、免疫賦活作用の関与についてしか焦点が当てられてこず、血管新生阻害作用の関与について検討された報告は見あたらない。
キノコ由来の血管新生阻害剤としては、これまで、シイタケの熱水抽出物(特許文献6)、スエヒロタケ由来のβ-グルカン製剤であるクレスチン(非特許文献14)、アガリクス・ブラゼイ由来のエルゴステロール(非特許文献15)などの作用が報告されているものの、効果が充分でなかったり、腹腔内投与による効果しか検証されていなかったりする。
M.S.オレイリー(O'Reilly), L.ホルムグレン(Holmgren), C.チェン(Chen) and J.ホークマン(Folkman),「アンギオスタチンはマウスにおける原発腫瘍の休眠を誘導・維持させる(Angiostatininduces and sustains dormancy of human primary tumors in mice).」, ネイチャー メディスン(Nature Med.), (1996), 2:689-692 B.K.シム(Sim), M.S.オレイリー(O'Reilly), H.リアン(Liang), A.H.フォティア(Fortier), W.ヒ(He), J.W.マドセン(Madsen), R.ラプセビッヒ(Lapcevich) and C.A.ネイシー(Nacy),「組み換え型ヒトアンギオスタチンは実験的原発癌及び転移癌を抑制する(A recombinant human angiostatin protein inhibits experimental primary and metastatic cancer).」, キャンサー リサーチ(Cancer Res.), (1997), 57:1329-1334 M.S.オレイリー(O'Reilly), T.ボエム(Boehm), Y.シン(Shing), N.フカイ(Fukai), G.バシオス(Vasios), W.S.レーン(Lane), E.フリン(Flynn), J.R.バークヘッド(Birkhead), B.R.オルセン(Olsen) and J.ホークマン(Folkman), 「エンドスタチン:外因性の血管新生及び腫瘍増殖阻害剤(Endostatin: an endogenous inhibitor of angiogenesis and tumor growth).」, セル(Cell), (1997), 88:277-285 D.イングバー(Ingber), T.フジタ(Fujita), S.キシモト(Kishimoto), K.スドウ(Sudo), T.カナマル(Kanamaru), H.ブレム(Brem) and J.ホークマン(Folkman), 「血管新生と腫瘍増殖を阻害するフマギリンの合成アナログ(Synthetic analogues of fumagillin that inhibit angiogenesis and suppress tumour growth).」 ネイチャー(Nature), (1990), 348:555-557 T.オイカワ(Oikawa), M.ササキ(Sasaki), M.イノセ(Inose), M.シマムラ(Shimamura), H.クボキ(Kuboki), S.ヒラノ(Hirano), H.クマガイ(Kumagai), M.イシズカ(Ishizuka) and T.タケウチ(Takeuchi), 「新規の微生物由来産物であるサイトゲニンの、イン・ビボにおける胚性及び腫瘍誘導血管新生に対する影響(Effects of cytogenin, a novel microbial product, on embryonic and tumor cell-induced angiogenic responses in vivo).」, アンチキャンサー リサーチ(Anticancer Res.), (1997), 17:1881-1886 G.タラボレッティ(Taraboletti), A.ガロファロ(Garofalo), D.ベロッティ(Belotti), T.ドルディス(Drudis), P.ボルソッティ(Borsotti), E.スカンジアニ(Scanziani), P.D.ブラウン(Brown) and R.ギアバッジ(Giavazzi), 「マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤であるバチマスタットによる血管新生及びマウス血管腫の阻害(Inhibition of Angiogenesis and Murine Hemangioma Growth by Batimastat, a Synthetic Inhibitor of Matrix Metalloproteinases).」, ジャーナル オブ ザ ナショナル キャンサー インスティテュート(J. Natl. Cancer Inst.), (1995), 87:293-298 「マリマスタット:BB2516, TA2516(Marimastat: BB 2516, TA 2516).」, ドラッグス イン アール アンド ディー(Drugs R.D.), (2003), 4(3):198-203. S.イクバル(Iqbal) and H.J.レンズ(Lenz), 「直腸結腸癌の治療における新規物質の調和的利用(Integration of novel agents in the treatment of colorectal cancer).」, キャンサー ケモセラピー アンド ファーマコロジー(Cancer Chemother. Pharmacol.( (2004), 54 Suppl. 1:S32-39 八木田旭邦、「新免疫療法(仮称)(Novel Immunotherapy for Cancer; NITC)における血管新生阻害剤の役割」, バイオセラピー(Biotherapy), (2000), 14(10):973-982 Y.キャオ(Cao) and R.キャオ(Cao), 「お茶によって阻害される血管新生(Angiogenesis inhibited by drinking tea).」, ネイチャー(Nature), (1999), 398:381 T.フォトシス(Fotsis), M.ペッパー(Pepper), H.アドレークルーズ(Adlercreutz), G.フレイシュマン(Fleischmann), T.ヘイス(Hase), R.モンテサノ(Montesano) and L.シュウェイゲラー(Schweigerer), 「イン・ビトロで血管新生を阻害する食品由来成分ゲニステインについて(Genistein, a Dietary-Derived Inhibitor of in vitro Angiogenesis).」, プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), (1993), 90:2690-2694 三浦健人、袁嵐、孫歩祥ら、「製品図解 天然抗腫瘍物質GCPの開発」, ニュー フード インダストリー(New Food Industry), (2001), 43(3):17-22 特開2001−10970号公報 特開2001−131083号公報 特開2003−183176号公報 特開2000−217543号公報 特許第3509736号公報 N.オオノ(Ohno), N.N.ミウラ(Miura), M.ナカジマ(Nakajima) and T.ヤドマエ(Yadomae), 「栽培されたスパラシス・クリスパ子実体由来の抗腫瘍性1,3−ベータグルカン(Antitumor1,3-beta-glucan from cultured fruit body of Sparassiscrispa).」, バイオロジカル アンド ファーマシューティカル ブレティン(Biol. Pharm. Bull.), (2000), 23(7):866-872 特開2004−196791号公報 T.カノウ(Kanoh), K.マツナガ(Matsunaga), K.サイトウ(Saito) and T.フジイ(Fujii), 「タンパク−多糖複合体ピーエスケーによるイン・ビボにおける腫瘍誘導血管新生の抑制(Suppression of in vivo tumor-induced angiogenesis by the protein-bound polysaccharide PSK).」, (1994), イン ビボ(In Vivo), 8:247-250 T.タカク(Takaku), Y.キムラ(Kimura) and H.オクダ(Okuda), 「アガリクス・ブラゼイ・ムリル由来の抗腫瘍化合物の単離とその作用メカニズム(Isolation of an Antitumor Compound from Agaricus blazei Murill and Its Mechanism of Action).」, ジャーナル オブ ニュートリション(J. Nutr.), (2001), 131:1409-1413
これまでに血管新生抑制作用が明らかにされた上記の化合物は、癌の予防または治療に有効であると考えられるが、いずれの化合物も、継続的に、例えば食品として長期間摂取し続けた際の安全性については必ずしも保証されているものではなく、また経口投与による効果は充分でないという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、長期間摂取し続けても安全で、かつ経口投与でも血管新生に伴う疾病を予防または治療する効果を充分に発揮する血管新生阻害活性を有する組成物並びにそれを含有する血管新生阻害剤及び血管新生阻害効果を有する飲食品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため新規な素材の開発を求めて鋭意検討した結果、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体、もしくはその熱水抽出物、さらには熱水抽出物から得られた低分子画分に血管新生阻害作用を見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物を要旨とするものである。また、本発明は、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体から溶媒を用いて抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物を要旨とするものであり、好ましくは、溶媒が、熱水である前記の血管新生阻害活性を有する組成物である。また、本発明は、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体から溶媒を用いて抽出される画分であって、分子量8000以下の画分を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物を要旨とするものである。さらに、本発明は、前記した血管新生阻害活性を有する組成物を有効成分とする血管新生阻害剤を要旨とするものであり、また本発明は、前記した血管新生阻害活性を有する組成物を含有することを特徴とする血管新生阻害効果を有する飲食品を要旨とするものである。
本発明によれば、優れた血管新生阻害活性を示す組成物が提供できる。また、食用キノコであるハナビラタケを原料としているため、極めて安全性が高いことから、飲食品に含ませて用いることができる他、経口投与剤に含ませて用いることもできる。従って、上記したような血管新生病を患った患者ごとに適した投与方法を選択することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ハナビラタケは、標高1千メートル以上のカラマツ等の針葉樹に特異的に発生するキノコで、発見することが難しいために「幻のキノコ」と言われてきた。これまで、その栽培は難しく、一般にはあまり知られていなかったが、近年、人工栽培方法が確立され、量産されるに至った。
本発明で用いられるハナビラタケの子実体は、天然のものでも人工栽培されたものでもよい。人工栽培の方法としては、従来から知られている人工栽培用の菌床を作成することにより行うことができる(詳細は、例えば、特開平11−56098号公報、特開2002−369621号公報、特開2002−125460号公報参照)。
また、本発明においては、ハナビラタケの菌糸体も用いることができる。菌糸体は液体培養法によって得ることができる。培地に使用する炭素源としては、グルコースなどの単糖の他、デキストリン、グリセロールなど通常用いられる炭素源が使用できる。また、窒素源としては無機又は有機窒素源が使用できるが、生育速度の観点からは有機窒素源を用いるほうが好ましい。また、必要に応じて微量元素やビタミン等の生育因子を添加することは通常の培養と何ら変わりはない。培養温度は15℃〜30℃、好ましくは18℃〜28℃、20℃〜25℃が最も好ましい。pHは2.5〜8.0、好ましくは3.0〜7.0、3.5〜5.0が最も好ましい。培地成分には不溶成分を添加することが均一に生育させることができることから好ましい。培養期間は培地組成や菌株により、数日から数週間程度に設定されうる。
このようにして得られたハナビラタケの子実体あるいは菌糸体は、そのままで本発明の血管新生阻害活性を有する組成物とすることができる。あるいは溶媒抽出物を得るために、生のままで次の抽出工程に移してもよいし、乾燥し、必要により粉末化などの加工をしてから抽出工程に移してもよい。
本発明における有効成分はハナビラタケに含まれており、優れた効果を得るためには、有効成分を抽出、濃縮することが望ましい。その際、有機溶剤又は水溶液による抽出操作によって活性物質を得ることができる。有機溶剤としてはアルコール、アセトニトリル、酢酸エステル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、グリコール、エーテル、THF、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、水溶液は純水、酸水溶液、アルカリ水溶液、塩溶液などを用いることができる。抽出にはこれら溶剤を単独で又は2種類以上を混合して用いることができるが、これらの中で特に純水が好ましい。
抽出に用いる溶剤の量に特に制限はないが、ハナビラタケ重量に対して2〜100倍量を用いることが好ましく、5〜50倍量がさらに好ましい。2倍量以下では操作性が、100倍量以上では作業効率が悪い。
また、抽出は1種又は複数種の溶剤を用いて、複数回行うこともできる。複数回行う場合は、ハナビラタケからの抽出でもよいし、ハナビラタケから得られた抽出画分あるいは抽出後のハナビラタケ残渣をさらに抽出してもよい。また、それらを組み合わせて行うことができる。
抽出操作の際の温度は、特に制限はないが2〜200℃が好ましく、20〜150℃がさらに好ましく、80〜121℃が最も好ましい。2℃以下では抽出効率が悪く、200℃以上では抽出物が熱分解し活性が失われたりなどする。抽出時間にも特に制限はないが、10分〜3日間程度が好ましく、30分〜2日間がさらに好ましく、2時間〜1日間が最も好ましい。10分以下では抽出量が少なく、3日間以上では作業効率が低い。また、抽出は静置のまま行うこともできるが、撹拌又は振盪などすることによって抽出効率を高めることができる。
本発明の血管新生阻害活性を有する組成物は、以上のように、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体の乾燥粉末または以上のようにして得られた抽出画分を有効成分として含有するものである。本発明においては、以上のようにして得られた抽出画分をさらに分画し、分子量8000以下の画分を用いるのが好ましい。その後、濃縮して含ませることも可能である。分画する方法は特に限定されないが、例えば、透析膜を用いる方法、ゲル濾過法あるいはエタノール沈澱による方法などが挙げられる。濃縮の方法としては、溶媒抽出、アルコール沈殿、乾燥などの周知の分離手段が用いられる。具体的には以下のようにして行うことができる。
上記のようにして得られたハナビラタケ子実体及び/又は菌糸体の溶媒抽出画分を一旦凍結乾燥処理により乾燥物とした後、適当量の水に再溶解し、分画分子量が8000以下である透析膜を用いて透析を行う。透析膜の具体例としては、フナコシ製、スペクトラバイオテックメンブレンシリーズ、スペクトラ/ポアCEシリーズ、同RCシリーズ等が挙げられる。透析外液には蒸留水を用いれば良いが、上記の抽出画分の乾燥物より調製する透析内液は、乾燥物の溶解性に応じて酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウムや尿素等を適宜添加する。透析外液(蒸留水)を入れた容器に透析外液を満たして、両端を厳重に密封した透析膜(チューブ)を浸漬し、1〜3日静置、あるいは攪拌下で放置する。これにより透析外液中に分子量が8000以下の成分が得られる。なお、透析工程を数回繰り返すことにより、透析外液画分の回収量を増やすことも可能である。
ゲル濾過法による方法は、上記と同様にして得られた溶媒抽出物を適当な濃度に溶解し、ゲル濾過用の担体を充填したガラスカラムに通すことにより、分子量が8000以下の成分を得ることができる。ここで用いるカラム担体としては、アマシャムファルマシアバイオテク社のセファクリルシリーズ、セファデックスシリーズ等が挙げられる。
エタノール沈殿の方法は、上記と同様にして得られた溶媒抽出物を、75%エタノールに溶解し、不溶性の沈殿物を取除くことにより上澄液中に分子量が8000以下の成分を得ることができる。
なお、本発明において分子量は、GPC法(カラム:UltrahydrogelGuard+120+500;Waters製、移動相;0.5Mリン酸緩衝液(pH11)、流速;0.5ml/分、検出;示差屈折率、推定分子量は各分子量のデキストランの保持時間より算出)により求めたものである。
本発明の血管新生阻害剤は、通常、ハナビラタケの子実体または菌糸体もしくはそれらの抽出画分を0.01〜100質量%配合するのが好ましい。さらに好ましくは、0.1〜80質量%配合するのが好ましい。この範囲であれば製剤化が容易であり、かつ十分な効果を期待できる。
本発明の血管新生阻害剤の形態は、適用の仕方に応じて種々の形態にすることができる。経口投与する場合には、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができる。
製剤には薬剤的に許容できる種々の担体を加えることができる。例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、コーティング剤を含むことができるが、これらに限定されない。本発明の血管新生阻害剤を持続性、徐放性のものとしてもよい。
本発明の血管新生阻害剤は、上記した本発明の血管新生阻害活性を有する組成物を含有するものである。この組成物は、ハナビラタケの子実体または菌糸体に由来するものであり、ハナビラタケ子実体は食経験があり極めて安全なキノコである。この点から、本発明の血管新生阻害剤の使用量は厳しく制限されるものではないと考えられるが、概ね、下限は予防又は治療という目的に応じた効果を発揮しうる量を、上限は使用のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準とし、通常、ハナビラタケ乾燥物に換算して成人1日あたり約0.01g〜約100g、好ましくは約0.1g〜約10gを使用すればよい。もちろん、使用する者の年齢、体重、症状、使用期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて投与することもできる。また、他の血管新生阻害剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明の飲食品は、上記した本発明の血管新生阻害活性を有する組成物を含有するものである。ハナビラタケ子実体は食経験があり極めて安全なキノコである。この点から、上記組成物の含有量は厳しく制限されるものではないと考えられるが、概ね、下限は予防又は治療という目的に応じた効果を発揮しうる量を、上限は摂取のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準とし、通常、ハナビラタケ乾燥物に換算して成人1日あたり約0.01g〜約100g、好ましくは約0.1g〜約10gを摂取すればよい。もちろん、摂取する者の年齢、体重、症状、投与期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて摂取することもできる。
本発明の飲食品は、加工飲食品、医薬部外品、医薬品に用いられる水性成分、油性成分、植物抽出液、動物抽出液、粉末、界面活性剤、油剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料等を本発明の血管新生阻害活性を有する組成物とともに原材料に配合することにより調製される。形態としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤などの健康飲食品類;麺類;パン類;無果汁飲料、果汁入り飲料、乳酸菌飲料、茶類飲料、コーヒー飲料、豆乳飲料、スープ類等の飲料類;スナック、クッキー、ガム、キャンディー等の菓子類;アイスクリーム、シャーベット、みぞれなど冷菓類;プリン、ババロア、ゼリー、ヨーグルト、ケーキなどのデザート食品類及びその他のインスタント食品とすることができる。
本発明の飲食品は、本発明の血管新生阻害活性を有する組成物及び上記した成分などのほかに、さらに、鉄、カルシウム等の無機成分、種々のビタミン類、オリゴ糖、キトサン等の食物繊維、大豆抽出物等のタンパク質、レシチンなどの脂質、ショ糖、乳糖等の糖類、乳酸菌を含んでいてもよい。
また本発明の飲食品は、既存の健康食品類、飲料類、菓子類、冷菓類、デザート類及びその他インスタント食品類に、上記した本発明の血管新生阻害剤を含ませることによっても得ることができる。
さらに本発明の飲食品は、上記した本発明の血管新生阻害活性を有する組成物のほかに、他の血管新生阻害成分や、抗サイトカイン剤、抗炎症成分、他の有効成分を含ませるものであってもよく、そうした場合、腫瘍壊死因子(TNF-α)、インターロイキン-8(IL-8)など複数の血管新生促進因子も同時に抑制することができることから、より高い効果を持つ飲食品とすることができる。
以下、本発明の実施例を挙げるが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
製造例1〔ハナビラタケ子実体の製造〕
ハナビラタケ子実体を以下のようにして製造した。カラマツの大鋸屑、小麦粉、栄養分(バナナ、蜂蜜、エビオス、ペプトン、塩化カルシウム、ハイポネックス)及び水を、大鋸屑:小麦粉:栄養分:水=100:11.5:1.9:51の重量比で含む菌床基材を準備した。この菌床基材(520g)を、850ml容のポリプロピレン製の培養瓶に入れ、常法に従って培養瓶を滅菌した後に、ハナビラタケの種菌(16g)を接種した。その後、この培養瓶を、23℃の温度下で、56日間放置することによりハナビラタケ子実体を収穫した。子実体の重量は培養瓶1本当たり140gであった。
製造例2〔ハナビラタケ菌糸体の製造〕
ハナビラタケ菌糸体を以下のようにして製造した。イーストエキス0.4質量%、グルコース2質量%、リン酸2水素カリウム0.1質量%、リン酸水素2ナトリウム0.1質量%となるように水に溶解し、1Nの塩化水素でpH5.0に調製し、500ml容三角フラスコにそれぞれ200ml入れ、常法に従って滅菌した。この液体培地にハナビラタケの種菌を生育させた平板培地から径6mmの寒天片を打ち抜き、その一片を接種し、24℃の暗黒下で、21日間振とう培養(100rpm)することによりハナビラタケ菌糸体を収穫した。菌糸体の乾燥重量は三角フラスコ1本当たり2gであった。
製造例3〔血管新生阻害成分の抽出〕
ハナビラタケ子実体から血管新生阻害成分を以下のようにして調製した。ハナビラタケ子実体乾燥粉末30gを純水1000mlに懸濁し、100℃で2時間抽出した。この抽出液を遠心分離することによって上清と残渣に分離し、残渣について同じ操作をもう一度繰り返した。得られた上清については凍結乾燥を行い、熱水抽出物(FH)(10.9g)を得た。さらに、この熱水抽出物を純水に再溶解し、分画分子量が8000の透析膜を用いて4℃下で透析を行った。透析外液を回収し、凍結乾燥することによって低分子画分(FHL)(4.2g)を得た。
比較例1〔シイタケ菌糸体抽出物の調製〕
前記の特開2004−196791号公報に準じ、シイタケ菌糸体抽出物を調製した。すなわち、バガスと脱脂米糠を基材とする固体培地上にシイタケ菌を接種し、次いで菌糸体を増殖して得られる菌糸体を含む固体培地を12メッシュ通過分が30重量%以下となるよう解束した。この解束された固体培地に水、セルラーゼ及びプロテアーゼを、前記固体培地を30〜55℃の温度に保ちながら添加するとともに粉砕し、バガス繊維の少なくとも70重量%以上が12メッシュ通過分であるようにした。次いで95℃までの温度に加熱することにより酵素を失活させるとともに滅菌し、得られた懸濁液を濾過及び凍結乾燥することによってシイタケ菌糸体抽出物を得た。
試験例1〔分子量の確認〕
製造例3に従って調製したFH及びFHLの分子量分布をGPC法(前記)によって確認したところ、FHの分子量はメインピークが約5万の幅広い分布を取り、FHLはメインピークを5000前後とした分子量8000以下の成分を含むことが示された。チャートを図1に示した。
実施例1〔血管新生阻害作用(in vitro)〕
製造例3で得られた抽出物のin vitroにおける血管新生阻害作用を検討するため、ヒト血管内皮細胞とヒト線維芽細胞を24ウェルプレートで共培養してある血管新生キット(クラボウ製)を用いた。
すなわち、血管内皮増殖因子(VEGF、クラボウ製)存在下で本細胞を培養して管腔形成を促し、被検物質添加によって管腔形成が阻害されるかどうかを観察した。キット到着日(day1)にVEGF及び被検物質を溶解した専用培地を各ウェルに添加し、その後day4、day7、day9に培地交換を行った。なお、試験群は、VEGF無添加(陰性対照群)、VEGFのみ添加(陽性対照群)、VEGF+FH(1000μg/ml)群、VEGF+FHL(1000μg/ml)群の4群とした。
Day11に細胞を70%エタノールで固定し、anti-CD31(PECAM-1) antibodyとanti-IgG antibody AlkPConjugateを用いて染色した。Chalkley Gridレンズを取り付けた顕微鏡で検鏡し、管腔とレンズのドットが重なった数をカウントして血管新生スコアとした。1ウェルあたり12ヶ所を検鏡し、1視野あたりの平均血管新生スコアを算出した。さらにその結果を以下の数式に当てはめ、管腔形成抑制率も算出した。
表1に結果を示す。
以上の結果から、FHとFHLはin vitroにおいてVEGFの作用を打ち消し、血管新生を阻害することが明らかになった。
実施例2〔血管新生阻害作用(in vivo)〕
製造例1及び製造例3で得られたハナビラタケ子実体の乾燥粉末及びFHLのin vivoにおける血管新生阻害作用を検討するため、マウスを用いて検討を行った。なお、比較として、血管新生阻害効果が既知であるシイタケ菌糸体抽出物(比較例1)と活性を比較した。
すなわち、ディフュージョンチャンバーリング(外径14 mm、内径10 mm、高さ2 mm、ミリポア製)の両面に、MFセメント(ミリポア製)を用いてメンブレンフィルター(ポアサイズ0.45μm、ミリポア製)を接着させ、内部に空洞を有するチャンバーを作製し、90℃で24時間以上乾熱滅菌した。その後、このチャンバーに、PBSに1.0×107個/mlの濃度で懸濁したB16-F10細胞(ATCCより購入)を注射器を用いて150μl注入し、注入口をナイロン棒で封入した。細胞注入後のチャンバーは、マウスに移植するまで氷冷PBS中に静置した。なお、対照群としては、B16-F10細胞の代わりにPBSをチャンバーに注入して用いた。
マウスへのB16-F10細胞注入チャンバーの移植は以下のように行った。まず、予め剃毛しておいたICRマウス(♀、7週齢、日本クレア)の背部皮下に26G針と注射筒を用いて尾根部から空気を8ml注入した。尾根部から頭側に1.5cmのところで皮膚を体軸と垂直方向に切開し、先のチャンバーを背部皮下に1匹当たり2個移植した。切開した皮膚はスキンステープラーによって縫合したのち、ポピドンヨード(イソジン液)で消毒した。
なお試験群は、PBS/水群(陰性対照群)、B16-F10/子実体群、B16-F10/FHL群、B16-F10/シイタケ菌糸体抽出物群(比較例1)、B16-F10/水群(陽性対照群)の4群とし、チャンバー移植6日前からPBS/水群とB16-F10/水群は水を、B16-F10/子実体群は子実体粉末(360mg/kg/day)を、B16-F10/FHL群はFHL(30mg/kg/day)を、B16-F10/シイタケ菌糸体抽出物群はシイタケ菌糸体抽出物(360mg/kg/day)を、それぞれ移植6日後まで胃ゾンデを用いて連日経口投与(1回/日)した。
移植後7日目にチャンバーを皮膚から丁寧に剥離し、チャンバー移植部位の新生血管数をカウントした。なお、長さ3mm以上の蛇行した血管をチャンバー移植に伴う新生血管とし、その本数をチャンバー移植部位ごとにカウントした。そして、群ごとに1チャンバー当たりの平均新生血管数を求め、その結果を以下の数式に当てはめ、血管新生阻害率を求めた。
結果を、以下の表2に示す。
以上より、ハナビラタケの子実体粉末及びFHLはin vivoにおいても血管新生抑制作用を示すことが明らかとなった。また、ハナビラタケ子実体とシイタケ菌糸体抽出物(比較例1)の投与量を等しく設定していることから、シイタケ菌糸体抽出物(比較例1)よりもハナビラタケ子実体の方が高活性であることも明らかとなった。
実施例3〔肝転移抑制作用(in vivo)〕
製造例1及び製造例2で得られたハナビラタケ子実体と菌糸体につき、マウスを用いた肝転移モデルにより、転移抑制作用を検討した。
すなわち、10%FBS及び0.1%マトリゲルを含有したDMEM培地にmouse LLC細胞(理研バイオリソースセンターから購入)を7.5×105個/mlの濃度に懸濁した。次に、5週齢の雌性C57BL/6に麻酔をかけ、LLC懸濁液の0.2mlを脾臓内に接種した。陰性対照群には0.2mlのPBSを脾臓内に注入した。
試験群は、PBS/水群(陰性対照群)、LLC/子実体群、LLC/菌糸体群、LLC/水群(陽性対照群)とし、LLC移植7日前から移植20目までPBS/水群とLLC/水群は水を、LLC/子実体群は子実体乾燥粉末(360mg/kg/day)を、LLC/菌糸体群は菌糸体乾燥粉末(360mg/kg/day)を連日経口投与(1回/日)した。
移植後21日目にマウスを解剖し、脾臓重量と肝臓の腫瘍コロニー数を計測した。
結果を以下の図2と図3に示す。
以上より、ハナビラタケの子実体及び菌糸体に肝転移抑制作用が見いだされ、これはハナビラタケの血管新生抑制作用に起因するものと考えられた。
ハナビラタケ子実体からの熱水抽出物と低分子画分との分子量分布を示す図である。 ハナビラタケ子実体と菌糸体による肝転移抑制作用を示す図である。 ハナビラタケ子実体と菌糸体による肝転移抑制作用を示す図である。

Claims (6)

  1. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物。
  2. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体から溶媒を用いて抽出される画分を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物。
  3. 溶媒が、熱水である請求項2記載の血管新生阻害活性を有する組成物。
  4. ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体から溶媒を用いて抽出される画分であって、分子量8000以下の画分を有効成分として含有することを特徴とする血管新生阻害活性を有する組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物を有効成分とする血管新生阻害剤。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする血管新生阻害効果を有する飲食品。


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