JP7105532B2 - 後眼部疾患の予防、改善、又は治療用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、後眼部疾患の予防、改善、又は治療などのために用いられる組成物に関する。また、本発明は、見え難さ及びそれに付随する症状の予防、又は改善のために用いられる組成物に関する。
後眼部疾患は、酸化ストレスによる網膜の神経細胞の障害が大きな要因であることが広く報告されている。例えば、緑内障、加齢黄斑変性、未熟児網膜症、網膜血管閉塞症、網膜光障害や、糖尿病、高血圧、高脂血症などによる網膜疾患などと酸化ストレスとの関係が指摘されている(非特許文献1)。
代表的な後眼部疾患である緑内障について述べると、緑内障は主に網膜神経節細胞の障害により引き起こされる疾患であり、視野狭窄や視野欠損が起こり、進行すると失明する場合もある。現在の緑内障治療は、眼圧を低下させることを基本としており、視野の保持には、眼圧を30%低下させることが有効であるとされている。ところが、日本人の緑内障患者の約7割は眼圧が正常範囲であり、眼圧を30%低下させることが困難である患者もいる。従って、眼圧低下以外の緑内障治療法の開発が強く求められている。
近年、酸化ストレス防御機構において中心的役割を担う転写因子であるNrf2(Nuclear factor erythroid 2-related factor2)が、酸化ストレスによる網膜神経節細胞の障害時に活性化されて、抗酸化や解毒などの機能を有する酵素の遺伝子群の発現を促進し、網膜神経節細胞の保護に関与していることが明らかとなった。また、Nrf2を活性化することにより網膜神経節細胞の酸化ストレスによる細胞死を抑制することができ、それにより、緑内障を改善できることが明らかとなった(非特許文献2)。
日眼会誌 112,22~29(2008) 東北大学大学院医学系研究科 2013年6月14日 配布物
本発明は、網膜神経細胞を保護し、それにより後眼部疾患の予防、改善、又は治療に有用な組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、見え難さ及びそれに付随する症状の予防、又は改善に有用な組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、キノコ類の抽出物が、神経細胞株PC12において、キノンオキシドレダクターゼ1(nqo1)遺伝子、ヘムオキシゲナーゼ1(hmox1)遺伝子、グルタチオンS-トランスフェラーゼ4(gsta4)遺伝子、及びチオレドキシンレダクターゼ(txnrd)遺伝子といった、抗酸化作用を有する酵素の遺伝子であって、Nrf2により転写が促進されるものの発現を増強することを見出した。
従って、キノコ類の抽出物は、神経細胞株PC12を酸化ストレスによる細胞障害から保護することが予測されたが、実際に、キノコ類の抽出物は、酸化剤によるPC12株の生存率の低下を抑制した。
PC12は、代表的な神経細胞株であり、網膜神経節細胞の機能評価のモデル細胞としても使われる(J Neurosci Res. 2000 May 15;60(4):495-503)。従って、キノコ類の抽出物は、網膜神経細胞を酸化ストレスによる細胞障害から保護し、それにより、後眼部疾患を予防、改善、又は治療できると考えられる。
また、キノコ類の抽出物を含む組成物を、見え難さを有する被験者に服用させたところ、眼の血流が顕著に向上した。血流の低下は、網膜神経細胞の障害の要因となる。例えば、緑内障における視野障害の進行は、血流不全による視神経節細胞の細胞死が関与していることが知られている(日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)128,255~258(2006))。従って、キノコ類抽出物を含む組成物は、血流改善によっても、網膜神経の細胞障害を抑制することが予測されたが、実際に、これらの被験者は、見え難さが顕著に改善した。
また、キノコ類の抽出物を含む組成物を、見え難さを有する被験者に服用させたところ、コントラスト感度、及び色彩識別能が向上した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の組成物を提供する。
〔1〕 キノコ類抽出物を含有する、見え難さ及び/又はそれに付随する症状を予防、又は改善するための組成物。
〔2〕 さらに、血流改善成分を含む〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 見え難さが、暗いところでの見え難さである〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕 見え難さが、明度の識別のし難さである〔1〕~〔3〕の何れかに記載の組成物。
〔5〕 見え難さが、色彩の識別のし難さである〔1〕~〔3〕の何れかに記載の組成物。
〔6〕 キノコ類抽出物の含有量が、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.05~50重量%である〔1〕~〔5〕の何れかに記載の組成物。
〔7〕 さらに、ルテインを含む〔1〕~〔6〕の何れかに記載の組成物。
〔8〕 経口投与用である〔1〕~〔7〕の何れかに記載の組成物。
〔9〕 キノコ類抽出物を含有する、後眼部疾患の予防、改善、又は治療用組成物。
〔10〕 キノコ類抽出物の含有量が、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.05~50重量%である〔9〕に記載の組成物。
〔11〕 さらに、血流改善成分を含む〔9〕又は〔10〕に記載の組成物。
〔12〕 さらに、ルテインを含む〔9〕~〔11〕の何れかに記載の組成物。
〔13〕 さらに、抗AGE成分を含む〔9〕~〔12〕の何れかに記載の組成物。
〔14〕 ナトリウムを含まないか、又はナトリウムの含有量が、組成物の全量に対して、0.12重量%以下である〔9〕~〔13〕の何れかに記載の組成物。
〔15〕 経口投与用である〔9〕~〔14〕の何れかに記載の組成物。
〔16〕 キノコ類抽出物を含有する、網膜神経細胞保護用組成物。
〔17〕キノコ類抽出物を含有する、Nrf2(Nuclear factor erythroid 2-related factor2)活性化用組成物。
〔18〕 キノコ類抽出物を含有する、キノンオキシドレダクターゼ1(nqo1)遺伝子、ヘムオキシゲナーゼ1(hmox1)遺伝子、グルタチオンS-トランスフェラーゼ4(gsta4)遺伝子、及びチオレドキシンレダクターゼ(txnrd)遺伝子からなる群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子の発現増強用組成物。
後眼部疾患は、網膜神経細胞が障害を受けることが一因となって引き起こされる。網膜神経細胞の障害ないしは細胞死の原因としては、眼圧亢進、酸化ストレス、血流低下などが知られている。代表的な後眼部疾患である緑内障は、日本人の患者の約7割において、眼圧が正常範囲であるにもかかわらず起こる正常眼圧緑内障である。
この点、キノコ類抽出物は、抗酸化作用を有する複数の酵素の遺伝子の発現を増大させることにより網膜神経細胞を酸化ストレスから保護し、また、眼の血流を改善することから、後眼部疾患、特に、眼圧低下による治療が十分でない緑内障をも、効果的に予防、改善、又は治療することができる。また、後眼部疾患患者は、見え難いために、気分が悪いといった二次的な症状を引き起こしたり、眼が重いといった不快な体感を感じたりすることが多い。キノコ類抽出物は、見え難さと、それに付随する多様な症状を効果的に予防、改善、又は治療することができる。
後眼部疾患は、加齢と共に進行するものも多く、長期に亘り治療しなければならないが、食品由来のキノコ類抽出物は、長期使用に適している。
また、キノコ類抽出物は、明るい所及び暗い所でのコントラスト感度を向上させる。コントラスト感度は、明確な輪郭を持たず、濃淡の差が小さい模様を識別できる能力をいう。日常生活では、濃淡や輪郭が不明確な物を識別しなければならないため、コントラスト感度が向上することにより、日常生活における見え難さが予防、又は改善される。特に、加齢に伴い、このような濃淡や輪郭が不明確な物を識別する能力が低下し、特に暗い所で見え難くなるが、キノコ類抽出物は、加齢に伴うこのような見え難さを予防、又は改善することができる。
また、現在は、カラー表示が通常になっており、色彩の識別能が低下すると、日常生活が不便になる。この点、キノコ類抽出物は、色彩の識別能力を向上させることで、見え難さを予防、又は改善することができる。
キノコ類抽出物、及びルテインが、酸化ストレスによる細胞死から神経細胞株PC12を保護したことを示すグラフである。 キノコ類抽出物、及びルテインが、神経細胞株PC12に対して毒性を有さないことを示すグラフである。 キノコ類抽出物、及びルテインが、神経細胞株PC12において、抗酸化作用を有する酵素群の遺伝子の発現を増大させたことを示すグラフである。 キノコ類抽出物を服用前後の被験者の眼底血流の画像である。 WKマルチコントラスト視力表を示す図である。 VCTS 6000を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、キノコ類抽出物を含む組成物であり、後述する用途に使用される。
本発明の組成物は、食品組成物、医薬組成物、医薬部外品組成物などとして使用することができる。本発明の組成物は、経口投与用(内服用)組成物、又は非経口投与用組成物の何れであってもよい。
また、本発明の組成物の性状は特に限定されず、固形状又は液体状の何れであってもよい。本発明において、固形状は半固形状、ゲル状などを包含し、液体状は流動状、粘液状などを包含する。半固形状は、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
キノコ類抽出物
キノコ類としては、担子菌類、子のう菌類などを使用できる。中でも担子菌類が好ましく、サルノコシカケ科(タコウキン科)、ヒラタケ科、又はヒトヨタケ科に属するキノコ類がより好ましい。
サルノコシカケ科(タコウキン科)に属するキノコ類としては、マイタケ属、トンビマイタケ属、アイカワタケ属、ヤニタケ属、カンバタケ属、シュタケ属、アナタケ属、ホウロクタケ属、ツガサルノコシカケ属、チャミダレアミタケ属、シロアミタケ属、ツヤウチワタケ属、タマチョレイタケ属、ヒトクチタケ属などのキノコ類が挙げられる。中でも、マイタケ属に属するキノコ類、例えば、マイタケ、シロマイタケが好ましく、マイタケがより好ましい。
ヒラタケ科に属するキノコ類としては、キヒラタケ属、ヒラタケ属、マツオウジ属、カワキタケ属などのキノコ類が挙げられる。中でも、ヒラタケ属に属するキノコ類、例えば、タモギタケ、ヒラタケ、ウスヒラタケ、オオヒラタケが好ましく、タモギタケがより好ましい。
ヒトヨタケ科に属するキノコ類としては、ヒトヨタケ属、ナヨタケ属などのキノコ類が挙げられる。中でも、ヒトヨタケ属に属するキノコ類、例えば、ササクレヒトヨタケ(コプリーノ)、キララタケ、コキララタケ、クズヒトヨタケ、コツブヒメヒガサヒトヨタケ、ザラエノヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケ、ヒトヨタケ、ワタヒトヨタケが好ましく、ササクレヒトヨタケ(コプリーノ)がより好ましい。
キノコ類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明では、キノコ類の子実体、及び子実体を形成していない菌糸の何れも使用できる。また、人工培養により得られた菌糸も使用できる。子実体を使用すれば、効率よく抽出物を得ることができる。
キノコ類の抽出に用いる溶媒としては、水;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、炭酸アンモニウムのような無機塩の水溶液;リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液のような緩衝液;塩酸、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸のような無機酸の水溶液;酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸のような有機酸の水溶液;サポニン、レシチンのような界面活性剤の水溶液;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールのような低級アルコール;アセトン、エチルメチルケトンのようなケトン類などの親水性溶媒ないしは極性溶媒が挙げられる。
また、プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサンのような炭化水素;グリセリン;ジエチルエーテルのようなエーテル;プロピレングリコールのようなグリコール;ジクロロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテンのようなハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸メチルのような酢酸エステルなど疎水性溶媒も挙げられる。
親水性溶媒と疎水性溶媒とを混合して用いる場合は、親水性溶媒を10容量%以上、20容量%以上、30容量%以上、40容量%以上、50容量%以上、60容量%以上、70容量%以上、80容量%以上、又は90容量%以上含む溶媒とすることができる。親水性溶媒のみを用いることもできる。
また、溶媒は、水を10容量%以上、20容量%以上、30容量%以上、40容量%以上、50容量%以上、60容量%以上、70容量%以上、80容量%以上、又は90容量%以上含む溶媒とすることができる。水のみを用いることもできる。
溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
抽出温度は、適宜設定できるが、例えば約4℃~130℃、中でも約20~100℃とすることができる。また、室温で行うこともできる。
抽出物は、液状(流動状、粘液状などを含む)などの状態で用いることもでき、或いは、乾燥して、固形状(半固形状、ゲル状などを含む)、例えば粉状にしたものを用いることもできる。
組成物中のキノコ類抽出物の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましく、1重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、無理なく摂取できる量の組成物中に、本発明の効果を十分奏するだけのキノコ類抽出物が含まれることになる。また、組成物中のキノコ類抽出物の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、50重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、製剤化し易く、また経口投与用組成物の場合は、服用し易い、食べ易い、又は飲み易いものとなる。
血流改善成分
本発明の組成物は、さらに、血流改善成分を含むことができ、それにより一層効果的に網膜神経細胞を保護することができる。血流改善成分としては、ショウガ、マカ、イチョウ葉、大豆、梅果実、長命草、ココヤシ、ヒハツ、杜仲葉、ルイボス葉、タマネギ、ニンニク、フランス海岸松の樹皮、葛花、アムラー果実、わさび、シナモンなど、及びそれらの抽出物などが挙げられる。抽出方法は、キノコ類抽出物について説明した通りである。
また、カロテン(α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、ε-カロテン、リコペンなど)、トコフェロール、ニコチン酸、エラエオカルプシン、ケブラグ酸、ゲラニイン、コリラギン、シトルリン、シロスタゾール、チクロピジン塩酸塩、アルプロスタジル、リマプロスト、ベラプロストナトリウム、サルポグレラート塩酸塩、アルガトロバン、ナフチドロフリル、塩酸イソクスプリン、バトロキソビン、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩、塩酸トラゾリン、ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネート、四物湯エキス、カシス濃縮物、プロアントシアニジンなども挙げられる。
中でも、ショウガ、マカ、イチョウ葉、大豆、及びそれらの抽出物、カロテン、トコフェロールが好ましい。
血流改善成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
組成物中の血流改善成分の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.5重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、無理なく摂取できる量の組成物中に、本発明の効果を十分奏するだけの血流改善成分が含まれることになる。また、組成物中の血流改善成分の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、製剤化し易く、また経口投与用組成物の場合は、服用し易い、食べ易い、又は飲み易いものとなる。
ルテイン
本発明の組成物は、さらに、ルテインを含むことができる。ルテインは抗酸化作用を有し、特に、網膜神経細胞の保護に効果的である。
組成物中のルテインの含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、無理なく摂取できる量の組成物中に、本発明の効果を十分奏するだけのルテインが含まれることになる。また、組成物中のルテインの含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、製剤化し易く、また経口投与用組成物の場合は、服用し易い、食べ易い、又は飲み易いものとなる。
抗AGE成分
本発明の組成物は、さらに、抗AGE(Advanced Glycation End Products;最終糖化産物)成分を含むことができる。抗AGE成分は、メイラード反応を阻害して最終糖化産物の生成を阻害する成分、最終糖化産物を分解する成分などの何れであってもよい。糖尿病患者が血管系合併症を有する場合、緑内障などの後眼部疾患が悪化する傾向にあるが、本発明の組成物が抗AGEを含むことにより、糖尿病の予防又は改善を通して、後眼部疾患を効果的に予防、又は改善することができる。
抗AGE成分としては、ブドレジャアキシラリス葉、キンモクセイ、緑豆種皮、レモンマートル、ハマボウフウ、キャッサバ、ドクダミ、ローマカミツレ、ガンビールノキ、シラカバ、セイヨウサンザシ、マロニエ、メリンジョ、ブドウ葉、バラ、チャノキ、ハス葉、アカショウマ、黄杞葉、ヒノキオコシ、月見草、グァバ葉、ビワ葉、タマネギ外皮、羅布麻、オリーブ葉など、及びそれらの抽出物などが挙げられる。抽出方法は、キノコ類抽出物について説明した通りである。また、レスベラトロール、ケルセチン、テルペン類、α-リポ酸、ピリドキサミン、タウリン、アミノグアニジン、アントシアニン、イミダゾールジペプチドなども挙げられる。
中でも、メリンジョ、ブドウ葉、及びそれらの抽出物、レスベラトロールが好ましい。
抗AGE成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
組成物中の抗AGE成分の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.005重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.15重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、無理なく摂取できる量の組成物中に、本発明の効果を十分奏するだけの抗AGE成分が含まれることになる。また、組成物中の抗AGE成分の含有量は、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらにより好ましい。7.5重量%以下とすることもできる。この範囲であれば、製剤化し易く、また経口投与用組成物の場合は、服用し易い、食べ易い、又は飲み易いものとなる。
ナトリウム
血圧が高いと眼の血流が悪くなる原因となり、網膜神経細胞が障害を受け易い。従って、本発明の組成物は、ナトリウム含有量が抑えられていることが好ましく、それにより網膜神経細胞を一層効果的に保護することができる。組成物中のナトリウム含有量は、組成物の全量に対して、0.12重量%以下(特に、0.12重量%未満)が好ましく、0.005重量%以下(特に、0.005重量%未満)がより好ましい。ナトリウムを含まないものとすることもできる。
食品組成物
本発明の組成物が食品組成物である場合、一般にサプリメントと称されるような経口投与製剤の形態を採ることができる。固形状の経口投与製剤としては、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)などが挙げられる。また、液体状の経口投与製剤としては、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤、シロップ剤などが挙げられる。中でも、固形状経口投与製剤が好ましく、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤がより好ましく、軟カプセル剤、顆粒剤がさらにより好ましい。
また、本発明の組成物は、一般食品にキノコ類抽出物、及び必要に応じてその他の成分を配合したものであってもよい。このような食品としては、クッキー、ビスケット、スナック菓子、ゼリー、グミ、チョコレート、ガム、飴、チーズのような長期保存できるものが好ましく挙げられる。また、栄養ドリンク、ジュース、茶飲料、コーヒー飲料、乳飲料などの液体食品であってもよい。
食品組成物は、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品などとしても使用できる。
医薬組成物・医薬部外品組成物
医薬組成物、及び医薬部外品組成物は、経口投与される組成物、即ち、内服される組成物であってもよく、それ以外の経路で投与される組成物であってもよい。
経口投与用の医薬組成物又は医薬部外品組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)のような固形状製剤;エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤、シロップ剤、口腔内スプレー剤のような液体状製剤などが挙げられる。特殊な錠剤として、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、バッカル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠、トローチ剤、舌下錠なども挙げられる。中でも、固形状製剤が好ましく、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤がより好ましく、軟カプセル剤、顆粒剤がさらにより好ましい。
また、非経口投与用の医薬組成物又は医薬部外品組成物としては、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、リニメント剤、スプレー剤、貼付剤、坐剤、吸入剤などが挙げられる。
組成物中のその他の成分
本発明の組成物が製剤化されたものである場合(食品組成物、医薬組成物、医薬部外品組成物など)、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、製剤化に使用される任意の添加物を含むことができる。このような添加物として、経口投与用固形製剤では、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、防腐剤などが挙げられ、経口投与用液体製剤では、pH調整剤、溶解補助剤、緩衝剤、安定化剤、乳化剤、甘味料、香料などが挙げられる。また、非経口投与用製剤では、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料などが挙げられる。
また、本発明の組成物が一般食品の食品組成物である場合、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、食品に使用される任意の添加物を含むことができる。このような添加物として、保存料、甘味料、香料、着色料、酸化防止剤、乳化剤などが挙げられる。
添加物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の生理活性成分又は薬理活性成分を含むことができる。
用途
本発明の組成物は、後眼部疾患の予防、改善、又は治療用に用いることができる。後眼部疾患としては、網膜神経細胞の変性、障害、若しくは細胞死が生じる疾患、又は網膜神経細胞の変性、障害、若しくは細胞死に起因する疾患であればよく、例えば、緑内障、網膜色素変性、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、網膜剥離、糖尿病性黄斑症、高血圧性網膜症、網膜血管閉塞(網膜動脈閉塞;網膜中心静脈閉塞、網膜中心静脈分枝閉塞のような網膜静脈閉塞等)、網膜動脈硬化症、網膜裂孔、網膜円孔、黄斑円孔、眼底出血、後部硝子体剥離、色素性傍静脈網脈絡膜萎縮、脳回状網脈絡膜萎縮、コロイデレミア、クリスタリン網膜症、白点状網膜症、角膜ジストロフィー、錐体ジストロフィー、中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー、ドインハチの巣状網膜ジストロフィー、卵黄状黄斑ジストロフィー、嚢腫状組織黄斑浮腫、オカルト黄斑ジストロフィー、スターガルト病、網膜分離症、中心性しょう液性網脈絡膜症(中心性網膜症)、脊髄小脳変性症7型、家族性滲出性硝子体網膜症、S錐体増強症候群、網膜色素線条、常染色体優性視神経萎縮、常染色体優性ドルーゼン、家族性ドルーゼン、急性帯状潜在性網膜外層症、癌関連網膜症、光損傷、虚血性網膜症、炎症誘導性レチナール変性疾患などが挙げられる。
中でも、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜色素変性が好適な対象疾患であり、緑内障が特に好適な対象疾患である。
本発明において、「予防」は、発症の回避、遅延、又は発症率の低下を包含し、「改善」は、症状の軽快、症状の進行抑制、又は症状の進行停止を包含し、「治療」は、症状の軽快、症状の進行抑制、又は治癒ないしは寛解を包含する。
また、本発明の組成物は、見え難さや、見え難さに付随する症状の予防、改善、又は治療のために用いることができる。この見え難さは、眼疾患に至らない場合ないしは健常人の症状であり得る。また、加齢に伴う症状であり得る。また、後眼部疾患に伴う症状、後眼部疾患による症状、又は後眼部疾患の予兆としての症状でもあり得る。見え難さは、視認困難、視認能力の低下などと表現することもできる。
見え難さには、足元(足を中心として半径約1m以内の床又は地面などの物)の見え難さ、暗いところでの見え難さ、視野の暗さ(視野が暗く感じる感覚)、手元(眼から約20~50cmの距離にある物)の見難さ、明度の区別のし難さ又は明度変化の認識のし難さ、色彩(色相及び/又は彩度)の区別のし難さ又は色彩(色相及び/又は彩度)変化の認識のし難さ、かすみ、眩しさ、(光の)にじみ、ぼやけ、見え方の左右差、朝起きた時の見え難さ、視野の欠け、視野のゆがみ、距離感がつかめない感覚、もやもや感、ちらちら感、虫や糸くずのようなものが見える症状などが含まれる。見え難さの改善には、視野の維持が包含される。
本発明において、暗いところは、視認対象物の視認対象面の照度が80Lx以下、中でも60Lx以下、中でも50Lx以下となるような暗いところをいう。また、明るいところは、視認対象物の視認対象面の照度が80Lx超、中でも150Lx以上、中でも200Lx以上となるような明るいところをいう。
本発明において、照度は、JISC1609-1及びJISC1609-2に従い測定する。どの照度計を用いて測定してもほぼ同じ照度が得られるが、本発明における照度は、LX-100(株式会社マザーツール)又はこれと同機能の照度計を用いて測定した値である。
また、見え難いことに付随する症状(見え難さに起因する二次症状)としては、つまずく、イライラする、気持ち(気分)が悪い、続く頭痛、続く吐き気、瞼の痙攣、疲れ易い、重い、重だるい、だるい、目の凝り、瞼が重い、頭が重い、肩の凝り、腰の凝り、くま、充血、えも言われぬ不快感などの症状が挙げられる。
また、本発明の組成物は、色の識別能、又は色の変化の識別能の低下の予防、又は改善のために用いることができる。色彩の三属性として、色相、明度、彩度が挙げられる。
従って、本発明の組成物は、色の明度変化の識別能の低下、明度の識別能の低下、コントラスト感度の低下、又は濃淡の識別能の低下の予防、又は改善のために用いることができる。
また、本発明の組成物は、色彩変化の識別能の低下、又は色彩の識別能の低下の予防、又は改善のために用いることができる。色彩には、色の彩度、及び/又は色相が含まれる。
また、本発明の組成物は、網膜神経細胞の保護のために用いることができる。網膜神経細胞としては、網膜神経節細胞、アマクリン細胞、水平細胞、ミュラーグリア細胞、双極細胞、視細胞(錐体、桿体)などが挙げられる。特に、網膜神経節細胞が好適な対象となる。
本発明において、「保護」は、細胞の変性、障害、又は死滅の抑制、生存促進などを包含する。
また、本発明の組成物は、キノンオキシドレダクターゼ1(nqo1)、ヘムオキシゲナーゼ1(hmox1)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ4(gsta4)、及びチオレドキシンレダクターゼ(txnrd)からなる群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子の発現増強ないしは転写促進のために使用することができる。これらの遺伝子は、Nrf2により、発現が増強ないしは転写が促進されるものである。
従って、本発明の組成物は、Nrf2の活性化のために使用することができると考えられる。前述した通り、Nrf2は、転写因子として、抗酸化や解毒などの機能を有する酵素の遺伝子群の発現を促進する。通常、抑制性制御因子であるKeaplがNrf2と結合しており、Nrf2のユビキチン化を促進することにより、Nrf2のプロテアソームによる分解を促進している。酸化ストレスのような刺激が加わると、Keaplが失活することでNrf2が安定化ないしは活性化される。本発明の組成物は、このようなNrf2の抑制及び/又は活性化機構に何らか作用してNrf2を活性化すると考えられる。
用法・用量
本発明の組成物は、キノコ類抽出物の1日投与量が、乾燥重量に換算して、約0.5~1000mg、中でも約5~300mg、中でも約10~150mgとなるように投与することができる。
また、1日投与回数は、1回、2回、3回、4回、又は5回などとすることができる。
投与期間は、症状に合わせて適宜設定できる。また、長期継続して投与することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(1)過酸化水素による酸化ストレスからの網膜神経節細胞の保護効果の評価
ラット副腎髄質クロム親和性細胞腫から樹立された神経細胞株PC12を用いて、過酸化水素による酸化ストレスからのキノコ類抽出物及びルテインによる細胞保護効果を試験した。前述した通り、PC12は、代表的な神経細胞株であり網膜神経節細胞の機能評価のモデル細胞としても使われる。
(キノコ類抽出物の調製)
コプリーノ、タモギタケ、マイタケから、それぞれ水で抽出して得られた抽出物を使用した。
(細胞保護効果の評価)
PC12(DSファーマバイオメディカル社)をコラーゲンIVコート96穴マイクロプレート(Corning)に、1ウェルあたり1×10cellsになるように100μLずつ細胞を播種し、10%(v/v)ウマ血清(DSファーマバイオメディカル)、5%(v/v)牛胎仔血清(第一化学薬品)、1%(v/v)抗生物質‐抗真菌剤混合溶液(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を添加した高グルコース濃度(4.5g/L)のダルベッコ改変イーグル基礎培地(DMEM)にて37℃、5%COの条件で24時間培養した。
次いで、細胞培養上清を除去し、被験物質を添加した上記DMEMに交換し、37℃、5%COの条件で16時間培養した。次いで、精密分析用過酸化水素(和光純薬工業)を培養液中の最終濃度が0.3mMになるように添加し、37℃、5%COの条件で4時間培養した。
被験物質としては、コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、マイタケ抽出物、ルテイン、及びt-ブチルヒドロキノン(tBHQ)(ポジティブコントロール)を用いた。キノコ類抽出物の使用量は、乾燥重量に換算して、培養液中最終濃度が、コプリーノ抽出物は0.1~1mg/ml、タモギタケ抽出物は0.1~0.5mg/ml、マイタケ抽出物は0.1mg/mlとなるようにした。ルテインの使用量は、培養液中最終濃度が0.1~0.25mg/mlとなるようにした。tBHQの使用量は、培養液中最終濃度が0.01mMとなるようにした。
また、過酸化水素を添加し、被験物質を添加しない他は、上記と同様の操作を行い、過酸化水素群とした。また、過酸化水素も被験物質も添加しない他は、上記と同様の操作を行い、コントロールとした。
各群3ウェルで培養を行った(n=3)。
次いで、細胞培養上清100μLに生細胞検出試薬Cell Titer-Glo(Promega)を、各ウェルに対して100μLずつ添加し、生細胞内ATPと反応して生成した発光量をルミノメーター(Glomax;Promega社)にて測定した。過酸化水素による酸化ストレスからの被験物質による細胞保護効果は、実測された発光量をもとに、細胞生存率を以下の式で計算し評価した。

細胞生存率(%)=(各群の発光量/コントロールの発光量)×100
さらに、被験物質を作用させた場合の、過酸化水素による障害からの細胞の回復率を以下の式で計算した。

回復率(%)
=〔(各群の細胞生存率-過酸化水素群の細胞生存率)/
(コントロールの細胞生存率-過酸化水素群の細胞生存率)〕×100

平均値の結果を図1に示す。コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、マイタケ抽出物、又はルテインで処理することにより過酸化水素処理で低下した細胞生存率が回復した。
また、被験物質として、それぞれ、コプリーノ抽出物0.01mg/ml、0.05mg/ml、及び0.1mg/ml、タモギタケ抽出物0.01mg/ml、0.05mg/ml、及び0.1mg/ml、ルテイン0.01mg/ml、0.05mg/ml、及び0.1mg/mlを用いた他は、上記と同様にして、過酸化水素による酸化ストレスからの細胞生存率の回復率を求めた。
その結果、コプリーノ抽出物0.01mg/ml、及び0.05mg/mlの場合、それぞれ、コプリーノ抽出物0.1mg/mlの場合の46%、及び70%の回復率を示した。また、タモギタケ抽出物0.01mg/ml、及び0.05mg/mlの場合、それぞれ、タモギタケ抽出物0.1mg/mlの場合の95%、及び84%の回復率を示した。また、ルテイン0.01mg/ml、及び0.05mg/mlの場合、それぞれ、ルテイン0.1mg/mlの場合の37%、及び79%の回復率を示した。
(2)網膜神経節細胞の細胞生存率の評価
過酸化水素を添加しない他は、「(1)過酸化水素による酸化ストレスからの網膜神経節細胞の保護効果の評価」と同様の操作を行い、細胞生存率を求めた。平均値の結果を図2に示す。コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、マイタケ抽出物、及びルテインは、細胞毒性を示さなかった。
(3)抗酸化酵素遺伝子の発現促進効果の評価
PC12(DSファーマバイオメディカル社)をコラーゲンIVコート6穴マイクロプレート(IWAKI)に、1ウェルあたり2×10cellsになるように2mLずつ細胞を播種し、5%(v/v)牛胎仔血清(第一化学薬品)、1%(v/v)抗生物質‐抗真菌剤混合溶液(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を添加したダルベッコ改変イーグル基礎培地(DMEM)にて37℃、5%COの条件で24時間培養した。次いで、細胞培養上清を除去し、被験物質を添加した上記DMEMに交換し、37℃、5%COの条件で24時間培養した。
次いで、細胞を回収し、RNAを抽出し、SuperScript IV Reverse Transcriptase(Invitrogen)およびOligo(dT)20プライマー(Invitrogen)を用いてcDNAを合成した。さらにTaqmanプローブ(Applied Biosystem)およびPremix Ex taq(Takara)を用い、5つの抗酸化タンパク質の遺伝子(nrf2、nqo1、hmox1、gsta4、txrnd1)の発現量をqPCRにより評価した。各遺伝子の発現量は18SリボソームRNAで標準化を行った後、Crossing point法で得たCT値を用いてΔΔCT法で相対定量を行い、コントロール群と処理群とを比較した。コントロール群を100とした場合の、各被験物質処理群の細胞における各遺伝子発現量の比率を算出した。
被験物質としては、コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、マイタケ抽出物、ルテイン、及びt-ブチルヒドロキノン(tBHQ)(ポジティブコントロール)を用いた。コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、及びマイタケ抽出物の使用量は、乾燥重量に換算して、培養液中最終濃度が0.5mg/mlとなるようにした。ルテインの使用量は、培養液中最終濃度が0.1mg/mlとなるようにした。tBHQの使用量は、培養液中最終濃度が0.01mMとなるようにした。また、被験物質を添加しない他は、上記と同様の操作を行い、コントロールとした。
各群2ウェルで培養を行った(n=2)。
平均値の結果を図3に示す。コプリーノ抽出物、タモギタケ抽出物、マイタケ抽出物、ルテインは、上記遺伝子の発現を増大させた。
(4)眼の血流改善効果の評価
20代から50代の男性6名(緑内障患者1名、後眼部疾患を有さない者5名(うち、高血圧を有する者2名、近視を有する者2名)に表1の処方の散剤を1回服用させ、レーザースペックルフローグラフィー(LSFG-NAVI:ニデック)を用いて、服用前と服用20分後における、両眼の乳頭付近の眼底血流をそれぞれ測定した。また、血流の増加率を下記の式で算出した。

血流の増加率
=〔(服用後の血流-服用前の血流)/服用前の血流〕×100
Figure 0007105532000001
表1中のショウガエキス、マカエキス、マイタケエキス、タモギタケエキスの量は、乾燥重量である。また、各エキスは、それぞれ、水抽出物である。
各被験者の両眼の血流増加率の平均値を表2に示す。但し、被験者4は左眼の血流を測定できなかったため、右眼の血流の増加率を示す。
また、上記散剤を1回服用20分後の3名の被験者の眼底血流の画像を図4に示す。
Figure 0007105532000002
全被験者の眼底血流が増加しており、キノコ類抽出物を服用することにより、わずか20分間で、眼の血流が改善したことが分かる。
また、図4が示す通り、緑内障患者(上段)は、服用前の血流は非常に少ないが、服用後に全体の血流が増加した。画像中の白い部分は血流が多いことを示すが、高血圧患者(中段)は、乳頭部が明確に確認でき、服用後に乳頭部中心の血流が増加した。高血圧患者(下段)は、全体的に血流が増加した。
(5)見え難さ及びそれに付随する症状の改善効果の評価
20代から30代の男性8名、女性1名(うち、高血圧を有する者1名、軽度近視を有する者5名)を3名ずつ3群に分け、3名にマイタケエキス4.8mgからなる散剤を1回服用させ、3名にタモギタケエキス48mgからなる散剤を1回服用させ、3名に表1に記載の処方の散剤を1回服用させた。服用前及び服用1日後に、表3に示す見え難さ及びそれに付随する各種症状に関する項目について、アンケートを実施した。
各項目について、下記の5段階で評価した。数値が大きいほど、眼の状態が良いことを示す。
1:大変悪い、大変見えづらい、大変疲れ易い、又は大変気になる
2:やや悪い、やや見えづらい、やや疲れ易い、又はやや気になる
3:普通
4:やや良い、やや見え易い、やや元気、やや良好、又は余り気にならない
5:大変良い、大変見え易い、重たくない、大変良好、又は全然気にならない
各項目について、症状の改善率を下記式で算出した。

症状の改善率
=〔(服用後の評価値-服用前の評価値)/服用前の評価値〕×100
各群3名の被験者の症状の改善率の平均値を表3に示す。
Figure 0007105532000003
キノコ類抽出物を服用した翌日には、見え難さ及びそれに付随する各種症状が改善した。
以下の各試験において、照度は照度計(LX-100;株式会社マザーツール)を用いて測定した。
(6)コントラスト感度の評価
矯正視力の数値が同じであっても、日常生活での見え方には差がある。通常の視力検査は、2点ないしは2線の分離識別能力を測定する。しかし、日常生活では濃淡や輪郭が不明確な物を識別しなければならない。この識別力を評価するのがコントラスト感度である。コントラスト感度とは、見る対象と背景との輝度の差を小さくしていったときに識別できる最小の値を測定したものである。
(6-1)遠方コントラスト感度の評価
加齢によって、見え難さを自覚する40代から50代の男女3名、及び緑内障を有する者1名(60代男性)に、表4に示す組成の試験製剤を1日1回、6日間服用させた。
Figure 0007105532000004
表4中のマカエキス、ショウガエキス、タモギタケエキスの量は、乾燥重量である。また、各エキスは、それぞれ、水抽出物である。
服用前、及び服用6日目にWKマルチコントラスト視力表(MEDART CORPORATION)を用いて、明視条件(視力表の面の照度が200Lx以上)及び暗視条件(視力表の面の照度が50±10 Lx)の2条件で90%、15%、5%コントラスト感度視力、及び逆位相の90%コントラスト感度を測定した。被験者と視力表との距離は3mとした。測定は、被験者の右眼について行った。また、被験者には近視や乱視を有する者がいたが、検査距離で各被験者の最高視力が得られるように適切な視力矯正を行った上で試験を実施した。即ち、緑内障患者1名を除く3名では視力0.8以上に矯正し、緑内障患者1名では視力0.5以上に矯正した。
具体的な測定方法は、WKマルチコントラスト視力表の添付マニュアルに従った。
WKマルチコントラスト視力表は、日常生活での視機能をより正確に測定するためのものであり、多コントラスト指標を使用した視力表である。WKマルチコントラスト視力表を図5に示す。チャート1が90%(高)コントラスト感度視力を測定するための表であり、チャート2が15%(中間)コントラスト感度視力を測定するための表であり、チャート3が5%(低)コントラスト感度視力を測定するための表であり、チャート4が逆位相の90%(高)コントラスト感度視力を測定するための表である。各表中の各指標の向きについての被験者の回答からスコアを決めた。大きさがより小さい指標を正答するとスコアが高くなる。
緑内障患者1名を除く3名のスコアの平均値(Aとする)と、緑内障患者1名のスコア(Bとする)について、明視条件での結果を表5に示し、暗視条件での結果を表6に示す。
Figure 0007105532000005
Figure 0007105532000006
各チャートにおいて、服用6日目には明視条件、暗視条件ともにスコアが上昇しており、キノコ類抽出物の服用によって、濃淡の違いが視認し易くなったことが分かる。即ち、キノコ類抽出物の服用によって、加齢や疾患による普段の生活における見え難さや、暗いところでの見え難さが改善されたことが分かる。
(6-2)近方コントラスト感度の評価
見え難さを自覚する40代から60代の男女4名(うち緑内障患者1名)に、表4に示す組成の試験製剤を1日1回、6日間服用させた。
服用前、及び服用6日目にVCTS 6000(Vistech Consultants, Inc.)を用いて、空間周波数1.5、3、6、12、18 cycles per degreeにおけるコントラスト感度を測定した。被験者と視力表との距離は40~45cmとした。測定は、被験者の右眼について行った。
具体的な測定方法は、VCTS 6000の添付マニュアルに従った。
空間周波数は、明暗を交互に繰り返す波のパターンを周波数と捉えたときの周波数をいう。空間周波数は、単位長さないしは面積当たりに含まれる縞の数で表される。空間周波数が低いと明暗パターンの幅は広くなり、空間周波数が高いと明暗パターンの幅は狭くなる。
VCTS 6000を図6に示す。視力表のA列は空間周波数1.5 cycles per degreeの指標であり、B列は空間周波数3 cycles per degreeの指標であり、C列は空間周波数6 cycles per degreeの指標であり、D列は空間周波数12 cycles per degreeの指標であり、E列は空間周波数18 cycles per degreeの指標である。被験者は各列を左から右に向かって見て、線とその傾きの方向を識別できるかを回答する。被験者の回答からスコアを決める。スコアが高いほどコントラスト感度が高いことを示す。
緑内障患者1名を除く3名のスコアの平均値(Aとする)と、緑内障患者1名のスコア(Bとする)を表7に示す。
Figure 0007105532000007
各空間周波数について、服用6日目にはスコアが上昇しており、キノコ類抽出物の服用によって、近距離の濃淡の違いが視認し易くなったことが分かる。即ち、キノコ類抽出物服用によって、手元の見え難さが改善されたことが分かる。
(7)色彩識別能の評価
見え難さを自覚する40代から50代の男女3名に、表4に示す組成の試験製剤を1日1回、3日間服用させ、服用前、及び服用3日目に色彩識別能を評価した。具体的には、ウェブサイト(http://www.color-blindness.com/farnsworth-munsell-100-hue-color-vision-test/)からFarnsworth-Munsell 100 Hue Testを行った。
モニター(DELL社製 E177FPc)は試験期間中同一のものを使用し、明るさ50、コントラスト50に設定し、被験者の40~45cm前に設置した。測定室の照明は真上(床に垂直な方向)から照らし、モニター上の照度を25ft-cd(269.1 Lx)以上とした。
具体的な測定方法は、上記ウェブサイトの表記に従った。
なお、被験者は、試験前に一度、同じ試験を経験しておいた。
Farnsworth-Munsell 100 Hue Testは、被験者に、カラーパネルを左端から右端のパネル間で段階的に色が変化するように並べさせ、トータルエラースコア(TES)を算出するものである。トータルエラースコアが低いほど、正解に近く、色彩識別能が高いことを示す(Farnsworth, Dean, "The Farnsworth-Munsell 100-Hue and Dichotomous Tests for Color Vision", Journal of the Optical Society of America, volume 33(1943), issue 10, page 568-574.)。
Farnsworth-Munsell 100 Hue Testの上記ウェブサイトの表記を以下に示す。
「F-M 100 Hue Testは、最も有名な色覚欠損テストの1つである。これは、正しい順に並べ替えられるべき着色したプレートを用いたテストである。F-M 100 Hue Testは、88の異なる色のプレートからなっており、それらは4行(横列)に分けられている。正常な色覚を有する人は、数個の間違いをするか又は完全に正しく配置する。しかし、より重篤な色覚異常を有する人は、より多くの配置ミスをする。
最初、各行のプレートはランダムに並べられていて、各行の最初のプレートと最後のプレートだけ正しく配置されている。これらはアンカーポイントとして使える。各行のプレートはマウスを使ってドラッグ及びドロップすることで配置を変えることができる。各プレートの色が左から右に段階的に変化して見えるように自然な順に並べる。各行の最初と最後のプレートは動かしてはならず、ガイダンスとして用いるべきである。並べ替えるときは青い枠で囲った同じグループの中で並べ替えるべきである。どのプレートも別の行に動かしてはならない。行間でプレートを混ぜてはならない。また、各行の最初のプレートの前及び最後のプレートの後ろに動かしてはならない。最初と最後のプレートは固定されており、ガイダンスとして使用できる。最初と最後のプレートは、最初、ランダムに混合されてはおらず、動かしてはならない。」
トータルエラースコアの平均値を表8に示す。
Figure 0007105532000008
トータルエラースコアは服用3日目に顕著に低下しており、キノコ類抽出物の服用によって、色彩の識別能が大きく改善したことが分かる。
本発明の組成物の処方例を、表9~13に示す。表9~13中の成分量の単位は「重量部」である。また、各エキスの成分量は、乾燥重量である。
Figure 0007105532000009
Figure 0007105532000010
Figure 0007105532000011
Figure 0007105532000012
Figure 0007105532000013
キノコ類抽出物は、網膜神経細胞を酸化ストレスから保護し、また、眼の血流を改善することから、後眼部疾患、特に緑内障、中でも眼圧低下による治療だけでは十分でない緑内障をも、効果的に予防、改善、又は治療することができる。また、食品由来成分のキノコ類抽出物は、長期治療が必要な後眼部疾患の改善や治療に適している。また、キノコ類抽出物は明るい所及び暗い所でのコントラスト感度を向上させ、色彩の識別能力を向上させることで、見え難さ及び見え難さに付随する症状を効果的に予防、改善、治療することができる。

Claims (8)

  1. タモギタケ抽出物及び/又はマイタケ抽出物を含有する、見え難さ及び/又はそれに付随する症状を予防、又は改善するための組成物。
  2. さらに、血流改善成分を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 見え難さが、暗いところでの見え難さである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 見え難さが、明度の識別のし難さである請求項1~3の何れかに記載の組成物。
  5. 見え難さが、色彩の識別のし難さである請求項1~3の何れかに記載の組成物。
  6. タモギタケ抽出物及び/又はマイタケ抽出物の含有量が、乾燥重量に換算して、組成物の全量に対して、0.05~50重量%である請求項1~5の何れかに記載の組成物。
  7. さらに、ルテインを含む請求項1~6の何れかに記載の組成物。
  8. 経口投与用である請求項1~7の何れかに記載の組成物。
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