JP2010275235A - 抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物 - Google Patents

抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す食物由来物質により、各種免疫炎症性障害やメタボリック・シンドローム、酸化ストレス障害の予防や治療を行う。
【解決手段】 ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物を含有することを特徴とする抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物を使用する。また、ヒトヨタケ科に属するキノコの乾燥粉末から、熱水にて抽出する工程(1)、工程(1)で得られた混合物から上澄液を分離する工程(2)、及び前記上澄液を濃縮する工程(3)を経て、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物を調製する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、各種免疫炎症性障害やメタボリック・シンドロームの予防や治療に有用な、ヒトヨタケ科の食用キノコからの熱水抽出物を主成分とする抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物と、そのような組成物の調製方法に関する。
炎症の一種である免疫炎症性障害は、免疫系の不適切な活性化により生じる。即ち、免疫系は、本来はヒト等の身体にとって有害な侵入体に対してそれを排除するように働くべきところ、ヒト等それ自体の組織を攻撃し、損傷させて炎症を生起させてしまうのが、免疫炎症性障害である。免疫炎症性障害には、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性結膜炎、炎症性腸又は胃腸障害(IBD)、多発性硬化症、リウマチ又はリウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス等が包含される。
免疫炎症性障害患者は、特に先進国において増加の一途をたどっている。また、免疫炎症性障害の治療法について、研究が進んできてはいるものの、ステロイド剤の使用が中心である。ステロイド剤には種々の副作用があるため、その使用は、医師が患者一人一人の状態を慎重に見極めながら、ステロイド剤の種類を変更し、また使用量をコントロールしなければならない。さらに、十分な治療効果が得られない患者がいることも事実である。新たなステロイド剤やステロイド剤に代わる新薬の開発も行われてきている。しかし、治療の選択肢を増やす意味でも、免疫炎症性障害の治療に有用なさらなる化合物や組成物の探索が求められている。
また、現代社会においては、メタボリック・シンドローム患者も増加の一途をたどっている。従って、メタボリック・シンドローム対策も、医療費抑制等の観点から、重要である。
一方、キノコ類には種々の生理活性物質が含有されていることが知られており、キノコからの抽出物が示す作用効果に関する研究も為されてきている。そのようなキノコ由来成分の作用効果に関する研究の中、ヒトヨタケ科の食用キノコ由来成分の作用効果に言及しているものとして、特許文献1及び2が挙げられる。
特許文献1には、有効量のラッカーゼ酵素と有効量の還元性基質とを含む酸素排除性組成物が開示されている。このラッカーゼは、自然界全体に広く分布しており、最もよく知られているラッカーゼ生産体は真菌である。また、真菌ラッカーゼの源の例として、ヒトヨタケ属が挙げられている(段落番号[0041])。しかし、特許文献1には、ヒトヨタケ属のキノコからのラッカーゼの抽出や、ヒトヨタケ属のキノコに由来するラッカーゼを用いた実験に関する記載はない。
特許文献2には、特定のキノコの子実体の抽出液あるいは培養菌糸体の培養液又は抽出液を含有する抗炎症剤が開示されている。当該特定のキノコには、ヒトヨタケ科ナヨタケ属のキノコであるムジナタケが包含されている。特許文献2の実施例10には、ムジナタケの子実体からのエタノール抽出液の濃縮物、ムジナタケの培養菌糸体の培養液の濃縮物及びムジナタケの培養菌糸体のエタノール抽出液の濃縮物が、炎症抑制作用を示したことが記載されている。しかし、実施例10に記載されている炎症抑制試験は細胞増殖性の炎症抑制を示すものであり、IgE産生抑制によってもたらされる免疫抑制による炎症抑制とは異なる効果である(段落番号[0075])。
特表2007−508132 特開2005−239644
キノコ類は、種々の有用成分を含有することが知られている。そこで、本発明者等は、食用キノコの中で、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に属するキノコからの抽出物が、抗炎症活性及び抗酸化活性を示すか否かについて、研究を行った。その結果、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に属するキノコの熱水抽出物には、抗炎症活性及び抗酸化活性を示す成分が含有されていることが明らかとなった。
本発明の目的は、ヒトヨタケ科に属するキノコの熱水抽出物を含有する、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、ヒトヨタケ科に属するキノコを原料とする、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法を提供することにある。
本発明者等は、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に属するキノコに抗炎症活性や抗酸化活性を示す成分が含有されているか否かについて研究行い、その活性成分がどのような化合物であるかを特定するためにさらに研究を重ね、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物を含有することを特徴とする抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物に関する。
また、本発明は、ヒトヨタケ科に属するキノコの乾燥粉末から、熱水にて抽出する工程(1)、工程(1)で得られた混合物から上澄液を分離する工程(2)、及び前記上澄み液を濃縮する工程(3)を含む、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法に関する。
本発明により、免疫炎症性障害を初めとする各種炎症性障害やメタボリック・シンドロームの予防や治療に有用な組成物や、抗酸化活性を示し、活性酸素種による酸化障害によって引き起こされる種々の疾病や障害の予防や治療に有用な組成物が提供される。本発明の組成物の一種は、食用キノコから有用成分を熱水抽出することによって調製することができるので、安全性が非常に高い組成物であるということができる。
また、本発明の組成物は、その原材料又は由来が食品であるので、本発明の組成物を例えば免疫炎症性障害の治療に用いた場合に、ステロイド剤のような副作用は生起されないことが期待される。
生体内における、炎症作用に関与する成分の生成とその生成の抑制について説明する図である。 肥満と炎症性アディポサイトカイン、メタボリック・シンドロームとの関係を説明する図である。 酸化ストレスと疾病との関係を説明する図である。 ササクレヒトヨタケの子実体からの熱水抽出物及び/又はエルゴチオネインの添加により、TNF−αの刺激によって細胞から分泌されるインターロイキン6の量が変化することを示すグラフである。 ササクレヒトヨタケの子実体からの熱水抽出物又はエルゴチオネインの添加により、TNF−αの刺激によって細胞から分泌されるインターロイキン6の量が変化することを示すグラフである。
本発明に係る組成物は、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物を含有し、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物である。
本発明の組成物が含有する熱水抽出物は、それがヒトヨタケ科のキノコに由来する熱水抽出物であり、且つ、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示すかぎり、特に限定されない。しかし、ヒトヨタケ科のキノコの中で、食用とされているものに由来する熱水抽出物が好ましい。
ヒトヨタケ科の食用キノコには、ヒトヨタケ属のササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus (Muller:Fr.) Pers.)、ナヨタケ属のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)等があり、本発明では、これらを原料として使用することができる。これらの中で、ヒトヨタケ属のキノコが好ましく、ササクレヒトヨタケが特に好ましい。
「ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物」とは、熱水抽出物そのものに限定されない。例えば、熱水抽出物の濃縮液、熱水抽出物の凍結乾燥品といった、当該キノコからの熱水抽出物に、抗炎症活性や抗酸化活性が大きく損なわれることがないように処理を加えたもの、即ち、「ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物に由来するもの」も、「ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物」の概念に包含される。
「ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物」を調製する方法は、その第一段階が熱水抽出であること以外は特に限定されない。好ましい方法は、抗炎症活性及び抗酸化活性を示す組成物の調製方法として後記する。
実施例において示すように、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物には、少なくともエルゴチオネインが含有されている。ここで、エルゴチオネインは、式(1)によって表される。
なお、同じく実施例において示すように、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物が示す抗炎症活性、抗酸化活性及び炎症性サイトカイン抑制活性は、エルゴチオネインのみによって発現されているものではない。ササクレヒトヨタケの熱水抽出物は、それに含有されている量に相当する量のエルゴチオネインが示す酸化障害防御活性よりも、より強い酸化障害防御活性を示す。
本発明の組成物は、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物を必須成分として含有し、その他の成分は含有してもしなくてもよい。その他の成分は、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物の示す抗炎症活性、抗酸化活性を阻害しないものである限り、特に限定されない。本発明に係る組成物は、経口投与を目的として、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の剤型で、また、非経口投与を目的として、例えば注射剤、吸入剤、座剤、経皮吸収剤等の剤型で提供され得る。従って、このような分野で前記剤型とするために一般的に使用されている添加剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、溶剤等が、その他の成分として使用され得る。また、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物に含有されている成分と相乗又は相加効果を示す他の化合物も、その他の成分として使用され得る。
本発明の組成物は、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物を、少なくともその組成物が抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す量で含有するものである。この組成物は、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物を主成分とするものであることが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、当該組成物が示す抗炎症活性又は抗酸化活性の30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上が、ヒトヨタケ科のキノコからの熱水抽出物によって発現されることをいう。
抗炎症活性とは、様々な炎症性障害を予防、治療又は緩解させる活性である。本発明の組成物は、様々な炎症性障害の中で、特に、免疫抑制によって炎症を抑制する活性、即ち抗免疫炎症活性に優れる。免疫炎症は、免疫系が本来は攻撃すべきでない生物体自身の組織を標的として攻撃し、損傷を与えてしまうために生じる。このような免疫炎症を生じる免疫炎症性障害には、免疫系が攻撃する組織の相違等に基づき、様々な病名が与えられている。その限定されない例を挙げると、以下の通りである。
尋常性アクネ、急性呼吸逼迫症候群、アジソン病、アレルギー性鼻炎、アレルギー性眼内炎症病、ANCA関連小血管の血管炎、強直性脊椎炎、関節炎、喘息、アテローム性硬化症、アトピー性皮膚炎、自己免疫肝炎、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、ベーチェット病、ベル麻痺、水泡性類天疱瘡、大脳虚血症、慢性閉塞性肺病、硬変、コーガン症候群、接触皮膚炎、COPD、クローン病、クッシング症候群、皮膚筋炎、真性糖尿病、円板状エリテマトーデス、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、剥奪性皮膚炎、線維筋痛、巣状糸球体硬化症、巣状分節状糸球体硬化症、巨細胞動脈炎、痛風、痛風性関節炎、移植片対宿主病、手湿疹、ヘーノホ・シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、多毛症、特発性角膜強膜炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病、免疫性血小板減少性紫斑病、炎症性腸又は胃腸障害(IBD)、炎症性皮膚病、扁平苔癬、ループス腎炎、リンパ腫気管気管支炎、斑状浮腫、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、非特異的線維形成性肺病、骨関節炎、膵臓炎、妊娠性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、歯周炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発性筋炎、掻痒、掻痒・炎症陰嚢、乾癬、乾癬性関節炎、肺ヒストプラズマ症、リウマチ様関節炎、再発性多発性軟骨炎、サルコイドーシスによって引き起こされた酒さ、強皮症によって引き起こされた酒さ、スイート症候群によって引き起こされた酒さ、全身エリテマトーデスによって引き起こされた酒さ、蕁麻疹によって引き起こされた酒さ、帯状疱疹関連疼痛によって引き起こされた酒さ、サルコイドーシス、強皮症、分節状糸球体硬化症、肺血病ショック症候群、肩腱炎又は滑液包炎、シェーグレン症候群、スティル病、発作誘導脳細胞死滅、水痘病、全身エリテマトーデス、全身性硬化症、高安動脈炎、側頭動脈炎、毒性表皮壊死病、移植片拒絶及び移植片拒絶関連症候群、結核、I型糖尿病、潰瘍性結腸炎、ブドウ膜炎、血管炎及びヴェーゲナー肉芽腫症。
上記のような免疫炎症性障害の中、本発明の組成物は、特に、炎症性腸又は胃腸障害(IBD)、さらには炎症性腸障害に有用である。
図1に示すように、生体内では、好中球によって生成された次亜塩素酸が、アミン(例えばリジン)と反応してアミン塩化物(例えばクロラミン)を生成させ、これがチロシンと反応して炎症作用に関与する3−クロロチロシンを生成させるという反応が起こっている。本発明に係る組成物は、次亜塩素酸によるリジンの塩化を抑制し、これによって抗炎症活性を示すと考えられている。
本発明の組成物は、メタボリック・シンドロームの予防や治療にも有用である。図2に示すように、肥満の脂肪組織からは、腫瘍壊死因子α(TNF−α)等の炎症性アディポサイトカインが分泌される。その結果、マクロファージが活性化され、インターロイキン6(IL−6)等のケモカインが分泌されるようになる。即ち、脂肪組織の肥大によるアディポサイトカイン等のサイトカインの分泌異常がマクロファージの活性化を誘発して、相互刺激状態となる。その結果、体内全体が慢性の炎症刺激状態となる。このような病態に対し、本発明に係る組成物は、細胞からのIL−6の分泌を抑制し、その結果として炎症性アディポサイトカインの量を低減させるので、メタボリック・シンドロームの予防や治療に有用なのである。
抗酸化活性とは、酸化障害によって引き起こされる様々な疾病等を予防、治療又は緩解させる活性である。図3に示すように、体内に酸素が取り込まれると、活性酸素種(一重項酸素、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、脂質ペルオキシド等)が形成される。このような活性酸素種は、生体に侵入した細菌等から生体を防御するために使用されている。一方、活性酸素種は、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ等の酵素や食品中に含有される抗酸化物質によって還元されている。しかし、ストレスや紫外線、喫煙等により、活性酸素種が過剰産生されると、前記した酵素や抗酸化物質による生体内の活性酸素種消去システムのみでは活性酸素種を還元しきれなくなる。このような、生体内の酸化還元状態を維持する機構が破綻して、過剰に産生された活性酸素種を処理(還元)しきれなくなった状態を「酸化ストレス状態」という。酸化ストレスは、様々な疾病の原因の一つであると考えられている。例えば、癌、動脈硬化症、動脈硬化を基礎疾患とする心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、アルツハイマー病等である。これらの中、アルツハイマー病では、酸化ストレス状態の際に生じる蛋白質のシステイン残基の酸化が進行していることが判明している。
本発明の組成物は、活性酸素種の還元に有用であるので、酸化障害によって引き起こされる様々な疾病等の予防や治療に有用なのである。
本発明の組成物の摂取量は、特に限定されないが、成人1日当たり、熱水抽出物の凍結乾燥粉末の量に換算して、0.001乃至10g/kg体重であることが好ましく、0.01乃至5.0g/kg体重であることがより好ましく、0.1乃至2.0g/kg体重であることがさらにより好ましい。
本発明は、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法にも関する。この方法で使用する原料は、ヒトヨタケ科のキノコの乾燥粉末である。この方法で使用されるキノコの例は、先に、本発明の組成物に関する説明において、好適に使用されるキノコの例として挙げられたものと同様である。キノコの乾燥方法は、例えば、キノコに、45℃の温風を一昼夜、その後70℃の温風を1時間あてるというものである。粉末化は、例えば、乾燥後のキノコをミキサーで粉砕することによって行う。
本発明の方法では、抽出溶媒として熱水を使用する。熱水とは、約80乃至100℃の水である。熱水抽出は、キノコの乾燥粉末を熱水に入れ、温度を約80乃至100℃(好ましくは約90乃至100℃)に保ちながら、キノコと熱水との混合物を攪拌することによって行う(工程(1))。
抽出、即ち工程(1)が終了したら、工程(1)で得られた混合物から上澄液を分離(工程(2))。この工程は、好ましくは遠心分離によってキノコの乾燥粉末を沈澱させた後に行う。また、この工程は、工程(1)で得られた混合物を篩を通過させることによって、キノコの乾燥粉末を分離・除去することによって行ってもよい。
工程(1)及び(2)は、1回でもよいが、通常は工程(2)の後に残留したキノコに新たな熱水を加え、さらに、攪拌抽出(工程(1))及び上澄液の分離(工程(2))を行う。工程(1)及び(2)は、例えば工程(1)における攪拌時間が30分間程度であれば、好ましくは2乃至5回程度、特に好ましくは3又は4回行う。
工程(2)で得られた上澄液中の有効成分濃度は低いので、工程(3)にて、上澄液を濃縮する。濃縮は、有効成分が分解されない条件で行う限り、その方法は限定されない。
濃縮工程(3)の後に、凍結又は噴霧乾燥工程(工程(4))も実施することが好ましい。なお、凍結又は噴霧乾燥は、この分野で通常行われている条件及び方法で行えばよい。
工程(3)で得られた濃縮物を、例えば逆相高速液体クロマトグラフィ(逆相HPLC)で分画する工程(5)を実施することも好ましい。これにより、有効成分濃度が高められ得る。さらに、工程(5)で得られた抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す画分を、工程(3)と同様に濃縮する工程(6)、及び/又は、工程(4)と同様に凍結又は噴霧乾燥する工程(7)を実施することも好ましい。
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)ササクレヒトヨタケからの有効成分の熱水抽出
(1)キノコの乾燥粉末の調製
ササクレヒトヨタケの子実体に、45℃の温風を一昼夜あて、その後70℃の温風を1時間あてた。得られたササクレヒトヨタケの乾燥品をミキサーに入れ、約1分間粉砕した。
(2)熱水抽出方法
ササクレヒトヨタケの乾燥粉末10gを、200mlの熱水(約90℃)に入れ、得られたササクレヒトヨタケ/熱水混合物を、30分間、緩やかに攪拌した。ササクレヒトヨタケ/熱水混合物を遠心分離に掛け(10,000rpm、10分間)、上澄みと沈澱とに分けた。
沈澱に200mlの熱水(約90℃)に入れ、得られたササクレヒトヨタケ/熱水混合物を、30分間、緩やかに攪拌した。ササクレヒトヨタケ/熱水混合物を遠心分離に掛け(10,000rpm、10分間)、上澄みと沈澱とに分けた。この工程をさらに2回行った。
全ての上澄液を合わせ、減圧条件下で約100ml以下となるまで濃縮し、次いで、凍結乾燥を行った。
原料として使用したササクレヒトヨタケの乾燥粉末重量に対する、凍結乾燥後の熱水抽出物重量の割合は、45.2重量%であった。
(実施例2)有効成分の特定
(1)ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物のHPLCによる分画
実施例1と同様の方法で、ササクレヒトヨタケの乾燥粉末から熱水抽出を行い、上澄液を得た。上澄液を合わせ、減圧条件下で約100ml以下となるまで濃縮し、次いで、100mlにメスアップした。これをSep Pak(C18)(ウォーターズ社製)にて前処理した後、その一部をHPLCにかけて分画した。また、残部にはエルゴチオネイン標品(シグマ社製)を加え、これもHPLCにかけて分画した。HPLCの条件は、次の通りであった。
(HPLC条件)
カラム: ODS−HG−5 C18(4.6mmφ×250mm)(野村化学製)、2本をタンデムに接続した。
溶離液: HO/0.1%トリエチルアミン(TEA)
流速: 0.8ml/分
分画の指標: 260nmにおける吸光度
ササクレヒトヨタケの乾燥粉末から熱水抽出物単独と、それにエルゴチオネインを添加した試料は、いずれも、保持時間約9分のところに吸光度のピークがあった。従って、ササクレヒトヨタケの乾燥粉末から熱水抽出物の有効成分中の一種は、エルゴチオネインであると同定された。
(実施例3)ササクレヒトヨタケのエルゴチオネイン含有量の測定
実施例2と同様の方法で、ササクレヒトヨタケの乾燥粉末から熱水抽出を行い、上澄液を得、濃縮及びメスアップと前処理を行った後、HPLCにかけて分画した。HPLCの条件も、実施例2と同様であった。
260nmにおける吸光度を指標として、有効成分が含まれている画分を集め、合一させた(以下、「熱水抽出物試料」という)。エルゴチオネイン標品を用いて検量線用試料を調製した。熱水抽出物試料と検量線用試料について、260nmにおける吸光度を測定した。検量線から、熱水抽出物試料のエルゴチオネイン濃度を測定し、熱水抽出物試料全量中のエルゴチオネイン量を算出した。得られたエルゴチオネイン量を使用したササクレヒトヨタケの乾燥粉末の重量で割って、乾燥粉末1g当たりのエルゴチオネイン量を算出したところ、9.4mg/g−乾燥粉末であった。
(実施例4)ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の抗炎症活性の測定
実施例1で調製した熱水抽出物の凍結乾燥品を用い、その抗炎症活性を、クロロ化抑制評価法で測定した。この方法は、ミエロペルオキシダーゼにより生成される次亜塩素酸(HOCl)とリジン残基のモデル化合物であるベンゾイル・グリシル・リジン(Benzoyl Glycyl Lysine;BGL)との反応により生成するN−クロロベンゾイル・グリシル・リジン(N−Chlorobenzoyl Glycyl Lysine;N−ClBGL)の量を指標として、クロロ化の抑制率を求めるものである。具体的には、次のようにして測定した。
固形分(ササクレヒトヨタケの熱水抽出物の凍結乾燥品)を0.2mg/ml濃度で含有する水溶液に、BGLは1mM濃度となるように、また、HOClは2mM濃度となるように添加した。得られた溶液を、37℃にて60分間インキュベートした。次いで、HPLCにて生成したN−ClBGLの量を測定した。
HPLCの条件は、次の通りであった。
(HPLC条件)
カラム: ODS−HG−5 C18(4.6mmφ×250mm)(野村化学製)
A液: HO/0.05%CHCOOH
B液: MeOH/0.05%CHCOOH
流速: 0.8ml/分
検出: 245nm
得られたピーク面積から、次のようにして抑制率を算出した。
ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物は、炎症の抑制率が26±10%(n=3)であり、強い抗炎症活性を示すことが明らかとなった。
(実施例5)ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の抗酸化活性の測定
実施例1で調製された熱水抽出物の凍結乾燥品を用い、その抗酸化活性を、活性酸素吸収能力(Oxygen Radical Absorbance Capacity、ORAC)法で測定した。具体的には、次のようにして測定した。
先ず、167nM濃度で蛍光色素(disodium fluorescein)を含有する蛍光色素溶液(溶媒:75mMリン酸緩衝液(pH7.4))を調製した。また、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物(凍結乾燥したもの)は、水に溶解させ、熱水抽出物濃度が1mg/mlの溶液とし、次いでこれを10倍希釈した。さらに、150mM濃度でAAPH(2,2ʹ−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド)を含有する溶液(溶媒:75mMリン酸緩衝液(pH7.4))を調製した。
蛍光色素溶液150μlに、熱水抽出物溶液25μlを加え、37℃にて10分間反応させた。ブランクについては、熱水抽出物溶液の代わりに水を使用した。標準試料としては、Trolox(6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchroman−2−carboxylic acid;ビタミンEのアナログ)を使用した。次いで、AAPH溶液25μlを加えた。励起波長485nm、蛍光波長538nmにて、蛍光強度を測定した。
蛍光強度の測定は、5分毎に60分まで測定した。検体、標準物質及びブランクのそれぞれについて、測定時間(横軸)と蛍光強度(縦軸)をプロットし、検体又は標準物質の蛍光強度の曲線下面積(Area Under the Curve;AUC)とブランクのAUCとの差(net AUC)を求めた。標準物質のnet AUCより検体のnet AUCに相当するTrolox濃度を求め、検体1g当たりのTroloxのマイ
クロモル数(μmole TE/g)をもってORAC値とした。なお、計算式は、次の通りである。
ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物は、ORAC値が295.1±12.6μM TE/mg/ml(n=6)であり、強い抗酸化活性を示すことが明らかとなった。
(実施例6)脂肪細胞のTNF−αによる酸化障害に対する、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の防御作用の測定(その1)
マウス脂肪前駆細胞を用い、TNF−αによる酸化障害に対するアンニンコウからの熱水抽出物の抑制効果を、培養上清中のインターロイキン6の量を指標として測定した。具体的には、次のようにして測定した。
24ウェル・プレートを用い、マウス脂肪前駆細胞(3T3−L1)を、DMEM培地で培養(37℃;5%CO;細胞数:1〜2×10個/ウェル)した。細胞がコンフルエントになった後に、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(MIX)を0.25μM、デキサメタゾン(DEX)を1μM、そしてインスリンを2μM濃度で含有する培地に交換し、分化誘導を行った。3日間培養を行った後、インスリンを2μM濃度で含有する培地に交換し、分化促進を行った。以降、2日おきに、この分化促進用培地を交換した。
分化誘導から9日後に、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品(実施例1で調製したもの)を、1.0mg/ml又は2.0mg/mlとなる量で培地に添加し、培養(37℃;5%CO)を続けた。また、同じく分化誘導から9日後に、エルゴチオネインを1mMとなる量で培地に添加し、又は、エルゴチオネインは1mMとなる量で且つササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品は1.0mg/mlとなる量で培地に添加し、培養(37℃;5%CO)を続けた。対照(2検体群)には、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品も、エルゴチオネインも添加しなかった。
熱水抽出物の凍結乾燥品及び/又はエルゴチオネインの添加から3時間後に、対照2検体群中の1検体群を除く他の5検体群に、TNF−αを10ng/mlとなる量で培地に添加し、培養(37℃;5%CO)を続けた。
TNF−αの添加から20時間後に、各検体から培養上清を回収し、R&D Systems社製のマウス・インターロイキン−6 ELISA(Catalog No. DY406)を用い、インターロイキン6(IL−6)の量を測定した。IL−6の測定方法は、次の通りであった。
(IL−6の測定方法)
(1)96穴プレートへのCapture Antibodyの結合
(1−1)Capture Antibody(ラット抗マウスIL−6抗体)360μgを1mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解させた。この抗体溶液をPBSで180倍希釈し、2.0μg/ml溶液とした。これを、96穴プレート(MaxiSorp)に100μl/wellで注入し、ラップでくるんだ。この状態で、室温にて一晩インキュベートした。
(1−2)各ウェル中の液体を捨て、0.01%Tween20含有PBS(以下、「TPBS」という)200μl/wellで3回洗浄した。
(1−3)1%牛血清アルブミン(BSA)含有PBSを200μl/wellで注入し、室温で1時間ブロッキングさせた。
(1−4)各ウェル中の液体を捨て、TPBSにて、200μl/wellで3回洗浄した。
(2)測定
(2−1)(1)で調製した96穴プレートの各々に、IL−6標準品含有試料又はIL−6含有量を測定する検体試料を100μl/wellで注入し、ラップでくるんだ。この状態で、室温にて2時間インキュベートした。
(2−2)各ウェル中の液体を捨て、TPBSにて、200μl/wellで3回洗浄した。
(2―3)Detection Antibody(ビオチン結合ヤギ抗マウスIL−6抗体)36μgを1mlの1%BSA含有PBSに溶解させた。この抗体溶液をPBSで180倍希釈し、200ng/ml溶液とした。これを100μl/wellで注入し、ラップでくるんだ。この状態で、室温にて2時間インキュベートした。
(2−4)各ウェル中の液体を捨て、TPBSにて、200μl/wellで3回洗浄した。
(2−5)ストレプトアビジン−西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)1mlを、1%BSA含有PBSで180倍希釈した。これを100μl/wellで注入し、アルミホイルでくるんだ(遮光状態)。この状態で、室温にて20分間インキュベートした。
(2−6)各ウェル中の液体を捨て、TPBSにて、200μl/wellで3回洗浄した。
(2−7)クエン酸リン酸緩衝液10mlと1%3,3´,5,5´−テトラメチルベンジデン(TMB)含有N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100μlと過酸化水素4μlとを、使用直前に混合し、TMB試薬を調製した。このTMB試薬を、100μl/well注入し、アルミホイルでくるんだ(遮光状態)。この状態で、室温にて8乃至10分間インキュベートした。
(2−8)発色の程度を確認し、1Nリン酸を50μl/well加えて発色を停止した。
(2−9)マイクロプレートリーダー(SPECTRA MAX250)で、450nmにおける吸光度を測定した。
(2−10)IL−6標準品含有試料を用いた場合のデータにより検量線を作成し、検体試料(培養上清)中のIL−6量を算出した。
結果を図4に示す。なお、図4における検体は次の通りである。
Cont: 何も添加していない対照(n=3)、
TNF: TNF−αのみを添加した対照(n=3)、
1mg/ml Sext+TNF: ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を1.0mg/mlとTNF−αとを添加した検体(n=3)、
2mg/ml Sext+TNF: ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を2.0mg/mlとTNF−αとを添加した検体(n=3)、
1mM EGT+TNF: 1mMとなる量のエルゴチオネインとTNF−αとを添加した検体(n=3)、
1mM EGT+2mg/ml Sext+TNF: 1mMとなる量のエルゴチオネインとササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を2.0mg/mlとTNF−αとを添加した検体(n=3)。
図4から明らかなように、ササクレヒトヨタケの子実体からの熱水抽出物及び/又はエルゴチオネインを添加することにより、培養上清中に分泌されるインターロイキン6の量が減少した。即ち、当該熱水抽出物は、TNF−αによる酸化障害を抑制した。
ここで、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品添加群は、その濃度が1mg/mlでも、1mM濃度のエルゴチオネインを添加した場合よりも強く酸化障害を抑制し、また、エルゴチオネインを1mMとなる量で且つササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を1.0mg/mlとなる量で添加した群は、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品(1mg/ml)のみの添加群とほぼ同様に、酸化障害を抑制した。
ササクレヒトヨタケのエルゴチオネイン含有量(9.4mg/g−乾燥品)と、熱水抽出物収量(45.2%)とを考慮すると、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物(凍結乾燥品)のエルゴチオネイン含有量は約2%である。従って、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を1.0mg/mlとなる量で添加した群のエルゴチオネイン含有量は、0.02mg/mlである。一方、エルゴチオネインの分子量は229であるから、エルゴチオネインを1mMとなる量で添加した群のエルゴチオネイン含有量は、0.229mg/mlである。即ち、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を添加した群に含有されていたエルゴチオネインの量は、エルゴチオネインを1mMとなる量で添加した群の約1/11にすぎない。よって、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品には、エルゴチオネイン以外の酸化障害抑制活性を示す成分が含有されていることが強く示唆される。
(実施例7)脂肪細胞のTNF−αによる酸化障害に対する、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の防御作用の測定(その2)
エルゴチオネインとササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品の添加量を変えた以外は、実施例6と同様の実験を行った。今回は、TNF無添加の対照についての実験は行わず、エルゴチオネインは2.5mM濃度、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品は2mg/mlとなるように培地に添加した。
結果を図5に示す。なお、図5における検体は次の通りである。
TNF: TNF−αのみを添加した対照、
2.5mM EGT+T: 2.5mMとなる量のエルゴチオネインとTNF−αとを添加した検体、
2mg/ml Sext+T: ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を2.0mg/mlとTNF−αとを添加した検体
図5から明らかなように、エルゴチオネイン又はササクレヒトヨタケの子実体からの熱水抽出物を添加することにより、培養上清中に分泌されるインターロイキン6の量が減少した。即ち、当該熱水抽出物は、TNF−αによる酸化障害を抑制した。
ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を2.0mg/mlとなる量で添加した群のエルゴチオネイン含有量は、0.04mg/mlである。一方、エルゴチオネインの分子量は229であるから、エルゴチオネインを2.5mMとなる量で添加した群のエルゴチオネイン含有量は、0.573mg/mlである。即ち、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品を添加した群に含有されていたエルゴチオネインの量は、エルゴチオネインを2.5mMとなる量で添加した群の約1/14にすぎない。よって、ササクレヒトヨタケからの熱水抽出物の凍結乾燥品には、エルゴチオネイン以外の酸化障害抑制活性を示す成分が含有されていることが強く示唆される。
本発明に係る組成物は、免疫炎症性障害を初めとする各種炎症性障害やメタボリック・シンドロームの予防や治療に、及び、活性酸素種による酸化障害によって引き起こされる種々の疾病や障害の予防や治療に、使用することができる。

Claims (9)

  1. ヒトヨタケ科に属するキノコからの熱水抽出物を含有することを特徴とする抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物。
  2. 抗炎症活性及び抗酸化活性を示す、請求項1に記載の組成物。
  3. 抗炎症活性が、抗免疫炎症活性である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. キノコが、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属に属するキノコである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. キノコがササクレヒトヨタケである、請求項4に記載の組成物。
  6. ヒトヨタケ科に属するキノコの乾燥粉末から、熱水にて抽出する工程(1)、工程(1)で得られた混合物から上澄液を分離する工程(2)、及び前記上澄液を濃縮する工程(3)を含む、抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法。
  7. さらに、工程(3)で得られた濃縮物を、凍結又は噴霧乾燥する工程(4)を含む、請求項6に記載の抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法。
  8. さらに、工程(3)で得られた濃縮物を、逆相HPLCで分画する工程(5)を含む、請求項6に記載の抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法。
  9. さらに、工程(5)で得られた活性画分を、濃縮する工程(6)、及び/又は、凍結又は噴霧乾燥する工程(7)を含む、請求項8に記載の抗炎症活性及び/又は抗酸化活性を示す組成物の調製方法。
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