JP2004214269A - 薄板支持容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体ウエハSを収納する容器本体2と、容器本体2を塞ぐ蓋体と、半導体ウエハSを両側から支持する溝板3とを備えてなる薄板支持容器1である。溝板3の上部を支持する上部嵌合部と、その下部を支持する下部嵌合部56とを備えた。上部嵌合部の上部嵌合片が、溝板3側に当接して回動を抑えながら前後方向の位置決めを行う平坦面状の当接面と、支持面とを備えた。上部被嵌合片は、平坦面状の被当接面と、被支持面とを備えた。下部嵌合部56は、半導体ウエハSの上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段65と、左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段66と、前後方向の位置決めを行う前後方向位置決め手段とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納、保管、輸送する薄板支持容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄板支持容器は一般に、容器本体と、この容器本体の上部開口を塞ぐ蓋体とから構成されている。容器本体内には、対向する側壁にそれぞれ溝板が設けられ、各溝板の間に、半導体ウエハ等の薄板が複数枚支持される。
【0003】
溝板は、容器本体に着脱可能に支持されている。具体的には、溝板側に支持穴部が、容器本体側に支持用突起がそれぞれ設けられ、これらによって、溝板が容器本体に着脱可能に支持されている。
【0004】
特許文献1にこの例を示す。溝板(薄板支持部)側に支持穴部が、この支持穴部に対応する容器本体側に支持用突起がそれぞれ設けられている。これらは3カ所に設けられている。
【0005】
【特許文献1】
国際公開WO99/39994
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記支持穴部及び支持用突起は、3カ所に設けられているため、溝板が撓むことはない。しかし、溝板の両側の2カ所にのみ設ける態様も考えられるが、この場合、支持穴部及び支持用突起が円形で、互いに嵌合した状態で回動し得るため、溝板が撓む可能性がある。
【0007】
また、溝板は、上部の支持穴部及び支持用突起で位置決めされるため、溝板の奥部の位置に多少のズレが生じることがある。この場合、薄板支持容器を立てた状態では、半導体ウエハは溝板の奥部で支持されるため、溝板の奥部の位置にズレがあると、薄板支持容器内において半導体ウエハを支持する位置がずれてしまうことになる。
【0008】
溝板を構成する複数枚の板片は、半導体ウエハの出し入れ口近傍まで半導体ウエハの周縁に沿って湾曲して形成されているものがある。この場合、板片の出し入れ口側が半導体ウエハ側へ大きく張り出すことになるため、半導体ウエハの出し入れの際に接触する可能性が高くなる。これを解消するためには、板片のうち、出し入れ口側を容器本体側に広げる必要があるが、この場合、半導体ウエハの支持位置が奥側と、中間位置とになり、出し入れ口近傍での支持がなくなり、不安定になる。
【0009】
薄板支持容器内に収納された半導体ウエハと、薄板支持容器の底板部との間には十分な隙間が設けられている。これは、薄板支持容器の落下等による異常な衝撃に対しても、半導体ウエハが底板部に接触しないようにするためである。しかしこの場合、薄板支持容器の高さがあるため、薄板支持容器を箱に梱包すると、箱の底板部と薄板支持容器の底部との隙間が少なくなる。このため、箱の底板部と薄板支持容器の底部との間に入れる緩衝材の量が少なくなってしまう。この場合、通常の搬送状態においては問題にならないが、高いところから落とす等により異常な衝撃が加わったときには多少問題になるため、緩衝材の量は多いほど望ましい。
【0010】
また、薄板支持容器には、トップフランジやハンドルが着脱可能に取り付けられているが、薄板支持容器を落下させる等の通常あり得ない異常な衝撃によってトップフランジやハンドルが引き抜く方向に強い外力が加わると、係止爪等が外れてトップフランジ等が抜け落ちてしまうことがある。
【0011】
蓋体を容器本体に固定するためのラッチ機構は一般に知られているが、ラッチ機構を解除して蓋体を取り外すときに、ラッチ機構が容器本体に引っかかってしまうことがある。
【0012】
蓋体の裏面には薄板押え部材が設けられている。この薄板押え部材には嵌合溝が設けられ、この嵌合溝に半導体ウエハを1枚ずつ嵌合して支持する。この嵌合溝はV字型に形成されてるが、V字型の嵌合溝の角度は通常鈍角であって、半導体ウエハの周縁部を軽く押さえているだけである。この場合、通常の使用態様においては問題ないが、薄板支持容器を落とす等の異常な衝撃に対しては、半導体ウエハが回転したりずれたりすることがあり、支持力が十分とはいえない。
【0013】
薄板押え部材は、各半導体ウエハを一定間隔を空けて1枚ずつ支持する押え帯を並列に多数配設して構成され、押え帯に設けられた嵌合溝に半導体ウエハの周縁が嵌合して支持される。この場合、半導体ウエハが押え帯の嵌合溝から外れると、押え帯の間の隙間に入り込んで挟まってしまうことがある。
【0014】
横置き状態の上記容器本体の底部には、薄板支持容器の位置決めをする位置決め手段が設けられているが、この位置決め手段は、3つの嵌合溝がほぼ等間隔に3カ所設けられて構成されている。これらの嵌合溝に、基台側の位置決め突起が嵌合することで、正確な位置決めが行われる。ところが、この嵌合溝は、薄板支持容器と同一材料で構成されるため、位置決め突起が各嵌合溝に嵌合した状態で、あまりスムーズに滑らないことがある。この場合、位置決め突起が各嵌合溝の途中に引っかかってしまうことがあり、正確な位置決めができなくなる。
【0015】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたもので、薄板を正確にかつ確実に安定して支持することができ、蓋体及びトップエンド等の着脱が確実かつ容易にできると共に、自身の位置決めを正確に行うことができる薄板支持容器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために第1の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記溝板の上部を上記容器本体側に支持する上部嵌合部と、その下部を上記容器本体側に支持する下部嵌合部とを備え、上記上部嵌合部が、上記容器本体内の対向する各側壁面のうち少なくとも両端部に設けられた上部嵌合片と、上記溝板のうち上記上部嵌合片に対向する位置に設けられた上部被嵌合片とからなり、上記上部嵌合片が、上記溝板側に当接して溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の当接面と、当該当接面を溝板側に当接させた状態で支持する支持面とを備え、上記上部被嵌合片が、上記上部嵌合片の当接面に当接して上記溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の被当接面と、上記上部嵌合片の支持面に当接して上記被当接面を相手側の上記当接面に当接させた状態で支持する被支持面とを備えたことを特徴とする。
【0017】
上記構成により、上部嵌合片の支持面が上部被嵌合片の被支持面に当接して支持された状態で、上部嵌合片の平坦面状の当接面が、上部被嵌合片の平坦面状の被当接面と当接することで、溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う。これにより、溝板の撓み等の変形が抑えられ、薄板を正確な位置で支持することができる。
【0018】
第2の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記溝板の上部を上記容器本体側に支持する上部嵌合部と、その下部を上記容器本体側に支持する下部嵌合部とを備え、上記下部嵌合部が、上記溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段と、左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段と、前後方向の位置決めを行う前後方向位置決め手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
上記構成により、上下方向位置決め手段で溝板の上下方向の位置決めを行う。左右方向位置決め手段で左右方向の位置決めを行う。そして、前後方向位置決め手段で前後方向の位置決めを行う。これにより、上部嵌合部と相まって、溝板を正確に位置決めして固定することができる。
【0020】
第3の発明に係る薄板支持容器は、第2の発明に係る薄板支持容器において、上記上下方向位置決め手段が、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部に嵌合すると共にその下端部に当接して溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向支持片を備えて構成されたことを特徴とする。
【0021】
上記構成により、上下方向支持片が溝板の下部に嵌合してその下端部に当接することで、溝板の上下方向を正確に位置決めする。
【0022】
第4の発明に係る薄板支持容器は、第2又は第3の発明に係る薄板支持容器において、上記左右方向位置決め手段が、上記溝板の下部に設けられた切り欠きと、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部の切り欠きに嵌合して溝板の左右方向の位置決めを行う左右方向支持片とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成により、左右方向支持片が切り欠きに嵌合することで、溝板の左右方向を正確に位置決めする。
【0024】
第5の発明に係る薄板支持容器は、第2乃至第4の発明のいずれかに記載の薄板支持容器において、上記前後方向位置決め手段が、上記溝板の下部にその裏面側へ延出して設けられ、上記容器本体の側壁面の下部に当接して溝板の前後方向の位置決めを行う前後方向支持片を備えて構成されたことを特徴とする。
【0025】
上記構成により、前後方向支持片が容器本体の側壁面の下部に当接することで、溝板の前後方向を正確に位置決めする。
【0026】
第6の発明に係る薄板支持容器は、第2乃至第5の発明のいずれかに記載の薄板支持容器において、上記溝板の下部に、上記容器本体側に係止して溝板が上方へ抜けるのを抑えるストッパを備えたことを特徴とする。
【0027】
上記構成により、溝板が位置決めされて容器本体に取り付けられた状態で、ストッパによって抜け落ちないように支持される。
【0028】
第7の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記溝板が、上記複数枚の薄板を1枚ずつ支持する板片を複数枚並べて構成され、上記板片が、上記容器本体の奥側から上記薄板の出し入れ口側まで延出して設けられ、その奥側から中間位置までを上記薄板の周縁に沿って湾曲させると共に、中間位置から出し入れ口側までを上記容器本体側に沿って形成され、上記板片の奥側及び出し入れ口側に上記薄板を支持する薄板支持用突起が設けられると共に、出し入れ口側の薄板支持用突起が、上記板片の内側縁と上記薄板の周縁の交点付近に設けられたことを特徴とする。
【0029】
上記構成により、板片の奥側と、板片の内側縁と薄板の周縁の交点付近に設けられた薄板支持用突起が薄板を支持するため、薄板を安定して支持することができる。
【0030】
第8の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記蓋体と上記容器本体との間にガスケットが設けられ、当該ガスケットが、上記蓋体側又は容器本体側に嵌合されて全体を支持する基端支持部と、当該基端支持部から延出して形成された当接部とからなり、当該当接部が、上記基端支持部から周囲に鍔状に広げて形成されると共に、その中間部を上方に盛り上げ外周縁部を下方へ折り返して形成され、上記外周縁部が容器本体側又は蓋体側に当接された状態で上記中間部が蓋体側又は本体側に押圧されることで、当該当接部の有する弾性力で外周縁部が容器本体側又は蓋体側に密着されることを特徴とする。
【0031】
上記構成により、当接部の中間部を上方に盛り上げ外周縁部を下方へ折り返して形成したので、中間部が蓋体側又は本体側に押圧されることで、当接部の有する弾性力で外周縁部が容器本体側又は蓋体側に密着される。これにより、ガスケットが撓んでいる場合でも、その外周縁部を容器本体側又は蓋体側に確実に密着させることができる。
【0032】
第9の発明に係る薄板支持容器は、第8の発明に係る薄板支持容器において、上記ガスケットの基端支持部の上側面の内側に設けられ、上方へ延出して蓋体側又は容器本体側に当接するシール片と、当該シール片の外側に設けられ、シール片の弾性変形を吸収する環状溝とを設けたことを特徴とする。
【0033】
上記構成により、シール片が蓋体側又は容器本体側に当接し、このシール片の当接による弾性変形を環状溝が吸収する。
【0034】
第10の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記容器本体の底板部を、上記容器本体内に収納された薄板の下端と3mm程度の隙間に設定されたことを特徴とする。
【0035】
上記構成により、容器本体の底板部と、容器本体内に収納された薄板の下端との隙間を3mm程度に設定したので、容器本体を小型化することができる。
【0036】
第11の発明に係る薄板支持容器は、第10の発明に係る薄板支持容器において、上記容器本体の底板部とその内部に収納された薄板の下端との隙間を縮めた分だけ上記容器本体の高さを縮めたことを特徴とする。
【0037】
上記構成により、上記容器本体の底板部とその内部に収納された薄板の下端との隙間を縮めた分だけ上記容器本体の高さを縮めたので、薄板支持容器を小型化することができる。これにより、梱包したときに、薄板支持容器の底部と梱包箱との間の緩衝材を厚くすることができ、落下等の衝撃に対する衝撃吸収能力が大幅に向上する。
【0038】
第12の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、搬送機械用のトップフランジ又は人が持つためのハンドルの一方又は両方を上記容器本体に着脱可能に支持する着脱機構を備え、当該着脱機構が、上記容器本体と上記トップフランジ又はハンドルの2つの部材を互いに摺動可能に支持する摺動支持手段と、当該摺動支持手段で摺動可能に支持された2つの部材を互いにずれないように係止する係止手段とを備え、上記摺動支持手段が、一方の部材に設けられた支持部と、他方の部材に設けられて上記支持部に手前側から奥部まで挿入される摺動部とからなり、上記係止手段が、一方又は他方の部材に設けられた係止用突起と、他方又は一方の部材に設けられた係止用爪とからなり、上記係止用爪が、上記係止用突起に当接する当接部と、当該当接部を支持する支持棒部とからなり、当該支持棒部が、相手部材の方へかつ上記摺動支持手段の手前側へ向けて延出させて形成されたことを特徴とする。
【0039】
上記構成により、支持棒部を、相手部材の方へかつ摺動支持手段の手前側へ向けて延出させて形成したので、トップフランジ等が抜ける方向に強い力が加わった場合、支持棒部が突っ張ってトップフランジ等の抜けを抑える。これにより、トップフランジ等に強い衝撃が加わっても、抜け落ちることがなくなる。
【0040】
第13の発明に係る薄板支持容器は、第12の発明に係る薄板支持容器において、上記係止用爪の当接部が、上記支持棒部の基端部より相手部材側に設けられたことを特徴とする。
【0041】
上記構成により、係止用爪の当接部を、支持棒部の基端部より相手部材側に設けたので、当接部は係止用突起に深く食い込む方向に押圧されることになる。これにより、衝撃等により強い力が加わっても、当接部が係止用突起から抜け落ちることがなくなる。
【0042】
第14の発明に係る薄板支持容器は、第12又は第13の発明に係る薄板支持容器において、上記摺動支持手段の支持部及び摺動部が並列に2つずつ設けられ、手前側におけるこれらの間隔を狭く、奥側を広く設定したことを特徴とする。
【0043】
上記構成により、手前側を狭く、奥側を広く設定したので、摺動部を支持部に容易に嵌合させることができる。
【0044】
第15の発明に係る薄板支持容器は、第12乃至第14の発明のいずれかに係る薄板支持容器において、上記摺動支持手段に支持された2つの部材の互いの摺動を案内して摺動方向と直交する方向の位置決めをする案内レールを設けたことを特徴とする。
【0045】
上記構成により、案内レールに案内されて、摺動支持手段に支持された2つの部材を容易に着脱させることができる。
【0046】
第16の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記蓋体に、当該蓋体を容器本体に固定するラッチ機構を設け、当該ラッチ機構が、上記容器本体側に係止して上記蓋体を上記容器本体に固定する第1腕部と、上記蓋体に回動可能に支持されると共に上記第1腕部を回動可能に支持する第2腕部とからなり、上記第1腕部が、その基端部に設けられて上記容器本体側に当接する係止用爪と、先端部に設けられて上記第1及び第2腕部が限度まで回動した状態で上記蓋体の横方向に位置する把持部とからなり、上記第2腕部が、上記第1腕部を限度まで回動させた状態でその基端部の係止用爪が容器本体に接触しない位置まで回動することを特徴とする。
【0047】
上記構成により、蓋体を容器本体に取り付けるときは、第1腕部の把持部を手で持って蓋体を持ち上げ、容器本体の上側から被せる。このとき、把持部は第1及び第2腕部が限度まで回動した状態で蓋体の横方向に位置し、容易に持ち上げて容器本体に被せることができる。次いで、把持部を手で持ったまま、下方へ押し下げる。これにより、第1腕部の基端部の係止用爪が容器本体側に当接して、蓋体を容器本体に固定する。蓋体を容器本体から取り外すときは、第1腕部の把持部を手で持って両側へ開く。これにより、第1腕部の基端部の係止用爪が容器本体側から外れて蓋体の固定が解かれる。この状態で、把持部を持って蓋体を持ち上げる。このとき、第2腕部が第1腕部を限度まで回動させた状態でその基端部の係止用爪が容器本体に接触しない位置まで回動するため、蓋体を容易に取り外すことができる。これにより、蓋体の着脱を容易に行うことができる。
【0048】
第17の発明に係る薄板支持容器は、第16の発明に係る薄板支持容器において、上記第1腕部が上記第2腕部に対して90°開き、上記第2腕部が上記容器本体に対して35°開くことを特徴とする。
【0049】
上記構成により、把持部が蓋体の横方向の持ちやすい位置で支持され、係止用爪が容器本体に接触しない位置まで開かれる。
【0050】
第18の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、当該薄板押え部材に、上記薄板を1枚ずつ嵌合して支持する嵌合溝が設けられ、当該嵌合溝が、薄板の周縁を挟み込むように鋭角に形成されたことを特徴とする。
【0051】
上記構成により、薄板押え部材に、薄板を1枚ずつ嵌合して支持する嵌合溝が設けられ、嵌合溝が薄板の周縁を挟み込むように鋭角に形成されたので、薄板支持容器に強い衝撃が加わった場合でも、鋭角の嵌合溝が薄板の周縁を挟み込んで、薄板の回転を押さえて確実に支持することができる。
【0052】
第19の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、当該薄板押え部材が、並列に多数配設され上記薄板の周縁部に当接して各薄板を一定間隔を空けて1枚ずつ支持する押え帯を備え、当該押え帯が、上記薄板の周縁に沿って波形に形成されたことを特徴とする。
【0053】
上記構成により、押え帯を薄板の周縁に沿って波形に形成したので、薄板がずれても、押え帯の間に入り込むことがなくなる。
【0054】
第20の発明に係る薄板支持容器は、内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、横置き状態の上記容器本体の底部に全体の位置決めをする本体位置決め手段が設けられ、当該本体位置決め手段が、上記容器本体の底部の3カ所に3方向に向けて設けられるV字溝を構成するV字溝板片と、当該V字溝板片を支持する支持台とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0055】
上記構成により、本体位置決め手段の支持台に別部材としてV字溝板片を取り付けたので、相手側の突起の材質に合わせた材質のV字溝板片を容易に取り付けることができる。
【0056】
第21の発明に係る薄板支持容器は、第20の発明に係る薄板支持容器において、上記V字溝板片が、表面の摩擦抵抗の小さい材料で構成されたことを特徴とする。
【0057】
上記構成により、表面の摩擦抵抗の小さい材料からなるV字溝板片に相手側の突起が嵌合した場合、V字溝板片と突起とが互いにスムーズに滑って、正確な位置に移動する。これにより、正確な位置決めができる。
【0058】
第22の発明に係る薄板支持容器は、第20又は第21の発明に係る薄板支持容器において、上記V字溝板片が、上記支持台に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする。
【0059】
上記構成により、V字溝板片を支持台に着脱可能に取り付けたので、相手側の突起の材質等に応じて容易に取り替えることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の薄板支持容器は、半導体ウエハ、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納、保管、輸送及び製造工程で使用する容器に用いて好適な容器である。本実施形態では、半導体ウエハを収納する薄板支持容器を例に説明する。
【0061】
本実施形態に係る薄板支持容器1は、図1〜図3に示すように、内部に半導体ウエハS(図16参照)を複数枚収納する容器本体2と、この容器本体2内の対向する側壁にそれぞれ設けられ、内部に収納された半導体ウエハSを両側から支持する2つの溝板3と、容器本体2の開口2Fを塞ぐ蓋体4と、搬送装置(図示せず)の腕部で把持されるトップフランジ5と、作業者が手で薄板支持容器1を持ち運ぶときに掴む持ち運び用ハンドル6とから構成されている。
【0062】
容器本体2は、全体をほぼ立方体状に形成されている。この容器本体2は縦置き状態(底板部2Eを下にした状態)で、周囲の壁となる4枚の側壁部2A,2B,2C,2Dと底板部2Eとから構成され、その上部に開口2Fが設けられている。各側壁部2A,2B,2C,2Dには、補強用リブ9等が設けられている。この容器本体2は、半導体ウエハSの製造ライン等においてウエハ搬送用ロボット(図示せず)に対向して据え付けられるときには、載置台上に正確に位置決めされて横置き(図2の状態)にされる。この横置き状態で底部となる側壁部2Aの外側には、薄板支持容器1の本体位置決め手段11が設けられている。横置き状態で天井部となる側壁部2Bの外側にはトップフランジ5が着脱機構12によって着脱自在に取り付けられている。横置き状態で横壁部となる側壁部2C,2Dの外側には持ち運び用ハンドル6が着脱機構12によって着脱自在に取り付けられている。
【0063】
本体位置決め手段11は、図3に示すように、V字溝状の3本の嵌合溝13によって構成されている。各嵌合溝13は、容器本体2の縦方向に整合する第1嵌合溝13Aと、容器本体2の縦方向に対して同じ角度(ほぼ60度)だけ傾斜させた第2及び第3嵌合溝13B,13Cとから構成されている。これら3本の嵌合溝13は規格に合わせて精密な寸法精度に設定されている。この本体位置決め手段11の各嵌合溝13A,13B,13Cが、半導体製造工程内の載置台の嵌合突起(図示せず)に嵌合することによって、薄板支持容器1が正確な位置に載置されて、ウエハ搬送用ロボットで半導体ウエハSが出し入れされるようになっている。
【0064】
各嵌合溝13は、図3〜図8に示すように、V字溝板片15と、支持台16とから構成されている。
【0065】
V字溝板片15は、嵌合溝13を構成するための部材である。V字溝板片15は、枠体17と、傾斜板18と、係止用爪19とから構成されている。
【0066】
枠体17は傾斜板18及び係止用爪19を支持するための部材である。枠体17は、後述する支持台16の嵌合用切り欠き21Cに嵌合するように長方形状に形成されている。枠体17の長手方向両側には、後述する支持台16の端部支持板22に嵌合して、嵌合用切り欠き21Cへの嵌合と相まって、全体を安定して支持するための支持板嵌合用切り欠き17Aが設けられている。傾斜板18は、嵌合溝13の傾斜面を構成するための部材である。この傾斜板18は、枠体17に2枚設けられている。傾斜板18の基端部が枠体17に固定された状態で、内側下方へ向けて延出させて構成されている。傾斜板18は、支持台16に取り付けられた状態で、その上側表面(図6の上側の面)が所定寸法になるように、支持台16との関係で板圧が正確に設定されている。V字溝板片15は、表面の摩擦抵抗の小さい材料で構成され、半導体製造工程内の載置台の嵌合突起が嵌合したときにスムーズに滑って薄板支持容器1の正確な位置決めができるようになっている。この材料としては、PBT等が用いられる。
【0067】
係止用爪19は、V字溝板片15を支持台16に固定するための部材である。係止用爪19は、傾斜板18の中央部から、内側下方へ向けて延出させて構成されている。係止用爪19の先端部は垂直方向に折り返して構成され、その先端の爪部19Aが後述する支持台16の係止用突起23に係止するようになっている。これにより、V字溝板片15は、支持台16に着脱可能に取り付けられる。さらに、半導体製造工程内の載置台の嵌合突起の材質に合わせた材質(滑りやすい材質)のV字溝板片15が選択的に取り付けられる。これにより、相手側の嵌合突起とV字溝板片15とが互いにスムーズに滑って、正確な位置決めができるようになっている。
【0068】
支持台16は、V字溝板片15を支持するための部材である。この支持台16は、傾斜支持板21と、端部支持板22と、係止用突起23とから構成されている。
【0069】
傾斜支持板21は、V字溝板片15の傾斜板18を正確に位置決めして支持するための部材である。平面コ字状の板片を4個並べて構成され、その内側のV字溝に沿って形成した傾斜面21Aが、V字溝板片15の傾斜板18に直接的に接触して支持する面となる。この傾斜面21Aに支持されたV字溝板片15の傾斜板18の上側表面が所定寸法になるように、傾斜面21Aの寸法が正確に設定されている。この場合、半導体製造工程内の載置台の嵌合突起は主に、各傾斜板18の先端部分で接触するため、平面コ字状の傾斜面21Aの内側部分21Bが、より正確な寸法に仕上げられている。傾斜支持板21の上端部には、嵌合用切り欠き21Cが設けられている。この嵌合用切り欠き21Cは、V字溝板片15の枠体17が嵌合するための切り欠きである。8つの嵌合用切り欠き21Cによって、V字溝板片15が支持されるようになっている。
【0070】
端部支持板22は、傾斜支持板21の嵌合用切り欠き21Cに嵌合されたV字溝板片15の長手方向両側を支持するための部材である。この端部支持板22は、立て板状に形成され、傾斜支持板21の両端部にそれぞれ設けられている。この端部支持板22の上端部が、V字溝板片15の枠体17の支持板嵌合用切り欠き17Aに嵌合することで、V字溝板片15の長手方向のズレを抑えて、V字溝板片15を安定して支持するようになっている。
【0071】
係止用突起23は、V字溝板片15を支持するための部材である。係止用突起23は、各傾斜支持板21の間の中央部に設けられている。係止用突起23は、その上端部が拡大され、V字溝板片15の係止用爪19の爪部19Aが係止するようになっている。
【0072】
トップフランジ5は、図9及び図10に示すように、フランジ部25と、本体部26とから構成されている。フランジ部25は、搬送装置の腕部(図示せず)で把持されるための部材である。工場内等において、トップフランジ5が搬送装置の腕部で掴まれて、薄板支持容器1が搬送される。本体部26は、フランジ部25を支持して容器本体2に取り付けるための部材である。本体部26の裏面には、後述する着脱機構12の一方の部材が設けられている。
【0073】
容器本体2の側壁部2Bの中央部には、トップフランジ5を着脱自在に取り付けるための着脱機構12の他方の部材が設けられている。着脱機構12は、図1、図11〜15に示すように構成されている。具体的には、摺動支持手段27と、係止手段28と、案内レール29とから構成されている。
【0074】
摺動支持手段27は、容器本体2とトップフランジ5とを互いに摺動可能に支持するための部材である。摺動支持手段27は、容器本体2側に設けられた支持部30と、トップフランジ5側に設けられて支持部30に手前側から奥部(図11中の右側から左側の端部)まで挿入される摺動部31とから構成されている。支持部30は、容器本体2の側壁部2Bの外側表面に、並列に2つ設けられたレール部材によって構成されている。このレール部材には、外側方向(2つのレール部材の互いを背にする方向)に開放した溝が設けられている。摺動部31は、トップフランジ5の本体部26のうち、上記支持部30に対応する位置にそれぞれ設けられたレール部材によって構成されている。このレール部材には、内側方向に開放した溝が設けられている。これら支持部30及び摺動部31は、手前側(図11中の右側)におけるこれらの間隔を狭く、奥側を広くして、ハの字状に設定されている。これにより、摺動部31が、支持部30に容易に嵌合できるようになっている。
【0075】
係止手段28は、摺動支持手段27で摺動可能に支持された容器本体2とトップフランジ5とを互いにずれないように係止するための部材である。係止手段28は、容器本体2側に設けられた係止用突起33と、トップフランジ5側に設けられた係止用爪34とから構成されている。係止用突起33は側壁部2Bに2つ設けられている。各係止用突起33は、2つの支持部30の各両端部の間の中央にそれぞれ設けられている。各係止用突起33は、奥側(図11中の左側)に向いた面が垂直な当接面となって、係止用爪34を手前側(図11中の右側)へずれないように支持する。
【0076】
係止用爪34は、係止用突起33に係止してトップフランジ5が抜け落ちないようにするための部材である。係止用爪34は、トップフランジ5の本体部26に2つ設けられている。具体的には、奥側係止用爪34Aと、手前側係止用爪34Bとが設けられている。奥側係止用爪34Aは、奥側の係止用突起33に当接する当接部36と、この当接部36を支持する支持棒部37とから構成されている。当接部36は、手前側に向いた面が垂直な当接面となって係止用突起33に当接し、トップフランジ5を手前側へずれないように支持する。支持棒部37は容器本体2側へ、かつ奥側へ向けて延出させて形成されている。
【0077】
手前側係止用爪34Bは、手前側の係止用突起33に当接する当接部38と、この当接部38を支持する支持棒部39とから構成されている。当接部38は、手前側に向いた面が垂直な当接面となって係止用突起33に当接し、係止用爪34Bを手前側へずれないように支持する。支持棒部39は、容器本体2側へ、かつ手前側へ向けて延出させて形成されている。この支持棒部39によって、当接部38が、支持棒部39の基端部より容器本体2側に設けられている。これにより、トップフランジ5に対して抜け落ちる方向に力が加わった場合に、当接部38が係止用突起33に深く食い込む方向に押圧されることになる。これにより、衝撃等により強い力が加わっても、当接部38が係止用突起33から外れるのを確実に防止している。これにより、支持棒部39が突っ張ってトップフランジ5の抜けを抑える。
【0078】
案内レール29は、摺動支持手段27で容器本体2に支持されたトップフランジ5の摺動を案内して、摺動方向と直交する方向の位置決めをするための部材である。この案内レール29は、嵌合レール部29Aと、被嵌合レール29Bとから構成されている。嵌合レール部29Aは、1つのレール部材で構成され、容器本体2の側壁部2Bのうち2つの支持部30の内側に2つ設けられている。被嵌合レール29Bは、嵌合レール部29Aを両側から挟む2つのレール部材で構成され、嵌合レール部29Aに対向するトップフランジ5側に設けられている。嵌合レール部29A及び被嵌合レール29Bは、平行に設けられている。これにより、嵌合レール部29Aが被嵌合レール29Bに嵌合して、トップフランジ5の手前側から奥側への摺動、奥側から手前側への摺動を支持して、トップフランジ5を容器本体2に対して容易に着脱させることができるようになっている。
【0079】
ハンドル6は、図2、3に示すように、2つの把持棒部41、42を備えて構成されている。各把持棒部41、42は、互いに異なる角度に設定されている。これにより、薄板支持容器1を縦にして持ったり、横にして持ったりするときに、2つの把持棒部41、42を選択して掴む。各把持棒部41、42の角度は、薄板支持容器1を縦にして持つ場合に最適な角度と、横にして持つ場合に最適な角度に設定される。具体的な角度は、薄板支持容器1の大きさ、重さ等の種々の条件に応じて適宜設定する。このハンドル6は、上記着脱機構12と同じ構造の着脱機構によって側壁部2C,2Dに着脱可能に取り付けられている。
【0080】
底板部2Eは、図3、16に示すように、足部44と、覆い板部45とから構成されている。足部44は、容器本体2を支持するための部材である。この足部44は、底板部2Eの対向する2つの辺の全幅に亘って形成された凸条によって構成されている。覆い板部45は、容器本体2内に収納された半導体ウエハSの下側部を覆うための部材である。この覆い板部45は、各足部44の間に下方へ湾曲して設けられている。覆い板部45は、容器本体2内に収納された半導体ウエハSの下端との間隔tが3mm程度になるように設定されている。これは、後述する溝板3の取付精度及び支持剛性が向上したため、薄板支持容器1の落下等による強い衝撃に対しても、半導体ウエハSを十分な強度で支持して下方へのズレを少なくすることができるようになるためである。さらに、底板部2Eと半導体ウエハSの下端との隙間を縮めた分だけ、容器本体2の高さが縮められて小型化されている。これにより、薄板支持容器1を梱包したときに、薄板支持容器1の底部と梱包箱との間の隙間が大きくなって緩衝材を厚くすることができ、落下等の衝撃に対する衝撃吸収能力を大幅に向上することができるようになっている。
【0081】
容器本体2の上端部には、図1に示すように、蓋体4が嵌合するための蓋体受け段部47が設けられている。この蓋体受け段部47は容器本体2の上端部を、蓋体4の寸法まで広げて形成されている。これにより、蓋体4は、蓋体受け段部47の垂直板部47Aの内側に嵌合し、水平板部47Bに当接することで、蓋体受け段部47に取り付けられるようになっている。さらに、水平板部47Bには、蓋体4の下側面に取り付けられるガスケット80(図29参照)が当接して薄板支持容器1の内部を密封するようになっている。蓋体受け段部47の垂直板部47Aの内側には、半導体製造工程内で用いられる専用の蓋体(図示せず)を容器本体2側に固定するための嵌合穴48が設けられている。この嵌合穴48は、蓋体受け段部47の四隅に設けられている。なお、嵌合穴48の位置及び形状は、半導体製造工程内で用いられる専用の蓋体に応じて、適宜設定される。
【0082】
溝板3は、図1、16〜23に示すように、容器本体2内の対向する側壁部2C,2Dにそれぞれ設けられて内部に収納された半導体ウエハSを両側から支持するための部材である。溝板3は、容器本体2内の内側に着脱自在に取り付けられている。溝板3は主に、並列に一定間隔をおいて多数枚配設されて各半導体ウエハSを1枚ずつ隔てて支持する板片50と、各板片50が並列に一定間隔をおいて配設された状態でこれらを一体的に支持する支持板部51とから構成されている。
【0083】
板片50は、容器本体2の奥側から半導体ウエハSの出し入れ口(開口2F)側まで延出して設けられている。この板片50は、その奥側から中間位置までを半導体ウエハSの周縁に沿って湾曲させると共に、中間位置から出し入れ口側までを容器本体2側に沿って形成されている。板片50のうち、その奥側及び出し入れ口側には半導体ウエハSを支持する薄板支持用突起52が設けられている。出し入れ口側の薄板支持用突起52は、板片50の内側縁と半導体ウエハSの周縁の交点付近に設けられている。これは、薄板支持用突起52を極力出し入れ口側に設けて、半導体ウエハSを安定して支持するためである。
【0084】
奥側の板片50の間にはV字型溝53が設けられている。このV字型溝53は、容器本体2を縦置きにしたときに、半導体ウエハSをV字型溝53の溝底部に落ち込ませて中央部で支持するようになっている。
【0085】
溝板3の上部には、取っ手54が2つ設けられている。この取っ手54は、溝板3を持ち上げるときに掴む部分である。指で2つの取っ手54を摘んで持ち上げる。
【0086】
上記支持板部51は、各板片50の最奥側(図17中の左下部)と中間と入口側(図17中の右上部)の3カ所の位置に設けられ、各板片50を一体的に支持している。
【0087】
溝板3は、上部嵌合部55と、下部嵌合部56とで、容器本体2内の対向する各側壁部2C,2Dに着脱可能に固定されている。
【0088】
上部嵌合部55は、溝板3の上部を容器本体2に支持するための部材である。この上部嵌合部55は、上部嵌合片57と、上部被嵌合片58とから構成されている。上部嵌合片57は、容器本体2内の対向する各側壁部2C,2Dにそれぞれ設けられている。各側壁部2C,2Dの上下方向中間位置に段部59が設けられ、この段部59に4つの上部嵌合片57が設けられている。この上部嵌合片57は、少なくとも両端部に2つ設ければ足り、溝板3の大きさ等に応じて3つ又は5つ以上設ける場合もある。上部嵌合片57は、平面形状をコ字状に形成されている。このコ字状の上部嵌合片57には、当接面57Aと、支持面57Bとが設けられている。当接面57Aは、溝板3側に当接して溝板3の回動を抑えながら溝板3の前後方向(図20の左奥側から右手前側の方向)の位置決めを行うための部位で、平坦面状に形成されている。当接面57Aが基準になって溝板3の前後方向の位置決めがなされるため、当接面57Aは、正確な位置及び寸法に形成されている。支持面57Bは、当接面57Aを溝板3側に当接させた状態で、その接触状態を支持するための部位である。
【0089】
上部被嵌合片58は、上部嵌合片57と嵌合して、溝板3の前後方向の位置決めを行うための部材である。上部被嵌合片58は、溝板3のうち上部嵌合片57に対向する位置に設けられている。具体的には、被当接面58Aと、被支持面58Bとから構成されている。被当接面58Aは、上部嵌合片57の当接面57Aに当接して溝板3の回動を抑えながら溝板3の前後方向の位置決めを行うための部位である。この被当接面58Aは平坦面状に形成され、上部嵌合片57との間での回動を抑えるようになっている。被当接面58Aは、溝板3のうち嵌合片57の当接面57Aに対応する位置に設けられた凸条61の先端に形成されている。この凸条61の当接面58Aが上部嵌合片57の当接面57Aに当接して、溝板3の前後方向の位置決めを行うようになっている。ここでは、2つの凸条61が1つの上部嵌合片57の当接面57Aに当接するようになっている。凸条61の形状にしたのでは、成型時のひけを防止して、寸法精度を向上させるためである。
【0090】
被支持面58Bは、上部嵌合片57の支持面57Bに当接することで、被当接面58Aを上部嵌合片57の当接面57Aに当接させた状態で支持するための部材である。被支持面58Bは、複数の支持板片62で溝板3側に支持された帯状の板材63の裏面に形成されている。板材63の全副が被支持面58Bとなり、いずれの位置でも支持面57Bと当接して溝板3を支持できるようになっている。
【0091】
このように、支持面57A,57Bで支持された状態で、当接面57A,58Aが互いに当接することで、溝板3の支持部の回動による溝板3の撓み等の変形を抑えて、溝板3の前後方向の正確な位置決めを行うことができるようになっている。なお、上部嵌合部55では、溝板3の前後方向の位置決めのみを行う。他の方向に位置決めは、下部嵌合部56による。
【0092】
下部嵌合部56は、溝板3の下部を容器本体2側に支持するための部材である。下部嵌合部56は、溝板3の上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段65と、左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段66と、前後方向の位置決めを行う前後方向位置決め手段67とから構成されている。これらの手段が相まって溝板3の下部を、上下左右前後方向に正確に位置決めし、上部嵌合部55とも相まって溝板3を容器本体2に正確に位置決めして固定するようになっている。
【0093】
上下方向位置決め手段65は、上下方向支持片68と、下部板部69とから構成されている。
【0094】
上下方向支持片68は、容器本体2内の対向する各側壁面2C,2Dの下部に設けられ、溝板3の下部に嵌合すると共にその下端部に当接して溝板3の上下方向の位置決めを行うための部材である。上下方向支持片68は、溝板3に嵌合する嵌合用切り欠き68Aを備えて構成されている。嵌合用切り欠き68Aは、その上下方向の寸法が正確に設定され、溝板3の上下方向位置を正確に位置決めするようになっている。
【0095】
下部板部69は、上下方向支持片68の嵌合用切り欠き68Aに嵌合することで、溝板3の上下方向位置を正確に位置決めするための部材である。下部板部69は、溝板3の下部に下方へ延出して設けられた板材によって構成されている。下部板部69の下端面は嵌合用切り欠き68Aに嵌合して直接に接触する部分であるため、その上下方向の寸法が正確に設定されている。
【0096】
左右方向位置決め手段66は、切り欠き71と、左右方向支持片72とから構成されている。
【0097】
切り欠き71は、溝板3の下部板部69に、下方へ開口した切り欠きとして設けられている。
【0098】
左右方向支持片72は、容器本体2内の対向する各側壁面2C,2Dの下部の上下方向支持片68の間に設けられ、溝板3の下部の切り欠き71に嵌合して溝板3の左右方向の位置決めを行うための部材である。左右方向支持片72は、切り欠き71に嵌合するくさび状に形成されている。この左右方向支持片72が切り欠き71に嵌合することで、溝板3の左右方向を正確に位置決めする。
【0099】
前後方向位置決め手段67は、前後方向支持板片73によって構成されている。この前後方向支持板片73は、帯状の板材によって構成されている。この帯状の板材からなる前後方向支持板片73が、溝板3の下部にその裏面側へ水平に延出して設けられ、容器本体2の各側壁面2C,2Dの下部に当接して溝板3の前後方向の位置決めを行うようになっている。
【0100】
溝板3の下部にはストッパ75が設けられている。このストッパ75は、溝板3が上方へ抜けるのを抑えるための部材である。ストッパ75は、係止片76と、係止用突起77とから構成されている。係止片76は、溝板3の下端部から下方へ延出した帯状の弾性板片76Aと、この弾性板片76Aの係止用突起77側に設けられた係止用爪76Bとから構成されている。係止用突起77は、係止片76の係止用爪76Bに係止するための部材である。各側壁面2C,2Dの上下方向支持片68の間に設けられている係止片76の係止用爪76Bが係止用突起77に嵌合することで、溝板3が上方へ抜けないようになっている。
【0101】
蓋体4は、図2及び図27〜30に示すように構成されている。この蓋体4は、上方に開口した皿状に形成されている。
【0102】
蓋体4と容器本体2との間にガスケット80が設けられている。このガスケット80は、基端支持部81と、当接部82とから構成されている。
【0103】
基端支持部81は、蓋体4側の嵌合溝4Aに嵌合されて全体を支持するための部分で、断面形状をほぼ台形状に形成されている。基端支持部81の上側面の内側には、シール片83と、環状溝84とが設けられている。シール片83は、上方へ延出して蓋体4側に当接して密封する。環状溝84は、シール片83の外側に設けられて、シール片83の弾性変形を吸収する。
【0104】
当接部82は、基端支持部81から周囲に鍔状に広げて形成されている。当接部82の断面形状は、その中間部を上方(蓋体4側)に盛り上げ、外周縁部を下方(容器本体2側)へ折り返して形成されている。この当接部82のうち上方に盛り上げた部分82Aが蓋体4による押圧部となり、外周縁部が容器本体2側への接触部となる。これにより、外周縁部が容器本体2側に当接された状態で中間の押圧部が蓋体4に押圧され、当接部82の有する弾性力で外周縁部が容器本体側に密着されるようになっている。
【0105】
蓋体4のうち、容器本体2の各側壁面2C,2Dに面する辺にはラッチ機構86が設けられている。このラッチ機構86は、蓋体4を容器本体2に固定するための機構である。ラッチ機構86は、第1腕部87と、第2腕部88とから構成されている。第1腕部87は、容器本体2側の受け部(図示せず)に直接に係止して蓋体4を容器本体2に固定するための部材である。第2腕部88は、蓋体4に回動可能に支持されると共に第1腕部87を回動可能に支持するための部材である。
【0106】
第1腕部87は、係止用爪90と、把持部91とを備えている。係止用爪90は、基端部に設けられて容器本体2側の受け部に当接して、蓋体4を容器本体2側に固定する。把持部91は、蓋体4を持ち上げるための部材である。この把持部91は、第1腕部87の先端部に手で掴みやすい形状に形成して設けられている。第1及び第2腕部88は、それらが限度まで回動した状態で、把持部91が蓋体4の横方向の持ちやすい位置で保持されるように設定されている。さらに、第1及び第2腕部88が限度まで回動した状態で、第1腕部87の基端部の係止用爪90が容器本体2に接触しないように設定されている。具体的には、第1腕部87が第2腕部88に対して90°開き、第2腕部88が容器本体2に対して35°開くように設定されている。第1腕部87は、L字型の第2腕部88に基端部が軸支された状態で、先端側が当接して90°に支持される。第2腕部88は、ストッパ92で35°に支持される。
【0107】
蓋体4の裏面には薄板押え部材94が設けられている。この薄板押え部材94は、蓋体4が容器本体2に取り付けられたとき容器本体2内に収納された半導体ウエハSの上部を押さえて支持するための部材である。
【0108】
薄板押え部材94は図24〜26に示すように、ほぼ長方形状に形成されている。この薄板押え部材94の長手方向両端部と中央部が蓋体4の裏面に固定され、その間が押え部95となっている。押え部95は、半導体ウエハSをその上部から弾性的に押さえて支持するための部材で、並列に多数配設された押え帯96によって構成されている。押え帯96は、弾性を有する部材で、下方へ湾曲させて形成されている。さらに、押え帯96は、その平面形状(図25の状態の形状)を半導体ウエハSの周縁に沿って波形に湾曲させて形成され、半導体ウエハSが押え帯96の隙間に入り込まないようになっている。
【0109】
押え帯96の側面形状は、下側に向いた山形に形成されている。この山形の部分のうち2つの頂点位置には、半導体ウエハSを1枚ずつ嵌合させて一定間隔を空けて支持する嵌合溝97が設けられている。嵌合溝97は、半導体ウエハSの周縁を挟み込むように鋭角に形成されている。
【0110】
[動作]
以上のように構成された薄板支持容器1は、次のようにして使用される。
【0111】
容器本体2内に半導体ウエハSが多数枚挿入されて蓋体4が取り付けられた状態で、半導体製造工場等へ搬送される。半導体製造工場等内へ搬入された薄板支持容器1は、蓋体4が取り外されて、半導体製造工場等内での専用の蓋体に付け替えられ、製造工程に搬入される。
【0112】
このとき、容器本体2内に取り付けられる溝板3は、その上部を上部嵌合部55によって支持される。上部嵌合片57に溝板3の上部被嵌合片58を嵌合させる。これにより、上部嵌合片57の支持面57Bと上部被嵌合片58の被支持面58Bが当接した状態で、当接面57Aに被当接面58Aが当接することで、溝板3の上部が容器本体2側に確実に支持される。これにより、溝板3は支持部分で回動することがなくなって確実に支持されると共に、溝板3の前後方向の位置決めが行われる。これにより、溝板3の撓み等の変形が抑えられ、溝板3を正確な位置で支持される。
【0113】
溝板3の下部は、下部嵌合部56によって支持される。
【0114】
まず、上下方向位置決め手段65で溝板3の上下方向の位置決めを行う。上下方向位置決め手段65の下部板部69の下端面が上下方向支持片68の嵌合用切り欠き68Aに嵌合して、溝板3の上下方向を正確に位置決めする。
【0115】
このとき、左右方向位置決め手段66の溝板3側の切り欠き71が容器本体2側の左右方向支持片72に嵌合して、溝板3の左右方向の位置決めを行う。
【0116】
さらに、前後方向位置決め手段67の前後方向支持片73が容器本体2の側壁面2C,2Dの下部に当接して、溝板3の前後方向の位置決めする。
【0117】
このとき、ストッパ75の係止片76が係止用突起77に嵌合して、溝板3が上方へ抜け落ちないように支持する。
【0118】
これにより、上部嵌合部55及び下部嵌合部56で溝板3を正確に位置決めして、容易に固定することができる。溝板3を取り外すときは、係止片76を手前に引いて溝板3を上方へずらす。これにより溝板3を、容易に取り外すことができる。
【0119】
また、溝板3の板片50を、その奥側から中間位置までを半導体ウエハSの周縁に沿って湾曲させると共に、中間位置から出し入れ口側までを容器本体2側に沿って形成したので、半導体ウエハSを容器本体2に対してスムーズに出し入れすることができると共に、半導体ウエハSの板片50へに接触を防止することができる。
【0120】
板片50の奥側及び出し入れ口側に半導体ウエハSを支持する薄板支持用突起52を設け、出し入れ口側の薄板支持用突起52を、板片50の内側縁と半導体ウエハSの周縁の交点付近に設けたので、容器本体2内に挿入された半導体ウエハSを安定して支持することができる。
【0121】
蓋体4のガスケット80は、蓋体4が容器本体2に取り付けられた状態で、当接部82の上方に盛り上げた部分82Aが蓋体4で押されて、当接部82の有する弾性力で外周縁部が容器本体2側に密着する。これにより、ガスケット80が撓んでいて、そのままでは容器本体2側との間に隙間が生じるような場合でも、その外周縁部を容器本体2側に確実に密着させることができる。これにより、ガスケット80と容器本体2との間を密封する。
【0122】
また、基端支持部81においては、シール片83が蓋体4側に当接すると共に、このシール片83の当接による弾性変形を環状溝84で吸収して、ガスケット80と蓋体4との間を密封する。さらに、当接部82の上方に盛り上げた部分82Aも蓋体4に密着して、ガスケット80と蓋体4との間を密封する。
【0123】
容器本体2の覆い板部45と、容器本体2内に収納された半導体ウエハSの下端との隙間を3mm程度に設定したので、容器本体2が小型化する。この容器本体2が小型になると、薄板支持容器1自体が小型化する。これにより、梱包したときに、薄板支持容器1の底部と梱包箱との間の隙間が大きくなることになる。このため、この大きな隙間の緩衝材を厚くすることができ、落下等の衝撃に対する衝撃吸収能力が大幅に向上させることができる。
【0124】
トップフランジ5及び持ち運び用ハンドル6を支持する着脱機構12では、トップフランジ5等を取り付けるときは、嵌合レール部29Aに被嵌合レール29Bを嵌合させ、支持部30に摺動部31を嵌合させて、トップフランジ5等を奥側へスライドさせる。これにより、奥側係止用爪34Aの当接部36が係止用突起33に係止すると共に、手前側係止用爪34Bの当接部38が係止用突起33に係止する。これにより、トップフランジ5等を容易に取り付けることができる。
【0125】
取り外すときは、手前側係止用爪34Bの支持棒部39を指で持ち上げて当接部38を係止用突起33から外し、トップフランジ5等を手前側にずらす。これにより、トップフランジ5等を容易に取り外すことができる。
【0126】
このとき、支持部30及び摺動部31を、その手前側を狭く、奥側を広く設定したので、これら摺動部31を支持部30に容易に嵌合させることができる。
【0127】
また、トップフランジ5等の移動を嵌合レール部29Aと被嵌合レール29Bとで支持したので、トップフランジ5をスムーズに移動させることができ、容易に着脱させることができる。
【0128】
トップフランジ5等が装着された状態で、薄板支持容器1が落下する等の異常な衝撃によって、トップフランジ5等が抜ける方向に強い力が加わった場合は、手前側係止用爪34B側の支持棒部39が突っ張ってトップフランジ5等の抜けを抑える。このとき、手前側係止用爪34Bの当接部38を、支持棒部39の基端部より相手部材側である容器本体2側に設けたので、当接部38は係止用突起33に深く食い込む方向に押圧されて外れることはない。これにより、衝撃等による強い力がトップフランジ5等に加わっても、当接部38が係止用突起33から抜けることなく、支持棒部39が突っ張って、トップフランジ5等を確実に支持して、抜け落ちるのを防止する。
【0129】
ラッチ機構86においては、蓋体4を容器本体2に取り付けるときは、第1腕部87の把持部91を手で持って蓋体4を持ち上げ、容器本体2の上側から被せる。このとき、第1腕部87を第2腕部88に対して90°に、第2腕部88を容器本体2に対して35°に設定したので、把持部91は、第1及び第2腕部88が限度まで回動した状態で蓋体4の横方向に位置し、最適な状態で蓋体4を容易に持ち上げることができる位置になっている。この把持部91を持って蓋体4を容器本体2に被せる。次いで、把持部91を手で持ったまま、下方へ押し下げる。これにより、第1腕部87の基端部の係止用爪90が容器本体2側に当接して、蓋体4が容器本体2に固定される。
【0130】
蓋体を容器本体から取り外すときは、第1腕部87の把持部91を手で持って両側へ開く。これにより、第1腕部87の基端部の係止用爪90が容器本体2側から外れて蓋体4の固定が解かれる。そのまま、把持部91を持って蓋体4を持ち上げる。このとき、第2腕部88が第1腕部87を限度まで回動させた状態でその基端部の係止用爪90が容器本体2に接触しない位置まで回動するため、蓋体4を持ち上げても、係止用爪90が容器本体2に接触することはなく、蓋体4を容易に取り外すことができる。
【0131】
このように、把持部91が蓋体4の横方向の持ちやすい位置で支持され、係止用爪90が容器本体2に接触しない位置まで開かれるため、蓋体4の着脱を容易に行うことができる。
【0132】
薄板押え部材94の嵌合溝97に嵌合する半導体ウエハSは、鋭角に形成された嵌合溝97に挟み込まれて支持される。嵌合溝97を鋭角に形成すると、半導体ウエハSの外周縁部が嵌合溝97に入り込むことで、半導体ウエハSが嵌合溝97に挟み込まれて、確実に支持される。これにより、薄板支持容器1に強い衝撃が加わった場合でも、嵌合溝97が半導体ウエハSの周縁を挟み込んで回転やズレを抑え、確実に支持することができる。
【0133】
また、押え帯96を、半導体ウエハSの周縁に沿って波形に形成したので、半導体ウエハSが嵌合溝97から外れても、各押え帯96の間に入り込むことがなくなる。
【0134】
本体位置決め手段11においては、V字溝板片15を、支持台16に着脱可能に取り付けるようにしたので、容器本体2の材質と無関係に、半導体製造工程内部の載置台の嵌合突起に対して滑りやすい材料でV字溝板片15を成形する。この滑りやすい材料でV字溝板片15によって、本体位置決め手段11の嵌合溝13を半導体製造工程内の載置台の嵌合突起に嵌合させると、互いにスムーズに滑って、薄板支持容器1を正確に位置決めさせることができる。
【0135】
V字溝板片15は支持台16に着脱可能に取り付けることができるため、相手側の突起の材質等に応じて容易に取り替えることができる。
【0136】
[変形例]
(1) 上記実施形態では、ガスケット80を蓋体4側に設けたが、容器本体2側に設けてもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0137】
(2) 上記実施形態では、上部嵌合部55の上部嵌合片57を4つ設けたが、少なくとも両端部に2つ設けるだけでもよい。大きさや求められる強度等に応じて適宜設定する。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0138】
(3) 上記実施形態では、摺動支持手段272つ設けたが、3つ以上でも良い。あた、案内レール29を2つ設けたが、1つ又は3つ以上でもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0139】
(4) 上記実施形態では、本体位置決め手段11の支持台16を、嵌合溝13の一部を構成するように形成したが、嵌合溝13の全部を構成するように形成してもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の薄板支持容器によれば、次のような効果を奏する。
【0141】
(1) 上部嵌合片が、上記溝板側に当接して溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の当接面と、当該当接面を溝板側に当接させた状態で支持する支持面とを備え、上記上部被嵌合片が、上記上部嵌合片の当接面に当接して上記溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の被当接面と、上記上部嵌合片の支持面に当接して上記被当接面を相手側の上記当接面に当接させた状態で支持する被支持面とを備えて構成されたので、溝板を回動することなく確実に支持することができると共に、溝板の前後方向の位置決めを正確に行うことができる。これにより、溝板の撓み等の変形が抑えられ、溝板を正確な位置で支持することができる。
【0142】
(2) 溝板の上部を上記容器本体側に支持する上部嵌合部と、その下部を上記容器本体側に支持する下部嵌合部とを備え、上記下部嵌合部が、上記溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段と、左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段と、前後方向の位置決めを行う前後方向位置決め手段とを備えたので、溝板の下部を正確に位置決めして支持することができる。
【0143】
(3) 上下方向位置決め手段が、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部に嵌合すると共にその下端部に当接して溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向支持片を備えて構成されたので、溝板の下部をその上下方向に正確に位置決めして支持することができる。
【0144】
(4) 左右方向位置決め手段が、上記溝板の下部に設けられた切り欠きと、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部の切り欠きに嵌合して溝板の左右方向の位置決めを行う左右方向支持片とを備えて構成されたので、溝板の下部をその上下方向に正確に位置決めして支持することができる。
【0145】
(5) 前後方向位置決め手段が、上記溝板の下部にその裏面側へ延出して設けられ、上記容器本体の側壁面の下部に当接して溝板の前後方向の位置決めを行う前後方向支持片を備えて構成されたので、溝板の下部をその前後方向に正確に位置決めして支持することができる。
【0146】
(6) 溝板の下部に、上記容器本体側に係止して溝板が上方へ抜けるのを抑えるストッパを備えたので、溝板を支持して、上方へ抜けるのを抑えることができる。
【0147】
(7) 溝板が、上記複数枚の薄板を1枚ずつ支持する板片を複数枚並べて構成され、上記板片が、上記容器本体の奥側から上記薄板の出し入れ口側まで延出して設けられ、その奥側から中間位置までを上記薄板の周縁に沿って湾曲させると共に、中間位置から出し入れ口側までを上記容器本体側に沿って形成され、上記板片の奥側及び出し入れ口側に上記薄板を支持する薄板支持用突起が設けられると共に、出し入れ口側の薄板支持用突起が、上記板片の内側縁と上記薄板の周縁の交点付近に設けられたので、奥側及び出し入れ口側の薄板支持用突起によって、薄板を安定して支持することができる。
【0148】
(8) 蓋体と上記容器本体との間にガスケットが設けられ、当該ガスケットが、上記蓋体側又は容器本体側に嵌合されて全体を支持する基端支持部と、当該基端支持部から延出して形成された当接部とからなり、当該当接部が、上記基端支持部から周囲に鍔状に広げて形成されると共に、その中間部を上方に盛り上げ外周縁部を下方へ折り返して形成され、上記外周縁部が容器本体側又は蓋体側に当接された状態で上記中間部が蓋体側又は本体側に押圧されることで、当該当接部の有する弾性力で外周縁部が容器本体側又は蓋体側に密着されるので、蓋体と容器本体との間に気密性を向上させることができる。
【0149】
(9) 上記ガスケットの基端支持部の上側面の内側に設けられ、上方へ延出して蓋体側又は容器本体側に当接するシール片と、当該シール片の外側に設けられ、シール片の弾性変形を吸収する環状溝とを設けたので、ガスケットと蓋体との間に気密性を向上させることができる。
【0150】
(10) 上記容器本体の底板部を、上記容器本体内に収納された薄板の下端と3mm程度の隙間に設定されたので、容器本体の高さを縮めることができる。
【0151】
(11) 上記容器本体の底板部とその内部に収納された薄板の下端との隙間を縮めた分だけ上記容器本体の高さを縮めたので、薄板支持容器を小型化することができ、梱包の際に詰める緩衝材を厚くすることができ、衝撃に対する緩衝能力を大幅に向上させることができる。
【0152】
(12) 着脱機構の係止手段が、一方又は他方の部材に設けられた係止用突起と、他方又は一方の部材に設けられた係止用爪とからなり、上記係止用爪が、上記係止用突起に当接する当接部と、当該当接部を支持する支持棒部とからなり、当該支持棒部が、相手部材の方へかつ上記摺動支持手段の手前側へ向けて延出させて形成されたので、トップフランジ等が衝撃によって抜け落ちるのを防止することができる。
【0153】
(13) 上記係止用爪の当接部が、上記支持棒部の基端部より相手部材側に設けられたので、当接部が係止用突起から外れることがなくなり、トップフランジ等が衝撃によって抜け落ちるのを防止することができる。
【0154】
(14) 上記摺動支持手段の支持部及び摺動部が並列に2つずつ設けられ、手前側におけるこれらの間隔を狭く、奥側を広く設定したので、摺動部を支持部に容易に着脱させることができる。
【0155】
(15) 上記摺動支持手段に支持された2つの部材の互いの摺動を案内して摺動方向と直交する方向の位置決めをする案内レールを設けたので、案内レールに案内されてトップフランジ等を容易に着脱させることができる。
【0156】
(16) ラッチ機構が、上記容器本体側に係止して上記蓋体を上記容器本体に固定する第1腕部と、上記蓋体に回動可能に支持されると共に上記第1腕部を回動可能に支持する第2腕部とからなり、上記第1腕部が、その基端部に設けられて上記容器本体側に当接する係止用爪と、先端部に設けられて上記第1及び第2腕部が限度まで回動した状態で上記蓋体の横方向に位置する把持部とからなり、上記第2腕部が、上記第1腕部を限度まで回動させた状態でその基端部の係止用爪が容器本体に接触しない位置まで回動するので、蓋体を容器本体に対して容易に着脱させることができる。
【0157】
(17) 上記第1腕部が上記第2腕部に対して90°開き、上記第2腕部が上記容器本体に対して35°開くので、第1腕部が容器本体に接触するのを防止することができると共に、把持部を蓋体の横方向の持ちやすい位置に支持させることができる。
【0158】
(18) 上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、当該薄板押え部材に、上記薄板を1枚ずつ嵌合して支持する嵌合溝が設けられ、当該嵌合溝の底部が、薄板の周縁を挟み込むように鋭角に形成されたので、薄板を確実に支持することができる。
【0159】
(19) 上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、当該薄板押え部材が、並列に多数配設され上記薄板の周縁部に当接して各薄板を一定間隔を空けて1枚ずつ支持する押え帯を備え、当該押え帯が、上記薄板の周縁に沿って波形に形成されたので、薄板が押え帯の間に入り込むのを防止することができる。
【0160】
(20) 横置き状態の上記容器本体の底部に全体の位置決めをする本体位置決め手段が設けられ、当該本体位置決め手段が、上記容器本体の底部の3カ所に3方向に向けて設けられるV字溝を構成するV字溝板片と、当該V字溝板片を支持する支持台とを備えて構成されたので、容器本体と異なる材質のV字溝板片を取り付けることができる。
【0161】
(21) 上記V字溝板片が、表面の摩擦抵抗の小さい材料で構成されたので、載置台の嵌合突起に対してスムーズに滑って、薄板支持容器を正確に位置決めさせることができる。
【0162】
(22) 上記V字溝板片が、上記支持台に着脱可能に取り付けられたので、相手側の突起の材質等に応じて、異なる材質にV字溝板片に容易に取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る薄板支持容器を断面状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る薄板支持容器を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る薄板支持容器を底面側から示す斜視図である。
【図4】本体位置決め手段の支持台を示す斜視図である。
【図5】本体位置決め手段の支持台にV字溝板片を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】本体位置決め手段のV字溝板片を示す斜視図である。
【図7】本体位置決め手段のV字溝板片を底面側から示す斜視図である。
【図8】本体位置決め手段の支持台にV字溝板片を取り付けた状態を示す断面斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るトップフランジを示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係るトップフランジを底面側から示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る容器本体を示す部分斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る着脱機構のトップフランジ側を示す斜視図である。
【図13】容器本体へのトップフランジの取り付け状態を示す断面斜視図である。
【図14】容器本体へのトップフランジの取り付け状態を示す斜視図である。簡易着脱機構を示す側面図である。
【図15】容器本体へのトップフランジの取り付け状態を示す要部斜視図である。
【図16】容器本体に溝板が取り付けられた状態を示す要部断面図である。
【図17】溝板を示す斜視図である。
【図18】溝板を示す平面図である。
【図19】溝板を平面方向から示す拡大図である。
【図20】容器本体の上部嵌合部を示す斜視図である。
【図21】容器本体の下部嵌合部を示す斜視図である。
【図22】容器本体の上部嵌合部を示す拡大平面図である。
【図23】容器本体の下部嵌合部を示す拡大斜視図である。
【図24】薄板押え部材を示す斜視図である。
【図25】薄板押え部材を示す平面図である。
【図26】薄板押え部材の嵌合溝を示す呼ぶ断面図である。
【図27】ラッチ機構を示す斜視図である。
【図28】ラッチ機構のストッパを示す斜視図である。
【図29】ガスケットを示す要部断面図である。
【図30】ガスケットの基端支持部を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1:薄板支持容器、2:容器本体、3:溝板、4:蓋体、5:トップフランジ、6:持ち運び用ハンドル、11:本体位置決め手段、12:着脱機構、13、嵌合溝、15:V字溝板片、16:支持台、17:枠体、18:傾斜板、19:係止用爪、21:傾斜支持板、22:端部支持板、23:係止用突起、25:フランジ部、26:本体部、27:摺動支持手段、28:係止手段、29:案内レール、30:支持部、31:摺動部、33:係止用突起、34:係止用爪、36:当接部、37:支持棒部、38:当接部、39:支持棒部、44:足部、45:覆い板部、50:板片、51:支持板部、52:薄板支持用突起、54:取っ手54、55:上部嵌合部、56:下部嵌合部、57:上部嵌合片、58:上部被嵌合片、61:凸条。
Claims (22)
- 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記溝板の上部を上記容器本体側に支持する上部嵌合部と、その下部を上記容器本体側に支持する下部嵌合部とを備え、
上記上部嵌合部が、上記容器本体内の対向する各側壁面のうち少なくとも両端部に設けられた上部嵌合片と、上記溝板のうち上記上部嵌合片に対向する位置に設けられた上部被嵌合片とからなり、
上記上部嵌合片が、上記溝板側に当接して溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の当接面と、当該当接面を溝板側に当接させた状態で支持する支持面とを備え、
上記上部被嵌合片が、上記上部嵌合片の当接面に当接して上記溝板の回動を抑えながら溝板の前後方向の位置決めを行う平坦面状の被当接面と、上記上部嵌合片の支持面に当接して上記被当接面を相手側の上記当接面に当接させた状態で支持する被支持面とを備えたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記溝板の上部を上記容器本体側に支持する上部嵌合部と、その下部を上記容器本体側に支持する下部嵌合部とを備え、
上記下部嵌合部が、上記溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向位置決め手段と、左右方向の位置決めを行う左右方向位置決め手段と、前後方向の位置決めを行う前後方向位置決め手段とを備えたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項2に記載の薄板支持容器において、
上記上下方向位置決め手段が、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部に嵌合すると共にその下端部に当接して溝板の上下方向の位置決めを行う上下方向支持片を備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項2又は3に記載の薄板支持容器において、
上記左右方向位置決め手段が、上記溝板の下部に設けられた切り欠きと、上記容器本体内の対向する各側壁面のうちの下部に設けられ、上記溝板の下部の切り欠きに嵌合して溝板の左右方向の位置決めを行う左右方向支持片とを備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の薄板支持容器において、
上記前後方向位置決め手段が、上記溝板の下部にその裏面側へ延出して設けられ、上記容器本体の側壁面の下部に当接して溝板の前後方向の位置決めを行う前後方向支持片を備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の薄板支持容器において、
上記溝板の下部に、上記容器本体側に係止して溝板が上方へ抜けるのを抑えるストッパを備えたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記溝板が、上記複数枚の薄板を1枚ずつ支持する板片を複数枚並べて構成され、
上記板片が、上記容器本体の奥側から上記薄板の出し入れ口側まで延出して設けられ、その奥側から中間位置までを上記薄板の周縁に沿って湾曲させると共に、中間位置から出し入れ口側までを上記容器本体側に沿って形成され、
上記板片の奥側及び出し入れ口側に上記薄板を支持する薄板支持用突起が設けられると共に、出し入れ口側の薄板支持用突起が、上記板片の内側縁と上記薄板の周縁の交点付近に設けられたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記蓋体と上記容器本体との間にガスケットが設けられ、
当該ガスケットが、上記蓋体側又は容器本体側に嵌合されて全体を支持する基端支持部と、当該基端支持部から延出して形成された当接部とからなり、
当該当接部が、上記基端支持部から周囲に鍔状に広げて形成されると共に、その中間部を上方に盛り上げ外周縁部を下方へ折り返して形成され、
上記外周縁部が容器本体側又は蓋体側に当接された状態で上記中間部が蓋体側又は本体側に押圧されることで、当該当接部の有する弾性力で外周縁部が容器本体側又は蓋体側に密着されることを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項8に記載の薄板支持容器において、
上記ガスケットの基端支持部の上側面の内側に設けられ、上方へ延出して蓋体側又は容器本体側に当接するシール片と、当該シール片の外側に設けられ、シール片の弾性変形を吸収する環状溝とを設けたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記容器本体の底板部を、上記容器本体内に収納された薄板の下端と3mm程度の隙間に設定されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項10に記載の薄板支持容器において、
上記容器本体の底板部とその内部に収納された薄板の下端との隙間を縮めた分だけ上記容器本体の高さを縮めたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
搬送機械用のトップフランジ又は人が持つためのハンドルの一方又は両方を上記容器本体に着脱可能に支持する着脱機構を備え、
当該着脱機構が、上記容器本体と上記トップフランジ又はハンドルの2つの部材を互いに摺動可能に支持する摺動支持手段と、当該摺動支持手段で摺動可能に支持された2つの部材を互いにずれないように係止する係止手段とを備え、
上記摺動支持手段が、一方の部材に設けられた支持部と、他方の部材に設けられて上記支持部に手前側から奥部まで挿入される摺動部とからなり、
上記係止手段が、一方又は他方の部材に設けられた係止用突起と、他方又は一方の部材に設けられた係止用爪とからなり、
上記係止用爪が、上記係止用突起に当接する当接部と、当該当接部を支持する支持棒部とからなり、
当該支持棒部が、相手部材の方へかつ上記摺動支持手段の手前側へ向けて延出させて形成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項12に記載の薄板支持容器において、
上記係止用爪の当接部が、上記支持棒部の基端部より相手部材側に設けられたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項12又は13に記載の薄板支持容器において、
上記摺動支持手段の支持部及び摺動部が並列に2つずつ設けられ、手前側におけるこれらの間隔を狭く、奥側を広く設定したことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項12乃至14のいずれか1項に記載の薄板支持容器において、
上記摺動支持手段に支持された2つの部材の互いの摺動を案内して摺動方向と直交する方向の位置決めをする案内レールを設けたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記蓋体に、当該蓋体を容器本体に固定するラッチ機構を設け、
当該ラッチ機構が、上記容器本体側に係止して上記蓋体を上記容器本体に固定する第1腕部と、上記蓋体に回動可能に支持されると共に上記第1腕部を回動可能に支持する第2腕部とからなり、
上記第1腕部が、その基端部に設けられて上記容器本体側に当接する係止用爪と、先端部に設けられて上記第1及び第2腕部が限度まで回動した状態で上記蓋体の横方向に位置する把持部とからなり、
上記第2腕部が、上記第1腕部を限度まで回動させた状態でその基端部の係止用爪が容器本体に接触しない位置まで回動することを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項16に記載の薄板支持容器において、
上記第1腕部が上記第2腕部に対して90°開き、上記第2腕部が上記容器本体に対して35°開くことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、
当該薄板押え部材に、上記薄板を1枚ずつ嵌合して支持する嵌合溝が設けられ、当該嵌合溝が、薄板の周縁を挟み込むように鋭角に形成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
上記蓋体の裏面に、当該蓋体が上記容器本体に取り付けられたとき容器本体内に収納された薄板の上部を押さえて支持する薄板押え部材が設けられ、
当該薄板押え部材が、並列に多数配設され上記薄板の周縁部に当接して各薄板を一定間隔を空けて1枚ずつ支持する押え帯を備え、当該押え帯が、上記薄板の周縁に沿って波形に形成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 内部に薄板を複数枚収納する容器本体と、この容器本体を塞ぐ蓋体と、上記容器本体内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された薄板を両側から支持する溝板とを備えてなる薄板支持容器において、
横置き状態の上記容器本体の底部に全体の位置決めをする本体位置決め手段が設けられ、
当該本体位置決め手段が、上記容器本体の底部の3カ所に3方向に向けて設けられるV字溝を構成するV字溝板片と、当該V字溝板片を支持する支持台とを備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項20に記載の薄板支持容器において、
上記V字溝板片が、表面の摩擦抵抗の小さい材料で構成されたことを特徴とする薄板支持容器。 - 請求項20又は21に記載の薄板支持容器において、
上記V字溝板片が、上記支持台に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする薄板支持容器。
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