JP2000323560A - 気密容器 - Google Patents

気密容器

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JP2000323560A
JP2000323560A JP13024699A JP13024699A JP2000323560A JP 2000323560 A JP2000323560 A JP 2000323560A JP 13024699 A JP13024699 A JP 13024699A JP 13024699 A JP13024699 A JP 13024699A JP 2000323560 A JP2000323560 A JP 2000323560A
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groove
container
lid
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insertion groove
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JP13024699A
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English (en)
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Satoshi Shimura
吏士 志村
Yoshio Okada
佳男 岡田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容器の開閉性能が低下することなく、かつ、容
器の構成も複雑になることなく、容器の気密性を向上で
きる気密容器を提供することを目的とする。 【解決手段】上部に開口部を有する容器本体と、この容
器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容器本体と蓋と
の嵌合部にシール部材を介在させて内部が気密状態に保
持されるようになっている気密容器において、容器本体
と蓋との嵌合部における容器本体または蓋の少なくとも
一方に、シール部材が突出状態で挿入され、両側面に囲
まれた、溝の深さが溝の幅の1倍以上となるシール部材
挿入溝を形成するとともに、シール部材挿入溝の溝底部
を、溝内底面から所定厚みを有する厚肉に形成し、この
溝底部における反溝内底面側にリブを少なくとも一つ設
ける構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体ウ
エハー等の部材を破損・汚染することなく気密状に収納
するための気密容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウエハーを気密状に収納
する気密容器は、特開平7−14913号公報にも記載
されているように、複数の半導体ウエハーを収納させた
ウエハーキャリヤーとウエハー押圧部材を収納する、有
底筒状の容器本体および該容器本体を閉鎖する蓋から構
成されている。
【0003】さらに、容器本体と蓋との嵌合部には、シ
ール部材となるリング状のガスケットが介在されてい
る。
【0004】そして、容器本体および蓋の開口部近くに
は、被係合部および該被係合部に係合する係合部とが複
数箇所設けられている。
【0005】以上の構成とする気密容器は、容器本体の
嵌合部と蓋の嵌合部とをガスケットを介して嵌合させ、
係合部と被係合部との係合により、容器本体と蓋の嵌合
部を当接する方向に押圧し、ガスケットをこの押圧力に
より弾性変形させて押し潰した状態を保つことで、気密
容器の容器内部を気密状に保持するようにしている。
【0006】
【課題が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の気密容器では、ガスケットを介在させていても、容器
本体と蓋との嵌合部において浮きが生じると、気密性は
不十分なものとなる。
【0007】特に、航空機などでの輸送時、容器外部の
気圧の変化が著しく、容器外部の気圧が容器内部の気圧
よりも低圧になった場合は、圧力差により容器が著しく
変形し、嵌合部での浮きが生じて気密性が著しく低下
し、容器外部の汚染された気体が容器内部に流入する問
題があった。
【0008】そこで、気密性を上げる方法として、ガス
ケットの厚みを厚くして、押し潰す量を多くしたり、係
合部及び被係合部の箇所を増やすことが考えられるが、
ガスケットの厚みをあまりに厚くすると、ガスケットの
容器本体への支持が不十分なために、押圧時にガスケッ
トが幅方向一方側にゆがんで座屈してしまう虞があり、
この座屈によって却ってシール性能が低下してしまう場
合がある。
【0009】また、係合部と被係合部との係合箇所を増
やす場合には、容器の開閉性能が低下したり、容器の構
成が複雑になりコストがかかるという問題が起こる。
【0010】そこで本発明は、容器の開閉性能が低下す
ることなく、かつ、容器の構成も複雑になることなく、
容器の気密性を向上できる気密容器を提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明は、上部に開口部を有する容器本体と、この
容器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容器本体と蓋
との嵌合部にシール部材を介在させて内部が気密状態に
保持されるようになっている気密容器において、容器本
体と蓋との嵌合部における容器本体または蓋の少なくと
も一方に、シール部材が突出状態で挿入され、両側面に
囲まれた、溝の深さが溝の幅の1倍以上となるシール部
材挿入溝を形成するとともに、シール部材挿入溝の溝底
部を、溝内底面から所定厚みを有する厚肉に形成し、こ
の溝底部における反溝内底面側にリブを少なくとも一つ
設ける構成としたのである。
【0012】シール部材とは、弾性変形により容器本体
と蓋との間をシールできるものであって、例えば、ゴム
または合成樹脂からなるガスケット、パッキングなどが
挙げられる。
【0013】また、シール部材挿入溝が設けられる容器
本体または蓋を、合成樹脂で射出成形などにより一体成
形する場合、シール部材挿入溝内におけるリブ形成位置
に対応した部分は、リブの形成によって樹脂層の厚みが
厚くなるので、冷却が遅くなりヒケ(凹み)が生ずる場
合がある。このようなヒケなどの凹部は、溝内底面とシ
ール部材との間のシール性能の低下の原因ともなりうる
ので、溝内底面は平滑性を上げておくことが好ましく、
そのために、シール部材挿入溝の溝内底面は、その溝内
底面における表面最高位置と表面最低位置との差が0.
05mm以下となる表面粗さに成形することが好まし
い。
【0014】ここで、表面最高位置とは、溝内底面に生
じた凸部の最高高さ位置をいい、表面最低位置とは、溝
内底面に生じた凹部の最低位置をいい、表面最高位置と
表面最低位置との差とは、例えば、ヒケが生じた場合に
は、そのヒケの深さを言う。
【0015】そこで、シール部材挿入溝の溝内底面の表
面粗さである、溝内底面の表面最高位置と表面最低位置
との差が0.05mm以下となるようにするためには、
射出成形によりシール部材挿入溝を備える容器本体また
は蓋を形成する場合は、発泡性合成樹脂によりシール部
材挿入溝を有する容器本体または蓋を一体成形したり、
ガス注入成形をすることにより、注入ガスの圧力で表面
が凹んでしまうのを防止して、溝内底面の平滑性を上げ
ることができるし、また、シール部材挿入溝の溝内底面
に切削加工を施して、溝内底面の平滑性を上げることも
できる。
【0016】さらに、溝内底面の平滑性を上げるために
は、溝内底面の平滑性の良いシール部材挿入溝を別部材
で構成し、容器本体または蓋に接着・融着により固定し
たり、インサート成形により固定したりするようにして
もよい。
【0017】また、シール部材挿入溝を、シール部材挿
入溝が設けられる容器本体または蓋に、合成樹脂で一体
成形する場合、シール部材挿入溝の溝底部の厚みを0.
5mm〜2.0mmとなるように成形することが好まし
い。
【0018】また、シール部材挿入溝を、シール部材挿
入溝が設けられる容器本体または蓋に、合成樹脂で一体
成形する場合、合成樹脂として、発泡を起こさせる合成
樹脂を使用することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図に基づいて説明する。
【0020】図1は、例えば、保管、移動、輸送をする
際に、気密性を要求される半導体ウエハーを収容するた
めの気密容器1をあらわしている。
【0021】半導体ウエハーを気密状に収納する気密容
器1は、6インチの半導体ウエハーを複数枚収容できる
ようにしたものであり、図1に示すように、複数の半導
体ウエハーを収納させたウエハーキャリヤー11とウエ
ハー押圧部材12とを収納する、有底筒状の容器本体2
および該容器本体2を閉鎖する蓋3から構成されてい
る。
【0022】気密容器1の容器本体2は、上部が開口さ
れ、底部21と、該底部21を囲む側壁部22を有する
有底筒状をしており、蓋3は、天板部31と、該天板部
31を囲む側壁部32とを有し、容器本体2の上部開口
部を閉鎖するようになっている。
【0023】容器本体2は、ポリプロピレンから形成さ
れると共に、蓋3は、ポリカーボネートから形成されて
おり、これら容器本体2および蓋3は、射出成形により
成形されている。なお、容器本体2および蓋3の材質
は、ポリプロピレン、ポリカーボネートに限らず、ポリ
エステル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、
フッ素樹脂、熱硬化性樹脂等でも差し支えない。さら
に、ウエハー押圧部材12はポリエチレンから形成され
ている。
【0024】また、容器本体2の開口部上面となる側壁
部22の上端部には、図1から図3に示すように、全周
にわたり、蓋3との嵌合部となるシール部材挿入溝23
が形成されており、このシール部材挿入溝23は、所定
厚みを有する溝底部24と、この溝底部24の両側から
突設され、同一高さを有する二つの側面25,25とか
ら構成されており、この溝底部24の容器外方側には、
連続して下方に折り曲げられた縁部26が一体成形され
ている。
【0025】シール部材挿入溝23内には、シール部材
となるリング状のガスケット5が挿入される。
【0026】そして、蓋3の開口部下面には、図1に示
すように、容器本体2のシール部材挿入溝23に対向
し、該容器本体2との嵌合部となるシール面33が全周
にわたり形成されており、シール部材挿入溝23とシー
ル面33との間でリング状のガスケット5が挟持される
ようになっている。
【0027】そして、前記ガスケット5は、揮発性成分
が非常に少ない樹脂で成形されることが好ましく、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーが採用されると共に、気
密性が要求されることから、シール部材挿入溝23に挿
入されたとき、シール部材挿入溝23から突出する高さ
を有するように形成されている。
【0028】なお、本発明のシール部材挿入溝23は、
蓋3に設けてもよいし、容器本体2と蓋3の双方に設け
てもよい。容器本体2と蓋3の双方にシール部材挿入溝
を設ける場合には、双方のソール部材挿入溝の溝深さを
足した長さよりも、シール部材であるガスケットの高さ
のほうが長くなるようにする。
【0029】さらに、蓋3の側壁部32には、図1に示
すように、該蓋3の側壁部32に一体成形され、弾性変
形する係合部41が2つ形成され、容器本体2の側壁部
22には、該容器本体2の側壁部22に一体成形され、
前記係合部41と係合する被係合部42が2つ形成され
ており、これら係合部41と被係合部42との係合によ
り、容器本体2と蓋3とが連結されて気密容器1が構成
される。
【0030】なお、各係合部41と被係合部42は、対
面する側壁部の中央部に設けられている。
【0031】そして、容器本体2の開口部上面に設けた
シール部材挿入溝23と、蓋3の開口部下面に設けたシ
ール面33とをガスケット5を介在させた状態で突き合
わせて、蓋3に設ける前記係合部41を弾性変形させな
がら、容器本体2に設ける前記被係合部42に係合させ
ることによって、容器本体2のシール部材挿入溝23と
蓋3のシール面33とを互いにガスケット5に押圧させ
ながら、蓋3を容器本体2に固定できるようにしてい
る。
【0032】また、この係合部41の被係合部42への
係合により、シール部材挿入溝23とシール面33とで
挟持されるガスケット5が圧縮されて弾性変形し、この
ガスケット5の弾性変形により、容器本体2と蓋3との
嵌合部のシールがなされ、容器本体2と蓋3とにより構
成される気密容器1内に気密空間が形成されるようにな
っている。
【0033】以上の構成からなる本発明の実施の形態
は、気密容器1において、容器本体2に設けたシール部
材挿入溝23を、シール部材であるガスケット5が突出
状態で挿入され、溝の深さが溝の幅の1倍以上となるよ
うに形成すると共に、シール部材挿入溝23の溝底部2
4を、溝内底面27から所定厚みを有する厚肉に形成
し、この溝底部24における反溝内底面側にリブ6を少
なくとも一つ設ける構成としたのである。
【0034】リブ6は、溝底部24の反溝内底面側に、
容器本体2の側壁部22と縁部26とを連結するように
一体成形されており、溝底部24の全周にわたり略等間
隔で複数個形成されている。
【0035】なお、本実施の形態では、シール部材挿入
溝23の両側面25,25は、同一高さとしているが、
該側面は、高さを異ならしめてもよく、この場合は、低
い側の側面で決定される溝の深さが溝幅の1倍以上とな
るように側面の高さを決めるのである。
【0036】本実施の形態によれば、シール部材挿入溝
23の深さを深くしているので、シール部材であるガス
ケット5は、容器本体2と蓋3との押圧により押し潰さ
れたときに、シール部材挿入溝23の内部両側面25,
25で溝幅方向に向かう弾性変形が規制されて、この両
側面25,25でガスケット5が保持されると共に、こ
の両側面25,25へのガスケット5の圧接でシール効
果も得られる。
【0037】即ち、本発明のシール部材挿入溝23によ
れば、ガスケット5の高さを高くしても、容器本体2と
蓋3との押圧時に、溝の両側面25,25で支持される
ので、ガスケット5がゆがんで座屈するようなことはな
くなり、さらには、ガスケット5が弾性変形した際、ガ
スケット5は、シール部材挿入溝23の溝内底面と蓋3
のシール面33だけでなく、両側の側面25,25にも
圧接されるので、4個所においてシールされ、シール効
果が向上される。
【0038】しかも、シール部材挿入溝23の溝底部2
4の反溝内底面側に、少なくとも一つのリブ6を設けて
いるので、このリブ6により、容器本体2の開口部の剛
性を上げて、容器本体2の被係合部42と蓋3の係合部
41とを係合させたときの、容器本体2と蓋3の嵌合部
における浮きを防止できる。
【0039】なお、シール部材挿入溝23が設けられる
容器本体2または蓋3を、合成樹脂で射出成形などによ
り一体成形する場合、シール部材挿入溝23の溝深さが
深いと、図4に示すように、溝内底面27におけるリブ
6形成位置に対応した部分に、ヒケ(凹み)28が生ず
る場合があり、このヒケ28により溝内底面27におけ
るシール性能が低下する可能性があるため、溝内底面の
平滑性を上げておくことが好ましい。
【0040】そのために、シール部材挿入溝23の溝内
底面27は、その溝内底面27における表面最高位置
(図4における凸部の接線A)と表面最低位置(ヒケ2
8の最低面B)との差が0.05mm以下となる表面粗
さ、即ち、ヒケ28の深さが0.05mm以下となるよ
うに成形することが好ましい。
【0041】そこで、シール部材挿入溝23の溝内底面
27の表面粗さである、溝内底面27の表面最高位置A
と表面最低位置Bとの差が0.05mm以下となるよう
にするため、射出成形によりシール部材挿入溝23を備
える容器本体2または蓋3を形成する場合には、一つの
手段としては、発泡を起こさせる合成樹脂によりシール
部材挿入溝23を有する容器本体2または蓋3を一体成
形するのである。
【0042】発泡を起こさせる合成樹脂によりシール部
材挿入溝23を備える容器本体2または蓋3を形成する
場合、この発泡は、発泡剤を合成樹脂に添加して発泡さ
せる化学的な発泡と、炭酸ガスや窒素ガス等を合成樹脂
に含浸して発泡させる物理的な発泡とがある。
【0043】このように、成形時に発泡を起こさせるこ
とにより、成形時の型内での冷却時においても、樹脂中
の圧力を高められ、このガスの圧力により、シール部材
挿入溝23の溝内底面27におけるヒケ28部分が押し
上げられ、ヒケ28の深さを0.05mm以下とするこ
とができる。
【0044】なお、化学的な発泡を起こさせる場合に
は、発泡剤の種類によっては、該発泡剤の残留物が残っ
てしまい、これによりシリコンウエハー収納時に、残留
物等が揮発して、該シリコンウエハーに吸着して、シリ
コンウエハーを汚染してしまう虞があるが、物理的な発
泡を起こされる場合には、このような心配はない。
【0045】また、射出成形によるヒケの深さを0.0
5mm以下とする方法としては、他に合成樹脂の射出
時、ガスを注入するガス注入成形をすることにより、注
入ガスの圧力で樹脂に圧力をかけて溝内底面27の表面
にできるヒケ28を押し上げることができる。
【0046】このガス注入成形によれば、ヒケの深さを
0.05mm以下とすることができるだけでなく、ガス
を注入するので、容器全体を軽量化でき、また、容器断
面が中空状になるので、剛性も向上できる。なお、ガス
注入成形を行う場合は、容器の洗浄時の乾燥作業を考慮
して、後加工等によりガス注入穴を塞ぐ必要がある。
【0047】さらに、本発明では、シール部材挿入溝2
3が設けられる容器本体2または蓋3を、合成樹脂で一
体成形する場合、シール部材挿入溝23の溝底部24の
厚みが0.5mm〜2.0mmの範囲内となるように成
形することが好ましい。このように、溝底部24の厚み
を0.5mm〜2.0mmの範囲内とすることにより、
射出成形時の溝底部24の冷却を速められ、射出成形に
より発生するヒケの深さが深くなるのを防止でき、溝内
底面27の平滑性を良くすることができる。
【0048】特に、本発明では、発泡を起こさせる合成
樹脂によりシール部材挿入溝23を備える容器本体2ま
たは蓋3を形成すると共に、溝底部24の厚みを0.5
mm〜2.0mmの範囲内とすることにより、溝内底面
27の平滑性をより向上でき、ガスケット5によるシー
ル性をより向上できる。
【0049】なお、溝底部24の厚みを0.5mmより
小さくする場合には、射出成形時の樹脂充填不良を生じ
る可能性があるので好ましくない。
【0050】なお、シール部材挿入溝23の溝内底面2
7の表面粗さである、溝内底面27の表面最高位置Aと
表面最低位置Bとの差が0.05mm以下となるように
するためには、シール部材挿入溝23の溝内底面27に
切削加工を施して、溝内底面を平滑にするようにしても
よいし、さらには、溝内底面の平滑性の良いシール部材
挿入溝を別部材で構成しておき、これを、容器本体また
は蓋に接着・融着により固定したり、インサート成形に
より固定したりするようにしてもよい。
【0051】また、上記実施の形態は、気密容器を概略
直方体に形成したものであるが、本発明は、円筒状のも
のにも適用できることはいうまでもなく、さらに、気密
容器の蓋は、上記実施の形態のように、筒状のものに限
らず、平板状のものでも本発明を適用できる。
【0052】
【実施例】次に、本発明のシール部材挿入溝23を備え
た気密容器1の実施例を比較例と対比させることにより
気密性の効果を実証する。
【0053】図2は、本発明の気密容器1の容器本体2
にシール部材挿入溝23を形成したものを示しており、
図5は、比較例の気密容器1の容器本体2にシール部材
挿入溝23を形成したものを示している。
【0054】これらの気密容器1は、どちらも前記実施
の形態で述べたリブ6を備えるものであって、直径6イ
ンチのシリコンウエハーを収納するものであり、容器の
材質は、容器本体2の主原料がポリプロピレン、蓋3が
ポリカーボネート、ガスケット5はオレフィン系熱可塑
性エラストマーを使用している。
【0055】ガスケット5は、比較例および実施例の全
てに共通して使用しており、リング状のもので、断面が
図6に示すように、両端が先細り状をしており、最大高
さ(a)が9.5mm、高さ方向中間部に設ける平滑面
の高さ(b)が2.0mm、最大幅(c)が3.0m
m、両端の最小幅(d)が1.0mmのものを使用し
た。
【0056】比較例は、容器本体2が内部に発泡部がな
いポリプロピレン製であって、図5に示すように、容器
本体2に設けるシール部材挿入溝23を、溝幅(e)の
寸法が3.0mm、溝の深さ(f)となる側面25の低
い側の高さが1.0mm、溝底部24の厚み(g)が
2.5mmとなるものを使用した。
【0057】実施例1は、容器本体2が内部に発泡部が
ないポリプロピレン製であって、図2に示すように、容
器本体2に設けるシール部材挿入溝23は、溝幅(e)
の寸法が3.0mm、溝の深さ(f)となる側面25の
高さが5.5mm、溝底部24の厚み(g)が2.5m
mのものを使用した。
【0058】実施例2は、容器本体2を、ポリプロピレ
ンに発泡剤(永和化成工業株式会社製ポリスレンEE2
07)を4重量部配合したものを用いて射出成形し、容
器本体2に設けるシール部材挿入溝23は、溝幅(e)
の寸法が3.0mm、溝の深さ(f)となる側面25の
高さが5.5mm、溝底部24の厚み(g)が2.5m
mのものを使用した。
【0059】実施例3は、容器本体2が内部に発泡部が
ないポリプロピレン製であって、容器本体2に設けるシ
ール部材挿入溝23は、溝幅(e)の寸法が3.0m
m、溝の深さ(f)となる側面25の高さが5.5m
m、溝底部24の厚み(g)が2.0mmのものを使用
した。
【0060】実施例4は、容器本体2が内部に発泡部が
ないポリプロピレン製であって、容器本体2に設けるシ
ール部材挿入溝23は、溝幅(e)の寸法が3.0m
m、溝の深さ(f)となる側面25の高さが5.5m
m、溝底部24の厚み(g)が1.5mmのものを使用
した。
【0061】実施例5は、容器本体2を、ポリプロピレ
ンに発泡剤(永和化成工業株式社製ポリスレンEE20
7)を4重量部配合したものを用いて射出成形し、容器
本体2に設けるシール部材挿入溝23は、溝幅(e)の
寸法が3.0mm、溝の深さ(f)となる側面25の高
さが5.5mm、溝底部24の厚み(g)が1.5mm
のものを使用した。
【0062】以上の比較例と実施例1から実施例5にお
いて、ヒケの深さを測定すると共に、気密性のテストを
行った。
【0063】ヒケの深さの測定は、輪郭形状測定器(ミ
ツトヨ製のCONTRACER CP−200)により
輪郭形状を測定し、図4に示すように凸部の共通接線A
(溝内底面の表面最高位置)とヒケの最低面B(溝内底
面の表面最低位置)との距離をヒケの深さとした。
【0064】また、テスト装置としては、図7に示すよ
うに、蓋3の上面にカプラ7を取付け、カプラ7を圧力
計8、バルブ9を介してポンプPに接続したものを使用
した。カプラ7の取り付けられた蓋3を容器本体2に、
シリコンウエハーを挿入しない状態でセットし、蓋3の
係合部41と容器本体2の被係合部42とを係合する。
そして、容器本体2と蓋3との嵌合部から気体が漏れる
状態まで、気密容器1内をポンプPで加圧し、バルブ9
を閉め、5分後の容器内部圧力変化を圧力計8で測定し
た。
【0065】以下、テスト結果を示すと、
【0066】
【表1】 となり、比較例では、シール部材挿入溝23の溝内底面
27には、ヒケは生じていなかったが、ガスケット5を
押圧した際、該ガスケット5が座屈してしまい、シール
性が得られなかった(0.000Mpa)。
【0067】これに対し、実施例1においては、同じガ
スケット5を使用しても、シール部材挿入溝23の溝の
深さが深いので、ガスケット5の座屈を防止すると共
に、シール部材挿入溝23の溝内底面27および両側面
25,25による3個所のシールが行われることから、
比較例よりもシール性が得られた(0.001Mp
a)。
【0068】また、実施例2のように、容器本体2を発
泡を起こさせる合成樹脂で一体成形すると、実施例1で
は、ヒケの深さが0.06mmであったが、実施例2で
は、ヒケの深さが0.05mmとなり、実施例1よりも
ヒケの深さが浅くなり、それだけシール性が向上された
(0.002Mpa)。
【0069】また、実施例3のように、容器本体2を発
泡を起こさせる合成樹脂で一体成形しなくとも、シール
部材挿入溝23の溝底部24の厚みを2.00mmと薄
くするだけで、該溝底部24の冷却が速められ、実施例
2よりもヒケの深さが0.03mmと浅くなり、さら
に、シール性が向上された(0.003Mpa)。
【0070】さらに、実施例4の結果で示されるよう
に、シール部材挿入溝23の溝底部24の厚みを1.5
mmとさらに薄くすると、ヒケの深さが0.02mmと
なり、実施例3よりもヒケの深さが浅くなり、シール性
もさらに向上された(0.004Mpa)。
【0071】しかも、実施例5の結果で示されるよう
に、容器本体2を発泡を起こさせる合成樹脂で一体成形
すると共に、シール部材挿入溝23の溝底部24の厚み
を1.5mmと薄くすると、発泡による内部からの溝内
底面の押上効果と、冷却効果との相乗効果で、ヒケの深
さが0.01mmとなって、最もヒケの深さが浅くな
り、シール性がさらに向上されたことがわかる(0.0
06Mpa)。
【0072】
【発明の効果】本発明は、上部に開口部を有する容器本
体と、この容器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容
器本体と蓋との嵌合部にシール部材を介在させて内部が
気密状態に保持されるようになっている気密容器におい
て、容器本体と蓋との嵌合部における容器本体または蓋
の少なくとも一方に、シール部材が突出状態で挿入さ
れ、両側面に囲まれた、溝の深さが溝の幅の1倍以上と
なるシール部材挿入溝を形成するとともに、シール部材
挿入溝の溝底部を、溝内底面から所定厚みを有する厚肉
に形成し、この溝底部における反溝内底面側にリブを少
なくとも一つ設ける構成としたから、シール部材のシー
ル高さを高くしても、容器本体と蓋との押圧時に、シー
ル部材が溝の両側面で支持されるので、シール部材がが
ゆがんで座屈するようなことはなくなる。さらに、シー
ル部材は、弾性変形した際、シール部材挿入溝の溝内底
面と蓋のシール面だけでなく、両側の側面にも圧接され
るので、4個所においてシールされ、シール効果が向上
される。
【0073】しかも、シール部材挿入溝の溝底部の反溝
内底面側に、少なくとも一つのリブを設けているので、
このリブにより、容器本体の開口部の剛性を上げて、容
器本体および蓋に設ける被係合部と係合部とを係合させ
たときの、容器本体と蓋の嵌合部における浮きを防止で
きる。
【0074】また、シール部材挿入溝の溝内底面を、そ
の溝内底面の表面最高位置と表面最低位置との差が0.
05mm以下となるように成形することにより、溝内底
面の平滑性を上げられ、それだけ、溝内底面とシール部
材との間のシール性能が向上される。
【0075】さらに、シール部材挿入溝を、シール部材
挿入溝が設けられる容器本体または蓋に、合成樹脂で一
体成形すると共に、シール部材挿入溝の溝底部の厚みが
0.5mm〜2.0mmの範囲内となるようにすること
により、成形時の溝底部の冷却を速められ、たとえば、
成形によりヒケ(凹み)が発生しても、その深さが深く
なるのを防止でき、溝内底面の平滑性を良くすることが
できる。
【0076】しかも、シール部材挿入溝を、シール部材
挿入溝が設けられる容器本体または蓋に、発泡を起こさ
せる合成樹脂で一体成形することにより、成形時の型内
での冷却時においても、発生したガスによって樹脂中の
圧力を高められ、シール部材挿入溝の溝内底面における
ヒケ部分が押し上げられて、ヒケの深さが深くなるのを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる気密容器の分解斜視図である。
【図2】本発明にかかる気密容器における容器本体の一
部切欠断面図である。
【図3】本発明にかかる気密容器における容器本体の一
部切欠側面図である。
【図4】シール部材挿入溝の溝内底面に発生するヒケの
発生状態、および深さを示す説明図。
【図5】比較例の気密容器における容器本体の一部切欠
断面図である。
【図6】ガスケットの断面図である。
【図7】気密性のテスト装置を備えた状態を示す気密容
器の斜視図である。
【符号の説明】
1 気密容器 2 容器本体 23 シール部材挿入溝 24 溝底部 25 側面 27 溝内底面 3 蓋 5 ガスケット(シール部材) 6 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA05 AA14 AA24 AA26 AB10 BA01 CA03 CC03 CC05 DA03 DB14 DC03 DC05 FA09 FC09 GA08 GB12 HA03 HB08 HC03 HD04 5F031 CA02 DA08 EA02 EA14 EA19 NA13 PA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に開口部を有する容器本体と、この容
    器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容器本体と蓋と
    の嵌合部にシール部材を介在させて内部が気密状態に保
    持されるようになっている気密容器において、容器本体
    と蓋との嵌合部における容器本体または蓋の少なくとも
    一方に、シール部材が突出状態で挿入され、両側面に囲
    まれた、溝の深さが溝の幅の1倍以上となるシール部材
    挿入溝を形成するとともに、シール部材挿入溝の溝底部
    を、溝内底面から所定厚みを有する厚肉に形成し、この
    溝底部における反溝内底面側にリブを少なくとも一つ設
    けていることを特徴とする気密容器。
  2. 【請求項2】シール部材挿入溝の溝内底面は、その溝内
    底面における表面最高位置と表面最低位置との差が0.
    05mm以下となるように成形されている請求項1に記
    載の気密容器。
  3. 【請求項3】シール部材挿入溝は、シール部材挿入溝が
    設けられる容器本体または蓋に、合成樹脂で一体成形さ
    れており、シール部材挿入溝の溝底部の厚みが0.5m
    m〜2.0mmである請求項1または請求項2に記載の
    気密容器。
  4. 【請求項4】シール部材挿入溝は、シール部材挿入溝が
    設けられる容器本体または蓋に、発泡を起こさせる合成
    樹脂で一体成形されている請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の気密容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7383955B2 (en) 2002-12-27 2008-06-10 Miraial Co., Ltd. Thin plate supporting container
US7410061B2 (en) 2002-12-27 2008-08-12 Miraial Co., Ltd. Thin plate supporting container
US7497333B2 (en) 2002-12-27 2009-03-03 Miraial Co., Ltd. Thin plate supporting container
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