JP2004213775A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/68Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
    • G11B5/70Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer

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Abstract

【課題】優れた走行耐久性と電磁変換特性とを兼ね備えた磁気記録媒体の提供。
【解決手段】支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層が一層以上設けられてなる磁気記録媒体であって、レーザー光干渉式表面粗さ計によって測定された上記磁性層の中心線平均粗さRaが1〜3nmの範囲内にあり、スキューネスRskが0以上1.0未満であり、且つピーク/バレー高低差最大値Rzが40nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体を用いる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布型の磁気記録媒体に関し、特に優れた耐久性と電磁変換特性とを兼ね備えた高密度記録に適した磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗布型磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープ又はフレキシブルディスクなどの分野で広く用いられている。このタイプの磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を積層した層構成を有し、高度情報化社会の進展とともに、電磁変換特性、走行耐久性及び走行性能などの諸特性において、ますます高いレベルが要求されている。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテープでは、より高度の原音再生能力が要求され、ビデオテープでは、原画再生能力が優れている等、優れた電磁変換特性を有することが要求される。
この要請に対し、これまで、主として媒体磁気特性および媒体表面状態の2面から改善がなされてきた。
【0003】
媒体磁気特性の改善では、優れた電磁変換特性が得られる磁気記録媒体として高抗磁力化した磁性層を有する磁気記録媒体が提案された。この磁気記録媒体では、磁性層の保磁力(Hc)とその残留磁束密度(Br)との比(Hc/Br)を560〜1240kA/(T・m)とし、さらに磁性層の抗磁力(Hc)を160〜240kA/mにすることにより優れた電磁変換特性が得られるとしている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、より高速回転の磁気ヘッドを用いて記録再生する場合のように、高い耐久性が要求される環境下では、媒体磁気特性の改善のみでは満足のいく耐久性を確保することは困難であった。特に、近年における高密度記録用の機器では、磁気ヘッド回転速度が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダでは、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分以上にもなる。この回転速度は、アナログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/分や業務用の5000回転/分と比べると遥かに高速であるため、磁気記録媒と磁気ヘッドとの摺動する速度が大きい。
【0004】
電磁変換特性を改善し、記録密度を高める目的で、磁気記録媒体から発生するノイズを低減するために、磁性層の表面を平滑にする試みも行なわれてきた。この例として、磁性層表面を平滑にするため、スキューネスRskが−1〜4の支持体を使用することを特徴とする磁気記録媒体が提案された(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、単に平滑化を進めると、磁気ヘッドあるいはその他の摺動部材(ガイドローラー等)との摺動特性が低下する。このため、摺動特性を維持するために表面に突起が設けられた(例えば、特許文献3参照)。ところが、記録の高密度化が進むに従い、突起に起因するドロップアウトが目立つようになった。そこで、突起ではなく、凹みが支配的な(Rskが負)表面設計がなされてきた(例えば、特許文献4参照)。Rskは凹凸の統計的指標であり、Rskが0より小さいことは突起よりも凹みが支配的であることを意味する。しかし、最近の記録密度の向上とともに、このような凹みがノイズ源あるいは、ドロップアウトの原因となることが判ってきた。また表面性の平滑化(突起数の減少)によって摺動特性が劣化してしまうことも判ってきた。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−268343号公報
【特許文献2】
特開平08−279135号公報
【特許文献3】
特開平09−134515号公報
【特許文献4】
特開平11−175951号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はノイズが低く、かつ摺動特性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、凹みよりも突起が支配的だが、突起−凹みの差が小さい表面にすることで、ノイズを低減し、かつ摺動特性に優れた磁気記録媒体を提供できた。
すなわち、本発明の目的は、以下に記載の磁気記録媒体により達成される。
(1)支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層が一層以上設けられてなる磁気記録媒体において、レーザー光干渉式表面粗さ計によって測定された、上記磁性層の中心線平均粗さRaが1〜3nmの範囲内にあり、スキューネスRskが0以上1.0未満であり、且つピーク/バレー高低差最大値Rzが50nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)磁性層の厚みが0.01μm〜0.15μmであることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)磁性層と支持体の間に非磁性層を設けていることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)磁性層の抗磁力が159kA/m〜318kA/m(2000Oe〜4000Oe)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の磁気記録媒体の中心線平均粗さRa、スキューネスRskおよびピーク/バレー高低差最大値Rzについて詳細に説明する。ついで、磁気記録媒体の構成要素、すなわち、磁性層、非磁性層、支持体、バック層、下塗層、について説明し、さらに層構成、製造方法、物理特性について詳細に説明する。
【0009】
[中心線平均粗さRa]
本発明の磁気記録媒体は、(1)中心線平均粗さRaが1〜3nmの範囲にあり、(2)スキューネスRskが0以上1.0未満であり、且つ(3)ピーク/バレー高低差最大値Rzが40nm以下、の3点を満たす媒体である。これら3点をすべて満たすことにより、相乗効果を発揮し、本発明の目的が達成できる。中心線平均粗さRaは、磁性層表面の粗さを示す尺度であり、この値が3nmを超え大きすぎると、空隙長損失(スペーシングロス)による高域出力の低下が顕著になり、電磁変換特性の低下を招く。中心線平均粗さRaは上記のように1〜3nm、好ましくは2.0〜3.0nmである。
なお、中心線平均粗さRaは、レーザー光干渉式表面粗さ計を用い、JIS−B0601−1994に従って測定した。
中心線平均粗さRaは磁性層の表面プロファイルを示す一指標であり、磁性層の中心線平均粗さRaが同一の値を有する磁気記録媒体であっても、下記のスキューネスRskが異なると、磁気記録媒体の再生出力やドロップアウトの発生に大きな影響を及ぼす。
【0010】
[スキューネスRsk]
スキューネスRskは、磁性層表面の粗さ曲線に関して、中心線に対しての粗さ曲線の相対性を示す無次元数のものである。スキューネスRskは0以上1.0未満であり、好ましくは0以上0.5未満である。
スキューネスRskは、中心線平均粗さRaの測定と同様にレーザー光干渉式表面粗さ計にて測定される値である。
【0011】
[ピーク/バレー高低差最大値Rz]
ピーク/バレー高低差最大値Rz(以下、単に「Rz」と記す)は、測定範囲(185μm×250μm)内での高さの最大値と最小値の差である。
Rzは、上記と同様なレーザー光干渉式表面粗さ計にて測定される値であり、50nm以下、好ましくは40nm以下である。
本発明では、Rzを上記範囲とすることにより、磁気記録媒体の性能の向上を図り、ドロップアウトの原因となる突起の高さを低く抑制するものである。
【0012】
[磁性層]
磁気記録媒体の磁性層で用いられる結合剤が、Tgが100〜200℃であるポリウレタン樹脂の場合を例として説明する。Tgが100〜200℃であるポリウレタン樹脂は本発明において使用可能な結合剤であるが、結合剤はこの例に限定されるものではない。
磁性層において高いTgを有するポリウレタン樹脂を含む結合剤が用いられると、記録再生ヘッドと磁性層表面との摺動により発生する摩擦熱による磁性層の塑性流動が抑制され、良好な塗膜強度が得られ、優れた走行耐久性を達成することができる。特に、その効果は磁性層が薄層である場合に顕著である。
【0013】
結合剤に含まれるポリウレタン樹脂のTgは、100〜200℃の範囲であり、好ましくは120〜170℃の範囲である。Tgが100℃以上であれば、塗膜強度が低下することなく、良好な走行耐久性を得ることができる。また、Tgが200℃以下であれば、カレンダ処理時の平滑化効果が得られ、良好な電磁変換特性及び走行耐久性が得られる。
【0014】
前記ポリウレタン樹脂は、ウレタン基濃度が2.5〜6.0mmol/gの範囲であることが好ましく、3.0〜4.5mmol/gであることがさらに好ましい。ウレタン基濃度が2.5mmol/g以上であると、塗膜のTgが高く良好な耐久性を得ることができ、6.0mmol/g以下であると、溶剤溶解性が高いため分散性が良好である。ウレタン基濃度が過度に高いと必然的にポリオールを含有することができなくなるため、分子量コントロールが困難になる等、合成上好ましくない。
【0015】
前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜200,000の範囲であることが好ましく、50,000〜100,000の範囲であることがさらに好ましい。分子量が30,000以上であると、塗膜強度が高く良好な耐久性を得ることができ、200,000以下であると溶剤溶解性が高く分散性が良好である。
【0016】
前記ポリウレタン樹脂の極性基としては、−SOM、−OSOM、−PO、−COOMが好ましく、−SOM、−OSOM(但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムから選ばれる)であることがさらに好ましい。極性基の含有量は、1×10−5〜2×10−4eq/gであることが好ましい。1×10−5eq/g以上であると、強磁性粉末や非磁性粉末への吸着性が高く分散性が良好である。一方、2×10−4eq/g以下であると、溶剤溶解性が高く、分散性が良好である。
【0017】
前記ポリウレタン樹脂中のOH基含有量は、1分子当たり2〜20個であることが好ましく、1分子当たり3〜15個であることがさらに好ましい。1分子当たり2個以上のOH基を含むことにより、イソシアネート硬化剤と良好に反応するため、塗膜強度が高く、良好な耐久性を得ることができる。一方、1分子当たり15個以下のOH基を含むと、溶剤溶解性が高く分散性が良好である。OH基を付与するために用いる化合物としては、OH基が3官能以上の化合物、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、3官能以上のOH基を持つ分岐ポリエステル又はポリエーテルエステルを用いることができる。これらのなかでも、3官能のものが好ましい。4官能以上になると硬化剤との反応が速くなりすぎポットライフが短くなる。
【0018】
結合剤に含まれるポリウレタン樹脂のポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオールやダイマージオール等の環構造及び長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物等の公知のポリオールを用いることができる。
上記ポリオールの分子量は500〜2000程度が好ましい。分子量が上記範囲内であると、実質的にジイソシアネートの重量比を増やすことができるため、ウレタン結合が増えて分子間の相互作用が強まり、ガラス転移温度が高く、力学強度の高い塗膜を得ることができる。
【0019】
上記ジオール成分は、環状構造及び長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物であることが好ましい。ここで、長鎖アルキル鎖とは、炭素数2〜18のアルキル基をいう。環状構造及び長鎖アルキル鎖を有すると、屈曲した構造を有するため、溶剤への溶解性に優れる。これにより、塗布液中で磁性体又は非磁性体表面に吸着したウレタン分子鎖の広がりを大きくできるので、分散安定性を向上させる作用があり、優れた電磁変換特性を得ることができる。また、環状構造を有することにより、ガラス転移温度が高いポリウレタンを得ることができる。
環状構造及び長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物は、下記式で示されるジオール化合物が特に好ましい。
【0020】
【化1】
Figure 2004213775
【0021】
式中、Zは、シクロヘキサン環、ベンゼン環及びナフタレン環から選ばれる環状構造であり、R及びRは炭素数1〜18のアルキレン基であり、R及びRは炭素数2〜18のアルキル基である。
【0022】
上記ジオール成分は、ポリウレタン樹脂中に10〜50質量%含まれることが好ましく、15〜40質量%含まれることがさらに好ましい。10質量%以上であると、溶剤溶解性が高く分散性が良好であり、50質量%以下であると、Tgが高く優れた耐久性を有する塗膜が得られる。
【0023】
上記ポリウレタン樹脂には、鎖延長剤として上記ジオール成分以外のジオール成分を併用することもできる。ジオール成分の分子量が大きくなると、必然的にジイソシアネート含有量が少なくなるため、ポリウレタン中のウレタン結合が少なくなり、塗膜強度に劣る。よって、十分な塗膜強度を得るためには、併用される鎖延長剤は、分子量500未満、好ましくは300以下である低分子量ジオールであることが好ましい。
【0024】
具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、シクロヘキサンジオール(CHD)、水素化ビスフェノールA(H−BPA)等の脂環族グリコール及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールF等の芳香族グリコール及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物を用いることができる。特に好ましいものは水素化ビスフェノールAである。
【0025】
上記ポリウレタン樹脂に用いるジイソシアネートとしては、公知のものを用いることができる。具体的には、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好ましい。
【0026】
本発明において、上記ポリウレタン樹脂は、塩化ビニル系の合成樹脂と併用してもよい。併用することができる塩化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合させたものでもよい。
【0027】
上記ポリウレタン樹脂は、上記塩化ビニル系樹脂の他、さらに各種の合成樹脂と併用できる。そのような合成樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。これらは、単独でも組み合わせでも使用することができる。
【0028】
上記ポリウレタン樹脂と上記合成樹脂とを併用する場合、磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10〜90質量%含有されていることが好ましく、20〜80質量%含有されることがさらに好ましく、25〜60質量%含有されることが特に好ましい。また塩化ビニル系樹脂は、結合剤中に10〜80質量%含有されていることが好ましく、20〜70質量%含有されていることがさらに好ましく、30〜60質量%含有されていることが特に好ましい。
【0029】
また、結合剤とともに、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤を使用することができる。ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物(例、デスモジュールL−75(バイエル社製))、キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシアヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モルとヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレート付加化合物、イソホロンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げることができる。
【0030】
磁性層に含まれるポリイソシアネート化合物は、結合剤中に10〜50質量%の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%の範囲である。また、電子線照射による硬化処理を行う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を有する化合物を使用できる。樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量部である。
【0031】
<強磁性粉末>
本発明において、磁性層で用いられる強磁性粉末の平均長軸長又は平均板径は60nm以下であることが好ましい。本発明では、安定したエラーレートを得るために、より高いS/Nが得られる平均長軸長又は平均板径が上記範囲であることが好ましい。
強磁性粉末の平均長軸長は、30〜50nmであることが更に好ましい。
強磁性粉末の平均板径は、10〜35nmであることが更に好ましく、10〜25nmであることが特に好ましい。
【0032】
本発明において、磁性層で用いられる強磁性粉末は、後述する所定の抗磁力を有する強磁性粉末であることが好ましい。本発明で使用可能な強磁性粉末としては、強磁性金属粉末又は六方晶系フェライト粉末が挙げられる。
【0033】
(強磁性金属粉末)
本発明において磁性層で用いられる強磁性金属粉末は、BET法による比表面積(SBET)が40〜80m/gが好ましく、更には50〜70m/gである強磁性合金粉末であることが好ましい。結晶子サイズは12〜25nmが好ましく、13〜22nmが更に好ましく、14〜20nmが特に好ましい。
強磁性金属粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性金属粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比Y/Feが0.5原子%〜20原子%が好ましく、5〜10原子%であることがさらに好ましい。0.5原子%以上であると、強磁性金属粉末の高飽和磁化(σ)化が可能となり磁気特性が向上し、良好な電磁変換特性を得ることができる。20原子%以下であると、鉄の含有量が適当であり磁気特性が良好であり、電磁変換特性が向上する。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
【0034】
本発明において使用可能なコバルト、イットリウムを導入した強磁性金属粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCOの水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させてもよく、このような塩を適宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
【0035】
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
【0036】
本発明の強磁性金属粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。強磁性金属粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどが使用される。特に針状の強磁性金属粉末を使用することが好ましい。
【0037】
(六方晶系フェライト粉末)
本発明において磁性層に含まれる六方晶系フェライトとしては、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、及びこれらの置換体、例えば、Co置換体等が挙げられる。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
【0038】
本発明で使用可能な六方晶系フェライト粉末の板径は、六方晶系フェライト磁性粉の六角柱底面の六角径の最大径を意味し、平均板径とはその算術平均である。特にトラック密度を上げるため、磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、平均板径は35nm以下であることが好ましいが、10〜60nmの範囲であれば、熱揺らぎの影響を受けない安定な磁化が望め、かつ、ノイズを抑えることができるため、高密度磁気記録に好適となる。板状比(板径/板厚)は1〜15であることが望ましく、1〜7であることが好ましい。板状比が1以上であれば、磁性層中の高充填性を維持しつつ、充分な配向性が得られる。また板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによる影響を受け難くなり、ノイズが大きくなることもない。
【0039】
上記粒子サイズ範囲のSBETは30〜200m/gであることが適当である。比表面積は、概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。粒子板径・板厚の分布は、通常、狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
【0040】
六方晶系フェライト粉末で測定される抗磁力(Hc)は、160〜320kA/m(2000〜4000Oe)程度の範囲である。抗磁力(Hc)は高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。抗磁力(Hc)は粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶系フェライト粉末の飽和磁化(σs)は、30〜80A・m/kgであることが適当であり、40〜60A・m/kgであることが好ましい。飽和磁化は微粒子になるほど小さくなる傾向がある。製法では結晶化温度又は熱処理温度での処理時間を短くする方法、添加する化合物を増量する、表面処理量を多くする方法等がある。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。
【0041】
表面処理材は、無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
【0042】
六方晶フェライトの製法としては、▲1▼酸化バリウム、酸化鉄、鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、▲2▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後、100℃以上で液相加熱し、洗浄、乾燥及び粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、▲3▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
【0043】
<磁性層の厚み及び抗磁力Hc>
磁性層は、上記の樹脂成分、硬化剤及び強磁性粉末を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散してなる磁性塗料を支持体上に塗布して形成される。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。なお、磁性塗料中には、上記成分以外に、α−Al、Cr等の研磨材、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散材など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。
本発明において、磁性層の厚みは、好ましくは0.01〜0.15μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.13μmである。
磁性層の厚みが0.15μm以下であれば、PW50(パルスの半値幅)の値を最適化することができ、高密度記録時に安定したエラーレートが得られるため好ましい。
【0044】
本発明において、磁性層の長手方向又は面内方向の抗磁力(Hc)の値は、自己減磁損失を減少させ、高密度記録を達成するために、159〜318kA/m(2000〜4000 Oe)であることが好ましい。抗磁力(Hc)の値が159kA/m以上であれば、良好な高密度記録を達成できる。一方、抗磁力(Hc)の値は、高いほど高密度記録時に高S/Nが得られるため好ましいが、余りに高すぎると消去率が低下することから、本発明では磁性層の長手方向又は面内方向のHcの上限値を318kA/mとすることが好ましい。ただし、磁気ヘッドの特性改善ともに消去能力が増し、上限値は高まる傾向にある。抗磁力(Hc)の値は、現状では、更に好ましくは159〜279kA/m(2000〜3500 Oe)の範囲であり、特に好ましくは159〜200kA/m(2000〜2500 Oe)の範囲である。
【0045】
なお、本明細書において、磁性層の長手方向とは、テープ状磁気記録媒体の走行方向と一致する方向であり、幅方向と垂直関係にある方向をいう。また、本明細書において磁性層の面内方向とは、ディスク状磁気記録媒体における磁性層面に垂直な方向(すなわち、垂直方向)と対比して用い、磁性層に平行な方向を意味する。
【0046】
本発明において、磁性層の長手方向又は面内方向における上記抗磁力(Hc)を実現するために、本発明では、例えば、平均長軸長又は平均板径が60nm以下の微小な強磁性粉末であって、飽和磁化(σs)が110〜155Am/kgであり、強磁性粉末の抗磁力(Hc)が159kA/m以上である強磁性粉末を使用することが適当である。
【0047】
次に、本発明において上記の結合剤、強磁性粉末とともに磁性層に含有させることのできる添加物について説明する。
<カーボンブラック>
本発明において、磁性層で使用されるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。具体的には、WO98/35345号に記載のものが挙げられる。
【0048】
カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって、本発明が多層構成の場合には、各層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子径、吸油量、電導度、pHなどの前記した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
【0049】
<研磨剤>
本発明において、磁性層に研磨剤を含有させることができる。研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合わせで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。
【0050】
本発明において研磨剤は、主成分以外の化合物又は元素を含む場合もあるが、主成分が90%以上であれば効果に変わりはない。これら研磨剤の平均粒子径は、0.01〜2μmであることが好ましく、特に電磁変換特性(S/N)を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには、必要に応じて粒子径の異なる研磨剤を組み合わせ、あるいは単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。
【0051】
研磨剤のタップ密度は、0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m/gであることが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状及びサイコロ状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが、研磨性が高くて好ましい。具体的には、WO98/35345号に記載のものが挙げられ、中でもダイヤモンドを同記載のごとく用いると、走行耐久性及び電磁変換特性の改善に有効である。磁性層、非磁性層に添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
【0052】
<その他の添加剤>
本発明において磁性層に添加できるその他の添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを有するものが挙げられ、これらを組み合わせることにより総合的な性能向上を図ることができる。潤滑効果を示すものとしては、物質表面同士の摩擦により生じる凝着に著しい作用を示す潤滑剤が使用される。潤滑剤には2つの型のものがある。磁気記録媒体に使用される潤滑剤は、完全に流体潤滑か境界潤滑であるか判定することはできないが、一般的概念で分類すれば、流体潤滑を示す高級脂肪酸エステル、流動パラフィン、シリコーン誘導体などと境界潤滑を示す長鎖脂肪酸、フッ素系界面活性剤、含フッ素系高分子などとに分類される。塗布型媒体では、潤滑剤は結合剤に溶解した状態、また一部は強磁性粉末表面に吸着した状態で存在するものであり、磁性層表面に潤滑剤が移行してくるが、その移行速度は結合剤と潤滑剤との相溶性の良否によって決まる。結合剤と潤滑剤との相溶性が高いときは移行速度が小さく、相溶性の低いときには早くなる。相溶性の良否に対する一つの考え方として、両者の溶解パラメーターの比較がある。流体潤滑には非極性潤滑剤が有効であり、境界潤滑には極性潤滑剤が有効である。
【0053】
本発明において、これら特性の異なる流体潤滑を示す高級脂肪酸エステルと境界潤滑を示す長鎖脂肪酸とを組み合わせることが好ましく、少なくとも3種組み合わせることがさらに好ましい。これらに組み合わせて固体潤滑剤を使用することもできる。
固体潤滑剤としては例えば二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛などが使用される。境界潤滑を示す長鎖脂肪酸としては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、及びこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)が挙げられる。フッ素系界面活性剤、含フッ素系高分子としてはフッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩などが挙げられる。流体潤滑を示す高級脂肪酸エステルとしては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステルなどが挙げられる。また流動パラフィン、そしてシリコーン誘導体としてジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)などのシリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーンなどが挙げられる。
【0054】
その他の潤滑剤として炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、フッ素含有アルコールなどのアルコール、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレングリコール、ポリエチレンオキシドワックスなどのポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが挙げられる。
【0055】
帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを示すものとして、フェニルホスホン酸、具体的には、日産化学(株)社の「PPA」など、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、などが使用できる。
【0056】
本発明において使用される潤滑剤は、特に脂肪酸と脂肪酸エステルであることが好ましく、具体的にはWO98/35345号に記載のものが挙げられる。これらに加えて別異の潤滑剤、添加剤も組み合わせて使用することができる。
【0057】
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。
これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明は、脂肪酸エステルとしてWO98/35345号に記載のようにモノエステルとジエステルを組み合わせて使用することも好ましい。
【0058】
本発明において、磁性層での潤滑剤の含有量は、強磁性粉末100質量部に対し5〜30質量部であることが好ましい。
【0059】
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量及び相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は、目的に応じ最適に定められるべきものである。非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への滲み出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面への滲み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として磁性粉末または非磁性粉末100質量部に対し、0.1〜50質量部、好ましくは2〜25質量部の範囲で選択される。
【0060】
また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性塗料及び非磁性塗料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダした後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
【0061】
[非磁性層]
本発明の磁気記録媒体は、前記磁性層の下層として非磁性層を有することができる。以下に非磁性層について詳細に説明する。
本発明における非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、たとえば不純物として、或いは意図的に少量の磁性粉を含んでも、本発明の効果を示すものである限り、本発明と実質的に同一の構成と見なすことができることは言うまでもない。
ここで、実質的に非磁性とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下又は抗磁力(Hc)が8kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力をもたないことを示す。また、非磁性層に磁性粉を含む場合は、非磁性層の全無機粉末の1/2未満含むことが好ましい。さらに下層として、非磁性層に代えて軟磁性粉末と結合剤を含む軟磁性層を形成してもよい。軟磁性層の厚みは非磁性層と同様である。
【0062】
本発明において非磁性層は、非磁性無機粉末と結合剤とを主体とするものが好ましい。非磁性層に用いられる非磁性無機粉末は、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組み合わせで使用される。特に好ましいのは、粒度分布が小さいこと、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、α−酸化鉄、硫酸バリウムであり、さらに好ましいのは二酸化チタン、α−酸化鉄である。
【0063】
上記の非磁性無機粉末の平均粒子径は5〜200nmであることが好ましい。また、必要に応じて平均粒子径の異なる非磁性無機粉末を組み合わせることができ、さらに単独の非磁性無機粉末であっても粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性無機粉末の平均粒子径は10〜200nmである。特に、非磁性無機粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径80nm以下であることが好ましく、針状金属酸化物である場合には、平均長軸長が300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
【0064】
非磁性無機粉末のタップ密度は、通常、0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性無機粉末の含水率は通常、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性無機粉末のpHは通常、2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性無機粉末の比表面積は通常、1〜100m/gであり、5〜80m/gであることが好ましく、10〜70m/gであることがさらに好ましい。非磁性無機粉末の結晶子サイズは、0.004〜1μmであることが好ましく、0.04〜0.1μmであることがさらに好ましい。DBP吸油量は通常、5〜100ml/100gであり、10〜80ml/100gであることが好ましく、20〜60ml/100gであることがさらに好ましい。比重は、通常、1〜12であり、3〜6であることがさらに好ましい。形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれであってもよい。モース硬度は、4〜10であることが好ましい。非磁性無機粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は、1〜20μmol/mであり、2〜15μmol/m、であることがより好ましく、3〜8μmol/mであることがさらに好ましい。
【0065】
これらの非磁性無機粉末の表面には、表面処理によりAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnO、Yが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、さらに好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナを存在させた後にその表層にシリカを存在させる方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の下層に用いられる非磁性無機粉末の具体的な例及び製造法としては、WO98/35345号に記載のものが例示される。
【0066】
非磁性層にはさらに目的に応じて、有機質粉末を添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
【0067】
非磁性層あるいは後述のバック層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法、含有量その他は、上記の磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤の量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0068】
[支持体]
本発明の磁気記録媒体に用いられる支持体は、非磁性可撓性支持体であることが好ましく、支持体の面内各方向に対し、100℃30分での熱収縮率が0.5%以下であり、80℃30分での熱収縮率が0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下であることが好ましい。さらに前記支持体の100℃30分での熱収縮率及び80℃30分での熱収縮率が前記支持体の面内各方向に対し、10%以内の差で等しいことが好ましい。支持体は非磁性であることが好ましい。
これら支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、芳香族又は脂肪族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。とりわけ、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じて、磁性面とベ−ス面(バック面)の表面粗さを別々に制御するため、例えば、特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行ってもよい。また本発明の支持体としてアルミ又はガラス基板を適用することも可能である。
【0069】
支持体には、WYKO社製HD−2000型を用いて測定した中心面平均表面粗さRaが4.0nm以下のものを使用することが好ましい。Raが2.0nm以下であれば、より好ましい。これらの支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由にコントロールされるものである。これらのフィラーの例としては、Ca、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機粉末が挙げられる。支持体の最大高さRmaxは1μm以下、十点平均粗さRzは0.5μm以下、中心面山高さRpは0.5μm以下、中心面谷深さRvは0.5μm以下、中心面面積率Srは10〜90%、平均波長λaは5〜300μmが好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得る目的で支持体にフィラーを添加し、支持体表面の突起分布を任意にコントロールすることができる。支持体には0.01〜1μmの大きさのフィラーを0.1mm当り0〜2000個の範囲で添加することが可能であり、この範囲で表面突起分布をコントロールすることができる。
【0070】
本発明に用いられる支持体のF−5値は、49〜490MPa(5〜50kg/mm)であることが好ましい。また、支持体の100℃30分での熱収縮率は、3%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。80℃30分での熱収縮率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。破断強度は、49〜980MPa(5〜100kg/mm)であることが好ましい。また弾性率は、980〜19600MPa(100〜2000kg/mm)であることが好ましい。温度膨張係数は10−4〜10−8/℃であり、10−5〜10−6/℃であることが好ましい。湿度膨張係数は10−4/RH%以下であり、好ましくは10−5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は、支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼ等しいことが好ましい。
【0071】
[バック層]
本発明の磁気記録媒体は、必要に応じて磁性層を有する面とは反対側の支持体上の面にバック層を設けることもできる。磁気ディスクでもバック層を設けることはできるが、一般に、コンピューターデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して、繰り返し走行に対する耐久性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。
【0072】
バック層で使用するカーボンブラックは、平均粒子径の異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バック層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは、一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。
【0073】
本発明においてバック層に用いられる微粒子状カーボンブラック及び粗粒子状カーボンブラックとして、市販のものを用いる場合、具体的な商品としては、WO98/35345号に記載のものを挙げることができる。
バック層において、平均粒子径の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、95:5〜85:15の範囲にあることがさらに好ましい。
バック層中のカーボンブラック(二種類のものを使用する場合には、その全量)の含有量は、結合剤100質量部に対して、通常30〜80質量部の範囲であり、好ましくは、45〜65質量部の範囲である。
【0074】
バック層で使用する無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行による摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもない。またこの無機粉末の平均粒子径は、30〜50nmの範囲にあることが好ましい。
モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げることができる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
バック層内の軟質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して10〜140質量部の範囲にあることが好ましく、35〜100質量部であることがさらに好ましい。
【0075】
モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加することにより、バック層の強度が強化され、走行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバック層となる。また、この無機粉末の添加により、適度の研磨力が付与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減する。特に軟質無機粉末と併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特性が向上し、バック層の摩擦係数の安定化も図ることができる。
硬質無機粉末の平均粒子径は80〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜210nmの範囲にあることがさらに好ましい。
モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロム(Cr)を挙げることができる。これらの粉末は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは併用してもよい。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して通常、3〜30質量部であり、3〜20質量部であることが好ましい。
【0076】
バック層に前記軟質無機粉末と硬質無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉末との硬さの差が、2以上(さらに好ましくは、2.5以上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無機粉末とを選択して使用することが好ましい。
バック層には、前記それぞれ特定の平均粒子径を有するモース硬度の異なる二種類の無機粉末と、前記平均粒子径の異なる二種類のカーボンブラックとが含有されていることが好ましい。
【0077】
バック層には、潤滑剤を含有させることができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から適宜選択して使用できる。バック層において、潤滑剤は、結合剤100質量部に対して通常1〜5質量部の範囲で添加される。
【0078】
[下塗層]
本発明の磁気記録媒体においては、必要に応じて支持体と磁性層又は非磁性層の間に下塗層を設けてもよい。下塗層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤に可溶なポリエステル樹脂が使用される。
【0079】
[層構成]
本発明の磁気記録媒体の厚み構成は、支持体が通常、2〜100μmであり、2〜80μmであることが好ましい。コンピューターテープの支持体は、3.0〜6.5μm(好ましくは、3.0〜6.0μm、さらに好ましくは、4.0〜5.5μm)の範囲の厚みのものが使用される。
【0080】
下塗層の厚みは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.7μmである。また、バック層を設ける場合、バック層の厚みは、0.2〜1.0μm、好ましくは0.3〜0.7μmである。
【0081】
本発明の磁気記録媒体の非磁性層及び磁性層の厚みは、用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化される。本発明では前述したとおりの磁性層の厚み0.01〜0.15μmとすることが好ましい。また、非磁性層の厚みは、通常0.5〜3.0μmであり、1〜2.5μmであることが好ましく、1.3〜1.7μmであることがさらに好ましい。
【0082】
磁性層を2層有する磁気記録媒体の場合、非磁性層や軟磁性層は設けても設けなくともよく、例えば、支持体から遠い側の磁性層の厚みを0.01〜0.1μm、好ましくは0.01〜0.05μmとして、支持体から近い側の磁性層の厚みを0.05〜0.15μmとすることができる。なお、磁性層を単独で有する場合、上述したように磁性層の厚みを0.2μm以下とする。
【0083】
[製法]
本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程は、それぞれ2段階以上に別れていてもかまわない。本発明の磁気記録媒体に使用する磁性粉末、非磁性粉末、放射線硬化型樹脂、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などのすべての原料は、どの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
【0084】
本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合、磁性粉末又は非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)は、磁性粉末100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料及び非磁性層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができるが、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0085】
非磁性層用塗料と磁性層用塗料とは、逐次又は同時に重層塗布されてもよく、また、磁性層を2層有する場合には、下層磁性層用塗料と上層磁性層用塗料とは、逐次又は同時に重層塗布されてもよい。非磁性層及び磁性層は乾燥後塗布法(wet on dry塗布法)で形成することが好ましい。すなわち、支持体上に非磁性粉末及び結合剤を含む非磁性層用塗料を塗布した後に乾燥して非磁性層を形成し、次いでこの非磁性層上に強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層用塗料を塗布した後に乾燥して磁性層を形成することが好ましい。
【0086】
上記磁性層用塗料又は非磁性層用塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0087】
なお、本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布する場合、以下のような方式を用いることが好ましい。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法。
【0088】
なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報や特開平1−236968号公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471号公報に開示されている数値範囲を満足する必要がある。
【0089】
ディスク状磁気記録媒体の場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。六方晶系フェライトは、一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用い円周配向としてもよい。
【0090】
テープ状磁気記録媒体の場合は、コバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に配向する。乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
カレンダ処理ロールとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールまたは金属ロールで処理するが、特に両面磁性層とする場合は金属ロール同志で処理することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好ましくは196kN/m(200kg/cm)以上、さらに好ましくは294kN/m(300kg/cm)以上である。
【0091】
[物理特性]
ディスク状磁気記録媒体の場合、角形比は2次元ランダムの場合、通常、0.55〜0.67であり、0.58〜0.64であることが好ましい。また、3次元ランダムの場合、角形比は0.45〜0.55であることが好ましい。垂直配向の場合、角形比は垂直方向に通常0.6以上であり、0.7以上であることが好ましい。また、反磁界補正を行った場合は、通常0.7以上であり、0.8以上であることが好ましい。2次元ランダム及び3次元ランダムとも配向度比は0.8以上であることが好ましい。2次元ランダムの場合、垂直方向の角形比、垂直方向のBr及び垂直方向のHcは面内方向の0.1〜0.5倍以内とすることが好ましい。テープ状磁気記録媒体の場合、角形比は0.7以上、好ましくは0.8以上である。
【0092】
本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において、通常0.5以下であり、0.3以下であることが好ましい。表面固有抵抗は、磁性面10〜1012Ω/sqであることが好ましく、帯電位は−500V〜+500Vであることが好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で980〜19600MPa(100〜2000kg/mm)であることが好ましく、破断強度は、98〜686MPa(10〜70kg/mm)であることが好ましい。磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で980〜14700MPa(100〜1500kg/mm)であることが好ましい。残留伸びは、0.5%以下であることが好ましく、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。
【0093】
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は、80〜120℃が好ましく、非磁性層のそれも、80〜120℃であることが好ましい。損失弾性率は、1×10〜8×10Paの範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向で10%以内であり、かつ、ほぼ等しいことが好ましい。磁性層中に含まれる残留溶媒は、100mg/m以下であることが好ましく、10mg/m以下であることがさらに好ましい。塗布層が有する空隙率は、非磁性層、磁性層とも30容量%以下であることが好ましく、20容量%以下であることがさらに好ましい。空隙率は、高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方がよい場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
【0094】
磁性層の表面の突起数は、10〜20nmの大きさのものを100μmあたり5〜1000個の範囲であることが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし、走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
【0095】
マルチメデイア社会になり、画像記録へのニーズは産業界のみならず家庭でも益々強くなっており、本発明の磁気記録媒体は単に文字、数字などのデータ以外に、画像記録用媒体としての機能/コストの要請に十分応えられる能力を持つものである。
本発明の磁気記録媒体は、磁気抵抗型の再生ヘッド(MRヘッド)を用いる磁気記録再生システムに好適に用いることができる。MRヘッドの種類には特に制限はなく、GMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。記録に用いるヘッドに特に制限はないが、飽和磁化量が1.2T以上であることが好ましく、2.0T以上がさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、コンピューターデータ記録用として好適である。
【0096】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるべきものではない。
(実施例1)
磁性層用塗料組成
強磁性金属粉末A 組成Fe/Co=100/30 100部
平均長軸長:45nm
抗磁力Hc:197kA/m(2480 Oe)
BET法による比表面積:68m/g
結晶子サイズ:13nm(130Å)
表面処理層:Al、Y
平均針状比:6
飽和磁化σs:120A・m/kg
ポリウレタン樹脂A 12部
DD/HBpA/DEIS/MDI=5/24/1/32(モル比)
DD:ダイマージオール
HBpA:水素化ビスフェノール
DEIS:スルホイソフタル酸エチレンオキサイド付加物
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
αアルミナ(平均粒径0.1μm) 5部
HIT60(住友化学社製)
カーボンブラック(平均粒径0.08μm) 0.5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
【0097】
非磁性層用塗料組成
非磁性粉末 αFe ヘマタイト 80部
平均長軸長:0.15μm
BET法による比表面積:52m/g
pH:8
タップ密度:0.8g/ml
DBP吸油量:80ml/100g
表面処理層:Al、Y
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8
BET法による比表面積:250m/g
揮発分:1.5%
塩化ビニル系共重合体 12部
日本ゼオン製MR−104
ポリウレタン樹脂A 5部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL) 3部
αアルミナ(平均粒径0.1μm) 1部
HIT60(住友化学社製)
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
【0098】
バック層形成用塗料組成(1)
カーボンブラック1 100部
平均一次粒子径:17nm
DBP吸油量:75ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:220m/g
揮発分:1.5%
嵩密度:15lbs/ft(240kg/m
カーボンブラック2 100部
平均一次粒子径:100nm
DBP吸油量:67ml/100g
pH:8.5
BET法による比表面積:20m/g
αアルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部
ニトロセルロース樹脂 100部
ポリエステルポリウレタン樹脂 30部
(日本ポリウレタン工業(株)製ニッポラン)
オレイン酸銅 10部
銅フタロシアニン 10部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
【0099】
テープ状磁気記録媒体の作製
上記の磁性層用塗料及び非磁性層用塗料のそれぞれについて、各成分をオープンニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散させて、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用塗料と非磁性層用塗料をそれぞれ調製した。
得られた非磁性層用塗料を乾燥後の厚さが1.5μmになるよう、さらにその直後に、非磁性層上に磁性層の厚みが0.1μmになるよう、厚さ5μm、磁性層塗布面の中心線平均粗さが4.0nmで、かつ100cm当たりの高さ270nm以上の突起数が20個であるポリエチレンナフタレート支持体1上に同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに300T・m(3000G)の磁力をもつコバルト磁石と150T・m(1500G)の磁力をもつソレノイドにより配向させ、乾燥後、金属ロールとエポキシ樹脂ロールとで構成される7段のカレンダを用いて温度40℃、分速200m/min.で表面処理を行い、その後、厚み0.5μmのバック層を塗布した。12.65mmの幅にスリットし、磁気テープを作製した。
【0100】
実施例2
実施例1において、磁性層の厚みを0.05μmに変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
【0101】
比較例1
実施例1において、バック層形成用塗料組成(1)のカーボンブラック2を下記カーボンブラック3に変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
カーボンブラック3 100部
平均一次粒子径:270nm
DBP吸油量:30ml/100g
pH:8.5
BET法による比表面積:10m/g
【0102】
比較例2
実施例1において、ポリエチレンナフタレート支持体1を以下のポリエチレンナフタレート支持体2に変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
ポリエチレンナフタレート支持体2:
中心線平均粗さ:6.8nm
100cm当たりの高さ270nm以上の突起数:150個
【0103】
比較例3
実施例1において、ポリエチレンナフタレート支持体1を以下のポリエチレンナフタレート支持体3に変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
ポリエチレンナフタレート支持体3:
中心線平均粗さ:8.0nm
100cm当たりの高さ270nm以上の突起数:30個
【0104】
上記作製した磁気テープの特性を表1に示す。
【0105】
【表1】
Figure 2004213775
【0106】
尚、磁性層の厚みの測定は以下によった。
テープ状磁気記録媒体を長手方向に約0.1μmの厚みにダイヤモンドカッターで切り出し、透過型電子顕微鏡を用いて倍率3万倍で観察し、その写真撮影を行った。写真のプリントサイズはA4版であった。得られた写真における磁性層、非磁性層の強磁性粉末や非磁性粉末の形状差に着目して磁性層表面、磁性層/非磁性層界面に線を引き、Zeiss社製画像処理装置JBAS2で測定した。
【0107】
得られた試料の性能を以下により評価した。
実施例1および2、比較例1、2および3で作製したサンプルをLTOリールに巻き込み、電磁変換特性(SNR)、エラーレート、および耐久性を評価した。電磁変換特性およびDO(ドロップアウト)数は25μm幅の書き込みヘッドにて130kfciの信号を書き込み、その信号を5μm幅のMRヘッドを用いて再生した。エラーレートは、ランダム信号を8/9(0,4)EPR4コードを用いて書き込み、それを再生した場合のエラーレートを測定した。(尚、1E−7は、1×10−7の意味である)。DOに関しては、65%以上の出力落ちが1mあたり何回起きたかを測定した。耐久性テストは、改造したIBM社製LTOドライブを用いて、BOTより500mの位置に書き込んだ100MBのデータを読み、BOTまで戻るという動作を繰り返し行なうことで評価した。評価結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
Figure 2004213775
【0109】
表2に示したように、実施例1および2はSNRが優れていながら、耐久性評価でも完走した。DOの発生個数も低く、エラーレートも良好である。しかし、同様のテープでありながらスキューネスが負である(凹みが支配的である)比較例1はノイズの劣化が見られた。しかもRaは低いため、平滑面が広く、摺動部材との接触面積も大きくなってしまうため、耐久性評価において、テープの表面ダメージが発生、走行停止した。また、比較例2のように、スキューネスが1.3と突起があまりに支配的になりすぎると、突起部のスペーシングロスによりドロップアウトが発生し、DO数が増加、初期のエラーレートが高くなってしまった。また、走行特性を保ち、突起を少なくした場合でも、比較例3のように表面粗さが大きいと、表面性に起因するノイズが上昇し、初期のエラー特性が悪い。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の磁気記録媒体は、レーザー光干渉式表面粗さ計によって測定された、上記磁性層の中心線平均粗さRaが1〜3nmの範囲内で、スキューネスRskが0以上1.0未満であり、且つRzが40nm以下である。これにより、本発明であれば優れた走行耐久性と電磁変換特性とを兼ね備えた磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (4)

  1. 支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層が一層以上設けられてなる磁気記録媒体において、レーザー光干渉式表面粗さ計によって測定された、上記磁性層の中心線平均粗さRaが1〜3nmの範囲内にあり、スキューネスRskが0以上1.0未満であり、且つピーク/バレー高低差最大値Rzが50nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 磁性層の厚みが0.01μm〜0.15μmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 磁性層と支持体の間に非磁性層を設けていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 磁性層の抗磁力が159kA/m〜318kA/m(2000Oe〜4000Oe)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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