JP2005216445A - 磁気記録テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】
電磁変換特性と実用信頼性をともに高めた磁気記録テープを提供すること。
【解決手段】
可撓性支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバックコート層を有する磁気記録媒体において、該支持体が固有粘度が0.40dl/g以上0.60dl/g以下、数平均分子量12000以上24000以下であるポリエステルフィルムであり、前記バックコート層の表面において原子間力顕微鏡(AFM)で測定した高さ100nm以上の突起密度が90μm角中10個以上500個以下、かつ50nm以上の突起総数(P50)と100nm以上の突起総数(P100)の比(P50/P100)が10以上100以下であることを特徴とする磁気記録テープ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電磁変換特性および走行に伴うエッジ削れを改善した高密度磁気記録テープに関する。
磁気記録媒体は、音声、画像、文字などあらゆるデーターの記録媒体として広く用いられている。近年では記録するデーターの容量、転送速度の向上に対応して高密度記録へのニーズが高まり、高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体が求められている。また、媒体を繰り返し使用した時の信頼性も同時に要求される。このために、特にテープ媒体ではバックコート層を設けて走行性を改善することが行われている。従来バックコート層で走行性を改善するには、ベース表面に突起を設け、バックコート層の表面を粗くすることによって走行耐久性を改善する試みがなされている。しかしながら、このような方法によってバックコート層の表面を粗くしすぎると、磁気記録テープをハブに巻き上げて保存や処理を行うときにバックコート層と磁性層が圧接してバックコート層の凹凸が磁性層に写る所謂「裏(バック)写り」が生じ、その結果、電磁変換特性が低下してしまうという欠点があった。このような「裏写り」の問題を解消するために、バックコート層の表面を平滑化する試みがなされている。しかしながら、バックコートを平滑にすると巻き取りに伴う同伴エアが抜けにくくなり、テープの飛び出し等、巻き面の不整を起こしやすくなる。巻き面の不整が生じるとテープが走行中に規制ガイドのツバと接触してテープエッジが削れ、ドロップアウトの増加を引き起こす。近年、磁気テープの厚みが薄くなり、エッジ削れの問題はより重要になってきた。
バックコート層を平滑にし、いわゆる裏写りを改善することによって電磁変換特性を向上させることを試みた従来の例としては、粒状酸化チタンとカーボンブラックの混合物を主体とした例が引用文献1に開示されている。また同公報には、針状非磁性粉末の使用も示唆されている。しかしながら、これらの粉体を用いることでバックコート層が平滑性になり裏写りが少なくなるが、平滑になりすぎることで摩擦係数が上昇することで走行中のテンションが上昇しドロップアウトが増加した。また、支持体に関しては、引用文献2、引用文献3に分子量・粘度が開示されている。両広報には分子量を8000〜16000に規定したポリエステル−2,6−ナフタレート(以下PENとするときもある)、あるいは粘度を0.45〜0.53に規定したPENを使用することによりハイエッジを防止できることが示されているが、本発明で規定するバックコートが施されておらず高度な耐久性を達成するには不十分である。このように、従来技術では電磁変換特性とエッジ削れが共に十分に良好な磁気記録テープを提供するには至っていなかった。特に、磁気記録テープ全体の厚さを薄くすることが要求されている今日では、電磁変換特性とエッジ品質が良好である磁気記録テープが求められているにもかかわらず、満足の行く磁気記録テープは提供されていない。
特開平11−259851号公報 特開平7−6351号公報 特開平8−45060号公報
本発明は上記の従来技術の問題を鑑み、裏写りが少なくエッジ削れによるドロップアウト増加が発生しにくい磁気記録テープを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、バックコート層の突起密度分布を特定な範囲にして裏写りと摩擦係数低減を両立し、かつ支持体の分子量を特定の範囲にすることで削れにくいエッジを実現することにより、電磁変換特性と走行に伴うドロップアウト増加抑制が両立できることを見出した。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)可撓性支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバックコート層を有する磁気記録テープにおいて、前記支持体が固有粘度0.40dl/g以上0.60dl/g以下、数平均分子量12000以上24000以下であるポリエステルフィルムであり、前記バックコート層表面において原子間力顕微鏡(AFM)で測定した高さ100nm以上の突起密度が90μm角中10個以上500個以下で、かつ50nm以上の突起総数(P50)と100nm以上の突起総数(P100)の比P50/P100が10以上100以下であることを特徴とする磁気記録テープ。
(2)該可撓性支持体が2層以上の層で構成され、磁性層を形成させる側の表面粗さSRaが1nm以上6nm未満、バックコート層を形成させる側の表面粗さSRbが6nm以上10nm未満であることを特徴とする前記1に記載の磁気記録テープ。
本発明によれば、裏写りが少なくエッジ削れによるドロップアウト増加が発生しにくい磁気記録テープを提供することができる。
本発明の磁気記録テープは、可撓性支持体の一方の面に磁性層を有し、その反対面にバックコート層を有する。本発明の磁気記録テープには、磁性層やバックコート層以外の層を設けることも好ましく、例えば、非磁性粉末を含む非磁性層、軟磁性粉末を含む軟磁性層、第2の磁性層、クッション層、オーバーコート層、接着層、保護層等が挙げられる。これらの層は、その機能を有効に発揮することができるように適切な位置に設けることができる。本発明の磁気記録テープとしては、可撓性支持体と磁性層の間に、非磁性無機粉体と結合剤を含む非磁性層を有するものが好ましい。
本発明において、各層の厚さは、可撓性支持体と磁性層の間に非磁性層を有する場合は、磁性層を例えば0.01〜1μm、好ましくは0.03〜0.5μm、さらに好ましくは0.03〜0.2μmとし、非磁性層を0.5〜3μm、好ましくは0.8〜3μm、さらに好ましくは1〜2.5μmにすることができる。非磁性層は磁性層よりも厚いことが好ましい。また、磁性層を2層有することも可能である。この場合は、例えば上層を0.2〜2μm、好ましくは0.2〜1.5μmにし、下層を0.8〜3μmにすることができる。なお、磁性層を単独で有する場合は、通常0.03〜3μm、好ましくは0.05〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μmにする。また、可撓性支持体と磁性層の間に軟磁性層を有する場合は、例えば磁性層を0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μmにし、軟磁性層を0.8〜3μmにすることができる。なお、磁性層については、後述の強磁性粉末をバインダー中に分散し塗布した、いわゆる塗布型磁性層のみならず、真空下で蒸着またはスパッタリングにより製膜された薄膜型磁性層であってもよい。この薄膜磁性層の場合、その厚さは0.01〜0.3μm、より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲から選定される。本発明の磁気記録テープに形成するバックコート層の厚さは、0.05〜1.0μmの範囲内に設定する。その中でも0.1〜0.8μmの範囲内に設定するのが好ましく、0.2〜0.6μmの範囲内に設定するのがより好ましい。
[磁性層]
<強磁性粉末>
本発明の磁気記録テープの磁性層に用いられる強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄、バリウムフェライト粉末又は強磁性金属粉末等が好ましい。
強磁性粉末はSBET(BET比表面積)が40〜80m/g、好ましくは50〜70m/gであることが好ましい。結晶子サイズは5〜25nm、好ましくは8〜15nmであり、特に好ましくは8〜12nmである。尚、結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値である。長軸長は0.02〜0.25μmであり、好ましくは0.03〜0.2μmであり、特に好ましくは0.03〜0.15μmである。強磁性粉末のpHは7以上が好ましい。
強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等の単体又は合金が挙げられる。強磁性金属粉末中のCo含有量は、Fe原子に対する原子比で、Co/Fe=5/95〜40/60であることが好ましく、10/90〜30/70であることがより好ましい。さらに、金属成分の20重量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含ませることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.8kA/m(2000〜3000 Oe)であり、さらに好ましくは167.2〜230.8kA/m(2100〜2900 Oe)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは80〜140A・m2/kg(140〜170emu/g)であり、さらに好ましくは90〜130A・m2/kg(145〜160emu/g)である。磁性体自体のSFD(switchingfield distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
本発明の磁性層に含まれるバリウムフェライト粉末としては、より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト、一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト等が挙げられ、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。バリウムフェライト粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量はバリウムフェライトに対し0.1〜10%であることが好ましい。
バリウムフェライト粉末の抗磁力(Hc)は、159〜239kA/m(2000〜3000 0e)程度の範囲であることが好ましい。抗磁力(Hc)は高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。抗磁力(Hc)は粒子サイズ、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化(σs)は、30〜80A・m2/kgであることが適当であり、50〜80A・m2/kgであることが好ましい。
これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができ、例えば下記の方法を挙げることができる。強磁性金属粉末の製法としては、(1)焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、(2)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、(3)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、(4)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて粉末を得る方法などがある。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理が施される。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
また、バリウムフェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム、酸化鉄、鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得ガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後、100℃以上で液相加熱し、洗浄、乾燥及び粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等がある。
本発明において、強磁性粉末の形状に特に制限はなく、通常の針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどが使用できるが、特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
本発明においては、結合剤、硬化剤及び強磁性粉末を、通常、磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、トルエン等の溶剤と共に混練分散して磁性層形成用塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。磁性層形成用塗料は、上記成分以外に、α−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含んでいてもよい。
<結合剤>
本発明の磁性層に用いられる結合剤は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び反応型樹脂については、いずれも朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。
また、電子線硬化型樹脂を磁性層に使用すると、塗膜強度が向上し耐久性が改善されるだけでなく、表面が平滑され電磁変換特性もさらに向上する。これらの例とその製造方法については、特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。
以上の樹脂は単独又はこれらを組み合わせた態様で使用することができる。中でもポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、さらには水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物などの環状構造体と、アルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5000のポリオールと、鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと、有機ジイソシアネートとを反応させ、かつ親水性極性基を導入したポリウレタン樹脂、又はコハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族二塩基酸と、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールと、鎖延長剤として2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと、有機ジイソシアネート化合物とを反応させ、かつ親水性極性基を導入したポリウレタン樹脂、又はダイマージオール等の環状構造体と、長鎖アルキル鎖を有するポリオール化合物と、有機ジイソシアネートとを反応させ、かつ親水性極性基を導入したポリウレタン樹脂を使用することが好ましい。
本発明で使用される極性基含有ポリウレタン系樹脂の平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、さらには10,000〜50,000であることが好ましい。平均分子量が5,000以上であれば、得られる磁性塗膜が脆い等といった物理的強度の低下もなく、磁気記録テープの耐久性に影響を与えることはないため好ましい。また、分子量が100,000以下であれば、溶剤への溶解性が低下することもないため、分散性も良好である。また、所定濃度における塗料粘度も高くなることはないので、作業性が良好で取り扱いも容易となる。
上記ポリウレタン系樹脂に含まれる極性基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2(以上につき、Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2、−N+3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNなどが挙げられ、これらの極性基の少なくとも1つ以上を共重合又は付加反応で導入したものを用いることができる。また、この極性基含有ポリウレタン系樹脂がOH基を有する場合、分岐OH基を有することが硬化性、耐久性の面から好ましく、1分子当たり2〜40個の分岐OH基を有することが好ましく、1分子当たり3〜20個有することがさらに好ましい。また、このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
本発明の磁性層に用いられる結合剤の添加量は、強磁性粉末の質量に対して5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合には、ポリウレタンのみ又はポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。その他の樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には5〜30質量%の範囲であることが好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場合は、ガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm2)、降伏点は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm2)であることが好ましい。
本発明で用いる磁気記録テープは、可撓性支持体の片面側に2層以上を構成できる。したがって、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層、各磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
本発明で使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF、CCl、CBr等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
次に、本発明において上記の結合剤、強磁性粉末とともに磁性層に含有させることのできる添加物について説明する。
<カーボンブラック>
本発明において、磁性層で使用されるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g 、DBP吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlであることが好ましい。具体的には、WO98/35345に記載のもが挙げられる。
カーボンブラックは分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって、本発明が多層構成の場合には、各層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子径、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化することが好ましい。
<研磨剤>
本発明において、磁性層に研磨剤を含有させることができる。研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合わせで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。
本発明において研磨剤は、主成分以外の化合物又は元素を含む場合もあるが、主成分が90%以上であれば効果に変わりはない。これら研磨剤の平均粒子径は、0.01〜2μmであることが好ましく、特に電磁変換特性(S/N又はC/N)を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには、必要に応じて粒子径の異なる研磨剤を組み合わせ、あるいは単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。
研磨剤のタップ密度は、0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/g であることが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状及びサイコロ状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが、研磨性が高くて好ましい。具体的には、WO98/35345に記載のものが挙げられ、中でもダイヤモンドを同記載のごとく用いると、走行耐久性及び電磁変換特性の改善に有効である。磁性層、非磁性層に添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
<その他の添加剤>
本発明において磁性層に添加できるその他の添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを有するものが挙げられ、これらを組み合わせることにより総合的な性能向上を図ることができる。潤滑効果を示すものとしては、物質表面同士の摩擦により生じる凝着に著しい作用を示す潤滑剤が使用される。潤滑剤には2つの型のものがある。磁気記録テープに使用される潤滑剤は、完全に流体潤滑か境界潤滑であるか判定することはできないが、一般的概念で分類すれば流体潤滑を示す高級脂肪酸エステル、流動パラフィン、シリコーン誘導体などや境界潤滑を示す長鎖脂肪酸、フッ素系界面活性剤、含フッ素系高分子などに分類される。塗布型媒体では、潤滑剤は結合剤に溶解した状態、また一部は強磁性粉末表面に吸着した状態で存在するものであり、磁性層表面に潤滑剤が移行してくるが、その移行速度は結合剤と潤滑剤との相溶性の良否によって決まる。結合剤と潤滑剤との相溶性が高いときは移行速度が小さく、相溶性の低いときには早くなる。相溶性の良否に対する一つの考え方として、両者の溶解パラメーターの比較がある。流体潤滑には非極性潤滑剤が有効であり、境界潤滑には極性潤滑剤が有効である。
本発明において、これら特性の異なる流体潤滑を示す高級脂肪酸エステルと境界潤滑を示す長鎖脂肪酸とを組み合わせることが好ましく、少なくとも3種組み合わせることがさらに好ましい。これらに組み合わせて固体潤滑剤を使用することもできる。
固体潤滑剤としては例えば二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛などが使用される。境界潤滑を示す長鎖脂肪酸としては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、及びこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)が挙げられる。フッ素系界面活性剤、含フッ素系高分子としてはフッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩などが挙げられる。流体潤滑を示す高級脂肪酸エステルとしては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステルなどが挙げられる。また流動パラフィン、そしてシリコーン誘導体としてジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)などのシリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーンなどが挙げられる。
その他の潤滑剤として炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、フッ素含有アルコールなどのアルコール、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレングリコール、ポリエチレンオキシドワックスなどのポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが挙げられる。
本発明において使用される潤滑剤は、特に脂肪酸と脂肪酸エステルであることが好ましく、具体的にはWO98/35345に記載のものが挙げられる。これらに加えて別異の潤滑剤、添加剤も組み合わせて使用することができる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。
これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明は、脂肪酸エステルとしてWO98/35345に記載のようにモノエステルとジエステルを組み合わせて使用することも好ましい。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量及び相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は、目的に応じ最適に定められるべきものである。非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への滲み出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面への滲み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として磁性粉末または非磁性粉末100質量部に対し、0.1〜50質量部、好ましくは2〜25質量部の範囲で選択される。
また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性塗料及び非磁性塗料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合もある。また、目的によってはカレンダーした後、またはスリット終了後に、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
[下層]
本発明の磁気記録テープは、磁性層の下層に非磁性層(下層非磁性層)又は磁性層(下層磁性層)を有する多層構成であってもよく、下層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を問わない。
本発明の下層に非磁性粉末を用いる場合、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物や非磁性金属から選択することができる。無機化合物としては、例えば酸化チタン(TiO2、TiO)、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化タングステン、酸化バナジウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、ゲーサイト、水酸化アルミニウムなどを単独又は組合せで使用することができる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは特開平5−182177号公報に記載の二酸化チタン、および特開平6−60362号公報、特開平9−170003号公報に記載のα−酸化鉄である。非磁性金属としては、Cu、Ti、Zn、Al等が挙げられる。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmであるのが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは、平均粒径が0.01μm〜0.2μmの非磁性粉末である。非磁性粉末のpHは6〜9であるのが特に好ましい。非磁性粉末のSBET(BET比表面積)は1〜100m2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmであるのが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれであっても良い。
また軟磁性粉末としては、粒状Fe、Ni、粒状マグネタイト、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Ni、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Fe−Al−Co(センダスト)合金、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mg−Znフェライト、Mg−Mnフェライト、その他、近角聡信著(「強磁性体の物理(下)磁気特性と応用」(裳華房、1984年)、368〜376頁)に記載されているもの等が挙げられる。これらの非磁性粉末や軟磁性粉末の表面はその少なくとも一部がAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで被覆されるように表面処理しておくのが好ましい。このうち、特に良好な分散性を与えるのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いてもよい。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで被覆されるべく処理した後にその表層をシリカで被覆されるべく処理する方法、又はその逆の方法を採ってもよい。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、一般に均質で密である方が好ましい。
これら下層にカ−ボンブラックを混合させることによって、表面電気抵抗Rsを下げ、しかも所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。カ−ボンブラックの平均一次粒径は5nm〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。具体的には、後述のバックコート層に用いることができるカーボンブラックと同じものを用いることができる。
本発明の下層にはまた、無機粉末として磁性粉末を用いることもできる。磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等が用いられる。下層の磁性粉末は、目的に応じて選定することができ、本発明の効果は磁性粉末の種類には依存しない。ただし、目的に応じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りである。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層のHcを上層磁性層のHcより低く設定するのが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のBrより高くするのが有効である。それ以外にも、公知の重層構成を採ることによる利点を付与させることができる。
下層で用いられる結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、上述の磁性層のものを適用できる。特に、結合剤量及び種類、添加剤及び分散剤の添加量と種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
[バックコート層]
本発明の磁気記録テープは、磁性層を有する面とは反対側の可撓性支持体面上に、バックコート層を有する。
本発明に係る磁気記録テープのバックコート層には、非磁性粉末を結合剤に分散したものが用いられる。バックコート層の表面において原子間力顕微鏡(AFM)で測定した高さ100nm以上の突起密度は90μm角中10〜500個、好ましくは20〜300個、より好ましくは20〜200個であり、50nm以上の突起総数(P50)と100nm以上の突起総数(P100)の比P50/P100が10以上100以下、好ましくは20以上80以下である。突起密度分布はバックコート層に含まれるフィラーの粒径・分散状態、支持体表面の突起、バックコート層の厚みにより制御される。高さ100nm以上の突起密度が90μm角中500個を超えて存在すると、バック写りによりS/N(C/N)が低下してしまう。一方、10個未満であると、平滑すぎて摩擦が増大し、ドロップアウトが増加してしまう。P50/P100が10以上100以下とすることで、良好なS/N(C/N)及び走行耐久性を達成することができる。
前記バックコート層に用いる非磁性粉末としてはカーボンブラック、金属微粉末、有機フィラー、金属酸化物などがあるが、化学的な安定性と分散性に優れる点でカーボンブラックもしくは金属酸化物が好ましく、これらを混合して用いてもかまわない。金属酸化物としては、酸化チタン、α−酸化鉄、ゲータイト、SiO2、SnO2、WO3、Al23、ZrO2、ZnO等が挙げられ、粒子サイズは粒状の場合5〜100nm、好ましくは10〜70nmである。針状の場合は長軸長0.05〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.4μm、より好ましくは0.07〜0.3μmである。板状の場合は板の最大径が平均で0.05〜2μm、好ましくは0.05〜1μmである。
バックコート層に含まれるカーボンブラックは、導電性を付与させる目的で平均一次粒径50nm以下、好ましくは10〜40nmのカーボンブラックを用いることができ、酸化物と混合する場合は重量比で酸化物:カーボンブラック=60:40〜90:10、好ましくは70:30〜90:10の範囲で混合して用いることができる。カーボンブラックの粒径は50nmを超えると、ストラクチャーが発達しないために電気抵抗が低下しない。一方、10nmより小さいと凝集がひどくバックコート面に突起が形成され、裏写りが顕著になる。
さらに、バックコート層には本発明で規定する突起密度を得るため、また固体潤滑剤としての機能を持たせるため、平均一次粒径80nm以上のカーボンブラックを添加することが好ましい。添加量は上記の酸化物あるいは平均一次粒径50nm以下のカーボンブラックの合計100部に対して0.1〜30部、好ましくは0.3〜20部、より好ましくは0.5〜25部である。多すぎると、バックコート面の突起数が増加して裏写りが顕著になる。少ないと所望の突起密度が得られない。
カ−ボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlであるのが好ましい。粒径50nm以下のカーボンブラックのSBET比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。また、粒径80nm以上のカーボンブラックの比表面積は5〜100m2/g、好ましくは5〜30m2/g、DBP吸油量は20〜120ml/100g、好ましくは30〜110ml/100gである。
本発明のバックコート層用結合剤には、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等を用いることができる。好ましい結合剤は、塩素を含有しないニトロセルロース等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂である。その中でも、Tgが80℃〜140℃のポリウレタン樹脂を用いるのが、保存性改善のために、より好ましい。さらに、該バックコート層はモース硬度9以上でかつ平均一次粒径がバックコート層厚みの10〜40%である研磨粒子を含有することが、走行耐久性をより向上出来る点で好ましい。研磨粒子としては、α−アルミナ、酸化クロム、人工ダイヤモンド、カーボン性窒化硼素(CBN)等を挙げることができる。中でも、平均粒径が0.3μm以下であり、粒径がバックコート層厚みの10〜40%であるものを使用するのが好ましい。10%に満たないと、バックコート層に粒子が埋没し研磨剤としての役割がなく、40%を超えると突起が増加し裏写りが劣化する。
[可撓性支持体]
本発明に用いられる可撓性支持体は非磁性のもの、例えば、二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルを用いることができる。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げることができる。
本発明のポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属、(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
本発明のポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料などの各種添加剤の1種又は2種以上を添加させてもよい。
本発明のポリエステルのフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定したポリエステルの固有粘度は0.40 dl/g以上0.60 dl/g以下であり、好ましくは0.43dl/g以上0.57dl/g以下、より好ましくは0.45dl/g以上0.55dl/g以下である。
本発明でいう固有粘度とは、可撓性支持体を構成する高分子全体の固有粘度を意味し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(60/40:質量比)混合溶媒に可撓性支持体(なお、粉体など不溶な固形分は除く)を溶解したときの濃度を横軸に、縦軸にその溶液に対応する相対粘度をウベローデ粘度計で25℃にて測定して得られたものをプロットして濃度が0の点を外挿して求められるものを指す。固有粘度が0.4未満では重合度が低いため、フィルム形成性および強度が上がらず、0.6より大きいとスリット工程でスリットエッジのベース面の出っ張りとバリが大きくなりこの部分が走行中に削れを起こしやすくなる。
さらに、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による本発明のポリエステルの数平均分子量(Mn)(PMMA換算)は12000〜24000であり、1400〜22000であることが好ましい。
本発明のポリエステルは前述の合成方法によって得られるが、合成過程において分子量を制御することにより、所望の分子量及び粘度を有するポリエステルを得ることができる。制御方法は特に限定されず、例えば反応時において所望の分子量になった時点で反応停止剤等を添加する等の方法がある。
本発明におけるポリエステルフィルムは、長手方向のヤング率が7.0GPa以上8.6GPa以下で、幅方向のヤング率が5.4GPa以上8.0GPa以下であることが好ましい。この長手方向のヤング率が8.6GPaを超えると、ヘッドタッチが不良になる場合がある。また幅方向のヤング率が5.4GPa未満であると、磁気テープの幅強度が不充分で、テープが走行する際テープパスを規制するガイドのつばよりテープが折れ易くなり、好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムは、さらに、磁性層を設ける側の表面(A面)の表面粗さSRa(A)が1.0nm以上6.0nm未満であることが好ましく、より好ましくは1.5〜5.5nmである特性を有する。尚、表面粗さとは触針式三次元表面粗さ計を用いて測定した値である。1.0nm未満では磁気テープとしたときの走行耐久性が不足し、一方6nm以上では磁気テープとしたときの出力やS/N(C/N)が不足するために好ましくない。
また本発明におけるポリエステルフィルムの磁性層側の裏面(B面)の触針式三次元表面粗さ計を用いた表面粗さSRb(B)は6.0nm以上10.0nm未満であることが好ましく、より好ましくは6.5〜9.0nmである。6nm未満となると、摩擦係数が上がってフィルムのハンドリング性が悪化し、一方上限を超えると、フィルムをロール上に巻き取った際にB面の粗さがA面側に裏移りや形状転写してA面側を粗くするため、好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムの磁性層を設ける側の表面(A面)を形成するポリエステルは、平均粒径が30〜150nm、好ましくは40〜100nmの微細粒子を0.1重量%以下、好ましくは0.06重量%以下含むものが望ましい。磁性層の耐久性の点からは上記微細粒子を含ませるのが望ましい。この微細粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル粒子、ポリスチレン粒子が好ましく使用できる。
さらに可撓性支持体の製膜工程、磁気記録テープの製造工程、テープの走行性から、本発明におけるポリエステルフィルムの磁性層塗布側の裏面(B面)は磁性層側(A面)より粗面であることが好ましい。
B面を粗くする方法は特に限定されないが、微細粒子の種類、平均粒径及び/又は含有量の違う2種のポリエステルフィルム層を互いに積層する方法が好ましい。ポリエステルフィルム層を積層する方法としては、共押出し法が好ましく用いられる。その際、B面を形成するポリエステルフィルム層の厚さは、全フィルムの厚さの1/2〜1/10であることが好ましい。そして、B面を形成するポリエステルフィルム層に用いられる微細粒子としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレン粒子、シリコーン樹脂粒子等が例示される。平均粒径としては好ましくは80〜800nm、より好ましくは100〜700nmであり、(B)面を形成するポリエステルに対して0.05〜1.0重量%添加することが好ましく、0.08〜0.8重量%であることがより好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、従来公知の方法に準じて製造することが出来る。例えば、公知の押出し機を用いて、A面を形成するポリエステルとB面を形成するポリエステルとをダイ内で積層して口金より融点(Tm)〜Tm+70℃の温度でシート状に押出した後、40〜90℃で急冷固化し積層未延伸フィルムを得る。しかる後に、該未延伸フィルムを常法に従って一軸方向に(ガラス転移温度(Tg)−10)〜(Tg+70)℃付近の温度で2.5〜4.5倍の倍率で、好ましくは2.8〜3.9倍の倍率で延伸した後、前記方向とは直角方向にTg〜(Tg+70)℃付近の温度で4.5倍〜8.0倍の倍率で、好ましくは4.5〜6.0倍の倍率で延伸し、更に必要に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸し二軸配向フィルムを得る。即ち、二段、三段、四段、あるいは多段の延伸を行うとよい。全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常12倍以上、好ましくは12〜32倍、更に好ましくは14〜26倍である。更に引き続いて、二軸配向フィルムは(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度、例えば180〜250℃で熱固定結晶化することによって優れた寸法安定性を付与される。尚、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。この熱固定処理で、縦方向及び/又は横方向に3.0%以下、さらには0.5〜2.0%の割合で弛緩させて熱収縮率を調整することは好ましいことである。
[製造方法]
本発明の磁気記録テープの製造は、例えば、乾燥後の層厚が前述の所定の範囲内になるように、走行下にある可撓性支持体の表面に塗料を蒸着または塗布してゆくことによって行うことができる。複数の磁性塗料もしくは非磁性塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。磁性塗料を塗布するための塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。片面に2以上の層を有する磁気記録テープを製造するときには、例えば以下の方法を用いることができる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置によってまず下層を塗布し、下層が乾燥する前に特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置等を用いて、上層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されている塗料通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッド等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
塗布した磁性層は、磁性層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理した後に乾燥する。磁場配向処理は、当業者に周知の方法によって適宜行うことができる。磁性層は、乾燥後にスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化処理する。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上する。このため、電磁変換特性の高い磁気記録テープを得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒テープは、平滑性が良好な表面を有しているのが好ましい。平滑性を良好にするためには、例えば上述したように特定のバインダーを選んで形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すのが有効である。カレンダー処理は、カレンダーロールの温度を60〜100℃、好ましくは70〜100℃、特に好ましくは80〜100℃にし、圧力を100〜500kg/cm、好ましくは200〜450kg/cm、特に好ましくは300〜400kg/cmにして行う。得られた磁気記録テープは、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。また、カレンダー処理を経た磁気記録テープは、熱処理するのが一般的である。最近では、高密度磁気記録テープの直線性(オフトラックマージン確保)のために、熱収縮率を下げることが重視されている。特に、狭トラック化に伴い、使用環境下でのMD方向(長手方向)の収縮率を0.07%以下に抑えることが求められている。熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルク又はカセットに組み込んだ場合のようにテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)がある。前者を用いた場合は、バック面の凹凸が写る危険性は少ないが、熱収縮率を大きく下げることはできない。アニール温度、滞在時間及びテープ厚、ハンドリングテンションによって多少変わるが、70℃、48時間後の熱収縮率で0.1〜0.12%が限界である。後者のサーモ処理は熱収縮率を大幅に改善できるが、バック面の凹凸がかなり写ってしまうため、磁性層が面粗れして出力低下とノイズ増加を引き起こす。
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録テープの磁性層の飽和磁束密度は100〜300mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.6kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
本発明で用いられる磁気記録テープのヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面10〜1012Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm)、磁気記録テープの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10Pa(1×10〜8×10dyne/cm)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。これらは可撓性支持体のフィラーによる表面性のコントロールやカレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録テープとして非磁性層と磁性層で構成した場合、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録テープのヘッドへの当りを良くすることができる。
以下に実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。実施例中「部」との表示は「重量部」を意味する。
(磁気記録テープの製造)
以下に記載する方法にしたがって、下記の磁気記録テープを製造した。
1.下層塗布液組成
非磁性粉体 α−Fe23 80部
平均長軸長 0.15μm 針状比 8.5
BET法による比表面積 56m2/g
pH8、Fe23含有量90%以上
DBP吸油量27〜38ml/100g
表面処理剤Al
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径 16nm
DBP吸油量 80ml/100g
pH 8.0
BET法による比表面積 250m2/g
揮発分 1.5%
塩化ビニル共重合体 10部
SOK、エポキシ基含有、平均重合度310
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1 (MDI:メチレンジイソシアネート)
−SONa基 1×10−4eq/g含有
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
2.磁性層塗布液組成
強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=75/25 100部
Hc 2400 Oe、BET法による比表面積 58m2/g
結晶子サイズ 120Å、表面処理剤Al,
粒子サイズ(長軸径) 0.045μm、針状比 4.5
σs:112emu/g
塩化ビニル系共重合体 5部
SOK、エポキシ基含有、平均重合度310
ポリエステルポリウレタン樹脂 3部
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1
−SONa基 1×10−4eq/g含有
α−アルミナ(粒子サイズ0.1μm) 5部
カ−ボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分をニ−ダ−で混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを下層の塗布液には3部、上層磁性層塗布液には1部を加え、さらにそれぞれにメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え,1μmの平均孔径を有するフィルタ−を用いて濾過し、下層、上層磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調整した。得られた下層塗布液を、乾燥後の厚さが1.2μmになるようにさらにその直後にその上に磁性層の厚さが0.1μmになるように、厚さ5.5μmで、固有粘度0.50dl/g、数平均分子量18000であり、2層から構成され磁性面側のSRaが2.4nm、バック層側の表面SRbが7.3nmであるポリエチレンナフタレ−ト支持体上に同時重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1500Gの磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥後、さらに以下でしめす組成のバックコート層塗布液を乾燥厚み0.5μmに塗布して乾燥させたのち、金属ロ−ルのみから構成されるカレンダーで温度90℃にて処理を行い、1/2インチ幅にスリットし、磁気テ−プを製造した。
3.バック層塗布液組成
混練物 (1)
カーボンブラックA 粒径 40nm 100部
ニトロセルロース RS1/2 50部
ポリウレタン樹脂
(ガラス転移温度: 50℃) 40部
分散剤 オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
混練物 (2)
カーボンブラックB 10部
BET比表面積 8.5m/g pH 10
平均一次粒径 100nm; DBP吸油量 36ml/100g
ニトロセルロース RS1/2 40部
ポリウレタン樹脂 10部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
混練物(1)をロールミルで予備混練した後、上記(1)と(2)とを実施例1ではカーボンブラックA100部に対してカーボンブラックBが10部になるように混合した後、サンドグラインダーで分散し、完成後、ポリエステル樹脂を5部、ポリイソシアネートを5部それぞれ添加した。
(試験方法)
<支持体の固有粘度測定>
ポリエステルフィルムをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒で溶解し、ウベローデ粘度計をセットした自動粘度計にて25℃で測定した。
<支持体の数平均分子量の測定>
ポリエステルフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、東ソー製GPC HLC−8220(カラム構成SuperHM−M×2本、カラム槽温度40℃)で溶離液として同じくHFIPを使用し、分子量既知のポリメタクリレートメチル(PMMA)を使用して作成した検量線から求めた。
<バックコート層表面の突起密度の測定>
原子間力顕微鏡で90μm四方の突起高さと個数をタッピングモードで測定した。突起高さは中心面(平面と粗さ曲線で囲まれた体積が平面に対して上下で等しく、かつ最小になる平面)を基準面とした高さと定義した。
<支持体の表面粗さSRa、SRbの測定>
SRa及びSRbは小坂研究所製触針式粗度計を用いJISB0601に準拠して測定した。
<C/N比の測定>
記録ヘッド(MIG 、ギャップ0.15μm、トラック幅18μm、1.8 T)と再生用MRヘッド(シールド型:シールド間gap0.2μm、トラック幅4μm)をドラムテスターに取り付けて測定した。
ヘッド−メディア相対速度10m/minで記録波長0.2μm(50MHz)の単周波信号を記録、再生信号をシバソク製スペクトラムアナライザーにて周波数分析し前記単周波信号の出力電圧と、0.5MHz離れたノイズ電圧の比をC/Nとした。再生時にはMRヘッドに、再生出力が最大になる様に、バイアス電流を印可した。
保存特性は、テープをリールに巻いた状態で60℃90%RHのもとで1週間保存した後に上記の測定を行ったものである。保存前、保存後それぞれにおいて、C/Nが50dB以上であることが好ましい。
<ドロップアウト増加の測定>
LTO Ultrium−1のカートリッジにテープを600m巻き取り、同ドライブ(IBM社製)で搬送速度5m/secで100kfciの信号を全長記録し、35℃85%RHの環境中で1万往復走行させた後のドロップアウト(残留出力25%)の増加数を全長に渡って測定し1mあたりの平均値を算出した。ドロップアウト増加数は、1.5個以下であることが好ましい。
Figure 2005216445
バックコートの突起密度はカーボンブラックBの配合量で調整した。なお、実施例2においてはカーボンブラックBを15部、実施例3及び実施例4においては5部添加した。
実施例1〜3で作製した磁気記録テープはC/N比に優れ、またドロップアウト数の増加も少なかった。一方、支持体を単層構成とした実施例4においては、C/N比が実施例1〜3に比べて劣り、保存後の値は目標値である50dBを下回った。
比較例1では、単層構成で粘度・分子量が大きく粗い支持体を使用した。バックコート層は実施例1と同様のものを使用し、厚みを0.2μmと薄くした。バック写りのため保存前後ともにC/N比が低かった。また、摩擦は低いが、分子量が大きいためテープエッジのバリが多くドロップアウト増加数が多かった。
比較例2においては、重層支持体において、高分子量かつ磁性面側を平滑にし、バック面側のフィラーを増量してP50を小さくした。また、バックコート層にはカーボンブラックBを添加しなかった。保存後のバックコート写りのためC/N比の劣化が大きい。
比較例3では、低粘度・低分子量の平滑な支持体を使用し、比較例2と同じバックコート層を使用した。C/N比は最も優れるが大幅なドロップアウト増加が発生した。
比較例4においては、低粘度・低分子量で粗い支持体を使用し、バックコート層は実施例1と同じものを使用した。C/N比に劣り、摩擦は低いが支持体が脆弱なのでドロップアウト増加が多かった。

Claims (2)

  1. 可撓性支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバックコート層を有する磁気記録テープにおいて、該支持体が固有粘度が0.40dl/g以上0.60dl/g以下、数平均分子量12000以上24000以下であるポリエステルフィルムであり、かつ前記バックコート層の表面において原子間力顕微鏡(AFM)で測定した高さ100nm以上の突起密度が90μm角中10個以上500個以下で、かつ50nm以上の突起総数(P50)と100nm以上の突起総数(P100)の比(P50/P100)が10以上100以下であることを特徴とする磁気記録テープ。
  2. 該可撓性支持体が2層以上の層で構成され、磁性層を形成させる側の表面粗さSRaが1nm以上6nm未満、バックコート層を形成させる側の表面粗さSRbが6nm以上10nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録テープ。
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