JPH09312013A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH09312013A
JPH09312013A JP12991596A JP12991596A JPH09312013A JP H09312013 A JPH09312013 A JP H09312013A JP 12991596 A JP12991596 A JP 12991596A JP 12991596 A JP12991596 A JP 12991596A JP H09312013 A JPH09312013 A JP H09312013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
magnetic recording
layer
magnetic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12991596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Yuichiro Murayama
裕一郎 村山
Masanori Satake
正紀 佐武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP12991596A priority Critical patent/JPH09312013A/ja
Publication of JPH09312013A publication Critical patent/JPH09312013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行耐久性、保存性に優れた磁気記録媒体用
を得る。 【解決手段】 強磁性微粉末と結合剤を有機溶剤中に分
散した磁性塗布液を非磁性支持体上に塗布、乾燥して磁
性層を設けた磁気記録媒体において、有機溶剤がN,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ドから選ばれる少なくとも一種以上のアミド系溶剤を含
み、乾燥後の磁性層厚みが4μm以下であり、磁性層中
には実質的にアミド系有機溶剤が残留していない磁気記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性微粉末と結合剤とを分
散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録
媒体において、極めて優れた電磁変換特性と耐久性をも
つ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つ
ことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得
るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添
加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダ
では、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナ
ログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/
分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転
数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度
が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように
小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる
成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われて
いる。
【0005】そこで、磁性層の硬度を高めるためにポリ
ウレタンもしくはポリウレタン樹脂を結合剤とした塗膜
強度が高い磁気記録媒体が提案されている。
【0006】例えば、特願平4−135769号には、
シクロヘキサン中の慣性半径が5〜25nmのポリウレ
タンを用いることが記載されている。ポリウレタンの特
定の物性を有するポリウレタンを用いた磁気記録媒体が
記載されており、強磁性微粉末とポリウレタンからなる
結合剤を有機溶剤中に分散した磁性塗布液を作製するた
めに使用する溶剤としては、一般的な有機溶剤が示され
ており、好ましいものとして、表面張力が高く塗布性が
良好なシクロヘキサノン、ジオキサンが挙げられてお
り、実施例にはメチルエチルケトン、シクロヘキサノン
が挙げられているのみである。
【0007】また、特開平5−282654号公報に
は、塗布性に優れた磁気記録媒体が記載されており、磁
性塗布液を作製するための各種の有機溶剤が用いられる
ことが記載されており、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、
メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等の炭化水素など
の数多くの有機溶剤が開示されているが、これらをポリ
ウレタン樹脂の溶剤とした場合には、得られる磁気記録
媒体は分散性、耐久性が不充分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は分散性が高
く、塗膜表面の硬度が高く優れた電磁変換特性が得られ
走行耐久性に優れ、特に高温環境での耐久性、および保
存後の走行性、保存性に優れる磁気記録媒体を提供する
ことを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、強磁性微粉末
と結合剤を有機溶剤中に分散した磁性塗布液を非磁性支
持体上に塗布、乾燥して磁性層を設けた磁気記録媒体に
おいて、前記有機溶剤がN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドから選ばれる少なく
とも一種以上のアミド系溶剤を含み、乾燥後の磁性層厚
みが4μm以下である磁気記録媒体である。また、磁性
層中には、アミド系溶剤が残留量が磁性層の0.5重量
%以下である前記の磁気記録媒体である。結合剤が極性
基を分子内にもつポリウレタンである前記の磁気記録媒
体である。また、前記ポリウレタンのガラス転移温度
(Tg)が30〜150℃である磁気記録媒体である。
前記ポリウレタンが分子中に環構造を有する磁気記録媒
体である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、強磁性微粉末と結合剤
を有機溶剤中に分散した磁性塗布液を非磁性支持体上に
塗布、乾燥して磁性層を設けた磁気記録媒体において、
強磁性微粉末と結合剤を分散する有機溶剤として、従
来、磁気記録媒体の製造に用いられていなかったN,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ドから選ばれる少なくとも一種以上のアミド系溶剤を用
いた磁気記録媒体である。これらの有機溶剤の添加量
は、塗布液全溶剤中の0.1〜30重量%が好ましく、
0.5〜15重量%とすることが更に好ましい。0.1
重量%よりも少ないと分散性、平滑性、保存性の改善の
効果が小さく、30重量%よりも多いと残留溶剤が多く
なり塗膜強度が低下し、耐久性、耐きず性が低下し、乾
燥負荷も大きくなり、生産性が低下する。塗布液中の全
溶剤の添加量は、磁性層塗布液においては磁性粉末の1
00重量部に対して150〜600重量部が好ましく、
更に好ましくは200〜400重量部である。非磁性塗
布液用の溶剤とする場合には、非磁性粉末に対して磁性
粉末に対する割合と同様にすることが好ましい。
【0011】また、アミド系有機溶剤は、磁性粉末、結
合剤の混練時、分散時に混合することが好ましく、分散
時の混合によって分散性の向上へ寄与することができ
る。複数の塗布層を有する磁気記録媒体においては、各
層の塗布液にアミド含有有機溶剤を含んでも良いが、磁
性層のみに含んでも良い。また、磁性層以外の非磁性下
層に含んだ場合には、とくに平滑性が向上するので好ま
しい。
【0012】また、本発明のアミド含有有機溶剤には、
各種の有機溶剤を併用することができる。こうした有機
溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコ
ール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸グリコール、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフ
ラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル等の環状エーテル類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クレゾール等の芳香族炭化水素類、メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素類などを挙げることができ
る。これらのうち、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸グリコー
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等を用い
ることが好ましく、溶解性パラメータが8〜11であ
り、50〜200℃のものが好ましい。また、これらの
アミド基を含まない溶剤の複数を混合して用いてもよ
く、これらの溶剤の添加量は、磁性体あるいは非磁性粉
体100重量部に対して、0.1〜10部、さらに好ま
しくは1〜5部である。
【0013】本発明の磁気記録媒体の磁性層は、非磁性
支持体上に単層磁性層、複数の磁性層、非磁性層と磁性
層を積層したもののいずれでもよい。磁性層が単層であ
る場合には、磁性層厚みは4μm以下であり、好ましく
は3μm以下である。また、更に好ましくは2.5μm
以下である。磁性層が厚いとアミド系溶剤が乾燥しにく
く磁性層の強度が低下し、耐久性上好ましくない。ま
た、複数の磁性層又は磁性層と非磁性層を積層した場合
には、複数層の総厚を4μm以下とすることが好まし
い。
【0014】結合剤としては、とくに極性基含有ポリウ
レタン樹脂を用いることによって、硬度が大きくて耐久
性の大きな磁気記録媒体を得ることができる。極性基と
しては、−SO3M、−SO4M、−OPO(OM)2
−PO(OM)2 、−COOM、スルホベタイン基、カ
ルボベタイン、アミン、アンモニウム塩基(ここで、M
は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ム塩を示す)などが用いられる。ポリウレタン中の極性
基の量が1×10-6eq/g〜2×10-4eq/gとな
るように含むのが好ましい。さらに好ましくは1×10
-5〜2×10-4eq/gである。1×10-6eq/gよ
りも少ないと耐久性が低下し、2×10-4eq/gより
も多いと平滑性が低下し電磁変換特性が低下する。
【0015】また、芳香環及びまたは脂環を2mmol
/g〜8mmol/g含むのが好ましい。さらに好まし
くは4mmol/g〜7mmol/gである。環構造
は、長鎖ポリオール成分、鎖延長剤、ジイソシアネート
成分のいずれに含んでいてもよい。芳香環としてベンゼ
ン環が好ましく、脂環としてはシクロヘキサン環が好ま
しい。環構造によってジエステル化合物との相溶性を低
く抑えることができ、塗膜の力学強度を向上することが
できる。多すぎると塗膜が脆くなるので好ましくない。
【0016】また、本発明のポリウレタン樹脂のウレタ
ンの構造には、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウ
レタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネ
ートウレタン等の構造のものを用いることができる。環
構造の濃度を高めるには芳香族ポリエステルポリオー
ル、芳香族/脂環族ポリエステルポリオール、芳香族グ
リコール変性のポリエーテルポリオール、脂環族グリコ
ール変性のポリエーテルポリオール、などをポリオール
に用いるのが好ましい。また、芳香族または脂環族ジオ
ールを鎖延長剤として多く含ませても全体の環濃度を高
めることができるので好ましい。芳香族、脂環族ポリエ
ステルポリオールの例としてはフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、シクロヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環族グリコールを主として用
いたポリエステルポリオールが好ましい。これらにはも
ちろん脂肪族グリコールとしてエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール(NPG)、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル等、脂肪族カルボン酸としてコハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸を併用しても良い。
【0017】環構造をもつポリエーテルポリオールとし
てはビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノ
ールP、ビスフェノールFや、これらの水素添加物にア
ルキレンオキサイドを付加して得られるものが好まし
い。アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドなどがあるがプロピレンオキ
サイドが溶剤への溶解性が高く好ましい。これらの分子
量は1000〜500が好ましい。このほか環構造を持
つ低分子の鎖延長剤としてシクロヘキサンジメタノー
ル、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素
化ビスフェノールA等が好ましい。
【0018】さらにジイソシアネート成分としては公知
の環構造をもつものが用いられる。TDI(トリレンジ
イソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシ
アネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フ
ェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
が好ましい。
【0019】ポリウレタンの分子量は、は、数平均分子
量(Mn)が5000〜100,000が好ましい。さ
らに好ましくは10,000〜50,000である。特
に好ましくは15,000〜40,000である。数平
均分子量が5000未満であると塗膜強度が低下し、耐
久性が低下する。一方、数平均分子量が100,000
0以上であると溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下
する。
【0020】また、ポリウレタンのガラス転移温度Tg
は、0℃〜200℃が好ましく、更に好ましくは30〜
150℃である。また、特に好ましくは70℃〜130
℃である。ガラス転移温度が0℃未満であると高温での
塗膜強度が低下するので耐久性、保存性が低下する。2
00℃以上であるとカレンダー成型性が低下し、電磁変
換特性が低下する。
【0021】また、ポリウレタン中のOH基の量は、3
個/分子〜20個/分子が好ましい。 更に好ましくは
4個/分子〜15個/分子である。3個/分子未満であ
るとイソシアネート硬化剤との反応性が低いので塗膜強
度が低く、耐久性が低い。また、15個/分子以上であ
ると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
また、OH基を付与するために用いる化合物として
は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ヘキサントリオール等の3官能以上OH基をもつ分
岐ポリエステル、ポリエーテルエステルを用いることが
できる。また、これらのうち好ましいものは、3官能の
ものであり、4官能以上になると硬化剤との反応が速く
ポットライフが短くなる。
【0022】また、ウレタン基濃度は、1.0〜6.0
mmol/gが好ましい。さらに好ましくは1.5〜
4.5mmol/gである。ウレタン基濃度が1.0m
mol/gよりも少ないと力学強度が小さくなる。ま
た、6.0mmol/gよりも多くなると分散性が低下
する。
【0023】本発明のポリウレタン樹脂に塩化ビニル系
の合成樹脂を併用しても良い。併用することができる塩
化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、
250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビ
ニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合さ
せたものでもよい。また、ニトロセルロース樹脂などの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂等を併用しても良く、これらは、単独でも
組み合わせでも使用することができる。本発明のポリウ
レタン樹脂は、結合剤中に15〜40重量%が用いられ
ていることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重
量%である。15重量%よりも少ないと分散性が低下す
る。
【0024】また、他の合成樹脂を併用する場合には、
磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10
〜100重量%を含有されていることが好ましく、さら
に好ましくは20〜100重量%の量である。特に好ま
しくは50〜100重量%の量である。10重量%以下
では溶媒への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0025】他の合成樹脂として塩化ビニル系樹脂を用
いる場合には、結合剤中に10〜80重量%含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量
%の量である。特に好ましくは30〜60重量%の量で
ある。また、電子線照射による硬化処理を行う場合に
は、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を
有する化合物を使用することができる。樹脂成分と硬化
剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末1
00重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内に
あることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量
部である。本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉
末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強
磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2/g 、
好ましくは50〜70m2/g である。結晶子サイズは
12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特
に好ましくは14〜20nmである。平均長軸長は0.
05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜0.
2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μm
である。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙
げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、アルミ
ニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モ
リブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモ
ン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニ
ウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げるこ
とができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化
物または酸化物を含むものなどであってもよい。これら
の強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる
強磁性粉末についても公知の方法に従って製造すること
ができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常
は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものな
どが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用するこ
とが好ましい。
【0026】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に上記した磁性層に用いるポリウレタン樹脂を含む結合
剤と非磁性粉末または磁性粉末からなる非磁性下層塗布
層、磁性下層塗布層を有していても良い。非磁性粉末に
は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化
物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合物から選択
することができる。無機化合物としては例えばα化率9
0〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アル
ミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸
化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化
チタン、二酸化ケイ素、酸化すず、酸化マグネシウム、
酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸
化亜鉛、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用で
きる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
鉄、硫酸バリウムであり、さらに好ましいのは二酸化チ
タンである。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005
〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる
非磁性粉末を組合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分
布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とり
わけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒径は0.01〜
0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特
に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2
g、好ましくは5〜50m2 /g、更に好ましくは7〜
40m2 /gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.
01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油量は
5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml
/100g、更に好ましくは20〜60ml/100g
である。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形
状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。
【0027】これらの非磁性粉末の表面にはAl
2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、S
2 3 、ZnOで表面処理することが好ましい。特に
分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、Ti
2 、ZrO2 、であるが、更に好ましいのはAl2
3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組合せて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
【0028】下層塗布層に用いることが可能な磁性粉末
としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−
Feを主成分とする合金、CrO2 等が用いられる。特
に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層に
用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性
粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただし、目的に応
じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りであ
る。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下
層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定するこ
とが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層の
それより高くする事が有効である。それ以外にも、公知
の重層構成を採る事による利点を付与させることができ
る。
【0029】本発明の磁性層あるいは下層塗布層に使用
されるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効
果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用され
る。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフア
イト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極
性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素
含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エ
ステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリ
ン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエー
テル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアル
カリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んで
も、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、
これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、
炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アル
コール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、ま
た分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数1
0〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても
良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含
んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用で
きる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
ライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタ
ンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレ
ート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコールがあげられる。
【0030】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリ
ン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活
性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10重量%以下である。
【0031】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
る、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじ
み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布
の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多
くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここ
に示した例のみに限られるものではない。また本発明で
用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あ
るいは下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加し
てもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する
場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加
する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する
場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0032】本発明で使用されるこれら潤滑剤として
は、具体的には日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ
油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミー
ンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノ
ンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブOL、信越化学社製:TA−3,ライオンアーマ
ー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTD
O、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロ
フアン2012E,ニューポールPE61,イオネット
MS−400などがあげられる。
【0033】以上の材料により調製した塗布液を非磁性
支持体上に塗布して下層塗布層あるいは磁性層を形成す
る。本発明に用いることのできる非磁性支持体としては
二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾ
ール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチ
レンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの
非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、
易接着処理、熱処理、などを行っても良い。また本発明
に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗
さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20n
m、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性
を有する表面であることが好ましい。また、これらの非
磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1
μm以上の粗大突起がないことがこのましい。
【0034】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性塗布液を所
定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層塗
布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層塗
布液と磁性層塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布し
てもよい。上記磁性塗布液もしくは下層塗布液を塗布す
る塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコ
ート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコー
ト、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キ
スコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコ
ート等が利用できる。 これらについては例えば株式会
社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」
(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0035】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビ
ア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装
置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のう
ちに特公平1-46186号公報、特開昭60-2381
79号公報、特開平2-265672号公報等に開示さ
れているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0036】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)
が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支
持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電
防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散した
バックコート層形成塗料を塗布して設けられた層であ
る。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラック
を使用することができ、また結合剤としてはニトロセル
ロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレ
タン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用するこ
とができる。バックコート層に用いるポリウレタン樹脂
として本発明のポリウレタン樹脂を用いることによっ
て、さらに耐久性を向上することができる。なお、非磁
性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗
布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0037】磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の
塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平
滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によっ
て生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が
向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得る
ことができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0038】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3.5nmの範囲という極めて
優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その
方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と
結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を
施すことにより行われる。カレンダー処理条件として
は、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、
好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80
〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/
cmの範囲であり、好ましくは200〜450kg/c
mの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/
cmの範囲の条件で作動させることによって行われるこ
とが好ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを
使用して所望の大きさに裁断して使用することができ
る。
【0039】本発明のアミド系溶剤は従来からよく用い
られているメチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルやこれらの混合溶剤に比べ結合剤に対す
る溶解性が高い。結合剤の中でも特にSO3M基、SO4
M基、スルホベタイン基などの強い極性基を持つポリウ
レタンなどのバインダーに対して溶解性が高く分散性に
優れる。沸点は160℃と高く乾燥負荷が高く乾燥速度
が遅い。したがって、磁性層の厚みが4μm以上とした
場合には、乾燥しにくく、残留溶剤が多く塗膜強度が低
下して耐久性の高い磁気記録媒体が得られなかった。本
発明の薄層磁性層では残留溶剤の問題はないばかりか逆
に適度に乾燥速度を抑えることができるため、塗膜の平
滑性が優れることがわかった。また乾燥速度が適度に抑
えられるため、乾燥過程で塗布液中の結合剤やその他の
有機物が磁性層表面に浮き上がる現象が少なく、得られ
た磁性層はビデオテープレコーダにおける繰り返し走行
でのヘッド汚れが少ないことがわかった。また同様の理
由で、カレンダー工程でのロール汚れも少なく、生産性
も向上することができた。磁性層中にアミド系有機溶剤
の残留量が0.5重量%以上あると強度が低下し特に耐
きず性が低下するので好ましくない。また本発明の磁気
記録媒体は予期しない効果として保存性に優れることが
わかった。具体的には本発明の媒体を60℃、90%R
H中に1ヶ月保存した後のテープの粘着故障の発生率が
小さく、また保存後のテープの摩擦係数の変化が小さい
ことがわかった。この原因はアミド系溶剤が磁性体表面
との親和性が高く磁性体表面に一部吸着してバインダー
の分解たとえばポリウレタンの加水分解に対する磁性体
表面の触媒作用を抑えるためと考えられる。
【0040】
【実施例】以下の記載の「部」は「重量部」を示し、%
は重量%を示す。 (ポリウレタン樹脂Aの合成)還流式冷却器、攪拌機を
具備し、予め窒素置換した容器に 水素化ビスフェノールA(新日本理化製リカビノールHB)24(モル比) BpA−PPO700 4 (ビスフェノールAのポリプロピレンオキシド付加物(分子量700)) PPG400 20 (ポリプロピレングリコール(分子量400)) スルホイソフタル酸ジメチルエステル(田岡化学製DEIS)2 をシクロヘキサノンとジメチルアセトアミドを50:5
0の重量比で含む混合溶媒に溶解し、窒素気流下で60
℃で溶解した。次に、ジイソシアネート化合物としてM
DI(ジフェニルメタンジイソシアネート)50(モル
比)を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン
樹脂Aを得た。得られたポリウレタン樹脂の重量平均分
子量は40,000、数平均分子量は19,000であ
った。
【0041】実施例1〜10及び比較例1〜2 強磁性合金粉末(組成:Fe92%、Zn4%、Ni4
%、Hc2000Oe、結晶子サイズ15nm、BET
比表面積59m2/g 、平均長軸長0.12μm、針状
比7、σs140emu/g)100部 をオープンニ
ーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニ
ル/グリシジルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピ
ルアリルエーテル=86/5/5/4の共重合体にヒド
ロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した化合
物(SO3Na=6×10-5eq/g 、エポキシ=10
-3eq/g、重量平均分子量 30,000)を7.5
部及びポリウレタン樹脂A(SO3Na=6×10-5
q/g 、Tg=45℃、ウレタン基濃度1.8meq
/g)10部(固形分)に表1の混練溶剤を添加して6
0分間混練し、次いで 研磨剤(Al23 粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 表1の分散溶剤 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部(固形分) イソアミルステレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗布液
を調製した。得られた磁性層塗布液を乾燥後の厚さが表
1の厚さとなるように、厚さ6μmのアラミド支持体の
表面にリバースロールを用いて塗布した。磁性塗料が塗
布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で3
000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥
後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール
−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによ
るカレンダー処理を、速度100m/分、線圧300k
g/cm、温度90℃で行なった後、6.35mm幅に
スリットし、デジタルビデオテープレコーダ用のビデオ
テープを作製した。
【0042】実施例11、12及び比較例3 上層用磁性塗布液の調整…表1に記載の有機溶剤を用い
て実施例1と同様に磁性塗布液を調整した。
【0043】下層用非磁性液の調整 酸化チタン(平均粒径0.035μm、結晶型ルチル、
TiO2 含有量90%以上、表面処理層;アルミナ、
BET 35〜42m2/g、真比重4.1、pH6.5
〜8.0)85部をオープンニーダーで10分間粉砕
し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタク
リレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチル
スルホネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3
a=6×10-5eq/g、エポキシ=10-3eq/g、
Mw 30,000)を11部及びスルホン酸含有ポリ
ウレタン樹脂東洋紡製UR8700 10部(固形
分)、表2の混練溶剤で60分間混練し、次いで表2の
分散溶剤を加えてサンドミルで120分間分散した。こ
れに ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗布
液を調製した。得られた非磁性塗布液を2.0μmに、
さらにその直後に磁性塗布液を乾燥後の厚さが0.1μ
mになるように、厚さ10μmのアラミド支持体の表面
にリバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗布
液を塗布した非磁性支持体を、磁性塗布液が未乾燥の状
態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに
乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロ
ール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せ
によるカレンダー処理を速度100m/分、線圧300
kg/cm、温度90℃で行なった後6.35mm幅に
裁断した。
【0044】以上のようにして得られた実施例および比
較例の磁気記録媒体の特性を下記の測定方法によって測
定し、その結果を表1および2に示す。 〔測定方法〕 電磁変換特性:試料テープにドラムテスターを用いて
記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記
録し再生した。比較例1の試料のC/Nを0dBとした
ときのテープの相対的なC/Nを評価した。 表面粗さRa:デジタルオプチカルプロフィメ−タ−
(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ
0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。 スチル耐久性:23℃50%RHまたは23℃80%
RH環境下において、松下電器製デジタルビデオテープ
レコーダ(NV−BJ1)を用いてスチル状態で、再生
出力が記録信号の50%になるまでの時間(スチル耐久
時間)を表した。保存後のスチル耐久性:テープをカセ
ットに組み込んだ状態で60℃90%RH雰囲気に4週
間保存したあと、23℃50%RH雰囲気で上記の方法
でスチル耐久性を評価した。 ヘッド汚れ:60分長のテープをスチル耐久性の測定
に用いたビデオテープレコーダを用いて40℃10%R
H環境下で100回連続繰り返し走行させ、ビデオヘッ
ドの汚れを観察し、またビデオ出力を連続して記録し、
1回目の出力を0dBとして出力低下を測定した。 汚れが観察されなかったもの…良 汚れが目視で観察されたもの…不良 耐きず性:IEC型テープ摩擦係数評価装置を用いて
SUS304J製の直径5mmの棒と磁性層面を接する
ようにして30g荷重、10cm長を1000回、40
℃70%RH環境下で繰り返し摺動させた後のテープの
磁性層表面を観察した。 目視できずが観察されないもの…良 目視できずが観察されるもの …不良 保存後の走行性:テープをカセットに入れた状態で6
0℃90%RHに2週間保存し、取り出して耐きず性の
測定で用いたIEC摩擦評価機で摩擦係数μを測定し
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】ただし、表1、表2において、略号は下記
の有機溶剤を意味する。 DMF :N,N−ジメチルホルムアミド DMAC:N,N−ジメチルアセトアミド MEK :メチルエチルケトン TOL :トルエン CHX :シクロヘキサノン
【0048】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、結合剤の溶解
性が大きな有機溶剤を用いたので、磁性層の表面の平滑
性が向上し電磁変換特性が向上し、また磁性層の強度が
大きくなり耐きず性がたかまり、磁性層表面が削れ難く
なり、ヘッド汚れ、カレンダーロール汚れも改善され、
さらに保存後の走行特性も向上した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性微粉末と結合剤を有機溶剤中に分
    散した磁性塗布液を非磁性支持体上に塗布、乾燥して磁
    性層を設けた磁気記録媒体において、前記有機溶剤が
    N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
    トアミドから選ばれる少なくとも一種以上のアミド系溶
    剤を含み、乾燥後の磁性層厚みが4μm以下であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層中には、アミド系溶剤の残留量が
    磁性層の0.5重量%以下であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 結合剤が極性基を分子内にもつポリウレ
    タンであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタンのガラス転移温度(T
    g)が30〜150℃であることを特徴とする請求項3
    記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記ポリウレタンが分子中に環構造を有
    することを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
JP12991596A 1996-05-24 1996-05-24 磁気記録媒体 Pending JPH09312013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12991596A JPH09312013A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12991596A JPH09312013A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09312013A true JPH09312013A (ja) 1997-12-02

Family

ID=15021549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12991596A Pending JPH09312013A (ja) 1996-05-24 1996-05-24 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09312013A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7381484B2 (en) Magnetic recording tape
WO1999038158A1 (fr) Milieu d'enregistrement magnetique
JPH05298662A (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
JP4046367B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3815748B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3651861B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2003281710A (ja) 磁気記録媒体
JP3638360B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3638363B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH09312013A (ja) 磁気記録媒体
JP4162158B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2009070551A (ja) 磁気記録媒体
JP2005032365A (ja) 磁気記録媒体
JP3498867B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2004362714A (ja) 磁気記録媒体
JP2001023146A (ja) 磁気記録媒体
JP2001014651A (ja) 磁気記録媒体
JP3900747B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001134922A (ja) 磁気記録媒体
JP2003346324A (ja) 磁気記録媒体
JPH10162350A (ja) 磁気記録媒体
JP2001338414A (ja) 磁気記録媒体
JPH0612654A (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
JP2001155324A (ja) 磁気記録媒体
JP2002117528A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040929

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041001

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20041125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060526