JP4162158B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
強磁性微粉末と結合剤とを分散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体において、とくに優れた電磁変換特性と耐久性をもつ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用いられている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バインダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層している。
磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において高いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要求されている。また、ビデオテープについては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていることが要求されている。
このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添加されている。
【0003】
磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッドに付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があった。
磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダでは、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】
このような問題を改善する方法として、硬い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われている。
例えば、特開平7−282435号公報には、長鎖ジオール、長鎖ジアミンが0〜5モル%のポリウレタンもしくはポリウレタンウレア樹脂を結合剤とした強磁性微粉末の分散性が高く、塗膜強度が高く、保存粘着が起こしにくい磁気記録媒体が記載されているが、低分子ジオールとジイソシアネートを主成分としているためにポリウレタン中に未反応の低分子成分が残存しやすく、これらの低分子成分は塗膜の表面の強度を低下させてしまい、耐久性を低下させるという不充分な面も有していた。
【0005】
また、特開昭63−263629号には、重量平均分子量が2万〜8万で、重量平均分子量0.3万以下のポリウレタンが3重量%未満として、結合剤中の低分子量成分を少なくすることによって、優れた磁気特性と高い走行耐久性を有し、走行摩擦性の大きな磁気記録媒体を得るものであるが、このポリウレタンはポリウレタンポリオールを用いており、しかもポリエステルポリオールの含量は少ないものでも60重量%であり、ポリエステルポリオールの含量が多いので、親水性であるエステル結合濃度が高くなるのでポリウレタンの溶剤への溶解性が低下し分散性を低下させたり、長期保存中のエステル結合の加水分解のおそれがあり、保存性を低下させるという不充分な面もあった。
【0006】
また、特開平6−52539号公報には、ポリエステルポリウレタン樹脂の40〜60重量%が、60〜80℃のガラス転移温度を有し、ウレタンに起因する低分子量成分が除去されたポリエステルポリウレタン樹脂を結合剤とすることによって、磁性層と非磁性支持体との層間粘着を防止し、磁性層に発生する歪みをなくし走行安定性を向上するものであるが、ポリエステルポリオールを用いているので、加水分解しやすく、またこの程度のガラス転移温度では、塗膜強度が十分ではない。しかも、高速回転シリンダを用いた装置に使用の場合には、テープとヘッドの摺動熱によって塗膜が流動しやすいのでヘッド汚れなどの耐久性低下を起こしやすいという問題があった。
【0007】
また、特開昭62−229523号公報には、分子量が2000以下の低分子量成分を含まないようにすることによって磁気ヘッドへの付着や汚れ等を防止することが記載されているが、低分子成分の低減方法としては、磁性層を形成した後に、塗膜を減圧乾燥するものであり、結合剤中のポリウレタンそのものの低分子成分を除去するものではなく、耐久性に優れ、硬度が大きな磁気記録媒体を得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は分散性が高く、塗膜表面の硬度が高く優れた電磁変換特性及び走行耐久性に優れ、特に高温環境での耐久性に優れる磁気記録媒体を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記結合剤がジオールと有機ジイソシアネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタン樹脂を含み、前記ジオールは下記から選ばれる環状構造を有するジオールおよび/またはこれらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量200〜1000の短鎖ジオールをポリウレタン樹脂に対して18〜48重量%含み、かつポリウレタンは重量平均分子量2万〜10万であり、ポリウレタン樹脂中に重量平均分子量5000以下の成分が含まれていない磁気記録媒体である。
また、前記ポリウレタン樹脂が、下記から選ばれる環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量1000〜5000の長鎖ジオールをポリウレタン樹脂に対して0〜40重量%含む前記の磁気記録媒体である。
非磁性支持体と磁性層の間には、非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層塗布層を有しており、下層塗布層の結合剤が、前記のいずれかに記載のポリウレタン樹脂である磁気記録媒体である。
【0010】
【化2】
Figure 0004162158
【0011】
また、前記ポリウレタン樹脂が、下記から選ばれる環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量1000〜5000の長鎖ジオールをポリウレタン樹脂に対して0〜40重量%含む前記の磁気記録媒体である。
非磁性支持体と磁性層の間には、非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層塗布層を有しており、下層塗布層の結合剤が、前記のいずれかに記載のポリウレタン樹脂である磁気記録媒体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記録媒体用結合剤中に含まれるポリウレタン樹脂の原料であるジオールおよびその含有量に特徴を有しているが、短鎖ジオールとしては、ビスフェノールA、下記の式1で示される水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールPおよびこれらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、エチレンオキシドプロピレンオキシド混合付加物を有するジオールが好ましい。
【0013】
【化3】
Figure 0004162158
【0014】
さらに好ましくは、式1で示す水素化ビスフェノールAおよびそのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。
ポリウレタン樹脂中の短鎖ジオールの含有量は、15〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%である。15重量%未満では、得られる塗膜が軟らかくなりすぎ充分な強度が得られず、耐久性が低下する。また、50重量%より大では、溶剤への溶解性が低下し、強磁性粉末の分散性が低下しやすいので電磁変換特性が低下しやすいとともに、塗膜がもろくなりやすく耐久性も低下する。
【0015】
また、環状構造を有する短鎖ジオールは、分子量が200〜1000であることが好ましく、より好ましくは300〜700である。200未満では、磁性層がもろくなり耐久性が低下する。また1000より大であると、磁性層のガラス転移温度Tgが低下し、軟らかくなり耐久性が低下する。
【0016】
また、長鎖ジオールは具体的には、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールPおよびこれらのポリエチレンオキシド付加物、ポリプロピレンオキシド付加物、ポリエチレンポリプロピレン混合付加物が好ましく、さらに好ましくは、水素化ビスフェノールA及びこれらのポリエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物である。
長鎖ジオールの重量平均分子量(Mw)は、1000〜5000であり、5000以上ではガラス転移温度が低下し、軟らかくなるので耐久性が低下する。
【0017】
また、本発明のポリウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は20,000〜100,000が好ましく、さらに好ましくは30,000〜70,000である。20,000未満では、塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。また、100,000より大では溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する。
ポリウレタン中の重量平均分子量5000以下の成分は0〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜1.5重量%である。3重量%以上であるとポリウレタン全体の重量平均分子量が増加するので溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0018】
また、ポリウレタン中から重量平均分子量5000以下の成分を除去するためには、有機溶剤あるいは水中においてポリマーを沈澱させる沈澱分別法、減圧下で溜去させる方法、UF膜等の限外濾過膜を用いる膜分離法、GPC装置の溶出時間で分取する方法がある。比較的簡単な装置によって行うことができる沈澱分別法によることが好ましい。
【0019】
ポリウレタン中のOH含有量は、1分子当たり2個〜20個であることが好ましく、更に好ましくは1分子当たり3個〜15個である。
OH含有量が1分子当たり2個未満であるとイソシアネート硬化剤との反応性が低下する為に塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。また、1分子当たり20個よりも多いと溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
【0020】
ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量を調整するために用いる化合物としては、OH基が3官能以上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等が挙げられ、従来技術として説明した特公平6−64726号に記載のポリエステルポリオール原料として用いられる2塩基酸と前記化合物をグリコール成分として得られる3官能以上OH基をもつ分岐ポリエステル、ポリエーテルエステルが挙げられる。好ましくは、3官能のものが好ましく、4官能以上になると反応過程においてゲル化しやすい。
【0021】
ポリウレタンのガラス転移温度は80℃〜200℃であり、好ましくは100℃である。80℃未満であると高温での塗膜強度が低下するので耐久性、保存性が低下する。また、200℃を超えるとカレンダー成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0022】
本発明のポリウレタン樹脂からなる結合剤には、分子中に−SO3M 、−OSO3M、−COOM、−PO32 (ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩を示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を含むことが好ましく、とくに好ましくは、−SO3M 、−OSO3M である。これらの極性基の量は好ましくは、1×10-5〜2×10-4eq/gであり、特に好ましくは5×10-5〜1×10-4eq/gである。1×10-5eq/gより少ないと強磁性粉末への吸着が不充分となるために分散性が低下し、2×10-4eq/gより多くなると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
【0023】
本発明のポリウレタン樹脂に塩化ビニル系の合成樹脂を併用しても良い。併用することができる塩化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合させたものでもよい。また、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併用しても良く、これらは、単独でも組み合わせでも使用することができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、結合剤中に15〜40重量%が用いられていることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量%である。15重量%よりも少ないと分散性が低下する。
【0024】
また、他の合成樹脂を併用する場合には、磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10〜100重量%を含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜100重量%の量である。特に好ましくは50〜100重量%の量である。10重量%以下では溶媒への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0025】
他の合成樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、結合剤中に10〜80重量%含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量%の量である。特に好ましくは30〜60重量%の量である。
また、本発明の短鎖ジオールには、他のジオールを併用することができる。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオール等、N−ジエタノールアミンのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物等のジオールを挙げることができる。
これらを用いることによって、環状構造により高強度、高Tgであって、高耐久性の塗布膜が得られる。
【0026】
また、本発明の結合剤中には有機ジイソシアネートを含有させることができる。
【0027】
有機ジイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。
結合剤中に含まれるポリイソシアネート化合物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲である。
【0028】
また、電子線照射による硬化処理を行う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を有する化合物を使用することができる。
樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量部である。
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2/g 、好ましくは50〜70m2 /gである。結晶子サイズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
【0029】
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁性層塗布液の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に上記した磁性層に用いるポリウレタン樹脂を含む結合剤と非磁性粉末または磁性粉末からなる非磁性下層塗布層、磁性下層塗布層を有していても良い。非磁性粉末には、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用できる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、さらに好ましいのは二酸化チタンである。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜50m2 /g、更に好ましくは7〜40m2 /gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。
【0030】
これらの非磁性粉末の表面にはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、であるが、更に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組合せて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0031】
下層塗布層に用いることが可能な磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等が用いられる。特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層に用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただし、目的に応じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りである。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定することが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のそれより高くする事が有効である。それ以外にも、公知の重層構成を採る事による利点を付与させることができる。
【0032】
本発明の磁性層あるいは下層塗布層に使用されるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、ラウリルアルコールがあげられる。
【0033】
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0034】
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0035】
本発明で使用されるこれら潤滑剤としては、具体的には日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E,ニューポールPE61,イオネットMS−400などがあげられる。
【0036】
以上の材料により調製した塗布液を非磁性支持体上に塗布して下層塗布層あるいは磁性層を形成する。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、などを行っても良い。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことがこのましい。
【0037】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜5μmの範囲内、より好ましくは0.07〜1μmになるように塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層塗布液と磁性層塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。
上記磁性塗布液もしくは下層塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0038】
本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1-46186号公報、特開昭60-238179号公報、特開平2-265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63-88080号公報、特開平2-17971号公報、特開平2-265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2-174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0039】
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
バックコート層に用いるポリウレタン樹脂として本発明のポリウレタン樹脂を用いることによって、さらに耐久性を向上することができる。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0040】
磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した後に乾燥される。
このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
【0041】
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの範囲であり、好ましくは200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0042】
本発明のポリウレタンは、公知のポリウレタンに比べてポリオール含量が少なく、短鎖ジオール成分を多く含むので公知のポリウレタンに比べて、ハードセグメントが多くなるので高強度、高Tgが得られる。特に高温環境での繰り返し走行などに優れる。さらに、樹脂中の低分子成分である重量平均分子量5000以下の成分を少なくすると塗膜表面の強度が向上し、繰り返し走行での耐久性が飛躍的に向上することを見い出した。これは、オリゴマー領域である重量平均分子量5000以下の極めて塗膜強度が小さい成分の含有量が極めて少なくできたためである。ポリウレタン樹脂中の重量平均分子量5000以下の低分子量成分は、力学強度が極めて小さいとともに、磁性塗膜を塗布し、乾燥する工程において溶媒の蒸発に伴い塗膜表面に形成しやすいので塗膜表面が削れやすく耐久性低下につながるが本発明のポリウレタン樹脂は重量平均分子量5000以下の成分が少ないので耐久性が向上したと考えられる。
【0043】
特に、本発明で用いたポリオール、ジオールは環状構造を持つために重合溶媒への溶解性が低下したり、ポリプロピレンオキシドを付与しているために立体障害によりOHとNCOとの反応性を低下させてしまうためにポリウレタン樹脂中に未反応のジオールやポリオールが残りやすく、他のジオールに比べて、耐久性を低下させやすいので本発明の効果が顕著に表れた。
また、公知のポリウレタンに比べて、エステルやエーテル、カーボネート等の溶剤溶解性を低下させる親水性セグメントを持つポリオール成分の含有量が少ないために溶剤溶解性が向上するので分散性を向上させ電磁変換特性にも優れる利点もある。
さらに本発明のポリウレタンは、高温環境での走行によるドロップアウト低下の効果もある。これは、塗膜全体が高温環境で高強度であるために繰り返し走行によるテープエッジからの磁性層の脱落がくなったことに加えて塗膜の表面の低分子量成分が減少したために塗膜表面の削れも低下したためと考えられる。
また、本発明では、塗布時に塗膜表面にすじ状に表れる塗布すじがなくなるという予期せぬ効果もある。これは、塗布液中で低分子成分同志が凝集しやすくなるのが防止できた為と推定される。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。以下の記載の「部」は「重量部」を示し、%は重量%を示す。
(ポリウレタン樹脂Aの合成例)
還流式冷却器、攪拌機を具備し、予め窒素置換した容器に表1に示したジオールをシクロヘキサノン中にて窒素気流下で60℃で溶解した。次いで触媒として、ジ−n−ジブチルスズジラウレートを使用した原料の総量に対して60ppmを加え更に15分間溶解した。更に表1に示したMDIを加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
次いでポリウレタン中の重量平均分子量5000以下の成分を以下の方法で行った。
すなわち、得られたポリウレタン溶液を室温まで冷却したのち、メタノール6000ml:トルエン4000mlの混合溶媒中に攪伴しながらポリウレタン溶液100gを30分間かけて適下した後に1時間静置させ、ポリマーを沈澱させた。
メッシュ#75のボールディンクロス3Sでろ過して、沈澱物を取り出した後、70℃で10mmHg以下の減圧下で乾燥させてメタノ−ル及びトルエンを完全に除去した。
乾燥したポリマーをシクロヘキサノン/MEK=50/50で30重量%に溶解してポリウレタン樹脂Aを得た。
【0045】
【表1】
Figure 0004162158
【0046】
表におけるポリオール、ジオールは、下記のものを示す。
BpA-12PO:ビスフェノールAのプロピレンオキシド12モル付加物
BpA-12EO:ビスフェノールAのエチレンオキシド12モル付加物
BpA-6EO6PO:ビスフェノールAのエチレンオキシド6モルプロピレンオキシド6モル付加物
HBpA:水素化ビスフェノールA
HBpA-2EO:水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物
HBpA-2PO:水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物
HBpA-EOPO:水素化ビスフェノールAのエチレンオキシドプロピレンオキシド付 加物
DEIS:スルホイソフタル酸のエチレンオキシド付加物
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
触媒:ジブチルスズジラウリルレート
(ポリウレタン樹脂B〜Oの合成例)
ポリウレタンのジオール、MDI、触媒量、沈澱分別溶剤を表1に示したものに変えてポリウレタン樹脂Aと同様に合成して分子量及び重量平均分子量5000以下成分の異なるポリウレタン樹脂B〜Oを合成した。
得られたポリウレタンの分子量、重量平均分子量5000以下の成分量を表2に示す。
【0047】
実施例1
強磁性合金粉末(組成:Fe92%、Zn4%、Ni4%、Hc2000Oe、結晶子サイズ15nm、BET比表面積59m2/g、長軸径0.12μm,針状比7,σs140emu/g)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g,エポキシ=10-3eq/g,重量平均分子量 30,000)を7.5部及びポリウレタン樹脂A10部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
研磨剤(Al23 粒子サイズ0.3μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部(固形分)
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層磁性層塗布液を調製した。
【0048】
次いで、酸化チタン(平均粒径0.035μm、結晶型ルチル、TiO2 含有量90%以上、表面処理層;アルミナ、SBET 35〜42m2/g、真比重4.1、pH6.5〜8.0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g、エポキシ=10-3eq/g,Mw 30,000)を7.5部及びポリウレタン樹脂A10部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性層塗布液を調製した。次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に塗布した。
【0049】
次いで得られた非磁性層塗布液を2.0μmに、さらにその直後に上層用磁性塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で行なった後、6.35mm幅に裁断した。
【0050】
実施例3、4、6、7、8、9および比較例3〜5
ポリウレタン樹脂Aを表−1に示したポリウレタン樹脂C、D、H〜Oに変更して、実施例1と同様の方法で実施例3、4、6、7、8、9及び比較例3〜5を作成した。
【0051】
実施例11
上層用磁性層塗布液として実施例3の磁性層塗布液を用いた。
(下層用非磁性層塗布液の調整)
α−Fe23(平均粒径0.15μm、SBET52m2/g、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g,エポキシ=10-3eq/g,重量平均分子量 30,000)を7.5部及びスルホン酸含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績製UR8200)10部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性層塗布液を調製した。
【0052】
次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に塗布した。
【0053】
次いで得られた非磁性層塗布液を2.0μmに、さらにその直後に磁性層塗布液を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で行なった後8mm幅に裁断した。
【0054】
実施例12
上層磁性層塗布液のポリウレタン樹脂Aをスルホン酸含有ポリウレタン(東洋紡績製UR8200)とした以外は実施例3と同様に作成した。
【0055】
実施例13
下層用塗布液のα−Fe23をコバルト変性酸化鉄(結晶子サイズ40nm、粒子サイズ長径0.25μm、針状比10)とした以外は実施例3と同様の方法で作成した。
【0056】
実施例14
接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に塗布した。次いで得られた実施例3で得られた上層磁性層塗布液を2.5μmになるように、リバースロールを用いて同時単層塗布した。磁性層塗布液が塗布された非磁性支持体を、塗布層が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で行なった後8mm幅に裁断した。
【0057】
以上のようにして得られた実施例および比較例の磁気記録媒体の特性を下記の測定方法1によって測定し、その結果を表2に示す。
〔測定方法〕
▲1▼電磁変換特性:試料テープにドラムテスターを用いて記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記録し、再生した。比較例1のテープに記録した再生出力を0dBとしたときのテープの相対的な再生出力を測定した。
▲2▼Ra:デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。
▲3▼スチル耐久性:40℃80%RH環境下において、松下電器製 AJ−D700を用いてスチル状態で、再生出力が記録信号の50%になるまでの時間(スチル耐久時間)を測定した。
▲4▼繰り返し走行性:60分長のテープを▲3▼の測定を行ったVTRを用いて40℃80%RH環境下で100回連続繰り返し走行させ、ビデオヘッドの汚れを観察し、またビデオ出力を連続して記録し、1回目の出力を0dBとして出力低下を測定した。
Figure 0004162158
▲5▼ドロップアウト
テープをリール状態で60℃90%RH環境下に1週間保存し、▲1▼の測定に用いたVTRを用いて40℃環境下で5分間走行を100回繰り返した後に、1分間の15μ秒以上、−10dB以上出力が低下したドロップアウト個数を調べた。▲6▼塗膜表面硬度
島津製作所製ダイナミック微小硬度計DUH−50を用いて、印加荷重5mg/秒で0.2g荷重まで印加した後、0.2g荷重時の圧子深さおよび圧子対稜角から求めた。
【0058】
【表2】
Figure 0004162158
【0059】
【発明の効果】
本発明のポリウレタンを含有する結合剤を用いた磁気記録媒体は、分散性が向上し電磁変換特性が向上するとともに、塗膜強度が高く、特に高温環境でのスチルライフ、ヘッド汚れが改良された。塗膜全体及びの表面の強度が向上したのでドロップアウト増加が減少し、さらに塗布すじなくなった。

Claims (3)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記結合剤がジオールと有機ジイソシアネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタン樹脂を含み、前記ジオールは下記から選ばれる環状構造を有するジオールおよび/またはこれらのジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量200〜1000の短鎖ジオールをポリウレタン樹脂に対して18〜48重量%含み、かつポリウレタンは重量平均分子量2万〜10万であり、ポリウレタン樹脂中に重量平均分子量5000以下の成分が含まれていないことを特徴とする磁気記録媒体。
    Figure 0004162158
  2. 前記ポリウレタン樹脂が、下記から選ばれる環状構造を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量1000〜5000の長鎖ジオールをポリウレタン樹脂に対して0〜40重量%含むことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性支持体と磁性層の間には、非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層塗布層を有しており、下層塗布層の結合剤が、請求項1または2のいずれかに記載のポリウレタン樹脂であることを特徴とする磁気記録媒体。
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