JPH09282636A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09282636A
JPH09282636A JP8096915A JP9691596A JPH09282636A JP H09282636 A JPH09282636 A JP H09282636A JP 8096915 A JP8096915 A JP 8096915A JP 9691596 A JP9691596 A JP 9691596A JP H09282636 A JPH09282636 A JP H09282636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性が大きく、走行耐久性、保存性に優れ
た磁気記録媒体用結合剤およびそれを用いた磁気記録媒
体を得る。 【解決手段】 結合剤がジオールと有機ジイソシアネー
トを主要原料とした反応生成物であるポリウレタン樹脂
を含み、下記から選ばれる環状構造を有するジオールお
よび/またはこれらのジオールにアルキレンオキサイド
を付加した分子量200〜1000の短鎖ジオールを1
5〜50重量%含み、さらに、前記ジオールが下記から
選ばれる環状構造を有するジオールにアルキレンオキサ
イドを付加した分子量100〜5000のポリオールを
ポリウレタン樹脂中に50重量%まで含んでも良く、か
つポリウレタンは重量平均分子量2万〜10万であり、
ポリウレタン樹脂中の重量平均分子量5000以下の成
分が0〜3重量%である磁気記録媒体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性微粉末と結合剤とを分
散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録
媒体において、とくに優れた電磁変換特性と耐久性をも
つ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つ
ことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得
るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添
加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダ
では、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナ
ログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/
分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転
数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度
が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように
小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる
成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われて
いる。例えば、特開平7−282435号公報には、長
鎖ジオール、長鎖ジアミンが0〜5モル%のポリウレタ
ンもしくはポリウレタンウレア樹脂を結合剤とした強磁
性微粉末の分散性が高く、塗膜強度が高く、保存粘着が
起こしにくい磁気記録媒体が記載されているが、低分子
ジオールとジイソシアネートを主成分としているために
ポリウレタン中に未反応の低分子成分が残存しやすく、
これらの低分子成分は塗膜の表面の強度を低下させてし
まい、耐久性を低下させるという不充分な面も有してい
た。
【0005】また、特開昭63−263629号には、
重量平均分子量が2万〜8万で、重量平均分子量0.3
万以下のポリウレタンが3重量%未満として、結合剤中
の低分子量成分を少なくすることによって、優れた磁気
特性と高い走行耐久性を有し、走行摩擦性の大きな磁気
記録媒体を得るものであるが、このポリウレタンはポリ
ウレタンポリオールを用いており、しかもポリエステル
ポリオールの含量は少ないものでも60重量%であり、
ポリエステルポリオールの含量が多いので、親水性であ
るエステル結合濃度が高くなるのでポリウレタンの溶剤
への溶解性が低下し分散性を低下させたり、長期保存中
のエステル結合の加水分解のおそれがあり、保存性を低
下させるという不充分な面もあった。
【0006】また、特開平6−52539号公報には、
ポリエステルポリウレタン樹脂の40〜60重量%が、
60〜80℃のガラス転移温度を有し、ウレタンに起因
する低分子量成分が除去されたポリエステルポリウレタ
ン樹脂を結合剤とすることによって、磁性層と非磁性支
持体との層間粘着を防止し、磁性層に発生する歪みをな
くし走行安定性を向上するものであるが、ポリエステル
ポリオールを用いているので、加水分解しやすく、また
この程度のガラス転移温度では、塗膜強度が十分ではな
い。しかも、高速回転シリンダを用いた装置に使用の場
合には、テープとヘッドの摺動熱によって塗膜が流動し
やすいのでヘッド汚れなどの耐久性低下を起こしやすい
という問題があった。
【0007】また、特開昭62−229523号公報に
は、分子量が2000以下の低分子量成分を含まないよ
うにすることによって磁気ヘッドへの付着や汚れ等を防
止することが記載されているが、低分子成分の低減方法
としては、磁性層を形成した後に、塗膜を減圧乾燥する
ものであり、結合剤中のポリウレタンそのものの低分子
成分を除去するものではなく、耐久性に優れ、硬度が大
きな磁気記録媒体を得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は分散性が高
く、塗膜表面の硬度が高く優れた電磁変換特性及び走行
耐久性に優れ、特に高温環境での耐久性に優れる磁気記
録媒体を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に強磁性粉末を結合剤中に含む磁性層を設けた磁気記
録媒体において、前記結合剤がジオールと有機ジイソシ
アネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタ
ン樹脂を含み、下記から選ばれる環状構造を有するジオ
ールおよび/またはこれらのジオールにアルキレンオキ
サイドを付加した分子量200〜1000の短鎖ジオー
ルを15〜50重量%含み、さらに、前記ジオールが下
記から選ばれる環状構造を有するジオールにアルキレン
オキサイドを付加した分子量100〜5000のポリオ
ールをポリウレタン樹脂中に50重量%まで含んでも良
く、かつポリウレタンは重量平均分子量2万〜10万で
あり、ポリウレタン樹脂中の重量平均分子量5000以
下の成分が0〜3重量%である磁気記録媒体である。
【0010】
【化2】
【0011】また、非磁性支持体と磁性層の間には、非
磁性粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層塗布層を
有しており、下層塗布層の結合剤が、前記のポリウレタ
ン樹脂である磁気記録媒体である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体用結合剤中
に含まれるポリウレタン樹脂の原料であるジオールおよ
びその含有量に特徴を有しているが、短鎖ジオールとし
ては、ビスフェノールA、下記の式1で示される水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
Pおよびこれらのエチレンオキシド付加物、プロピレン
オキシド付加物、エチレンオキシドプロピレンオキシド
混合付加物を有するジオールが好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】さらに好ましくは、式1で示す水素化ビス
フェノールAおよびそのエチレンオキシド、プロピレン
オキシド付加物が挙げられる。ポリウレタン樹脂中の短
鎖ジオールの含有量は、15〜50重量%が好ましく、
さらに好ましくは20〜40重量%である。15重量%
未満では、得られる塗膜が軟らかくなりすぎ充分な強度
が得られず、耐久性が低下する。また、50重量%より
大では、溶剤への溶解性が低下し、強磁性粉末の分散性
が低下しやすいので電磁変換特性が低下しやすいととも
に、塗膜がもろくなりやすく耐久性も低下する。
【0015】また、環状構造を有する短鎖ジオールは、
分子量が200〜1000であることが好ましく、より
好ましくは300〜700である。200未満では、磁
性層がもろくなり耐久性が低下する。また1000より
大であると、磁性層のガラス転移温度Tgが低下し、軟
らかくなり耐久性が低下する。
【0016】また、長鎖ジオールは具体的には、ビスフ
ェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールPおよびこれらのポリエチレンオキ
シド付加物、ポリプロピレンオキシド付加物、ポリエチ
レンポリプロピレン混合付加物が好ましく、さらに好ま
しくは、水素化ビスフェノールA及びこれらのポリエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド付加物である。長鎖
ジオールの重量平均分子量(Mw)は、1000〜50
00であり、5000以上ではガラス転移温度が低下
し、軟らかくなるので耐久性が低下する。
【0017】また、本発明のポリウレタン樹脂の重量平
均分子量(Mw)は20,000〜100,000が好
ましく、さらに好ましくは30,000〜70,000
である。20,000未満では、塗膜強度が低下し、耐
久性が低下する。また、100,000より大では溶剤
への溶解性が低下し、分散性が低下する。ポリウレタン
中の重量平均分子量5000以下の成分は0〜3重量%
が好ましく、さらに好ましくは0〜1.5重量%であ
る。3重量%以上であるとポリウレタン全体の重量平均
分子量が増加するので溶剤への溶解性が低下し、分散性
が低下する。
【0018】また、ポリウレタン中から重量平均分子量
5000以下の成分を除去するためには、有機溶剤ある
いは水中においてポリマーを沈澱させる沈澱分別法、減
圧下で溜去させる方法、UF膜等の限外濾過膜を用いる
膜分離法、GPC装置の溶出時間で分取する方法があ
る。比較的簡単な装置によって行うことができる沈澱分
別法によることが好ましい。
【0019】ポリウレタン中のOH含有量は、1分子当
たり2個〜20個であることが好ましく、更に好ましく
は1分子当たり3個〜15個である。OH含有量が1分
子当たり2個未満であるとイソシアネート硬化剤との反
応性が低下する為に塗膜強度が低下し、耐久性が低下す
る。また、1分子当たり20個よりも多いと溶剤への溶
解性が低下するので分散性が低下する。
【0020】ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量を調
整するために用いる化合物としては、OH基が3官能以
上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメ
リット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサ
ントリオール等が挙げられ、従来技術として説明した特
公平6−64726号に記載のポリエステルポリオール
原料として用いられる2塩基酸と前記化合物をグリコー
ル成分として得られる3官能以上OH基をもつ分岐ポリ
エステル、ポリエーテルエステルが挙げられる。好まし
くは、3官能のものが好ましく、4官能以上になると反
応過程においてゲル化しやすい。
【0021】ポリウレタンのガラス転移温度は80℃〜
200℃であり、好ましくは100℃である。80℃未
満であると高温での塗膜強度が低下するので耐久性、保
存性が低下する。また、200℃を超えるとカレンダー
成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0022】本発明のポリウレタン樹脂からなる結合剤
には、分子中に−SO3M 、−OSO3M、−COO
M、−PO32 (ここで、Mは水素、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、アンモニウム塩を示す)から選ばれ
た少なくとも1種の極性基を含むことが好ましく、とく
に好ましくは、−SO3M 、−OSO3M である。これ
らの極性基の量は好ましくは、1×10-5〜2×10-4
eq/gであり、特に好ましくは5×10-5〜1×10
-4eq/gである。1×10-5eq/gより少ないと強
磁性粉末への吸着が不充分となるために分散性が低下
し、2×10-4eq/gより多くなると溶剤への溶解性
が低下するので分散性が低下する。
【0023】本発明のポリウレタン樹脂に塩化ビニル系
の合成樹脂を併用しても良い。併用することができる塩
化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、
250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビ
ニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合さ
せたものでもよい。また、ニトロセルロース樹脂などの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂等を併用しても良く、これらは、単独でも
組み合わせでも使用することができる。本発明のポリウ
レタン樹脂は、結合剤中に15〜40重量%が用いられ
ていることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重
量%である。15重量%よりも少ないと分散性が低下す
る。
【0024】また、他の合成樹脂を併用する場合には、
磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10
〜100重量%を含有されていることが好ましく、さら
に好ましくは20〜100重量%の量である。特に好ま
しくは50〜100重量%の量である。10重量%以下
では溶媒への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0025】他の合成樹脂として塩化ビニル系樹脂を用
いる場合には、結合剤中に10〜80重量%含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量
%の量である。特に好ましくは30〜60重量%の量で
ある。また、本発明の短鎖ジオールには、他のジオール
を併用することができる。具体的には、エチレングリコ
ール、1,3−プロピレンジオール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジ
メチルプロパンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオール
等、N−ジエタノールアミンのエチレンオキシドまたは
プロピレンオキシド付加物等のジオールを挙げることが
できる。これらを用いることによって、環状構造により
高強度、高Tgであって、高耐久性の塗布膜が得られ
る。
【0026】また、本発明の結合剤中には有機ジイソシ
アネートを含有させることができる。
【0027】有機ジイソシアネート化合物の例として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシア
ネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4−
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジ
フェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェ
ニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェ
ニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ
ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化
トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げる
ことができる。結合剤中に含まれるポリイソシアネート
化合物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有さ
れていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40
重量%の範囲である。
【0028】また、電子線照射による硬化処理を行う場
合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結
合を有する化合物を使用することができる。樹脂成分と
硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉
末100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲
内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30
重量部である。本発明の磁気記録媒体に使用される強磁
性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又
は強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2
g 、好ましくは50〜70m2 /gである。結晶子サ
イズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであ
り、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は
0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜
0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15
μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe
−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等
が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、ア
ルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バ
ナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウ
ム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アン
チモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、
レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げ
ることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水
酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。こ
れらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用
いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造する
ことができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、
通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のも
のなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用す
ることが好ましい。
【0029】上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末
を、通常磁性層塗布液の調製の際に使用されているメチ
ルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸
エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混
練分散は通常の方法に従って行うことができる。本発明
の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に上記した磁性層に
用いるポリウレタン樹脂を含む結合剤と非磁性粉末また
は磁性粉末からなる非磁性下層塗布層、磁性下層塗布層
を有していても良い。非磁性粉末には、金属酸化物、金
属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属
硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無
機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ
素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、
酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ンなどが単独または組合せで使用できる。特に好ましい
のは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムで
あり、さらに好ましいのは二酸化チタンである。これら
非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましい
が、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組合せ
たり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の
効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非
磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.2μmである。非
磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉
末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜5
0m2 /g、更に好ましくは7〜40m2 /gである。
非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmが好
ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/10
0g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ま
しくは20〜60ml/100gである。比重は1〜1
2、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面
体状、板状のいずれでも良い。
【0030】これらの非磁性粉末の表面にはAl
2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、S
2 3 、ZnOで表面処理することが好ましい。特に
分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、Ti
2 、ZrO2 、であるが、更に好ましいのはAl2
3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組合せて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
【0031】下層塗布層に用いることが可能な磁性粉末
としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−
Feを主成分とする合金、CrO2等が用いられる。特
に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層に
用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性
粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただし、目的に応
じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りであ
る。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下
層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定するこ
とが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層の
それより高くする事が有効である。それ以外にも、公知
の重層構成を採る事による利点を付与させることができ
る。
【0032】本発明の磁性層あるいは下層塗布層に使用
されるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効
果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用され
る。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフア
イト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極
性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素
含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エ
ステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリ
ン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエー
テル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアル
カリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んで
も、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、
これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、
炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アル
コール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、ま
た分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数1
0〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても
良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含
んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用で
きる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
ライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタ
ンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレ
ート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコールがあげられる。
【0033】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリ
ン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活
性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10重量%以下である。
【0034】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
る、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじ
み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布
の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多
くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここ
に示した例のみに限られるものではない。また本発明で
用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あ
るいは下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加し
てもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する
場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加
する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する
場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0035】本発明で使用されるこれら潤滑剤として
は、具体的には日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ
油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミー
ンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノ
ンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブOL、信越化学社製:TA−3,ライオンアーマ
ー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTD
O、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロ
フアン2012E,ニューポールPE61,イオネット
MS−400などがあげられる。
【0036】以上の材料により調製した塗布液を非磁性
支持体上に塗布して下層塗布層あるいは磁性層を形成す
る。本発明に用いることのできる非磁性支持体としては
二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾ
ール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチ
レンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの
非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、
易接着処理、熱処理、などを行っても良い。また本発明
に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗
さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20n
m、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性
を有する表面であることが好ましい。また、これらの非
磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1
μ以上の粗大突起がないことがこのましい。
【0037】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を
好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜5μmの
範囲内、より好ましくは0.07〜1μmになるように
塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同
時に重層塗布してもよく、下層塗布液と磁性層塗布液と
を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗
布液もしくは下層塗布液を塗布する塗布機としては、エ
アードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、
押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含
浸コート、リバースロールコート、トランスファーロー
ルコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコー
ト、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行
の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)
を参考にできる。
【0038】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビ
ア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装
置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のう
ちに特公平1-46186号公報、特開昭60-2381
79号公報、特開平2-265672号公報等に開示さ
れているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0039】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)
が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支
持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電
防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散した
バックコート層形成塗料を塗布して設けられた層であ
る。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラック
を使用することができ、また結合剤としてはニトロセル
ロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレ
タン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用するこ
とができる。バックコート層に用いるポリウレタン樹脂
として本発明のポリウレタン樹脂を用いることによっ
て、さらに耐久性を向上することができる。なお、非磁
性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗
布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0040】磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の
塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平
滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によっ
て生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が
向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得る
ことができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0041】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの
範囲であり、好ましくは200〜450kg/cmの範
囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの
範囲の条件で作動させることによって行われることが好
ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用し
て所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0042】本発明のポリウレタンは、公知のポリウレ
タンに比べてポリオール含量が少なく、短鎖ジオール成
分を多く含むので公知のポリウレタンに比べて、ハード
セグメントが多くなるので高強度、高Tgが得られる。
特に高温環境での繰り返し走行などに優れる。さらに、
樹脂中の低分子成分である重量平均分子量5000以下
の成分を少なくすると塗膜表面の強度が向上し、繰り返
し走行での耐久性が飛躍的に向上することを見い出し
た。これは、オリゴマー領域である重量平均分子量50
00以下の極めて塗膜強度が小さい成分の含有量が極め
て少なくできたためである。ポリウレタン樹脂中の重量
平均分子量5000以下の低分子量成分は、力学強度が
極めて小さいとともに、磁性塗膜を塗布し、乾燥する工
程において溶媒の蒸発に伴い塗膜表面に形成しやすいの
で塗膜表面が削れやすく耐久性低下につながるが本発明
のポリウレタン樹脂は重量平均分子量5000以下の成
分が少ないので耐久性が向上したと考えられる。
【0043】特に、本発明で用いたポリオール、ジオー
ルは環状構造を持つために重合溶媒への溶解性が低下し
たり、ポリプロピレンオキシドを付与しているために立
体障害によりOHとNCOとの反応性を低下させてしま
うためにポリウレタン樹脂中に未反応のジオールやポリ
オールが残りやすく、他のジオールに比べて、耐久性を
低下させやすいので本発明の効果が顕著に表れた。ま
た、公知のポリウレタンに比べて、エステルやエーテ
ル、カーボネート等の溶剤溶解性を低下させる親水性セ
グメントを持つポリオール成分の含有量が少ないために
溶剤溶解性が向上するので分散性を向上させ電磁変換特
性にも優れる利点もある。さらに本発明のポリウレタン
は、高温環境での走行によるドロップアウト低下の効果
もある。これは、塗膜全体が高温環境で高強度であるた
めに繰り返し走行によるテープエッジからの磁性層の脱
落がくなったことに加えて塗膜の表面の低分子量成分が
減少したために塗膜表面の削れも低下したためと考えら
れる。また、本発明では、塗布時に塗膜表面にすじ状に
表れる塗布すじがなくなるという予期せぬ効果もある。
これは、塗布液中で低分子成分同志が凝集しやすくなる
のが防止できた為と推定される。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさ
らに詳細に説明する。以下の記載の「部」は「重量部」
を示し、%は重量%を示す。 (ポリウレタン樹脂Aの合成例)還流式冷却器、攪拌機
を具備し、予め窒素置換した容器に表1に示したジオー
ルをシクロヘキサノン中にて窒素気流下で60℃で溶解
した。次いで触媒として、ジ−n−ジブチルスズジラウ
レートを使用した原料の総量に対して60ppmを加え
更に15分間溶解した。更に表1に示したMDIを加え
90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂溶液を
得た。次いでポリウレタン中の重量平均分子量5000
以下の成分を以下の方法で行った。すなわち、得られた
ポリウレタン溶液を室温まで冷却したのち、メタノール
6000ml:トルエン4000mlの混合溶媒中に攪
伴しながらポリウレタン溶液100gを30分間かけて
適下した後に1時間静置させ、ポリマーを沈澱させた。
メッシュ#75のボールディンクロス3Sでろ過して、
沈澱物を取り出した後、70℃で10mmHg以下の減
圧下で乾燥させてメタノ−ル及びトルエンを完全に除去
した。乾燥したポリマーをシクロヘキサノン/MEK=
50/50で30重量%に溶解してポリウレタン樹脂A
を得た。
【0045】
【表1】
【0046】表におけるポリオール、ジオールは、下記
のものを示す。 BpA-12PO:ビスフェノールAのプロピレンオキシド12
モル付加物 BpA-12EO:ビスフェノールAのエチレンオキシド12モ
ル付加物 BpA-6EO6PO:ビスフェノールAのエチレンオキシド6モ
ルプロピレンオキシド6モル付加物 HBpA:水素化ビスフェノールA HBpA-2EO:水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド
2モル付加物 HBpA-2PO:水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシ
ド2モル付加物 HBpA-EOPO:水素化ビスフェノールAのエチレンオキシ
ドプロピレンオキシド付 加物 DEIS:スルホイソフタル酸のエチレンオキシド付加物 MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート 触媒:ジブチルスズジラウリルレート (ポリウレタン樹脂B〜Oの合成例)ポリウレタンのジ
オール、MDI、触媒量、沈澱分別溶剤を表1に示した
ものに変えてポリウレタン樹脂Aと同様に合成して分子
量及び重量平均分子量5000以下成分の異なるポリウ
レタン樹脂B〜Oを合成した。得られたポリウレタンの
分子量、重量平均分子量5000以下の成分量を表2に
示す。
【0047】実施例1 強磁性合金粉末(組成:Fe92%、Zn4%、Ni4
%、Hc2000Oe、結晶子サイズ15nm、BET
比表面積59m2/g、長軸径0.12μm,針状比
7,σs140emu/g)100部をオープンニーダ
ーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/
グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体に
ヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加した
化合物(SO3Na=6×10-5eq/g,エポキシ=
10-3eq/g,重量平均分子量30,000)を7.
5部及びポリウレタン樹脂A10部(固形分)、シクロ
ヘキサノン60部で60分間混練し、次いで 研磨剤(Al23 粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部(固形分) ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層磁性層
塗布液を調製した。
【0048】次いで、酸化チタン(平均粒径0.035
μm、結晶型ルチル、TiO2 含有量90%以上、表面
処理層;アルミナ、SBET 35〜42m2/g、真比重
4.1、pH6.5〜8.0)85部 をオープンニー
ダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル
/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体
にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を付加し
た化合物(SO3Na=6×10-5eq/g、エポキシ
=10-3eq/g,Mw 30,000)を7.5部及
びポリウレタン樹脂A10部(固形分)、シクロヘキサ
ノン60部で60分間混練し、次いで メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁
性層塗布液を調製した。次いで接着層としてスルホン酸
含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmにな
るようにコイルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレ
ンナフタレート支持体の表面に塗布した。
【0049】次いで得られた非磁性層塗布液を2.0μ
mに、さらにその直後に上層用磁性塗料を乾燥後の厚さ
が0.1μmになるように、リバースロールを用いて同
時重層塗布した。磁性塗料が塗布された非磁性支持体
を、磁性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で
磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロ
ール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロー
ル−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速
度100m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で
行なった後、6.35mm幅に裁断した。
【0050】実施例2〜10 ポリウレタン樹脂Aを表−1に示したポリウレタン樹脂
B〜Oに変更して、実施例1と同様の方法で実施例2〜
10及び比較例1〜5を作成した。
【0051】実施例11 上層用磁性層塗布液として実施例3の磁性層塗布液を用
いた。 (下層用非磁性層塗布液の調整)α−Fe23(平均粒
径0.15μm、SBET52m2/g、表面処理Al
23、SiO2、pH6.5〜8.0)85部 をオープ
ンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸
ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共
重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を
付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g,エ
ポキシ=10-3eq/g,重量平均分子量 30,00
0)を7.5部及びスルホン酸含有ポリウレタン樹脂
(東洋紡績製UR8200)10部(固形分)、シクロ
ヘキサノン60部で60分間混練し、次いで メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁
性層塗布液を調製した。
【0052】次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエ
ステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコ
イルバーを用いて厚さ10μmのポリエチレンナフタレ
ート支持体の表面に塗布した。
【0053】次いで得られた非磁性層塗布液を2.0μ
mに、さらにその直後に磁性層塗布液を乾燥後の厚さが
0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時
重層塗布した。磁性塗料塗布された非磁性支持体を、磁
性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配
向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−
金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金
属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速度10
0m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で行なっ
た後8mm幅に裁断した。
【0054】実施例12 上層磁性層塗布液のポリウレタン樹脂Aをスルホン酸含
有ポリウレタン(東洋紡績製UR8200)とした以外
は実施例3と同様に作成した。
【0055】実施例13 下層用塗布液のα−Fe23をコバルト変性酸化鉄(結
晶子サイズ40nm、粒子サイズ長径0.25μm、針
状比10)とした以外は実施例3と同様の方法で作成し
た。
【0056】実施例14 接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後
の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚
さ10μmのポリエチレンナフタレート支持体の表面に
塗布した。次いで得られた実施例3で得られた上層磁性
層塗布液を2.5μmになるように、リバースロールを
用いて同時単層塗布した。磁性層塗布液が塗布された非
磁性支持体を、塗布層が未乾燥の状態で3000ガウス
の磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロール
−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−
金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処
理を、速度100m/分、線圧300kg/cm、温度
90℃で行なった後8mm幅に裁断した。
【0057】以上のようにして得られた実施例および比
較例の磁気記録媒体の特性を下記の測定方法1によって
測定し、その結果を表2に示す。 〔測定方法〕 電磁変換特性:試料テープにドラムテスターを用いて
記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記
録し、再生した。比較例1のテープに記録した再生出力
を0dBとしたときのテープの相対的な再生出力を測定
した。 Ra:デジタルオプチカルプロフィメーター(WYK
O製)を用いたる光干渉法により、カットオフ0.25
mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。 スチル耐久性:40℃80%RH環境下において、松
下電器製 AJ−D700を用いてスチル状態で、再生
出力が記録信号の50%になるまでの時間(スチル耐久
時間)を測定した。 繰り返し走行性:60分長のテープをの測定を行っ
たVTRを用いて40℃80%RH環境下で100回連
続繰り返し走行させ、ビデオヘッドの汚れを観察し、ま
たビデオ出力を連続して記録し、1回目の出力を0dB
として出力低下を測定した。 ビデオヘッド汚れ 良好…汚れが観察されなかったもの 不良…汚れが目視でも観察されたもの ドロップアウト テープをリール状態で60℃90%RH環境下に1週間
保存し、の測定に用いたVTRを用いて40℃環境下
で5分間走行を100回繰り返した後に、1分間の15
μ秒以上、−10dB以上出力が低下したドロップアウ
ト個数を調べた。塗膜表面硬度 島津製作所製ダイナミック微小硬度計DUH−50を用
いて、印加荷重5mg/秒で0.2g荷重まで印加した
後、0.2g荷重時の圧子深さおよび圧子対稜角から求
めた。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明のポリウレタンを含有する結合剤
を用いた磁気記録媒体は、分散性が向上し電磁変換特性
が向上するとともに、塗膜強度が高く、特に高温環境で
のスチルライフ、ヘッド汚れが改良された。塗膜全体及
びの表面の強度が向上したのでドロップアウト増加が減
少し、さらに塗布すじなくなった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中
    に含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記結合
    剤がジオールと有機ジイソシアネートを主要原料とした
    反応生成物であるポリウレタン樹脂を含み、下記から選
    ばれる環状構造を有するジオールおよび/またはこれら
    のジオールにアルキレンオキサイドを付加した分子量2
    00〜1000の短鎖ジオールを15〜50重量%含
    み、さらに、前記ジオールが下記から選ばれる環状構造
    を有するジオールにアルキレンオキサイドを付加した分
    子量100〜5000のポリオールをポリウレタン樹脂
    中に50重量%まで含んでも良く、かつポリウレタンは
    重量平均分子量2万〜10万であり、ポリウレタン樹脂
    中の重量平均分子量5000以下の成分が0〜3重量%
    であることを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 非磁性支持体と磁性層の間には、非磁性
    粉末または強磁性粉末と結合剤を含む下層塗布層を有し
    ており、下層塗布層の結合剤が、請求項1記載のポリウ
    レタン樹脂であることを特徴とする磁気記録媒体。
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JP2019210311A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 哲 三俣 水系ポリウレタン樹脂組成物、及び当該ポリウレタンエラストマー組成物からなる高弾性磁場応答性ソフトマテリアル

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