JP2002050029A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002050029A
JP2002050029A JP2000236061A JP2000236061A JP2002050029A JP 2002050029 A JP2002050029 A JP 2002050029A JP 2000236061 A JP2000236061 A JP 2000236061A JP 2000236061 A JP2000236061 A JP 2000236061A JP 2002050029 A JP2002050029 A JP 2002050029A
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JP2000236061A
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Masaki Suzuki
雅樹 鈴木
Toshihiko Miura
俊彦 三浦
Masatoshi Takahashi
昌敏 高橋
Hiroaki Takano
博昭 高野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全厚8μm未満の磁気記録媒体であって、優れ
た電磁変換特性を有し、かつ繰り返し耐久性に優れた、
即ち、走行路への粉落ちやテープエッジ変形の発生が抑
制された磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】非磁性支持体の一方の面に無機粉末と結合
剤とを含む下層及び強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性
層をこの順に有し、他方の面にバックコート層を有する
磁気記録媒体であって、前記磁性層は抗磁力が159〜
239KA/mであり、前記非磁性支持体は平均一次粒
径が40〜200nmである無機粉体粒子を含み、前記
非磁性支持体の厚み方向の断面における前記無機粉体粒
子の存在個数は、10個/100μm2〜200個/1
00μm2であり、全厚が8μm未満である磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、全厚が8μm以下
である塗布型磁気記録媒体であって、特に、優れた電磁
変換特性と走行耐久性を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピー(登録商標)ディスクなどと
して広く用いられている。磁気記録媒体には、テープ状
媒体とディスク状媒体とがあり、いずれも、その構成
は、基本的に、非磁性支持体上に磁性層を積層したもの
である。但し、テープ状媒体においては必要に応じて磁
性層を設けたとは反対の面にバックコート層を有する。
ディスク状媒体においては非磁性層支持体の両面に磁性
層を有する。
【0003】また、磁気記録媒体には、塗布型磁気記録
媒体と蒸着型磁気記録媒体とがある。一般に塗布型磁気
記録層は、強磁性粉末を結合剤(バインダ)中に分散
し、潤滑剤、研磨剤、必要に応じてカーボンを添加した
ものを非磁性支持体上に塗布積層したものである。さら
に、近年は磁性層高出力化のために磁性層の薄層化が進
められており、そのために非磁性支持体と磁性層の間に
中間層(下層)を積層する磁気記録媒体も実用されてい
る。
【0004】蒸着型磁気記録媒体は、真空蒸着法で磁性
膜が非磁性支持体上に作成されたものである。磁性膜は
コバルトを主体とした金属または合金を酸素雰囲気中で
蒸着することにより形成され、必要に応じて蒸着された
磁性膜上に保護膜や潤滑剤膜が形成される。
【0005】こうして得られた磁気記録媒体に対して、
音楽録音再生用のオーディオテープにおいては、より高
度の原音再生能力が要求され、ビデオテープについて
は、原画再生能力が優れていること、コンピュータ用バ
ックアップテープ/ディスクでは耐久性がよくデータの
欠損がないことがそれぞれ要求される。
【0006】このような優れた電磁変換特性を有し、か
つ耐久性を確保するために、磁性体の高Hc化、高配向
化、薄層塗布化、磁性層用保護膜の開発、磁性層/ハ゛ック
層の摩擦係数の低減のための潤滑剤の開発等がおこなわ
れる。
【0007】一方、記録再生装置側では単位面積当たり
の記録容量を上げる手段として記録周波数の短波長化、
磁気記録ヘッドの挟トラック化等が進められている。
【0008】例えばカートリッジ型の記録媒体では、カ
ートリッジの容量をそのままにして、テープ厚みを薄く
し、より多くのテープを巻き込むことにより、長時間化
や高容量化が計られている。代表的な例としてはコンピ
ュータ用バックアップテープのDDS−2システムから
DDS−3システムへの高容量化である(日本記録メデ
ィア工業会発行「世界の記録メディアの生産・需要動向
と技術動向調査報告書P97」)。
【0009】また、記録再生ヘッドの狭トラック化によ
る面記録密度の向上が年々進められている。具体的には
8mmビデオシステムおけるLong−Playモード
や、IOMEGA社のZipディスクシステムが代表で
ある。
【0010】このようなシステムでは記録再生ヘッドと
磁気記録媒体の位置制御が重要であり、テープ状媒体で
は記録再生装置の中を走行する時には、より安定した走
行が必要になる。そこで、安定走行を実現するために記
録再生装置に取り付けられる各種ガイドが提案されてい
る(第2976685号)。さらに、磁気記録媒体を安
定走行させるための回転ガイドや固定ガイドにはフラン
ジが取り付けられており、これらのフランジは、一般的
に固定フランジとなっている。このフランジの高さ調整
でテープ走行位置の規制を行っており、このフランジ位
置の精度が安定走行に重要となる。
【0011】但し、フランジ位置についてテープエッジ
と強く擦る規制を行うと、テープエッジとガイドフラン
ジとの走行中の接触圧が高くなり、繰り返し走行する内
にガイドフランジ面に走行キズをつくる。そのキズによ
ってテープ端面がダメージを受け、非磁性支持体上に塗
布された磁性層や中間層、ハ゛ック層の脱落が発生する。
【0012】近年、磁性層表面の耐久性については、高
耐久性の結合剤、及び摩擦係数を低減するための潤滑剤
の開発が進み、その結果、D3システムなど、ヘッドテ
ープの相対速度が10m/s以上のシステムでも破綻を
来すことなく製品化されている。
【0013】しかしながら、カセットケースに収められ
た磁気記録媒体は、その記録密度を上げる一方でカセッ
トケースの容量を小さくする試みがなされ、磁気記録媒
体の高密度化と併せ、テープ自体の薄層化も同時に進め
られている。
【0014】このテープの薄層化に伴い、非磁性支持体
はポリエチレンテレフタレートから、ポリエチレンナフ
タレート、さらにポリアミドとより高剛性の材料が順次
採用されている。しかし、テープの曲げ剛性は厚みの3
乗に比例して低下するため、高剛性の材料を採用して
も、薄層化に伴ってテープ強度が下がることは避けられ
ない。
【0015】一般に、記録再生のためにテープが記録再
生装置内を走行するときに、テープの蛇行が起きる。し
かし、記録再生ヘッドを狭トラック化する場合、記録再
生ヘッドのテープ上における直線性が妨げられないよう
に、テープ走行位置をガイドフランジによっての従来に
増して精度良く規制する必要がある。このようなテープ
厚みが薄く、尚かつテープ走行位置を従来にまして厳し
く規制するシステムでは、磁性層表面の耐久性と併せ
て、テープエッジの耐久性が重要である。
【0016】特開平9−180173号公報ではスリッ
ト端面に保護膜を塗設し耐久性を上げる提案がなされて
いる。しかしながら、スリット後に端面に保護層を塗設
する事は、塗設時に保護液が磁性層へシミだすことが懸
念されること、及び塗設費用がかさみ安価なテープを供
給できない欠点がある。
【0017】磁気記録再生装置における連続繰り返し走
行で発生するエッジダメージの防止には、非磁性支持体
による支えが大きく寄与する。全厚が8μm以上の磁気
記録媒体では通常6μm以上の非磁性支持体(ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレ
ート(PEN)など)が使用され、エッジダメージも少
なく安定した繰り返し走行が達成されていた。それに対
して、全厚8μm未満の記録媒体では非磁性支持体とし
て、従来から使用されているポリエチレンテレフタレー
ト(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)な
どに代わり、芳香族ポリアミド(アラミド)ベースが使
用されるようになっている(特許第2724581号)。
【0018】しかしながら、安定した再生出力および複
数の再生装置間の互換性を確保するために、テープ走行
位置規制をガイドフランジ規制を強くしていくとアラミ
ドベースを用いても、VTR繰り返し走行によるエッジ
変形は避けられず、走行路への粉落ち、テープエッジ変
形の発生があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、全厚
8μm未満の磁気記録媒体であって、優れた電磁変換特
性を有し、かつ繰り返し耐久性に優れた、即ち、走行路
への粉落ちやテープエッジ変形の発生が抑制された磁気
記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
の一方の面に無機粉末と結合剤とを含む下層及び強磁性
粉末と結合剤を含む上層磁性層をこの順に有し、他方の
面にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、前
記磁性層は抗磁力が159〜239KA/mであり、前
記非磁性支持体は平均一次粒径が40〜200nmであ
る無機粉体粒子(以下、フィラー粒子ともいう)を含
み、前記非磁性支持体の厚み方向の断面における前記無
機粉体粒子の存在個数は、10個/100μm2〜20
0個/100μm2であり、全厚が8μm未満であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体に関する。
【0021】本発明者らが、テープ状磁気記録媒体を磁
気記録再生装置で繰り返し走行させたときの現象を詳細
に観察した。その結果、テープエッジの変形は繰り返し
走行時に、テープガイドフランジとテープエッジが接触
を繰り返し、磁性層、支持体、バック層の端面が少なか
らずなめされて塑性変形を起こすことが判明した。特に
支持体の塑性変形は添加粒子数に依存し、ガイドとの接
触摺動により、フィラー粒子がガイドフランジ表面の微
小突起から走行方向に力を受け、支持体上で支持体を変
形させながら移動を起こすことによって、塑性変形を促
進していると考えられる。また、フィラーの脱落によ
り、テープガイドフランジとの間でアブレーシブ摩耗作
用を発生し、非磁性支持体の変形を促進させる。
【0022】すなわち、非磁性支持体の添加してある粒
子数が少ないほど非磁性支持体の端面の繰り返し摺動に
よる変形を防止できることを見いだした。しかし、添加
フィラーの量が少なすぎると非磁性支持体の生産適性や
磁気記録媒体の生産適性が悪化するので最適化が必要と
なる。
【0023】そこで発明者らはその最適点が以下の範囲
にあることを見いだした。即ち、支持体中に分散された
フィラーの一次粒径は40〜200nm、好ましくは4
0〜180nmであり、テープ断面の支持体面の電子顕
微鏡で計測される無機粉体粒子数は、好ましくは200
個/100μm2以下、さらに好ましくは180個/1
00μm2以下である。一方、テープ断面の支持体面の
電子顕微鏡で計測される無機粉体粒子数が10個/10
0μm2未満では支持体表面の滑性が不足し生産工程で
のハンドリングが困難になる。このため、支持体の厚み
方向における断面の無機粉体粒子数は10個/100μ
2以上、200個/100μm2以下が望ましい。尚、
「支持体の厚み方向における断面の無機粉体粒子数」と
は、支持体の厚み方向における断面全体にわたる無機粉
体の粒子数の平均値を意味し、本発明では、この平均値
が10個/100μm2以上、200個/100μm2
下である支持体を包含する。
【0024】また、電磁変換特性を向上させるために磁
性面側の無機粉体粒子量を少なくすることで磁性表面を
平滑にし、バック層側は走行性改良のためにフィラー量
を多く添加する工夫がなされているデュアルベース(磁
性面側とバック層側の2層からなる支持体)が知られて
いる。デュアルベースを用いた場合も、走行によるエッ
ジダメージはデュアル層断面中の無機粉体粒子の平均粒
子数に依存する。これはバック側の無機粉体粒子数が多
くても、無機粉体粒子数が少ない磁性層側のスリット断
面が支えるためにエッジダメージが軽減されるためと考
えられる。デュアル層断面中の無機粉体粒子の平均粒子
数は、好ましくは200個/100μm 2以下、さらに
好ましくは180個/100μm2以下である。一方、
デュアル層断面中の無機粉体粒子の平均粒子数は、10
個/100μm2以下では支持体表面の滑性が不足し生
産工程でのハンドリングが困難になる。このため、デュ
アル層断面中の無機粉体粒子の平均粒子数は、10個/
100μm2以上、200個/100μm2以下が望まし
い。但し、上述のように、「支持体の厚み方向における
断面の無機粉体粒子数」とは、支持体の厚み方向におけ
る断面全体にわたる無機粉体の粒子数の平均値を意味す
るので、デュアルベースの場合、例えば、一方の層に断
面における無機粉体粒子数が200個/100μm2
超え、あるいは10個/100μm2未満であっても、
両方の層、即ちデュアル層の断面における無機粉体粒子
の平均粒子数が、10個/100μm2以上、200個
/100μm2以下であればよい。
【0025】本発明の磁性層の抗磁力Hcは159〜2
39KA/m、好ましくは191〜239KA/mであ
る。このように、高い抗磁力Hcを有する磁性層を前述
の非磁性支持体上に、例えば、0.05μm以上、0.
1μm以下の厚さとなるように設けることで、高出力を
保持する耐久性の良い磁気記録媒体を提供できる。耐久
性が向上した非磁性支持体としては、芳香族ポリアミド
樹脂を挙げることができ、高出力を得るために下層塗布
層の上に厚みが0.05μm以上1.0μm以下の薄層
磁性層を設け、かつ前記下層の厚みを0.5μm以上
2.0μm以下とすることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性
層を設けてなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持
体が芳香族ポリアミド樹脂からなり、例えば、一般式 −NHCO−Ar1−CONH−Ar2 (ここで、Ar1、Ar2は少なくとも1個の芳香族環
を含有する2価の有機基であって、炭素数は6〜25の
範囲内が好ましい)または −CO−Ar3−NH− (ここでAr3は少なくとも1個の芳香族環を含有する
2価の有機基であって、炭素数は6〜25の範囲内が好
ましい)で示されるものを50モル%以上含むものであ
ることができる。芳香族ポリアミド樹脂は、例えば、パ
ラフェニレンテレフタルアミド、パラフェニレンイソフ
タルアミド、メタフェニレンテレフタルアミド、メタフ
ェニルイソフタルアミドなどからなるものが挙げられ
る。
【0027】さらに芳香族環のフェニル核にニトロ基、
アルキル基、アルコキシ基などの置換基を有するものも
含まれる。この芳香族ポリアミドの中ではパラフェニレ
ンテレフタルアミドを主体とするものがより好ましく、
機械強度、弾性率が大きく、吸湿率が低く、さらに耐熱
性にも優れ、機械的、熱的な寸法安定性が良いため良好
な高密度記録媒体用素材として好適である。
【0028】前述のような構造からなる芳香族ポリアミ
ドを構成する単量体としては、テレフタル酸クロリド等
の酸クロリドとパラフェニレンジアミンやメタフェニレ
ンジアミン等のジアミンを挙げることができる。
【0029】上記芳香族ポリアミドは、例えば、特許第
2628898号公報に記載されている。また、芳香族ポリア
ミドは、市販品としても入手でき、アラミカ(旭化成工
業(株)製)、ミクトロン(東レ(株)製)を挙げるこ
とができる。
【0030】本発明に用いる芳香族ポリアミドフィルム
の厚さは、一般には1.0〜7.0μmであり、好まし
くは2.0〜6.0μm、さらに好ましくは3.0〜
5.0μmの範囲にある。また、本発明の磁気記録媒体
は、全層厚みが2μm以上、8μm未満、好ましくは2
μm以上、6.8μm未満であることが、アラミドフィ
ルムを用いて高密度化及び薄手化を図るという観点から
適当である。
【0031】無機粉体粒子(フィラー)粒子としては、
球状シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン等から選択
される。平均一次粒径は40〜200nm、さらに好ま
しくは40〜180nmである。また、磁性層面側とバ
ック層面側の表面性をコントロールするために、無機粉
体粒子(フィラー)粒子の添加量を変えた2種のドープ
を用意し、2液を同時重層できる専用ダイにてキャステ
ィング行い、表裏で表面性が異なる重層フイルムを得る
ことが出来る。尚、支持体に含まれる無機粉体粒子(フ
ィラー)粒子は、粒子がなるべく揃っていることが好ま
しい。例えば、平均粒子径に対して、2倍のサイズまで
の粒子の累積個数が全個数の90%以上であるものが好
ましい。
【0032】本発明の磁気記録媒体の磁性層は、強磁性
粉末を結合剤中に分散してなるものである。用いられる
強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化
鉄、バリウムフェライト粉末又は強磁性金属粉末等であ
る。
【0033】強磁性粉末はSBET(BET比表面積)
が40〜80m2/g、好ましくは50〜70m2/gで
ある。結晶子サイズは12〜25nm、好ましくは13
〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmであ
る。長軸長は0.05〜0.25μmであり、好ましく
は0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.0
8〜0.15μmである。強磁性粉末のpHは7以上が
好ましい。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−
Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等の
単体又は合金が挙げられ、金属成分の20重量%以下の
範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウ
ム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜
鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウ
ム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタ
ル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビス
マス等を含ませることができる。
【0034】また、磁性粉末は、例えば、特開平8-2553
34号公報に記載されているような、CoがFeに対して、10
〜40at%、Alが2〜20at%、Yが1〜15at%含まれるもので
あることが、焼結を少なくして分散性に優れるという観
点から好ましい。また、強磁性金属粉末が少量の水、水
酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。
【0035】また、本発明の磁気記録媒体の磁性層に用
いられる強磁性粉末は、抗磁力が150〜220KA/mであ
り、かつσSが1.26〜2.26×10-4Wb・m/kgであることが、
記録減磁損失を少なくし、かつ熱揺らぎによる磁化量低
減を防ぐという観点から好ましい。さらに、強磁性粉末
のSSAは、35〜60m2/gであることが、適度な分散液粘度
とバインダーとの親和性という観点から好ましい。
【0036】これらの強磁性粉末の製法は既に公知であ
り、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に
従って製造することができる。
【0037】強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通
常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状(紡錘状ともい
う)及び板状のものなどが使用される。とくに針状又は
紡錘状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
【0038】本発明においては、結合剤、硬化剤及び強
磁性粉末を、通常、磁性塗料の調製の際に使用されてい
るメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性層形成
用塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うこと
ができる。
【0039】本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いる結
合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂等を用いることができる。好ましいバイ
ンダーは、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、ニトロセルロース等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂である。その中でも、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂
を用いるのが、バックコート層の硬度を磁性層の硬度に
近くなりバック写りを低減することができるため、より
好ましい。さらに、結合剤の一部に、環状構造とエーテ
ル基とを含むポリウレタン樹脂を含むことが、分散性を
向上させるという観点から好ましい。
【0040】特に好ましいバインダーは、ジオールと有
機ジイソシアネートとの反応により得られるポリウレタ
ン樹脂であって、上記ジオールとして、環状構造を有す
る短鎖ジオールおよびエーテル結合を有する長鎖ジオー
ルを、ポリウレタン樹脂を基準として、それぞれ17〜
40重量%および10〜50重量%含有するものからな
り、かつ上記長鎖ジオール中のエーテル結合を、ポリウ
レタン樹脂に対して、1.0〜5.0モル/g含有する
ものである。Tgは、−20〜150℃、好ましくは2
0〜120℃、更に好ましくは50〜100℃である。
【0041】長鎖ジオールの環状部分が脂肪族、芳香族
のいずれであっても、塗膜Tgが50〜150℃、好ま
しくは70〜100℃、カレンダー処理温度±30℃=
塗膜Tgになるように塗膜Tgを最適化し、カレンダー
成形性と塗膜強度を両立できるように、バインダー組成
を調製することが好ましい。
【0042】バインダーは、通常ポリイソシアネート硬
化剤により、硬化させられる。ポリウレタン樹脂100
重量部に対する硬化剤の使用量は0〜150重量部、好
ましくは0〜100重量部、更に好ましくは0〜50重
量部である。
【0043】ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量は、
1分子あたり3個〜20個であるのが好ましく、より好
ましくは1分子あたり4個〜5個である。1分子あたり
3個以上であるとポリイソシアネート硬化剤との反応性
が良好であり、塗膜強度と耐久性が良好となる。また、
20個以下であれば、溶剤への溶解性と分散性が低下す
ることもない。
【0044】ポリウレタン樹脂中の水酸基の含有量を調
整するために、水酸基が3官能以上の化合物を用いるこ
とができる。具体的には、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、特公
平6−64726号に記載されるポリエステルポリオー
ルを原料とする2塩基酸と該化合物をグリコール成分と
して得られる3官能以上水酸基を有する分岐ポリエステ
ル、ポリエーテルエステルが挙げられる。好ましいのは
3官能のものであり、4官能以上になると反応過程にお
いてゲル化しやすくなる。
【0045】ポリウレタン樹脂は、分子中に−SO
3M、−OSO3M、−COOM、−PO 3MM′、−O
PO3MM′、−NRR′、−N+RR′R″COO−
(ここで、M及びM′は、各々独立に水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩であり、
R、R′及びR″は各々独立に炭素数1〜12のアルキ
ル基を示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を含
むことが好ましく、とくに好ましくは、−SO3M、−
OSO3Mである。これらの極性基の量は好ましくは、
1×10-5〜2×10-4eq/gであり、特に好ましく
は5×10-5〜1×10 -4eq/gである。1×10-5
eq/g以上であれば、粉体への吸着も充分で、良好な
分散性が得られ、2×10-4eq/g以下であれば溶剤
への溶解性も分散性も良好である。
【0046】ポリウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)
は5000〜100,000が好ましく、さらに好まし
くは10,000〜50,000であり、特に好ましく
は20,000〜40,000である。5000以上で
あれば、塗膜の強度や耐久性が良好であり、100,0
00以下であれば、溶剤への溶解性や分散性も良好であ
る。
【0047】ポリウレタン樹脂の環状構造は剛直性に影
響し、エーテル基は柔軟性に寄与する。上述のポリウレ
タン樹脂は、溶解性が高く、慣性半径(分子の広がり)
が大きく、粉体の分散性が良好である。また、ポリウレ
タン樹脂自身の硬さ(高Tg、高ヤング率)と靱性(伸
び)の2つの特性を兼ね備えている。
【0048】磁性層形成用塗料は、上記成分以外に、α
−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラック等
の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオ
イル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている添加剤
あるいは充填剤を含んでいてもよい。
【0049】本発明の磁気記録媒体は、支持体(好まし
くは芳香族ポリアミドフィルムからなる)と磁性層の間
に、非磁性の無機粉末と結合剤(バインダー)を含む非
磁性層を有する。非磁性の無機粉末は、金属酸化物、金
属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属
硫化物等の無機化合物や非磁性金属から選択することが
できる。
【0050】無機粉末としては、例えば酸化チタン(T
iO2、TiO)、α化率90〜100%のα−アルミ
ナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、酸化ク
ロム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化タングステン、酸化バ
ナジウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、コランダム、窒
化珪素、チタンカーバイト、二酸化珪素、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ン、ゲーサイト、水酸化アルミニウムなどを単独又は組
合せで使用することができる。
【0051】特に好ましい無機粉末は二酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましくは
二酸化チタン又は酸化鉄である。非磁性金属としては、
Cu、Ti、Zn、Al等が挙げられる。これら無機粉
末の平均粒径は0.005〜2μmであることが好まし
いが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性無機粉末を
組み合わせることや、単独の非磁性粉末でも粒径分布を
広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ
好ましいのは、平均粒径が0.01μm〜0.2μmの
非磁性無機粉末である。非磁性粉末のpHは6〜9であ
るのが特に好ましい。非磁性無機粉末の比表面積は1〜
100m2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ま
しくは7〜40m2/gである。非磁性無機粉末の結晶
子サイズは0.01μm〜2μmであることが好まし
い。
【0052】非磁性無機粉末はDBPを用いた吸油量が
5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml
/100g、更に好ましくは20〜60ml/100g
であることが適当である。比重は1〜12、好ましくは
3〜6であることが適当である。形状は針状、紡錘状、
球状、多面体状、板状のいずれであっても良い。
【0053】非磁性層に含まれる結合剤、潤滑剤、分散
剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、上記の磁性層の
ものをそのまままたは適当に変更して適用できる。特
に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に
関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0054】本発明の磁気記録媒体のバックコート層に
は、耐久性を確保するために、粒状酸化物を使用するの
が好ましい。粒状酸化物としては、α−Al23、α−
酸化鉄又はこれらの混合物のいずれかを用いるのが好ま
しい。α−Al23とα−酸化鉄は、通常使用されるも
のを用いることができる。また、粒子の形状は特に制限
されない。球状の場合は、粒径が0.01〜0.1μm
であるものが、また、針状の場合は、針状比が2〜20
であるものが適当であり、長軸長が0.05〜0.3μ
mであるものが好ましい。粒状酸化物の含有量は、カー
ボンブラック100重量部として0.1から1 0重量部とする
ことが適当である。
【0055】バックコート層には、耐電防止のためにカ
ーボンブラックを使用するのが好ましい。バックコート
層に使用するカーボンブラックは、磁気記録テープに通
常使用されているものを広く用いることができる。例え
ば、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラッ
ク、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等
を用いることができる。バックコート層の凹凸が磁性層
に写らないようにするために、カーボンブラックの粒径
は0.3μm以下にするのが好ましい。特に好ましい粒
径は、0.01〜0.1μmである。また、バックコー
ト層におけるカーボンブラックの使用量は、光学透過濃
度(マクベス社製TR−927の透過値)が2.0以下
になる範囲にするのが好ましい。
【0056】走行耐久性を向上させる上で、平均粒子サ
イズの異なる2種類のカーボンブラックを使用すること
が有利である。この場合、平均粒子サイズが0.01か
ら0.04μmの範囲にある第1のカーボンブラック
と、平均粒子サイズが0.05から0.3μmの範囲に
ある第2のカーボンブラックとの組み合わせが好まし
い。第2のカーボンブラックの含有量は、粒状酸化物と
第1のカーボンブラックとの合計量を100重量部とし
て、0.1から10重量部が適しており、0.3から3
重量部が好ましい。
【0057】バックコート層でのバインダーの使用量
は、粒状酸化物とカーボンブラックの合計重量を100
重量部として10〜40重量部の範囲から選ばれ、より
好ましくは20〜32重量部にする。このようにして形
成されるバックコート層の膜強度は高く、表面電気抵抗
は低くなる。
【0058】本発明のバックコート層用バインダーに
は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹
脂等を用いることができる。
【0059】本発明の磁気記録媒体が有する各層の厚さ
は、例えば、支持体の厚みを4.0μmとした場合、磁
性層を例えば0.03〜0.5μm、好ましくは0.0
5〜0.5μm、さらに好ましくは0.08〜0.3μ
mにし、非磁性層を0.1〜2μm、好ましくは0.5
〜2μm、より好ましくは0.8〜2μmにすることが
できる。非磁性層は、磁性層より厚いことが好ましい。
【0060】本発明の磁気記録媒体に形成するバックコ
ート層の厚さは、0.05〜1.0μmの範囲内に設定
することが好ましい。その中でも0.1〜0.8μmの
範囲内に設定するのが好ましい。
【0061】本発明の磁気記録媒体は、芳香族ポリアミ
ドフィルムの一方の面に非磁性粉末を含む非磁性層を介
して磁性層を有し、かつ磁性層と反対面に設けるバック
コート層するものを広く含む。本発明の磁気記録媒体に
は、これらの層以外の層を有するものも含まれ、例え
ば、軟磁性粉末を含む軟磁性層、第2の磁性層、クッシ
ョン層、オーバーコート層、接着層、保護層を有してい
てもよい。これらの層は、その機能を有効に発揮するこ
とができるように適切な位置に設けることができる。
【0062】本発明の磁気記録媒体は、例えば、乾燥後
の層厚が上述の所定の範囲内になるように、走行下にあ
る芳香族ポリアミドフィルムの表面に塗料を塗布または
蒸着してゆくことによって製造することができる。複数
の磁性塗料もしくは非磁性塗料を逐次あるいは同時に重
層塗布してもよい。磁性塗料を塗布するための塗布機と
しては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッ
ドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズ
コート、含浸コート、リバースロールコート、トランス
ファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キ
ャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用
できる。これらについては例えば(株)総合技術センタ
ー発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月3
1日)を参考にできる。
【0063】片面に2以上の層を有する磁気記録テープ
を製造するときには、例えば以下の方法を用いることが
できる。
【0064】(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用され
るグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等
の塗布装置によってまず下層を塗布し、下層が乾燥する
前に特公平1−46186号公報、特開昭60−238
179号公報、特開平2−265672号公報等に開示
されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置等
を用いて、上層を塗布する方法。
【0065】(2)特開昭63−88080号公報、特
開平2−17971号公報、特開平2−265672号
公報に開示されている塗料通液スリットを2個有する一
つの塗布ヘッド等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布す
る方法。
【0066】(3)特開平2−174965号公報に開
示されているバックアップロール付きのエクストルージ
ョン塗布装置等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する
方法。
【0067】バックコート層は、研磨材、帯電防止剤な
どの粒状成分とバインダーを有機溶剤に分散したバック
コート層形成用塗料を、磁性層とは反対の面に塗布する
ことによって調製することができる。上記の好ましい態
様のように、カーボンブラックよりも粒状酸化物の使用
量を多くすれば十分な分散性を確保することができるた
め、従来必要とされていたロール混練を行わずにバック
コート層形成用塗料を調製することができる。また、カ
ーボンブラック含有比率が低ければ、シクロヘキサノン
を溶剤として使用しても乾燥後の残留シクロヘキサン量
を低減することができる。
【0068】塗布した磁性層は、磁性層中に含まれる強
磁性粉末を磁場配向処理した後に乾燥する。磁場配向処
理は、当業者に周知の方法によって適宜行うことができ
る。
【0069】磁性層は、乾燥後にスーパーカレンダーロ
ールなどを用いて表面平滑化処理する。表面平滑化処理
を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた
空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上す
る。このため、電磁変換特性の高い磁気記録テープを得
ることができる。
【0070】カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、
ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性
プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理
することもできる。
【0071】本発明の磁気記録媒体は、平滑性が良好な
表面を有しているのが好ましい。平滑性を良好にするた
めには、例えば上述したように特定のバインダーを選ん
で形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すのが有効
である。カレンダー処理は、カレンダーロールの温度を
60〜100℃、好ましくは70〜100℃、特に好ま
しくは80〜100℃にし、圧力を100〜500kg
/cm、好ましくは200〜450kg/cm、特に好
ましくは300〜400kg/cmにして行う。得られ
た磁気記録テープは、裁断機などを使用して所望の大き
さに裁断して使用することができる。カレンダー処理を
経た磁気記録テープは、熱処理するのが一般的である。
【0072】
【実施例】 <磁気テープ作成方法> 磁性層 実施例1 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=100/30(原子比) 100部 Hc 187KA/m BET法による比表面積 49m2/g 結晶子サイズ16nm Al/Fe=13原子%、Y/Fe=7原子% 粒子サイズ(長軸径) 0.09μm 針状比 7 σs:145A・m2/kg 塩化ビニル系共重合体 10部 日本ゼオン製MR−110 ポリウレタン樹脂 6部 水素化ヒ゛スフェノールA モル比0.6 ヒ゛スフェノールAのホ゜リフ゜ロヒ゜レンオキシト゛付加物 モル比0.3 スルホイソフタル酸エチレンオキシト゛付加物 モル比0.05 シ゛フェニルメタンイソシアネート モル比1.0 トリメチロールフ゜ロハ゜ン モル比0.05 ウレタン基濃度 4.0meq/g エーテル基濃度 5.0meq/g 分子量(数平均) 2.5万 α−Al23(平均粒径0.15μm) 5部 カ−ボンブラック(平均粒径0.08μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 5部 メチルエチルケトン 90部 シクロヘキサノン 30部 トルエン 60部
【0073】 下層塗布層(非磁性) 非磁性粉体 αFe2O3 ヘマタイト 80部 P/Fe=1.3原子%、Al/Fe=6.0原子%、Si/Fe=7.0原子% 長軸長 0.15μm BET法による比表面積 52m2/g pH 8 タップ密度 0.8 DBP吸油量 27〜38g/100g、 カーボンブラック 20部 平均一次粒子径 16nm DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2/g 揮発分 1.5% 塩化ビニル系共重合体 12部 日本ゼオン製MR−110 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 水素化ヒ゛スフェノールA モル比0.6 ヒ゛スフェノールAのホ゜リフ゜ロヒ゜レンオキシト゛付加物 モル比0.3 スルホイソフタル酸エチレンオキシト゛付加物 モル比0.05 シ゛フェニルメタンイソシアネート モル比1.0 トリメチロールフ゜ロハ゜ン モル比0.05 ウレタン基濃度 4.0meq/g エーテル基濃度 5.0meq/g 分子量 (数平均) 2.5万 α−Al23(平均粒径0.3μm) 1部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 100部 シクロヘキサノン 50部 トルエン 50部
【0074】上記の塗料について、各成分をオープンニ
−ダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。
得られた下層分散液にポリイソシアネ−ト(日本ポリウ
レタン(株)製コロネートL)を下層塗布層の塗布液には
5部加え、さらにそれぞれにメチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン混合溶媒40部を加え、1μmの平均孔径
を有するフィルタ-を用いて濾過し、下層塗布層、磁性層形
成用の塗布液をそれぞれ調製した。
【0075】得られた下層塗布層塗布液を、乾燥後の厚
さが1.3μmになるようにさらにその直後にその上に
磁性層の厚さが0.25μmになるように、厚さ4.5
μmで磁性層塗布面の中心線表面粗さが0.001μm
のポリアミド樹脂支持体(後述する方法で作成した)上
に同時重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にある
うちに5000G(500mT)の磁力をもつ希土類磁
石と4000G(400mT)の磁力をもつソレノイド
により配向させ乾燥後、金属ロールとエポキシ樹脂ロー
ルから構成される7段のカレンダで温度100℃にて分
速200m/min.で処理を行い、その後、厚み0.5μm
のバック層を塗布した。6.35mmの幅にスリットし
て、DVCPRO用テ−プ123分物を作成した。各物
性の測定結果を表1に示す。
【0076】非磁性支持体としてポリアミド樹脂支持体
(アラミド)は以下の公知の方法で作成した。ηinh
(対数粘度)が5.5のPPTAポリマーを平均粒径80nmのコ
ロイド状シリカを0.005重量%含む濃硫酸にポリマ
ー濃度11.5%になるように溶解し、このドープを約70℃
に保つたまま、真空下に脱気した。0.15mm×300mmのス
リツトを有するダイから3.5m/分の吐出線速度で、鏡面
に磨いたタンタル製のベルト(12m/分で移動)にキヤス
トし、相対湿度約85%の約90℃の空気を吹きつけて、流
延ドープを光学等方化し、ベルトとともに、−5℃の15
重量%硫酸水溶液の中に導いて凝固させた。次いで凝固
フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水中、炭
酸ソーダの1%水溶液中、次いで25℃水中を走行させて
洗浄した。洗浄の終了した含水率約280%のフイルムを
まず室温でロールの周速差を利用して長尺方向(MD)に
1.2倍に一軸延伸を行い、次いでテンターに入れて入口
に近いところで幅方向(TD)に1.2倍に延伸しテンター
の中央付近は150℃に定長加熱して乾燥し、更にテンタ
ーの出口付近には赤外線ランプをとりつけて400℃で熱
処理したのち、長尺フイルムを捲取つた。得られたPPTA
フイルムは、透明性にすぐれ、4.0μmの厚さをもつ
ていた。
【0077】<磁気特性>磁気特性は東英工業製の振動
試料型磁力計VSM-P7と同社製DATA処理装置を使用し、印
可磁場796A/mで測定した。 <磁性層及び下層厚味>磁性層の厚みは超薄切片を透過
型電子顕微鏡で観察・撮影し、写真倍率を補正し求めた。 <テープ全厚>精度1μmもマクロメータを用い、テー
プを10枚重ねて測定し、値を1/10にし、1枚当た
りの厚みとした。 <再生出力>業務用デジタルVTR(DVCPRO)の
AJ−D750(松下電気産業製)を用いて、25℃6
0%RHでデータ出力波形を観察した。富士フィルム社製
レファレンステープ(DP121-66M)に比べて、最も、出
力の低いところを再生出力とした。−3dB以上を目標
とした。 <全長走行>業務用デジタルVTR(DVCPRO)の
AJ−D750(松下電器産業製)を用いて、5℃80
%RH環境で再生;巻き戻しを100回繰り返した。その
100パスの中で最も瞬間目詰まり(120μsec以
上;−3dB)が多かった1パスの中の瞬間目詰まり回
数をもって表記した。10個以下を可とした。また、全
長走行とともに巻き太り量を評価した。全長走行を始め
る前にサプライリールに380mを巻き込んで、その巻
の直径を計測した。その後、全長記録して、再生走行
(プレイ&リワインド)を100回させた後、サプライ
リールに巻き取った後、再度巻径を測定した。走行前後
の巻径増大量を巻き太り量として評価した。巻き太り量
h、0.4mm以下であることが実用上好ましい。 <巻き硬さ>巻き硬さは、前記全長走行100パス後
に、サプライリールを固定し、テープの引き出しトルク
を巻き硬さと定義した。引き出しトルクは可動するスト
レス−ストレインゲージにサプライリールを固定し、巻
きほぐしたテープをストレス−ストレインゲージに取り
付け、稼働しながらアンプを介したレコーダーに記録
し、引き出し長30mmのピークトルクを巻き硬さとし
た。巻き硬さは、0.5N以上が好ましい。
【0078】<フィラーの数>磁気テープの小片をエポ
キシ樹脂接着剤で包埋し、その包埋ブロックの先端を適
当な形状、大きさに成形後、ミクロトームで断面を切り
出して観察資料を作成した。作成した断面試料を日立製
走査型電子顕微鏡FE−SEM S−800型を用いて
2万倍の写真に撮影し、非磁性支持体内のフィラーの粒
子数を計測した。
【0079】実施例2及び比較例1 実施例2は実施例1に対して濃硫酸溶解前濃度を0.0
35wt%の増量した。比較例1は更に濃度を0.07
0wt%に増量した。磁性層及び下層、バック層は実施
例1と同じにした。各物性の測定結果を表1に示す。以
下の表1から、非磁性支持体の断面のフィラー量を多く
すると、巻き太りが大きくなり、ゆる巻きとなることが
分かる。
【0080】
【表1】
【0081】実施例3、4、比較例2 実施例3、4、比較例2はアラミドを共出キャスト法に
より重層構造とした。磁性層側の層、バック層側の層と
の厚みを変更した。バック層側はキャスト時のベルト面
側とし、磁性層はその反対側とした、磁性液、下層液、
バック液は実施例1と同じにした。それぞれ、包埋後に
断面切り、アラミドの面の平均フィラー数を求めた。各
物性の測定結果を表2に示す。以下の表2から、デュア
ル構造の非磁性支持体の断面の平均フィラー数が多くな
ると、巻き太りが大きくなり、ゆる巻きとなることが分
かる。
【0082】
【表2】
【0083】実施例5、6、比較例3 実施例5、6、比較例3は磁性体のHcを変更したもの
である。その他の条件は実施例1と同じにした。各物性
の測定結果を表3に示す。以下の表3から、Hcが低く
なると出力が低下することが分かる。
【0084】
【表3】
【0085】実施例7、8 実施例7、8は磁性層厚みを変更したものである。それ
以外は実施例1と同じにした。各物性の測定結果を表4
に示す。以下の表4から、磁性層厚みが0.08〜0.
5μmの範囲で、出力及び巻き太り、巻きゆるみが共に
良好であることが分かる。
【0086】
【表4】
【0087】実施例9、10、11 実施例9、10、11は下層非磁性層厚みを変更したも
のである。それ以外は実施例1と同じにした。各物性の
測定結果を表5に示す。以下の表5から、下層非磁性層
厚みが薄いと初期出力が低下する傾向があることが分か
る。
【0088】
【表5】
【0089】実施例12、13、比較例4 実施例12、13、比較例4はフィラー粒径を変更した
ものである。他の条件は実施例1と同じにした。各物性
の測定結果を表6に示す。以下の表6から、フィラー粒
径が400nmと大きいものはフィラー数が200個/100μm2
であっても、初期出力や瞬間目詰まりが劣ることが分か
る。
【0090】
【表6】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、 電磁変換特性に優
れ、走行耐久性のよい磁気記録媒体を量産生良く提供す
る事が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昌敏 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社小田原工場内 (72)発明者 高野 博昭 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社小田原工場内 Fターム(参考) 5D006 BB07 CB03 CB06 DA00 FA02 FA05 FA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の一方の面に無機粉末と結合
    剤とを含む下層及び強磁性粉末と結合剤を含む上層磁性
    層をこの順に有し、他方の面にバックコート層を有する
    磁気記録媒体であって、前記磁性層は抗磁力が159〜
    239KA/mであり、前記非磁性支持体は平均一次粒
    径が40〜200nmである無機粉体粒子を含み、前記
    非磁性支持体の厚み方向の断面における前記無機粉体粒
    子の存在個数は、10個/100μm2〜200個/1
    00μm2であり、全厚が8μm未満であることを特徴
    とする磁気記録媒体。
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